シャドウバース チャンピオンズバトル
【しゃどうばーす ちゃんぴおんずばとる】
ジャンル
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カードバトルRPG
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対応機種
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Nintendo Switch
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発売・開発元
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株式会社Cygames
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発売日
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2020年11月5日
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定価
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5,980円(税別)
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プレイ人数
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1人~2人
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レーティング
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CERO:B(12才以上対象)
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廉価版
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2022年3月24日/2,530円(10%税込)
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備考
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廉価版は3000円分の有料DLCが最初から同梱
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判定
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良作
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ポイント
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様々な割を食った不遇の良作 時間泥棒のパズルクエスト 強力なオリジナルカード 一部の理不尽なストーリー戦
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概要
スマートフォンやPCで展開されている基本無料のDCG『Shadowverse』のアニメ版である『シャドウバース』の世界観を舞台にしたゲーム作品。略称は「シャドバト」。
収録カードは第3弾『バハムート降臨』までのパックのものに、本作のオリジナルカードを加えたものとなっており、先着購入特典として、NFCリーダーにかざしてゲーム内でも同一のカードが入手できる「ダークドラグーン フォルテ」のリアルカードが同梱。
更に、予約先に応じてもう一枚、連動カードが特典として付いてきていた。
プレイヤーはシャドウバースを知らない天青学園の転校生。
竜ヶ崎ヒイロに誘われてシャドバプレイヤーとなるが、既に天青学園のシャドバ部は廃部の危機にあった。
主人公は仲間達と共に、シャドバ部の廃部を免れるために全国大会制覇を目指す。
システム
バトル自体のルール
以下は基本的な要素に絞った解説。その他は公式サイトを参照。
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カードの種類
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フォロワー - 対戦相手への攻撃などを行うユニットとなるカード。
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スペル - 使い捨て型の魔法カード。
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アミュレット - 持続型の魔法カード。
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基本的なターン進行
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ドロー - ターンの最初に山札から1枚引く(後攻プレイヤーの1ターン目のみ2枚)。
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カードの使用 - PP(プレイポイント、初期値は1でターンごとに1増える)の範囲内で、手札のカードを使用する。
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攻撃 - 相手のフォロワーや相手自身への攻撃。基本的にはターン開始時点ですでに出ていたカードのみ可能(突進付きのフォロワーはフォロワーに限り、疾走付きのフォロワーは無制限に、場に出したターンでも攻撃可能)。
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進化 - EP(進化ポイント)を消費してフォロワーを進化させる。先攻プレイヤーは5ターン目以降に2回、後攻プレイヤーは4ターン目以降に3回まで可能。
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基本的な流れ
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各プレイヤーはデッキから初期手札3枚を引く。1度だけ、任意の枚数を入れ替え可能。
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各プレイヤーは交互に上記の行動を行う。
