Sid Meier's Civilization VI

【しど・まいやーず しう゛ぃらいぜーしょん しっくす】

ジャンル シミュレーション



対応機種 Windows 7/8.1/10 64bit
iOS
プレイステーション4
XboxOne
Nintendo Switch
発売元 2K Games
開発元 Firaxis Games
発売日 【Win】2016年10月21日
【iOS】2017年12月21日
【Switch】2018年11月16日
【PS4/One】2019年11月22日
定価 7,000円(Windows)
判定 良作
ポイント 区域パズルで内政好きには好評
アジェンダによって個性的になったAI
ロボットやゾンビといったファンタジー要素もあり
Sid Meier's Civilizationシリーズ
初代 / 世界七大文明 / 新世界七大文明 / II / III / Alpha Centauri
IV / IV Colonization / Revolution / V / Beyond Earth /VI

概要

時間泥棒や電子ドラッグとして名高い歴史系ターン制ストラテジーゲームの金字塔『Sid Meier's Civilization』シリーズの第6作。略称は『civ6』。
『Sid Meier's Civilization』シリーズは4X(eXplore〈探索〉,eXpand〈拡張〉,eXploit〈開発〉,eXterminate〈殲滅〉)の要素を併せ持つシミュレーションゲームとも呼ばれる。
他のゲームで例えれば『シムシティ』のような都市経営に加えて『信長の野望』『三國志』のような領国経営や戦術SLGといった要素を加え、更にマップの探索等の要素まで加わったモンスターゲームといえる。
プレイヤーはかつて地球上に存在した(する)様々な時代の文明の指導者となって太古の時代から近未来にかけて1から文明を築き上げていく。

本作は発売から8年にわたってアップデートや追加コンテンツの配信が行われ、その都度バランス調整が変化しているが本記事は2024年6月時点での内容となる。


システム

探索(Xplore)

ゲームの舞台となる世界は毎回ランダムに生成され*1、探索していない要素はすべて隠されている。
プレイヤーは開拓者と共に首都を築き上げる所から始まり、そこから戦士や斥候と言ったユニットを動かして少しずつ世界の形を解き明かしていく必要がある。
彼らの視界によって世界の形が少しずつ解き明かされるにつれて、蛮族の前哨地や友好的な集落、都市国家、そして他の文明が存在する事がわかるようになる。

拡張(eXpand)

都市は「文化力」を得る事で少しずつ領地が拡張されていくが、一つの都市で賄える土地にも限界がある
それ以上に領土を広げようと思えば新たに「開拓者」を訓練して新たな土地に入植しなければならない。
良い土地は当然、他の文明も狙っており、未開の地には獲物を狙って蛮族もうろついている。これらの妨害をかいくぐりながら新たな土地を見つけて都市を作り版図を広げていく。

開発(eXploit)

都市をつくると周りの土地にあわせて「お金」「生産力」「文化力」「科学力」「食料」といったパラメーターが毎ターン産出されるが、そのまま放置しても溜まる量は微々たるもの。
プレイヤーは「労働者」を訓練し、農地や鉱山を作るといった土地の改善を行い、土地に市民を配置する事でリソースの産出量を増やしていく。
加えて外敵に備えて戦闘ユニットを訓練したり、城壁や兵営といった防衛用の区域を作ったり、キャンパスや工業地帯といったリソースの産出量を上げる「区域」を作る必要もある。
また、文明の中では絶えず研究が行われており、都市が生産する科学力を使って「技術開発」を行ったり、文化力を使って様々な「社会制度」が解禁されていく。
技術や社会制度の解禁によって作れる施設やユニットが増えたり新たなコマンドが解禁され、より出来る事が増えていく。

殲滅(eXterminate)

資源や土地を巡って時には他の文明との衝突が避けられないこともある。その時は他の文明に宣戦布告し、訓練した「軍事ユニット」を駆使して攻め入り都心を攻撃して陥落させれば占領する事が出来、
他文明の全ての都市を奪う事でその文明そのものを滅ぼすことも出来る。
ライバルの力を削げる上に都市が増える事で一気に有利となるが、同時に他の文明からの非難も浴びる事にもなりハイリスクハイリターンの手段でもある。
また、都市だけではなく区域からの略奪も本作では非常に有効。少なくないゴールド等のリソースを入手出来る上に相手の都市にダメージを与える事が出来る。  


文明と指導者

文明は国家(日本、アメリカ帝国等)で指導者はその国の代表となる人物(アメリカならセオドア・ルーズベルトことテディ・ルーズベルト)となる。
文明はそれぞれ固有の能力(Unique Attribute = 通称:UA)、建造物(Unique Building = 通称:UB)、区域(UD:Unique District = 通称:UD)、土地の改善(Unique Improvement = 通称:UI)、軍事ユニット(Unique Unit = 通称:UU)で差別される。

例えば「日本」の場合は指導者は「北条時宗」となり、

日本固有の能力(UA)
隣り合う区域同士に追加ボーナスがかかる「明治維新」
日本固有の建造物(UB)
通常の工場よりも強力な「エレクトロニクス工場」
日本固有の戦闘ユニット(UU)
ダメージを受けても戦闘力が下がらない中世時代に強力な近接戦闘ユニットである「侍」
時宗固有の能力(指導者UA)
沿岸部での戦闘力が上昇。災害のハリケーンに対してユニットが被害を受けない上に相手に対する被害が倍増。聖地、兵営、劇場の建築コストが半減する「神風」

明治維新もエレクトロニクス工場*2も時宗要素が全くないが、日本国の能力なのでそういうものである

複数の指導者をもつ文明もあるが、文明毎の部分は同じでも指導者のUAによって細かく差別されるようになった。
例えばDLCで追加された「徳川家康」の場合は時宗と文明の能力は同じだが、指導者UAが異なる*3ため、使い勝手は若干変化する。

また、DLCが必要となるが、シリーズでは初となる二つの文明にまたがる指導者が登場。アキテーヌ女公アリエノール(イギリス、フランス)、フビライ・ハン(モンゴル、中国)が該当。
こちらは指導者の能力は同じだが、文明による能力が変化するという珍しい形になっている。

指導者によっては時代が異なる別の姿として登場する事もある(テディ・ルーズベルトにはブルムースとラフライダーの2バージョンが存在する*4)がこれも指導者UAが異なるため、見た目だけではなく使い勝手も変化する。

プレイヤー以外の指導者はゲームを始める際にランダムに選ばれ(自分で決める事も出来る)出会うまでは未知のプレイヤーとして認識される。
探索の最中に文明のユニット同士が出会うか、都市を発見するとと最初だけは友好的に文明の邂逅が行われて*5互いに認知されることになる。

今作も指導者に寿命の概念はなく何千年経過しても同じ。アメリカ大統領のルーズベルトが石器時代の戦士を引き連れていたり、エジプトのクレオパトラがジェット戦闘機を飛ばして戦争をしたりする。これも今までのシリーズと同様。


勝利条件

特定のターンまでに以下の条件を満たすと勝利となる。 以下のように勝利条件が豊富なため、どの勝利条件を目指すかはプレイをしながらプレイヤー自身で判断する必要がある。

  • 制覇勝利
    • 自分の首都を維持した上で他の全ての文明の最初の首都を支配すると勝利。必ずしも他の文明を滅ぼす必要はない。
  • 科学勝利
    • 科学力を上げ、「宇宙船基地」を作った上で様々な宇宙プロジェクトを達成して火星にコロニーを建設すれば勝利。
    • 追加コンテンツ「嵐の訪れ(Gathering Storm 通称:GS)」以降では勝利条件が変更され、太陽系外惑星に探査船が到達すると勝利。
  • 文化勝利
    • 「世界遺産」や「傑作」を展示するなどの様々な手段で自分の文明をアピールし、自文明の国外観光客が全ての他文明の国内観光客を上回れば達成。
    • 観光客を増やすには様々な手段が存在し、世界遺産を建てる、傑作を集める、土地アピールの高い都市をつくる、国境を開放したり相手の宗教を受け入れるなどをすれば観光客を呼び込める。宗教が違う、支配体制が異なる等の理由で観光客が激減する事もある。
  • 宗教勝利
    • 今作であらたに追加された勝利条件。自分で宗教を創始し、全ての文明に信奉*6させれば勝利。
  • スコア勝利
    • 規定ターンに達した際にいずれの勝利条件を満たしていなければ様々な要素から算出されるスコアが一番高い文明が勝利となる。
  • 外交勝利
    • 拡張パック「嵐の訪れ(GS)」にて追加。「外交勝利ポイント」が20*7に到達すると勝利

