ツクールシリーズ 地球侵略獣
【つくーるしりーず ちきゅうしんりゃくじゅう】
ジャンル
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横スクロールシューティング
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対応機種
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Nintendo Switch
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発売元
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Gotcha Gotcha Games
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開発元
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ShiN_Game
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発売日
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2023年4月6日
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定価
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1,500円
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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IARC 16+(激しい暴力)
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備考
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アダルトゲームのリメイク作品
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判定
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なし
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ポイント
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長年の成人向けゲーム制作で培われた安定感が感じられる作品 比較的安価な割にボリューム感もありコスパは悪くない
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ツクールシリーズ (Gotcha Gotcha Games)
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概要
Gotcha Gotcha Gamesにて販売されている『アクションゲームツクールMV』を使用して制作された作品群の1つ。
作者はStudioS名義で成人向け、特にリョナ要素やパロディ要素の強いものを中心にゲームを多数作成しており、本作も成人向けとして販売されていたゲームのリメイク作となっている。
ゲーム内容はシンプルで、ベルトスクロールアクションに近い操作感で各ステージのミッションをこなしていくというもの。
ストーリー
2X45年。兵器として作られたネオヒューマノイドによる反乱が発生。
人間対ネオヒューマノイドの戦争が始まり、瞬く間に人間は窮地に追いつめられていった・・・
そんな中、人類にわずかな希望が生まれた。
女性隊長レイラ率いる潜入戦闘部隊「SSS」の誕生である。
SSSは敵の拠点に潜入、内部から一気に敵を殲滅していった。
しかし、ネオヒューマノイドはさらなる戦闘兵器増産のため人間狩りを始める。
レイラよ、ネオヒューマノイドの作戦を阻止し、地球を防衛せよ!
(以上、ニンテンドーeショップより引用、適宜改行、脱字修正)
ゲーム内容
地球防衛軍をパロディしたタイトルの通り、「地球防衛軍を2Dアクションシューティングに落とし込んだもの」とみて概ね間違いない。
地球防衛軍シリーズをプレイした経験があるなら、それを踏まえておくと理解が早い。
操作方法
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十字ボタンか左スティックで8方向に移動。
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RボタンかBボタンを押し続けるとウェポンによる射撃を行う。
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攻撃方向は左右のみで、追尾弾などの例外を除き上下への攻撃はできない。
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射撃しながら移動した場合、攻撃方向を維持するので、引き撃ちが可能。
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ウェポンの種類によって異なる弾数が設定されており、すべて撃ち切ると数秒間のリロードが始まる。
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Yボタンでボムを発射。
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ボムと言っても周辺広範囲を爆破するようなものではなく、グレネードやミサイルなどのサブウェポンのような装備。
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ボムはウェポン同様に弾数が設定されているが、ウェポンとは異なり撃ち切るとリロードされない。
ボムの補充は、後述のアイテムで行う。
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ウェポンに比べて、連射できない代わりに一撃の威力が高いものが多い。
それほど広範囲ではないが爆風も発生するため、複数の敵を巻き込むこともできる。
しかし至近距離では自爆する可能性があり、敵に捕らわれた捕虜に撃つと捕虜ごと爆破してしまうので注意が必要。
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方向入力をせずにAボタンを押すとウェポンをリロードする。
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リロード中にAボタンを押してもリロードを最初からやり直すことはないので、連打しても問題ない。
