スーパーチャイニーズワールド

【すーぱーちゃいにーずわーるど】

ジャンル アクションRPG
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対応機種 スーパーファミコン
メディア 8MbitROMカートリッジ
発売・開発元 カルチャーブレーン
発売日 1991年12月28日
定価 8,800円(税別)
プレイ人数 1~2人
配信 バーチャルコンソール
【Wii U】2014年10月1日/514円
判定 バカゲー
ポイント SFCならではのアレンジしたBGMとハイクオリティ
スーパーチャイニーズシリーズ


概要

スーパーチャイニーズシリーズ初のSFC作品であり、スーパーチャイニーズワールド第1作目。略称は『SCW』。
FCで『スーパーチャイニーズ3』、GBで『スーパーチャイニーズランド2 宇宙大冒険』が発売されてから僅か1ヶ月後に発売された。
両方の作品で倒した悪役が再登場するため、時系列的にはどちらかの作品の続編もしくはパラレルワールドと思われる。


あらすじ

愉快な人々が楽しく暮らすチャイニーズランドに、ある日謎の宇宙船団が現れた。
宇宙平和使節団の代表を名乗るパキンは、チャイニーズランドの珍の始皇帝との間に宇宙平和会談を行う。
宇宙船団が姿を消した頃、ヨウカンの都では事件が起きていた。
主人公のジャックとリュウは解決のため都へ向かう…


特徴

  • 敵との戦闘は、FC版『3』同様、フィールドではアクションゲーム、ボス戦ではコマンド入力で戦うRPGとなる。
    • 「ダブルしゅりけん」などのアクションや忍術、アイテムを使って強敵を倒していく。
      • 2人同時プレイでは、味方を持ち上げていろいろなアクションが可能。
  • 豊富な乗り物
    • 船だけでなく、潜水艦や巨大ロボットに乗ることができ、移動範囲が広がった。

評価点

  • ボタン数増加による操作性の向上。
    • Bボタンでジャンプ、十字ボタン+Aボタンでミラクルキックが出せるようになった。
  • 従来のシリーズで使われたBGMがSFC向けにアレンジされており、旧作ファンをニヤリとさせる。
    • アレンジのみならず新規BGMも多数収録されている。
  • ボス戦の改良
    • 1Pプレイでボス戦に突入するとリュウが強制的に参戦するようになり、「よぶ」コマンドが廃止された。
    • 過去作に無かった背景が加わり、『飛龍の拳シリーズ』を思わせる結界の中で戦う。
  • 裏技パスワード
    • 隠しパスワードを入力すると強力な状態で始まる、というのはよくある裏技だが、本作では「いえ」を入力するとイベントなどのメッセージが見られるモードが入り、「きけ」を入力するとイベントシーンが見られる。

バカゲー要素

  • シリーズ恒例のバカゲー要素も盛り沢山。
    • ヨウカンのたちを連れ去る盗賊達、オーエドシティの侍達がオカマになる、オナラを毒ガスに変えて宅配便で送る、日輪剣に関わるテンカイモンの修行が顔当て、世界一無責任な賢者、シェーキスピアの塔で駄々をこねる王様など、笑い所が随所に用意されている。
  • パロディのネーミング
    • 予言者ノセタラダマスロミオ王とジュリエット姫、時代劇ドラマに出たがるエドコーモンなど、どこかで聞いたような名前がちらほらと。