他の文明にこれらの勝利条件を達成されるか、自文明の都市が開拓者も含めてすべて失われるなどすれば敗北となりゲームオーバーとなる*8。 また、前作と同様にゲーム終了時に「後1ターンだけ」という選択肢が存在し、選ぶと勝利条件は満たせなくなるが、そのまま納得するまで続きをプレイできる。やり残したことをやったりヘイトが溜まった文明に核をぶっ放したりできる

今作の主な要素

  • ユニット関連
    • 前作では労働者ユニットは時間をかけながら土地の改善を行っていたが、本作では「労働力」と呼ばれるパラメーターを持ち、労働力を消費して一度のコマンドで土地の改善や除去が出来るようになった。労働力を使い果たすとユニットが消滅するのでその都度、新たな労働者を入手する必要がある
      • その他に宗教ユニットなども同様に使い切りのパラメーターを使って能力を発揮する。
      • 「1マスに存在できるユニットは1つだけ」という原則が撤廃され、民間ユニット、軍事ユニットと支援ユニットが同じマスに侵入する事が出来るようになった。これによって敵から民間ユニットや支援ユニットを守りやすくなり、重なり合ったユニット同士を結合させる事も出来るようになった。片方が動けばもう片方も同時に動く。
    • 交易商を使って都市と都市で貿易を行うと自動的に都市間の道の設置が行われるようになった。工兵を使って自分で道を作る事も可能。
  • 区域
    • 都市の箱庭内政要素として今まで通りの土地の改善に加えて「都心」「近郊部」「商業ハブ」「工業地帯」「キャンパス」等といった特定の部門に特化した専用区域が追加された。
      • 例えば「キャンパス」を設置すると「科学力」の産出が増える他、さらに追加の大学や図書館などの「科学力」を上げる建造物が設置出来、より「科学力」に特化した都市に作り上げる事が出来る。
      • シムシティ』における「住宅地区」や「商業地区」等に似た要素だが、最初は解禁されていないため、解禁された後を見越して区画を配置する必要が出るほか、文明の特徴や地形との相性などの様々な要素が複雑に絡み合う。
      • 設置する際に周囲の地形の影響を受けて産出されるパラメーターが上昇する。例えばキャンパスならば山岳に隣接する事で出力される科学力が増える等。しっかりと工夫すればパラメーターの算出を上げる事が出来る為、区域パズルともよばれる
    • ただし、多くの区域を配置しようとすれば多くの人口が必要となる*9上に一度設置すると位置を変更できないため、注意が必要。基本的には区域は略奪を受けて機能が停止しても完全に破壊される事がない。
    • 区域が完成すると以後は生産の代わりに「プロジェクト」を実行する事が出来るようになる、一定期間お金や科学力と言ったリソースを生み出す。科学勝利の条件の一つの「宇宙プロジェクト」も宇宙船基地のプロジェクトである
    • また、スパイの標的にもなり、近郊街がある都市ではパルチザンを扇動されたり、キャンパスがあると技術を盗み出されたりする。区域がたくさんある都市は防謀も難しくなる。
  • 世界遺産(遺産)
    • 建築する事で様々な恩恵を得られる特別な建造物。世界に一つしか存在できない
    • ストーンヘンジやアレキサンドリア図書館などの世界遺産は区域のようにマップに配置する形となり、設置条件(ストーンヘッジならば石材に隣接し広陵ではない場所)を満たした場所に配置する事が出来る。
    • 建築コストが非常に重く、先に他の文明に建設されると、一部の生産力は戻ってくるものの建設中の遺産は破棄されて大きなロスを招く。特に序盤では効果が強力な遺産が多いので文明間での取り合いになる。
  • 都市国家
    • 前作に引き続き登場。指導者がおらず、1都市しか持たない中立的な勢力。「シンガポール」や「香港」といった実在する(した)世界の都市の名前が付けられている。
    • ターン毎に得られる「影響力」が溜まると得られる「代表団」を送る事で仲良くなる事が出来る。3つ以上の代表団を送り、さらに他の文明よりも多くの代表団を送る事で「宗主国」と認められる。
      • 宗主国になると都市国家の国境が解禁され、都市国家のユニットの視界を共有できる他、お金を払う事で都市国家の兵力を一定期間「徴兵」する事も出来る。また、宗主国が他の文明と戦争になれば都市国家も宗主国と同様に宣戦布告をする*10
      • 代表団を送った数によって特定のリソースに補正がかかる他、宗主国となる事で都市国家固有の効果(専用の建造物を建築できる、宗教ユニットレベルアップ時の効果をランダムではなく好きに選べる等)が得られるようになるなどの恩恵が受けられる。
    • 「影響力」以外にも「クエスト」とよばれる条件(都市国家への交易路を開く等)を満たせば代表団を追加でもらう事も出来る。
    • 他の文明と同様に都市国家相手に宣戦布告してそのまま滅ぼす事も出来る。
  • 社会制度
    • 今作では技術研究からは完全に独立したツリーとなり、「文化力」を使って解禁する第二の「テクノロジーツリー」といえる存在となり、科学力の「技術開発」と並行して研究が行われる。
    • 君主制、独裁政治、民主主義などの「政治体制」の解禁や政府で使用するためのスパルタ教育などの「政策」等が解禁されていく。
      • 政治体制を解禁した後、制定した政府に応じて「軍事」「経済」「外交」「ワイルドカード」の4種類のスロットが存在し、その中に解禁した「政策」を種類ごとにセットしていくことで、様々な補正を得る…というのが大まかな内容となる。
  • ブースト
    • 「テクノロジー」と「社会制度」は研究項目毎に特定の条件を満たすことで「ひらめき」「天啓」と呼ばれる「ブースト」がかかるようになった。ブーストがかかると完了に必要な科学力(文化力)が4割ほど加算され、研究に必要な時間が短縮される。
      • 例えば他の文明と出会う事で科学技術「筆記」に、蛮族の前哨地を破壊すると社会制度「軍の伝統」にブーストがかかる等。
    • 条件を満たさなくとも「偉人」の効果発動や外交などでブーストがかかる事もある。今作ではスパイによる技術の窃盗もブーストを得るものとなっている。
  • 偉人
    • 区域、プロジェクト、政策などから得られる「大預言者ポイント」、「大科学者ポイント」などといった専用の偉人ポイントを消費する事で様々な分野に特化した偉人を呼ぶ事が出来る。
    • 今までのシリーズでは偉人の名前はフレーバー的要素である事が多かったが、今作では多くの偉人は何かしらその偉人の功績に則した使い切りの特殊能力を持つ。
      • 画家や芸術家、作曲家などは「傑作」を生みだす力を持ち、作った際には実際に偉人が作った作品を見る事が出来る*11出来上がった傑作は外交で使用したり、博物館等に飾る事で観光力や文化力をもたらす。
    • 「大将軍」や「大都督」といった軍事系偉人は特定のユニットにバフをかけるが、特定の場所に移動させる事で「退役」させる事が可能、この際に固有の能力が発動するようになっている。
      • 例えば大将軍の「孫子」は軍事ユニットにバフをかけつつも、キャンパスの上で退役させると、傑作書物である「孫子」を置き土産にしてくれる。
      • 「大将軍」や「大都督」は偉人の生きた時代+1世代先までしかユニットへのバフ効果がかからなくなったため、時代が進むとやがて陳腐化してしまう。役目を終えた偉人は速やかに退役させる事が望ましい。
    • また、偉人ポイントが不足していても多額のゴールドか信仰力を使って偉人を呼ぶことも可能となっている。
  • 戦争
    • 他の文明に対して戦争を仕掛ける場合は外交にて「非難」を表明し、5ターン以上経過した後に正式に宣戦を布告する事で開戦状態になる。
    • 自分から開戦することで「好戦性ペナルティ」が発生し、それ以外の文明との関係にも大きくマイナスされる。非難表明を無視して奇襲戦争も出来るが、この場合好戦性ペナルティは1.5倍となる。
