テイルコンチェルト
【ているこんちぇると】
ジャンル
|
アクションアドベンチャー
|
|
対応機種
|
プレイステーション
|
発売元
|
バンダイ
|
開発元
|
サイバーコネクト(現・サイバーコネクトツー)
|
発売日
|
1998年4月16日
|
定価
|
6090円(税込)
|
プレイ人数
|
1人
|
判定
|
なし
|
ポイント
|
リトルテイルブロンクスシリーズの原点 ケモノゲームの先駆け 良くも悪くも素朴な作り その雰囲気に魅せられたファンは多い
|
リトルテイルブロンクスシリーズ テイルコンチェルト / Solatorobo / リトルテイルストーリー
|
戦場のフーガシリーズ 1 / 2
|
あらすじ
大小様々な浮遊群島から成る国プレーリー王国。
ここには五万人のイヌヒトと二万人のネコヒトが平和に暮らしている。
人々が古代文明の遺跡から発掘される不思議な力を持った結晶体を「発掘部品」と呼び、それらを生活の必需品として、また重要な交易品として活用していた。その平和な王国の人々の暮らしを守る若きイヌヒトのお巡りさん、ワッフルライブレット。今、彼を中心に「尻尾を持つもの達の協奏曲」が奏でられようとしていた。
(公式設定資料集より引用)
概要
タイトーアーケードゲーム開発部門から独立し、後に.hackシリーズや数々のジャンプ作品ゲームを手掛けるサイバーコネクトツーの前身・サイバーコネクトの処女作。
現実とは異なる世界の浮遊大陸を舞台にイヌヒト(犬獣人)とネコヒト(猫獣人)の争いを描いた3Dアクションアドベンチャーであり、前述の通り登場人物は全て獣人である。
公式キャラクターイラストはアニメーターの結城信輝が担当(キャラクターデザインの実作業は当時のサイバーコネクト所属である磯部孝幸)し、作中のアニメーションパートはアストロビジョンが担当した。
「走って走って、飛んで飛んで」「
かなり楽しい冒険ゲーム
」と言った耳に残るCMフレーズや主題歌「For LITTLE TAIL」(唄:KOKIA)が印象的なTVCMでも話題になった。
ゲームシステムの流れ
-
主人公であるプレーリー王国警察の巡査ワッフル・ライブレットを操作して、彼の幼馴染みである黒猫団のリーダー・アリシアが起こすプレーリー王国各地での騒動を解決して行く事が基本的なゲームの流れである。
-
と、言ってもワッフルは一部のシーンでしか生身で活動する事は無く、様々な浮島で活動する時は彼の専用機であるポリスロボを操作してゲームを進める事となる。黒猫団が騒動を起こしているプレーリー王国各地に入る為には事前に町の住民から聞き込み調査を行わければならず、その為ADVの要素も取り入れられている。
-
アクションステージに入ると様々な仕掛けを乗り越えていく必要があり、ステージ中にはコネコと呼ばれる黒猫団の下っ端が道を塞いでいる。進む為には彼らの乗る機体を撃破して、生身で逃走した所をポリスロボで捕まえなければならないと言う鬼ごっこの要素が含まれている。
-
ポリスロボにはジャンプ・ダッシュ・掴み・投げる等のアクションゲームに必要なシステムが一通り実装されており、放ってきた爆弾を投げ返す等の高度なアクションスキルが求められる場面も存在する。
-
コネコを捕まえる為にはポリスロボで直接捕まえるか、バブル弾を放って捕まえるかの二択があり、バブル弾には僅かな量の攻撃力が含まれている為、ボス戦にも使用出来ると言う利点がある。
-
脇道に逸れた収集要素として写真の切れ端を集めるサブイベントがあり、全部繋ぎ合わせて写真を完成させると本作に登場するキャラクター達の意外な日常風景を見る事が出来る。
評価点
牧歌的で温かみのある世界観
-
世界名作劇場の様な往年のアニメを思わせる作品構造は評価が高く、登場するキャラクターは『名探偵ホームズ』を思わせる犬や猫をベースにした動物擬人化で、
人間等のキャラクターは一切出ない
と言う安定の作りである。
-
序盤のストーリーが「ワッフルの幼馴染みであるネコヒトのアリシアがとある理由でプレーリー王国を支配するイヌヒト達に復讐を果たす為、武器商人のフールと組んでテロ活動を行う」と言うものだが、テロ活動と言うよりは暴動程度なのでシリアスな場面は本当に極僅か。
-
基本的な流れも正に「いたずら子猫を追い掛ける犬のおまわりさん」であり、殺伐とした空気は皆無。黒猫団の悪事の規模の割には微笑ましい雰囲気の中で進行する。
