ピクミン4

【ぴくみんふぉー】

ジャンル アクション
対応機種 Nintendo Switch
発売元 任天堂
開発元 任天堂
エイティング
発売日 2023年7月21日
定価 パッケージ版: 6,578円 (税込)
ダウンロード版: 6,500円 (税込)
プレイ人数 1~2人
判定 良作
ポイント 大ボリュームな10年ぶりの新作
もう1人の主人公・オッチン
ダンドリを極めて遭難者を救出
初心者でもプレイしやすい作品に
一部死に要素と化している部分も
ピクミンシリーズ


概要

任天堂の『ピクミン』シリーズナンバリング第4作であり、前作『ピクミン3』から実に10年の間を開けての新作となる。
本作開発陣自ら「深く遊べる『1』&『3』 vs 長く遊べる『2』」と述べる過去作の両要素を複合させた、やり込み要素の多いゲームとなっている(参照)。


ストーリー

宇宙航海士の「キャプテン・オリマー」より救難信号を受け取ったレスキュー隊がオリマーの遭難した惑星「PNF-404」へと向かうが、途中でなぜか宇宙船「シェパード号」が操縦不能になり、二重遭難という事態を引き起こしてしまう。
やむなく唯一母星にて待機をしていた新米レスキュー隊員である主人公が「ビーグル号」に乗って出向き、オリマー・及びレスキュー隊のメンバー救出を任されることとなった。
そこで出会ったのは同じく新米レスキュー犬の「オッチン」とレスキュー隊メンバーの「コリー」に「シェパード」、そして主人公たちへ協力をしてくれる奇妙な生物「ピクミン」であった。
レスキュー隊はこのピクミンの力を借り、残りのレスキュー隊メンバーとオリマーの救出を進めるのであった。

登場人物

+ 主要人物の一部のみ紹介
  • 主人公
    • レスキュー隊の新人で、他メンバーの二重遭難に伴い最後の希望として『PNF-404』に派遣された。到着後のオッチン・ピクミンとの相性の良さからレスキュー活動のメインを任せられるようになる。
    • これまでの作品では設定・容姿が固められたネームドキャラが主人公として据えられていたが、本作では名前や容姿を一から設定するいわゆるキャラクリタイプの主人公となった。
      • 宇宙船とレスキュー隊のユニフォームは、主人公に設定したカラーに統一される。
  • オッチン
    • レスキュー隊とともに惑星へ降り立った新米レスキュー犬。本作での主人公の相棒。詳しくは後述。
  • コリー
    • レスキュー隊のオペレーター。ゲーム開始時は彼を最初に救助することとなる。
    • 主人公に無線でサポートを行う他、シェパード号の整備などをこなすハイスペックな面も持つ。
  • シェパード
    • レスキュー隊の隊長で、代々レスキュー隊を営んできた家系の99代目。ただし実は結構な怖がり。
    • 大の愛犬家でもあり、ゲーム中ではオッチンに様々なスキルを教える特訓係となる。
  • キャプテン・オリマー
    • シリーズおなじみの人物で、本作でまたもや遭難し救難信号を発信。レスキュー隊らがこの星に降り立つこととなる。
    • だがレスキュー隊がいくら探しても彼の姿は見当たらず、代わりに彼に似た謎の葉っぱ人(下記)と遭遇する。
  • 例の葉っぱ人
    • 宇宙犬「モス」を引き連れた謎の葉っぱ人。ダンドリが悪いために生き残れないとされた他の遭難者を葉っぱ人に変えて回っており、主人公たちとはダンドリバトルで幾度となく対決することとなる。

特徴・システム

本作の目的は「遭難者の救出」及び「オタカラ(キラキラエネルギー)の回収」の2つ。
これらを繰り返すことで探索エリアを広げ、全ての遭難者を救出するのが最終目的となっている。
加えて以下のような様々な新システム・変更点が搭載されている。

  • レスキュー犬「オッチン」
    • 本作における主人公の相棒であり、もう1体のプレイヤーキャラ。主人公とピクミンが騎乗し段差を越えることができるほか、プレイアブルキャラクターでありながら運搬・戦闘といったピクミンと同じ仕事をこなすことができ、ゲームを進めることで取得できるスキルが増えていき、だんだんと強化させていくことができる。
      • オッチンの固有スキルとして「トッシン」が存在し、原生生物にヒットさせると大幅なダウンが狙え、大ダメージを与えられるチャンスを得られる。
      • その際にピクミンも騎乗させながら行うとヒットと同時に原生生物に張り付かせる事ができ、ダウン中であれば張り付きながら連続で攻撃を行ってくれる。
    • 特に最終強化後の性能はピクミン100匹相当の運搬能力や全属性耐性など、攻防両面で非常に頼もしい存在となる。反面オッチンでは行くことができない場所もあり、使い分けが重要。
  • 遭難者と葉っぱ人
    • オリマーの救難信号に添付されていた航海日誌に興味を惹かれ、惑星へ降りてしまった一般人たち。
    • ステージのどこかで休眠状態で発見されることが多い。彼らを(オタカラ同様に)拠点まで運ぶと救助となる。
    • 遭難者の中には顔が木の葉のようなもので覆われた「葉っぱ人」となってしまった者がいる。彼らは救助を拒むが、彼らの提案する「ダンドリチャレンジ/バトル」をクリアすることで救助可能。救助後は夜の探索(後述)で得られる薬で治療する必要がある。
  • レスキューキャンプ
    • 本作ではレスキューキャンプ*1から1日が始まり、どのエリアへ行くかを選択する。
      • アイテムの生成やオッチンのスキル習得、ピクミンの補充など出発前に様々な準備ができる。時間制限も無いため熟考が可能。
      • レスキュー隊や遭難者を救助することで設備が追加される。また、救助された者はキャンプに定住するようになり、プレイヤーへの「サイドミッション*2」が発生する。クリアするとキャンプに新たな設備を開いたり、後述する「シザイ」を報酬として用意してくれる。
  • エリア
    • 回収や救出作業・地下洞窟攻略を進めることとなる場所。オタカラを回収することで宇宙船を強化して、新たなエリアに探索へ赴けるようになる。
    • 本作ではエリアが広大化した反面、拠点を1エリア内の複数の場所に移動することが可能となり、うまく使えば運搬の手間を省くことができるが、最初に降り立つ拠点以外には原生生物が巣食っており、新たな拠点として使うにはその生物を倒す必要がある。
      • 拠点を移動する際には、ビークル号だけではなくそれに付いて来る形で拠点にいたオニヨンとピクミンも即移動する。
      • ただし、ファストトラベル機能は存在せず、拠点を移動する際には直接移動させたい拠点まで赴く必要がある。
  • 地下洞窟
    • 何層にも分かれた洞窟を探索し、オタカラ回収や遭難者の救出を行うこととなる。
    • また、ポンガシグサや野生ピクミンと出会うことでの新種のピクミンとの出会いや、オニヨン未回収のピクミン(後述)の増加の場所も兼ねることとなる。
    • この都合上、地下洞窟内部のみ本作地上部で課されている最大ピクミン数制限・最大3種類制限の縛りが撤廃されている。
    • 基本的には『2』のそれとほぼ同等のシステムだが、変更点も多い。
      • 地形のランダム生成はなくなり、完全固定となった。
      • 「地下洞窟にいる間は時間が進まない」という設定は「時間が非常に遅く進む(地上と比較して6分の1)」という設定に変更された。なお、洞窟探索中に地上の日没時間を迎えた場合は、地上に戻ると即日没ではなく日没前のカウントダウンからとなる。
      • 日没のカウントダウンが始まってからは地下洞窟に入ることができなくなった。『2』で可能だった「日没際に地下洞窟に入ってはぐれたピクミンをオニヨンに戻す」行為の対策と思われる。
      • 『2』では間欠泉以外で途中脱出する際は回収物を持ち帰ることができなかったが、本作では持ち帰ることができるようになった。また、再突入時は一度入ったことのある階の中から選択し、途中の階から探索できるようになった。
      • 洞窟脱出時に地上に戻る場所が、拠点から洞窟の出入口に変更された。これを利用して、入口と出口が違う場所にある洞窟も登場した。
      • 洞窟に入るとき及び脱出した際にピクミンを編成し直すことができるようになった。これにより、入口までピクミンを連れて行くことが危険な洞窟へプレイヤー単身で向かったり*3、洞窟探索終了後にピクミンを編成し直して改めて周囲の地上を探索したりといったことが可能となった。
  • 時間制限
    • こちらも『2』と同じく、本作では無制限に星に滞在できるようになったため、『2』と同じく時間に追われず様々な楽しみ方ができるようになっている。
    • 時間に関連して、本作ではある一定のタイミングまで戻ってゲームをやり直すことができるようになった*4
    • やり直すタイミングを完全に好きに選べるわけではないが、ピクミンの大量死をなかったことにできたり、より効率的なプレイを追及したりとかなり便利な機能となっている。
  • ピクミン関連
    • 本作では『3』までに登場した7種類すべてのピクミンが集結。さらに新たなピクミンとして「氷ピクミン」と「ヒカリピクミン」が登場する。
      • 氷ピクミン
        氷属性に耐性を持ち、原生生物や水場を凍結させる能力を持つ。原生生物の凍結は『2』のゲキニガスプレーの仕様に近く、凍結中は一方的に攻撃が可能なため非常に強力*5
        ただし氷属性を持った生物は凍らせられないほか、素の攻撃力が低い・火を浴びた場合死ぬまでの時間が短いという弱点がある。