      • 好戦性ペナルティを軽減するために開戦時に理由を表明することも出来る。奪われた自国の領土を取り返すための「国土回復戦争」等、大義に則っていれば好戦性ペナルティは軽減ないしゼロにする事も出来る*12
      • 他文明に共同戦争を持ちかける事も可能。この場合は相手との仲が深まる上に共闘相手との間に不平は生まれないため、ペナルティを軽減する手段にもなる。
      • 相手の都市を占領する、占領せずに破壊するなどの行動をとればさらに「好戦性ペナルティ」が増加する。
    • 開戦後10ターン経過すれば外交で「和平講和」を申し出る事が可能。この際に占領した都市を正式に譲渡してもらう事で初めて他の文明の都市の所有権を手にする事が出来る。
    • また、時代が進むにつれて攻城戦の難易度の上昇に加え、好戦性ペナルティが非常に重くなる上に解消にも時間がかかるようになるため、制覇勝利以外では戦争は有効な手段ではなくなってくる。他文明同士でも戦争の頻度が下がる事も併せて時代の流れを感じさせる要素となっている。
      • 太古、古典時代ならば好戦性ペナルティは非常に低く、上がったとしてもすぐに解消される。プレイヤーがCPUに負けるのも大体この辺。加えてまだ出会っていない文明からは自国の戦争行為を知られないため不平を抱かれることもない。領土拡張としては非常に重要な時期となる。
  • 戦闘
    • 今までの作品とは異なり、一度の戦闘でどちらかのユニットが殲滅されることはなくなり、それぞれ1度攻撃をするだけという一般的な形になった。
      • ユニット毎に「戦闘力」と呼ばれる攻撃力と防御力の両方を兼ねたパラメーターを持ち、様々な補正を加えた上で戦闘を行う。
    • ユニット同士をスタックする事は出来ないが、社会制度の進歩により最大3つまでのユニットを軍団化としてまとめる事が出来る。軍団化をすると片方のユニットは消滅する上に最大体力が上がる事もないが、戦闘力が10(3つ目の場合+7)上昇する。
      • 戦闘力が10上がるだけでもおおよそ1世代分は進歩するので陳腐化した時代遅れのユニットもある程度戦えるようになる。
    • 接近戦闘に優れる「近接戦闘」、ZOCを無視して移動力に優れる「軽騎兵」、騎兵に強いが近接戦闘には弱い「対騎兵」といったユニット同士にも相性が存在する。
    • 時代が進み、都市に「防壁」が築かれるようになると防壁を破壊しなければ都市にまともにダメージを与えられなくなるため、「攻城ユニット」や「攻囲ユニット」に頼る必要が出てくる。
    • 占領した都市は講和の際に「譲渡」してもらうまでは完全には自分のものにはならず、人口の成長が停滞する。また、被占領中だった第三勢力の都市を奪った場合は「解放」として元の文明に返すことも可能。これによって一度滅びた文明や都市国家が復活することもある。
      • 基本的には解放せずに都市を占領した方が有利ではあるが、宗主国ボーナスを得るために都市国家を復活させたり、溜まってしまった好戦性ペナルティを下げる事が出来るメリットもある。
  • 宗教
    • 最初に「信仰力」を高めると「パンテオン」と呼ばれる宗教の原型を作る事が出来る。パンテオンを作った上で偉人の「大預言者」を呼び、聖地ないし遺産の「ストーンヘンジ」の上で発動する事で自文明による宗教の創始が完了する。
      • ただし、大預言者は「参加している文明の数÷2+1」人しか登場しないので、出遅れると宗教の創始そのものが不可能になり、同時に宗教勝利も達成不可能となる。また宗教に付加できるボーナスも早い者勝ちとなる。
      • パンテオンはどの文明でも作る事が出来るが、この際に得られるボーナスも全文明で取り合う形になる。出遅れるとロクな効果がないものばかりになることもしばしば
    • 以降は「伝導者」や「使徒」といった「宗教ユニット」を使って自分が創始した宗教ないし他文明の宗教を都市に浸透させる事で宗教から得られる恩恵を受ける形になる。
      • 宗教は浸透した都市そのものに恩恵を与えるので宗教を広める事によって他文明を強化してしまう事も起こる。
  • 宗教ユニットと神学戦争
    • 神学戦争は宗教同士の戦争となり、今作であらたに追加された要素。前作までは自領に入り込んでくる「伝導者」を排除できなかったが、本作では「神学戦争」として対処できるようになった
      • 宗教ユニット「使徒」と「審問官」ならば異教徒の宗教ユニットに対して攻撃を仕掛ける事が出来る。この際は互いのユニット同士が雷を落としあう演出が入り、レベルアップスキル「論客」で強くなるので実際には説法をしていると思われるが負けると容赦なくユニットが死ぬ
      • 戦闘のルールは通常の軍事ユニットとほぼ同じだが、ユニットをロストするとその地点一帯から負けた宗教の信者が減り、勝った宗教の信者が増える為、軍事ユニット以上にロストに気を付けなければならない。
    • 宗教ユニットは「審問官」を除いては国境を無視して移動が可能な上に軍事ユニットのように警告を受けることはない。加えて宣戦布告の必要もなく、同盟国だろうが異教徒ならば神学戦争を仕掛ける事が出来るので握手しながらテーブルの下で相手の足を踏む…といった事が日常的に行われる。
      • ただし、他の文明の都市を改宗させると特に宗教を創始した文明からは確実に嫌われる。外交面でマイナスになる上に「聖戦」として開戦理由の一つにもなってしまう。都市国家や宗教を創始できなかった文明ならばそのまま布教を許してもらえるが当然ながら他宗教もそういった都市を狙っている。
    • 宗教ユニットの特性を生かして斥候代わりにする事も可能だが、蛮族や戦争中の文明の軍事ユニットに接触されると即排除されてしまう。この時も神学戦争で負けた時と同様に周辺一帯の信者が減る。
    • 都市を改宗されたとしても自国の領土内でならば「審問官」を使って審問させると他宗教の信者を効率的に排除できる。特に他宗教からの布教対策をおろそかにしていると知らない間に宗教勝利をかっさらわれれるので注意が必要。そのため、効率的に宗教を広めるために神学戦争(物理)に移行する事もよくある
      • 少々ややこしいが宗教ユニットを作る際は都市が主流としている宗教に合わせてユニットが作られるので、他の宗教に染まった都市で審問官を作って審問すると、自分が創始した宗教が排除されてしまうので注意が必要となる
  • アジェンダ
    • 今までの作品における指導者の志向をより細分化した要素。それぞれの指導者AIが「アジェンダ」と呼ばれる性格を持つ。
    • AIはアジェンダに則った内政を行う他、他の文明の指導者がアジェンダにかなった行動をとり続けると印象がよくなり、反する行動をとると悪くなる。外交感情が悪化した状態が続くと取引で不利になったり、非難されたり不意に宣戦布告をされる可能性も高くなる。
      • 例えばインドのガンジーならば非暴力主義者らしく「平和の守り手」となり、戦争をせずに平和的な文明を好む。一度でも戦争をする(ガンジーから提案される共同戦争に乗るのもダメ)とずっとこちらに対して悪印象を抱くようになる。
    • 指導者の歴史的背景に則した固有アジェンダの他「隠しアジェンダ」と呼ばれる物も存在し、ある程度の傾向はある*13もののゲーム毎にランダムで変化する上に最初は見る事が出来ない
      • civシリーズでは核ガンジーと呼ばれる伝説的なインターネット・ミーム*14が有名だが、本作では前作に引き続いてそのネタを採用した形となり、ガンジーの場合は高確率で「ニュークハッピー(核兵器を好む)」が隠しアジェンダに選ばれるという傾向になる。
    • アジェンダに反しない、使節を送る、文明間の交易をする、相手に有利な取引をする、近くに都市をつくらないなど機嫌を損ねる行動を避ければいずれAIとは仲良くなれる。

