バーガータイムデラックス
【ばーがーていむでらっくす】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ゲームボーイ
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発売・開発元
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データイースト
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発売日
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1991年2月15日
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定価
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3,300円
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プレイ人数
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1~2人
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配信
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バーチャルコンソール
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3DS
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2011年9月14日
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判定
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良作
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ポイント
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画面は小さくても中身は文句なしにデラックス ぎこちなかった動きも改善
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バーガータイムシリーズ 初代 (アプリ版) / スーパー / デラックス / パーティー
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概要
1991年2月にデータイーストから発売されたゲームボーイソフトのアクションゲーム。
前作『バーガータイム』は1982年にアーケードで稼働開始、その後ファミリーコンピュータ用ロムカセットとして1985年11月に発売し、1988年9月にはディスクカードソフトとして書換専用で再発売(ロムカセット版はナムコからの発売)。
上記作品と本作の間には1990年にアーケードで稼働された『スーパーバーガータイム』が存在するが、本作はどちらかといえば初作の雰囲気に近い。
世界観
ピーター・ペッパーがコックを務めるハンバーガーショップはハンバーガーが飛び切りおいしくて大人気。
それが面白くない隣のドーナツ屋「ノーテンドーナツ」の主人ドーナッテンはハンバーガー作りを邪魔するべく配下のウインナーやピクルスたちを差し向けてきた。
そんな妨害に屈することなくピーター・ペッパーはハンバーガーを作り続ける。
内容(主に初作からの付加要素)
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材料の上を走り抜けることで落として重ねてハンバーガーを作るゲーム性は初作から受け継がれている。
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それに様々な要素を肉付けて発展形のような形になっている。
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またステージによっては左右がループする作りになっている。
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オリジナル版では均一だった材料のサイズが大小の2通りになった。
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前作では4隅から敵が出てきたが、本作では扉がありそこから敵が出てくる。
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出てきたばかりの敵は点滅しており、その状態では当たり判定がない。
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材料に乗せて落とした場合、前作ではしばらく動けなかったが本作では場外でなければそのまますぐ復帰する。
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場外まで落とした場合は出現時と同じ「一定時間当たり判定のない点滅状態」となる。
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敵もキャラによって動きに個性が付けられた(詳細は後述)。
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アイテムだけでなく材料を落とすと新しいハシゴが出てくることもある。
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初作はAC・FCとも黒一色だった背景がグラフィックになった。
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1エリアあたり4ステージ構成となり、4ステージをクリアーして次のエリアに進む前に、演出用のデモが挟まれる。その後にパスワードが見られる。
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『スーパーマリオブラザーズ』とは反対でエリア>ステージという関係になっている。
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パスワードは5種類のキャラの絵を4枚組み合わせる構成。
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パスワード再開後は残り人数3人、コショウ5回とスタートと同じ条件になる。
アイテムの種類
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コショウ
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前作から続投で登場。コショウの使用回数が1回増える。
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ポテト
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チョコレート
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一定時間無敵となり、その状態で体当たりするとコショウをかけた場合と同じ足止め状態となる。
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ナゲット
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敵がすべてウインナーに変わる。あまり意味がないと思えるがウインナーは最も単調なので誘導がしやすい。
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コーヒー
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ピータペッパーの顔
敵キャラの種類
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ウインナー
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ピーターペッパーに向かってストレートに向かってくる単調型
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単調だけに誘導しやすいが、常に最短経路で向かってくるため最も周囲を囲まれた状況に追い込まれやすい側面もある。
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ピクルス
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ゆでたまご(旧・エッグ)
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ピクルスに似てハシゴを上り下りしたがるが常にそうするとは限らないので動きが読みにくい。
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ドーナツ
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動きはゆでたまごと同じで読みにくく何よりあんな小さな扉から出てくるのがありえないほど図体がでかい。
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でかい分当り判定も広くハシゴを登っている時に落とした材料でも倒せてしまう。
