本稿ではオリジナルである表題作(PS4版・3DS版)を紹介している(判定はいずれも良作)。
『S』は別記事で紹介しています。
【どらごんくえすといれぶん すぎさりしときをもとめて】
ジャンル | RPG | ![]() ![]() |
対応機種 |
プレイステーション4 ニンテンドー3DS |
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発売元 | スクウェア・エニックス | |
開発元 |
スクウェア・エニックス オルカ(3DS版3Dモード) アルテピアッツァ(3DS版2Dモード) |
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発売日 | 2017年7月29日 | |
定価 |
【PS4】8,980円 【3DS】5,980円(税抜) |
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セーブデータ |
【PS4】9個+オートセーブ+パスワード 【3DS】3個+中断データ1個+パスワード |
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判定 | 良作 | |
ポイント |
シリーズ30周年の集大成 性能に大きく差があるハードでマルチタイトル 歴代作のオマージュが非常に豊富 味方キャラ間の戦力バランスが極めて良い ストーリーの一部展開などは賛否分かれる 初回特典などを除き、DLCなし(*1) 『11S』登場によるほぼ(*2)完全下位互換化 |
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ドラゴンクエストシリーズ |
『ドラゴンクエスト』シリーズのナンバリング第11作。
MORPGだった『IX』や、MMORPGとなった『X』を経て原点回帰がコンセプトのシングルプレイ用オフラインRPGとなった。
また、初のマルチプラットフォーム対応作品で、PS4と3DSの同時発売となった。
PS4版は『X』をベースに「Unreal Engine 4」を使った美しいグラフィック表現が特徴で、3DS版は『IX』や3DS版『VII』をグレードアップしたグラフィック表現となっている。また、基本的な内容に違いはない(*3)が、機種別限定の要素も用意された。
そして勇者は「悪魔の子」と呼ばれた──
世界の中心に浮かぶ「命の大樹」の恵みにより繁栄する世界ロトゼタシア。
その片隅にあるイシの村で育った主人公は、村に伝わる成人の儀式の最中、伝説の勇者の力に目覚める。
祖父の遺言により勇者の生まれ変わりとして旅に出ることになった主人公はデルカダール城へ赴き王と謁見する。
しかし、デルカダール王は勇者を「悪魔の子」と呼び、地下牢へ投獄してしまう。
牢で出会った盗賊の青年カミュと共にデルカダールを脱出した主人公は、勇者の真実を知るため広い世界へ旅立つのだった。
今作は主人公を含めて8人のキャラクターがパーティメンバーに加わる。 戦闘に出られるのは4人までだが入れ替えはいつでも可能で、前に出ていた4人が全滅すると残り4人が戦う、4~6に近いシステム。 ちなみに、すべてのキャラクターが正式加入前にNPCとして共闘する機会が用意されている(*4)。
+ | パーティメンバー。CVはS版のみ |
新要素「ゾーン」と「れんけい」
スキルパネル
ふしぎな鍛冶
錬金釜に代わる新要素。『X』の鍛冶職人のアレンジ。素材を集めて武器や防具、アクセサリーを作成する点は同じだが、以下のような違いがある。
モンスター乗り物
フィールド攻撃
キャンプ
しばりプレイ
復活の呪文
クエスト
町中などにいる人から「クエスト」を請け負って条件をクリアすると報酬が貰えるという『IX』と同様のシステム。
リアルなグラフィックとアクション要素
戦闘システム
オートセーブ
専用ミニゲーム
3Dモードと2Dモード
時渡りの迷宮
ストーリー
魅力的なキャラクター
歴代シリーズネタ
今作はシリーズ30周年記念作の面もあるため、歴代シリーズに関連するネタ要素も豊富に用意されている。例えば…
れんけい技による演出・戦術の強化
