マリオテニス エース
【まりおてにす えーす】
ジャンル
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スポーツ
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対応機種
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Nintendo Switch
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発売元
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任天堂
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開発元
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キャメロット
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発売日
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2018年6月22日
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定価
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6,578円
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セーブデータ
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1個
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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スルメゲー
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ポイント
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新要素「エナジー」を使ったテニス 相手のラケット破壊による決着が可能に 上達するまで作業感が強い
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マリオシリーズ
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概要
『マリオテニス ウルトラスマッシュ』から2年を経てリリースされた、マリオテニスシリーズのNintendo Switch用作品。
コートギミックなど過去作の要素が一通り復活しているのが特徴。
システム
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基本的なシステムは過去作から引き継いでいる。返球の前に球種選択のボタンを早めに押しておくことで威力とスピードが高まる「チャージショット」も健在。
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『オープン』で問題視されたチャンスショットは大幅に発生率が減り、一部のチャンスボール的なロブショットにしか生じなくなっている。
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本作独自のシステムとして「エナジー」がある(フリーマッチのみオフにすることも可能)。エナジーはラリーを続けることで少しずつ貯まり、これに関して以下の4つの新テクニックが使用できる。なおダブルスの場合はペアでエナジーは共通となる。
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ねらいうち…ショット時に使用。一時的に時間が停止し、返球するプレイヤーがショットを打ち込む場所を自在に選択できる。停止する時間の長さはエナジー量に比例する。
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加速…レシーブ時に使用。一時的に試合が大幅に低速化し、ボールを追いやすくなる。
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テクニカルショット…レシーブ時に使用。使うとキャラがトリッキーな動きで移動して返球を試みる。成功すると大幅にエナジーが増えるが、タイミングが遅いと逆にエナジーを消費し、打ち損ねれば失点してしまう。
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スペシャルショット…ショット時に使用。強力かつ高速の打撃を放つ。
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上記に関連し、本作ではラケットに「耐久値」が設定されている。ねらいうちを受けると耐久値が1減り、耐久値が0になるかスペシャルショットを受けるとラケットが壊れてその瞬間に失点となる。さらに全てのラケットを失うと、その時点で試合に敗北となってしまう。
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耐久値減少を回避するためには、チャージせずタイミングよくボールを打ち返す「ブロック」が必要。よりタイミングが良ければカウンターも狙える。
ゲームモード
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ストーリーモード
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人を支配する力を持つというラケット「エスター」に洗脳されてしまったワリオとワルイージにテニスで立ち向かう。このモードを進めることでフリーマッチ用のコートが解放される。
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トーナメント
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オンライントーナメントとCOMトーナメントがある。前者ではインターネットで世界のライバルと対戦し、後者ではCOMと戦って3つのカップ制覇を目指す。
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協力ミッション
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4人で協力してミニゲームをプレイする。オンラインが基本だが、4つコントローラーがあればローカルでプレイもできる。
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リングショット
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シリーズお馴染みのミニゲーム。シングルスとダブルスでそれぞれに協力モードと対戦モードがあるほか、「協力チャレンジ」としてノルマクリアを目指すモードもある。
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また、ダブルスの4人全員がヨッシーとなり、自分の体色と同じ色のリングに通すと高得点を得る「ヨッシーのカラフルリング」も収録されている。
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スイング
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Joy-Conを振って遊ぶ体感モード。フリーマッチにあたるタイプのほか、テレサを退治する「テレサハンター」、列車の積荷にボールを当てる「ヘイホートレインバトル」の2つのミニゲームもある。
キャラクター
(※)は発売後の無料アップデートでの追加キャラ。
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過去作から登場