        他にも水場を浮いて通過できる特性を持つが、青や羽ピクミンのように物を運搬する際に水場を通過することはできない。
        同様に敵に吹き飛ばされて水場に落ちたり水をかけられたりした場合も他のピクミン同様溺れてしまう。
      • ヒカリピクミン
        夜の探索・地下洞窟限定のピクミン。オニヨンを持たず、夜のステージにのみ点在している「ヒカリペレット」をヒカリヅカもしくはオトリヅカに投入することで増殖する。
        全ての属性に耐性を持ち、周りの原生生物の動きを一定時間止める溜め技「フラッシュバースト」を使うことができる。
        また、頭の葉が時間経過で花まで成長する、フリー状態になると自動で隊列に戻る等他のピクミンとは大きく異なる特性を持つ。
        最初は夜の探索でのみ使用可能だが、夜の探索で「ヒカリのタネ」という消費アイテムが入手でき、これを使うことで地下洞窟でもヒカリピクミンを使うことができるようになる。
    • 既存のピクミンについても一部変更点が加えられている。
      • 赤ピクミンはかまどから「種火」を持ち出して扱える能力が追加。持ち出した種火は原生生物が身に纏う氷を溶かしたり、道をふさぐ藁の束を燃やすなどの使い方ができる。
      • 黄ピクミンは『3』で追加された「穴掘りが早い」という特徴がさらに押し出され、他のピクミンとは一線を画する速度で掘り出せるようになった。
      • 紫ピクミンは『2』であった混乱への耐性がなくなってしまったが、着地時の衝撃波が強化され投擲攻撃の性能が向上した。
      • 白ピクミンは「埋まったお宝を掘り出せる」という特徴が全ピクミンに与えられたことで事実上消滅。また「食べた相手に毒を与える」能力も元から毒を扱う相手には無効となり、これまでの役割が弱まった。
        一方で本作ではエリア各所に毒ギミックが多用されており、毒ギミック解除役と高速運搬としての役割が強まった。
      • 岩ピクミンは「コンクリートやタイルなどの硬い地面の上では押し潰しを無効にできず、砕けて死んでしまう」という弱体化が加わった*6
    • なお、本作ではピクミンの出会いとオニヨンとの出会いは別物という扱いとなった。オニヨンを回収するまでは該当する種類のピクミンをオニヨンで増やすことはできず、地下洞窟で野生のピクミンを回収したりポンガシグサで色を変えたりといった方法で増やすことになる。
    • 一度に地上に出せる数と種類にも変更が加えられ、引き出せる種類についてはゲーム開始時から最大3種類で固定。数については最初は最大20匹までしか引き出せない。
    • だが、ガーリップという植物をオニヨンに回収させることで少しずつ上限数が増えていき、最終的にはいつもと同じ最大100匹のピクミンを一度に引き出せるようになる。だが一度に出せる色は変わらず、9個目以降のガーリップを回収するとエキスまたはゲキカラスブレーを出す。
    • エリア開始時などに、そのエリア・洞窟を攻略するうえで扱いやすい色を自動で選択する機能「オススメピクミン」が追加された。
  • シザイとカイハツ
    • ステージに点在している「シザイ」(青白色の石のようなもの)を集めていけば、キャンプ内で「カイハツ」に利用したり、エリア内で「ケンチク」を行うための材料になる。
      • カイハツできるものは大まかに分けて戦闘などに用いる消費アイテムと、プレイヤーやオッチンの体力・耐性を強化したりピクミンに指示を出すために使う「ソウビ」の2種類。
      • カイハツしたものは「カバン」にしまい、プレイヤーが任意で使用する*7。また、シリーズおなじみの「バクダン岩」もカイハツするアイテムに含まれ、本作では主人公自身が所持して使うアイテムとなった。
    • 探索ではケンチクを利用することで主人公やピクミン、オッチンの利用する近道が増えて探索が楽になるだけでなく、後述する「夜の探索」でも有利に動きやすくなる。
    • シザイはステージで取り切っても翌日には復活するため、枯渇して詰むことはない。
  • 夜の探索
    • 従来作の「夜は原生生物が狂暴化するため主人公達は地上にいられない」という設定を活かした、シリーズ初の夜を舞台にした探索モード。ただし「探索」と銘打ってはいるが、日中のようにこちらから動き回り回収をする要素は少なめ。
    • 「ヒカリヅカ」と呼ばれる拠点を、ヒカリピクミンを使って「夜明けまで守り切る」か、「拠点を狙う原生生物を全て倒す」のどちらかを達成するとクリアという、タワーディフェンス型のミニゲーム。
      • ヒカリヅカを守り切ると、葉っぱ人を治療する薬となる「ヒカリのミツ」が手に入る。
    • 夜の原生生物は昼と比べて手強い上に、出てくる数もかなり多い。定期的に狂暴化し、拠点めがけて襲撃するため、ダンドリが悪ければ瞬く間にヒカリヅカが破壊されてしまう。
      • 夜は原生生物の死骸がその場で消滅するため回収はできない。ただし一部大型の原生生物は消滅の際にヒカリペレットを残す。
      • 「オトリヅカ」と呼ばれる小さなヒカリヅカも存在し、これに触れて起動すれば囮として時間稼ぎに利用したり、ペレットの回収拠点とすることが可能。
      • 高難易度ステージの中にはヒカリヅカが2つ存在するものも登場する。ヒカリのミツが二つ採取できる代わりに、片方でも壊されれば防衛失敗となってしまうため、高いダンドリ力を要する。
      • オッチンもしくは主人公にオートでヒカリヅカを守らせることも可能。ただしプレイヤーほど強くはないので、完全に任せっきりにすると原生生物の大群に対処しきれず防衛失敗してしまう。
  • ダンドリチャレンジ/ダンドリバトル
    • 主に葉っぱ人から課されるミニゲームで、勝利すると葉っぱ人を救助できる。どちらも地下洞窟の1フロアのようなステージを舞台に、指定されたピクミンとともにステージ内の生物やオタカラの回収を行う。優秀なスコアを出していけばブロンズ → シルバー → ゴールド → プラチナと評価がランクアップしていく。
    • ダンドリチャレンジは『3』のミッションモードに近い。対戦相手がおらず、エリア内のオタカラなどを回収し時間内に決められた以上のスコアを獲得すればクリア。
      • 攻略にはマップの構造やピクミンや生物、オタカラの場所を把握したうえで限られたリソースでのやりくりすることを要求される、パズル要素が強い。
    • ダンドリバトルは『2』の対戦モードに近い。CPUと回収物のスコアを競い、タイムアップ時に相手のスコアを上回れば勝利となる。
      • ピクミンの増殖、ランダムに出現する生物やオタカラの回収はもちろんのこと、相手の妨害をいなしたり、逆に妨害を仕掛ける必要もあるなど、アドリブ的対応力が求められる。
  • 生物図鑑・オタカラ図鑑
    • シリーズおなじみの人気要素。今作では遭難者(生物の専門家、オタカラの専門家)を救助することで機能が解放される。
    • どちらも最初は上記の専門家からのコメント1種類だけだが、『2』と同じく進行度によって解説者が追加される。マニアックな専門家、学術的・人間的な探検家、味や調理法を述べる美食家…と三者三様のコメントを全ての生物・オタカラで見ることができる。
    • 加えて生物図鑑では登録済み生物とバーチャル上で戦える「イメトレ」機能、オタカラ図鑑では一部のものに特殊な動かし方ができる「アクション」機能が追加された。
  • その他
    • アイテム使用や特定の動作へのショートカットコマンドが実装。割り当てられる数は少ないが、「Yボタン長押しでメニュー画面を開く → アイテムやコマンドを選択して使用」よりもはるかに早く入力できるようになる。
    • 前述したとおり「氷属性」が新たに登場。耐性がない場合凍りついて行動不能となってしまう。
    • 電気属性が「しびれて動けなくなり、そのまま放っておくとピクミンが死亡する」という『2』と『3』を折衷した仕様に変更。
    • 毒属性の見た目が濃い紫色からくすんだ緑色へと変更された。
    • ダンドリチャレンジ/バトルや夜の探索など、ストーリー進行に関わるミニゲームがクリアできない場合は、レスキュー隊のNPCに任せてクリアしてもらいスキップすることが可能である。
+ 以下ストーリー本編のクリア後要素につき折り畳み
  • オリマー遭難記
    • オリマーを救助するとストーリー内でプレイできるようになる番外編。「オリマーは遭難中どうしていたのか、またなぜ最終的に本編登場時の状態に陥ってしまったか」…いわば本作の前日譚をプレイヤーが追体験するというもの。
      • 内容としては本編に『4』を素材にした『1』のリメイクのようなアレンジが加わっており、「ピクミンは赤・青・黄の3種類のみ」「時間制限がありその期限内に宇宙船のパーツを回収する」という『1』を踏襲した仕様となっている。
    • ただし、30日の制限であった『1』と異なりこちらでは15日と半減しており、加えて本編と比べて1日辺りの時間経過も早いという高難易度モード。クリアするには高いダンドリ力が求められる。
  • 葉っぱ仙人の挑戦状
    • オリマー遭難記をクリアすると解放される、本作の最終コンテンツ。ダンドリを極めた「葉っぱ仙人」より課される全10問の課題をこなしていく。
    • 内容はダンドリチャレンジの強化版で、「オタカラを全て回収する」「時間内に原生生物をすべて倒す」「特定の場所へ到達する」などの特殊な課題をこなしていく。
    • クリア報酬で 白オニヨン 紫オニヨン を入手でき、白/紫ピクミンを増やせるようになる。