シナリオ

前作に引き続き登場。専用のルールや指導者などの条件で勝利を目指す。 アレキサンドロスを使ってひたすら戦争のみを繰り返す「アレキサンドロスの征服」等の王道的なものから、ペスト菌による黒死病により人口を減らしながら技術ツリーないし社会制度ツリーを完成させる「黒い死神」等、歴史を切り取ったシナリオが多数用意されている。

  • 既存の指導者もいるが、独自のテクノロジー(社会制度)ツリーや勝利条件、シナリオ限定の指導者も多数ある。最早ゲームシステムを流用した別ゲームと言えるほど作り込まれている。

追加DLCとゲームモード

追加コンテンツで複数の文明や追加シナリオ、大規模なゲーム性の変化を及ぼす「文明の興亡(RaF)」と「嵐の訪れ(GS)」の拡張パックが配信。加えてシーズンパスの形で「ニューフロンティアパス(NFP)」が販売されている

「文明の興亡(RaF)」

+ 長いので折り畳み
  • 時代スコアの追加
    • 自文明の中で初めて固有ユニットを作るなどの「歴史的瞬間」を迎えると「時代スコア」が得られるようになった。太古、古典等の、時代が移り変わる度に決められた時代スコアを得られているか否かで「暗黒時代」「通常時代」「黄金時代」を迎えられる。
    • 「暗黒時代」は後述する国民の忠誠心にペナルティがかかるがデメリットありの専用の政策が使用できるようになる。「黄金時代」ならば4つの「ボーナス公約」から一つを選択できる。
      • 黄金時代のボーナス公約は信仰力で労働者や開拓者といったユニットを買える「不朽」や、戦争による好戦性ペナルティを75%軽減できる「戦闘準備」といった文明の力を一気に加速させる強力な物が多い。
      • 暗黒時代専用の政策も「自国内での貿易が強化されるが、採用中は新たな都市を作れなくなる」等、デメリットを許容できるのならば強力。
      • 暗黒時代の中で黄金時代に相当する時代スコアを稼ぐと次の時代は「英雄時代」となる。この場合は黄金時代で選択できる4つのボーナス公約の内の3つを選ぶことが可能。
      • 暗黒時代はペナルティばかりではなく、英雄時代になるチャンスがある上に黄金時代に必要となる時代スコアが減少、逆に黄金時代になると次に黄金時代になるための時代スコアが加算されていくため、続けて維持する事が難しい。楽あれば苦ありなバランスとなっている。
    • 「黄金時代」以外ならば時代が変わったタイミングで「公約」(技術の「ひらめき」を発動するとスコア+1等)を決める。公約は達成する事で追加の時代スコアが得られる。
  • 忠誠心の追加
    • 都市毎に忠誠心を持つようになり、宗教や周囲の他文明の都市等の「圧」を受けるようになった。
    • 人口の多い他文明の都市に近い小都市は圧に負けてターン毎に忠誠心が低下し、産出量が落ちたり、忠誠心が0になると自由都市として文明から独立してしまう。
    • 自由都市は武力で攻め落とすか自文明の圧によって押し切るかで文明に加える事も可能。独立した時点で他文明の都市ではなくなるので攻め落としたとしても好戦性ペナルティにはならないし外交上のペナルティもない。
      • 安易な都市のねじ込みや飛び石作戦は通用しなくなったが、時代が進んだ後で領土を広げるチャンスが増えたともいえる。
    • 占領中の都市は忠誠心が低く簡単に離反してしまうため、複数の都市を持つ文明や別大陸への侵略難易度が上昇。事前に宗教を浸透させるなどの根回しや後述の総督の配備、圧に耐えられるように電撃戦を敢行するなど、様々な対処が必要となる。
  • 総督の追加
    • 文化ツリーを進めていく事で「官房長」「教育者」「城代」等の総督が得られるようになった。都市に赴任させることで総督の役割に応じた補正や特殊能力が得られる。
    • 都市の算出を増やす「官房長」や労働力を増やす「調査官」等、都市の役割に沿う総督を配置する事が重要。また、総督が赴任した都市は先述の忠誠が上昇する効果も得られる。
      • 能力「備蓄」により、人口を減らさずに開拓者を訓練できる官房長マグナスなど、それぞれの分野で非常に有用な能力を持つため、序盤から終盤まで非常に重要な存在となる。
    • 赴任には時間がかかるため、安易に切り替えは出来ない。
    • 総督の取得の権利は総督のレベルアップにも使用可能。総督の能力もツリー状となっており、レベルアップさせる事で総督の能力も上がっていく。
  • 同盟システムの強化
    • 単純に同盟を結ぶだけではなく経済同盟、研究同盟、文化同盟など同盟の種類が細分化された。結んだ同盟の種類によって双方に恩恵が得られる。
  • 緊急事態
    • 戦争で都市を占領した、宗教を創始した文明の首都が改宗された等の事態が起こると緊急事態として様々な文明に呼びかけが行われ、緊急事態の解消のために参加するか拒否するかを決定する事が出来る。
    • 緊急事態に応じて占領された都市を解放するなどの勝利条件を満たせば参加者側の勝利となり、逆に指定ターン耐え抜くと対象の勝利となり、勝利した方に多額のゴールドが分配される。

「嵐の訪れ(GS)」

+ 長いので折り畳み
  • 災害の追加
    • 川の氾濫、火山の噴火、砂嵐などの災害の要素が追加。一度発生すれば周囲のマスやユニット、市民に被害が出るが同時に土地が肥沃になる効果もある
      • 火山や一部の川には氾濫原として名前が付いた(日本の近くならば富士山、利根川等)。これらの近くの土地は頻繁に災害が発生するので開発には注意が必要となる。川ならばダムや一部の世界遺産である程度回避する事も可能。
      • 流星の落下といった災害の場合、落下地点にユニットを移動させることで騎兵ユニットが無料で手に入るといったメリットがある災害もある。
  • 電力、CO2の追加
    • 産業時代以降の一部の建造物には電力が必要となり、発電所等で電力を発電しなければフルに能力を発揮できないようになった。
    • そのために石炭発電所などがあるのだが、そういった建造物はCO2を発生させ地球温暖化を進めてしまう。地球温暖化が進むと海面が上昇し、海抜が低い沿岸のタイルが水没する。 その上に立っていた施設は略奪状態になる上に通常の手段では修繕できず、さらに温暖化が進むと水没してしまい二度と復活させる事が出来なくなる。貴重な戦略資源であろうが容赦なく沈むので泣くに泣けない状況になる事も
      • CO2を排出する行動を控える、完全に沈む前に防波堤を完成させる等である程度対処する事は可能。だが現実世界と同様に他文明の行動までは制御できないので海抜が低いタイルは将来的に沈む可能性を考えて取らなければならない。
      • CO2を排出し過ぎると後述の外交的支持ポイントにもペナルティが入る。
  • 外交的支持ポイントと世界会議
    • 「外交的支持ポイント」の要素が追加された。主に外交や「世界会議」で使用するためのポイントで政府の種類や都市国家の宗主国となる事でパラメーターが産出されて溜まっていく。
      • 他のパラメーターと違って、一部の建造物から得られることもあるが溜まる手段が非常に限られている。外交の条件にする事も可能なので他文明から譲ってもらう事も可能。
  • 中世時代以降に30ターン毎に「世界会議」が開かれ、そこで提案されるランダムの議題(特定の資源の効果を増やす or 減らす等)に賛同するか却下するかの票を投じる事が出来る。
    • 各議題は2つの選択肢が用意され、どちらかに票を投じる事が出来る。他の文明からも同時に票が投票され、全員が出そろったところで開票が行われ、議題の可否が決定する。
    • 投票は1票目ならば無料だが2票目以降には「外交的支持ポイント」が必要となる。当然ながら大量の票を入れる事で自分が望む議題を通すことが出来る。可決された議題の効果は次の世界会議までの間有効となる。
    • 「Raf」で追加された緊急事態も世界会議に吸収された他、災害が発生したターンに臨時で世界会議が行われる事もある。
      • 緊急事態の当事者ならばそこでも外交的支持ポイントを使って賛同するか却下するかを選べる。例えば自分が他文明の都市を占領したことによって世界会議が開かれた場合、他文明の賛同を上回る票を投じて却下しなければ可決されてしまい、ペナルティを受けた上で賛同した文明すべてと戦争状態になってしまう。
    • 災害要請では被害を受けた文明に対して「支援プロジェクト」を実行したり外交でお金を贈呈するとスコアを稼げる。賛同した他文明よりも多くのスコアを稼ぐと勝利となり、順位に応じた報酬をもらえる。
      • もちろん、自分が被害を受けた場合は外交的支持ポイントを使って緊急会議を要請する事が可能。可決されることで他国から支援を受ける事が可能。参加しておきながらやる気のない文明も多いが
    • 偉人ポイントなどを競い合うスコア型コンペの議題が混ざる事がある。
      • 賛同すると30ターンの間に他文明と議題に応じたスコアを競い合う。スウェーデンがゲームに登場していると「ノーベル〇〇賞」といった特別なスコア型コンペが行われることもある。
      • 災害要請もスコアコンペの一種となり、報酬として「外交勝利ポイント」が得られることがある。「外交勝利ポイント」は世界会議の議題や一部の世界遺産でしか稼げないため、外交勝利を目指す場合は積極的に参加する必要がある。
    • また、他の文明の首都を占領している、大量にCO2を排出している、他の文明からの不平が多すぎる等の理由で外交的支持ポイントの収入にペナルティが加えられてマイナスになってしまう事もある。特に制覇勝利を目指す場合はよほどの対策をしない限り外交的支持ポイントが0になってしまい、世界会議での立場が非常に弱くなってしまう。
  • 戦略資源の仕様変更
    • 戦略資源の仕様が備蓄消費型に変更。例えば以前の仕様の場合、剣士ならば「鉄」が2つ(兵営がある都市ならば1つ)あれば生成が可能だったが、戦略資源が毎ターン産出、備蓄されるようになり鉄を20消費すれば生成が可能となった。
    • 必ずしも兵営を建てずとも戦略資源を要するユニットを作れるようになった反面、大量のユニットを作りにくくなった。いわゆるラッシュと呼ばれる行為に対する対策にもなっている。
    • また、近代につれて軍事ユニットには毎ターンの維持費の他に特定の戦略資源が必要となる(例:爆撃機や戦闘機は毎ターン1のアルミニウムが必要)。戦略資源を払えないと弱体化してしまう。
    • 石炭、石油、ウランはそれぞれ発電所にも使用するため、軍事ユニットとのバランスを考える必要も出てきた。
  • 好戦性ペナルティの仕様変更
    • 好戦性ペナルティは「不平」と名前を変えて文明間同士で抱くという形になった。
      • 相手に非難や宣戦をされた、外交上での約束を破られた(無視された)、自分が宗主国ないし代表団を送った都市国家を攻撃されたといった行動をとられると相手に対して「不平」が上昇する。
      • 相手への不平が存在するとその分、自分から与える不平が帳消しになる。従来の「好戦性ペナルティ」は理由に関係なく不平が発生する行動をとるだけでペナルティになっていたのでよりフェアな改良となったといえる。うまく不平が溜まるように誘導出来れば終盤でも他文明との関係を維持したまま戦争をする事が可能となっている。
      • 「不平」は具体的な数値で表現される上にどういった理由で上昇したか、あと何ターンで無くなるかがわかるのでヘイトコントロールが格段にしやすくなった。
      • 外交上の約束を実行する際に外交的支持ポイントが必要になったが、約束は守らない上に断られるだけでほとんど意味がなかった従来の仕様に対して相手に対しての不平を得るという明確な意味が生まれた。それに伴い、「要求を無視する」という選択肢が廃止された。
      • ただし、相手に不平を与えすぎてしまうと他文明との外交にも大きなペナルティが入る点は旧来と同様。不平が溜まり過ぎた文明を残して悪影響を受け続けるぐらいならば滅ぼした方がマシではあるが。文明を滅ぼすと関係を結んでいた他文明から強く不平を抱かれるが、戦争状態でなければターンの経過とともに互いの不平は減っていく。
  • 未来時代の技術や社会制度の追加
    • 特に目を引くのは巨大戦闘ロボット(Giant Death Robot.通称GDR)だろう。非常にコストが重い上に貴重なウランを毎ターン消費するが、改良を加えれば陸海空合わせて最強の性能を誇るロマンの塊。
      • 未来時代の黄金時代の報酬や高難易度のゲームとなるとAIもこれに手を付ける為、文明間でスーパーロボット大戦…なんて事にもなりうる。

