【しど・まいやーず しう゛ぃらいぜーしょん しっくす】
ジャンル | シミュレーション | ![]() |
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対応機種 |
Windows 7/8.1/10 64bit iOS プレイステーション4 XboxOne Nintendo Switch |
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発売元 | 2K Games | ||
開発元 | Firaxis Games | ||
発売日 |
【Win】2016年10月21日 【iOS】2017年12月21日 【Switch】2018年11月16日 【PS4/One】2019年11月22日 |
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定価 | 7,000円(Windows) | ||
判定 | 良作 | ||
ポイント |
区域パズルで内政好きには好評 アジェンダによって個性的になったAI ロボットやゾンビといったファンタジー要素もあり |
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Sid Meier's Civilizationシリーズ 初代 / 世界七大文明 / 新世界七大文明 / II / III / Alpha Centauri IV / IV Colonization / Revolution / V / Beyond Earth /VI |
時間泥棒や電子ドラッグとして名高い歴史系ターン制ストラテジーゲームの金字塔『Sid Meier's Civilization』シリーズの第6作。略称は『civ6』。
『Sid Meier's Civilization』シリーズは4X(eXplore〈探索〉,eXpand〈拡張〉,eXploit〈開発〉,eXterminate〈殲滅〉)の要素を併せ持つシミュレーションゲームとも呼ばれる。
他のゲームで例えれば『シムシティ』のような都市経営に加えて『信長の野望』『三國志』のような領国経営や戦術SLGといった要素を加え、更にマップの探索等の要素まで加わったモンスターゲームといえる。
プレイヤーはかつて地球上に存在した(する)様々な時代の文明の指導者となって太古の時代から近未来にかけて1から文明を築き上げていく。
本作は発売から8年にわたってアップデートや追加コンテンツの配信が行われ、その都度バランス調整が変化しているが本記事は2024年6月時点での内容となる。
ゲームの舞台となる世界は毎回ランダムに生成され(*1)、探索していない要素はすべて隠されている。
プレイヤーは開拓者と共に首都を築き上げる所から始まり、そこから戦士や斥候と言ったユニットを動かして少しずつ世界の形を解き明かしていく必要がある。
彼らの視界によって世界の形が少しずつ解き明かされるにつれて、蛮族の前哨地や友好的な集落、都市国家、そして他の文明が存在する事がわかるようになる。
都市は「文化力」を得る事で少しずつ領地が拡張されていくが、一つの都市で賄える土地にも限界がある
それ以上に領土を広げようと思えば新たに「開拓者」を訓練して新たな土地に入植しなければならない。
良い土地は当然、他の文明も狙っており、未開の地には獲物を狙って蛮族もうろついている。これらの妨害をかいくぐりながら新たな土地を見つけて都市を作り版図を広げていく。
都市をつくると周りの土地にあわせて「お金」「生産力」「文化力」「科学力」「食料」といったパラメーターが毎ターン産出されるが、そのまま放置しても溜まる量は微々たるもの。
プレイヤーは「労働者」を訓練し、農地や鉱山を作るといった土地の改善を行い、土地に市民を配置する事でリソースの産出量を増やしていく。
加えて外敵に備えて戦闘ユニットを訓練したり、城壁や兵営といった防衛用の区域を作ったり、キャンパスや工業地帯といったリソースの産出量を上げる「区域」を作る必要もある。
また、文明の中では絶えず研究が行われており、都市が生産する科学力を使って「技術開発」を行ったり、文化力を使って様々な「社会制度」が解禁されていく。