評価点

  • 引き継がれたシリーズの良さ
    • 『3』から10年の月日を経て発売された本作は、シリーズファンから長きの期待に応える形で本シリーズの良さをうまく引き継いでいる。
      • 開発陣自らが『1』→『2』、『2』→『3』の開発でも苦心したと語る「深く遊べる『ピクミン1』(=制限時間が定められ、プレイヤー側が必死に試行錯誤するRTA的楽しさを重点とするもの)」と「長く遊べる『ピクミン2』(=プレイヤー側で時間を調整し、自分のペースで探索する楽しさを重点とするもの)」の両要素を、本編や番外編・ミニゲームに分担させることで両立させている。
      • かわいいピクミンに指示を出して行動させるゲームプレイ、多種多様な原生生物のリアルで残酷な非情さ、どこか我々人間界の世界に似ている探索エリア、ゲームプレイを盛り上げるBGMなど、過去作を踏襲しながら新しいものを作り上げている。
  • オッチンの存在
    • その可愛らしい見た目と大活躍ぶりから瞬く間にプレイヤー達からの人気を得た。特に従来作品では立ち往生しがちだった段差や水辺でストレスを感じることは大幅に少なくなり、攻略の際には重宝する。
      • それでいて上述したように主人公との使い分けの必要性も存在し、ピクミンをも下位互換扱いしない絶妙な立ち位置を保っている。
    • また、こちらも上述したように主人公がオッチンに騎乗している間はピクミンもオッチンに密着するため、過去作のダマグモキャノン戦のような「プレイヤーキャラを正確に狙うため、プレイヤーが避けても後続のピクミンが壊滅する」事態が無くなり、従来のシリーズにあった理不尽さが軽減された。
  • 魅力的なキャラクター達
    • 主人公のキャラクリにおいては他の作品と比べると弄れる要素が控えめだが、発売時の時代に合わせて男女の制約はなく肌の色も変えられるため、自分自身をピクミン世界の分身として登場させることができる。
    • 過去作から一転してNPC(レスキュー隊員および一般人)が相当数登場する。その数50人(主人公除く)で、過去作が主人公含めても1~5人だったことを考えると10倍である。救助により拠点で様々な設備を利用できるだけでなく、個性豊かな彼らのやり取りを見ているだけでも楽しい。
    • レスキュー隊員は救助以降もプレイヤーに便利な設備を開いたり、通信でアドバイスも行ってくれるため、存在感が薄れることが無い。
      • 中にはゲーム上の都合とも言える部分もうまく突っ込んで自分なりに考察するなど、違和感なく世界観に入り込めるだけでなく、プレイヤーにも考察の余地を与えてくれる。
    • 遭難者は見た目も性格も惑星に来た理由も様々で、救助していくとキャンプが賑やかになる。
      • 新たなサイドミッションを受注できたり、有利な設備を開いてくれる者もいるため、自然と救助のモチベーションが湧いてくる。
      • また一日の終わりにはレスキューキャンプに帰還する主人公とオッチンを合流したレスキュー隊メンバーや救助、保護した遭難者達が出迎えてくれる。割と孤独な中での探索だった過去作にはない新鮮かつ心が安らぐ演出になっている。
    • 進行度によりNPCの手記が開放され、ゲーム攻略の豆知識が与えられるだけでなく、NPCの個性が出たフレーバーテキストになっている。
      • もちろん、これはオタカラの解説や原生生物図鑑でも同様である。
  • 本作のストーリー構成
    • 本作のストーリーは大きく分けて
      ①プロローグ(チュートリアル):オリマー&モスのストーリー。
      ②本編:主人公がオッチンやピクミンと協力し、オリマーをはじめとする遭難者を救助する。
      ③クリア後:オリマー救出後の残り遭難者全員救出(詳しくは後述)
      という『ピクミン2』と同様の二部構成となっている。
      この導入が円滑に行われ、分かりやすくなっている。
      + ストーリークリア後のネタバレ注意
      • クリア後のストーリーは本編中に“葉っぱ”に感染し母星へ帰還不可となったオッチンの治療と、残りの遭難者の救助を目的に行動するようになる。
      • またオッチンやモスら宇宙犬を中心にした物語が繰り広げられ、彼らと最終ボスが深い関係を持っているなど本作への理解を深める内容となっており、本編ならびにオリマー遭難記で宇宙犬に愛着をもったプレイヤーを感動させる構成となっている。
      • クリア後は「オリマー遭難記」でオリマーの遭難経緯を追体験できるようになり、葉っぱ人がこだわるダンドリの重要さをプレイヤーも痛感することになる。
  • また、メインミッションの攻略がゲームクリアのトリガーとなっている。そのためプレイヤー毎に遭難者をどれだけ救助したか、お宝をどれだけ集められたか、葉っぱ人をどれだけ治療できたかなどのゲーム進行度に合わせて細かくエンディング周りのムービーやテキスト内容も変化する。
  • いずれの場合も、ゲームクリアを挟んでのプレイでも違和感が出ないよう配慮されている。この辺りはストーリー上完全クリア後のプレイに矛盾が生じる『2』や、メインミッションをクリアすると収集要素が中途半端なままストーリーが完結してしまう『3』のそれぞれが抱えていたストーリー構成の問題を解消した形だといえる。
  • 経験者・初心者両方のプレイヤーへの配慮が行き届いている
    • これまでのシリーズでは初心者にとってはややシビアな面が存在していたが、本作では経験者にとっても初心者にとってもクリアしやすい絶妙な難易度になっている。また、『3』で追加された便利な機能もほぼ続投しており、前作よりも更にプレイしやすくなっている。
      • これまでのシリーズではピクミンが大量に死んでしまうと攻略やクリアが困難となる場面が少なくなかったが、時間の巻き戻し機能という強力な救済措置を取れるようになった。
      • 『2』同様に日数制限が無くなったため、ステージをくまなく探索しやすくなった。
      • オススメピクミンの機能により、ピクミンの特性をより理解して効率よく利用してあまり死なせずに行動させやすくなった。
      • ショートカット操作機能の追加により、メニュー画面を開かなくともピクミンの隊列を調整したり、アイテムの使用がスムーズにとれるようになった。
      • 上述したようにオッチンの存在が特に初心者のプレイヤーにとってはかなり強力な助っ人としても機能している。
      • 探索に赴く前にキャンプにて各種準備を済ませることができるようになり、いきなり探索エリアに放り出されることはなくなった。
      • 拠点をエリア内で移動できるようになったおかげで、短時間で運搬したり、ピクミンの死のリスクを避けやすくなった。
      • アイテムの「みまわしドローン」で、マップだけではわかりにくい原生生物や特殊地形の状況を時を止めて確認できる。
      • カバンにしまったりキャンプで作成ができるようになったアイテムが増え、あらゆる場面でアイテムが活用しやすくなった。
      • 生物図鑑のイメトレ機能により、苦手な生物との戦闘を思う存分練習できるようになった*8。熟練者にとってもわざわざエリアに出ずに特定との生物と再戦できるためかなり使い勝手が良い。
      • 地下洞窟の調査は撤退などの仕様変更により、『2』以上にスムーズに攻略しやすくなった。
      • ミニゲーム(夜の探索・ダンドリチャレンジ・ダンドリバトル)はどれも難しすぎるという程ではなく、ダンドリ力の基本ができていれば(成績はともかくとして)クリアは充分に可能な範疇に収まっている。それでもクリアできない初心者には「(NPCに依頼して)クリアしたことにする」という選択肢を用意することで「詰み」に陥ることを防いでいる。
      • 過去作の「ゲキニガスプレー」に相当する能力を持つ氷ピクミンにより、戦闘難易度も大きく救済されている。
    • 逆に熟練者には時間の巻き戻し機能やソウビ、オッチン自体をあまり利用せずにこれまでのシリーズのような形式で玄人プレイを行うことも可能。
    • 特にソウビは入手後もON/OFFが可能なため、特定のソウビがないと入れない洞窟などでも継続して縛りプレイを行うこともできる。
  • シザイの有用性が高い
    • これまでのシリーズでは見られなかった貨幣のような役割を果たしており、サイドミッションのクリア報酬だけでなく、ダンドリチャレンジ/バトルで負けても入手が可能。
      • 普通にプレイしていれば「失敗しても頑張った分だけコツコツとシザイが貯まる」ような仕様となっており、探索の進捗が鈍くとも積み重ねればアイテムやソウビのカイハツに余裕が生まれ、プレイヤーのモチベーションを保ちやすい。
    • 使用の用途がアイテムのカイハツだけでなく、エリア内のケンチクに流用できる点も評価できる。
      • ケンチクとカイハツの両方に使用する都合上、プレイヤーがどちらを優先するかによって探索の道のりが多様化した。
      • これまでのシリーズでは壊れて使えない固有オブジェが存在し、離れた場所にある部品をピクミンに運ばせて修理する仕様のため「部品⇔オブジェ」の両方の位置関係と運搬ルートを把握する必要があったが、今作では拠点からネンドを持ってくるため「ケンチク場所」を指示するだけでよい。
      • 運搬ルートが予想しやすくなったため、拠点の場所を移動することで時短を図ったり、道中の原生生物を掃討してからケンチクを開始するといったダンドリの楽しさが向上した。
      • ケンチクやカイハツが全て完了したとしても、貴重な消費アイテムをシザイで購入できるため腐ることも無い。
  • やりこみがいのあるボリューム
    • オタカラの収集だけでなく、地底洞窟の調査、ダンドリバトル/チャレンジ、遭難者の救助、サイドミッション、日中・夜の探索など新旧様々なゲームモードが用意されており、歴代屈指の遊び応えのある内容となっている。
      • 特に各エリアの小ダンジョンである地下洞窟に関してはダンジョン数・フロア数も相当数用意されており、『2』以来の復活でシリーズファンからも注目を集めた。
      • ダンドリバトル及びチャレンジはストーリーを進める上では単に勝利/クリアすればよいが、それぞれスコアが記録されるためスコアアタックとしても楽しめる。
    • 夜の探索はこれまでのシリーズではなかったタワーディフェンス系のプレイが楽しめ、マンネリ防止となっている。
      • 従来作に無かった「短時間に大量の原生生物が拠点に群がってくる」という構成が、ホラー調の緊迫したBGMも相まってプレイヤーの緊張感を煽る。
      • 先にヒカリピクミンを増やすか、それとも厄介な原生生物が密集する前に各個撃破するか、原生生物をどのような順番で倒していくか考えてプレイする必要があり、従来作の「ダンドリよく集める」とは異なる「ダンドリよく攻める」の楽しみが強い。
      • ストーリーのクリア後に登場するエリアの原生生物が非常に手ごわい。大型生物枠にはクマチャッピー、ヤキチャッピー、ダイオウデメマダラ、ハゲダマグモ、ドドロと強敵揃い。
      • これらの原生生物が波状攻撃のように攻めてくる上に、2つのヒカリヅカを守るステージに至ってはヒカリヅカ同士の距離が圧倒的に離れているなど、オッチンの強化やプレイヤーの高いダンドリ力を前提とした調整になっている。
      • これまで不明だった夜のエリアや原生生物の様子が描写されるようになったのも高評価。
    • 各種ミニゲームをストーリーに絡める導線も自然で、どんなルールかを丁寧に教えてくれるため、全貌を早く掴んでプレイしやすい。
  • 美麗なグラフィックと自由度の高いカメラ
    • 植物や土や水、人工物などを小人視点で見る独特のグラフィックも魅力である本作において、描画面の向上は非常に評価が高い。
    • 従来よりもカメラの視点変更の自由度が高くなり、ゲームプレイがしやすくなっただけでなく自由にキャンプや色とりどりなエリアの美麗な景観を眺めることができるようになっている。
    • カメラと主人公との距離に応じて足音などの物音が大きくなったり、俯瞰で見ることで原生生物の生態を眺めたりと演出面も非常に凝っている。
      • 特にストーリー本編終盤に訪れるエリアの「一番星のかくれ家」は、これまでのシリーズには無かった「一軒家のLDK」という完全に人工物で構成されたエリアで、異彩を放ちつつも「ピクミンの世界観」と調和したデザインがシリーズファンから注目も集めた。
    • オタカラの種類も多種多様で現実世界のものと遜色ない出来のグラフィックのため、回収したらキャンプで自由に眺めるのも一興。
      • 中には同シリーズを集めることで合体して一つの作品となるオタカラもあるため、全回収へのモチベーションが自然と湧いてくるだろう。
    • 新旧の原生生物もバリエーション豊かであり、綺麗になったグラフィックも相まってより生物感がリアルに感じられる。
  • 全てのピクミンが使用可能に
    • 前作の『3』では紫ピクミンと白ピクミンがストーリーモードでは使用できず、7種が一堂に会することがなかったため不満に思う声もあったのだが、今作ではストーリーを追っていく毎に全てのピクミンを活躍させられるようになる。
    • 各ピクミンの性能や特徴が多種多様でうまく差別化されており、それぞれの特性を考えて指示を出していく必要がある。一部分でしか活躍できず空気気味といったことや調整不足と感じられることはあまりない。
      • 特に従来のナンバリングシリーズでは炎に関わるギミックが少なく不遇だった赤ピクミンには、「種火」を用いて藁などを燃やす専用ギミックが追加されて固有の役割を持てるようになったのは大きな改善点。
      • 白ピクミンは『2』の頃より一部固有能力のオミットや攻撃力の低下といった弱体化が目立つが、最終ステージでは夥しい数の毒のギミックがあり活躍の場は用意されている。
      • 紫ピクミンも混乱耐性の削除やオッチンの存在などで『2』の頃と比べると弱体化しているが、それでも原生生物を圧倒する衝撃波と火力は健在である。
      • 赤/岩/紫ピクミンの3大火力職が攻撃頻度・歩く速さ・投擲の不向きなどで絶妙にバランス調整されており、どれも下位互換とならず魅力を保っている。
      • 羽ピクミンは投げて届く高さまでのお宝にしか反応しなくなったり、水上で突撃が出来なくなったりと弱体化が著しいが、『3』では黄ピクミンや青ピクミンの役割を奪っていた側面もあるため妥当なところ。原生生物相手であれば、ハゲダマグモのような高所にある弱点にも問題無く飛び付いてくれる。
    • もちろん、今作で初登場した氷ピクミンやヒカリピクミンも他のピクミンと負けず劣らず見た目も能力も個性的で随所で活躍してくれる。
    • オニヨンについても、『3』での合体などの機能はそのままに合体時の見た目が生物感のある植物系のものへと回帰し、取得したオニヨンの色に応じてマーブル状になっていく仕様から縦に色を分割して増えていく方式へと変更されたため、取得したピクミンのオニヨンの色と数が分かりやすくなり見た目も良くなった。
  • 新規組・復活組合わせてより個性豊かになった原生生物達
    • 味方側だけでなく、原生生物も見た目から設定まで印象的な面々が追加されている。
      • 新規の原生生物の中でも、特にダマグモインフェルノは発売前PVの時点でその見た目や挙動から強いインパクトを残し話題となった。
      • BGMとダマグモインフェルノの攻撃がシンクロし、暴走モードに移行するたびにBGMも3段階で切り替わるという任天堂お得意の「戦闘に合わせてBGMが転調する」演出が取り入れられている。
      • また、本作ではついに本物のコチャッピーというべきチャッピーの幼体が登場したが、既にパンモドキ科のコチャッピーがいるせいで本物なのにコチャッピーモドキと名付けられてしまうという細かすぎる設定が与えられている。
    • 新規の原生生物だけでなく、フタクチカブト*9、ボケナメコ、ドドロ、クイーンチャッピー、アメボウズ、ダマグモキャノン、コウテイデメマダラ*10など、『ピクミン1』や『2』に登場した原生生物達が多数復活し、ピクミンが全種類使えることも相まってお祭りゲーの様相を呈してい る。
      • また、巨大に成長した個体は、単に巨大なだけでなく、攻撃も大幅に強化されており、通常個体では行わない行動もとる。生物図鑑では巨大化した理由も説明されている。
      • 特に、アメボウズは初登場となる洞窟が新規プレイヤーにもトラウマを植え付けるかのように『2』で登場した洞窟と同じ構造になっているという気合の入れようである。
  • 散りばめられた小ネタの数々
    • 過去作や同メーカー作品のオマージュ・その他さまざまな小ネタが大量に含まれている。
      • 「宇宙船を動かすのにキラキラエネルギーが必要」という設定は番外作品『Hey! ピクミン』のものとほぼ同じ
      • 本作で初登場したNPCの名前は、全て犬種を捩っている。しかも出身星は任天堂の所在地である京都府各地の地名に由来。
      • 3種あるオルゴールのオタカラはピクミンが運搬した時にメロディーが流れるが、それぞれ流れているのは「『3』のタイトルBGM」「パックンフラワーの子守唄」「嵐の歌」である。
      • 「ゲーム内の状況に合わせてBGMを変化させる*11」シリーズ伝統の小ネタも当然完備。耳を澄ませてプレイすれば聞き覚えのある音楽が聞こえてくるかも…?
    • 他にも探せばたくさんの小ネタが見つかるが、「気づけばニヤリとできるが、気づかなくてもゲームプレイには何ら支障がない」という理想的な立ち位置をうまく保っている。

