ゴールデンアックス
【ごーるでんあっくす】
| ジャンル | ベルトアクション |  
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| 対応機種 | アーケード(SYSTEM16) | 
| 発売・開発元 | セガ・エンタープライゼス | 
| 稼動開始日 | 1989年5月 | 
| プレイ人数 | 1~2人 | 
| 配信 | 【Wii】バーチャルコンソールアーケード:2009年6月23日/800Wiiポイント セガ ビンテージコレクション
 【360】2007年7月11日/400マイクロソフトポイント(配信終了)
 【PS3】2011年7月28日/600円
 【360】SEGA AGES ONLINE:2012年5月30日/800マイクロソフトポイント
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| 判定 | 良作 | 
| ゴールデンアックスシリーズ | 
 
概要
セガが発売したベルトスクロールアクション。ゲーム画面では『戦斧』という日本語タイトルもついている。
魔人デス=アダーに連れ去られた王と姫を救うため、3人の戦士がデス=アダーの居城へと向かう。
なお、タイトルの「ゴールデンアックス」とはデス=アダーが持つ金色の斧のことである。
特徴
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操作はレバー+3ボタン。攻撃、ジャンプ、魔法のみのシンプルな配置となっている。
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攻撃ボタン連打で連続攻撃、攻撃ボタンとジャンプボタンを同時押しすると背面攻撃が出来る。
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レバーを左右の同じ方向に素早く2回入れるとダッシュが出来、ダッシュ中に攻撃ボタンでダッシュ攻撃が出せる。また、ダッシュ中にジャンプするとハイジャンプになる。ハイジャンプ中にレバーを下へ入れ、攻撃ボタンを押すと下突き攻撃する。
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魔法は時折登場する青い服のシーフが落とすポーションを取得することで使用できる全体攻撃。
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ポーションを取っていくと魔法レベルが上昇し、より強力な魔法を使うことが出来る。
 
 
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ライフ+残機制。
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ライフはデフォルト設定で3つしかないが、ライフ1つがある程度の耐久力を持っているため複数回の攻撃に耐えられる。
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このシステムは同社が前年に発売した『獣王記』から受け継がれている。
 
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体力は緑の服を着たシーフが落とす肉で回復出来る。ステージクリア時にはシーフからアイテムを取れるボーナス面が遊べる。
 
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全5面の一周エンド。
キャラクター
プレイヤーキャラクターを3人から選択可能。それぞれ性能差がある。
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アックス=バトラー
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本作の主人公で、蛮族バーバリアン族一の戦士。狩りに出ていた隙に襲撃をしかけ母を殺したデス=アダーに復讐すべく立ち上がる。
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性能はバランス型で魔法はレベル4まで使用可能。武器はロングソード。一番使い勝手が良い。
 
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ティリス=フレア
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デスアダーの襲撃から唯一生き残った、アマゾネスの国ファイヤーウッドの王女。
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スピード型+魔法特化型のキャラで、唯一レベル6まで魔法を使える。
 反面、武器はショートソードのためリーチ不足で攻撃力も低い。ダッシュ攻撃の飛び蹴りの方が強力で、どちらかというと物理攻撃はこちらが主力。
 
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ギリウス=サンダーヘッド
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ファイヤーウッド国の守備隊隊長であったドワーフ族の戦士。デスアダーに殺された弟ガリの敵討ちのため共に戦う。
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魔法はレベル3までしか使えない。パワー型らしく斧を使った攻撃は強力だがスピードは遅い。
 
評価点
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多彩な攻撃手段
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通常攻撃は敵との距離によって攻撃が変化し、距離があると武器を左右に振るだけだが、近づくと柄で殴って投げ飛ばすなどワンボタンで豊富なアクションが使える。
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魔法のエフェクトも多彩。レベルによって派手になっていくので爽快感がある。
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動物に騎乗した敵が時折登場するが、これを奪い取って自分で乗ることが可能。動物は3種類存在し、それぞれ攻撃方法は異なるものの、攻撃力はいずれも高い。
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こちらが攻撃を受けて落とされ、一定時間が経つと逃げてしまうので、いかにして騎乗状態を維持するかが攻略の重要なポイントとなる。
 
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ゲームバランスも良質。ポーションを取れる回数が多いので魔法も撃ちやすく、ラインをずらして回避などの基本的な攻略法さえ理解していれば攻略しやすい。
 
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演出面
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序盤はデス=アダー軍に襲われた村から逃げてきた人々が登場、襲われている人を助けたりとストーリーを演出してくれる。
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ステージ1冒頭に会話イベントが発生する。
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メッセージウィンドウは英語だが、日本語の字幕がありストーリーを盛り上げてくれる。しかし、MD版ではカットされ、『II』と『III』では完全に英語のみとなっている。
 