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相手プレイヤーの体力を削り切るか、相手プレイヤーが山札切れの状態になれば勝ち。
バトル以外の内容
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プレイヤーはフィールドで対戦相手を見つけてシャドバを挑み、それに勝利することで勝利した相手のデッキコード、お金、使用したデッキクラスのランクポイント、ストーリー進行用のポイントを得ることが出来る。
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基本的にはポイントを一定値まで稼ぐことと、ストーリーイベントをこなしていくことで物語が進行していく。
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また、シナリオを進めると新たなカードやカードスリーブが購入可能になる他、特定のキャラのキャラクターストーリーの進行やクエストクリアによってカードが貰えることもある。尚、基本的にカードはフィールド各地にある「シャドバベンダー」で購入可能。
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対戦可能なNPCには頭上に使用クラスに対応したアイコンが浮いており、Yボタンで対戦する相手のデッキランクを選んでからZRで対戦開始となる。ただし、自分のランクより2つ以上格上のランクのデッキとは対戦できない。尚、低ランクの頃に戦ったNPCにもストーリー進行に伴って新たなデッキが追加される場合もある。
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町中にはお金やカードが入手できるポイントがある他、「シャドバスタジアム」の受付では、勝ち抜きモードの「連勝チャレンジ」や詰め将棋に当たる「パズルクエスト」に挑戦することも可能。
また、ストーリー終盤で解放される「ダークスタジアム」では特殊なルールを適用してくる相手との対戦が可能で、スタジアム内のシャドバに勝利するとカードの複製に使用できる「ダークコイン」が入手できる。
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尚、クエストクリアやキャラクターストーリの進行によってシャドウバースのフィギュアが貰える場合があり、貰ったフィギュアは主人公の自室やシャドバ部部室の棚に飾られていく収集要素もある。
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中には「ベルエンジェルの目覚まし時計」なんてものも。
欲しい。
評価点
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初心者救済要素の充実
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ストーリーで基本事項を丁寧に教えてくれる上、主人公の初期デッキはドラゴンクラスなのだが、第一弾「クラシックカードパック」しか解放されていない環境で十分戦えるデッキ構築になっている。
初回封入特典の「ダークドラグーン フォルテ」のカードをNFCリーダーにかざせばゲームの中ですぐに入手可能であることや、最低ランクであるCランクのデッキを使う際のNPCは最大体力が15になっている、デッキランクが低いとAIがプレイミスを起こすように設定されている事もあり、初心者でもカードバトルに慣れやすくなっている。
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演出関係
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メインシナリオに関わるイベントは勿論、メインキャラクター達のサブイベントもモブキャラ含め全てフルボイスで収録されている。勿論紙芝居ではなく、3Dキャラモデルを用いた形式である。
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また、メインシナリオ中アニメーションやイラストが挿入されるのだが、そちらも主人公の性別に応じて主人公の容姿が変化するという力の入れようであり、しかも無言ではなくちゃんと喋る。
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その他、モブの対戦相手も一人一人個別にボイスが用意されており、ある程度の個性付けが為されている。
中二病痛い人も少なくないが。
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無論、カードの豪華声優陣によるボイスにおいても同じ。本家から一切手を加えることなく、オリジナルカード分も含めて抜け漏れ無く収録されている。
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本家を遊んだことがない人のために幾つか例を挙げると、『ちびまる子ちゃん』の永沢君や『名探偵コナン』の目暮警部役でお馴染みの茶風林氏、『遊戯王デュエルモンスターズ』の海馬瀬人役やNHK朝ドラ『エール』のナレーションを務めた津田健次郎氏、『ワンパンマン』ジェノス役や『ポケットモンスター サン&ムーン』でカキ役を務めた石川界人氏、『五等分の花嫁』の中野一花役や『はたらく細胞』赤血球役の花澤香菜氏と先輩赤血球役の遠藤綾氏等も出演している……と言えばその豪華さがお分かりいただけるだろうか。
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また、BGMも本家の物をアレンジして収録されている。本家を知るユーザーからも好評。
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本作で独自の修正が行われ、後に本家にもその修正が逆輸入されたカードも存在する。そのいずれも「使いやすくなった」として好評。
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その代表例がビショップクラスの「スカルフェイン」。修正前は「効果は強力だがコストの高さと本人のステータスの低さ故の使い辛さが目立つ強ネタカード」という立ち位置だったのが、「自分の場にアミュレットを出す度に自身のコスト-1」という効果が追加されたことで一気に一線級の性能になり、疾走ビショップやセラフビショップで必須扱いされるようになった。