賛否両論点

  • オッチンの強さ
    • オッチン用の訓練やカイハツを極めると最終的にあらゆる弱点を解消し、脅威の強さを持つピクミンの完全上位互換となる。
      • それ故に一部のプレイヤーからは「今作は オッチン4 」と言われてしまっている。
    • ただし、オッチンは器用万能ではあるものの、「オッチンだけいればピクミン要らず」となる程の高性能ではない。また、あくまでどれだけ強くともオッチンは「1匹」なので、全ての作業をオッチンだけで行うのは効率が極めて悪く、効率よく進めるならピクミンを活用することになるため、ピクミンの存在意義を完全に奪っている事もない。
      • また「単純な戦闘要員」とは別に「第二の指令」として扱う際には「戦闘補助能力が劣るが行動範囲が広い主人公」「トッシンで戦闘補助を行えるが行動範囲が狭いオッチン」といった違いがある。
      • 細かい所でもオッチンは「"トツゲキ" や "フラッシュバースト" を使うことができない」「弱点が低い位置にあるため、トッシンでうまく貼り付けられない原生生物がいる」など、意外な短所があり、完全無欠ではない。
  • 全体的な難易度の低下
    • 本作では『3デラックス』のように難易度設定が存在せず、難易度を上げたければ自ら縛りを課してプレイするしかない。
    • 評価点で述べた初心者救済の裏返しといえるが、本編の難易度は過去作に比べてかなり低くなっている。このため「張り合いがない」と感じる人も少なくはない。
    • 上述したように時間の巻き戻しや地下洞窟からの途中撤退・途中再開などの仕様から、「緊張感が薄れている」という声もある。
    • エリア探索に必要なピクミンが地下洞窟で仲間になることから最序盤から探索エリアを変えずに調査率を100%にすることも可能であり、エリア選択を考える必要が無くなったために過去作に比べると単調になっている。
      • かなり早い段階で「"ひだまりの庭" と "追憶の原生林" *12を除くすべてのエリアで1日で調査率100%」が実証されている。時間の巻き戻しによる研究のしやすさや上位プレイヤーの腕前の上昇もあるが、ピクミンの連れ歩きに大きな制約があるにもかかわらずあっさり達成されているのも事実である。
    • また本作は「プレイヤー側に強力な手札になりうるものが多数存在し、フル活用する事で容易に無双が可能」という調整になっている。
    • ダンドリバトル/ダンドリチャレンジや夜の探索は難易度が高めであるが上述した通りクリアしたことにしてスキップできる。
    • ただし過去作は全体的に難しい傾向にあり、またかわいいピクミンがあっさり死ぬのが耐えられないという人もいるなど上述した通りライトユーザーにとっては敷居が高かったのも事実である*13
      • また「シリーズとしては難易度が低い」というだけで、攻略が難しいステージや手強い生物は本作でも健在であり、ゲームとしての難易度は決して低い訳ではない。
  • ピクミンの連れ歩き制限
    • 上述したように本作では地上に出せる数が20匹に制限され、ガーリップを回収することで上限を増やしていく方式がとられた。
      • 「初心者が序盤から大量にピクミンを連れ出し、ミスをして大量にピクミンを失う」ことが少なくなった他、連れ出せるピクミンの数が徐々に増え、一度にやれることが増えるたびにプレイヤー側の成長を感じられるのは評価できる点だと言える。
      • また、本作では拠点を切り替える都合上、「拠点を切り替える前にピクミンの芽を抜く」という手間をなくしやすくしているという面もある。
      • 一方で、「ピクミンといえば100匹」というイメージを強く持って本作を始めたプレイヤーは不自由と受け取る可能性がある。
    • また、色の種類の制限についてはストーリーを進めても3種類のまま増やすことはできない。地下洞窟でもヒカリピクミンを含めた全色のピクミンを引き連れることはできない*14ため、せっかく全色揃ったのにもったいないという声も。
      • 基本的に通常攻略する上で4色以上のピクミンを一度に要求される場面はほぼ無い*15ため、この制限のせいで攻略が滞るということはほとんど無い。
      • しかしあくまで気分の問題ではあるものの、ピクミンを連れ歩く自由度が下がっているのは事実であり、(上述のガーリップによる連れ歩き数上限含め)この制限を快く思わない人がいない訳ではない。
  • ヒカリピクミンの強さ
    • 大人数でのフラッシュバーストがシンプルに強力で、ボス級の生物相手でも一発撃てば相手に攻撃させないまま完封できる。また、即死以外の状態異常が効かない上、洞窟の奈落に落ちても死なない。
      • 夜の探索では敵生物の数などヒカリピクミンの能力を前提とした調整がされており、強さという点だけでは一概に問題点とも言い切れない。
      • しかしそんなヒカリピクミンが地下洞窟内でも使える点は、バランス崩壊のリスクと隣り合わせである。ラスボスの待ち構える地下洞窟の階層が他の洞窟と比べ物にならない程の長丁場であることもあり、ピクミンの消耗をヒカリピクミンで補充し続けた結果、隊列が全員ヒカリピクミンになってしまったというプレイヤーも。
      • 地下洞窟でのヒカリピクミンは初心者に対しての救済措置という面も少なからずあると思われる。よって一概にゲームバランスを崩壊させる要因とは言えず、プレイヤーのプレイスタイルによる部分もある。
  • 地下洞窟の仕様
    • 基本的に『2』を踏襲した構造になっているため、『2』をプレイ済みのプレイヤーには新鮮味が薄い。『2』と違って地形の変化が無くなっていることも拍車をかけている。
      • 最序盤で探索する「手分けファクトリー」では、最初にオッチンと主人公が離れたところに落ちてしまい、合流するためにキリカエを駆使して攻略することになる。
      • しかし、このような「主人公とオッチンが離れ離れになる」「攻略のためにキリカエを駆使する」パートのある地下洞窟はこれ以降存在しない。
    • 地下洞窟について妙にゲーム側から与えられる情報が多い。人によってはネタバレされたと感じる可能性もある。
      • 初めて突入する地下洞窟の特徴が断片的に示されるため、人によってはこの段階でこれから入る地下洞窟に何が出るのかがわかってしまう。
      • 地下洞窟の階層が変わる際に地下洞窟の調査率が表示されるため、2階層目突入の時点で全体の階層の計算ができてしまう。
      • ほとんどの地下洞窟はおすすめされた通りにピクミンの隊列を組んで探索するだけで調査率を100%にできてしまう。「おすすめピクミンだけでは取れないオタカラ」や「おすすめピクミンだけではたどり着けない別の降り口からしかいけない場所や階層」がある地下洞窟が存在しない。
    • 地下洞窟の生物の死骸を回収する旨味が薄い。
      • 回収するとキラキラエネルギーがわずかに得られるが、オタカラを集めていれば十分な量のキラキラエネルギーが溜まるため、死骸まで回収する必要性は薄い。
      • 特定の生物の死骸を回収することが求められるサイドミッションがあるが(後述)、それぐらいである。
    • 『2』と違い、ゆっくりながら時間が流れるようになったことにより低日数クリアを目指す際は地下洞窟でも迅速に攻略することが求められるようになり、気が休まらなくなっている。
    • 『2』では入るごとの地形の変化や入るたびに原生生物とギミックが復活したが、本作ではマップの構造がワンパターンで、探索度を100%にしても原生生物のみでギミックは復活しなくなった。
      • この仕様により飽きを感じやすい仕様になってしまっている。
    • もっとも、低日数プレイはやりこみプレイにあたるため、コアなプレイヤー以外は全く気にすることはないと思われる。
      • 地下洞窟でピクミンやシザイ、ゲキカラスプレーを集められるようになっているので、増やしすぎを防ぐための仕様変更と思われる。
      • また、地下でもレスキューキャンプにいるメンバーから通信が来るようになっているため、時間が全く流れないようにすると地下洞窟に入った次の瞬間に地下洞窟から出てくることになってしまい、通信が来ることが不自然になってしまうというのもある。
  • 2Pプレイの仕様が過去作と比べると微妙
    • 本作の協力プレイは1Pが通常通りに操作するのに対し、2Pは石つぶてやアイテムを使って1Pを援護する仕組みになっている。
    • 『3デラックス』で「それぞれキャラクターを操作しての2Pプレイ」ができていたことやオッチンの存在から、2Pプレイで個別に操作がしたかったという声も多い*16
      • ただし、本作では上述したピクミンの連れ歩きの制限が存在し、足の引っ張り合いが起こることも容易に考えられるため、仕方がなかった面もある。
    • なお、2P側の石つぶてによる援護射撃の性能そのものは非常にハイスペックとなっており、(アメボウズやラスボスなど一部の相手を除き)これ単体でほぼ全ての生物を一方的に倒せてしまう。
      • その上、みまわしドローンの時間経過機能をONにするとドローンから石つぶてを放つことさえ可能となる。
  • 一部未登場の原生生物
    • 歴代の原生生物が大量に登場している本作だが、当然ながら全てが登場しているわけではない。
      • 特に目立つのは「『3』で初登場したボス生物がデメジャコとハゲダマグモを除いて軒並みリストラされている」点だろう。
      • また『1』からはミズモチとダマグモが未登場。『2』ではクマチャッピーと双璧をなしていた凶悪生物のタマコキン、チャッピーのバリエーション違いのケチャッピーとユキチャッピー、コアな人気を誇るハチャッピーとコッパチャッピーなどが未登場。
  • あるクリア後要素では『1』に登場したダマグモの代役としてハゲダマグモが登場するが、原種のダマグモ及びハゲダマグモの元であるケダマグモが登場しないにもかかわらずハゲダマグモだけが登場するという、妙な選定状況になっている。
    • これらの生物は「ダマグモ科」という名目の分類で分けられてるため、シリーズ経験者にとっては余計目につきやすいだろう。
  • しかし、こういったキャラクターの削除・リストラはシリーズものではつきものなので仕方ない部分はある。
  • あるクリア後要素のストーリー展開に少々違和感のある描写が目立つ。
    + 以下ネタバレ注意
    • オリマー遭難記ではそのシステム上赤/青/黄以外のピクミンや地下洞窟が存在しない。そのため「オリマーの日誌に書かれていたが、オリマー遭難記に出てこない」要素も多い。
      • 本編と似たり寄ったりの仕様になるのを避けるためにオミットした可能性も考えられるが、「本編の前日譚」であるかのように語られるため、結果としてオリマー遭難記とオリマーの日誌がストーリー上で多くの食い違いが発生してしまっている。
    • 最後のエリアではプロローグと同様の展開になり、ハリアラシを倒した直後にピクミンの様子がおかしくなった原因が判明するのだが、その原因となっていたとある原生生物が何の前触れもなしに出没する。
      • 「その原生生物がどこに隠れていたのか」「その原生生物はどうしてハリアラシを倒すまで姿を現さないか」などは明らかにならない。
    • パーツをすべて集めきったか否かに関わらず、何かしらの理由でオリマーは惑星からの脱出に失敗してしまう。オリマーが脱出できてしまったら本編に繋がらなくなってしまうため、この展開自体は妥当なのだが、ダンドリよく探索が進み、パーツを集めきった時点でかなり余裕があったとしてもギリギリの日数で集められた場合と同じ理由*17で脱出に失敗してしまうのは少々納得し辛いだろう。
      • また、オリマーの宇宙船ドルフィン号は、最初にレスキューキャンプで発見する時には墜落して無残な状態になっており、オリマーを救助した直後でもその状態であるのだが、オリマー遭難記でパーツを全回収してエンディングを迎えた場合、いきなり修復された状態に戻る。オリマーからも特に説明はされないため、正直唐突さは否めない。
    • 細かいところだが、「ボケナメコが登場しない」「" ノヴァブラスター" や "へそくり金庫" を含め、全てのパーツを回収しないとバッドエンドになる」など、『1』をやったプレイヤーからすれば若干首を傾げうるところも。
      • もっとも、これらはゲームプレイには影響は無く「気になる人は気になる」程度のものである。