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ステージ間では古びた地図と共にストーリーが語られる。英文のみなのが玉に瑕だが、巨大な亀や鳥に乗って進むなど西洋ファンタジーらしい展開が多い。
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BGMもヒロイックファンタジーにふさわしい重厚で迫力のある名曲揃い。
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特にステージ1「WILDERNESS」、ボス戦「BATTLE FIELD」、ラスボス戦「DEATH ADDER」は人気が高い曲。
 
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敵を倒した際には合成音による叫び声が鳴るのだが、これが地味にバリエーションが豊富。
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しかし、エンディングでは画面から雑魚キャラクターが現実の世界に飛び出し、それを同じく飛び出して来たプレイヤーキャラクターが追いかけるというメタ的な演出となっている。
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このあたりの演出は『獣王記』のエンディングから受け継がれた部分である。セガらしさを体現した点と言えよう。
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残念ながらMD版などではカットされているが…。
 
 
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なんとスコアがプレイ内容によって偏差値で判断される。
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高スコアを得るにはノーミスでクリアしたり、倒された敵が穴に落ちるようにしたりする必要があるなど非常に独特。
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通常の攻撃で倒した敵が地面に接する前に魔法を使うと、同じ敵をもう一度倒すことができる。これを利用すると高偏差値を獲得できる。
 
賛否両論点
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ボリュームが少ない
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前述のようにステージ数が少なく、ステージ自体も短めなので20分程度でクリア出来てしまう。
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よくいえば、1プレイが短時間で終わるのでちょっとした暇つぶしに気軽に遊べるタイトルとも言える。
 
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2人プレイでは味方にも攻撃が当たってしまう。
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このためアイテムや乗り物の取り合いとなったりすることも多い。それが面白い部分でもあるが。
 
問題点
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使いにくい通常攻撃
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左右からハメ殺される事が多く、足を止める通常攻撃は非常に使いにくい。他のベルトスクロールアクションと比較して1コンボを決め終わるまでの操作キャラ側の拘束時間が長く、他の敵への巻き込み性能も高くないためあまり性能がよろしくない。
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敵は基本的にプレイヤーを挟むように移動するので、初心者は強制的にダウンを奪える左右への連続ダッシュ攻撃ばかりになりがち。
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一方、背面攻撃は出が早く、ジャンプ攻撃も使いやすいなど慣れると通常攻撃の存在はほとんど空気と化す。
 
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ラスボスが魔法を使う。
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自分が使う分にはいいが、敵が使うのはチートレベルの極悪。しかもMD版では追加ステージに登場する真ボスがラスボスのそれより強力な魔法を使う。
 
総評
初期のベルトスクロールの中でも珍しい西洋ファンタジーを舞台にした世界観と、適度な難易度から人気を得た良作アクション。
移植も多く、現在でも手軽に入手出来るので気軽さもあり、遊びやすいタイトルである。
移植
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メガドライブ版(1989年12月23日、セガ・エンタープライゼス)
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最も有名な移植と思われる、AC版稼動から半年で発売された最初の移植版。
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若干の劣化はあるが出来は良く、追加ステージや3面で終了するが低難易度の「BEGINNER」対戦が可能な「THE DUEL」が追加されている。
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3面でAC版からグラフィックが変更されている場所があり、コアなセガ好きにはネタとしてよく知られている。
 
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PCエンジン CD-ROM2版(1990年3月16日、日本テレネット/レノベーションプロダクツ)
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ボイスやビジュアルシーンが追加されているが、肝心のゲーム画面はサイズが小さくなり画面上に登場するキャラ数も減っている。
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操作性も劣悪でロードも長いなどあまりに劣化が酷いため移植の中では評価は最低クラス。
 
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メガCD版(1993年4月23日、セガ・エンタープライゼス)
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オムニバスソフト『セガクラシック アーケードコレクション』収録タイトル。
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基本的にMD版準拠だが、BGMがAC版準拠になっている他、ボイスが再生される際にBGMが中断されないという点が異なる。
 
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ワンダースワン版(2002年2月28日、バンダイ/セガ)
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基本的にMD版準拠だが、プロローグが追加されたりストーリー字幕の日本語化、ステージ間でセーブ出来る、敵編成など様々な変更が加えられている。
 
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プレイステーション2版(2003年9月25日、セガ/スリーディーエイジス)
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SEGA AGES 2500シリーズの一作。グラフィックが3D化されたリメイク。
 
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Wii版(VC:2006年12月2日/VCA:2009年6月23日、セガ)
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プレイステーション3/Xbox360版(2007年7月11日/2011年7月28日、セガ)
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『セガ ビンテージコレクション』の一作として配信。
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海外AC版の移植。オンライン協力プレイに対応。360版は『ゴールデンアックスコレクション』配信に伴い入れ替わりで配信終了。
 