-
敵も味方もコメディタッチで描かれ陰鬱さを感じさせず、後の後継作に当たる作品ではシリアスの比率が独占して行く為、本作の温かみを最も評価する声も多い。
-
登場するキャラクターは全て獣人ではあるが皆個性的。主人公のワッフル (CV.陶山章央)は警察官である為、非常に真面目で心優しいが目的に対しては真剣になると言う好感が持てる性格付けである。ちなみに彼には普段着と言うものが存在せず、
制服か寝る時のパジャマしか持ってない
仕事一筋の人間(犬)だと言う事がゲームの序盤で明かされている。
-
ライバル兼ヒロインのアリシアもとある理由でワッフルと敵対しながらも、内心は認められたい・受け入れてほしいと言う乙女心を覗かせる心情がキャラクターとしての個性を引き出しており、(
CV.宮村優子)と言う凄まじいツンデレっぷりである。
-
エンディングのラストシーンは冒頭のアニメと同じくワッフルとアリシアのやり取りを描くものだが、当初は冒頭と同じ台詞を敢えて言わせ、最後のワッフルの台詞だけ違うものにするという粋な幕切れになっている。
-
アリシア以外の三姉妹であるステア(CV.樋口智恵子)とフレア(CV.西原久美子)も三者三様の異なったキャラクター性を持ち、やはり敵対するばかりではなくワッフルとの関わりも描かれる。
-
終盤に三姉妹を迎えに行くシーンでは、ステアとフレアのどちらを先に連れ帰るかでイベントが若干変化する。余裕があればセーブデータを取って両方観て欲しい。
-
脇を固めるキャラクターも皆個性的で、行く先々で待ち伏せし、黒猫団を捕まえようとするが結局何にも役に立ってない本作のセーブ担当であるワッフルの後輩パンタ君 (CV.TARAKO)、ワッフルを勝手にライバル視するプレーリー王国王宮騎士団長のシアン (CV.置鮎龍太郎)、ワッフルを休暇返上で働かせる一方で捕まえた子猫の面倒も見る警察署長 (CV.清川元夢)、お騒がせな御転婆姫のテリア (CV.坂本真綾)など、飽きさせないキャラクター達が登場する。
-
見ての通り、声優陣も人気声優を多数起用しており、キャラの魅力を一層高めている。
浮遊大陸ならではのゲームデザイン
-
本作の舞台であるプレーリー王国は浮遊大陸である影響でゲームの表現として度々問題視されてきた「見えない壁」と言うものが存在せず、空に浮いた世界と言う独自の世界観が功を成している。
-
各浮島ステージの最深部には黒猫団の元締めとなるプリス三姉妹が搭乗する巨大猫型ロボが待ち構えており、様々な手段で攻撃を仕掛けて来るのでプレイヤーのアクションスキルが求められ、可愛らしい世界観と裏腹に歯応えのあるゲーム性が楽しめる。
-
1つ1つの浮島ステージは独特で、空に浮かぶ客船や浮島を改造した空に浮かぶ廃工場と言う独自のアイディアが取り入れられており、特定のステージではポリスロボにジェットを装着し自由に浮島を飛行探索出来る等バラエティーに富んだアクション性を体感出来る。
賛否両論点
単体のゲームとしての独自性の乏しさ
-
当時の若手スタッフによる処女作故に仕方ない事だが、本作は『スーパーマリオ64』に影響を受けて開発された為、ゲーム自体の独自性に乏しく、ジャンプや掴みの動作等ポリスロボのアクションの殆どが同作の模倣でしかない。また、ポリスロボ自体も人間よりも一回り大きい位のサイズのせいかロボットとしての派手なアクション等は一切無い為、実際のゲーム中でのアクションはどれも人間1人が行える動作ばかりで、単にアクションゲームの動作をロボットに代行させてる感が強く、その弊害でポリスロボに搭乗しているワッフルの存在感もあまり感じない。
-
とは言え、終盤のラストバトルではポリスロボの搭乗型ロボットとしての存在意義を十分に引き出す様なプレイヤーを一気に胸熱な気持ちにさせる展開が待ち受けている。
お世辞にも優れているとは言えないストーリー展開
+
|
ネタバレ注意につき格納
|
-
本作のストーリーは端的に書くと「ワッフルの幼馴染みであるアリシアがネコヒトの王国を作る為に武器商人フールとスポンサー契約し、フールの指示で封印された鉄巨神を目覚めさせる為にプレーリー王国の各地で結晶石を集める」と言うもの。
-