問題点

システム関連

  • 本作固有のシステムが時折プレイヤーの足を引っ張ることがある
    • 本作ではピクミンを投げる際に、近くの原生生物やお宝に自動でロックオンがかかるようになった。
      • これによってターゲットが絞られピクミンが無作為に散らばってしまうのを防いだり、コチャッピーなどの垂直方向からの攻撃に弱い原生生物・ペレット草(1)を一撃で仕留めることも容易となった。
      • しかし一方で、お宝を運びたいのに近くにある原生生物の死骸にロックオンが吸われてしまいお宝をスムーズに運ばせる事が出来なかったり、さらに原生生物が狭い範囲に群がっているとターゲットがあちらこちらに移り変わり好きな所にピクミンを投げることすら厳しくなる場合もある。
      • また、原生生物や運搬物など、ロックオンできるオブジェクトに対してカーソルの感度が高すぎるのか、カーソルがやや離れた場所にあったとしてもロックオンがかかってしまいやすい。
    • 運搬物にピクミンを投げたり、笛でけしかける時「運搬物の重さに見合ったピクミンの数」で一度ストップするようになった。
      • これによって、「ピクミンをどれだけ投げたか」がわかりやすくなり、「投げたピクミンが足りず運搬できていないのに気づかずに放置してしまう」「運搬に過剰なピクミンを使ってしまい、別の場所でピクミンが不足する」といったトラブルが起こりにくくなった。
      • その一方で、敢えて必要な数より多くのピクミンを運搬させたい場合でも運ばせるピクミンの追加を一時的に止められてしまう。
      • また、このストップは埋まっている運搬物を掘り起こす際にも適用されてしまうため、隊列のピクミン全員で一気に掘り起こそうとする場合は2回トツゲキ等させる必要が出てくる。
      • 他にも、運搬物の端が地形にめりこんでいるなどでピクミンが配置につけない場合、運搬に参加できずにあぶれたピクミンが諦めて戻ってきてしまうこともあるため、満足のいく数で運搬させたい場合はさらにもう一度指示を出す羽目になる。
    • 笛の場合は細かい調整がしづらくなり、投げる場合は投げにかなり長い硬直が発生するため、ピクミン数匹レベルでの調整を前提としたプレイをするとこの点は特に目立つ。
    • ただし初心者が狙いを定めやすくなり、ピクミンの人数の管理がしやすくなる等悪い点ばかりではない。初心者以外でも便利に感じる部分も多く、完全に足を引っ張ってばかりというわけではない。
    • これらは標準仕様となっており、なおかつOFFにすることが出来ない。これは「オプション機能でON/OFFを設定できるようにする」若しくは「シザイカイハツによるソウビのアップデート及び付け外しが可能という形で実装する」という仕様の方がプレイしやすかっただろう。
  • 大地のエキスやゲキカラスプレーの仕様は『3』からほぼ変更されておらず、ゲームバランス面で大きな影響を及ぼしている部分がある。
    • オッチンがダメージを受けていた場合、大地のエキスを飲んで体力を回復する仕様が追加されている。しかし、わずかなダメージでも大地のエキスを飲んでしまうため、不要な足止めになってしまう場合もあるほか、ピクミンに飲ませようとしたのにオッチンに取られてしまうということも。
    • 『3』から引き続き大地のエキスもオートロックオンの対象になっている。エキスと生物や運搬物が混在する場面は少ないものの全く無いわけではなく、水を差されない可能性が無いわけでもない。
    • 上記仕様と合わさって、場面によっては、「オッチンが攻撃される → オッチンがエキスを飲む → オッチンが攻撃される →…」というループに陥ることも。
    • ゲキカラスプレーは『3』同様「ピクミンを花ピクミンに成長させる」効果がついている。
      • 後述するように本作ではピクミンの花が散りやすくなったことによって、花が散ったピクミンのリカバリや花が散る事への耐性付けが出来るゲキカラスプレーが間接的に強化されてしまっている。
    • ゲキカラ状態のピクミンは元の色に関係なく攻撃力が同じになる為、「岩ピクミンに使うと弱体化してしまう」「赤/紫ピクミンへの恩恵が薄く、逆に白/羽ピクミンに使うと非常に強力」であるのは相変わらず。
      • 本作では氷ピクミンとの相性も非常によく、攻撃力の低さを補える上に時間対攻撃回数が増えるため、原生生物を凍らせる速度及び振り払われる前に凍らせられる確率、生物が凍っている間に倒せる確率も大きく上昇する。
      • ボス生物だけに使う場合でも「氷ピクミン数十匹を含む多くのピクミンににゲキカラスプレーを使って総攻撃 → ボス生物を凍らせた状態で倒す → ボス生物がゲキカラスプレーを落とす」ことでボス生物を安定してハメ殺ししつつゲキカラスプレーのドロップを狙えてしまう。
    • 上述した通り氷ピクミンを利用することでゲキカラスプレーのドロップを狙えるなど、ゲキカラスプレーがかなり集まりやすくなっている。
    • これにより、ゲキカラスプレーを惜しみなく使っても滅多に尽きることがない。加えて地下の原生生物の死骸を運ぶメリットが薄いこともあり、「氷ピクミンを数十匹と岩ピクミンを除く大量のピクミンにゲキカラスプレーをかけ、オッチンのトッシンを利用してボスに大量のピクミンを貼り付けるのが最適解」というボスが多くなってしまっている。
  • サイドミッションの仕様
    • 報酬が「シザイが少々」というサイドミッションが殆ど。あって困るものではないし、遭難者の事情を考えればやむないところもあるのだが今一つ個性や魅力に欠ける。
    • 花屋のキニーズと植物学者のフレーヌのサイドミッションは本作のシステムとかみ合いが悪い面がある。またどちらとも常に目標が300匹ずつであり、序盤からハードルが高すぎる面もある。
      • キニーズは「ピクミンの頭を300匹花にしてほしい」というもの。ピクミンは最大100匹までしか連れ歩けない上にオニヨンから引き出す際に花ピクミンから優先して出てくる仕様があるため、序盤はともかく中盤以降は意外と大量のピクミンの花を咲かせる機会は少なかったりする*18
      • フレーヌは「ピクミンを300匹増やしてほしい」というもの。上述した地上の原生生物が復活しない仕様と相まってピクミンを増やすのに日数がかかってしまいやすい。
  • ソウビやオッチンのスキルに有用性や使い勝手の面で大きな差が見られる。
    • 具体的には「単純に性能が低すぎる」「上位互換ソウビ・スキルが有るため、下位互換を使いたい理由が限られる」「解禁時期が遅すぎて手に入ったころには使い道がない」ものが散見される。
    • オッチンのスキルの場合、「カイフク」と「オネガイLv3」が挙げられる。
      • カイフクはオッチンの体力が自然回復するようになるスキルだが、そもそも静止状態でないと回復しない上、序盤から回復アイテムである「やみつきボーン」が大量に手に入るため、有難みが薄い。習得に要求されるやる気のコストも重く、他のスキルより優先して習得したいものでは無い。
      • 「オネガイLv3」はオッチンにはぐれたピクミンを集めてもらうことが出来るが、大抵の場面ではエリアのほぼ全域のピクミンを集められる「ヒマジン笛」や「ホームシック笛」で間に合ってしまうため、使いどころがかなり限られる。
    • 上述した「ホームシック笛」も大抵は「ヒマジン笛」で間に合うケースが多く*19、日没までのカウントダウンが起こる前に地下洞窟に潜ってもはぐれピクミンを回収することが可能なので、こちらも使い道に乏しかったりする。
    • シザイカイハツのソウビの「サミダレパンチ」はパンチそのものの威力が低すぎるため、回数が増えても大した強化にはなっていない。
      • ピクミンが死ぬのを嫌って主人公だけで原生生物を倒すにしてもバクダンという強力な手段があるし、シザイの消費が気になるならオッチンで十分となる。
      • その上『2』の頃からあった連続パンチが優先されて投げるなどの他のAボタンを用いた操作を出しにくくなるデメリットがそのまま引き継がれておりむしろ無い方がいい。
    • また、上述したように入手できるタイミングや解禁条件の都合上死に要素になりやすい物がいくつか見受けられる。
      + ネタバレ注意
    • 最後にオッチンが習得できるスキル「無限トッシン」の習得条件が「他のオッチンのスキルを全て習得」「遭難者全員の救助と夜の探索のコンプリート*20」の2つ。
    • これを解禁できるころにはほぼ完全クリアに近いところまで探索しきっていることも多く、特に原生生物が復活しない仕様も相まって使い道があまりない。ダンドリバトルやチャレンジの記録更新には有用なスキルではあるのだが、本編攻略で役立たせることは難しい。
    • 『3』で廃止されたセイレツ笛がまた使えるようになっている…のはいいのだが、セイレツ笛が報酬になっているサイドミッションで回収することになるオタカラのうちの1つがラストダンジョンである「王の穴」にあるため、入手したころにはあまり使い道がなかった…となることも。
      • また、セイレツ笛は『1』や『2』のものと比べてかなり動きが速く、上述したピクミン運搬数のストッパーに引っかかってしまうなど、過去作からプレイしていると違和感を感じたり、劣化しているように思われる部分もある。また操作には2ボタンを用いる上、どちらのボタンもカメラアングル操作に関わっており同じような操作感覚での指揮は難しい。
      • 幸いこちらはオリマー遭難記ではかなり早期に解禁できるため、そちらでの使い道は充分にある。トツゲキ笛も解禁が早く、そちらのほうが馴染んでいるかもしれないが、差別化は充分にされている。
      • その一方で、「本編でもかなり早い段階でシザイカイハツで作れるようにする」「オリマー遭難記で全てのパーツを集めればオリマーが譲ってくれる」といった形で解禁しても良かったと思われる。
    • このため、アップデートで「ソウビやオッチンのスキルを引き継いだ状態での強くてニューゲーム」の実装を望むユーザーも。
  • 巻き戻し機能に関して
    • ピクミンの大量死などに対して強力な効果を発揮する巻き戻し機能だが、少々融通が利きづらい部分がある。
      • 巻き戻しを行うと、フィールド上に出ている全てのピクミンが隊列に加わり、拠点に戻った状態で再開されるため、運搬や工作作業などを各所で展開しているところで巻き戻しを使用すると、作業が全て巻き戻した瞬間の状態でストップする。
      • 対策として巻き戻し先を開始直後に指定し、一から全ての作業をやり直せば同じ状況に戻せるが、もどかしさは否めない。
      • 巻き戻す時間の長さや再開位置はゲーム側が指定した巻き戻し先から選ぶのみであり、任意の時間・場所から再開出来るわけではない。
      • 巻き戻し先自体はお宝の回収や作業が完了したタイミングなどに設定される事が多いため、ピクミンの増殖など記録されにくい作業内容では巻き戻し先が全然増えないケースもある。
      • 巻き戻し先の名前は多くが「〇分前」と表示されるが、これはゲーム内の時間ではなく最後に記録された実際の時間からのカウントになる。
      • つまり、何度も同じ巻き戻し先を使ったり、進んでは巻き戻し…を繰り返したりといった遊び方だと、どんどん巻き戻し先の名前が変わっていくためややこしくなる。
    • また、巻き戻し機能の実装に合わせてか、過去作では1日1回程度だったセーブが今作では1日最低3回*21挟まる。
    • セーブに伴うロード時間の増加に加え、セーブをまたいでの巻き戻しが不可能な仕様から、低日数クリアなどの日数単位でのやり直しを伴う遊び方はシリーズ過去作に比べてやりづらくなっている。
      • 一度エリアセレクトをするとセーブされる仕様のため、そのエリアで日没を迎える以外の方法でレスキューキャンプに戻る方法は無い。エリア間違え、カイハツのし忘れなどのうっかりミスなどでも日数はどんどん加算されていくことになる。
        + 特に…(ネタバレ注意) クリア後要素のうち「葉っぱ仙人の挑戦状」は「挑戦する」を選んだ時点で1日の経過が確定する。
        しかも、日数が経過することに関しての説明は初回挑戦を終えて出て来た時に初めて行われる。
        その上、1回の挑戦でプレイしたのが1ステージだろうが10ステージだろうが関係なく1日経過で固定である。
  • 「制限がある訳でもないのに日数程度で何を…」と思われるかもしれないが、過去のピクミンシリーズにおいてクリア日数は少ないほど良い成績であることを示すステータスの1つとして扱われており*22、クリア日数を競う文化なども定着している。
  • 特にゲーム内でも1日1日が貴重なものとして扱われていた『1』を知るプレイヤーにとって、日数という数字を軽々しく強制消費させれるのは心理的に何とも言えない部分がある。
  • ただし、本作ではダンドリチャレンジのハイスコアやサイドミッションのカウントなど、日数単位の巻き戻しがあった場合に連動させる必要が出る記録が多く存在する。
  • そのため、日数巻き戻し機能のオミットや頻繁なセーブ・日数経過によるデータ記録回数の増加はやむを得ないというのも事実である。