技術や社会制度の解禁によって作れる施設やユニットが増えたり新たなコマンドが解禁され、より出来る事が増えていく。
資源や土地を巡って時には他の文明との衝突が避けられないこともある。その時は他の文明に宣戦布告し、訓練した「軍事ユニット」を駆使して攻め入り都心を攻撃して陥落させれば占領する事が出来、
他文明の全ての都市を奪う事でその文明そのものを滅ぼすことも出来る。
ライバルの力を削げる上に都市が増える事で一気に有利となるが、同時に他の文明からの非難も浴びる事にもなりハイリスクハイリターンの手段でもある。
また、都市だけではなく区域からの略奪も本作では非常に有効。少なくないゴールド等のリソースを入手出来る上に相手の都市にダメージを与える事が出来る。
文明は国家(日本、アメリカ帝国等)で指導者はその国の代表となる人物(アメリカならセオドア・ルーズベルトことテディ・ルーズベルト)となる。
文明はそれぞれ固有の能力(Unique Attribute = 通称:UA)、建造物(Unique Building = 通称:UB)、区域(UD:Unique District = 通称:UD)、土地の改善(Unique Improvement = 通称:UI)、軍事ユニット(Unique Unit = 通称:UU)で差別される。
例えば「日本」の場合は指導者は「北条時宗」となり、
明治維新もエレクトロニクス工場(*2)も時宗要素が全くないが、日本国の能力なのでそういうものである
複数の指導者をもつ文明もあるが、文明毎の部分は同じでも指導者のUAによって細かく差別されるようになった。
例えばDLCで追加された「徳川家康」の場合は時宗と文明の能力は同じだが、指導者UAが異なる(*3)ため、使い勝手は若干変化する。
また、DLCが必要となるが、シリーズでは初となる二つの文明にまたがる指導者が登場。アキテーヌ女公アリエノール(イギリス、フランス)、フビライ・ハン(モンゴル、中国)が該当。
こちらは指導者の能力は同じだが、文明による能力が変化するという珍しい形になっている。
指導者によっては時代が異なる別の姿として登場する事もある(テディ・ルーズベルトにはブルムースとラフライダーの2バージョンが存在する(*4))がこれも指導者UAが異なるため、見た目だけではなく使い勝手も変化する。
プレイヤー以外の指導者はゲームを始める際にランダムに選ばれ(自分で決める事も出来る)出会うまでは未知のプレイヤーとして認識される。
探索の最中に文明のユニット同士が出会うか、都市を発見するとと最初だけは友好的に文明の邂逅が行われて(*5)互いに認知されることになる。
今作も指導者に寿命の概念はなく何千年経過しても同じ。アメリカ大統領のルーズベルトが石器時代の戦士を引き連れていたり、エジプトのクレオパトラがジェット戦闘機を飛ばして戦争をしたりする。これも今までのシリーズと同様。
特定のターンまでに以下の条件を満たすと勝利となる。 以下のように勝利条件が豊富なため、どの勝利条件を目指すかはプレイをしながらプレイヤー自身で判断する必要がある。
他の文明にこれらの勝利条件を達成されるか、自文明の都市が開拓者も含めてすべて失われるなどすれば敗北となりゲームオーバーとなる(*8)。
また、前作と同様にゲーム終了時に「後1ターンだけ」という選択肢が存在し、選ぶと勝利条件は満たせなくなるが、そのまま納得するまで続きをプレイできる。やり残したことをやったりヘイトが溜まった文明に核をぶっ放したりできる
前作に引き続き登場。専用のルールや指導者などの条件で勝利を目指す。 アレキサンドロスを使ってひたすら戦争のみを繰り返す「アレキサンドロスの征服」等の王道的なものから、ペスト菌による黒死病により人口を減らしながら技術ツリーないし社会制度ツリーを完成させる「黒い死神」等、歴史を切り取ったシナリオが多数用意されている。
追加コンテンツで複数の文明や追加シナリオ、大規模なゲーム性の変化を及ぼす「文明の興亡(RaF)」と「嵐の訪れ(GS)」の拡張パックが配信。加えてシーズンパスの形で「ニューフロンティアパス(NFP)」が販売されている
+ | 長いので折り畳み |
+ | 長いので折り畳み |
