スーパーチャイニーズワールド2 宇宙一武闘大会
【すーぱーちゃいにーずわーるどつー うちゅういちぶとうたいかい】
ジャンル
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格闘アクションRPG
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対応機種
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スーパーファミコン
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メディア
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16MbitROMカートリッジ
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発売・開発元
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カルチャーブレーン
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発売日
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1993年10月29日
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定価
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9,800円(税別)
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プレイ人数
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1~2人
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判定
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良作
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ポイント
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格闘システムに特化 忍者からカンフーに回帰
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スーパーチャイニーズシリーズ
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概要
スーパーファミコンで発売されたスーパーチャイニーズワールド第2作目。
忍者路線が長らく続いた前作までに対し、久々にカンフー路線に回帰。それに伴い、世界観とシステムがガラリと変化している。
あらすじ
前作『スーパーチャイニーズワールド』から数か月後、ジャックとリュウは相変わらずチャイニーズランドで修行に励んでいた。
その時、ギンガ軍団が珍の始皇帝をはじめとする各惑星のVIPを人質に「宇宙一武闘大会」を開催した。
ジャックとリュウは罠だと思いつつ、ラッキースター号に乗り込み、ギンガラ星団へと旅立った。
その途中、ギンガ軍団のシュババーンと出会い、勝負に挑むが、敗北。
ジュエルスターへと不時着するのであった。
ジャックとリュウの宇宙大冒険はここから始まる。
特徴
ボス戦を含む戦闘によるアクション面が対戦格闘ゲーム風にアレンジされており、前作でのもっさり感は解消されている。
さらに、本作以降からカンフーに回帰し、レベルアップで習得する気功術と必殺技も追加された。
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ハイパーチャイニーズ
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特定の条件を満たすと頭身の高いハイパーチャイニーズに変身できるようになる。Aボタンで通常のキックができるようになり、さらにコマンド入力で必殺技が出せる。
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Yボタン+Bボタン同時押しで大技、十字ボタン↑+Yボタン+Bボタン同時押しで対空技、十字ボタン↓+Yボタン+Bボタン同時押しで下段技、敵に近づいた状態で十字ボタン→+Yボタン同時押しで投げという攻撃も可能。
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ワールドマップは各惑星と宇宙全体
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前作まではチャイニーズランドのみだったが、本作では『スーパーチャイニーズランド2 宇宙大冒険』同様、各惑星と宇宙全体がワールドマップとして再び採用された。
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各キャラクターに掛け声追加
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戦闘でキャラクターが必殺技を出すたびに「ハアッ!」と掛け声が出る。
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前作ではお助け十二支ん将とお助け十二星座が混ざり合ってジャックとリュウの助けになったが、本作からはお助け十二星座のみとなった。(ただし全員は登場していない)
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シリーズでは比較的登場回数が多い発明家の「正義博士(牡羊座)」が、本作では珍しく未登場。
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占い師の「アクエリ飛鳥(水瓶座)」は何故か顔が変わっており、従来の水瓶の顔から眼鏡を掛けた中年の女性になっている。口調は従来とほぼ同じ。
評価点
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格闘ゲームとRPGの融合
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コマンドRPGでもアクションRPGでもなく、対戦格闘ゲームを戦闘に導入しており、RPGの探索・成長要素と格闘ゲームの駆け引きの両方が楽しめる。
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前作のもっさり感は解消されており、キャラの頭身も上がった事でスピーディーで爽快感のあるバトルが展開できるようになった。
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カンフーへの回帰
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そもそも本シリーズは中国をモチーフとした世界観のカンフーものだったのに、海外展開の都合で全く関係ない忍者路線に転向していた。「チャイニーズ」のタイトルでありながら忍者という迷走で生じていた違和感はようやく解消された。
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ジャックとリュウに必殺技が追加および差別化。
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今までコマンド入力で出せる必殺技は「ミラクルキック」しかなかったが、追加で「飛龍の拳(ドラゴンスピンアタック)」、「飛空旋風脚(雷旋風脚)」、「ノヴァバスター」、「プロミネンスパンチ(プラズマパンチ)」などが増え、ジャックとリュウの性能が差別化された。
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この仕様のため、一人用プレイではゲームスタート時にジャックとリュウのどちらかの選択が可能になった。
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終盤の熱い展開
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本作のラストダンジョンは、ルート分岐ありのアスレチックや復活ボスとの再戦など、いかにもラストに相応しいシチュエーションが散りばめられている。
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VSモードの追加