ゲームモード

主にシーズンパスとなる「ニューフロンティアパス(NFP)」の要素ではあるが、一部のモードは無料アップデートで追加された。 ゲーム毎に使用するかを決める事が出来、ゲームバランスを大きく変化させる。

  • 技術・社会制度シャッフル
    • 無料アップデートで追加。
    • 文字通りの技術ツリーや社会制度ツリーがシャッフルされるもの。ただし一つの時代の中でシャッフルされるため、太古にいきなり情報時代の技術が登場するといったことはない。
    • ツリーの全貌が見えなくなる他、ブースト条件が満たしにくくなるため確実に難易度が上昇する。通常のツリーに飽きたりゲームに慣れた熟練者向けモード。
  • 蛮族の部族
    • 無料アップデートで追加。
    • モブ蛮族がいなくなり、マップに応じた7種類の部族が登場。蛮族の前哨地を長時間放置したり、取引をする事でやがて都市国家に成長する。
    • 前哨地は自動で破壊するのではなく、「襲撃」してゴールドだけを強奪する事も可能。「粉砕」した場合は前哨地の消滅に加えて経験値が10得られるほか、蛮族が盗んだ技術から特定のブーストが得られる事があるので従来の蛮族よりもうま味が大きい。
    • 蛮族との取引が出来るようになり、金を支払う事で自文明への襲撃をやめてもらったり、さらわれたユニットの解放、蛮族の雇用、他の都市を攻撃するように扇動したりできる。
      • 「蛮族の雇用」は蛮族の所持する中で最強のユニットを1体買い上げるというもの。都市国家の徴兵とは違い雇用期限が存在しないため、技術開発が遅れている状態でも金次第で強力なユニットを手に入れる事が出来る。
      • 都市国家に有利なUAを持つ指導者ならばあえて放置して都市国家に成長させてから利用する事も出来る。
    • また、参加していない文明の固有ユニットを引き連れている場合もある。うまく引き入れることで多国籍軍のような楽しみ方も出来るようになった。
+ 以降はNFP前提となるので隠し
  • 黙示録
    • NFP第1弾「マヤ&大コロンビアパック」で追加。
    • 「Raf」で追加された災害がさらにひどくなり、専用の災害が追加される。またスコア型コンペの「人身御供」や「終末の預言者」といった専用ユニットも登場
      • 「人身御供」は火山の近くで文字通りユニットを生贄にしてスコアを稼ぐというもの。好スコアを得ることで「終末の預言者」をレベルアップさせる。
      • 「終末の預言者」は災害を起こすというユニットとなり、主に他文明との戦争で使う。ただしCO2を排出するため、地球温暖化が進んでしまうデメリットもある。
    • このモードのみ、CO2が上がりすぎてしまうと、彗星の落下で1都市が丸ごと消滅させられるような厳しい災害が起こるようになり、やがてこの世の終わりとして強制的にゲームが終了してしまうため、殊更気を付ける必要がある
  • 秘密結社
    • NFP第2弾「エチオピアパック」で追加。
      • 「文明の興亡」や「嵐の訪れ」に追加された「総督」を拡張したもの。
      • 世界規模のつながりを持つ4つの秘密結社が存在し特定の条件を満たすことで接触する事が出来、以後は総督のレベルアップに同様に文明全体に様々な恩恵を得る事が出来る。
      • ただし、一度入った秘密結社は抜けられず、異なる秘密結社に属する文明に知られると嫌われるようになるのでタイミングも重要となる。
      • 単純に文化力やスパイを強化する秘密結社もあれば、カルト教団員や吸血鬼をユニットとして使えるようになるといった風変わりなものまである。
  • 波瀾の時代
    • NFP第3弾「ビザンティン&ガリアパック」で追加。
    • 「文明の興亡」に存在する時代スコアの概念をさらに尖らさせたもの
      • 時代以降時には暗黒時代か黄金時代にしかならなくなり公約もなくなる。特に暗黒時代になると最低一つの都市が自由都市に反乱してしまう。
  • 英雄と伝説
    • NFP第4弾「バビロンパック」で追加。
      • ヘラクレス、アーサー、孫悟空といった世界の様々な英雄が登場し、自文明に召喚できるようになる。
      • 英雄譚プロジェクトや探索などで英雄を発見した後、モニュメントを作り、英雄に対応する社を作れば召喚出来るようになる。
      • 英雄は戦闘出来ない卑弥呼を除いてはその時代のあらゆる戦闘ユニットよりも高い戦闘力を持ち、特に強い英雄ならば単体で無双が出来るほど強力。また「チャージ」を使って英雄にちなんだ固有能力を使う事が出来る。
      • ヘラクレスならば即座に区域を完成させる「ヘラクレスの功業」が非常に強力。他文明への嫌がらせ兼自文明へのブーストとして高級資源を刈り取って科学力、文化力を大量に発生させるアナンシ、太古時代から外海に行ける上に蛮族から大量の金を巻き上げれる真の蛮族シンドバット等、どの英雄も召喚すればゲームバランスを一変させるような強力な能力を持っている。
      • 遺産と同様に他の文明と取り合う形になる他、英雄には寿命が存在し、寿命が尽きたり戦死したりすると遺物を残していなくなってしまう。1時代に1度だけ信仰力を使う事で再度召喚できる*15が召喚する度に必要となる信仰力は増加する。
      • 遺産とは異なり、一度他文明に召喚された英雄はその文明を滅ぼしたとしても自分のものにする事は出来ない。目当ての英雄を見つけたら速やかに召喚する必要がある。ただし、召喚する英雄が増えるほど社のコストも上がっていくので慎重に選ぶ必要がある。
  • 独占と大企業
    • NFP第5弾「ベトナム&フビライ・ハンパック」で追加。
    • 高級資源を複数使って新たな産業や大企業を築き上げる。都市の快適性と外交の手段としてしか存在しなかった高級資源に新たなバフ効果を与えるというのが主な内容。
    • 高級資源を独占することで観光力とゴールドボーナスを得る事も出来る
  • ゾンビと撃退
    • NFP第6弾「ポルトガルパック」で追加。
    • 蛮族に紛れてゾンビが登場するようになる。
    • ゾンビにユニットが倒されると次のターンでゾンビとして復活し、また倒す度に変異してどんどん戦闘力が強化されるという恐怖のモード。
      • 対抗手段として罠を貼ったり、都市プロジェクトの悪霊退散でゾンビを操って手ごまにするという事も可能

