魔動王グランゾート
【まどーきんぐぐらんぞーと】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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PCエンジン スーパーグラフィックス(専用)
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メディア
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4MbitHuカード
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発売元
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ハドソン
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開発元
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ミュウテック
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発売日
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1990年4月6日
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定価
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6,500円
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判定
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なし
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ポイント
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グランゾート唯一のゲーム化
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概要
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1990年にハドソンからPCエンジンにてリリースされたオリジナル横アクションゲーム。総計5本しか発売されなかったスーパーグラフィックス専用ソフトのうちの1本であり、唯一のオリジナルアクションでもある。
主なルール
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十字キーで主人公である魔動王の移動、ボタンは各自、攻撃ボタンとジャンプボタンに使用する他、RUNボタンでタイプチェンジを行う。
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攻撃ボタンで各タイプ毎の攻撃。攻撃はしゃがみ、ジャンプ中でも可能。
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ジャンプボタンにてジャンプ。ボタンの押す長さによってジャンプ力が反映されるが、ジャンプ中の移動調整は不可(向き調整は可能)。また、ジャンプにて敵を踏みつけてダメージを与える事も可能。
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画面下部にて「MP」と表示されたゲージがあり、各タイプの溜め技を使用する度に消費され、0になると溜め技が出せなくなる。消費したゲージは時間経過で徐々に回復する。
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RUNボタンを押す度に魔動王を3タイプに切り替える。使用制限はなく、タイプによって攻撃と溜め技の性能が変わる。場所に応じて各タイプを使い分けないとクリアは難しい。以下タイプの詳細(カッコ内は機体の色)。
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「グランゾート」(赤)…武器は攻撃範囲の広い剣。一部の敵弾を切ることが可能。しゃがみ状態にて攻撃ボタン押しっぱなしで地震を起こし、その間は画面内の敵すべてにダメージを与える(但し、効かない敵もいる)。
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「ウインザード」(緑)…武器は連射ができる飛び道具の弓矢。このタイプのみ、十字キー上+攻撃ボタンにて斜め上攻撃が撃てる。ジャンプボタン押しっぱなしで、MPゲージが残っている限り飛行が可能。
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「アクアビート」(青)…武器は前方にリーチが長い槍。攻撃ボタン押しっぱなしで、アクアビートの周囲にバリアを貼り一部の敵弾を防ぐ他、敵に体当たりして倒す事も可能(例外もあり)。
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RUNボタンがタイプチェンジという関係上、通常のポーズはSELECTボタンとなっている。
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ときおり敵を倒すか、特定の場所にアイテムが落ちている事がある。以下詳細。
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「P」…最大二段階までパワーアップ。3タイプの一括パワーアップとなっている。
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「1UP」…その名の通りの1UP効果。
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「S」…取得すると魔動王3タイプすべてが銀に変色し、一度だけ敵ダメージを無効にできる。
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「G」…取得すると魔動王3タイプすべてが金に変色し、一定時間無敵となる。但し、効果中にダメージを受けると、ダメージは無いが、ひるんでしまう。
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戻り復活の残機制ですべてなくなればゲームオーバー。「S」「G」効果がない状態でダメージを受ければ即ミスである。
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各ステージには時間制限があり、これが0になってもミスとなってしまう。
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ミス後の復活はすべてのアイテム効果がなくなってしまう。ステージをクリアすれば、次ステージへアイテムを持ち越す事は可能。
評価点
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グランゾート唯一のゲーム化であるところ。当時の人気アニメだっただけに、ゲーム化が本作だけに留まっているのは意外である。
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ただ当時人気が集中したのはラビという「うさ耳」少年であり、男児向けにはあまり人気があったとは言えない作品となってしまった。
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グラフィック、BGMのレベルはそこそこな部類。残念ながらサウンドテストは不可。
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3タイプの魔動王を使い分ける戦略性の試み。
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アクションとしての土台はしっかりしており、操作性などは目立った不備はない。一部を除けば、ステージ内の進行テンポは良好な部類。
問題点
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キャラが大きめに描かれている影響で、周りの視野が確認し辛く突発的なダメージをもらいやすい。
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ましてや、本作は原則一発ミスなので、初見にて連発事故死する可能性が極めて高いのがかなり厄介である。さらには時間制限もあるので、あまりちんたらと行動するのも危険という板ばさみ状態(幸いにも制限時間は長めだが)。
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ミスすればアイテム効果無効での戻り復活なのも、地味にめんどくさい要因となってしまっている。ちなみに、このゲームは1UPアイテムが過剰なまでに放置されているので、ゲームオーバーにはなりにくい。
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敵の使い回しが結構目立ち、少々作りがやっつけ臭い。敵数は多めに出現するものの、その顔ぶれは似たようなものばかりという事態に遭遇しやすい。
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後半ステージは迷路的な構造になっており、行き先の順序がわからないと迷いやすい恐れ高し。しかも、そういう状況にもかかわらず、MAP表示などの目安は皆無な故に、右往左往してしまいがちなのもめんどくささに拍車をかけている有様。
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評価点で述べたテンポが良質な点が救いではあるが、無駄に迷わせてプレイの時間稼ぎをさせようとしているあざとさが感じられるような気がする。
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通常では各タイプが「赤」「緑」「青」とわかりやすい色彩で表示されるのだが、「S」「G」アイテムを取ると、すべてのタイプが銀一色、及び金一色となってしまい、今自分が使用しているタイプがどれなのかが判別し辛くなってしまう。
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キャラゲーな割にストーリー性などは特になく、ただステージをこなして軽いエンディングのみで終焉するという、媚びがほとんどない硬派なる作り。
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グランゾートのゲームである必然性がほとんど感じらない。
総評
アクションとしては格別悪い出来ではないものの、あまり芳しい出来ともいえない、SGソフトの中でも「凡」という言葉が一番似合っているゲームだと思われる。
前作にあたる『魔神英雄伝ワタル』に比べると大幅に難易度が上がっており、この点でも人を選ぶ要因となってしまっている。
余談
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現在、同名アニメ単体のゲーム化は本作のみである。
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他アニメ作品とのクロスオーバー作品では、ゲームボーイカラーの『ブレイブサーガ 新章 アスタリア』や、スマホアプリの『スーパーロボット大戦DD』に登場している。
最終更新:2023年07月15日 14:24