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Xbox360版(2012年5月30日、セガ/M2)
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『SEGA AGES ONLINE』の一作として『ゴールデンアックスコレクション』に収録。
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AC版の移植。オンライン対応のチャレンジモードが追加。
 
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Wiindows版(2003年12月19日、メディアカイト/セガ)
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MD版の移植。
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かつてはSteamで『SEGA Genesis & Mega Drive Classics』のひとつとして配信されていた。現在は日本国内からは購入不可能。
 
国内未発売
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マスターシステム版(1989年、セガ)
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使用キャラクターがアックス=バトラーのみになり、使用する魔法を選択するなど大幅な変更が加えられている。
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キャラクターを全てBGで描画しているので動きは8ドット単位だがサイズはAC版同等になっている。
 
続編など
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MD『ゴールデンアックスII』(1991年12月27日)
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MD『ゴールデンアックスIII』(1993年6月25日)
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メガドライブで販売された家庭用オリジナルの続編。シリーズとしてはパラレルワールドの扱い。
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『II』は基本的に初代のシステムを踏襲。プレイヤーキャラクターは初代と同じだが、敵キャラクターはスケルトン以外は総入れ替えとなっている。
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『III』ではルート分岐など様々なシステム変更有り。プレイヤーキャラクターも総入れ替えになり、ギリウスは脇役になっている。
 
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GG『アックス=バトラー ゴールデンアックス伝説』(1991年)
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ゲームギアでの外伝作品。RPGに近い造りになっている。
 
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マスターシステム『Golden Axe Warrior』(1991年)
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欧米限定の外伝作品。見下ろし型のアクションRPG。
 
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AC『ゴールデンアックス デスアダーの復讐』(1992年)
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アーケードでの直接の続編。詳細は個別ページ参照。
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プレイヤーキャラクターが4人に増えて、グラフィックやゲーム性も大幅に進化、ルート分岐も追加されシリーズ最高傑作との呼び声も高かったものの、なぜか家庭用移植には恵まれていなかった。
 
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AC/SS『ゴールデンアックス・ザ・デュエル』(1994年)
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対戦格闘ゲーム。AC版の使用基板はST-V。
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『~デスアダーの復讐』から80年後の世界が舞台となっており、3度目の復活を遂げたデスアダーがプレイヤーキャラクターとして登場。本作に縁のあるキャラクターも若干存在するがそれ以外はオリジナルのキャラクターが占めている。
 
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PS3/360『Golden Axe:Beast Rider』(2008年)
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欧米限定。本作の世界観はそのままにティリスを主人公とした、TPS視点によるハック&スラッシュスタイルの3Dアクションゲームに様変わりしている。
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だが、ゲーム自体のクオリティに問題が多く、主要サイトのレビューでもほぼ低評価という有様であった。
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余談ではあるが、プレイヤー側がゴールデンアックスを武器として使うことができる唯一の作品でもある。
 
余談
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女性プレイヤーキャラクターのティリスは「赤い縁取りの白ビキニ」というデザインもあって高い人気を獲得した。ちなみにアックス=バトラーの方も腰布一丁の蛮族スタイルである。
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ギリウスもヒゲに斧という見た目から印象に残りやすく、「ギリウス」で検索するとまず間違いなく本作のギリウスが表示されるほど知名度が高い。
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時代が下って2019年、『ドラゴンクエスト10』にギリウスという名の人物が登場しており、現在ではそちらと検索結果上位を競っている。とはいえ、その30年も前に登場した本作ギリウスが未だそこにのぼること自体、やはり驚異の一言に尽きる。
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セガ公式アニメ『Hi☆sCoool! セハガール』ではアックスやティリスを差し置いてネタキャラとしての地位を獲得した。
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他にも本作と同じチームが開発した『エイリアンストーム』ではゲームオーバー後の採点画面の審査員としてカメオ出演している。
 
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本作は2018年12月19日~23日にセガ公認で舞台化されて上演された。演じたのは同年1月に『レンタヒーロー』の舞台を上演したユニット・SPIRAL CHARIOTS。
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2020年10月18日にSEGA創立60周年企画として本作のPC版2.5次元リミックス『Golden Axed: A Cancelled Prototype』がSteamにて無料配布された。19日午前10時までの期間限定。
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かつて企画されたセガの名作ゲームをリメイクする「SEGA Rebornプロジェクト」で開発されたタイトルで、2013年に開発スタジオの閉鎖に伴い開発中止された作品。今回配布されたのもあくまで当時のプロトタイプそのままであり、1ステージ目までしかプレイ出来ずバグなども存在する未完成品である。
 
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2020年12月17日に発売されたアストロシティミニに本作とAC続編の『ゴールデンアックス デスアダーの復讐』が収録された。
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後者は移植版がこれまで存在しなかったため、本作シリーズファンには朗報である。
 
最終更新:2025年06月14日 22:08