ピクミン関連

  • ピクミンを大量に増やすのに手間がかかりやすい
    • オニヨンが解放されるのが全体的にストーリー中盤以降に集中しており、序盤では使用したいのに温存させなくてはならなかったり、探索でオススメされるピクミンがあるのに連れて行ける数が少なすぎるという状況に陥ることがある。
    • さらに、上述した通り本作では地上の生物が復活しないため、いざオニヨンを回収したとしても増殖に使えるのは1日に回収できる数(=増殖できる数)が限られたペレットだけという事態も起こりがち。その上氷ピクミンやアイスバクダンの凍結で砕いてしまうとさらに運べる数が減ってしまう。
      • 『1』では倒しても真珠を吐き出すだけで翌日には再生していたヤマシンジュも、本作では倒すと死んでしまうため他の生物と同様回収できるのは1回切りになってしまった上、オニヨンに運んだ際のピクミン増加数も『1』の50匹から15匹と大幅に減少してしまった。
      • 特徴の項で述べた通り、オニヨンの代わりに地下洞窟で増やすことができるが、オニヨンの無いピクミンを増やそうとする場合、必要な数を確保できるまで特定の洞窟を何度も出入りする必要があるのは不便ではある。
    • 夜の探索や地下洞窟でヒカリピクミンを増やせるヒカリのタネは「夜の探索終了時に残っていたヒカリピクミン5匹につき1個のヒカリのタネとなる(端数は切り上げ)」という仕様になっている。
      • そのため、どんなに上手いプレイをしても一度の夜の探索で増やせるヒカリのタネは最大20個までとなる。もっとも上述したようにその欠点をカバーできる程にヒカリピクミンは強いが。
  • ピクミンの花が散りやすい
    • ピクミンの頭に咲いた花は戦闘中などに散ることがあるが、本作では本当にちょっとしたことで散ってしまう。過去作のプレイヤー、その中でも花が散ること自体なかった『3』をやりこんだ人は特に気になりやすいだろう。
    • 戦闘中はもちろん、前作までは何ともなかった苦手な属性の攻撃を受けた時や溺れた時、ピクミン本体はノーリアクションである吸い込み攻撃を受けた時などなど、少し戦闘をすればまず蕾や葉に戻っているといって過言でないほど。
      • 中には耐性があるピクミンであっても花を散らす攻撃も存在する。
    • ただし『1』ではパーツ回収時に高所から落ちて散らばるという、戦闘に関連しない状況で花が散ることがあった。本作でも植木鉢の土をどかしたり木に実った果実を落としたりする際にも同じような散らばり方をするものの、その際には花が散らないように改善されている。
      • そもそも苦手属性による攻撃は笛で呼ぶだけで助かるので、属性を無視した紫/氷ピクミンでのパワープレイにデメリットを付けたいというゲーム的な都合も頷ける面はある。

エリアの仕様

  • 本作の地上の原生生物の仕様
    • これまでのシリーズと違い、地上では倒した原生生物が日数経過によって復活しなくなっている。また、原生生物の死骸を運ばずに放置しても死骸が消えるということが無くなっている。
      • この仕様により再度そのエリアで原生生物と戦うことができない。単純に楽しみが1つ減ってしまった他、後述するストーリーのクリア後要素の問題点につながってしまっている。
      • また、探索エリアの景観が原生生物のいない殺風景なものになってしまう。単純に寂しいことになる上に人によっては「生態系を破壊してしまった」と思ってしまうだろう。
    • また、本作の原生生物の仕様について、世界観としての生態系の描写に矛盾点や不自然な点が出てしまっており、それに対して納得のいく説明が存在しない*23
      • 「地上の原生生物を倒した後、一切姿を見せなくなる」のは、「地下や探索エリア外から原生生物がやってきて棲みつく」可能性を「ゲームの都合」によって排除してしまっている。
      • 「地上の原生生物の死骸を運ばなくても消えることがない」のは、「ネバリカビなどの菌類の存在」や「原生生物図鑑にあるおったまダケの解説*24」などと矛盾が発生している。
      • 夜の探索では日中に残っている死骸は反映されないため、「日中に残っていた死骸が夜になると消え、次の日の日中になるとまた元の場所に戻っている」という怪奇現象のような状態となってしまっている*25
    • この仕様変更により「放置してしまっていたオタカラや原生生物の死骸を回収しそびれることは無くなり、遭難者の救助もしやすくなる」「そのエリアをどれだけ探索できていたかが分かりやすくなっている」など、特に初心者には優しい部分もある。
      • しかし、これについては「調査率が100%になったら日数経過で生物が復活するようにしてもよかったのでは?」という声が多い。
      • 実際、地下洞窟に関しては「調査率が100%になると原生生物が復活する」仕様になっているため、余計にそう感じやすい。
  • 拠点を移動させる機能が存在しない
    • 本作では1つのエリアに拠点にできる場所が複数あり、適宜切り替える仕様になっているが、複数使用できるようになってもマップなどを使用して遠隔で拠点を移動させることができない。
      • そのため、現在使用している拠点から別の拠点に変更する際には、毎度の如く直接移動させたい拠点までキャラクターを操作して歩かせるしかない。
      • オート操作でキャラクターを移動できるようにはなっているものの*26、いわゆるファストトラベルではなく自動で歩いてくれるだけであり時間がかかるため少々不便。
      • 本作では「オペレーターのコリーが『ビーグル号の遠隔操作』を行っている」ということから、「彼に移動の手配をしてもらう」という形で遠隔で拠点を移動させる機能を導入しても、設定的にも破綻はなかっただろう。
    • レスキューキャンプから探索エリアを選択する場合でもどの拠点に着陸するかを選ぶことはできず、必ず前回そのエリアで最後に使用していた拠点に着陸することになる。
    • せっかく複数の拠点があるにもかかわらず、「未探索エリア近くの拠点からスタートする」「前日に発見した洞窟の近くに着陸する」といった効率的なプレイはできない。
      • それどころか「これからどの拠点に着陸するか」の表示すら存在しない。前作『3』で着陸前からエリアマップを確認できた事を思えば、せめて拠点の位置ぐらいは確認できても良かったのではないだろうか。
      • 一方、夜の探索ではいわゆるステージセレクトに近い形だが探索する拠点を選ぶことができる。また、拠点を選択肢として選びやすくするためか、夜の探索に使われないものも含め全ての拠点に地形などから取った名前*27が与えられている。
      • しかし、肝心な昼の探索では拠点が選択肢になるどころか拠点名自体ビーグル号が着陸している箇所のみゲーム画面・マップで表示されるだけであり、せっかくつけられたネーミングが全く活かされていない。
  • 一部エリアの難易度の高さ
    • 賛否両論点の項で述べたとおり、本作はシリーズの中では難易度は低めと評されているが、その中でも他と比べて難易度が極端に高い、あるいは解禁時期に対して難易度が見合っていないステージがいくつか存在する。
      + 一部ネタバレ注意
      • 「とこなぎの浜辺」(夜の探索)
        • 6エリア中の3番目で、3つあるステージは難易度表記では星5個中それぞれ星1・星2・星3が与えられている中盤に差し掛かったステージではあるものの、以降のステージよりも遥かに過酷になっている。
          • 最大の要因は他のステージのウジンコやコチャッピーなどの雑魚ポジションの生物として登場するのが「ダンゴナマズ」であること。
          • このダンゴナマズは同ポジションの生物と比べて捕食速度が非常に速い。加えて背中にピクミンを投げつけてもダメージを与えられない上に体力もやや多く、同じポジションの他の生物と比べて頭一つ二つ抜きんでた強さになってしまっている。
          • 一度に多数出現するためフラッシュバーストも有効打となりにくい*28
          • また、この時点ではそこまでオッチンが強くはない*29上に、同時に登場する生物が育成次第ではオッチン単体で対処がしにくいトビンコやフーセンドックリ、攻撃範囲が広いペロチャッピーやツブラメケメクジ等曲者揃い。
        • 特に「天守閣」では初めから50匹のヒカリピクミンが使えるものの、30匹前後のダンゴナマズが出現する。ダンゴナマズを抜きにしてもステージが入り組んでいて道が狭く、原生生物の密度が高くなりやすい。
        • 加えて、そこそこの数のペロチャッピーやツブラメケメクジが出現することもあり、その難易度はかなりのもの。ヒカリピクミンも含めた無犠牲クリア*30を目指すのであれば間違いなくトップクラスの難易度になるだろう。
      • 地下洞窟「王の穴」
        • メインストーリーのラスボスが潜む地下洞窟だが、それまでの地下洞窟で最も深いものが地下6階であるにもかかわらず、地下20階とまさに桁違いの深さを誇る。
        • さらにステージの構成もここまでに登場したボス級の原生生物が大量に配置されている、いわばボスラッシュともいえる内容であり、個々の階の難易度も非常に高く消耗が激しい。
        • 地下洞窟の途中脱出及び途中からの再開が容易になった本作の仕様を踏まえた上での構成とは思われるが、それを考慮しても他の地下洞窟に比べて1つだけ難易度が突出してしまっていると言える。
          • なお参考までに、同じく地下洞窟のあった『2』では、ラスボスのいる地下洞窟は地下14階、本作の「王の穴」に近いボスラッシュの構成の地下洞窟は地下15階*31であった。
          • ただし、前述したとおり『2』と本作では途中脱出等の仕様が異なるため単純に階数だけでは難易度の比較はできない点は考慮する必要がある。
      • 葉っぱ仙人の挑戦状「漆ダン 一網打尽の庭」
        • 葉っぱ仙人の挑戦状の7問目。内容は「紫ピクミン5匹(とオッチン)を連れた状態で、フロアに配置されているベビーチャッピー90匹とノミンコ9匹を制限時間の1分以内に全て倒す」というもの。
        • 紫ピクミンを投げた際の衝撃波等を駆使して倒していくことになるが、敵の動きのランダム性が非常に大きく、クリアやタイム短縮にはダンドリ力以上に運が求められる。
        • また紫ピクミンをばらけて投げたくとも、自動ロックオンがそれを許してくれない。おそらく多くの人がここで自動ロックオンが邪魔に感じたと思われる。
        • この点からダンドリを考えれば着実に記録更新ができる他の問題と比べて「ダンドリ力じゃどうしようもできない」「ただの運ゲー」と批判されることが多い。

