Sid Meier's Civilization V

【しど・まいやーず しう゛ぃらいぜーしょん ふぁいぶ】

ジャンル シミュレーション
対応機種 Windows Vista SP2/7以上
発売元 2K Games
Aspyr (Mac)
Aspyr (Linux)
開発元 Firaxis Games
Aspyr (Mac)
Aspyr (Linux)
発売日 北米版: 2010年9月21日
日本語版: 2010年10月29日
定価 北米版: $49.99
日本語版: オープン価格
完全版 Sid Meier's Civilization V: Complete
2014年5月30日 / $49.99
判定 なし
Sid Meier's Civilizationシリーズ
初代 / 世界七大文明 / 新世界七大文明 / II / III / Alpha Centauri
IV / IV Colonization / Revolution / V / Beyond Earth / VI


概要

文明をモチーフにしたターン制ストラテジーゲーム『Sid Meier's Civilization』シリーズの第5作。略称は『Civ5』。 プレイヤーは一国(文明)の指導者となって、自文明を発展させながら、時に他の文明と協力し、時に争いながら勝利を目指す。


特徴・システム

後述するが、本作について語る場合拡張パックを2つとも入れていることを前提とする場合が多い。以下の記述もその前提に従っているので留意されたし。

  • ゲームの大まかな流れと都市運営
    • 各指導者は自文明を発展させ得られるリソースを増やし、それを元手にいずれかの勝利条件達成を目指す、というのがゲームの大まかな流れとなる。このリソース産出を担当するのが「都市」である。
      • 自文明の各都市はゴールドや科学力、生産力などを産出するため、都市の発展が文明の発展に直結すると言っても差し支えないほど重要である。ゲーム開始時点で建てられる都市は一つだが、都市で「開拓者」を生産し任意の地点で消費することで新たな都市を築くことができる。
      • Civ5は六角形のタイル(ヘックス)が敷き詰められたランダムなマップでプレイすることとなり、すべてのヘックスには地形や特徴、資源が設定され、それに基づきリソースを産出する*1。都市は最大3ヘックス以内のタイルで市民を働かせてリソースを産出する。遠くのタイルは使用できないため都市を立てる際はどのタイルを都市に取り込むかを考慮する必要がある。
+ 都市の構成要素
  • 食料
    • 都市の人口が消費し、余剰分が人口を増加させる。リンゴのアイコン。
  • 生産力
    • 主にユニットと建築物の生産に使用される。ハンマーのアイコン。
  • ゴールド
    • 建築物やユニットの購入、他文明との交易、研究協定の締結など様々な使い道がある。金貨のアイコン。
  • 科学力
    • テクノロジーの開発に使用される。三角フラスコのアイコン*2
  • 信仰力
    • 宗教の創始に使用。時代が下ると偉人を購入できるようになる。ハトのアイコン。
  • 観光力
    • 他文明に対する自文明の魅力を表す。文化勝利に使用する。トランクのアイコン。
  • 文化力
    • 蓄積されると都市の文化圏(自文明の領土)が広がり、社会制度の採用できる。紙とペンのアイコン。
  • 資源活用施設*3
    • 文化圏内のタイルに設けられる農場や鉱山等のこと。「労働者」というユニットを一定ターン働かせることで設置できタイルの出力を上げることができる。資源のあるタイルは対応した資源活用施設を設置しなければ資源を利用できない。
  • 資源
    • 様々な恩恵を与えるものでマップ上にランダムで配置される。タイルの出力を増加させるボーナス資源、自文明の幸福度*4を増加させる高級資源、特定のユニット・建築物の生産や維持に必要な戦略資源が存在する。
  • 専門家
    • 建築物によっては〇〇スロットという風に市民を特定の分野に特化させる枠がついてくる。このスロットで働いている市民を専門家という。後述の偉人を誕生させることができる。
  • 建築物
