Goat Simulator 3
【ごーとしみゅれーたーすりー】
ジャンル
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シミュレーション/アドベンチャー
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対応機種
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プレイステーション5 Xbox Series X/S Windows(Epic Games Store)
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発売元
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DL版: Coffee Stain Publishing AB PKG版: Koch media
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開発元
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Coffee Stain North AB
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発売日
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2022年11月17日
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定価
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Standard Edition: 3,850円(税込) Deluxe Edition: 4,950円(税込) 「GOAT IN A BOX」エディション:10,670円(税込)
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プレイ人数
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1~4人
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レーティング
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CERO:C(15才以上対象)
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判定
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良作
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バカゲー
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ポイント
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話題になったヤギゲーの続編 何故か『2』を飛ばして『3』 オンラインマルチプレイにも対応
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Goat Simulatorシリーズ 1 / 3
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概要
日本でも話題となった2014年に発売されたおバカシミュレーター『Goat Simulator』のまさかの続編。
本作は『Goat Simulator』の2作目であるが、ナンバリングは何故か『2』ではなく『3』となっている。
特徴
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本作のマップは「サン・アンゴラ島」という島を舞台としたオープンワールドとなっている。
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前作から追加されたアクション・要素。
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アクションに「グラインド」が追加。電線などを伝って滑走することができる。
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その他、街中を走っている車両を奪い取って運転することも可能。
おバカな点
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前作でも多々見られたパロディネタは本作においても健在。
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ゲームを開始すると流れるオープニングは、どう見ても『The Elder Scrolls V: Skyrim』のオープニングそのもの。
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というかゲーム内でもオープニングの終わりに「さっさとスカ〇リムカートを出てゴートタワーに向かえ」という台詞が出る始末。
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この他にも、スカイリムのパロディネタは多い。
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とあるエリアでは『Wolfenstein 3D』のようなグラフィックのマップになったり、静かな丘なるホラーエリアがあったりする。
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ゲーム関係以外のパロディネタも多い。建物の看板に赤色の四角に白文字で
WONDER
といった映画の看板があったり、コスコンで某ヒーローが持っている金属で作られた円形の盾(投げて攻撃することが可能)が手に入ったり、と様々なネタが仕込まれている。
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とはいえ、海外産ゲーム故に洋ゲー・海外作品のパロディネタが多く、一部日本人に馴染みの無いものもあるが。
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上記のパロディネタを抜きにしても、おバカな点は多い。
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特にクエストの攻略方法は奇想天外な手段を強いられることが多く、思わず笑ってしまうものも多い。
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クエストの結末も予想外の出来事が起こったり、逆に予想通りの大混乱を引き起こしたりと、おバカな内容だらけである。
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例えば…(攻略上のネタバレ注意)
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山でビッグフットを探して捕まえるクエストがあるが、普通に探しても見つからない。
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それもそのはず、このイベントで捕まえるべきビッグフットとは、UMAではなく、文字通り足が物凄くデカい人間を連れてくること。確かにビッグフットだが……。
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「スティーブを救え」というクエストでは、「溺れているスティーブを助けてあげよう!」とのことだが、温泉で溺れている男性を助けてもクリアにならない。
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よく見てみるとこの男性の名前は「ノット・スティーブ」、つまりスティーブではない。そこで、近くに浮かんでいる魚を捕まえてみると、その魚の名前がスティーブであり、そちらを助け出すことでクリアとなる。
魚なのに溺れるのか……。
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「押すな、危険」というクエストでは、施設のボタンを押すと空から爆弾が降ってくる。
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落ちてきた爆弾を触ると、案の定大爆発。そして「あやうくキム・ジョンウ〇」という一文と共に、Falloutの服が手に入るという結構危ないネタもある。
よく日本でリリースできたものである。
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評価点
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各段に広くなったオープンワールドマップ。