ミニゲーム関連

  • ダンドリバトル
    • ハテナカプセルを入手することでアイテムを使えるのだが、そのアイテムを使うためのコマンドがオッチンやモスに乗るコマンドと同じYボタンになっている。
      • そのため、乗り降りしたいのにアイテムが暴発して無駄になる、逆にこちらが被害を被るといった事態が起こりやすい。
    • ストーリーモードでも画面が2つに分割されるため、通常のプレイと比べて操作が難しい部分がある。
      • みまわしドローンを使用せずとも相手の状況がリアルタイムで分かるというメリットはあるが、左右に分割されるため横方向の視界がかなり狭くなってしまう。
      • これが原因で無駄に難易度を上げてしまいクリアが難しくなるプレイヤーもいるため、ストーリーモード上でのダンドリバトルではオプションでの切り替え機能が欲しかったところ。
    • オンライン対戦でダンドリバトルを行う事はできない。
      • 全てのプレイヤーがローカルで対戦できる環境にあるとは限らないため、可能であれば実装してほしかった所。
      • オンライン対戦を実装する際にはマッチングやラグ等考慮することが多くなるなどの懸念点により、実装を見送った可能性も考えられる。
  • 夜の探索について
    • 過去作にはなかった要素であり、アプローチとしては確かに面白いものなのだが、難点が無いわけでもない。
    • 上述した通り夜の探索を行う場合、昼の探索を行うことはできない。その割に昼の探索と比べて得られるものが明らかに少ない。
      • 夜の探索で得られるものは「上述した通りわずかにヒカリのタネが手に入る」「治療した葉っぱ人によって発生するサイドミッションがある」「オッチンのやる気が最大2上がる」位*32
    • もちろん、全てクリアすることが求められるサイドミッションが複数あるので、コンプリートするならプレイする必要がある。上述した通り得られるものが少ないこともあって、作業感は否めない。
    • また、夜の探索は「一度の探索で必ず1日を消費する」仕様のため、「腕前次第で低日数でクリアできる」というシリーズの魅力の一つが薄れてしまっている。

一部のストーリー展開について

  • クリア後のストーリー展開
    + ネタバレ注意
  • 『ピクミン2』から登場した伝説の悪名高きトラブルメーカー「ルーイ」の再来
    • 本作にもピクミンシリーズ内ではプレイヤーから伝説として語り継がれているルーイが登場する。本作では本編のエピローグで姿を現し、その後にラスボスの相棒のような存在となる*33
    • しかも意図的にこちらを襲ってきたかがぼかされていた『2』と異なり、本作では明確に敵意を向け、ダンドリバトルをしたり原生生物をけしかけてくる。
    • それでいて本作に於いても彼に直接制裁が下るわけでもないので、バトルの勝利やラスボスを撃破したことによるカタルシスを得にくい*34
    • なお、ラスボスを撃破した後は他の救助者と同じくレスキューキャンプに居着き、彼に話しかけることができる。その際に原生生物を持ってくるサイドミッションを頼まれるのだが、その時の態度もやたら無礼なところが目に付く。上記の暴走も相まって、人によっては受けたくないという思いが先行する。
    • これらのサイドミッションをクリアすると、プレイヤーがピクミン1匹分の運搬力を発揮できる「おてつだいアーム」が貰えるが、余りにも使い道が乏しく、主要性を実感し辛いものである。
  • モスの不可解な行動
    • 扱い自体はぞんざいだったり空気気味と言ったような悪い方では無く、どちらかといえばモスの行動理由にやや不明瞭な部分が多い。
      + 中盤以降のストーリーのネタバレ注意
    • 一番星のかくれ家ではモスが何故か主人公ら一行の行く手を阻む邪魔者として登場する。
      • これ自体はストーリーとゲームプレイを盛り上げる要素になっているのだが、主人公ら一行の行く手を阻むだけでなく、こちらに攻撃して主人公のピクミンを自分の配下に置いてしまい、一時的に行動不能にできなければそこから走り去り、逃げる際に引き連れていったピクミンを振り落していくという不可解な行動をとる。
        • 主人公が葉っぱ人と化したオリマーを見つけると彼についていき、ステージ上での邪魔者としての役割は無くなるが、何故そんなことをしたのかは詳しくは説明されない。
        • モスと顔合わせした時は事実上敵対関係にあり、オリマーの航海日誌の中に彼が潜伏している場所を「シェルター」と表現しているものがある。
        • このことから、攻撃してくるのは「主人であるオリマーに危険が伴わないように番犬として周囲を見回っていたから」と、またピクミンを連れ去ろうとするのは「オリマーが連れていたピクミンをプレイヤーが奪ったと考え、取り返そうとしたから」と推測はできるが、プレイヤーからすれば「愛着の湧いているであろうピクミンをコロッと寝返らせて最終的にはステージに振り落して使い捨てかのように置き去りにする」という風に見える。
        • そのため、説明不足なのが相まってゲーム上の都合を強く感じてしまい、ストレス要素になるだけでなく良い印象を抱きにくい。
      • オリマーを救助した後は何故かその場から逃げてしまい、本編のエンディングで上述したルーイを見つけて彼に付き従い、以降しばらくは彼の愛犬としての役割を全うする。
        • 結局逃げてルーイに力を貸すようになった理由は不明。協力するようになった理由に関しては推測するに「ルーイから懐いていたオリマ―の匂いがして、信頼できる知り合いだと感じたから」と言う理由かもしれないが結局は分からず仕舞いである。
        • 最終的にはルーイの元を離れ、救助されたオリマーの元に戻ることになるが、その際に上記の行動への謝罪の素振りやオリマーからの釈明なども無いため、これまた良い印象を抱きにくい。