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方向キーを押しながらAボタンで緊急回避を行う。
モーション後に隙があるが、短距離を素早く移動できる。
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通常移動の8方向とは異なり、緊急回避は上下左右の4方向のみ。
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Lボタンでマップを開く。
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敵や捕虜の位置も確認できるため、こまめにチェックすると攻略が捗る。
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+ボタンでポーズメニュー。
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操作方法を確認したり、ミッションをリタイアできる。
メインメニュー
ミッション前のメニューでは、ステージ、難易度、ウェポン、ボムを選択できる。
+
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ウェポン(メイン武器について詳述)
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マシンガン
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スタンダードな性能で、弾がやや拡散しながら飛んでいく。
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バリエーションによっては、マシンガンとは思えないほど連射性能が低く単発火力重視のものもある。
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総じて上下への攻撃が難しいのがネックで接近戦に弱い。射程を活かしての長距離戦が有効。
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ショットガン
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短射程・高威力の武器。
後に問題点にて述べる通り本作の接近戦には難があるため、扱いが難しい。
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レーザー
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弾が敵を貫通し、連射速度にも優れる。
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弾のばらつきがなく常に決まった方向に飛ぶが、上位種はレーザーがかなり太くなるので意外と攻撃範囲も悪くない。
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種類によってはV字型に発射するものもあり、その使いにくそうなイメージとは裏腹に上下方向に攻撃出来る手段の1つとなるため、有用性が高い
(敵の攻撃も基本的には横方向にしか飛ばないので、横軸をずらした位置取りをすることで敵の死角から一方的に攻撃できる)。
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ホーミング
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字のごとく、弾が敵を追尾する銃。若干威力は低いもののそこそこの連射性能がある。
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上下への攻撃の有用性は上述の通りだが、加えて接近戦(問題点にて後述)にも強いため、非常に扱い易い。
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+
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ボム(サブ武器について詳述)
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グレネード
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放物線を描いて飛び、地面や壁への着弾で起爆する範囲攻撃。
敵に直接着弾させることができないため、自爆の心配がなく狙った場所を確実に攻撃できる反面、接近戦での対応力に欠ける。
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ロケット
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直進するロケット弾を発射する。
グレネードよりも遠距離を攻撃できるが、敵に直接当てないと爆発しないため、よく狙わないと弾を無駄にしてしまう。
接近戦では自爆のリスクも伴う。
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ミサイル
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敵を誘導するミサイルを正面に放つ。
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種類によっては真上や真下の敵をも仕留められる利便性を持つが、その誘導性が仇となり、乱戦で撃つと自爆してしまうこともある。
正面の敵に当てたいのにUターンして背後に飛んでいくなどの事故も起こりやすいが、扱いを覚えれば状況を選ばず使える便利な武器になる。
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ちなみに、地球防衛軍のプレーヤーならお馴染み、高精度・大火力・超低速のアイドルミサイルも存在する。やはりというか、例によって自爆しやすい。
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難易度は、デフォルトではイージー、ノーマル、ハードから選択できる。
最終ステージまでクリアすると、高難度のアルティメット、デスが追加される。
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難易度の変化は基本的に敵の耐久力と攻撃力に反映され、敵の動きや数はほぼ変化がない。