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パズルクエストの完成度
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中級まではある程度余裕で解けるものの、上級のパズルは本当に難しく、考えているとあっという間に時間が過ぎていく。
実際に攻略サイトなどに頼らず自力で解き終えたユーザーも「これ考えた人は間違いなくシャドバのプロ」と絶賛する程で、攻略情報が揃っていない頃には「本家にもこれ欲しい」「気付いたら朝だった」といった声が冗談抜きで飛び交っていた。
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細かなオプション設定
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バトル演出の長さや自分と相手それぞれのカットインの有無、ターン終了や進化の確認の有無にコントローラー操作時のカードプレイ確認の種類、コストの補足表示等、本家にも劣らない量の項目が用意されている。
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また、デッキに使ったカードの中からサムネイルを決められる「デッキデザイン変更」、所持しているカードスリーブに変更できる「スリーブ変更」もある。
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アニメ版と打って変わって
評価の高いシナリオ
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対象年齢が子供向け故のおかしな部分もあるが、王道なメインシナリオの出来は悪くない。
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また、不安視されていたキャラクターを掘り下げるキャラクターストーリーも素晴らしい仕上がりで、中には思わず涙してしまったというユーザーもいる程。
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アニメ版の主人公・竜ヶ崎ヒイロも思いやりのある性格が描写されている他、祖父の入院時はシャドウバースから一時的に離れようとするなど人間味があるキャラとして描かれている。
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また、ランクマッチの対戦環境も概ね良好。あえて収録するカードを絞ったお陰と言える。
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発売と同時にアップデートで追加されたオンライン機能だが、追加しただけではなく通信切断者へのペナルティ機能や過去の対戦のリプレイ機能を付けるなど、運営の対応が非常に評価されている。
賛否両論点
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強力なオリジナルカード郡
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アニメオリジナルのキャラクターたちの切り札という事で好意的に受け入れられているのだが、逆に「バハムート降臨までの環境でこれは強すぎる」という理由でデッキ構築の幅を狭めていると感じるユーザーも少なくない。例として、ここではヒイロの「イグニスドラゴン」を挙げる。
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イグニスドラゴンの効果は「ファンファーレ:手札が二枚以下なら進化する。攻撃時:敵フォロワー全員に3ダメージ。ターン終了まで+5/+0する。」という、バハムート降臨までのカードプールがメインとなる本作では明らかに浮いているぶっ壊れ性能。コストは7で素の攻撃力が低いという欠点もあるが、自身のバフ効果とドラゴンデッキのPP増加カードの存在もあって出しにくくはなく、アグロデッキ相手に場に出したが最後、除去手段がなければほぼほぼ勝ちが確定する。
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更に、その性能が遺憾なく発揮されるのがストーリー第6話の最終盤におけるヒイロ戦。
この時のヒイロのデッキにはこの時点ではギリギリプレイヤーが購入できない「バハムート降臨」の収録カードである「サラマンダーブレス」や「竜の闘気」、更に本作オリジナルカードで守護能力と高い体力、覚醒時2ダメージ効果を持つ「シールドドラゴン」をフル活用してくる事もあり、ここで理不尽さを感じたプレイヤーは少なくない。
一応、プレイヤー側も「あいことば」の入力でバハムート降臨のパックを入手することは可能だが、数に限りがある上にカードパックを開けた時点でオートセーブされる仕様のため、改善できるとはとても言い難い。幸い進化後でも攻撃力が5であるため、この時点で入手可能なロイヤルのオリジナルカード「強引な買収」でコントロールを奪えるという救済措置もあるが、そもそも買収を使用可能なロイヤルクラスがサラマンダーブレスやイグニスドラゴンに対して不利であり、どちらにせよかなり運が絡む。そのため、確実に勝率を上げるには課金でバハムート降臨のパックを入手するしかない。
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また、倒した後に第7話でヒイロが「そういえば、新パック"バハムート降臨"が発売されたらしいぜ!」と主人公に教えてくれるのだが、当然プレイヤーからは「お前が言うな」と反感を買った。
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カードイラストが本家に実装された当時のものから修正されている
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アニメの年齢層や本作のレーティングを考えると仕方ない事ではあるが、カードのイラストが主に露出が減る方向で修正されている。
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ただし、ケルベロスなどのごく一部のカードは「むしろこっちが良い」と評価する声もある。
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ちなみに余談に後述しているが、本作の発売一週間前に本家の方もイラストが修正版に差し替えられたことで騒ぎになっていた。