戦闘システム
ストーリーへの批判
+ | ネタバレ |
ストーリー中盤におけるあるキャラの扱い
+ | ネタバレ |
ストーリー途中でのステータスの巻き戻り
+ | ネタバレ |
グラフィック
戦闘
難易度のバランスと戦闘力のインフレ
ふしぎな鍛冶
しばりプレイ
過去作のBGMの流用
フィールド
クエスト
CGムービーがあるのにキャラクターボイスがない
ルーラの仕様変更
使いづらい復活の呪文
モンスターのバリエーション
一部ストーリーのつなぎ方
+ | ネタバレ |
裏ダンジョンの報酬
+ | ネタバレ |
ラスボスのデザイン
+ | ネタバレ |
本作オリジナルの楽曲の扱い
BGMの演奏に使われている打ち込み音源の音質
その他
快適性の低さ
AI戦闘の使い勝手の悪化
ボウガンアドベンチャー
ヨッチ族についての言及がない
2つの盾の売値について
2Dモード
時渡りの迷宮の冗長さ
冒険の書の世界
+ | ネタバレ |
フリーズが多い
2つの盾の売値について
勇者を中心とした勧善懲悪に立ち返った王道的なストーリーラインや魅力的なキャラクター達、良好なコマンド戦闘など、おなじみの「ドラクエらしさ」が詰まった良作。
『IX』『X』では従来のスタイルに大きな変革が行われた結果、保守的なファン層からの評価が芳しくはなかったが、好評だった意欲的な要素を残しつつ王道へ立ち返った本作は全ての層に大いに歓迎された。
ライトユーザーもヘヴィユーザーも、伝統的なスタイルを好むシリーズファンにも安心して遊べる作品となっている。
歴代シリーズへの様々なオマージュも盛り込まれており、シリーズ30周年記念に相応しい、あらゆる世代のDQファンの期待に応えるまさに集大成と言える一作である。
*1 初回購入特典や公式攻略本などの購入特典として、特定のアイテムをセットにしたコンテンツは存在しているが、あくまで作中で入手手段が別に用意されているアイテムの詰め合わせ。DLC限定のアイテムや追加ストーリーやイベントなどはない。
*2 PS4版とPC版は解像度等はこちらの方が良いが
*3 実は戦闘システム等若干3DS版の方が難易度が低い(例:控えから入れ替えて出したキャラが即動ける、ハッスルダンス(全体回復)の範囲に控えを含む、等)
*4 3DS版のマルティナのみ、序盤にNPCとして同行するタイミングでエンカウントが一切発生しない。
*5 ゲーム中でも度々指摘される他、人気投票でも8割以上が女性票だった
*6 キャラクタープロフィールによると、身長110cm。これは5才児と同じくらいの体格である。
*7 丁度FFXをイメージしてもらえばわかりやすい。なお、FFXの場合は画面右に行動順を表す表が表示されていたが本作にはその機能はない。
*8 行動可能なキャラクターが選ばれている状態で入れ替えると、そのキャラクターはそのターン行動できない。
*9 こちらも好きなイベントランキングで1位を獲得している
*10 実質的な(オフラインかつ家庭用ハードで出ている)前作である『VIII』で登場した新規モンスターの中には、その人気にかかわらず本シリーズでは続投していないものも多い(不思議のダンジョンやモンスターズなどでは活躍しているようだ)。
*11 実際にいずれのアイテム解説文にも「なぜか」と書かれている。おそらくプレイ体験を向上するためにあえての変更と思われる
*12 PS4版でも村の中限定で連れ歩ける
*13 時間逆行イベント時点で仲間が持っていたアイテムはふくろに送られている
*14 ドロップは100%だが、別にこの鍵を守っているボスではない
*15 壁画に人を呼び寄せて吸収していた
*16 かつ、ストーリー順で直接メルトアに向かってもそれまでの通過地点でそういった宝箱だけがある檻のような場所を多数見ているので
*17 他に、主観視点追加といった操作関連の改良も
*18 堀井雄二氏から「モンスターズの方も別途開発中」と語られ、2年後のモンスターズ25周年サイト内でSwitch向けに開発中と発表された後、2023年6月21日のNintendoDirectで『ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅』として正式発表された。