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前作ではオープンワールドと言うには狭めだったマップだが、本作の舞台である「サン・アンゴラ島」はオープンワールドと呼ぶのに相応しい広さのマップとなっている。
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ゲーム開始時にそれなりのロード時間は入るものの、マップ間でのロードを挟むことなく、シームレスに移行する。
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ただし、その分要求スペックが増えたのか、CS機ではPS5とXSXのみと、高スペックゲーム機でしかリリースされていない。
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豊富なクエストの数々。
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本作には「クエスト」と「衝動的ミッション」の二つの指標があり、それらをこなしていくことが主な目的となる。
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オープンワールドのマップには様々なクエストが配置されており、そのクエストの攻略方法もパズルのように頭を捻るものも多く、やりごたえがある。
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多少改善された日本語ローカライズ。
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前作の日本語訳は、直訳気味かつ奇妙で意味が伝わりづらい表現も多々見られたが、本作では内容が十分理解できるレベルまで翻訳の質が向上している。
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前述したパロディネタもちゃんと翻訳されており、日本人にも元ネタがわかりやすくなっている。
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便利になった点。
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装備品には移動に便利なものが増えている。中でもパラグライダー(ハングライダー)は空中を滑空することができるため、オープンワールドのマップを移動する際に重宝する。
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車を奪い取って運転することができるようになったため、遠距離へ移動する際も地味に便利になっている。
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昨今のオープンワールドゲームにはマストな機能である、ファストトラベル機能も搭載。ゴートタワー限定だが、テレポートすることができる。
賛否両論点
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相変わらずバグが多い。
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壁を突き抜けて入れないところに入れたり、キャラクターのモデルが荒ぶったりと、前作に引き続きバグが多く発生する。
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とはいえ、前作の時点でバグっぽい挙動を楽しむゲームでもあるので、ある意味「『Goat Simulator』らしさ」が出ているとも言えなくもないが。
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一応、ヤギがはしごを登る際のモーションがまともになっていたりと、修正されている部分もある。
問題点
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前作同様、明確なストーリーが無い。
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前作と同じ問題点。オープンワールドゲームとしての規模は大きくなった本作だが、前作と同じく明確なストーリーがないため、プレイヤーによっては何をしたらよいのか迷ってしまう。
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尤も、「サブクエストなどの寄り道をしないと楽しめない」というのは、オープンワールドゲーム全般に言えることでもあるが。
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一応、今作ではエンディング・ラスボスが用意されているものの、道中には全く関わってこないため、ラスボス戦まではプレイヤーの好奇心に頼らざるを得ない。
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プレイスタイルによっては酔いやすい。
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前作同様、本作も物理演算ゲーとしての側面があるのだが、操作キャラが壁にめり込んだり、空中を激しく飛んだりして、カメラが荒ぶったりすることもあるため、遊んでいるうちに3D酔いを引き起こす恐れもある。
総評
物理演算による独特な挙動・数多のパロディネタ・バグっぽい動作など、あの『Goat Simulator』の続編と呼ぶのに相応しい内容となっている。
その『Goat Simulator』らしさが残る一方で、美麗になったグラフィックや、意図的に仕込まれたバカ要素など、ゲームとしてのクオリティは前作と比べて格段に向上している。
そのため、前作が「いい加減に作られたバカゲー」と呼ぶなら、本作は「計算して作られたバカゲー」と呼ぶべきだろう。
オンラインマルチプレイに対応していることもあり、友人などと複数人で遊べば一層本作を楽しむことができるため、ふざけたバカゲーを遊びたいという方なら購入を検討してみてはいかがだろうか。
余談
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2023年1月26日にはPS5にてパッケージ版、及び特典の付いた「GOAT IN A BOXエディション」も発売された。
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ナンバリング『3』について。
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概要にも書いた通り、本作は2作目であるのにも拘わらず、何故か『3』とナンバリングが付けられている。
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これについてPlayStation.Blogにおいて開発スタッフたちの意見が載っているが、理由がバラバラどころか、ふざけた回答だらけである。ある意味『Goat Simulator』らしいとも言えるが。
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PlayStation.Blogの記事より引用
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「ボックスアートに3匹のヤギがいるから」 – Rasmus Björk、コミュニティーマネージャー&シネマトグラファー 「へ? 『Goat Simulator 2』ってまだ作ってなかったの?」 – Olivia Follin、プログラマー 「前作からかなり時間が経っていて、タイトル名を『Goat Simulator 2』にしても、実装したシミュレーション技術の進化すべてを伝えきれないので」 – Sebastian Zethraeus、ゲームプロデューサー 「続編が好きな人っていないし」 – Driton Gashi、デザイナー 「メェェェェェェ」 – ピルゴール 「理由はありました…。でも忘れちゃいました」 – Philip Bretschneider、3Dアーティスト 「パブリッシングチームの誰かがそう言いだしたんだけど、だれも正さなかったみたいですね」 – Judith Radnitz、ゲームプロデューサー 「『ゴッド・オブ・ウォーラグナロク』って名前はもう取られていたから」 – Santiago Ferrero、クリエイティブディレクター 「まあ『Goat Sim 4』って呼んだらおかしいからね」 – William Birgersson、アートディレクター&レベルデザイナー 「ただの打ち間違いでしょ」 – Helena Lindström、コミュニティーマネージャー 「数字だ、メイソン。どういう意味なんだ?」 – Stuart Docherty、サウンドデザイナー 「上述以外」 – CEO Sebastian Eriksson 「ピルゴールは、ゴードンがやらないことをする」 – Joar Hedvall、プログラマー
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2024年8月28日にはNintendo Switch版も発売された。
最終更新:2024年08月28日 15:04