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グラフィックの質はPSVitaレベルで、据え置きモードでもジャギが目立つ。
ただ、あくまでメインはカードバトルであるため、「力の入れ所を間違えていない」という点では評価されている。
問題点
ストーリー関係
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ストーリー進行上、何度か理不尽な強さの対戦相手と戦う必要がある。
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上述した第6話終盤のヒイロ戦もそうだが、それよりも更に厄介なのが第8話と最終話におけるとある人物との対戦。
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第8話では主人公以外に二人のシャドバ部員を選んでその人物に勝利しなければならないという仕様が非常に面倒という声が多い。
一応カズキとミモリが比較的勝ちやすいが、それでも勝利するためにはかなりの運が絡む。
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更に、最終話のラスボスに至っては最悪に理不尽なバトルを押し付けてくる。
場に出た自分フォロワーが効果の対象にできなくなり、更に特定のフォロワーが場にいると自分のフォロワーに「ラストワード:このフォロワーの攻撃力分のダメージを相手のリーダーに与える」を付与する
という効果のアミュレットを使うのだが、なんとコレが
ノーコストで最初から場に出た状態でのスタートになる。
当然放置しておくと苦戦は必至なため「エクスキューション」等のアミュレットを破壊できるカードが必須になる。
更にデッキ切れ時の「死神のカード」が「
勝利のカード
」に変化する上に、
倒すと盤上を一掃した上に超強力なオリジナルカードを出して一度だけ体力が全快した状態で復活する。しかもこれらを全てノーコストで、こちらのターンであろうと発動する。
この様にゲームのルールそのものを自分だけが有利になる物に作り変えた挙げ句、諦めてデッキを組み直そうとすると主人公を煽るという、カードゲーム屈指の理不尽バトルとしてユーザーを苛立たせた。
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本作オリジナルキャラの描写格差
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早乙女レイ
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斜陽のシャドバ部の部長、大会時には相手の切り札から対策となるデッキコードを教えてくれるなど、経験者として知識は十分なのだが、主人公のデッキを見て「このカードは弱いから抜こう」などと一方的な決めつけ発言をしたりシャドバ部を立てなおそうと奔走する主人公達をしり目に一人で悩んで動けず、自身の悩みを打ち明けることなく主人公たちの元から去るなど、個別にコミュケーションするシナリオが少ないことも相まって作中の扱いとそのキャラクターがユーザーからは不評を買っている。一応、最後にその理由を主人公に明かしてはくれる。
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霧雨カグラ
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レイとは対照的に、初対面で規律やマナーを重んじる発言をしてくるので最初は四角四面な性格として描かれるが、反面、何事にも筋を通す堂々としたキャラクターと、ストーリーが進むごとにはっちゃけていく個別シナリオが好意的に受け入れられている。
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NPC達の強さ
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理不尽な強さの敵がいるのは上述したが、それを別として全体的にNPCは強めに設定されている。収録カード数が600枚ほどしかなく、それをクラスの概念で8分割しているためデッキ構築に『遊び』が入る余裕がない。つまりファンデッキやロマンコンボ等が組みづらいため、NPCの大半がガチデッキを使ってくる。ソロプレイできるカードゲームの場合、「対人戦では通用しないけど、自分の好きなカードで組んだ理想のデッキで戦いたい」需要が少なからずあるはず。だが本作では、そういったプレイをすると一般NPC相手でも平気で負けてしまう。
システム関係
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デッキレシピの「仮組み」が不可能
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本家では不足しているカード分までレシピを作成して「仮組み」したものを保存しておくことが出来たが、本作ではそれができなくなってしまい、適当なカードで埋めなければならなくなってしまった。単純に仕様が本家より劣化している形になっているため、本家を知るユーザーから特に不評。
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一部のレジェンドレアのフォロワー召喚時にムービーが再生されるのだが、そのムービーをスキップ出来ない
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一応オプションで「常時フル版」「最初の一回だけフル版」「全て短縮版」「再生無し」の変更を自分側と敵側にそれぞれ設定する事はできるが、「一回だけ再生して後は再生しない」という設定が無く、ムービーを途中でスキップすることもできない。そのため、やや不親切なイメージが残る。
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また、オンライン対戦の場合は召喚演出中もターンの残り時間が減少していくため、特にフル版を設定する事は敬遠されている。
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どこのシャドバベンダーで何の単品カードを扱っているのかと言う検索機能は無く、自力で探すしかない。
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ギャラリー機能
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自室にあるPCで見返すことが出来るのだが、PCの使い道については第9話クリア後まで一切説明されないため、単純に気付きにくい。また、UIも不親切。