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マリオ・ルイージ・ワリオ・ワルイージ・ピーチ・デイジー・ロゼッタ・キノピオ・キノピコ・クッパ・クッパJr.・テレサ・ヨッシー・ドンキーコング・ノコノコ(※)・ディディーコング(※)・キャサリン(※)・パタパタ(※)・ヘイホー(※)・ボスパックン(※)・チコ(※)・ほねクッパ(※)
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本作でシリーズ初登場
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ガボン・ワンワン・ゲッソー(※)・ブンブン(※)・ポリーン(※)・カメック(※)・カロン(※)・ファイアパックン(※)
評価点
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ボリュームの増加
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一見するとモード数は少ないように見えるが、各モード内にさまざまな別ルールや新ミニゲームが収録されており、そのボリュームは申し分ないレベル。
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スペシャルショットなどの復活
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スペシャルショットやギミックコートが久々に復活。キャラクターごとのコミカルな必殺技を見られる。
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テクニカルショットでも各キャラ固有演出が存在するため、実質的に各キャラ2つのオリジナル技を持ったことに。
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ギミックもコート上が交通路になるなどユニークなものばかりで楽しい。
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有料DLCがない
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最近のマリオシリーズとしては珍しく、いずれの追加コンテンツも時間経過で全て無料で手に入る。昨今はインターネット環境のない家の方が珍しいし、街中にもフリーWi-Fiが溢れているので入手は容易。
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キャラクター性の向上
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キャラ数が前作から10以上も増えたうえ、各キャラごとに応援フラッグや電光掲示板の遷移演出まで設定されているこだわりよう。また、試合前に格闘技の煽りパフォーマンスよろしく相手と観客にアピールする演出も追加された。
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オリンピックゲームでは多彩な衣装を見せる一方、その他のスポーツゲームでは女性陣を除いてあまり衣装変化がなかったが、本作では違和感なくテニス服にチェンジ。新鮮な雰囲気でプレイできる。
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リングショット
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過去作ではCOMに専用の思考がなく理不尽な展開を強いられることも多かったが、本作ではちゃんと対応した打ち分けをしてくる。
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相手は普通にねらいうちを使ってきたりするが、リングショットではラケット破壊は起こらず全ての返球がブロックとなるので都合が良い。
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通常ルールのテニスも遊べる
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マリオテニスシリーズは『マリオテニスGC』以降スペシャルショット等の特殊ルールを用いたテニスを売りの一つとしているが、過去作同様本作もギミックをオフにした状態の普通のテニスも遊べるようになっており、エナジーシステムやねらいうち等がなくラケットも壊れないルールで遊ぶことができる。
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またチャンスショットも『64』『GC』同様の仕様に戻ったため、『オープン』『ウルトラスマッシュ』のように強烈な変化球が飛び交う試合にはならなくなった。
賛否両論点
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単調になりがち
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ねらいうちやスペシャルショットは余程の慣れがないと反応できない速さになるため初心者の受け手は加速を使わざるを得ず、双方がある程度上達するまではねらいうち→加速の繰り返しでワンパターンになりがち。
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反応できるようになればかなり違った展開となり、熱い打ち合いを楽しめるようになる。
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『オープン』ほど大きく軌道がカーブすることがなくなったため、テクニカルショットもトリッキーキャラ同士の対戦でもなければ無用の長物となることが多い。
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プレイアブルキャラクターについて
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本作の参戦キャラはいつものメンバーがそれなりに揃っている一方、ベビィ系のキャラが全員リストラされており、なぜかワンワンなど明らかにテニス向けではないキャラが追加されている。
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追加されたキャラのファンからは当然喜ぶ声もあるものの、「変に色物キャラを増やすのではなくクッパ7人衆やジュゲムなど妥当な線から選ぶべきだった」という厳しい意見もある。
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なお本作で目立つ新キャラとしてもう一人ポリーンが挙げられる。『スーパーマリオ オデッセイ』での人気を得ての初登場であるが、数少ない人間キャラであること、『マリオカート ツアー』で既にプレイアブル化していたこともあり、こちらは概ね受け入れられている。
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Miiもプレイアブルでなくなっているが、これについても賛否が分かれている。
問題点
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エナジーをオフにした試合(シンプル)のCOMがあまりに弱い。「さいきょう」を選択してようやくロブショットの揺さぶりをかけてくる程度で、コートの空きにスマッシュを決めるといったごくごく一般的な戦略もほとんど取らない。
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打ち分けが全面的にねらいうちに移行されているための問題と思われる。実際、エナジーをオンにすれば一段階下の「つよい」でもかなり手強くなる。
総評
非常に厳しい評価がなされていた前作から2年のブランクを経てリリースされた今作は全体的にゲーム内容の水準が上がり、ボリューム面でも遊びやすさの面でも強化された一作である。
しかし「エナジー」システムはある程度玄人向けに作られている面も感じられ、実際初心者がプレイするとワンパターン化してつまらない展開になってしまいやすい。
オンラインなどでこれを乗り越える技術面が伴ってこそエナジーシステムの真価が見えてくるのだが、これまでのシステムに慣れたライト層からはお手軽なチャージショットが無くなったこともあって、辿り着けないことも多いようだ。
最終更新:2024年05月03日 01:06