トゥームレイダー: プロフェシー
【とぅーむれいだー ぷろふぇしー】
ジャンル
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アクションアドベンチャー
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対応機種
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ゲームボーイアドバンス
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開発元
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UBI Soft Milan
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発売元
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UBIソフト
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発売日
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2002年12月6日
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定価
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4,800円
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プレイ人数
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1人
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判定
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なし
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ポイント
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『トゥーム』らしさは健在 致命的な単調さ
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トゥームレイダーシリーズ
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概要
女トレジャーハンター「ララ・クロフト」が活躍する『トゥームレイダー』シリーズの国内発売第6作目。
過去作とのストーリーの繋がりは無く、外伝的な位置付けである。
海外ではゲームボーイカラー用タイトルとして『Tomb Raider: STARRING LARA CROFT』(2000年)と『Tomb Raider: Curse of the Sword』(2001年)の2作品が発売されており、日本では初めての携帯機向け作品となる。
尚、本作の開発はCore DesignではなくUBIソフト傘下のデベロッパーの1つで、イタリアのミラノに拠点を置くUBI Soft MilanがEIDOSからのライセンス許諾を得た上で作られている。
ストーリー
「本物の魔法」
その言葉が、頭上にそびえる険しいスウェーデンの山々を見つめるララの頭の中にこだましていた。
魔法とは、超自然の大いなる力である。様々な文化や時代の伝説によれば、それは実在していた。
ララは中世の神秘的な学者の書いた、忘れられしエゼキエルの古文書を読み解こうとしていた。
そして、すぐさま、その伝説の世界に魅せられててしまったのだ。
そして彼女は今ここにいる。黒き石を捜し求めて…。
それはかの13世紀の学者によればウルフファング峰と呼ばれる、凍てついた頂のどこかに隠されているという。
魔法とはいったい何であったのか、それは今もなお力を保ち続けているのか、その答えを求めに来たのだ。
(プロローグより)
特徴
これまでPCや据置機で展開されたシリーズを携帯機に落とし込むべく、過去作から様々な変更点がある。
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ステージは見下ろし型視点による3D表現となっている。
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初期装備は恒例のピストル(弾数無限)のみ。ゲーム中盤以降に2種が追加入手できる。
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ボタン数の減少により、「歩く」「前転」は廃止されるなど操作が簡略化された。
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Aボタン: ジャンプ
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Bボタン: アイテムを拾う・スイッチを押すなどのアクションを起こす。銃を構えている際は発砲する。
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Rボタン: 銃を構える/仕舞う
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Lボタン: 押している間はダッシュ移動となる。『3』で初導入されたものと同じくゲージ制となる。
評価点
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シリーズの「らしさ」は健在
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ララの象徴である二丁拳銃や「ジャンプしながらの銃撃」「縁に掴まってぶらさがり移動」等、シリーズ経験者がイメージするララのアクションを可能な限り踏襲している。
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襲い来る敵を倒し、次の扉を開けるためのスイッチを探し、即死トラップを避けつつイベントアイテムを入手するという大まかなプロセスも同じである。
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初心者向けの難易度となり、間口が広い
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スイッチを押すと、扉が開いたりトラップが解除された場所へカメラが自動スクロールするため次に進むべき方向が分かりやすい。
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弾薬やメディパックは順当に進めれば過剰なほどに余るため、それらの不足により詰むという状況は起こらないだろう。
問題点
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とにかく単調な展開
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本作に登場する遺跡はスイッチが異様に多く、大袈裟でも何でもなく20~30秒ほどのサイクルで「目についたスイッチを押す → 変化の起こった場所へ向かう」の繰り返しである。ハードの制約で仕方ないとはいえ、過去作にあったような大掛かりで頭を悩ませるようなステージ固有の謎解きは皆無。
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行く手を阻むトラップも、トゲ床(即死)と一定間隔で噴き出す炎(一定量ダメージ)のみ。坂の概念がない為か、お馴染みの「大岩ゴロゴロ」もオミットされている。
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敵の種類が「狼」「スケルトン戦士」「ローブを纏った魔法使い」「影のような魔物」の4種(+色違い)と少ない。戦い方もスケルトン戦士を除き「適当に距離を取りながら銃撃」で事足りる。
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本作の舞台となる遺跡の場所はスウェーデン・カンボジア・イタリア・ルーマニアの4つだが、グラフィックが無個性で遺跡毎の違いが感じられない。
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緑や水場など、過去作に倣った個性付けの手法があるはずだが、容量の都合だろうか。
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画面が小さいことによる弊害
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ララを中心として表示される周囲のエリアが狭く、地形を把握しにくい。特に「画面下方向にジャンプやダッシュしたら奈落の底へ直行」という事故死が起こりがち。
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ゲーム再開のパスワードはSTARTボタンでポーズをかけるといつでも確認可能だが、英数字4文字と簡単な分、弾薬やメディパックの数は記録されず初期状態となる。
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ボリュームは初見でも3時間を切る程度であり、頑張れば通しでクリアできるプレイ時間ではある。また、前述したように拾えるアイテムは潤沢なので、死んだマップの入口から初期状態でリスタートしても然程苦戦しないようなゲーム設計となっている。
総評
シリーズにおける本作の発売タイミングとしては『5』の次であり、ほぼ同じゲームエンジンでシリーズを重ねてマンネリ極まっていた時期である。
本作も単調な展開のせいで作業感あふれる作品になっているのは残念。
謎解きよりも移動自体がメインになった結果、プレイ感は「二丁拳銃を持った『プリンス オブ ペルシャ』」と言うべきかもしれない。
しかし過去作品に対し、スペックや容量で劣る携帯機にうまくシリーズ要素を落とし込んでいるのは確かである。
シリーズ初心者向けとして考えれば悪くない作品だろう。
余談
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本作が外部開発となったのはCore Designが『Tomb Raider: Curse of the Sword』の開発を終えるやいなや、シリーズ本編の最新作『美しき逃亡者』の開発に着手しており、開発ラインに空きがなく人員も回せない状態だったことから外部デベロッパーの力を借りることになった。
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そこで携帯ゲーム機のソフト開発のノウハウに長けたデベロッパーにコンタクトを取る過程でUBI Soft Milanの名が上がり、そちらに委託する形で開発が進められた。
最終更新:2024年03月10日 22:49