俺たちに翼はない AfterStory
【おれたちにつばさはない あふたーすとーりー】
| ジャンル | 恋愛アドベンチャーゲーム |  |  | 
| 対応機種 | WindowsXP/Vista/7 | 
| 発売・開発元 | Navel | 
| 発売日 | 通常版(Limited Edition) | 2010年7月30日 | 
| Prelude&AfterStoryセット版 | 2011年5月25日 | 
| 定価 | 通常版(Limited Edition) | 8,800円(税別) | 
| Prelude&AfterStoryセット版 | オープンプライス(約7,800円) | 
| レーティング | アダルトゲーム | 
| 判定 | なし | 
| Navel作品リンク | 
 
概要
ハイクオリティなテキスト・シナリオをはじめとした高い完成度で人気を博した『俺たちに翼はない』の後日談。
非常に難産であった本編とは異なり、発売延期は1回のみで比較的スムーズに発売された。
ライターとしては王雀孫氏に加え、本編ではシナリオ補佐であった東ノ助氏もメインライターとして全体の半分ほどのテキストを担当している。
イラストレーターとしては西又葵氏が引き続きの参加となる。
登場キャラクターや世界観については本編と共通なのでそちらの記事を参照されたし。
システム
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形式としては本編よりも『Prelude』に近い短編集のような構成である。
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メインとなるシナリオは4本であり、最初からプレイ可能な3本を終えると残り1本が解放される。
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メインシナリオとは別に17本のショートシナリオが収録されており、本編での選択肢や他のショートシナリオの進捗状況に応じて順次解放される。
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シナリオの本数こそあるが、しらみ潰しにプレイすればコンプリートは容易である。
 
特徴
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公式側がファンディスクではなく続編として扱っているだけあり、メインシナリオは尺こそ短いものの派生作品にしては濃い内容である。
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この手のソフトは軽い雰囲気のお祭り騒ぎ的な話になるパターンが多いが、本作は本編で明かされなかった設定や触れられなかった問題、または新しい一悶着が発生するため、それなりにシリアスなシーンも存在する。
 
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一方、ショートシナリオの方はファンサービスの方向に寄っており、短いアダルトシーンのみのイチャイチャ話や過去に他媒体で掲載されたシナリオのゲーム化等、バラエティ的な要素を担っている。
評価点
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テキストのクオリティは本編と遜色無く、深みがあり読みやすく面白さもある安定したものである。
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シナリオは本編終了後の主人公らが周囲の人間関係のあり方や社会的な将来を見据えた内容を順当に描いている。
適度なシリアスさで読みごたえがありつつ、1度グッドエンドを迎えた恋人同士の和やかな日常も描写されている。
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本編と比較して大きな事件や深刻な問題が解決している分だけキャラの掘り下げが充実しており、
シリーズの各キャラを気に入っているプレイヤーほど興味深く読み進められる。
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これまで関連書籍やインタビューでしか語られなかった設定を持つキャラもいたため、こうしたリソースが存分に活用されることの意義は大きい。
 
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ショートシナリオはメインのシナリオに輪をかけて短いものの、より多様なキャラクターの話が楽しめるため、
特定のキャラや好きなシチュエーションが存在するファンにとっては嬉しい内容である。
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各主人公がほぼフルボイスとなった。本シリーズは特に主人公らの人気と存在感が大きい作品群であるため、ユーザーのニーズにもマッチした変更点である。
問題点
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シナリオの内容的にはファンディスクではないが、
ボリュームだけで見ればファンディスク程度である。
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ショートシナリオも
5分程度で終了する
ほど短いものや他媒体で一度掲載された話もあるため、
シリーズの関連作品を全て追っているファンからすれば新規シナリオは少なくなり、本編と同じフルプライスという価格設定が割高に感じる可能性はある。
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ただ、熱心なファンであれば本作のシナリオの内容はより濃く感じられるであろうし、
新規プレイヤーも現在では『Prelude』とのセット版を購入する選択肢もあるため、上記の欠点を不満としてまで述べる声は多くない。
 
 
総評
ボリュームこそ及ばないものの、本編に劣らないクオリティを保った堅実な作りの続編である。
シリーズファンであればプレイして損はない内容と言えるだろう。
最終更新:2021年11月06日 23:52