ボンバーマンストーリー

【ぼんばーまんすとーりー】

ジャンル アクションRPG
対応機種 ゲームボーイアドバンス
発売元 ハドソン
開発元 エーアイ、アンブル
発売日 2001年4月27日
定価 5,200円(税別)
プレイ人数 1~4人
判定 良作
ボンバーマンシリーズ


概要

ボンバーマンシリーズにおける初のゲームボーイアドバンス用ソフト。
内容としてはアクションRPGだが『ボンバーマンクエスト』とは大きくシステムが異なる。
携帯ゲーム機における前作『ボンバーマンMAX』からマックスとキャラボンが続投している。

ボンバーマンではおなじみの対戦モードもひさしぶりに実装、最大で4人まで対戦が可能。


ストーリー

惑星「ファンタリオン」からのSOSを受けて、調査に向かったマックスから連絡が途絶えた。
これを受けたDr.アインはボンバーマンに惑星ファンタリオンの調査とマックスの捜索の指令を下す。
こうしてファンタリオンに向かったボンバーマンははたしてこの事件を解決できるのか!?


システム

  • ノーマルゲーム
  • フィールド上でボンバーマンを操作して、探索しながら先へと進んでいく。フィールド上には敵や障害物が多く存在し、爆弾で敵を倒したり障害物を破壊するなどして道を切り開いていく。
    • 初期状態ではライフはハート3つ。ダンジョンをクリアすればハートが一つ増える。それ以外でもハートが増える機会があり、最大ライフはハート10個になる。
    • 爆弾の火力と数は2からスタート。アイテムのファイアーアップとボムアップを取る事でそれぞれ最大で5まで上がる。
  • ダンジョンも存在。中は格子状になっており、従来のボンバーマンに近くなる。
    • 各ダンジョンにはクリスタルが存在、これを取る事でダンジョンマップの全体を見る事が出来る。ようはゼルダの伝説で言う地図である。
  • フィールド、ダンジョン問わず謎解きもあり、ただ戦うだけでは進めない。きちんと考える必要が出てくる。
  • Lボタンでマップを見る事が出来る。ただしダンジョン内ではクリスタルを取っていないと行った所しか見られない。
  • Rボタンでアイテムの使用、ボムの変更、キャラボンの変更が出来る画面に切り替わる。
  • セレクトボタンでセーブ画面に。ゲームオーバーになると最後にセーブした所からやり直しなのでセーブはこまめに。
  • フィールドには町もあり、情報収集したり、施設を利用したりできる。
    • 主な町の施設は以下の通り。
    • お店。回復用の薬とコロコロコミックが売っている。後者は買えばボス戦のヒントが読める。
    • 爆弾合成屋。合成用の素材を持っていく事で特殊な爆弾を作ってくれる。
    • コロシアム。キャラボンを戦わせる事が出来る。最初は1体だけしか戦えないが、キャラボンが増えれば5連戦に挑戦できる。
    • ゲームセンター。ミニゲーム「バロムダラケ」を遊べる。内容は初代ボンバーマンのボーナスステージのように無敵状態のボンバーマンを操作してバロムというモンスターを制限時間内に倒しまくるというもの。規定数を超えると回復用の薬をもらえる。
  • 本作には全25種類のキャラボンが登場。それぞれが固有の効果を持っており仲間にする事でボンバーマンの出来る事が増えていく。
    • 仲間にしたキャラボンはBボタンにセット出来るが、セット出来るのは一体だけ。ただし一部のキャラボンはセットしなくても仲間に入れてるだけで効果を発揮する。
    • 障害物を破壊する事でキャラボンのエサが出現。取るとセットしているキャラボンを育てる事ができ、コロシアムで有利になる。上がる能力はエサの見た目で変わる。
    • 中にはストーリーには直接関わらない隠しキャラボンもいる。
  • その他重要なアイテム。
    • レーダー。ダンジョン内でボス部屋の方角を示してくれる。
    • シューズ。手に入れる事でボンバーマンの移動速度が上がる。シルバーとゴールドの2種類ある。
    • アーマー。手に入れる事でボンバーマンの受けるダメージが減る。これもシルバーとゴールドの2種類ある。
  • バトルゲーム
  • ボンバーマンシリーズではおなじみの対戦モード。携帯機ではボンバーマンGB2以来ひさしぶりの実装となる。
    • ただし人間同士で対戦するなら通信ケーブルが必要。
  • サドンデス、シャッフル、みそボンなど過去作で確立されたシステムはほぼ全て再現。
    • 本作独自のものとしてフィッシングボンバーが登場。優勝したプレイヤーが挑戦できる、釣り竿でアイテムを手に入れるミニゲーム。手に入れたアイテムは次のバトルで初めから使用できるが、スピードが遅くなるゲタも混ざってるので有利になるとは限らない。
      • なおフィッシングボンバーをオンにした場合、優勝したプレイヤーは次のバトルでゴールデンボンバーになる懐かしいシステムも。