その他

  • バグなのか仕様なのかは不明だが、運搬中のピクミンやオッチンが時折不可解な挙動をとることがある。
    • 複数の運搬物を運搬していて、遅い方より早い方が追いついた場合、早い方が一時的に足を止める。これを意識せずにピクミンの配分を行うとタイムロスになることがある。
    • 原生生物の死骸などを押しのけられず動けなくなることが稀にある。本作では上述した連れ歩き制限などにより、死骸を運びたくない場面もあり、運悪く発生するとかなりのタイムロスになる。
    • 運搬中のピクミンが明後日の方向に運んでしまう事がある。オタカラの金塊やヒカリペレットを運搬する時にたまに起こる現象だが、稀にそれ以外のものでも起こる。
  • 所々でゲームのテンポを悪くしている部分がある。
    • 本作では遭難者を救助した場合に限り、IDカードを参照するという名目でポッドに収容するムービーが挟まれる。スキップで短縮は可能なのだが、人によってはゲームプレイ中に水を差されたように感じるかもしれない。
      • ムービー絡みの問題はシリーズ全体で言われており、『3』で一応の改善があったのだが、本作でまた悪化することになった。
    • 新規のお宝を回収した際もお宝のシリーズが埋まる演出が画面上に出る。この演出が完了するまで次のお宝の回収演出やおたからセンサーがお宝全回収を示す動作などが入らないため、特に地下探索でもどかしく感じる場面が多い。
    • レスキュー隊メンバー等の重要人物を救助した時に入る特殊な演出がかなり間延びしたものになっており、スキップも不可能。
    • サイドミッション発生時やコンプリート時等にも少しの間操作できない時間が発生する。サイドミッションはゲーム中でも頻繁に発生することもあり、地味にストレスの溜まる点である。
    • ゲーム中のロードも全体的に頻繁に起こる上、少々長め。ロード中にはいわゆるtipsが表示されるため完全に無駄というわけではないが、それでもテンポを悪くしているのは否めない。
  • 原生生物/オタカラ図鑑の仕様
    • 本作では「オタカラ図鑑」をシュナウズが、「原生生物図鑑」をダルメッシュが担当しているため別の図鑑を見たい場合は一度図鑑を閉じた後にもう片方に話しかける必要がある。
      • これにより切り替えに手間や時間がかかるようになってしまい、ワンボタンで切り替えが出来ていた『2』と比べると快適さが薄れてしまっている。
    • 『3デラックス』の頃からそうではあったものの、過去作から続投・復活した原生生物の図鑑の中で一部キャラの解説の大半が過去作からの使いまわし。
    • 「自然の中で生きる生物」である以上容易に解説を書き換えるわけにはいかない事情があるとはいえ、過去作をプレイした人から見れば「使いまわしの手抜き」という印象はどうしても否めないだろう。
      • 厳密には使いまわしではないのだが、ある人物の解説では「各種ポンガシグサがサラダに向かない理由」が『2』ではバラエティとユーモアにあふれるものだったのに対し、本作では「ポンガシグサ」に統一されているため「どの色も サラダには向かない。*35」になっている。
      • カレハンボに至っては主人公やオッチンがいても動き出して襲い掛かるよう変更されたにもかかわらず、図鑑説明は『3デラックス』から変更無く流用されているため「警戒心が強くピクミン以外の生物がいると動きを潜める(要約)」との図鑑説明が、実際の行動と大きく矛盾してしまっている。
    • イメトレ以外では生態の都合上、全身像を拝めない生物が存在する。最悪イメトレで見る事が出来なくもないが、他の図鑑要素のあるゲームと違い戦わないと拝めないのは不便である。
      • 特に普段は植物などに擬態して地中に潜っている生物は擬態部分しか拝めないため、せっかく自由に見渡せるモードにしても体を観察できないため全く意味がない。
      • また、地中に体半分を埋めて登場する生物に関しては下半身を自由に観察できない。
  • 一部のオタカラやサイドミッションが探索をするだけでは入手・クリアが不可能
    • 上述したストーリーのクリア後要素をプレイしないと取得できない仕様によるものだが、そこへの誘導が無いため分かりにくくプレイヤーによっては詰む要素にもなりえる。
    • その上、上述したように地上の原生生物が復活しない仕様も相まってエリアコンプリート後に貰うと活躍のさせどころが無いため、後回しにして後悔するプレイヤーが続出する事態となった。
      • そのため、プレイできるようになった時点でクリアしたり、エリア攻略を最低限に抑えてゲームを進行させるプレイが推奨される。
    • これらの要素は主人公やオッチンを操作するゲームパートではなく、「別のキャラクターを操作して好成績を叩き出さないとその要素に関連するゲームモードへ移行できない」仕様も相まって、「プレイヤーに無駄に一手間掛けさせる」仕様のように感じられてしまう。
      • このモード自体はちゃんと作り込まれているため本編と完全に切り離してやり込み用のゲームモードにしてしまうか、ゲームバランスに影響でない程度に「クリアできたら主人公とオッチンが有利になるアイテムなどを報酬としてもらう」程度の仕様で良かったのではないだろうか。
  • ショートカット機能は1つまでしか記録されず、昼の探索・夜の探索・ダンドリチャレンジ等すべてのモードで共用される。
    • そのため、そのモード限定のショートカットや使わないショートカットがある場合はいちいちメニュー画面から付け外しする必要がある。
    • 昼の探索では重宝するがダンドリチャレンジでは登場しないステージがある「ゲキカラスプレー」や、夜の探索では極めて重要だがそれ以外のモードでは存在すらしない「オネガイ:ヒカリヅカを守って」などはショートカットで使用する場合、特に頻繁に入れ替えることになる。
    • ショートカットを複数登録できるようにするか、各モードごとに異なるショートカットを登録する仕様にして欲しかったところ。
  • 一部既存プレイヤーへの初見殺しが存在している。
    • 『1』以来の登場となる「ヤマシンジュ」は『1』よりもピクミンが笛に反応しづらく、『1』の感覚で攻撃するための時間を長く稼ぐために笛を短めにして呼ぶとピクミンが反応せずに食べられる…という事態が頻発する。
      • 下手に呼ばず大量のピクミンで一気に倒し切った方が安全なのだが、『1』では倒しても死なずにピクミンを狙い続けるため、『1』の仕様を知っていると初見ではまずその発想には至れない。
      • 既存の生物の特性を変更すること自体は新鮮味やマンネリ防止もあり問題とは言えないものの、笛で呼んでもピクミンが全然戻ろうとせず結果死に直結するのは新規・既存プレイヤーどちらにも優しくない仕様である。
    • 本作初登場の「オオユキカブト」にも、『1』以来の登場となる「フタクチカブト」と同じ対応をしてしまうとピクミンが死んでしまう初見殺しの仕様が存在する。
    • だが、こちらはよく観察すれば「フタクチカブト」とは異なる方法で弱点を突けるのが確認できるためむしろ自業自得の範疇に収まる。
  • Switchの処理能力を限界まで引き出しているのか、携帯モードで長時間プレイしていると冷却ファンの音が気になるレベルで大きくなる上、バッテリーの消耗も激しい。

総評

前作の『3』から10年の歳月と期待を経て作られた今作は、これまでのシリーズファンを満足させるだけでなく、『ピクミン』シリーズの集大成と言っていい程の出来になっており、様々なゲームモードを詰め込んだ大ボリュームな一作である。

また本作はシリーズ過去作に見られたゲームプレイ部分のシビアさも大きく緩和され、グッズ・動画・スマホアプリなどの任天堂のブランド戦略によって多く増えたであろう「過去作を遊んだことは無いがピクミンが好き」という人はもちろん「過去作に手を出したが、クリアできずに挫折した」人にとっても非常にとっつきやすくなっている。

一方で、用意されたゲーム内の要素がいくつか死に要素となってしまっている部分が見受けられ、プレイヤーによっては「ほぼ使い所の無い状態で終わる状況に陥ってしまう」と言わざるをえない事態が所々に散見されるのは非常に惜しいところ。

しかしながら、ゆるい見た目とは裏腹にハードで作り込みの深い世界観や『ピクミン』シリーズのゲームの奥深さはしっかりと引き継がれ、シリーズの中では最もボリュームが確保されている。
時代の流れに合わせて快適さの向上も進んだため、とてもプレイしやすく遊び応えのある内容に仕上がっている。

製品版にセーブデータを引き継ぐことができる体験版も配信されているので、過去のシリーズで挫折したりCMなどで興味を持った方は是非とも一度遊んでみてはいかがだろうか。


余談

  • 本作の時系列だが、作中の台詞や航海日誌の内容等から、『1』のパラレルワールドであることが示唆されている。
    • 簡単に言えば「バッドエンドの後日談」なのだが、以下のような部分に違いがあるため、その表現では若干語弊がある状態になってしまう。
      • 宇宙犬「モス」との出会いがある。
      • 『1』では「辺境の星だから使う意味が無い」と判断した宇宙ムセンでの救難信号を本作では使用している。
      • オリマー救出成功時に「冒険家を夢見ている」旨の記述がある。
    • これらの要因から、「『1』の物語はオリマーが自身の経験をもとに執筆した小説なのでは?」と考察するユーザーも。
    • ちなみに、任天堂公式サイトの開発スタッフへのインタビューでは、各作品の時系列に関しては「ご想像にお任せします(笑)」(原文ママ)とされている。
  • 本作には任天堂内製の作品としては珍しく、Epic Games社のゲームエンジン「Unreal Engine」で開発されている。
    • なお、任天堂内製のソフトで「Unreal Engine」が使用されたこと自体は本作が初ではなく、過去には『ヨッシークラフトワールド』でも使用されている。
最終更新:2024年06月06日 18:30

*1 シェパード号周辺に設けた、安全な避難地帯。

*2 ストーリーに直結するメインミッション以外の目的。

*3 ただし、入口が水中にある洞窟には青ピクミンしか連れていけない等制限がある場合もある。

*4 いわゆるクイックセーブ・クイックロードに近い。

*5 本作ではゲキニガスプレーが撤廃されていることから、過去作の救済措置であったゲキニガを遊びやすく&バランス崩壊させない方向で調整したものと考えられる。

*6 正確にはこの弱点自体『3』から存在しているものであるが、そちらでは硬い地面がほとんど存在しないためほぼ弱点にならなかった。

*7 強化系のアイテムは装備していれば効果がある。

*8 今作では生物を見かけただけで登録されるため、初見の生物との戦闘をいったん後回しにしてイメトレで練習という流れも作りやすい。

*9 『1』のフタクチドックリ。『2』以降に登場した別種の幼虫に同名がつけられていることから通称が変更されて復活した。

*10 『1』のラスボスを務めた巨大なダイオウデメマダラ。本作では一部の生物に巨大に成長した個体が登場し、通常個体とは別種として扱われるようになった。

*11 インタラクティブミュージックと呼ばれる手法。

*12 これらはストーリーの都合などによって2日ある。

*13 『1』や『2』の発売当時はかわいらしいキャラクターやCMに惹かれて手を出してみたものの、ゲーム内容や難易度のハードさによりクリアできずに途中で諦めてしまったというプレイヤーも一定数存在した。

*14 作中では説明されないが、地下では最大6色+ヒカリピクミンの制限があり、ポンガシグサなども制限を超えないように色が変わるようになっているため、隊列に全色を入れることは不可能となっている。

*15 唯一、最終マップではおすすめピクミンの3色とは別に必須となるピクミンがいるが、他の3色と同時に作業させることは困難で4色を使い分けさせる設計にはなっていない。

*16 本作発売直後に「2Pプレイの仕様」だけを理由に本作を酷評する声もそこそこ見受けられた。

*17 脱出しようとしたがある事情でとんぼ返りすることとなり、その間に生命維持装置が切れてしまったというもの。

*18 一応「同じピクミンの頭を花にしてもカウントされる」ため、それを利用した抜け道的方法はあるが、人によっては良心が痛むやり方なので手軽に推奨はできない。

*19 ただし、「ホームシック笛」は運搬等作業中のピクミンにも効果がある。

*20 実際にはやほかのスキル同様やる気を消費しての習得だが、スキル習得に要求されるやる気の都合上習得するには達成せざるを得なくなる。

*21 洞窟関連を除くとエリアセレクト時、日没時、リザルト後。過去作は基本リザルト後に1回のみ。

*22 シリーズ作のクリア画面ではランキングが表示され、クリア日数の数字が小さい記録ほど順位が高くなる。これは日数制限が存在しない『2』においても同様である。

*23 細かいことの様だが、『ピクミン』シリーズでは原生生物に和名や学名などがつけられる等、世界観及び原生生物の生態に凝った設定が存在していることも魅力の1つであるため、安易に「ゲームの都合」で片づけて良いと言えない部分もある。

*24 死亡した生物の死骸が大地に還る事を示唆する記述がある。

*25 これに関しては開発側も不自然だと認識しているようで、ゲーム内でこの点に触れたメタ的な会話があるが、結局うやむやのまま流されてしまう。

*26 オッチンはスキル「オネガイLv2」習得で可能。

*27 例として、巨大なベンチの近くにある拠点は「古代アーケード前」と名付けられている。

*28 一度に複数体のダンゴナマズを気絶させることはできるが、発動後のヒカリピクミンが一体のダンゴナマズに集中してしまい、気絶中に全て倒しきれないことが多い。

*29 ダンゴナマズの体力の高さ故にトッシンを強化していない場合一撃で仕留めることができない上に一体にぶつかるごとに反動で跳ね返されてしまう。

*30 ヒカリピクミンは死んでも死亡数にはカウントされないが、生物図鑑のやられた数には記載されてしまう。

*31 ちなみに、この洞窟が『2』で最も深い地下洞窟である。

*32 参考までに昼の探索は、最低でも「ペレットでピクミンを増やす」「ホラ穴掘りでシザイを増やす」「ピキノツユクサから採れる赤い実でゲキカラスプレーを作る」ことができ、プレイの仕方によってはより多くのものを得ることができる。

*33 ルーイは前作でも問題行動を起こしてはいるが、本作では過去作と比べてトラブルメーカーとしての面が強調されている。

*34 一応、とある人物から「ひどい目に合わせてくれたお礼として制裁を下した」旨が語られるが、その光景を見ることはできないため、プレイヤーの溜飲が下がる訳ではない。

*35 原文ママ。なぜか「どの色も」の次に半角の空白が含まれている。