ゆるキャン△ VIRTUAL CAMP ~本栖湖編~/~麓キャンプ場編~
【ゆるきゃん ばーちゃるきゃんぷ もとすこへん ふもときゃんぷじょうへん】
ジャンル
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バーチャルキャンプアドベンチャー
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対応機種
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iOS Android プレイステーション4 Nintendo Switch Windows(Steam) Meta Quest
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開発・発売元
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ジェムドロップ
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発売日
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【本栖湖編】2021年3月4日 【麓キャンプ場編】2021年4月8日
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定価(税込)
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【iOS/Android】2,600円 【PS4/Switch/Steam】2,420円 【Meta】2,400円
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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なし
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ポイント
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原作通りのまったりキャンプを実体験 ボリュームはかなり物足りない
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まんがタイムきらら関連作品リンク
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概要
キャンプ好きの女子高生たちの日常を描く人気漫画・アニメ『ゆるキャン△』の初の単独ゲーム化作品。アニメ2期の放送終了前後に発売された。
原作主人公の視点になって、原作さながらのキャンプ体験を味わえる。
2つのバージョンが発売されており、システムは共通だが、メイン主人公や舞台、会話内容、イベントなどが全く異なる。
『麓キャンプ場編』のほうが後に発売されているが、『麓キャンプ場編』冒頭で『本栖湖編』でのキャンプについてほんの少し触れられる程度で、バージョン間の連動特典などは存在しない。
特徴
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いずれのバージョンも、主人公の「志摩リン」と「各務原なでしこ」が、原作最初期に一度訪れたキャンプ場に再び二人で訪れてキャンプするという内容になっている。
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『本栖湖編』はなでしこ視点、『麓キャンプ場編』ではリン視点でゲームが展開する。
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原作の主要人物で、二人の友人である「大垣千明」「犬山あおい」「斉藤恵那」はSNSでのチャットシーンでのみ登場。
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登場人物は全員フルボイス。没入感を配慮してか、プレイヤー側の主人公のボイスはオフにすることも可能(ただしチャットシーンでは通常通りボイスが流れる)。
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ボイスは日本語のみだが、字幕(およびタイトルやメニューの言語表示)は日本語・英語・中国語(繁体字・簡体字)・韓国語・フランス語に対応。
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全編を通して、バージョンに応じた主人公の一人称視点で進行し、もう一方の主人公や富士山、落ちている松ぼっくりなど「!」マークが出るオブジェクトに視点を合わせて少し待つと会話イベントが発生する。
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テーブルの上に置かれている主人公のスマホに視点を合わせた場合、同様にオブジェクトに注目して写真を撮ることができる。撮影したオブジェクトによっては友人たちとSNSでのチャットが行われる。
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時計マークが出るオブジェクトの場合は、次の時間帯へと進む(キャンセルも可能)。
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VRに対応しており、6DoFに対応した環境だとより臨場感が増す。PS4とSwitchではVR用機器がなくてもコントローラーによる操作で全編を遊べる。
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メインメニューの「キャンプスタート」ではキャンプ開始~翌朝までを一通り遊べ、「シーン選択」では昼・夕方・夜・翌朝の任意のタイミングから開始できる。
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途中セーブはできず、ゲーム内メニューからいつでもタイトル画面に戻ることが可能。
評価点
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原作の雰囲気を再現したキャンプ体験
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静かな景色を眺めたり、友人たちと駄弁ったり、おいしいキャンプ料理に舌鼓を打つなど、原作でのまったりとしたキャンプの様子を実体験できる。
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\コンニチワ/としゃべる松ぼっくりや友人とのチャットといった原作の小ネタだけでなく、原作で訪れた時のことをネタにした会話も仕込まれている。
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キャンプ料理は原作者あfろ氏の考案によるゲームオリジナルのメニューで、アニメと同様大塚明夫氏によるナレーションとイラストを交えながら作り方を教えてくれる。
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キャラクターの3Dモデルの出来が良い
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主な登場キャラは主人公二人だけではあるが、アニメ1~2期当時のキャラデザインをほぼそのまま3D化したモデルが使用されている。体の動きや口パク、表情の変化なども違和感が全くない。
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制作時にあfろ氏やアニメ制作を担当したC-Stationによる監修を受けており、そのクオリティの高さも納得である。
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特に『麓キャンプ場編』のなでしこは、リンと比べて感情表現が豊かなこともあって表情がころころ変わり、彼女を被写体として撮影する際も時間経過で様々なポーズをとってくれるなど、見ているだけで楽しめる。
おまけに本作オリジナルのサモエド(上記イメージ画像にいる白い犬)が一時的に登場し、そちらもモフモフ感が出ていてとても愛らしい。
Steamなどでは『麓キャンプ場編』のほうがやや評価が高いが、この一人と一頭の影響が大きいと思われる。
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『本栖湖編』のリンも普段はクールだが、ドヤ顔をしたり頬を染めるなどかわいらしい表情を見せることがある。さすがに性格上、被写体にした時にポーズはとってくれないが(ずっと撮影しないでいると短時間首をかしげる程度)。
問題点
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ボリューム不足
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公式の説明で「アニメ1話分ほどのシチュエーションを体験」とある通り、ゲームとして見たときのボリュームは非常に薄い。大体30分~1時間でエンディングに到達する。
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基本的に「プレイヤー側の主人公がキャンプ椅子に座ったままの状態で、様々なオブジェクトの反応を楽しむ」という内容であり、椅子から離れての探索も『本栖湖編』で湖のほとりに近づける程度と、行動の幅が少ない。エンディングの分岐などもない。
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ゲーム内のスマホで撮影した写真を後で確認できない
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エンディングで一部の写真が引用されるだけで、アルバムモードなどは存在せず、撮影後に自動的に本体のストレージに保存される機能もない。そのため、撮影する意義がほぼイベント会話のためだけになってしまっている。
総評
ゲームとしてのボリュームが物足りないのは看過できず、「がっつりVRで遊びたい」という人にはお勧めしない。
一方で『ゆるキャン△』の雰囲気を実体験するファンアイテムとしては及第点といえるため、原作ファン、特に主人公二人のファンなら遊んでみる価値はあるだろう。
余談
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公式サイトでは主人公2人の声優が本作をプレイしている動画が公開されている。
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スタッフインタビューによると、開発はアニメ1期終了後の2019年頃から開始され、当初はスマホのみのリリースだったが開発途中で他のプラットフォームでもリリースすることが決定されたとのこと。
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スマホのスペックの都合上、様々な制約に苦心したことが語られている。
最終更新:2025年05月12日 02:09