評価点

  • やめ時を見失う面白さ
    • 今作も非常に複雑で大ボリュームのゲームである。勝利条件を満たすために道筋が無数に存在し、様々な判断を求められるのでプレイをする度に新たな発見があるといってもいい。何十周もプレイしたがこの要素は知らなかった(使いこなせなかった)というのも当たり前に存在する。
    • 勝利条件を目指すにしても他の文明との衝突は避けられない。宗教の創始レースをはじめとして、勝利条件を満たそうとする他の文明の一挙一動を読み、いかに邪魔をして出し抜くかに頭を使う事になる。
      • 勝利目前の文明に戦争を仕掛けたり、スパイを使って傑作を盗んだり、金で傑作を買いあさったり、宇宙船基地を略奪してプロジェクトの足止めをするなど、様々な妨害手段もある。
    • 従来の作品と同様にプレイする度にマップや参加する文明が変化する。今作はさらに都市国家や偉人も固有能力を持つようになったため、より異なる展開を楽しむことが出来る。
  • 区域の追加により、より『シムシティ』のような箱庭内政の楽しみが増している。
    • 単純な地形の相性の他、指導者や文明による補正も加わるために区域パズルのルールもプレイする指導者毎に変化する。文明や指導者によってはツンドラや砂漠のような不毛地帯からも大量のリソースを産出させる事も出来る。
    • 念入りに計画を立ててもテクノロジーの進歩により領土内に遺物や戦略資源が発見され、その対処に追われるといったイレギュラーな要素も多々発生する。その都度、計画を練り直しながら都市を発展させていくのが楽しい。
  • ゲーム要素こそ複雑だが、説明書といえる「シヴィロペディア」は非常に丁寧に解説しており、また要素や指導者等の歴史的背景も説明してくれるので単純に読み物として面白い。
    • また、スマホアプリで独立してダウンロードする事も出来る。
  • カスタマイズ性の豊富さ
    • マップの種類、大きさ、登場する文明、ゲーム全体のターン数、開始する時代、特定の勝利条件のON・OFF、拡張パックの有無など非常に細かいカスタマイズをする事が出来る。
    • こだわれば長すぎず、短すぎずと適度なボリュームでゲームを作る事も出来る。
    • 「ワールドビルダー」モードでマップを自作する事すらできるようになった。
  • 日本語に完全対応
    • 特に前々作の『IV』では知名度が高く、多くのプレイヤーをシリーズに引き込んだ良作だったが、日本語版の発売元である会社が解散した等の都合上、完全日本語版をプレイする敷居が非常に高くなっていた。
    • 本作は最初から公式で日本語に対応しており、シリーズの特徴ともいえる研究完了時の格言や助言者のセリフも「鈴村健一」氏や「東山奈央」氏といったプロの声優による日本語の読み上げとなっている。助言者は顔の濃さのわりにかわいい声を出すようになってしまったが
      • 各指導者の固有セリフは吹き替えではないが、それぞれの文明の言語で喋るため、リアリティがあるといえる*16
      • 前作ではやや違和感があった指導者のセリフの日本語訳も改善されており、それぞれの指導者のイメージに沿った翻訳がなされている。
    • 当然ながらマルチプレイにも対応している。
  • BGM
    • 多くの文明がテーマ曲を持ち、時代に合わせてアレンジが変化するという凝りよう。また文明のテーマ曲はその国の音楽を原曲としているものも多いため、雰囲気も抜群である。ロシアの「カリンカ」やイギリスの「スカボローフェア」「グリーンスリーブス」等、誰もが一度は聴いた事があるような曲もアレンジされている。
    • メインテーマの「Sogno di Volare」の歌詞はかのレオナルド・ダ・ヴィンチの手記を元にしたとされ、歌詞と曲の壮大さと合わせてゲームのテーマに非常にマッチしており、好評である前々作のメインテーマに「Baba yetu」も劣らない名曲となっている。
  • 個性的な指導者たち
    • アジェンダによって指導者たちのAIは非常に個性的になっている。
      例えばシリーズ常連のアステカのモンテスマは、「高級志向」を持ち、ひたすら高級資源を集めたがり、自分と同じように高級資源を収集する文明に好意的だが、モンテスマが持っていない高級資源を手に入れると途端にキレてくる
      他にも自分に友好的な文明を好むので出合い頭に友好を宣言するとまず乗ってくれるチョロいと評判のシュメールのギルガメシュ、他の文明(ただし自分以外)と戦争を続ける文明を好み、講和するなり、滅ぼすなどして戦争が終わった瞬間にキレる狂犬のようなアレキサンドロス等、少しプレイするだけでもわかるような非常に個性的なAIが揃っている。
    • メチャクチャわがままだがただの戦闘狂AIではなく、アジェンダに従うことで高難易度でも関係悪化を回避する手段にもなっている。ただし、アジェンダによっては後半につれて達成が厳しくなるものもあり*17、いずれは関係が悪化する事も覚悟しなければならない。そもそもこちらが弱いと知るや友好的だろうがへったくれもなく奇襲戦争してくる奴も多いが
      • 先述のアレキサンドロスや宗教を創始した時点でアウトなサラディン(宰相)等、そもそも嫌われること前提なアジェンダを持つ指導者が隣人になった時は覚悟が必要となる。
    • 隠しアジェンダによる揺らぎが加わるので毎回同じ展開にならないというのも良い。
  • もちろん、プレイヤーが使用する場合でも指導者の個性の強さは健在。凡庸な指導者は存在せず、あらゆる方向に尖った個性を持つので指導者の数だけゲームバランスが変化するといってもいい。
    • 「宣戦されたり、都市を解放すると10ターンの間、生産力が+100%」されるオーストラリアのジョン・カーティンや、「得られる科学力-50%という強力なデバフがかかるものの、ひらめきよるブーストが発動すると即研究完了」というかっとんだ能力を持つバビロンのハンムラビなど、様々な方向にぶっ壊れた能力を持つ指導者が多い。
    • DLCを含めると最終的に文明の数は50、指導者は77名に及ぶ。
  • 歴史好きには楽しめる部分が非常に多い
    • 登場する国家や指導者、名前、様々な要素は現実の歴史をモチーフにしているが、先述の通り、世界はランダムに作られるし、指導者の年代もバラバラなので歴史の知識が浅くとも問題なくプレイできる。むしろかなりマニアックな文明や人物も登場するので本作をプレイして歴史を知ろうとする糸口にもなる。
    • 指導者のグラフィックは前作までのリアル調からややデフォルメされた物に変化したが、肖像画や写真の特徴をよく捉えている上に愛嬌もある。
      • そういった指導者達が怒ると武器を振り回したり、踏み台を蹴飛ばしたりと凝ったアニメーションを見せるので見た目にも楽しめる。
    • DLCで追加された日本の徳川家康もモンゴリアンな『III』、信長みたいな見た目の『IV』と違い、恰幅のいい狸親父という日本人が抱くイメージに近い姿となり、衣装にも特におかしな点はない*18。北条時宗とあわせて今までのシリーズで見られたような日本への理解不足はかなり解消された。明治維新とエレクトロニクス工場は大目に見よう
    • 世界会議の議題の中には大量破壊兵器(核兵器)を持っていると、「抑止力として他の文明にも同じだけ大量破壊兵器を持たせる」か、「すべて廃棄させられる」かのどちらかに投票するかの議題が上がる事がある。災害支援の要請も含めて現実世界と照らし合わせれる要素も多い。
    • フビライ・ハンと北条時宗、トミュリスとキュロスといった互いに因縁がある指導者も多数おり、互いに相反するような能力やアジェンダを与えられている事もある。