    • 都市に建てられる建物のうち遺産以外のものを指す。都市やタイルの出力を増加させるもの、専門家スロットを増やすもの、特定の資源を供給するものなどが存在し、都市の発展に寄与する。建築できる数に制限が無い一般建築物、一文明につき1つまでしか存在できない国家遺産、世界に1つだけしか建てられない世界遺産が存在する。
  • 勝利条件
    • ゲームの勝利条件は複数あり、他文明に先駆けていずれかの条件を達成することで勝利となる。
      + 勝利条件の一覧
    • 制圧による勝利
      • 全ての文明の最初に建てられた都市(=元々の首都)を保有することで達成*5
    • 科学による勝利
      • アポロ計画の完成後、宇宙船を完成させると達成。
    • 文化による勝利
      • 自文明の観光力による影響力が他のすべての文明の文化力を上回ることで達成。
    • 外交勝利
      • 国際連合の設立後、一定ターンごとに行われる世界の指導者を選ぶ決議において必要な票数を獲得すると達成。
    • 2050年到来
      • ゲームの規定ターン数に達した時点で他の勝利条件を満たした文明がいない場合、スコア*6が最も高い文明が勝利となる。
  • テクノロジー
    • ゲーム開始時点では、自文明は漁業や畜産、車輪といった原始的な技術さえ有していない。テクノロジーを開発することで文明は新たな建築物やユニットを生産したり資源を採取したりできるようになり発展していく。
      • テクノロジーはツリー状に配置されており、ある程度研究する順番が決められている。とは言え自由度も残されておりその時々の状況によってどのようなテクノロジーを研究するかの選択が重要。他文明とのテクノロジーの取引はできなくなったので基本的に研究するかスパイで盗んでくるかの2択となる。
      • 前作に引き続きテクノロジーを得るとテクノロジーごとに設定された格言が英語の音声付きで再生される。
  • 偉人
    • 時に時代を大きく変えるような人物が歴史上幾人も誕生してきた。そうした人物をユニット化したものが偉人である。
      • 都市に専門家を配置する事で得られる偉人ポイントを一定値貯めることで獲得できる。偉人ごとにそれぞれの得意分野で莫大な恩恵をもたらすため、個人で文明の発展に大きく寄与する重要なユニットとなっている。
      • 偉人には歴史上の偉人の名前がランダムでつけられる。名前によって能力は変わらないためあくまでフレーバー要素であるものの、歴史をモチーフとしたゲームであることを感じさせる趣のある要素となっている。
+ 偉人の種類と能力
  • 大芸術家
    • 傑作芸術を生み出す。黄金時代を開始する。
  • 大音楽家
    • 傑作音楽を生み出す。他文明でコンサートツアーを開き、莫大な観光力を与える。
  • 大著述家
    • 傑作書物を生み出す。政治論文を書き、莫大な文化力をもたらす。
  • 大技術者
    • 都市に莫大な生産力をもたらす。資源活用施設の製造所を設置する。
  • 大商人
    • 大量のゴールドと都市国家への影響度を得る。資源活用施設の税関を設置する。
  • ヴェニスの商人。
    • ヴェネチアのUU。大商人よりも得られるゴールドと影響度が多い。都市国家を買収して自文明の傀儡都市*7にする。
  • 大科学者
    • 大量の科学力を得る。資源活用施設のアカデミーを設置する。
  • 大将軍
    • 自身の2タイル以内にいる陸軍ユニットに戦闘力ボーナスをもたらす。資源活用施設の城塞を設置し、周辺の1タイルを自文明の領土にする。
  • カン
    • モンゴルのUU。大将軍よりも移動力が高く、周辺のユニットのHP回復にボーナスを与える。
  • 大提督
    • 自身の2タイル以内にいる海軍ユニットに戦闘力ボーナスをもたらす。1タイル以内のすべての海上にいるユニットを回復する。
  • 大預言者
    • 宗教を創始&強化する。都市に宗教を広め、他の宗教を排除する。資源活用施設の聖地を設置。
  • 文明と指導者
    • プレイヤーはゲーム開始前に担当する文明と指導者を選択する。
      • 文明と指導者は紐づけられており別々に選ぶことは不可能*8。文明ごとに指導者は本作では一人ずつとなっている*9