主にシーズンパスとなる「ニューフロンティアパス(NFP)」の要素ではあるが、一部のモードは無料アップデートで追加された。 ゲーム毎に使用するかを決める事が出来、ゲームバランスを大きく変化させる。
+ | 以降はNFP前提となるので隠し |
拙いAIや大味なバランス面が見られるものの、区域パズルや多彩な指導者によって深みが増し、やはり後一ターンだけ…とのめり込んでしまう魔の中毒性をもつゲームである。 プレイを繰り返す度に新たな発見そして反省点が生まれ、効率のいいプレイを探すうちに何十周も遊んでしまう魅力を持っている。
*1 ユーザーからは「地球」ではなく、作者の名を冠した「シド星」と呼ばれている。
*2 シヴィロペディアを見る限り、エレクトロニクス工場は戦後にソニーが築きあげた工場が発端となりその先端を走った日本のエレクトロニクス産業の事を示している。
*3 徳川家康の指導者UAは「幕藩体制」となり、国内での交易が強化される反面、国外との交易が弱体化するという鎖国を意識したものとなる
*4 厳密にいえばこの2つは旧バージョンのテディがMODにより派生した形となるため、MODの切り替えにより最大3バージョンのテディをつかう事が出来る
*5 邂逅したターンならば使節を受け入れてもらいやすく平等な取引も可能だが、1ターンが過ぎると状況に応じて友好度が変化し、敵対的な態度を取られる事も多い
*6 それぞれの文明が持つ都市の大半で主流宗教となる
*7 かいつまむと、特定のタイミングで開かれる世界会議で「外交的支持ポイント」で票を入れる事で入手したり、自然災害で危機に陥った他の文明の復興支援や、ノーベル賞等の様々なコンテストで優秀な成績を残すなどで世界にアピールをするとポイントが得られる。
*8 首都が陥落しても即敗北はならないが制覇勝利を目指す場合は取り戻す必要がある。
*9 一部、人口の条件が必要ない区域も存在する
*10 戦争中で敵対状態になったとしても相手国以上の代表団を送って宗主国から引きずりおろせば和平ないし、裏切らせる事も可能。
*11 絵画ならば作品そのものが、音楽ならばフレーズの一部が、作家ならば作品の一文が朗読される等
*12 「国土回復戦争」ならばかつて相手にとられた都市を取り返す分にはペナルティが発生しないが、関係のない相手の都市を奪うとペナルティが発生する
*13 固有アジェンダと重複したり、反するようなものは選ばれない。またテディ・ルーズベルトが「環境保護主義者」になりやすいといった独自の傾向も存在する。
*14 シリーズ初期の頃、ガンジーは攻撃性が最低の「1」という平和主義者だが、プレイヤーが「民主主義」を選ぶと攻撃性がマイナスされてオーバーフローを起こし、超攻撃的になって核兵器をぶっ放してくるというもの、ただし、製作者は明確に否定している。
*15 この際に英雄の戦闘力も時代に合わせてアップデートされるので最後まで頼りになる
*16 アメリカやイギリスの指導者ならば英語で喋るし、日本の指導者(北条時宗や徳川家康)ならば日本語で喋る。ただし時宗は時代の違いから古語で喋り、家康はほぼ現代語で喋るといった拘りが見える。
*17 アメリカのリンカーンは自分と同じ政府になっていない文明を極端に嫌い、ドイツのルートヴィヒ2世は区域を最大限まで持たない文明を好むので開発が進むと嫌われやすい等。余談だがルートヴィヒ2世のAIはこのアジェンダを律儀に守るので他の文明よりも「区域を1つ多く作れる」というドイツのUAをドブに捨てる変人となっている。
*18 前作に登場した織田信長は腰に二本、背中に一本の刀を持つ「三刀流」という妙な装いだった。今作の家康は甲冑を着て刀と家紋が施された軍配を持つという特に問題のない装いとなっている。
*19 ちなみにCPUもマオリを持て余している節があり、おかしな都市配置になったりプレイヤーと同様に早々に蛮族に滅亡させられたりする。このため、ゲームを荒らす存在として、あまり好まれていない
*20 そもそも騎兵ユニットは攻城ユニットの恩恵を受けられないため、最も攻城戦が苦手な戦闘ユニットである。
*21 ただし、英雄のチャージ能力は使いこなされるとチート級なものばかりなので助かるともいえるが。一応、AIでも卑弥呼をバフ要因として使用している節が見られる