評価点

  • 全体的にバランスの良いゲーム。
    • 敵との戦闘も謎解きも極端に難しいものは少なく、初心者でもクリアは可能なレベルなので敷居が低い。
    • それでいてハートやキャラボン、シューズにアーマーと集めるものは多く、全部探すやりこみ要素もある。
  • 今作の悪役として「凶悪ボンバー5人衆」がひさしぶりに登場。
    • ゴーレムボンバーとプリティーボンバーは個別に他作品に出演した事はあるが5人揃って、しかもメイン悪役としての登場は『スーパーボンバーマン3』以来6年ぶりとなる。同作をプレイしたプレイヤーなら嬉しい出演であろう。
  • 携帯機で据え置き機とほぼ変わらぬレベルのバトルゲーム。
    • ボンバーマンGB』及び『GB2』の対戦モードはハードの制約か、据え置き機と同じようには出来ず難点も多かった。
    • しかし本作でその問題をほぼ解決し、携帯機でも従来とほぼ変わらぬレベルの対戦を楽しめるようになったのは非常に大きな意味があると言える。
    • 同時にゲームボーイからアドバンスに移行した事による性能の大きな進化も感じ取れる。

問題点

  • お金を集める意味があまりない。
    • モンスターを倒すとお金を落とすが、本作でのお金の使い道はお店とゲームセンターだけ、お店の品揃えも少ないのであまり貯めても使い道が少ない。
  • 凶悪ボンバー5人衆のリーダーがブレインボンバーに変わっている。
    • 過去作ではプラズマボンバーがリーダーだったので、何の説明もないこの変更点は過去作経験者ほど違和感を感じる。
    • ちなみに後の『スーパーボンバーマン R』ではプラズマボンバーがリーダーに戻っている。
  • ラスボスが小さく迫力不足。
    • 本作のボスは変身して大型のモンスターになるのだが、ラスボスのみ変身せずボンバーマンと同サイズ。そのためラスボスにしては迫力が足りずやや物足りない。
  • キャラボンの一体、プテラドンの存在意義がわからない。
    • セットして発動する効果は火力が1段階ダウン。まさかのパワーダウンである。これを利用した謎解きがあるわけでもなく、何のためにいるのかわからない。
    • 敢えてフォローするならば自滅のリスクを下げる為にセットするという使い道があるが、キャラボン枠を使用してまでセットする価値があるかどうかと言うとかなり微妙。
  • バトルゲームは一部据え置き機と同じようにはいかなかった要素がある。
    • みそボンは画面の左右からしか爆弾を投げられず、画面の上下からは攻撃できない。
    • タッグマッチは出来ず個人戦のみとなっている。
    • ポーズを掛けて中断する事が出来ず、万が一急用が出た時に困ることになる。
  • 思わせぶりで終わるストーリーの一部要素。
    • まず、本作の目的の一つが『行方を眩ませたマックスの捜索』であり、作中でも節目ごとに彼の残したメッセージを見る事になる。
      • そして、ボスを務める凶悪ボンバー5人衆からもマックスに関する話を聞く事になるのだが、何故か妙に謎めいた語り口で(おそらく)その正体について言及する。
        しかし、いざ最終局面で対面しても特に何もない。クリアしても同様。結局なんだったのか…?
      • なお、本作発売直前のコロコロコミックには別冊付録として本作の特集冊子が付属し、冊子内に秘密探偵ホームズなどで知られる犬木栄治氏による前日譚漫画が掲載されていたのだが、何故か本作に関与していないヒゲヒゲ団の暗躍が示唆されている。
        一応、本作のザコキャラとしてヒゲヒゲ団員が登場するがそれだけである(逆に何で5人衆の手下として登場したのか謎だが…)。
        白ボンとの関係性をチラつかせるマックス、ヒゲヒゲ団…本作にジェッターズの構想が絡む予定でもあったのだろうか?
    • ブレインボンバーが最終兵器として巨大なロボットを作っていたのだが、ラスボスは前述の通りなので出番は背景で終わり。

総評

ゲームボーイアドバンスになって新たな進化を見せたボンバーマン。
誰でも楽しめる良好なバランスと、携帯機でついに実現したほぼ従来通りの対戦モードは一見の価値あり。
知名度は低いが出来は良いので、是非ともプレイしてみてほしい。


余談

  • 本作は過去にPCエンジン用ソフトとして発売された『ニュートピア』『ニュートピアII』と共通点が多い。*1
最終更新:2024年04月06日 15:45

*1 岩を押して現れる階段や一部雑魚敵のグラフィック及び挙動、集める重要アイテムの名前が「メダリオン」である等