LocoRoco -Midnight Carnival-
【ろころこ みっどないとかーにばる】
ジャンル
|
アクション
|
|
対応機種
|
プレイステーション・ポータブル
|
発売・開発元
|
ソニー・コンピュータエンタテインメント
|
発売日
|
2009年11月1日
|
定価
|
2,800円
|
プレイ人数
|
1~4人
|
レーティング
|
CERO:A(全年齢対象)
|
備考
|
ダウンロード専売
|
判定
|
スルメゲー
|
ポイント
|
新アクション「ボイン」が追加 ステージ攻略のテンポが上昇 ボインのテクニックに慣れるまでのハードルが高い シリーズ経験者すら手を焼く凶悪な難易度
|
LocoRocoシリーズ LocoRoco / おいでよ / 2 / Midnight Carnival
|
PlayStation Studios作品
|
概要
2009年にSCEよりダウンロード専売で配信されたPSP用アクションゲームソフト。
今作は公式自ら「激ムズ」と謳っている通り、前作までのLocoRocoシリーズから難易度が大幅に上昇している。
基本的な操作は前作までと同様だが、今作からは新しいアクション「ボイン」が追加されている。
前作からの変更点
-
「ロコロコの実」の数がステージごとに変わるようになり、実の数は3~8つになった。
-
ミニゲームが大幅に削減され、操縦キャラがムイムイからブイブイに変わった「ブイブイクレーン」と、新ミニゲーム「ロコボール」のみが収録されている。
-
ステージごとに目標タイムが設定されるようになった。目標タイム内にゴールできないとペナルティとしてスコアが半減する。
評価点
-
新アクション「ボイン」の追加
-
今作から追加アクションとして「ボイン」が追加された。LボタンとRボタンを押した状態でロコロコが地面や壁に着いたときに、タイミングよくLボタンとRボタンを同時に離すことでロコロコがより高く飛ぶアクション。
-
また、ボインを連続で繰り返すごとにスコアに+10ずつボーナスが入る。99ボインまではタイミングにある程度余裕があるが、100ボイン以降は表示が「ボインボイン」となり、ボインのタイミングがかなりシビアになる。また、増加するスコアも+1000で固定される。
-
凍った地面や急角度の地面、狭いスキマなどでボインすると、高速でロコロコが滑っていくようになる。これにより、ステージ攻略のテンポが上昇した。
-
ステージの最初から最後まで途切れずボインを続けることで10万点のボーナスが入る。後半のステージでこのボーナスを獲得しようとすると、意地悪なギミックと100ボイン以降のシビアなボインのタイミングの壁が立ちはだかるため極めて難しい。だが、最後まで途切れずボインが出来たときの達成感と爽快感はかなりのもの。
-
ロコロコシリーズ特有の独特かつ良好なBGM
-
ステージで流れるBGMは、今作でも変わらず独特の雰囲気が出ている。
-
今作では10ボイン以上の状態を維持することでブイブイがBGMにコーラスを入れてくるようになり、更にBGMが盛り上がるようになった。
-
タイムアタック・スコアアタックなどのやり込み要素の本格化
-
前作まではほぼおまけのようなものだったタイム・スコアの要素だが、今作は全ステージクリア後に「ブイブイからの挑戦状」というアイテムが貰え、挑戦状に書かれたタイムとスコアの記録を超えることで金メダルが貰える。記録までわずかに届かなかった場合は、銀メダルが貰える。
-
また、集めたロコロコの数とピコリの数も金メダル・銀メダルが付くようになっている。これもスコア・タイムと同様、すべて集めれば金メダルが獲得でき、すべて集めきれなかったが数多くのロコロコ、またはピコリを集めていると銀メダルが獲得できる。
-
なお、挑戦状を貰う前でも、記録さえ抜いていればメダルは貰えるようになっている。
賛否両論点
-
ロコロコシリーズ屈指の凶悪な難易度
-
今作は公式から直々に「激ムズ」と言われている通り、意地悪なステージ構成や仕掛けが多い。
-
特に、後半ステージ「ブイブイのとりで2」で詰まりやすい。着地すると床が抜けてしまうギミックがあり、着地した瞬間にボインをしないと床が抜けてロコロコが落ち、速攻でゲームオーバーになる。しかも、このコースではロコロコの実の数が3つと今作のステージの中で最も少ないうえ、序盤から中盤までロコロコが1匹の状態、つまり敵やトゲに1回触れただけで即ゲームオーバーになる状態で進まなければいけない。まだ今作のボインの操作に慣れていないプレイヤーは苦戦必須。
-
「ブイブイのとりで2」以降のステージもかなり難しく、最終ステージの「ドランゴメリー2」ではなんと目標タイムが8分となっており、今作のステージの中でも長丁場になりやすいステージ。更に終始トゲだらけのギミックが満載、ボインを利用した高度なテクニックも要求される高難度ステージとなっている。
