ゆるキャン△ Have a nice day!
【ゆるきゃん はぶ あ ないす でい】
ジャンル
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一般
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アドベンチャー
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公称
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ゆるくキャンプするADV
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対応機種
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Nintendo Switch プレイステーション4
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発売元
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MAGES.
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開発元
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ブリッジ
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発売日
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2021年11月11日
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定価(税10%込)
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通常版
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8,580円
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限定版
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11,990円
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ダウンロード版
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7,700円
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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通常100個+オートセーブ10個+クイックセーブ10個
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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備考
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限定版はチョロQとサントラ付属
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判定
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なし
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ポイント
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原作の雰囲気を活かしたifシナリオ
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まんがタイムきらら関連作品リンク
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概要
キャンプ好きな女子高生達の日常を描く人気漫画『ゆるキャン△』のゲーム。公式の略称は「ゆるキャンナイス」。
先にVRを利用したキャンプ体験ゲームが出ていたが、本作は一般的なアドベンチャーゲームである。
シナリオは原作のアニメ1期(漫画単行本1~4巻)の内容をベースにしたオリジナルのものになっている。
「原作で訪れたキャンプ場に、原作とは違うキャラ達が行ったらどうなるか…」といった「if」のシナリオが特徴。
あらすじ
「シーズンオフ最高」
ソロキャンプを好む志摩リンは、今日も1人で静かなキャンプを楽しむ。
しかし、とある出会いから、彼女のキャンプライフが少しずつ変化をし始めていた。
「リンちゃん、キャンプしよう!」
リンとの出会いから、キャンプに興味を持った各務原なでしこは、
高校の「野外活動サークル(野クル)」に入部し、どんどんキャンプに魅了されていく。
ある日のキャンプ場。
なでしこ、野クルの部長大垣千明と部員の犬山あおい。
部員ではないがリンの友人である斉藤恵那、そして、野クルの顧問鳥羽美波先生の5人でキャンプを行っていた。
しかし、肝心のリンは風邪を引いてしまい不参加となっていた。
今度はフルメンバーでキャンプをしようと思い、スケジュールを考えると期末テスト後になりそうだ。
「みんなでクリスマスキャンプをやろうよ!」
なでしこの提案により、クリスマスキャンプ、略してクリキャンをすることに決まった。
全員参加のクリスマスキャンプまで過ごす5週間。
そして、人、場所、道具、そんな色々なものとの出会いが作り出すゆるキャン△の「if」の物語。
それでは、Have a nice day!
今日もよい1日を!
(公式サイト Storyより抜粋)
特徴
ゲーム本編
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クリキャン開催の5週目までを、主人公を切り替えながら体験していく。
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1周目と3週目はリン視点、2周目と4週目はなでしこ視点で物語が進み、5週目は1日単位で両者の視点が切り替わる。
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平日は学校生活をしながら他のキャラと会話し、友好度と会話ポイントを貯めていく。友好度と会話ポイントの現在値はシステムメニューのステータスから確認可能。
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友好度はそのキャラを選択すると上昇し、イベントCGの入手、キャンプに行けるキャラの組合せ、エンディングの内容に影響する。
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エンディング対象キャラの内、桜のみ通常の会話ではなく、リン・なでしこの二人キャンプ、リン・なでしこ・恵那の三人キャンプ、クリキャンの時のみ友好度が上昇する。
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会話ポイントは会話で表示される選択肢によって上昇量が異なり、平日の会話や週末のキャンプの内容に影響する。翌週になるとリセットされる。
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会話ポイントが低い時にしか見れないイベントCGも存在するため、会話ポイントを高くするのが最適解というわけではない。
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金曜日にキャンプ場とプラン(キャンプに行くキャラの組合せ)を選択し、土曜日・日曜日は実際にキャンプを行う。一度選択したキャンプ場は以降の週で選択できなくなる。
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プランは主人公ごとに固定の3パターンが存在する。リンとなでしこの二人キャンプは、どちらが主人公かで若干内容が異なる。
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リン:ソロキャン(無条件)/なでしこと二人キャンプ(なでしこの友好度が一定以上)/野クルと合同キャンプ(千明・あおいの友好度合計が一定以上)
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なでしこ:リンと二人キャンプ(リンの友好度が一定以上)/野クルのキャンプ合宿(無条件)/リン・恵那と三人キャンプ(リン・恵那の友好度合計が一定以上)
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5週目でクリキャンの開催場所を選ぶ場合のみ月曜日にキャンプ場を選択する(キャラの組合せは全員参加で固定)。
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本編のデータをロードする際、特定の週の日まで遡る「おこのみロード」が使用可能。友好度と会話ポイントも指定日のものが復元される。
活動日誌
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本編で取得したイベントCGや、CG取得に絡むイベントを確認できる。
結社の集い
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最初はちくわしかいないが、本編で特定のキャラの組合せ・特定のキャンプ場を選択した時に入手できるオブジェクトや、ゲームでエンディングに到達したキャラが追加されていく。
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プレイした時間帯で初期表示の時間帯が決まるが、任意で時間帯を切り替えられる。
その他
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当時のアニメと同様、オープニングテーマは亜咲花氏、エンディングテーマは佐々木恵梨氏が担当している。どちらも公式サイトで試聴可能。
評価点
原作の雰囲気を十二分に楽しめるシナリオ
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本作オリジナルの会話や展開が多いものの、キャラの基本的な言動は原作からブレていないため、原作ファンも違和感なく楽しめるだろう。
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リンは原作だとなでしこや恵那との絡みに偏りがちだが、本作では千明やあおい、美波とも積極的に会話させることが可能。
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特に原作初期で「苦手意識がある」と明言していた千明とは、お互いのキャラらしさを出しつつも新鮮なやりとりが楽しめる。
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原作ではクリキャンで初めてキャンプに参加した恵那だが、本作では友好度次第だが様々なキャンプ場でキャンプできる。ごく一部のキャンプ場を除いて飼い犬のちくわもついて来る。