問題点

  • FC『スーパーチャイニーズシリーズ』からの使い回し&手抜き感
    • BGMや一部のグラフィックはFC版3、GB版2とほぼ同一であり、使い回し感が否めない。
    • FC版3から相変わらずキャラの顔が変わらない。FC版2で表情が変化していた事を考えるとやはり寂しい。しかしこれ以降の作品でも表情の変化が再び導入される事は無かった。
  • 店以外で装備を入手すると、今まで使っていた装備を問答無用で捨てられる。
    • イベントで借りることになる装備も返さずに捨ててしまう。それでいいのか?
    • 「らいじんけん」は2ヒットして敵をハメ殺せるほど強力なのだが、最強の剣「オーラブレード」はごく普通の剣であり、入手すると使い勝手が悪くなってしまう。
  • エンカウント率が相変わらず高い
    • 従来のシリーズ同様敵と遭遇しやすく、次の町まで辿り着く時間がかかる。
  • 難易度3段階から選択できるが、ザコ敵が弱くなるだけでボスの強さは変わらない。
    • 難易度が低いほど、低レベルのまま攻略を進めてボスにコテンパンにされやすいという罠がある。
  • 最強武器「ごくらくパンチ」が入手困難
    • アスレチックステージのおまけで集まるメダルが100枚必要になる。集めてメダル屋と交換しようにも、3つの箱の中身から選ぶ方式なため、入手条件がシビアすぎる。もっとも、簡単に取れてしまうとバランスが崩壊するのだが。
      • ゲーム中、飛龍の拳でおなじみの龍飛と戦うイベントがあるのだが、それ以前に取ってしまうとイベントが発生せず詰んでしまう。
  • 操作性が悪い割にアクションがタイトだったりするシーンが多い。
    • 特にラストダンジョン前のアスレチックステージの難易度が高い。
      • トロッコに乗ってジャンプで機雷を避けていかなければならない。失敗するとそのアスレチックステージの最初からやり直しとなる。

賛否両論点

  • スーパーファミコンでの発売にもかかわらず、相変わらずパスワード式。
    • しかもゲーム進行に伴って入力文字数が増え、面倒になっていく。
    • バッテリーバックアップによる電池切れの心配はないため、間違わなければ問題なくプレイできるとはいえ、中断・再開が面倒なのは事実である。
  • ダンジョン内で巨人に乗れる。
    • 地下下水道を渡る時も何故か船ではなく空飛ぶ巨人に乗る。かなりシュール。
  • アイテム「飛龍の卵」
    • 安価で売られており、アクションステージで使うと空を飛べて穴に落ちなくなる。アクションが苦手な人には助かる存在。
    • ただ飛ぶだけでなく壁を抜けてショートカットできるという仕様がバランスを壊していて、これを乱用するとアクションステージの意味がほぼなくなってしまう。
      • 天井に張り付くスパイダーシューズの術などを駆使して進んで行く場面も、強引に壁を抜けて進める。
      • 本来は¥マークを6つ集めて使える忍者スピンキックで壊さなければならない壁も無視できてしまう。

総評

スーパーファミコンに移ったためグラフィックやBGMの出来は向上したが、過去作の使い回しが多く問題点もほぼそのままで、良作とまでは言えないゲームとなってしまった。


余談

  • 本作では『アラビアンドリーム シェラザード』の主人公であるカシムと『飛龍の拳シリーズ』の主人公である龍飛がゲスト出演している。
    • 他にも『超人ウルトラベースボール』に関連する「ウルベータウン」なんて町も出現している。
  • パスワード「よう」
    • これを入力すると最強状態のままインディ村からゲームが再開されるが、既にラスボスは撃破後であるため、最後の行動を取るとすぐにエンディングへと移行する。
  • エンディングでは事件は解決して大団円となるのだが、しばらくすると何者かがパンドラの箱を奪い去り、宇宙へ飛び去っていくというイベントが発生し、最後は「じかい スーパーチャイニーズワールド2 こうごきたい!!!」という予告が入る。

移植

  • SFCのシリーズでは本作のみWiiUバーチャルコンソールに配信されており、WiiUがあれば気軽にプレイが可能。中断セーブも可能なので快適性も向上している。
    • また、『Retro-bit Generations 3』と『レトロデュオ』で遊べる「16ビットコレクション カルチャーブレーン Vol.1」に収録されている。『Retro-bit Generations 3』ではSDカードにセーブも可能。但し、高価である。中古販売品もプレミアが付いてより高くなっている。
最終更新:2025年01月24日 21:30