その為アリシア率いる黒猫団はプレーリー王国の各地で結晶石を入手し、ワッフルがそれを阻止して奪い返すと言う流れだが、終盤の展開で全て結晶石が奪われてしまい、フールの思惑通り巨神は復活してしまう。しかし、目覚めた鉄巨人は誰にも制御出来ず、プレーリーを崩壊しかけると言う展開になってしまう。
要は何かも分からないものを目覚めさせてしまい、取り返しがつかなくなった
と言う、キャラクター各々動機が薄すぎる展開である。
-
物語の中盤でアリシアがプレーリー王国のイヌヒト達を目の仇にする動機が「イヌヒトは遠い祖先の本能で今でもネコヒトを憎んでいるので、イヌヒトが戦争で国の統治権を得たプレーリーでネコヒトは幸せになれない」と言う事が明かされるが、所謂ポッと出の設定だけにしか過ぎず、あまり深く語られない。他に要因と思われるものとして「アリシアの父親はポルト村への引越し後にネコヒト特有の病にかかってしまい、村のイヌヒト達には救う事ができなかった。そのため見方によっては見殺しにしたように見える結果になってしまった」という事が挙げられるが、こちらは終盤での一村民の発言という形である。
-
アリシアが幼い頃にワッフルに貰って宝物にしていたペンダントが実は最後の結晶石で、鉄巨神に取り込まれてしまったためにアリシアは取り戻すべく単騎で鉄巨神に突撃するも、そのまま自身も鉄巨神の体内に囚われてしまう
-
ワッフルはアリシアを救出する為に鉄巨神の体内に侵入して内側から破壊する行動に出るが、奥に待ち構えていたのは
鉄巨神の体内にいるガーディアン
と言う全く説明の無い唐突展開ラスボスである。
-
ラスボスを撃破すると鉄巨神は崩壊し、ワッフルは改心したアリシアをポリスロボに乗せて帰還すると言う大団円を迎えるが、肝心の鉄巨神やガーディアンが何だったのかは一切語られず、それらの謎は続編に当たる作品で回収される事となる。
-
また、「ラスボスを撃破」とは書いたが、実はラスボス自体は何度倒しても復活する。クリアの為には鉄巨神を停止させる「ある事」をする必要があり、それを行うとラスボスは即座に消滅し、鉄巨神も崩壊する。その為、正確には直接撃破する訳ではない。
-
本作の主要人物の内の1人であるプレーリー王国騎士団長であるシアンは「王国の名誉に賭けて黒猫団を捕まえる」と言うワッフルと対を成すライバルキャラに位置し、情で黒猫団を更生させたいワッフルとは対照的な行動理念を持つ。また、彼の搭乗するナイトロボも剣を携えた騎士型ロボと言う如何にも強そうな外見をしているのが特徴である。
-
が、実際のゲーム中での立ち回りはと言うと、ワッフルと会う度に見栄を張っては「
沼に嵌まって黒猫団を追いかける事が出来なくなる
」、「
ワッフルに先駆けて勢い良く敵陣に突っ込んだ挙句ロボが壊される
」、「
牢屋に入ったフレアに言葉巧みに騙されて脱獄された上、牢屋に入れ替わりで閉じ込められる
」等、専らのコメディリリーフであり、ライバルと言うよりは出オチ担当キャラと言う扱いを受けている。折角強そうなナイトロボもゲーム中では全く生かされていないので勿体無いと思ったプレイヤーもいるだろう。
-
一応、ラストステージ直前のイベントでワッフルの突入を支援するため鉄巨神の攻撃を引き付けるという
唯一の
活躍シーンがある。また、続編に当たる作品では見せ場が増え、とあるクエストではロボ(モブキャラからの無断借用)に搭乗した彼と戦える等のファンサービスがある事から本作で不遇だった点が改善されている。
-
また、彼自身は開発スタッフ内では人気No.1キャラだったという。酷い目にばかり遭うのは愛情の裏返しだとか。
裏返し過ぎのような…。
|
低年齢向けの世界観
-
本作は世界観名作劇場的な温かみのある世界観だが、キャラクターデザインや背景物の造形センスが所謂「当時の子供向けアニメ」を意識した物となっていて、案の定と言うか賛否が分かれるものとなっている。
-
どのくらい幼いかと言うと、本作に登場する獣人達はデフォルメ頭身で総じて目が縦長に長く耳や尻尾等のパーツが非常に目立つものとなっており、黒猫団の下っ端であるコネコ達は子供の落書きと直喩すべき位の幼いデザインセンスである。
-
黒猫団が毎回搭乗するロボットも同様のデザインセンスであり、ギョロリ目のネコ型ロボットにマグネットやピコピコハンマーの様なオモチャの様な武装が付いているもので、大人がプレイすると気恥ずかしさを覚えても仕方ない。また、とあるボス戦ではネコ型ロボットの口から「ドリル♪ドリル♪」と謎の歌を発しながら謎のドリル頭のロボット(CV.中尾隆聖)が排出される等どこから突っ込めば良いか分からないシーンもある。