賛否両論点

  • 蛮族が強い
    • 未探索ないし視界から外れた場所から湧き出てくる蛮族がやたらと強い。その時点で一番科学力がある文明に合わせて強化されるので、高難易度や科学力で出遅れていると自分よりも世代の進んだ強力な軍事ユニットが大量に出現し襲われることになる。
    • そうでなくともスイッチが入ると、戦略資源やコストを無視して頻繁にスポーンされるので生産力がなく、ユニットが揃えられない序盤では対処しきれない。一応、蛮族の斥候が都市を発見して逃げるまでに始末できれば対処可能だが…、追いつかない頻度で斥候が登場する事も多い。
    • 仕様上、科学技術に特化した文明が出てくると、蛮族なのに原子力潜水艦や戦車を擁する軍団になる。civ6最強の敵は蛮族と冗談交じり(半ば本気)に言われることも多い。
      • 蛮族はダメージを受けても回復しない等の「仕様」を理解すれば襲われても凌げるようになるが、それまでには経験が必要となる。
    • 加えて一度レベルアップしたユニットならば倒しても経験値が1しかもらえないというしょっぱい仕様なのでたいていの文明の場合足かせにしかならない。
      • 使徒のレベルアップで得られる能力で改心させて味方につける、一部の指導者や文明ならば蛮族を利用できる能力を持っている等、全くの邪魔にしかならないわけではないが…。
    • 設定でオフにすることも出来るほか、無料アップデートで追加された「蛮族の部族」を適用した場合は、様々な旨味が生まれるため、ストレスを軽減できる。
    • 「Raf」以降の反乱を起こして自由都市になった場合に発生する軍事ユニットも蛮族と同様。なので反乱される前よりもはるかに強いユニットが出現する事もザラ。
  • 追加コンテンツによる大味なバランス変化
    • DLCによるゲームモードには賛否両論を呼ぶものが多く、好評なものでも導入する事でゲームバランスが大味化する。
      • 「英雄と伝説」モードは全体的に好評だが、困ったらヘラクレスを呼べば万事解決と言えるほど強力な英雄が決まっている。コストが重い区域もヘラクレスに任せれば一瞬で完成させれるため、プレイヤーはエウリュステウス王よろしくひたすらヘラクレスの功業を連打しがち。もはやヘラクレスを見つけれるか否かで、効率の良さが天と地の開きとなる。
      • 「ゾンビ襲撃」モードはかなり不評寄り。蛮族もびっくりなリスポーンの多さ、倒す度に変異して強化されることから、考えなしにゾンビを倒すと詰む。対策を打てなければプレイヤーもCPUも太刀打ちできずに蹂躙されていく事になる。上記の蛮族によるバランスがさらに悪化したものとなる。
    • DLC追加される文明(指導者)も、「バビロン」や「大コロンビア」はさすがにゲームバランスを崩し過ぎという声もよく聞かれる。
      • 「バビロン」は決して初心者向けの文明ではないが、使いこなせば紀元前に複葉機を飛ばすという荒業が実現可能。CPUに回られてもこちらがようやく剣士を解禁した辺りでマスケット銃兵戦列歩兵といった数世代先のユニットを既に解禁しているというぶっ飛びぶり。これにより蛮族がバビロンにあわされて超強化されるという余計な副産物も生まれる。マルチプレイでは自ずと出禁扱いされることも少なくない。
      • 「大コロンビア」は「全ユニットが移動力+1となりレベルアップしても行動終了にならない」「時代が進むごとにバフ効果が大将軍の上位互換な上に、大将軍と併用するとバフ効果が重複する専用の偉人「大司令官」が無料で手に入る」能力を持つ。 つまり他の文明では偉人ポイントや政策を駆使してようやく得られるものの上位互換をいくつも持っており、使いこなすと接近戦闘ユニットは常に一世代強い戦闘力を有し、騎兵並みの移動力で動くという強すぎる文明となっている。

問題点

  • ゲームを開始する敷居は低いが、プレイするには高い
    • 非常に複雑で要素の多いゲームなので、内容を把握するには何十、何百にも及ぶプレイ経験が必要。1か月プレイしてようやく初心者になれるとわれるほど。
    • 本作でもチュートリアルは存在し、丁寧ではあるが簡潔にするためにごくごく基本的な事しか教えてもらえない。勝利条件も制覇勝利のみとなり、重要な要素となる「住民の再配置」や「都市国家」「宗教」などはノータッチ。加えて選べないように機能も制限されている。
      • チュートリアルは数時間のプレイ時間を要す上にセーブが出来ないという問題点も持つ。
    • なのでシヴィロペディアを見つつ、ゲームを何度も繰り返して覚えて行く事になる。「習うより慣れよ」を地でいく内容。
    • 面倒な設定なしで即ゲームを開始できる「今すぐプレイ」もあるが難易度は「王子(4段階目)」で固定。少なくともチュートリアルを終えたばかりのプレイヤーで太刀打ちできる難易度ではない
      • 本作では難易度によってプレイヤーないしCPUに補正がかかる。最初期は「王子」がイーブンの設定だったが、アップデートによって「王子」にも補正がかかるようになったのでプレイヤーとCPUが完全にイーブンになる難易度が存在しなくなった。
      • プレイヤーの文明も自動で決められるため、DLCを入れていると海の上から開始するマオリや熱帯雨林にしか区域を置けないベトナム等、初心者がプレイにするにはマニアック過ぎる性能の指導者にあたる事もしばしば。とくにマオリでは開拓者が上陸した途端に蛮族に捕獲されてゲームオーバーという様式美まである*19
  • 高難易度のバランス
    • 難易度の設定が高まるにつれてCPUの補正がひどくなり、まともに太刀打ちできなくなる。最高位の「神」となると生産力、ゴールドなどで倍近い差をつけられ、開拓者や戦士も追加で登場するなど徹底したCPUチートが行われる。
      • 影響を受けて宗教の創始の運ゲー度が増したり、AIの優先順位が高い遺産はまず手に入らないなどプレイの幅が狭まり、理不尽といえるようなバランスになっている
      • ただし、圧倒的に不利な序盤を切り抜ければ後述するAIの弱さから勝利を狙えるバランス…という塩梅になっている。
  • 後半に連れて増大する作業量
    • 前作でも問題点となっていた点だが、今作ではユニットの軍団化や連結。道の自動設置などで幾分か楽になった部分はあるものの依然として多い。
      • 宗教ユニットには軍団化が無い為、神学戦争では大量にユニットを生産していちいち各都市に向かわせなければならない。軍事ユニットで解消された問題点がそのままになっている。移動の自動化もあるが、効率がよくないルートが選ばれることも多い
      • 従来の作品と同様に『信長の野望』などに存在する都市の行動そのものを委任するコマンドはないため、都市の数が膨大になってくると必然的に作業量も増える。
    • 世界の様子が明らかになるにつれて他の文明の行動も描画されるため、1ターンにかかる時間も増えてしまう。
  • CPUのAI関連
    • 非常に要素が多いゲーム故か、部分部分でAIが要素に対処しきれていない部分が散見される
    • アップデートで改善されたものの、飛行機をあまり作らずにプレイヤーが爆撃機や戦闘機を整備してしまえば一方的に無双できるようなバランスだった。
      • そうでなくとも戦争のユニットの動かし方が下手で、長距離ユニットだけで都市を攻撃したり(仕様上落とせない)、攻囲ユニットを使わずに城壁に騎兵ユニットでひたすら特攻するなど*20、かなり問題のある戦い方をする事も多い。
    • 区域の配置が下手でボーナスを考えずにメチャクチャな配置をする。
      • 日本の明治維新(区域を出来るだけ隣接させるとボーナス)や韓国の書院(隣に区域を置いてしまうとマイナス)等のルールは考慮されないため、それらの文明の強みが発揮されない。
      • 下手な配置に置かれたCPUの都市を占領しても区域の再配置は出来ない。都市を完全に破壊すれば存在そのものを消せるが再度開拓者を作る手間や好戦性ペナルティがきつくなるため、そのまま使わざるを得ない。
    • ゲームモードの「ゾンビ撃退」や「波乱の時代」ではAIがシステムに対処しきれずに食いつぶされて都市国家が滅亡したり、首都が陥落寸前になっていることも多々ある。
      • 「英雄と伝説」ではAIはチャージを用いた英雄の能力を使わない。自分よりも弱いユニットを一撃で排除するベーオウルフや、そもそも戦えない卑弥呼はAIにとっては宝の持ち腐れ。プレイヤーが有利になるモードとなっている。*21
    • AIは宗教や遺産の建設、文化等の全方向にフラフラと手を伸ばすので、勝利条件に向けて行動を絞ったプレイヤーには及ばない。この事は指導者UAによって聖地の建設や創始が出来ないコンゴのムベンバが余計な行動が絞られることによって強文明に育ちやすい事からもうかがえる。
  • UI関連
    • 指導者が選びづらい
      • 日本語版ではゲーム開始時の指導者選択画面での指導者の並びが「あいうえお・漢字順」となるため、同文明の別指導者(モンゴルのチンギス・ハンとフビライ・ハン等)で遊びたい場合は非常に探しづらい。
      • このゲーム独特の呼称(テディ・ルーズベルト)や異名を含む名前(苛烈王ハーラル)もあるので素直に文明毎に選べる方式ならば問題がなかったのだが…
    • 情報が表示しきれていない
      • テクノロジーや社会制度を開発すると古い戦闘ユニットや政策が廃れて使用できなくなるが、それに関する忠告がない。より上位のユニットや政策に置き換えれる場合ならいいが、規律(蛮族相手に戦闘力+5)や測量(斥候ユニットの経験値2倍)といった有用な政策が、「先住民の征服(古い時代のユニットを倒すとゴールドがもらえる)」といった全く関連性のない政策によって陳腐化することもある。シヴィロペディアや攻略情報を見ながらプレイするしかない
      • 特に「土木工学」を研究してしまうと「攻城塔」「破城槌」といった都市攻城支援ユニットが作れなくなってしまうのはかなり痛い。これらのユニットは必要とされる時期に制限はあるものの、まだ使い出がある時期に廃れてしまう。
      • 産業時代以降の建設物やユニット…といった特定の時代で区別される要素も解説文だけでは情報が拾いづらいため、判断しにくい。
    • カーソルのフォーカス関連
      • 何も選んでいない時ならともかく、ユニットに指示を出す最中などでもお構いなしに別の都市やユニットなどの情報にフォーカスを奪われる事が多々ある。移動しようとしてユニットや都市の情報の表示に阻まれたり、気づかない間に他文明の都市にカーソルが当たって外交画面が呼び出されたりと細かい所でUIの出来が良くない部分がある。
  • 一部のバランス
    • GSで追加されたロックバンドは他文明に対して非常に大きな観光力をもたらすが、コンサート後に確率で解散してしまう事が多い。考えなしにコンサートをすると解散確率は50%と高い。工夫する事で確率を下げることも出来るが、上がる量の観光力も法外さと効率の悪さもあって大味、運ゲー化したとと嫌われる事もある
    • GSで災害は頻度を下げる事は出来るが、なくすことはできない。千年に一度の水害といいながらしょっちゅう起こる。長い目で見ればタイルが肥沃になるのだが、災害の度に賽の河原の如くタイルの改善が破壊されたり人口が減らされるために快く思われない事も多い。
  • 翻訳関連
    • 残念ながら本作でも誤訳やわかりにくい訳はちらほらある。例えば城代ビクターの解説にて「3ターンで完成する」という解説があるが、これは「3ターンで着任する」という意味になる。
    • ユニットの「レンジャー」や斥候ユニットのレベルアップの一つである「レンジャー」等、意味が全く違うのに名称が重複してしまっている部分も散見される。