      • 各文明には固有のユニット、建造物、資源活用施設が合計2つ与えられ、指導者にはそれぞれ異なる指導者特性が与えられることで、文明ごとの差別化が図られている。
  • 戦闘
    • 戦闘は一般的な戦術ゲームのようになり、軍事ユニットは1タイルにつき1体までしか存在できなくなった*10。本作では隣接するタイルにしか攻撃できないユニットだけではなく2タイル以上先まで攻撃できるユニットも登場している。
      • ユニットは大まかにわけても前衛となる白兵ユニット、反撃を受けずに敵を攻撃できる間接ユニット、都市への攻撃に特化した攻城ユニット、移動力に優れた騎兵ユニットなど、バラエティに富んでいる。
      • 先述した地形によっては視界や間接攻撃が届かない、移動が困難になる、はたまた防御時に大きな戦闘力ボーナスがかかるなど戦闘時に地形が大きな影響を持つようになっており、ユニットの種類と合わせて戦術的な要素は前作よりも大きく増している。他文明との戦争で都市の奪い合いが発生するため、特に国境の都市を建てる際には出力だけではなく守りやすさも考慮する必要がある。
    • そして前作からのもう一つの大きな変更点は「都市自体が戦闘力を持つようになった」という点。
      • 「IV」ではそれがどれだけ大都市だろうが、相手が弱かろうが、敵対ユニットが中心パネルに侵入した時点で陥落する仕様だったのに対し、本作では敵の侵入に対し近接戦闘で抵抗するようになったばかりでなく、遠隔攻撃で「能動的に」敵を排除することも可能になった。
  • 宗教
    • 都市で得られる信仰力ポイントを貯めるとまずパンテオン信仰*11を選択できる。その後に信仰力ポイントを一定値貯めると大預言者を獲得できこれを消費することで宗教を創始できる。
      • 宗教の名前やマーク、効果は創始時に選択することができるため、文明に合わせて強化する分野をカスタマイズできる。宗教は自然と伝播していくほか都市で「伝道師」を購入し布教することで広めることもできる。
      • 同じ宗教を信仰している文明同士は良好な関係を築きやすくなる一方、異なる宗教でもペナルティは特にないため本作の宗教はあくまで内政要素のひとつとなっている*12
  • 社会制度
    • その文明がどのような社会なのかを示す。ゲーム的には文化力を一定値ためるごとに1つずつ取得していくボーナスのようなもの。
      • 10の社会制度が用意されておりそれぞれツリー形式になっている。ツリーごとに特色が異なり、少数の都市を発展させるものから都市数を増やしやすくするもの、戦争に強くなるものなど様々であり、戦略に合わせた社会制度を選択できる。
      • ゲーム後半に解禁される社会制度は思想と呼ばれ、同じ思想を採用した文明同士は関係が良好になり、異なる思想を採用すると対立しやすくなる。
  • 都市国家
    • プレイヤーやCPUが担当する主要な文明に加えてゲームに参加する小規模な文明。都市国家は基本的に都市を一つしか持たず、勝利条件を満たすことは無い。
      • 都市国家との外交は簡略化されており、影響度を上げることで友好関係や同盟関係となることができる。都市国家と友好関係以上となると都市国家の種類に応じて都市にボーナスが得られる。同盟関係になるとこのボーナスが増加する上戦争の際には自動的に味方となってくれる。
      • 同盟関係の都市国家ごとに国際会議での投票数が増えるため、特に外交による勝利を狙う際には以下に同盟を増やすかが重要となる。
  • 友好宣言と非難声明
    • 本作の外交を特徴づける要素。
      • 友好宣言は世界に向けて2つの文明の友好関係を宣言する。あくまで友好関係であり戦争の際に参戦する義務は生じない。友好宣言をした相手に対して戦争をしかけると裏切りとみなされすべての文明から敵視されてしまう。
      • 非難声明は特定の文明が信用に値しないことを世界に向けて宣言する。非難声明をした文明はこちらを敵視するようになる。こちらも戦争には至らないものであり即座に戦争が始まったりはしない。 本作の外交では「敵の敵は味方」、あるいは「敵の味方は敵」理論が成り立つので友好宣言と非難声明を軸に外交関係が構築されていく。