-
一応、開発側も反省したせいか続編にあたる作品では大幅にデザイン全般が描き直されたが、別の意味で弊害が出てしまった。その点では素朴で可愛らしい方が獣人の世界に合っていると言う意見も多く見られる。
問題点
調整不足と言うべきゲームバランス
-
本作は1年程の開発期間だった為、調整不足さが目立つせいで難易度を著しく上昇させている。移動に関しても加速し過ぎて浮島から滑り落ちて耐久力が無くなってしまう事も珍しく無く、全体的にポリスロボの操作感が悪い。アクションゲームで定番の残機制を採用しているが、本作の残機は現地調達したホイッスル(設定的に言えば、壊れたポリスロボを修理する為にパンタ君を呼び出すホイッスル)があればその場で復活することが出来る。しかし、操作性が悪いせいで気を抜くとあっと言う間にホイッスルを使い果たしてしまい、残機がゼロになるとゲームオーバーとなり、セーブした所から再スタートとなる理不尽仕様である。
-
アクションの操作感も良いとは言えず、本作では敵が放った爆弾等の弾を拾って投げ返すカウンター戦法がアクションの主流となるが、投げ返す軌道が直線的である為に命中させることが難しく、狙って投げ返す事が困難である為、完全に当てずっぽう戦法で攻めなければならない。その影響で、ボス戦では泥仕合になる事も珍しく無く、アクションゲームが苦手なプレイヤーにとっては中々ストーリーを進める事が出来なくなってしまう。
-
3Dのマップも構造が複雑で、特にフェルゼンの鉱山内に張り巡らされているトロッコでの移動も複雑で迷い辛いものとなっており、目的の部屋にたどり着くのが非常に困難である。とある浮島のステージでは
制限時間内にステージから脱出しないと爆発に巻き込まれてゲームオーバーになってしまう
と言う理不尽仕様で、脱出する為には数々のアトラクションを越えなければならない為、
本作屈指のトラウマ
と語り草になっている。
-
極めつけはラストステージとなる鉄巨神内部であり、移動する狭い足場をジャンプ移動で飛び移っていき目的地となる最上部まで到達する必要がある。ただでさえ足場の移動が早い上、「水中フィールドに伴うジャンプ・落下スピードのスロー化」「移動スピードは遅いが足場の周りを泳ぎ回る雑魚敵」「カメラワークが背後に固定」等の要素が加わる事で難易度が激増している。「足場の移動速度と自機の落下スピードが合わずに落下」「移動足場に乗ってる最中に進行方向にいた雑魚敵と接触し落下」「固定カメラのせいで距離感が掴めず落下」といった原因で一度足を踏み外そうものなら最下層まで落下し最初から昇り直す羽目になるため、プレイヤーは激しい緊張感に襲われながらステージを攻略する事になる。唯一の救いとしては制限時間が無い事とラストステージ限定のホーミング弾で雑魚敵を倒しやすいという事が挙げられる。
致命的なボリューム不足
-
本作はストーリーをクリアするのに6時間程しか掛からず、写真集め以外の脇道に逸れる要素以外は一切存在しない。肝心な写真集め自体も見つけにくい場所にちりばめられていて、操作感の悪さも相まって全て回収するのはかなり困難である。
-
一応、エンディング後には後日談としてワッフルの住むポルト村を歩いてその後を窺い知る事の出来るおまけモードがあるが、休暇中という事でアクションステージこそ行ける訳では無く、そこでゲーム自体が完結している為、再びゲームをプレイするには新規にセーブデータを作成するしかない。しかし事件が終わった事を実感でき、本編とは少し違ったキャラの一面も見られるご褒美となっている。
-
ちなみに上述の通りワッフルは普段着を持っていないため、ここではパジャマ姿で町を出歩く。案の定、作中でもそれに突っ込まれている。
総評
デベロッパーで知られるサイバーコネクトツーの処女作である事から同社の拘りが存分に発揮されており、所謂好きな人は好きな「ケモノ系ゲーム」として評価が高い本作。ゲーム性や操作性、ボリュームなどの面で不足が目立っておりゲーム全体の完成度も決して高いとは言えないが、温かみのある作品世界が最も魅力と言えるであろう。
余談
-
サイバーコネクトの次回作『サイレントボマー』は世界観から作風、ゲーム性に至るまで全くの別物だが、本作の黒猫団のメカが隠し機体として登場している。
