M-1グランプリへの道 ~俺たちの出囃子はもう鳴っている~
【えむわんぐらんぷりへのみち おれたちのでばやしはもうなっている】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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Windows/Mac(Steam)
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発売元
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吉本興業
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開発元
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FANY GAMES(カヤック?)
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発売日
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2022年3月24日
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定価
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500円(税込)
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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CERO:B(12歳以上対象)
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判定
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なし
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ポイント
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番組で生まれたM-1のゲーム
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ABCテレビ関連作品リンク
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野田ゲーシリーズリンク
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概要
日本最大の「お笑い賞レース」となりつつある漫才コンテスト『M-1グランプリ』(以下、「M-1」)を題材としたベルトスクロールアクションゲーム。
本作はABCテレビで放送された特番『野田さん!こんなゲームいかがでしょう?』から、誕生したゲームである。
Steamでの配信の他、ソフトバンクのクラウドゲーミングサービス「GeForce NOW」でもプレイできるが、本記事ではSteam版に限って紹介する。
監督は、M-1の2020年大会優勝者でもあるコンビ「マヂカルラブリー」の野田クリスタルが担当。
特徴
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基本的なシステムはよくあるベルトスクロールアクションゲーム。
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通常攻撃と、発動に時間がかかる分威力の高い強攻撃、2種類の攻撃手段が使える。
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いつでも操作キャラを切り替えることが可能。プレイヤーが操作していない方のキャラは体力が自動的に回復していく。
使用できる芸人
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マヂカルラブリー
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メリケンサックを装備した野田とハンマーを持った村上を操作できる。
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シソンヌ
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鎖で攻撃する長谷川忍と木刀で攻撃するじろうを操作できる。
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パンサー
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スピードタイプの菅良太郎とパワータイプの向井理が操作できる。
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尾形貴弘も収録されているが、ノンプレイヤーキャラクターのため攻撃はしないし操作もできない。(敵味方関係なく)殴られると「サンキュー!」と言うだけ。
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蛙亭
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チェーンソーを持った中野周平と鉈を持ったイワクラを操作できる。
+
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隠しキャラ(ネタバレ)
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オール巨人
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ラスボスとして登場。倒すことにより使用が可能になる隠しキャラ。
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火力が非常に高いぶっちぎりの強キャラ。ただしオール阪神が収録されていないため、相方交代によるHP回復はできず、攻撃発動前の隙も大きいため、油断は禁物。
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ちなみに、オール巨人を選んだ場合でも、ラスボスは変わらずオール巨人なので、「オール巨人 vs オール巨人」というシュールな絵が見れる。
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変な点
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M-1題材なのに、M-1(漫才)要素が少し薄い。
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M-1を勝ち上がるストーリーのはずなのに、ゲーム内容は登場キャラが芸人になった普通のベルトスクロール。敵を倒すにも普通に武器や格闘で倒していく。
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操作できる芸人たちもM-1王者のマヂラブ以外は、M-1とは関係の薄い芸人が結構いる。それどころか、どちらかというとコント師の方が多い。
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雑魚敵も「男性ブランコ」の浦井が使いまわされて登場し、場面によってはこれでもかというほど、大量に出てくる。
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一応、登場する敵の中には、「オズワルド」や「インディアンス」などのM-1ファイナリストの芸人もいるので、M-1要素が全くないわけではない。
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余談だが、前述の男性ブランコや1面中ボスの「ヨネダ2000」は2022年のM-1でファイナリストとなった
ので結果的にM-1要素が少し強くなった。
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ゲーム内のドット絵そのものはそこまで悪い作りではないのだが、何故か芸人たちの顔の部分は宣材写真の流用となっており、若干シュールな絵面に見える。
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本作は野田クリスタルが監督を務めており、野田クリスタルが自作した野田ゲーもこんな感じなので、あえてこうしたのかもしれない。
もしくはただの手抜き。
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芸人たちのボイスに関しても、本作のために収録したわけではなく、漫才やコントなどのネタからの流用。
評価点
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ゲーム初心者でも楽しめるお手軽ベルトスクロール。
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操作方法も簡単であり、難易度もそこまで高くないため、気軽に遊べる。
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芸人やお笑いに詳しい人であれば、前述した変な点を笑って楽しめる。
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ただし、あくまでも「芸人やお笑いに詳しい」ことが前提。「男性ブランコの浦井を使いまわしている」や「操作キャラにコント師の方が多い」などのツッコミは、お笑いに詳しくないと出てこないだろう。
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一応、操作できずに殴られると「サンキュー!」としか言わないパンサー・尾形など、お笑い知識関係なく笑える点もあるが。
問題点
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ボリュームは500円相応。
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ステージ数も少なく、前述した通り難易度も高くないので、ベルトスクロールに慣れていない人でも、クリアは容易。
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ハードモードも一応あるが、ハードモードをクリアしても特典などは特にない。
総評
登場人物が芸人であるといったこと以外は、非常にシンプルかつ平凡なベルトスクロールアクションゲーム。
良くも悪くも500円相応の内容なので、著しく出来の悪い作品というわけではないが、お笑い芸人に詳しい人以外に積極的に勧めにくいのが、やや惜しいところか。
余談
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開発経緯
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概要に書いた通り、本作はABCテレビの特番『野田さん!こんなゲームいかがでしょう?』から誕生したゲームである。
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蛙亭・中野、蛙亭・イワクラ、パンサー・菅、シソンヌ・長谷川の4人がそれぞれゲームのアイデアを出し、それらを野田が精査してゲーム化したのが本作である。
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中でもシソンヌ・長谷川のアイデアが色濃く反映されており、芸人たちが手段を選ばずのし上がっていく『芸人セフトオート』と、楽屋をスタートして舞台に立つまでの時間を競う『まもなく出番です』の2つのアイデアが元となっている。
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この時点ではM-1を題材としたゲームではなく、「賞レースを格闘で上がっていく」程度の内容だったが、野田がM-1という名前を使っても良いか試しに聞いたところ、許可が下りたため、結果的にM-1のゲームとして発売された。
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また、番組ではラスボスとして登場するオール巨人師匠に対して野田クリスタルが直々に許可取りを行う場面も放送された。
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なお、この特番は後に吉本興業の公式YouTubeチャンネルから、動画が公開されている。
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開発元についての謎
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Steamストアページでは開発元はFANY GAMESとあるが、野田クリスタルのYouTube配信での発言によると、開発したのは『スーパー野田ゲーPARTY』の開発を担当した面白法人カヤックらしい。
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そもそもFANY GAMESとは吉本興業のサービス名であり、ゲーム開発を行う企業ではないため、FANY GAMESの名前が開発元として表記されていることがおかしいのは事実だが、本作にスタッフロールやクレジットは存在せず、カヤックの公式サイトや公式Twitterにも本作に関する記述がないため、真偽は不明。
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ヨネダ2000の誠は当時改名前であった為、本作では本名で出演している。
最終更新:2024年01月20日 21:52