VSモード
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VSは対戦形式だが直接もみ合いになったりはしない。
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最初に何ゲーム勝利で勝ちとなるかの規定数(1~8)と1ゲームで使えるコショウの数(1~9)を決める。
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お互いにそれぞれ同じ面をプレイして、先にハンバーガーを完成させた者がそのゲームの勝ちとなる。
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その勝ちゲーム数が最初に決めた勝ち数に達したものの勝利となる。ミスは何度しても負けにはならないがタイムロスになる。
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お互いに別々の画面でクリアを目指すスタイルだが対戦要素がまったくないわけではなく、敵を乗せて最下段まで落としきった場合その数だけ相手側の同列の材料が上段に上がっていく。材料の上にキャラがいるとキャラもそれに合わせて上段に押し上げられる。
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この仕様のため、対象列で材料を一切落としていない状態だったり完全に落とし切った材料しかない場合は発生しない。
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相手側の材料状況は列単位で何個残っているかは表示されている。
評価点
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GBになりながらも操作性はよりスムーズになった。
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オリジナル版では少々ぎこちないところも否めなかっただけに、いくら数年が経過しているとはいえ動きで劣化しがちなGBらしからぬ改善。
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特にハシゴの上り下りに至っては、その快適さは段違い。
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オリジナル版にあった問題点「敵キャラの個性がない」がバッチリ改善。
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規則性の強いウインナーやピクルス、読みにくいエッグ、読みにくい上に図体まででかいドーナツいずれも独特の個性を持っている。
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また、一番誘導がしやすいウインナーを最弱として、すべての敵をそれに変える新アイテムの「ナゲット」など、敵キャラに個性のなかった時代ではできないようなアイテムまで生み出している。
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敵キャラの攻撃無効状態や、ゲートによる出現位置の明確化。
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前者は敵出現時を利用しやすくなったり、後者に関してはいつも四隅だった出現場所が多彩化してステージの特徴づけになった。
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上記に加えて、ループ面があったり材料にも大小ができたりで、ゲーム性の幅がより広くなった。
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それ以外にも、途中から追加でハシゴが出て新しい道が繋がる構造なども新しい。
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アイテムの多彩化。
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オリジナル版では「コショウが増える」のみだったが、上述の通り様々な個性を持ったアイテムが新登場。
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しかも、その表示される時間も長くなったので、多少はゆとりをもって取りに行ける。
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コショウの所持数についても、FC版では9個までしかストックできなかったのだが、それが撤廃されて上限に引っ掛かることがまずなくなり、より扱いやすくなった。
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コミカルなステージ間デモ。
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ピーターペッパーが、普段は敵キャラであるウインナーやエッグなどと繰り広げるドタバタコントのようなデモは、見ていて和む面白さがある。
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また、これによりクリアの達成感や、その目的意識を高めている。
問題点
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ハシゴの出現がノーヒント。
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この新しいシステム自体は良いのだが、どこに出るかわからなくては実用性に欠ける。
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コンティニューの弊害。
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パスワードにコショウの回数などは記録されない。
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特に最終エリアは、前のエリアなどでストックしておかないと、初期の5回ではカツカツできつい戦いを強いられる。
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2Pモードのシステムがバッチリでない残念な点もある。
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2P対戦はどちらかといえば、黙々とクリアを目指すスタイルで、相手側を攻撃できる要素はあれども狙って出来ないなど、あまり機能しない。
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2Pはむしろ自殺が効果的になることもある。
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上記の通り、いくらやられてもちょっとしたタイムロス程度でしかなく、敵をリセットするような効果もあるため実質ペナルティがないに等しい。
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このような形の対戦なら、2P時でも最大人数ぐらい設定して、それが全滅したら負けのようなシステムを組み入れても良かったと思われる。
総評
ACやFC版から長い年月を経ているとはいえ、本来アクション系の作品を移植や続編展開すると大幅劣化になりがちなGBにあって、操作性やシステムなど全体的にむしろ反対に良化している点は、良い意味でGBらしくない続編。
ゲーム自体もお手軽に楽しめるバランスやボリュームに仕上がっており、バッチリとは言えないながらもGBの特性を活かしたVSモードなども実装しているなど、ハードとの親和性も良い。
エリアをクリアするとコントのようなドタバタ劇が見られたりといった趣向などにも目が行き届いており、細かい部分に至っても粗になるような部分は少ない。
その後の展開
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これまで初代→スーパー→デラックスと続いてきたが本作が最後となり、この次の続編は出ずに終わった。
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データイーストは2003年に倒産したが、その後はハムスター、ジーモードなどから既存作が移植されている。
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そのうちのジーモードは発展形として、実に28年越しの新作『バーガータイムパーティー』を2019年10月8日にNintendoSwitch用ソフトとして発売した(ダウンロード専用)。
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2023年3月16日より『ゲームボーイ Nintendo Switch Online』にて本作が配信開始。
余談
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世界観は上記の通りだが、ドーナツ屋なのにハンバーガーショップに差し向けるのがウインナーやゆで卵、ピクルスというのは、どうにもちぐはぐなイメージが否めない。
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ここはまだライバルもハンバーガーショップの方が自然だったかもしれない。
最終更新:2023年12月08日 01:01