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何故かシャドバスタジアムのスタジアム内のみ、全体マップにマップアイコンが無い。
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デッキのスリーブ選択時にソート機能が無いため、目当てのスリーブを探すのに時間がかかる。一応並び順に法則はあるが、クラスごとに纏まって分かれていないため不評。
その他
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レジェンドレアの複製(特に主要キャラの切り札)に必要なダークコインの枚数が多すぎる
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クエストやキャラクターストーリー等での入手枚数の限り故に必須となるのがそれらのレジェンドレアの複製に使用するダークコイン。しかし、その要求枚数は5000枚、主要キャラの切り札カードに至っては8000枚とかなり多い上、ダークスタジアムの対戦で入手できるダークコインの枚数も300or500枚と控えめな事もあって、オンライン対戦に参入するための下準備は勿論、全種類の三枚コンプリートともなるとかなりの根気と作業が必要となる。
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一応、二人ほど稼ぎやすいNPCがいるが、それでも周回を要するため面倒くさい事に変わりはない。
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NPCのデッキコード
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NPCの引くカードはデッキレベルによってランク分けされており、シナリオやイベントでバトルする高ランクの相手は状況に応じて適切なカードをほぼ毎ターン引くことが出来る
そのため、
「ストーリーで苦戦した相手のデッキコードを貰って作り、自分で使ってみたら全く回らず惨敗した」
という状況になりやすい構成のデッキが幾つか存在する。
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モブキャラの外見バリエーションが乏しい
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某カードゲームも遊べるギャルゲーでも同様の問題があったが、本作もその例に似てモブキャラの外見のバリエーションが乏しい。ボイスで個性の差別化を試みている事が評価できることもあり、逆にこの点は目につきやすい。
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本作に対する運営のアプローチとユーザーの需要のズレ
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オンライン対戦は初期の頃は「参入の敷居の高さ」、そして暫く経って以降は「変動しないカードプールによりこれ以上ゲームを遊ぶ必要が無い」という理由で過疎状態になっており、現在はマッチングしない事も珍しくない。
にもかかわらず運営はランクマッチで度々シーズンイベントを行い、「伝説のカード」という”ランクマッチ報酬”を用意する等と言ったオンラインイベントを開催したりもしているのだが……。
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「アニメコレクションカード」第二弾のプレミアムカード連動で入手することもできるが、そもそも商品の価格が割高なため、「結局課金か」と呆れるユーザーが少なくなかった。
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課金絵違いカードや過去のコラボイラストカード、スマホ版のキャラクターのリーダースキンは未収録
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権利の問題や、仮に収録されていれば本家で遊んでいるユーザーから批判の的になるであろうことが容易に想像できるため、こればかりは仕方がないとしか言いようがない。しかし、コラボイラストカードは『呪術廻戦』の物が発売時から実装されているだけに、逆に目立ってしまっている。
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オンライン対戦時にはリーダースキンを本作の主要キャラに変更できるのは良いのだが、課金の物を含めてオンライン対戦時のリーダースキンはクラス別になっており、クラスの垣根を越えて変更することは不可能。
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更に課金のリーダースキンは、単品の場合は新規キャラで1つ300円、メインキャラ+そのキャラの切り札フォロワーバージョンが1つ600円と、使用用途が乏しい割にやや割高。シーズンパスはあるものの、そちらを使って入手する場合はランクマッチを何十回も勝利する必要がある。
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尚、オンラインのランクマッチ用のシーズンパスはニンテンドーeショップではなく、ゲーム内のオンラインメニューから購入する仕様になっているのだが、公式サイトや公式Twitterにその旨が具体的に記載されていないため、かなり見つけづらい。
総評
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スマホゲー原作のカードゲーム、かつ原作アニメの微妙さと公式企画の弊害故に購入意欲がイマイチ沸きづらくなってしまった不遇な作品ではあるが、ゲーム全体の作りこみやシナリオ、対戦環境の良さもあり、実際にプレイしたユーザーからは高い評価を受けている。
一部の理不尽ともとれる要素は見過ごせないものの、カードバトルの面白さは本家据え置きであり、「あの頃のシャドバもう一度」と思っている元プレイヤーや、興味はあったが敷居の高さや前評判に尻込みしていた未経験者、大規模企画でネタバレを食らっていないのであれば手に取っていただきたい良作である。
余談
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伸び悩んだ売上
