五等分の花嫁∬ ~夏の思い出も五等分~

【ごとうぶんのはなよめ なつのおもいでもごとうぶん】

ジャンル 五つ子とドキドキ無人島生活ADV

対応機種 Nintendo Switch
プレイステーション4
発売・開発元 MAGES.
発売日 2021年3月25日
定価 パッケージ版:7,800円(税別)
限定版:10,800円(税別)
ダウンロード版:7,000円(税別)
判定 良作
ポイント 五つ子たちと無人島生活を楽しむオリジナルストーリー
少年マガジンシリーズ


概要

春場ねぎ原作のかわいさ500%の五つ子ラブコメ漫画『五等分の花嫁』をもとにした、アドベンチャーゲーム。公式の略称は「ごとなつ」。
先にスマートフォンアプリでパズルゲームが出ていたが、本作は一般的なアドベンチャーゲームである。
今回のストーリーはシスターズウォー(原作10巻86話、アニメ2期最終話)の後のオリジナルストーリーが描かれる。

限定版には特典ドラマCD5枚組が同梱。内容は聞き手は風太郎になりきって、五つ子それぞれと休日や、学校生活を送ることができるシチュエーションドラマというもの。


あらすじ

「落第寸前」「勉強嫌い」の
美少女五つ子を、
アルバイト家庭教師として「卒業」まで
導くことになった風太郎。
林間学校での様々なイベントを通し、
さらに信頼が深まった風太郎と五つ子たち。

修学旅行を終えた夏休み、
五つ子のプライベートアイランドに
招待される 風太郎と、妹のらいは。

五つ子と二泊三日のバカンスを送るはずが、
突然の嵐によって、プライベートアイランド
までの船が航行できなくなり、
2週間の無人島サバイバル生活を
余儀なくされることに。

果たして、風太郎は五つ子とらいはを
無事導くことができるのか?

公式サイト ストーリーより抜粋)


ゲーム内容

  • プレイヤーがやることは1日3回(朝、昼、夕方)のスケジューリングで、無人島生活1日のスケジュールを管理することになる。
    • ここでの操作として勉強、食料調達、自由行動、休息の四つから行動を選択していく形となる。重複はできない。
      • 勉強は国語、数学、理科、社会、英語の5教科の中から選ぶ。一教科勉強すると必ず別の教科のパラメータがやや下がってしまう。風太郎がサポートすることもでき、その場合は親密度が上がる。
      • 食料調達は山(果物)、川(水)、浜辺(肉)、海(魚)、林(野菜)の5つの場所の中から選ぶことができ、当該する食料が入手できる。ただし穀物だけは入手できない(最初に所持している90個のみ)。ここでも風太郎がサポートすることもでき、その場合は親密度が上がる。
      • 自由行動、休息はそれぞれ機嫌、HPが満タンにまで回復する。
      • 勉強や食料調達を行うとHPや機嫌が下がる。HPと機嫌はどちらかが低すぎると一定確率で倒れて、1回分のスケジューリングができず、学力が大幅にダウンする。
    • 料理は勉強等を行った後に発生する。朝、昼、夕方全てで行う形となる。
      • まず誰を料理当番にするかを選択する。この選択でも親密度が上がる。1日に同じキャラクターを料理当番に指定することはできない。
      • 初期段階では料理が得意という設定の二乃以外の姉妹が料理をすると失敗することの方が多い。しかし、料理するたびにスキルが向上し、成功率が上がるようになっている。
      • メニューにはそれぞれ難易度が設定されていて、星が多いほどHPと機嫌の回復量が上がる。
      • 料理の結果は不満、満足、大満足の3段階で回復量が変化する。
  • 共通ルートが7月27日~8月7日、個別ルートが8月8日~9日。
    • 共通ルートでも親密度の数値によって起きるイベントが変わったりする。また、一般的なアドベンチャーゲームのように、会話パートで発生する選択肢によって親密度が上がったりもする。
    • 8月7日に朝食を終えた後、今までの勉強の成果を測る抜き打ちテストの強制イベントがあり、五つ子全員が全教科60点以上であればそれまで上げた親密度に応じて個別ルートへ進む。どれか1つでも59以下だとゲームオーバーとなる。
    • 個別ルートは一花、二乃、三玖、四葉、五月、らいは、みんなでの7つのルートがあり、一花、二乃、三玖、四葉、五月へ進むには対象キャラの親密度★5が必要。ちなみに★5になるとスケジュールを組む際の表情に変化が見られる。
      • らいはとみんなでルートはテストの点数で決まるので親密度は問われないが、行くには五つ子全員の親密度を★4以下にする必要がある。
    • 個別ルートでは選択肢の選択によって風太郎パラメータが増加し、最終的な風太郎パラメータの数値によってEDが分岐する。EDはそれぞれグッドとノーマルが2種類ずつ存在し、数値が一定以上だとグッド、一定以下だとノーマルになる。つまり合計14種類のEDが用意されている。