総評

拙いAIや大味なバランス面が見られるものの、区域パズルや多彩な指導者によって深みが増し、やはり後一ターンだけ…とのめり込んでしまう魔の中毒性をもつゲームである。 プレイを繰り返す度に新たな発見そして反省点が生まれ、効率のいいプレイを探すうちに何十周も遊んでしまう魅力を持っている。


余談

  • 日本の指導者は「北条時宗」という意外なチョイスだが、その姿は一般的に知られる剃髪した姿ではなく、大河ドラマで時宗を演じた狂言師・俳優の和泉元彌を明らかに意識したものとなっている。
    • 加えて北条の三つ鱗の家紋をあしらった衣装を着ており、日本人から見る分には全くおかしくはないのだが、海外のプレイヤーからはあの神聖な紋章にしか見えないため、「Zelda Fan Boy」というニックネームをつけられてしまった。
    • 時宗自身の選出は意外性はあるものの、元寇という国家存亡の危機を切り抜けた確かな実績を持つ為、日本人のユーザーからは好意的にとらえる声が多い。
最終更新:2024年09月09日 15:49

*1 ユーザーからは「地球」ではなく、作者の名を冠した「シド星」と呼ばれている。

*2 シヴィロペディアを見る限り、エレクトロニクス工場は戦後にソニーが築きあげた工場が発端となりその先端を走った日本のエレクトロニクス産業の事を示している。

*3 徳川家康の指導者UAは「幕藩体制」となり、国内での交易が強化される反面、国外との交易が弱体化するという鎖国を意識したものとなる

*4 厳密にいえばこの2つは旧バージョンのテディがMODにより派生した形となるため、MODの切り替えにより最大3バージョンのテディをつかう事が出来る

*5 邂逅したターンならば使節を受け入れてもらいやすく平等な取引も可能だが、1ターンが過ぎると状況に応じて友好度が変化し、敵対的な態度を取られる事も多い

*6 それぞれの文明が持つ都市の大半で主流宗教となる

*7 かいつまむと、特定のタイミングで開かれる世界会議で「外交的支持ポイント」で票を入れる事で入手したり、自然災害で危機に陥った他の文明の復興支援や、ノーベル賞等の様々なコンテストで優秀な成績を残すなどで世界にアピールをするとポイントが得られる。

*8 首都が陥落しても即敗北はならないが制覇勝利を目指す場合は取り戻す必要がある。

*9 一部、人口の条件が必要ない区域も存在する

*10 戦争中で敵対状態になったとしても相手国以上の代表団を送って宗主国から引きずりおろせば和平ないし、裏切らせる事も可能。

*11 絵画ならば作品そのものが、音楽ならばフレーズの一部が、作家ならば作品の一文が朗読される等

*12 「国土回復戦争」ならばかつて相手にとられた都市を取り返す分にはペナルティが発生しないが、関係のない相手の都市を奪うとペナルティが発生する

*13 固有アジェンダと重複したり、反するようなものは選ばれない。またテディ・ルーズベルトが「環境保護主義者」になりやすいといった独自の傾向も存在する。

*14 シリーズ初期の頃、ガンジーは攻撃性が最低の「1」という平和主義者だが、プレイヤーが「民主主義」を選ぶと攻撃性がマイナスされてオーバーフローを起こし、超攻撃的になって核兵器をぶっ放してくるというもの、ただし、製作者は明確に否定している。

*15 この際に英雄の戦闘力も時代に合わせてアップデートされるので最後まで頼りになる

*16 アメリカやイギリスの指導者ならば英語で喋るし、日本の指導者(北条時宗や徳川家康)ならば日本語で喋る。ただし時宗は時代の違いから古語で喋り、家康はほぼ現代語で喋るといった拘りが見える。

*17 アメリカのリンカーンは自分と同じ政府になっていない文明を極端に嫌い、ドイツのルートヴィヒ2世は区域を最大限まで持たない文明を好むので開発が進むと嫌われやすい等。余談だがルートヴィヒ2世のAIはこのアジェンダを律儀に守るので他の文明よりも「区域を1つ多く作れる」というドイツのUAをドブに捨てる変人となっている。

*18 前作に登場した織田信長は腰に二本、背中に一本の刀を持つ「三刀流」という妙な装いだった。今作の家康は甲冑を着て刀と家紋が施された軍配を持つという特に問題のない装いとなっている。

*19 ちなみにCPUもマオリを持て余している節があり、おかしな都市配置になったりプレイヤーと同様に早々に蛮族に滅亡させられたりする。このため、ゲームを荒らす存在として、あまり好まれていない

*20 そもそも騎兵ユニットは攻城ユニットの恩恵を受けられないため、最も攻城戦が苦手な戦闘ユニットである。

*21 ただし、英雄のチャージ能力は使いこなされるとチート級なものばかりなので助かるともいえるが。一応、AIでも卑弥呼をバフ要因として使用している節が見られる