-
また、『.hack』には本作のキャラの名を冠したPCが登場する。また、本作にちなんだアイテムや召喚獣も存在する。
-
更に、作中のニュースサイトのバナー広告をよく見ると本作のキャラが描かれている。
-
本作の主題歌「For LITTLE TAIL」は長らくCD化されていなかったが、2010年に音源が発見されたため同じくKOKIAが歌うオンラインRPG『ドラゴネスト』の主題歌とカップリングされ、「KOKIA Road to Glory ~long journey~」にてようやくフルバージョンでCD化された。セルフカバー版も同時収録されている。
-
サビの歌詞にある「ザビアツタ」という言葉が印象的だが、これは「時を越える」という造語との事。
その後の展開
-
本作発売後に続編の企画が多数持ち上がったが、10年以上実現せずにお蔵入りとなった。ワッフルを主人公にした直接の続編『テイルコンチェルト2 大航海時代』やパンタ君を主人公にしたスピンオフ『テイルカプリッチョ』等の企画書を当時のバンダイに対して提出していた事が設定資料集で明かされている。
-
2006年頃には突如として特設サイトが立ち上がり、開発スタッフが当時の開発秘話などを語っていた。続編製作の前兆かとファンを沸かせたが、実際の新展開には更に数年を要した。
-
そして2010年にニンテンドーDSにて事実上の続編『Solatorobo それからCODAへ』が発売。但し、公式にはあくまで本作から派生した世界観を共有するスピンオフと言う扱いである。
-
本作で問題視された操作性の悪さとストーリーの希薄さが全面的に改善された。多少の矛盾点があるものの、時系列的には本作よりも後の世界とされており、主人公のワッフルを始めとする本作のキャラもサブキャラとして登場している。ポリスロボを飛行形態に改造してくれた名前が明かされていない繋がり眉毛のイヌヒトの男性は「ダムド」と言う名前で再登場し、後に発売された新約設定資料集ではワッフルの祖父ラッセルの親友と言う設定が後付けされた。
-
ストーリー自体も本作で描かれていたイヌヒトとネコヒトの対立からスケールを広げ、
第3種族
登場により大きく賛否(否定寄り)が分かれてしまった。
-
その後もこれらと同一世界を舞台とした「リトルテイルブロンクスシリーズ」として家庭用ゲーム機での新作が『ストレルカストーリーズ』なる仮称で発表されたものの実現には至らず、またしばらく音沙汰の無い時期が続いたが、2021年に『戦場のフーガ』が発売された。
-
ジャンルがSRPGに変更され、
同一シリーズとは思えない位の前衛的なグロテスクさが強調される事となった
。時系列では最も過去に位置し、本作との繋がりは殆どないが、ゲーム中のとある場面で本作の悪役フールと瓜二つの人物が登場しているが、詳しい繋がりに関しては明かされていない。
-
本作のリリースから17年を経た2015年には、「テイルコンチェルト 新約設定資料集(電子版は現在も取り扱い)」と「テイルコンチェルト パーフェクトサウンドトラック」が発売されている。
-
さらに、25周年となる2023年には上記「新約設定資料集」を内容そのままB5判にしたライトエディション、開発秘話などを収録した「スタッフ本」全3巻、アクリルスタンド等が発売となる。
-
2005年6月より登場した福岡県の防災キャラクター「まもるくん」のデザインと設定はサイバーコネクトツーによって行われており、実際にその世界観もリトルテイルブロンクスに含まれている。
-
2007年3月31日より福岡県のホームページに掲載されている『まもるくん防犯シミュレーション』は、まもるくんとその妹のまといちゃんをそれぞれ主人公にして、声かけや連れ去りなどの犯罪被害に遭わないように、下校時と公園を舞台に、正しい選択肢を選んでいくタイプのブラウザゲームとなっている。
-
しかし、本来は小学校低学年(3年生以下)の子どもが対象のゲームでありながらも、誤った選択肢を選んでいったバッドエンドがことごとく「
悪い大人に捕まってしまう
」という結末であることから、一部で「ケモエロゲー」と呼ばれてしまうこともある。無論、連れ去った当人も勘違い等では無く正真正銘の犯罪者だと思われ、
バッドエンドではまもるもまといも行方不明になってしまう
。
最終更新:2024年01月30日 23:57