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ランクマッチのとある仕様と公式の大規模企画「チーム対抗 チャンピオンズカップ」のかみ合わせの悪さによって生じた弊害が引き起こした、
ある意味本作最大の問題点。
発売日から10日間開催されたこの大規模企画自体は配信者によっては同時接続者数一万人を超えるなどして大いに盛り上がり、宣伝企画としては成功を収めたのだが……。
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この企画は有名配信者8チームに分かれ、ランクマッチ戦に勝利すると得られるBPの合計値を競うという内容。
当然ながらランクマッチを周回する必要が生まれ、ストーリーを進めて強いカードを集める必要があったのだが、
ランクマッチは20時間近くかかるストーリーをクリアしないと参加できない仕様だった。
勿論参加した配信者達はゲーム発売日からランクマッチを開放するためにストーリーを真っ先に攻略する必要性が生まれ、
この企画によって発売直後にストーリーのネタバレを食らった視聴者たちが購買意欲を削がれてしまい、販促企画としては大失敗を招く結果となってしまった。
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尚、ランクマッチのこの仕様は後にアップデートでサイレント修正され、クリアせずとも参加できるようになった。
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公式ネタバレの件もそうだが、本作があまり話題にならなかったもう一つの理由として、
そもそも本作の舞台であるアニメ版が面白くない
という理由が挙げられる。
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主人公であるヒイロを始めとしたキャラクターの描写不足やバトルの描写不足が特に指摘されており、視聴者の相当数が「擁護できない」と発言するほど。
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「作画は良い」「1クール目はつまらないが2クール目からは面白い」などの肯定的意見もあるが、全体を通しての出来を覆すほどの評価点とは言えない。
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こういった理由から本作を地雷として捉えていたユーザーも少なくなく、「アニメがきっかけでシャドバユーザーが増えた」という話も全く聞こえない状態であった。
しかし、それにもかかわらず運営は人気YouTuberへの宣伝案件を次々と出したり、CMに人気芸人「ぺこぱ」を起用したりと、かなりの広告費が割かれたものと思われる。
ただ、果たしてそれを回収できるだけの売り上げを出せたのだろうか……。
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アニメ続編である『シャドウバースF』は打って変わって高い評価を得ているが、これに対応した本作のアップデートは特に行われておらず、コンシューマゲームの続編の予定も特にない状態である。
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本作とのシナジーがない購入特典
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本作の購入特典に「本家シャドウバースで使えるアイテムのシリアルコード」があるのだが、そもそも本家の対戦環境は本作と全く異なっている上、家庭用ゲーム機をメインに遊ぶユーザーがスマホゲーに流れる可能性がどれだけあるのかを考えると、需要とかみ合っていないと言わざるを得ない。
実際にネット上でも、本家シャドウバースユーザーは「特典ゲットしたから即売った」「無料で遊べるのに買う必要ある?」「大規模企画の実況動画で済む」と言い、逆に本作でシャドウバースを遊んでいるユーザーは「高速化した環境に嫌気がさして辞めたのに今更遊ぶ気になれない」「あくまであの頃の環境で遊べるから買ってる」「この特典欲しい方、お譲りします」といった意見が目立ち、単純に軋轢を明白にしただけになってしまっている。
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本作発売直前の10月末に本家シャドウバースにて、100種類以上のカードイラストが本作と同一の「修正版」に差し替えられるというアップデートが行われた。
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これだけなら騒ぎもそこそこで収まったかもしれないが、このイラスト修正は本作の収録から外れた「課金で入手できる絵違いカード」にも及んでいる。勿論これに気付いたユーザーが何も言わないはずもなく、「Switchだけでやれ」「流石に萎えた」「子供対策に課金アイテム修正するのは意味不明」といった批判の声が相次いだ。
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『ドラゴンボールZ KAKAROT』にて
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2020年10月30日の無料アップデートで追加された「ドラゴンボール カードウォリアーズ」というゲームモードがシャドウバースに酷似しているとして話題になった。
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本作と連動可能な「プレミアムカード」が手に入る事がある「シャドウバース アニメコレクションカード」の第一弾も本作と同日に発売。
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カードパックからプレミアムカードが確定入手できる訳ではない事や、連動してもその連動したカードが確定入手できるわけではない事、1パック3枚入りで税抜き250円と言う割高な値段である事も相まって、評判はあまり芳しくない。
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2022年3月24日に、ゲーム本編と3000円の有料DLCがセットになった廉価版である『レジェンダリーエディション』が発売された。
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パッケージ版とダウンロード版両方で発売され、定価2530円(税込)と非常にお得な内容となっている。
最終更新:2024年04月21日 15:27