アラビアンファイト
【あらびあんふぁいと】
ジャンル
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ベルトアクション
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対応機種
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アーケード(SYSTEM32)
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発売・開発元
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セガ・エンタープライゼス
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稼動開始日
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1992年3月
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プレイ人数
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1~4人
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判定
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なし
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概要
アラビアンナイトの世界観をモチーフとしたベルトスクロールアクション。全7ステージの1周エンド。
当時の最新基板である「SYSTEM32」の作品ということもあり、派手な演出で話題を呼んだ。
世界征服の野望を持つ魔王サザビスの手によって悪魔に捧げる生贄としてさらわれたルラーナ姫を救出すべく、4人の戦士が立ち向かうというストーリー。
特徴
基本的なシステムは『ゴールデンアックス』タイプのベルトスクロールアクション。1レバー+2ボタンの操作系。
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連続攻撃に特定の操作をすることで連続技の種類が変化する簡易的なコマンド入力方式を採用。
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また、この時代のベルトスクロールアクションには標準装備となったメガクラッシュも実装されている。
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魔法は道中に落ちているランプを拾うことで使用回数がストックされ、ボタン同時押しで発動し、画面全体を攻撃。
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ランプを所持していない場合はメガクラッシュが発動。
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なお、魔法のストックは次のシーンには持ち越し不可。
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ライフの回復は各所に落ちている食物を回収することで行われる。
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汎用筐体であれば2人同時プレイまで可能であるが、専用筐体であれば4人同時プレイも可能。
キャラクター
プレイヤーキャラを4人から選択可能。それぞれ性能差がある。
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シンバット
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本作の主人公。七つの海を股にかけて冒険をしている船乗り。
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名前に脱字があるように見えるが「シンドバット」では無く、本当に「シンバット」である。
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『獣王記』の内田誠をはじめ、当時の制作陣はハリウッド映画の影響を強く受けていた。そしてその世代の映画ファンならとても馴染み深い、レイ・ハリーハウゼン監督のシンドバッド映画2作品では、両作とも原題が「Shinbad」表記であり、言語の字幕版では作中も「シンバッド」と呼ばれているため、制作陣の「映画のように」というテーマからすれば、真ん中の「ド」を抜いたこだわりも、けっして不思議ではないと考えられる。ただし最後の「ド」を「ト」にした意図は不明。
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ラマーヤ
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紅一点のメンバー。ポニテ娘。ルラーナ姫の召使を自称しているが、実は...
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ゴルドー
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ルラーナ姫の家来を務める巨漢で腕自慢の正義漢。よく食べてよく寝る。
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ダッタ
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世界を旅する修行僧。あらゆる武術の使い手。普段は大人しいが怒らせると恐い。
評価点
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当時としては珍しいアラビアを舞台とした作品。
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アラビアを舞台とした作品はこの時代ではまだまだ少なく、ビジュアルの美しさもあってプレイヤーに強い印象を残した。
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演出面の優秀さ
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当時の最新基板であるSYSTEM32の初期作品ということもあり、基板性能を最大限に生かした拡大縮小処理をふんだんに用いた演出が非常に印象的。
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敵の登場についても、画面手前からカットインの形で入り込んでくる手法は非常に斬新。以前の作品にも画面奥から来る敵はいたが、手前に大きく表示されるものは無かった。
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魔法の演出が特に印象的。発動時には選んだプレイヤーが画面いっぱいにアニメーションしてくれる。
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魔法自体もバリエーションは豊富で、魔法連発前提のゲームデザインということもあり印象に残る。
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自キャラの演出面でも前述の魔法使用時のアニメーションのほか、ゲームオーバー時やコンティニュー時の復帰時にも画面いっぱいのアニメーションが入るのも非常に印象的。
問題点
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当たり判定が非常にわかりづらい
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本作最大の問題点。拡大縮小を積極的に取り入れているものの、そのせいで位置関係が把握しにくく、理不尽に攻撃を外したり敵の攻撃を受けたりすることはザラ。
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また、カットインから敵が入り込んでくる際には視界が遮られる局面も出てくるなど、演出に力を入れたばかりにゲーム性を損ねる面が見受けられるのが惜しい。
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画面スクロールが敵中心で動いている
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この仕様のために出現させておいた回復アイテムの回収ができない事も結構な頻度で発生するため、地味にストレスがたまる。
総評
SYSTEM32の初期作品ということもあり拡大縮小を用いた演出は迫力があり、世界観の特異さも相まって非常に印象に残る作品。
ただゲームそのものの出来は大味で調整不足が散見されるため、もう少しちゃんとした調整がされていれば化けたかもしれないだけに惜しい作品。
これまで家庭用には移植されなかったためプレイの機会は限られていたものの、後述の通りアストロシティミニに収録されたため、この機会に触れてみるのもいいだろう。
移植
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アストロシティミニ収録版(2020年12月17日)
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家庭用としては初の移植作品。ただしハードの仕様上、2人同時プレイまで。
余談
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本作と同時期にタイトーから同じくアラビアンナイトを題材としたベルトアクション『アラビアンマジック』が稼働しており、よく混同される。
最終更新:2023年05月15日 00:25