しかし、後述する通り本作は敵が無限湧きする場面が多く、敵を殲滅できる火力がないと徐々に押し込まれるバランスとなっている。
ミッション
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ステージのクリア条件は5種類あり、ステージごとに異なる。
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WIPE OUT:ステージ上の敵を全滅させる
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RESCUE:敵に捕まっている捕虜を一定数救出する
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TIME ATTACK:時間内に一定数の敵を倒す
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SURVIVAL:一定時間生存する
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ESCAPE:敵から得られるキーを一定数回収して特定のポイントまで移動する
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ほとんどのステージにおいて、一定時間ごとにモンスターを召喚する転送装置が配置されており、これを破壊しない限り敵が増え続けてしまう(一応、召喚できる数に上限はある模様)。
それを抜きにしても大抵のステージでは小型~中型モンスターが天井から降ってくるため、基本的には手早くミッションを遂行することが求められる。
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WIPE OUT以外のクリア条件を満たした際に生き残っている敵は、クリア条件を満たすと同時に全滅する。
アイテム
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マップに配置された様々な見た目のオブジェクトを破壊したり、捕虜を救出するとアイテムが出現する。
敵を倒した時にも低確率でアイテムが出現する。
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アイテムを手に入れたミッションをクリアできずやられてしまっても、取得したウェポンや体力の最大値は引き継がれる。
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ステージ上のオブジェクトは、オブジェクトがあった場所を画面外に出すと容易に復活する。
そのため、ボムの数が許す限りアイテムを稼ぐことができる。
上手くやれば、無限稼ぎに近いことを行うことも可能(早期に行うとゲームバランスを損なう可能性があるため閲覧注意→【】)。
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アイテムの種類
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ARMS
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ウェポンかボムを入手する(ボムの残弾回復ではなく、新兵器獲得アイテム)。手に入れた装備は次回から使用可能。
何を手に入れたかは、ミッション後ではなく入手した瞬間に表示される。
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未入手兵器だけでなく、獲得済みの兵器も出現する。しかし、手に入れた兵器が既に入手済みのものだった場合、ブーストモードが発動。ボムの残弾が最大まで回復し、一定時間ボムが撃ち放題になる。
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状況を選ばず最も有用なアイテムだが、ドロップ率は最も低い。
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SHIELD
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BOMB
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十字マーク
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捕虜
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ステージによっては味方の捕虜が謎の軟体生物に
喘がされている
捕らえられている。
ウェポンで撃つことで救出でき、アイテムをドロップする。
ボムで撃ってしまうと捕虜を巻き込んで殺してしまうので注意。
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中には、捕虜を抱き抱えて盾として使ってくる敵もいる。こちらも同様に、ボムを使って倒すと捕虜を巻き込んでしまうので、救出するにはウェポン射撃で倒す必要がある。
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しかし、こちらはボムで誤射してしまっても、それで敵が死ななければ捕虜も死なずにすむ。
捕虜はあんまり盾として役に立たないようだ
評価点
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原作のアダルトゲームから推奨年齢が引き下げられているが、多数のリョナゲー制作で培われた肉感的な女の子やリョナ描写は健在。
年齢制限に対してかなりギリギリを攻めているらしく、過激な暴力表現は多少和らいでいるものの掴み攻撃を受けると画面がズームしたり、謎の軟体生物に捕らわれた捕虜が喘いでいたりとかなりセクシャル。
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アクションゲームを得意とするクリエイターなだけあって、シンプルなアクションながら立ち位置や武器の性能、残弾数などを考えて戦う必要があり熱中できる。
賛否両論点
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ステージ数は30、それに5段階の難易度があり、DEATH難度オールクリアを目指すとしても最低60ステージは遊べるが、実際は1ステージ数分で終わるのでオールクリアまでの総プレー時間は意外と短い。
また、兵器のコンプリートを目指す場合であっても、稼ぎの方法が安定してしまうと難なく揃ってしまう。
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1,500円なのでこれくらいだろうと感じる人もいれば、価格を考慮しても物足りないと感じる人もいるだろう。