メインキャラクター

  • 上杉風太郎(うえすぎ ふうたろう)
    • 主人公。頭脳面は極めて優秀だが、身体能力はかなり低い。家が貧乏であるため中野家の家庭教師を請け負っている。
  • 中野一花(なかの いちか)
    • 中野家の長女。イメージカラーは で、風太郎のことを「フータロー君」と呼ぶ。髪型はアシンメトリーのショートヘアー。
    • 得意教科は数学。
    • 面倒見のいいお姉さんだが、だらしない部分もある。また、風太郎をからかう部分も。
    • 駆け出しの女優であり、本作でも仕事について気にする描写があったりする。
    • 設定上は五つ子の中でも一番モテるとなっている。
  • 中野二乃(なかの にの)
    • 中野家の次女。イメージカラーは で、風太郎のことを「フー君」と呼ぶ(髪型を変える前は「上杉」と呼んでいた)。髪型は黒い蝶の髪飾りを左右に着けたツーサイドアップ。
    • 得意教科は英語。
    • 料理が得意でありオシャレに気を遣うなど女子力が高い。そのためか、五つ子の中で料理の初期値が最も高く設定されている。
  • 中野三玖(なかの みく)
    • 中野家の三女。イメージカラーは で、風太郎のことを「フータロー」と呼ぶ。セミロングで右側が隠れるような前髪が特徴で、ヘッドホンがトレードマーク。
    • 控えめな性格だが、内に秘めた思いを持っている。
    • 歴史と戦国武将が大好きな歴女であり、社会が得意教科。
  • 中野四葉(なかの よつば)
    • 中野家の四女。イメージカラーは で、風太郎のことを「上杉さん」と呼ぶ。リボンがトレードマーク。
    • 得意教科は国語。
    • 何事にも全力で立ち向かう性格。
    • 運動神経は五つ子の中で最も高く、特に足の速さは風太郎や他の姉妹では追い着けない程。
  • 中野五月(なかの いつき)
    • 中野家の五女。イメージカラーは で、風太郎のことを「上杉君」と呼ぶ。星型の髪飾りとアホ毛が特徴。
    • 五つ子の中でも常識人で真面目だが、要領が悪いためテストの点数が芳しくない。
    • 得意教科は理科。
    • かなりの食いしん坊であり、本作でもやっぱりそのことに触れられている。
    • 勉強している時だけ眼鏡をかけている。
  • 上杉らいは
    • 風太郎の妹。上杉家の家事担当。四葉と五月に好かれている。

評価点

  • 五つ子たちの掛け合いが楽しめる。
    • シスターズウォー直後という時間軸でありながらその後の展開にもそれほど影響を与えないオリジナルストーリーを見事描いている。
    • 勉強している時、食材を採りに行っている時、道中で発生する夏ならではのイベントなど五つ子たちの個性の持ち味が十分に発揮されているエピソードも多い。
    • 料理をする際に成功したときと失敗したときで違うパターンの掛け合いが見られるなど丁寧に作り込まれている点もある。
    • 個別ルートでは五つ子たちそれぞれが抱える悩みに触れる部分も描かれている。
    • ヒロインである五つ子たちやらいはのフルボイスも聞ける。
    • どの五つ子も魅力的で選べないという人も、五つ子の中の○○が推しだという人も楽しめる。
  • チュートリアルが丁寧。
    • チュートリアルとして勇也(上杉の父親)とマルオ(五つ子の義父)がゲームの説明や各種エンディング条件などを教えてくれる。ややメタ臭さは否めないが、アドベンチャーとしては親切。
  • グラフィック(立ち絵、CG、背景)のクオリティも高い。
    • CGにも「風太郎に日焼け止めを塗ってもらう三玖」「スイカを食べる五月」などが夏らしいものがあったりする。
    • CGの枚数については五つ子間での格差はなく、どの姉妹も1人13枚(差分除く)ある。
    • 勉強や食料調達、食事のリザルト画面に出てくる五つ子のデフォルメキャラもかわいく作られている。
  • サウンドのクオリティも高い。
    • 五つ子のメインテーマBGM、オープニングテーマ、エンディングテーマも、イメージに合っている。
  • セーブやロードは早い。
  • アドベンチャーゲームで必要である機能は一通り備えており、システムに関しても充実している。
    • オートモード、バックログ、クイックセーブや未読/既読スキップ、キャラごとの音量変更の機能も当然のように備えてある。
    • システムボイスもメインキャラはもちろんのこと、実質チュートリアルでしか出番のない勇也やマルオのものもあったりする。

賛否両論点

  • ゲームオーバーの基準が緩い。
    • 初期の教科の数値は得意教科が20、それ以外が10となっているが、スケジュールをしっかりして勉強をこなしていれば各教科の点数はしっかりと上がり、テスト間近にもなると余程点数が低くない限り育成する必要性が薄くなりやすい。
    • みんなでルートに進むのに全員全教科80以上が要求されるため、それが関係していると思われる。
    • しかしあまりにもシビアな設定にするとそれはそれで問題ではある。ユーザー層のことを考慮すると妥当なバランスとも言え、決して間違っているとも言えないだろう。

問題点

  • カーソルが中々表示されず、選択ミスを起こしやすい。
  • 個別ルートはそれほど長くはない。
    • 2日間しかないため仕方ない部分ではあるが…
    • また、原作の空白部分を描いている都合上「友達以上恋人未満」で話が終わってしまう。

総評

育成要素のあるアドベンチャーゲームとしては、それほど難しくはなく、緩く楽しめる作品。
五等分の花嫁が好きなら勧められる作品である。


余談

本作は動画サイトでの実況・配信が公式にて禁止されている。

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最終更新:2023年06月17日 19:06