評価点

  • プレイごとに異なるシチュエーションとプレイヤーに選択を迫るゲームデザイン
    • 本作はマップや参加文明がランダムに決定される。プレイヤーはもちろんCPUの行動も同じではないため毎回異なるシチュエーションでゲームを進めることとなる。そのためプレイヤーはその時々で最適な選択をする必要に迫られ、その結果が後に判明する、ということが繰り返される。この流れこそ本作最大の魅力である。 本作は取り得る選択肢が無数に用意されている。軍事力をおろそかにしてでもテクノロジーの研究に邁進しても良し、軍事力を蓄え隣国を侵略しても良し、ゴールドの獲得のみに注力して外交的な勝利を目指しても良し。このような選択肢の多さが本作の奥深さにつながりゲームプレイを魅力的なものにしている。
  • 充実したシナリオ
    • 本作はランダムなマップと指導者で遊ぶモードに加え、ある程度固定された指導者とマップで遊ぶシナリオモードが用意されている。南北戦争や朝鮮出兵といった歴史の一場面を切り取ったものから石油の存在しない世界を描いたスチームパンクもの*13まで多岐にわたるシナリオが用意されている。テクノロジーやゲームルール等も変更されているため、通常とは一味違ったゲームプレイが楽しめる。
  • 詳細なルール解説とフレーバーテキスト「Civilopedia」
    • 本作のルールは複雑であり様々な要素がゲーム中に詰め込まれている。しかしゲーム中のヘルプである「Civilopedia」にはそれらの要素が一つ一つ細かく説明されており、ルールを理解しようとするプレイヤーの熱意には惜しみなく答えてくれる。 ゲームルールだけではなくゲームに用いられた要素が現実の歴史ではどうだったのかというゲーム的にはフレーバーテキストに該当する内容も事細かに説明されている。日本人には馴染みが薄い文明や指導者などもその歴史や生涯が余すことなく記されており歴史を題材としたゲームの趣が感じられる作りとなっている。
  • より美麗になったグラフィック
    • 外交画面の指導者は全身が描写された3Dとなり映像はよりリアルになった。ゲーム画面も同様に進化しており同年代のゲームと比べても遜色ないだろう。
  • 容易になったMOD導入
    • ゲームを拡張する要素として洋ゲーではおなじみのMOD。前作よりも導入が簡単になっており、ゲーム開始時にMODを使用するモードが追加され、複数のMODも選択できるようになった。 またSTEAMワークショップに対応したことでユーザーが作成したMODを簡単に探せるようになった。文明や指導者の追加からゲームシステムを大幅に変えるものまでさまざまなMODが揃っているので新たな刺激を求めるプレイヤーはぜひ覗いてみよう。

賛否両論点

  • 影響度の強い戦術要素
    • 本作はあくまでストラテジーゲームであるはずなのだが戦術要素の高まりによってAIの大群を少数のプレイヤーユニットが撃退するといった芸当も十分可能になっており戦術的な勝利が戦略的に大きな影響を及ぼすようになった。この点については、戦術要素はあくまで戦略要素の下位であって欲しいと考える否定派と用兵の楽しみが増したことを評価する肯定派に別れており、ストラテジーゲームに何を求めるかによって評価が分かれている。
  • 外交態度を秘匿するAI
    • 前作では他文明との間に発生している外交ボーナスと外交ペナルティは全て公開され数値も表示されていた。一方本作では外交ボーナスと外交ペナルティの数値が表示されず大まかにしか分からなくなっている。そのうえ本作のAIは何らかの外交ペナルティが発生していてもそれを隠すことすらある。例えば友好宣言をするほど仲の良い文明であっても資源取引を満額では行ってくれないほど見えない外交ペナルティを抱えているといった事態が発生し得る*14。この点については数値が見えなければ外交が予測不可能になるという否定派と見えない方がむしろリアリティがあり不測の事態が発生し得るため緊張感が増すと言う肯定派に分かれている。