ただ、ゲーム性を考えると、これ以上ステージを増やしても水増し感が強まりかねないので妥当なところだろう。
全91種類の武器や全30のミッションなど、数字を見るとボリュームに期待してしまいやすいが、あくまでロープライスゲームだという前提で遊んだ方が良いかもしれない。
問題点
装備のバランスについて
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装備は同じカテゴリ内でも「単発の火力に優れる」「射程が長い」といったバリエーションが一応存在してはいるが、
基本的に「上位の装備が手に入ったら乗り換える」というものであり、地球防衛軍のような「ミッション内容に適した装備を選択する」という類のものではない。
全91種の武器が存在するが、ゲームクリアの過程においてもそのほとんどは一度も使われず、最終的には片手で数えるくらいの武器(というか、気に入ったウェポンとボムが1つずつ)しか使われなくなる。
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カテゴリ別に見ていくと、ウェポンは上下への攻撃・至近距離への攻撃が共に可能なホーミングが圧倒的に強い。次いで斜めの敵を攻撃可能な拡散レーザー。
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マシンガンはとにかく攻撃範囲の狭さと敵単体にしか攻撃できないことがネックで、どうしても殲滅力に欠ける。
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ショットガンはその見た目の割に火力不足で、どちらかというと複数の敵に広く浅くダメージを与えることに向いた武器となっている。
同じことが可能で連射がきく拡散レーザーの実質的な下位互換である。
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ただし、ワープ装置に対してだけはなぜか異様にダメージが大きい。
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下記の通り、射程が短いという欠点は接近戦に潜む問題点ともつながっている。
敵の挙動と密着戦について
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敵は基本的に多少のランダム移動を交えながら接近してくるが、接近行動に対して限度を知らないため
レイラと体が重なるまで接近してくる(特に壁を背に応戦している場合に顕著)。
こうなるとお互いの攻撃が当たらなくなってしまう(レイラの攻撃は彼女の体ではなく正面に構えた銃口から出る。多くの敵も同様に、攻撃は正面へ繰り出す)。
敵は自分から離れることがほとんどないので、こちらから離れてやらないといけない。
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こういった状況においてもホーミング弾であれば攻撃が可能なため、ホーミング弾の強さを後押ししている。
逆に、射程が短いという欠点を持ちながらゼロ距離では他の武器と同様に攻撃が当たらないショットガンは一層不遇な扱いになっている。
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中型の敵であればワープ装置から現れることが多く動きも遅いので、敵に囲まれないように位置取りを考えて戦えば接近される前に仕留められる場面は多いが、
小型の敵はワープ装置とは無関係に現れるため、やはり至近距離でまとわりつかれて倒しにくい。特にドローン型の敵は動きが素早く体も小さいため、とにかく攻撃が当てにくい。
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そしてやはりというか、ホーミングであればこういった小型の敵にまとわりつかれても撃破しやすいので、どんどんホーミングゲーになっていく。
メインメニューについて
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ステージ選択、難易度、ウェポン選択、ボム選択の4つのリストが縦に並んでいるが、ステージや難易度を変更する時は
「カーソルを合わせてAを押し、上下で選択してAで決定」という操作になっている。
ウェポンやボムのようにリストを開いて選択するものであればともかく、ステージや難易度のような「数値を選ぶだけのもの」は
縦並びのメニュー画面であれば「上下入力で項目にカーソルを合わせ、左右入力で数値を変更」としているゲームが多く、本作の操作はあまり直観的ではない。
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「上下入力でリストにカーソルを合わせてAで決定、上下入力で数値を変更してAで決定」という操作自体を許容するとしても、
リストを選択してAで決定したあと、値の変更操作を示す▲・▼マークや「上下入力でステージを選択できます」などの説明が表示されないため初見では設定変更の方法を手さぐりで理解しなければならない。
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ウェポン・ボムの選択画面について
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新規入手のウェポン・ボムに対するNEW表示が無い。
戦闘中にARMSアイテムを拾った時点で入手した武器の名前が表示されるが、戦闘終了後までその武器名を覚えておかないと何が増えたのかが分かりづらい。
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ウェポン・ボムの選択画面にキャンセル操作が存在しないため、リストを開いたが装備は変更しなくてもよいと思った場合はすでに装備している武器を探して再装備しなければならない。
総評
装備のバランス、密着戦に関わるアクションの問題、UIの問題はあるものの、1,500円という価格を踏まえると十分遊べるゲーム。
地球防衛軍をパロディしたゲーム名と多数の武器・ステージ数で期待しすぎると肩透かしを食らうがボリュームも価格を踏まえると相応といったところ。
ゲームそれ自体は良くも悪くも「無難に遊べるロープライスゲーム」という評価に落ち着くだろう。
どちらかというと本作の魅力は、過激な描写こそ抑えられているものの「アダルトゲーム作者StudioSのゲームがSwitchで遊べる」というところにあるのかもしれない。
余談
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2024年8月8日には本作の原作である成人向け版の方がSteamで配信された。当然ながら、パブリッシャーは別の配給会社に変更されている。
最終更新:2024年08月08日 19:41