ソロモンズ倶楽部
【そろもんずくらぶ】
| ジャンル | アクションパズル |  | 
| 対応機種 | ゲームボーイ | 
| 発売元 | テクモ | 
| 開発元 | グラフィックリサーチ | 
| 発売日 | 1991年4月5日 | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| 定価 | 3,300円 | 
| 判定 | 良作 | 
| ポイント | 『ソロモンの鍵』のお手軽バージョンで初心者にもやさしい 様々なアイテムで新しい面白さを生み出した
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| ソロモンの鍵シリーズ ソロモンの鍵 / 王女リヒタの涙 / ソロモンズ倶楽部 / ソロモンの鍵2
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概要
1986年にアーケードで導入され、同年ファミコンカセットとしても発売されたテクモのアクションパズルゲーム『ソロモンの鍵』のゲームボーイ版。
根本的なゲーム性は上記作品から引き継がれているが、上記作品にない救済アイテムがあり、ステージ構成自身も全体的に初心者向けに難易度が低めになっている。
また、ストーリー観点では上記作品の前日談にあたる。
根本的なゲーム性は変わりないので本記事では変更点を中心に扱うものとする。
ストーリー
魔法の国に住む少年ダーナは、魔法使いの見習いで、魔法学校で勉強中。その頑張りが認められ魔法使いの試験を受ける時が来た。
その試験とは罠やモンスターが待ち受ける50の部屋を無事突破すること。これを突破することで一人前の魔法使いと認められるのだ。
一人前の魔法使いを目指して、ダーナの冒険が今始まる。
変更点
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ステージが小さくなっており全般的に前作の簡易版のような構成になっている。
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ストーリーそのものはダーナがまだ修行中ということもあって、前作より前の話になっている。
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それに合わせてか、敵キャラの名前もコミカルになっている。
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例えば「スパークボール」が「すぱ坊」、「ドラゴン」が「どらどん」、「バーン」が「ばぁにぃ」などひらがな表記が中心。
 
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BGMも前作のようなおどろおどろしい雰囲気とは一転、コミカルな曲調になっている。
 
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最初は50ステージのうち、どこからでも好きなステージをプレイできる。
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5段階のレベルに分けられており、それぞれに10ステージずつ振り分けられている。
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ミスした場合も元のステージを強制されることなく、別のステージを選ぶことができる。
 
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ステージクリア状況はパスワードで記録され、それをメモして入れることで再開できる。
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全レベルで特定のアイテムを入手した上で全50ステージを突破すると全5ステージの「レベルソロモン」が出現する。これを突破して完全なクリアーとなる。
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レベルソロモンでは前身の『ソロモンの鍵』のBGMになっている。
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レベルソロモンに挑む前に、ショップ(後述)で買い物ができる。
 
 
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操作性はAタイプ・Bタイプの2つから選べる。
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AタイプはAでジャンプ(左右との複合で斜めジャンプ)、上+Bで火球などのアイテムを使う。
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Bタイプは上でジャンプ(斜めは斜め上で直接)、Aで火球などのアイテムを使う。
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Bで換石はどちらも共通。
 
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詰みに陥ったと思ったらセレクトを押すと「ギブアップ?」と聞かれ、「Yes」を選ぶことで自分からミスできる。
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「動く石」が登場。一定の範囲を上下、または左右に往復する。
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キャラやダーナによる換石で出した石などにぶつかった場合、その場で反転する。
 
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「マガドラの壺」などで使えた貫通するスーパーファイアーボールがなくなった。
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敵の「ばぁにぃ(旧・バーン)」も、土台を消して落とせば消せるもの(旧作でいう赤の「バーン」)がなくなった。
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換石で足場を消して落とした敵の当たり判定はその場でなくなるようになった。
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前作では、さかさになった状態は勿論のこと完全に落ちて煙になった時でも触れたらやられてミスだった。
 
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お金の概念が登場。金貨や宝石を取ったり、ステージクリアで得られる。
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一部の部屋にショップがあり、そこで火球などのアイテムを買うことができる(アイテムの詳細は下記の通り)。
 