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格闘ゲームらしくプレイヤー同士の対戦が楽しめるVSモードが追加された。ジャック、リュウのみならず武闘大会で遭遇したボスキャラも使用できる。
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時間制限、ハンディキャップ、対戦ステージなどの設定も可能。
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ボス戦で隠しアイテム「ターボブースター」を使用するとゲームスピード(両者の移動、攻撃、飛び道具の速さなど)が高速化し、よりスリリングなバトルを楽しむ事ができる。
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但し、「ターボブースター」の入手場所は明言されない。
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攻略に役に立つ裏技が豊富
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前作同様、意表を突くパスワードが用意されている。「かいもの」と入力すると武器屋と防具屋などのメッセージが見られるモードが入り、「としよかん」でイベントなどのメッセージが見られるモードが入れる。
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攻略に役立てる事も可能だが勿論ゲーム中では分からず、書籍や攻略サイトを参照するしかないので救済措置とは言えない。
問題点
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ラスボス攻略がシビア
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第一形態ではスーパーディフェンスでの反撃をしないとダメージが与えられないので、これに気付かないと勝てない。スーパーディフェンスに頼ってこなかったプレイヤーはここでつまづく。
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ただしラスボスの通常技は全て上段攻撃であり、いかにも「スーパーディフェンスで反撃しなさい」と言わんばかりに連発してくるので、気付くのは容易であろう。
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前作に続いてダンジョン内などで装備を入手すると、今まで使っていた装備を強制的で捨てられてしまう。
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後で使わなくなった装備を店に売ってお金に変えようなどというのは通用しない。
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最強装備の入手が困難
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最強クラスの装備は普通にプレイしていると見落としやすい。
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ネタバレ
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プロミネンスパンチ、レベルカウンター4、ソーラーブレード、ソーラーハチマキはグレートダイギンガーのアイテム屋で購入する、プラズマシューズ、ネビュラクロス、ネビュラハチマキはソーラリウム坑道、イベント星のアイテム屋と隠しアイテム屋で購入する、サイコハチマキはダイゴルゴンの宝箱で入手するしかないので、普通にプレイしている人は見落としやすい。
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ただし、サイコハチマキの防御力は15で防御力が25のソーラーハチマキより劣る。
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最強のパンチ「ごくらくパンチ」は、ダイゴルゴンのアスレチックステージの分岐ルートを抜けた先の隠しショップで売っている。普通にプレイしていてはまず手が出ないほどの高価だが。
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しかし到達難易度からして厳しいものであり、マグマ地帯の見えない足場を渡って行かなくてはならない。当然落ちたら一発ミス。
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詰み防止のためかこのマグマ地帯はすぐ手前に脱出口が用意されており、そこには最強の剣「じくうけん」の入った宝箱がある。
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セーブ方式が相変わらずパスワード制
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ゲームが進行するたびにパスワードの入力数が多くなる点も、バッテリーバックアップによる電池切れの心配が無い点も同じ。
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ミラクルキック削除
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本作からジャックとリュウの性能が差別化されたため、ミラクルキックが使えなくなった。
賛否両論点
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これまではボス戦などでRPG方式の戦闘が採用されていたが、今作では全て格闘方式になった。
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格闘アクションを楽しめる、実力で強敵を倒せるのは上述した通りだが、逆に言えばアイテムを溜めこんだりレベルを上げてのゴリ押しがほぼ通用しなくなっており、格闘ゲームが苦手な人には厳しくなった。
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特定のコマンド入力により、必殺技をタメなしで出せたり、隠し必殺技が出せる。
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これを知っているか知らないかで強さが段違い。とあるボスキャラは完全ハメが成立する投げ技まで持っている。
総評
前作の不満点が解消され、快適に遊べるほどの出来がある対戦格闘RPGとして進化を遂げたスーパーチャイニーズシリーズ最高傑作とも言える。
残念ながら次回作『スーパーチャイニーズワールド3 超次元大作戦』では元に戻ってしまったが、格闘特化のシステムは『スーパーチャイニーズファイター』に引き継がれていくことになる。
余談
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宇宙一武闘大会での対戦相手達は、格闘スタイルとネーミングがどこか狙ったようなメンバーが多い。この辺はやはりスーチャイ節か。
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分かりやすいのは、ボクサーの「アストロ・ジョー」、プロレスラーの「バーバリアン・ババ」、柔道家の「サイドー・コガ」など。
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スタッフロール後、しばらくすると「『スーパーチャイニーズワールド3』に続く」というメッセージが表示されるという予告が出る。
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プロデューサーの阿迦手観屋夢之助氏によると、本作は一旦完成したものを全部作り直したらしい。
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結果として開発費がおよそ3億5千万円ほど掛かったとか。
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前作同様、『Retro-bit Generations 3』に収録。セーブ可能な点も同じ。「16ビットコレクション カルチャーブレーン」ではvol.2に収録された
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但し、本作以降はWiiUバーチャルコンソールでは配信されていないので、プレイのハードルは前作より高くなっている。
最終更新:2025年01月03日 09:07