問題点

  • 大味な難易度調整
    • 本作はゲームの難易度を8段階から選ぶことができる。しかし難易度を変えてもAIの行動ルーチンは変わらずAIの出力を補正するという形で難易度を調整している*15。そのため難易度を上げるとプレイヤーでは不可能なほど早い速度で文明を発展させユニットを生産してくることからあからさまに下駄を履かせていることがわかってしまい手ごたえよりも理不尽さを感じるようになってしまう。
  • ゲーム後半の作業量
    • 本作は一ターンごとにユニットを操作し、都市に指示を出すためゲームが進むほど作業量が増加する。前作では軍事ユニットを一まとめにして同時に操作することもできたが本作ではユニットを重ねることができなくなったため軍事ユニットを増やすと特に操作量の増加が顕著となる。なお都市の市民配置と生産、労働者の行動は自動化できるもののお世辞にも出来が良いとは言えないため慣れたプレイヤーは自分で操作した方が良いだろう。
  • 拙いAIの用兵
    • スタック制を廃止し1タイルに1ユニットしか存在できないルールとなったことで戦術性は確かに向上したもののAIのユニット運用は残念ながらまだまだ改善の余地が多い。特に問題なのが間接ユニットの運用であり、ターン開始時に視界に入っていないユニットに対しては攻撃しないといった致命的なロジックの問題が存在している。そのほかにも敵の眼前で乗船してしまう*16など不可解な行動が頻繁に見られる。
  • ゲームの幅を狭める社会制度とゲームルール
    • 従来のシリーズで都市をひたすら増やしていく戦術が強かったためか本作の拡張パックでも都市を増やすことのデメリットが追加された*17。しかしそのペナルティが強すぎたせいか都市を増やす戦略のみならず他文明と戦争することで得られる恩恵も減ってしまった。結果として少数の都市にこもって内政に注力し宇宙勝利を目指すという戦法が大安定となってしまい本作の魅力である遊びの幅を狭めてしまっている。本作では最初に選ぶことができる社会制度が4つあるのだがその中でも少数都市に向いている「伝統」が非常に強い点もこの問題を助長している。
  • プレイヤーのみ使用できない外交コマンド
    • 本作のAIはその文明の国境にユニットを終結させると「即時開戦」か「軍を引かせる」ことを求めてくる。即時開戦した場合は先手を取られ、軍を引かせることを選んだ場合、約束を破って開戦した時に大きな外交ペナルティをもらってしまう。このように戦争をするプレイヤーにとっては中々に頭が痛い行動なのだが、なんとプレイヤーは同様の行動を行えない。高難易度のボーナスは自分で選ばなければよいだけだが特定の外交コマンドがプレイヤーだけ使えないのは中々に理不尽であろう。
  • ゲームに影響する誤訳
    • 洋ゲーの常としてある程度の誤訳は仕方がないのだがゲームに影響するレベルの誤訳もいくつか見られる。
+ 誤訳の一例
  • ×首都に建てられた建造物による生産力が+25%。 〇首都に建てられている建造物を他の都市で建てる際生産力に+25%のボーナス
  • ×ゲームを再開する 〇マップを再生成する*18
  • ×無償で偉人が供給され、都市国家に対する影響力が90ポイント上昇する。 〇都市国家に偉人を提供すると影響力が90ポイント上昇する。

総評

前作から大きくシステムを変更したシリーズ第5作。しかし変更点に賛否両論の内容が多くあり出来自体も手放しに褒められるものではない。とは言えストラテジーとしては一定以上の作りこみがなされておりバグやシステムの破綻等も見当たらない。戦術要素のある戦略ゲームが好きな人はプレイしてみても良いだろう。


拡張パックとDLC

Sid Meier's Civilization V Gods and Kings

  • 『5』の拡張パック第一弾。略称はGaK。主な追加・変更要素は以下の通り。
    • 文明、指導者の追加
    • ユニット、建造物、遺産の追加
    • ユニット、建築物、遺産、資源、資源活用施設の追加
    • 宗教の実装
    • AIと戦闘システムの変更
    • スパイの実装
    • 都市国家の追加
    • シナリオの追加