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クリキャン以降の原作では意外にもリンとキャンプする機会がないため、そういう意味でも新鮮。
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桜は基本的に大人数の送迎の時くらいしか出番がないが、原作で絡みがないちくわに懐かれるなど、印象的な場面もある。
BGM
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随所で使われるBGMものどかな曲調が多く、こちらも作風に合っている。
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オープニングテーマとエンディングテーマもアニメのイメージをしっかり踏襲している。
その他
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おこのみロードは途中のセーブを忘れても友好度や会話ポイントの調整ミスを容易に挽回するなど、便利な機能になっている。
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通常のセーブデータ保存数が100個と非常に多い。
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会話ポイントや友好度で週末のキャンプに細かい差分が多く出てくる。おこのみロードがあるとはいえ、手早く様々なパターンを保存・確認可能なのはありがたい。
問題点
主人公のパートボイス仕様
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リン・なでしこがそれぞれ主人公を担当する週では、平日パートの主人公側のボイスが存在しない。
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なでしこ役の花守ゆみり氏の音声コメントによると、本作の抜き台本(担当キャラのみの台本)の厚さは週刊少年ジャンプ1冊分相当だったらしく、相当な労力だったことがわかる。
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しかしそれを考慮しても物足りなさや違和感を覚えるのも事実である。なでしこは千明やあおい、恵那と声を合わせるシーンもあるため尚更。
キャンプについて
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キャンプ中は一切選択肢が存在しないため、プレイヤーが直接干渉することはできず、キャラ達の会話をただ眺めているだけになる。
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「途中に寄れるスポットが複数あるがどれを選ぶか」など分岐が起こりそうな展開でも、会話ポイントや友好度の高低で自動的にルートが決まってしまう。
イベントCG・CGアルバムについて
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イベントCGの取得方法はノーヒント。特に友好度・会話ポイント・キャンプ場の3要素が絡むものは攻略情報が無いと自力ではまず取得できない。
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総数は83枚と少なくはないのだが、イベントCGを用意できそうな場面で用意されていないシーンが多い。
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キャンプでは時々記念写真を撮る場面が存在するが、大抵は会話で流されるだけで終了してしまう。
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キャンプ飯の調理~食事もほぼ会話だけで終わるので、料理の見た目を確認できないものが多い。原作ではしっかり描写しているだけに、原作の雰囲気を味わうゲームとしては残念なところ。
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取得できるCGは大人数のキャラが映っているものもあるのだが、CGアルバムでは冒頭の集合シーンを除き特定のキャラのページにしか収録されない。
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リンとなでしこの二人のみ映っているCGでも、リン側でのみ収録されるもの、なでしこ側でのみ収録されるものの両方があるなど、収録の基準が不明瞭。
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千明とあおいは個別ページ内で一人のみ映っているCGがどちらも2枚しかなく、大半が大人数のCGで埋め尽くされている。それらもCGや取得イベント単位でその二人が特段目立っているものがあまりなく、明らかに穴埋めでしかない。主人公二人や出番が少ない桜はともかく、同じサブキャラである恵那や美波と比べても明らかに不遇。
+
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キャラ単位のCGアルバム内訳
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個別ページのもののみカウント。なお、エンディングイラストは除外し、ちくわは人数に含めないものとする。
キャラ
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一人のみ
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複数人
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リン
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7枚
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10枚
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なでしこ
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8枚
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9枚
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千明
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2枚
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7枚
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あおい
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2枚
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6枚
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恵那
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4枚
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3枚
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美波
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10枚
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1枚
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桜
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3枚
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0枚
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なお、イベントアルバムの場合は上記の縛りがなく、イベントCGに登場するキャラそれぞれのページからイベントにアクセス可能。CGアルバムも同じ仕様にしてもよかったのでは…。
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一イベント内のCGで差分が発生するものがあるのだが、CGアルバムに差分まで収録しているもの・していないものが混在しており、対応が中途半端。
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エンディングに関するネタバレ
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特定のキャラのエンディングを迎えると特別なCGを見られるようになるが、ほぼすべてにリンがいる一方、なでしこは彼女の個別エンドと全エンディング達成記念のCGにしかおらず、同じ主人公なのに扱いが不公平。
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その他
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一部のキャンプ場は初期状態で選択できず、解放条件もノーヒント。実際は何度か周回すれば全て解放できるが、都度最初から始める必要がある(おこのみロードで複数のエンディングを見ても意味がない)。
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「休業していたが営業再開した」等の理由が本編で語られるわけでもなく、無駄に選択肢が狭められているだけである。
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BGMを鑑賞する機能がない。出来のいいものが多いだけに残念な点。
総評
アニメの雰囲気そのままで、原作ファンの心をくすぐるif要素を楽しめるのは魅力的。
ノベルゲームゆえゲームとしての完成度を求める人には勧められないが、それを理解したうえで「原作キャラ達の新たな絡みを見てみたい」という人は手に取ってみてもいいだろう。
余談
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本作ではゲーム内容の配信・実況が公式によって禁止されている(参照)。一方で公式によるプレイムービーがYoutubeで公開されているので、興味がある人はそちらを見てみよう。
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限定版にはリンと彼女が愛用しているスクーターを模したチョロQと、本作のオリジナルサウンドトラックが付属している。
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前述した本作のオープニングテーマ・エンディングテーマは単独のCD化がされておらず、各種配信サイトで配信されているほか、亜咲花氏・佐々木氏それぞれのアルバムに収録されている。
最終更新:2024年10月07日 23:06