-
無料DLCにおける最後のコース「ブイブイのとりで3」は、もはや意地悪というレベルではないほどの仕掛けが満載、コース自体も長いなどの要素が合わさり、幾多のロコロコプレイヤーの心を折った超高難度ステージ。
-
しかし、これらのステージは決してクリア不可能なわけではなく、ステージの構成を覚えて行けばなんとかクリアできる難易度となっている。特に、何度もリトライしてようやくクリアできたときの達成感は凄まじい。
-
ボインのテクニックを使いこなせるようになるまでのハードルの高さ
-
今作から追加されたアクション「ボイン」なのだが、シンプルなアクションのようで実はかなり難しいテクニックが存在する。
-
特に難しいのが、間隔が離れている2つの壁の間をボインして上っていくための操作。
-
離れている2つの壁の間を上っていくには、「Lボタンを押して左に傾けた状態でロコロコが左側の壁に着いたらLボタンとRボタンを短く同時押し→すぐにRボタンを押して右に傾ける→ロコロコが右側の壁に着いたら続けてLボタンとRボタンを短く同時押し→今度はすぐにLボタンを押して左に傾ける→以下、繰り返し」この操作を素早く行う必要がある。
-
この操作に慣れるまではボインが発動せずにそのまま落下してしまうことが多発する。このテクニックが必要なステージが終盤に出てくるため、テクニックの習得は必須。ブイブイからもらえる「練習場のチケット」で行けるステージでひたすら練習して操作に慣れるしかない。
-
ストーリー性はほぼ皆無
-
今作のストーリーは「いたずら大好きな「ブイブイ」が作ったステージを全てクリアするまでロコロコたちが帰れない」というもの。それだけである。
-
しかし、ロコロコシリーズはストーリーを重視しているような作品ではなく、あくまでゆるい世界観が特徴。ロコロコにシリアスなストーリーを求めるのは野暮だろう。
問題点
-
水中でボインの暴発が起きやすい
-
水中で泳ぐ際の操作は「Lボタン+Rボタンの同時押し」なのだが、今作は新アクション「ボイン」が追加されている影響で、壁の近くで泳いでいると意図しないボインが発生することがある。
-
意図しない方向にロコロコが跳ねてしまうため、とっさのリカバリーが難しい。トゲや敵に当たってしまったときはかなりストレスが溜まる。
-
チェックポイントの仕様
-
一定量のピコリを支払うことでブイブイがロコロコをチェックポイントまで運んでくれるが、その時のロコロコの数は「1」。
-
いつもチェックポイントの近くにロコロコの実があるわけではないため、最初からやり直した方がクリアしやすい場面もある。そのため、ステージによってはチェックポイントが死に要素と化すこともある。
-
ボリュームがやや少ない
-
値段が2,800円であることを踏まえても、16ステージしかなく、ボリュームが少ない。今作はステージ攻略のテンポが良くなったことやステージ自体が短くなっているのでなおさらボリューム不足に感じやすい。
-
一応、無料DLCで3ステージが追加配信されたが、値段相応のボリュームになったかと言われると微妙なところ。
-
更に、前作までのミニゲームがほぼ全てリストラされている。
-
前作までにあったミニゲームは「ムイムイクレーン」(今作は操縦キャラがブイブイに変わったため「ブイブイクレーン」という名称になった)を除き全てなくなった。代わりに新ミニゲーム「ロコボール」が追加されているが、ミニゲームが2種類だけというのはやや寂しい。
-
ブイブイの煽りセリフが人によっては不快になる
-
新しいステージの攻略を途中で諦めてワールドマップに戻ったときにブイブイが「ブ~ブ~!あきらめてやんの!」と煽ってくる。
-
いたずら好きのブイブイらしいセリフであるといえばそうなのだが、人によってはやや不快な気持ちになるセリフ。
総評
新アクション「ボイン」によってアクションの幅が増えたが、ボインを使いこなせるまでのハードルが高い上、ステージも意地悪な仕掛けが満載で難易度がかなり高い。
しかし、ボインを使いこなせるようになれば、高難度ステージの攻略は人によってはとことんハマる。
ボインを極めてからのステージのスコアアタックやタイムアタックもかなり白熱すること間違いなし。腕に自信があるロコロコプレイヤーにおすすめの一作である。
余談
-
2023年現在、ロコロコシリーズは今作が最終作となっている。
-
一応、「1」「2」のリマスター版がPS4、今作のリマスター版がPS4、PS5で出ているが、今作の発売から十数年たった現在でも新作の情報はない。
最終更新:2024年11月18日 06:04