Sid Meier's Civilization V Brave New World

  • 拡張パック第二弾。略称はBNW。拡張パックはこれで打ち止めであり最終版となっている。ゲームバランスが大きく変わっており、『5』について語る場合、本拡張パックのリリース以降はBNWまで導入していることが前提となる場合がほとんど。 主な追加・変更要素は以下の通り。
    • 文明、指導者の追加
    • ユニット、建築物、遺産、資源、資源活用施設の追加
    • 交易路の実装
    • 観光システムの実装
    • 傑作の実装
    • 都市国家の追加
    • シナリオの追加
  • 拡張パックに加え、新たな文明、指導者、マップ、シナリオなどを追加するDLCが14個発売されている。
    + DLC一覧
  • Mongols Civilization and Scenario Pack
  • Babylon (Nebuchadnezzar II)
  • Cradle of Civilization - Americas
  • Cradle of Civilization - Asia
  • Cradle of Civilization - Mediterranean
  • Cradle of Civilization - Mesopotamia
  • Double Civilization and Scenario Pack: Spain and Inca
  • Civilization and Scenario Pack: Polynesia
  • Civilization and Scenario Pack: Denmark - The Vikings
  • Explorer's Map Pack
  • Civilization and Scenario Pack: Korea
  • Wonders of the Ancient World Scenario Pack
  • Scrambled Continents Map Pack
  • Scrambled Nations Map Pack

余談

  • 日本もプレイアブル文明に選ばれており指導者は織田信長。選択自体は納得なのだが三刀流の装いから日本への理解はやや怪しい。指導者特性は「武士道」でユニットがダメージを負っても戦闘力が下がらないというもの*19。文明の固有ユニットも侍*20とゼロ戦*21が選ばれるなどほぼ戦争に特化した文明・指導者となっている*22
最終更新:2024年09月08日 19:36

*1 例えば「草原」のタイルは食料+2、「平原」であれば食料と生産力にそれぞれ+1、タイル上に「鉄」資源があれば生産力がさらに+1という具合。

*2 プレイヤーからはビーカーと呼ばれる。

*3 資源活用施設という名称だが資源の存在しないタイルにも設置できる。

*4 文明全体が幸福であるかを示す値で全都市共有。都市で発生する不満度の合計が幸福度を上回ると様々なペナルティが発生する。

*5 厳密には元々の首都を保有している唯一の文明になること。自文明の首都を守りつつ他文明の首都が都市国家に落とされても一応条件は達成される。

*6 文明の所有している都市数や人口、タイル数、テクノロジーなどから算出される、その文明の大まかな国力。

*7 都市で生産する建造物やユニット、市民の配置を指定できない代わりに社会制度の取得に必要な文化力が増加しない。

*8 前作では文明と指導者を別々に選択するオプションがあった。

*9 前作では文明によって指導者が1人から3人と幅があった。

*10 空軍は除く。空軍は都市や空母にしか駐留できない代わりに複数のユニットを重ねることができる。

*11 宗教より前の時代から存在した原始的な信仰のようなもの。

*12 前作では宗教が異なると指導者によっては大きな外交ペナルティがついたため、宗教によって外交関係が大きく左右された。

*13 シナリオ名は『曇り空の帝国』。石油が存在しないため戦艦等は石炭で動いており、飛行船といった実在のユニットから陸のリヴァイアサンといった架空のユニットまで登場する。

*14 ゲームに参加している文明リストには、各文明が自文明をどのように感じているかが大まかに示され、その理由となる外交ボーナスと外交ペナルティが一覧で表示される。ところがゲーム的には最も友好的な「親しみを感じている」状態で外交ペナルティが一切表示されない状況でも、実は外交ペナルティがついているといった事態が起こり得る。

*15 例えば最高難易度の創造主では、AIはユニットや建造物の生産コストが50%割引される等。

*16 すべての陸上ユニットは沿岸タイルから海タイルへ出航できる。出航した状態は敵の攻撃に反撃できず打たれ弱いのでとても危険。

*17 所有している都市1つにつきテクノロジーの研究コストが5%ずつ増加する等。

*18 マップをランダムに生成するゲームであるため、最初のターンのみマップを再生成することができる。この誤訳の致命的な問題点は本当の「ゲームを再開する」コマンドが存在すること。ゲームを開始したターンにメニューを開くと上下に「ゲームを再開する」コマンドが存在する様は中々にシュール。

*19 一般的な文明のユニットは約3%ダメージを受けるごとに敵に与えるダメージが1%減少する。

*20 平地での戦闘に強く大将軍が誕生しやすい長剣士の代替ユニット。海上の資源に資源活用施設の漁船を設置することもできるようになった。

*21 敵戦闘機との戦闘時にボーナスを得られる戦闘機の代替ユニット。アップデートでなぜか生産・維持に石油が不要となった。

*22 一応アップデートで漁船と環礁から文化力が得られるようになり戦争一辺倒ではなくなった。