アイテムの詳細()内はショップで購入する場合の金額。
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ファイヤーボール(15,000)
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前作にあった「火球の術」と同等のもの。敵に当るまで石をなぞるように進む。3つまでストック可能。
 
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トンカチ(80,000)
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カミーラの鏡を割ることができる(割った後には換石が可能になる)。3つまでストック可能。
 
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水鉄砲(80,000)
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「ばぁにぃ」を消すことができる。3つまでストック可能。
 
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帽子(25,000)
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頭突きによる破壊が1発でできるようになる。コンティニューすると無効化。
 
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靴(25,000)
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ダーナの足が速くなる。コンティニューすると無効化。
 
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ベル(20,000)
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前作の「ライラックの鐘」と同じで、取ると妖精が扉から出てくる。キャッチすると妖精がストックされ10人に達すると1UP。
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ショップで買った場合は、その場で妖精のストックが1人増える。
 
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魔法の封印
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全レベルに一つずつ存在する「レベルソロモン」解禁条件アイテム。
 
評価点
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馴染みある解法の自由度が高い良好なゲーム性をそのままに新しいエッセンスが加わり、前作とは一味違った面白さ。
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無くなったものもあるが、新しいものも多く、前作を知っていても新しい感覚で楽しめる。
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簡略化こそされているものの55ステージ(最後はすぐ終わるので実質54だが)と、ボリュームも申し分ない。
 
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操作性の良さは前作から引き継がれている。
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しかもゲームボーイでありながら、動きも非常に滑らかで必要なスピードが殺されているようなこともない。
 
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ショップでアイテムを購入できるようになり、初心者への救済もバッチリ。
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これらアイテムは初心者に対するハードルを下げることにもなり、クリアの達成感を得やすくなったことでモチベーションの継続にもつながる。
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それぞれのアイテムは使わなくてもクリア可能なので上級者は敢えてアイテム無しでやってみるという選択肢もある。
 
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ステージも自由に選べる。
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ゲームボーイは持ち運んでお手軽に楽しめることが強みであり、そんなハードとの相性が抜群。
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ステージ構成も、前作と比べて短時間で楽しめるものが多い。
 
問題点
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失われたことが惜しまれるアイテムも多い。
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特に強力なスーパーファイヤーボールや、敵を全滅させるメルトナの薬などは本作でもあれば個性になっただけに惜しまれる。
 
総評
前作の時点で元々良質だったゲームだが、それとの差別化がされており、同時にゲームボーイ向きに短時間で手軽に楽しめるようにバランスが調整されており、ハードとの相性は抜群。
ハードとの相性を抜きにしても、救済アイテムや簡略化したゲームシステムで初心者もクリアーする達成感を味わえるよう馴染みやすく作られており、これをクリアーしてオリジナル版へステップアップという流れにもできる。
上級者にとっても前作とは一味違った『ソロモンの鍵』を楽しめるなど、どちらにも満足できる内容。
その後の展開
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2000年9月24日には携帯機の後継作であるゲームボーイカラー専用ソフト『ソロモン』が発売。
余談
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この年の1月に本作に先立って前作『ソロモンの鍵』がディスクシステムの書換え専用ソフトとして移植発売された。
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本作と繋ぐ狙いがあったかどうかは定かでは無いが、書換えは500円でできたため当時は全盛期から2年以上過ぎて遊ばなくなったディスクが放置され気味だったことから、書換えはまさに低コストで遊ぶにもってこいのシステムだった。
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かつて脱落した者が、本作をきっかけに再び『ソロモンの鍵』に触れ、旧作に再トライし、そして翌年には続編『ソロモンの鍵2』に挑戦という、理想的な流れにはなっている。
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だが実際には次回作発売の頃には完全にスーパーファミコンに世代交代しており、ファミコンの注目度が急落していたため、続編の方はあまり売れなかった。
 
 
最終更新:2023年01月23日 15:49