Atari Karts
【あたりかーと】
ジャンル
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レース
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対応機種
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ATARI Jaguar
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発売元
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Atari Corporation
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開発元
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Miracle Designs
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発売日
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1995年12月22日(北米)
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レーティング
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ESRB:K-A
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プレイ人数
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1~2人
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判定
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なし
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ポイント
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どう見ても『スーパーマリオカート』 元ネタと比較しなければそこそこ遊べる出来
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概要
ATARI Jaguar用ゲームとしてリリースされたカートレースを題材にしたレースゲーム。
開発はベルギーのMiracle Designsが担当。
特徴
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カートレースを題材にしたレースゲーム。
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グラフィックは2Dのドット絵だが、三人称視点で奥行きのある表現を使用している。
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基本操作は、方向キーでハンドリングとバック、Aでアクセル、Bでブレーキ、Cでボーナス(後述)を使用できる。
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コース上にはボーナスがあり、上を通ることでボーナスを取得できる。
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ボーナスはCボタンで使用可能だが、ボーナスの種類によっては取得した時点で、自動的に使用されるものもある。
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取得できるボーナスは場所ごとに決められており、見た目で判別が可能となっている。
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難易度は「BEGINNER」「WARRIOR」「MIRACLE」「JAGUAR ACES」の4つ。
問題点
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あまりにもマリオカートに類似し過ぎている。
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本作を見て大抵の人がまず最初に感じる感想は、SFCの初代『スーパーマリオカート』のパチモン臭が半端ないということである。
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グラフィックからしてそのまんまなのはもちろん、コースの順位が上であるほどポイントが貰えたり、カップでは一定順位を保たないと脱落する仕様など、とにかく『マリオカート』過ぎるのである。
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こうなったのには一応理由があり、Jaguarのテスト用にSFCのMode 7をエミュレートしたデモを作成したところ、感銘を受けたアタリから『スーパーマリオカート』みたいなゲームを作るよう指示されたため。
要するに堂々とパクった。
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ならば『マリオカート』の面白さを引き継げているのかと問われるとかなり微妙。
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マリオカートのドリフトに相当する、急カーブを曲がる専用操作があるのだが、使おうとすると高確率でスピンしてしまうため、ろくに使えない。
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しかもJaguarのデフォルトコントローラーでは、キーパッドの4と6に割り当てられているため、プロコントローラーを使用しない場合、ボタンが押しにくい。尤も、上記の通り押したところで急カーブを曲がるのに全く使えないので、皮肉にもこの問題点が相殺されている。
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マリオカートのアイテムに相当するボーナスにも問題点が多い。
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ボーナスの中にはマイナス効果のものが混ざっている。取得してしまうと当然不利になってしまうので、なるべくマイナスボーナスは取らないように注意する必要がある。
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プラス効果のボーナスも微妙な効果のものが多いため、結果的にマイナスボーナスを取得しないように、任意消費型のボーナスを使わずに所持している方が、速く走るのに安定する。
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マリオカートのアイテムと違い、敵を妨害するボーナスは存在しない。そのため高難易度で操縦をミスすると、巻き返すことがほぼ不可能となる。
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他のレーサーにぶつかると、自分が大きく後方に跳ね飛ばされてしまう。
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マリオカートのように「重量級なら軽量級にぶつかっても勝てる」という要素も無いため、なるべく他のレーサーにぶつからないようにしなくてはならない。
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BGMも印象に残りづらいものが多く、評価はやや低め。
評価点
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レースゲームとしての大きな破綻は無い。
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問題点で記述したように粗も多いが、重大なバグなどはなく、レースゲームとしてはそれなりに遊べる。
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前述したように急カーブを曲がる操作は使い物にならないが、ブレーキを併用すれば急カーブを曲がることができるため、これを上手く使うことに気づければそこそこ楽しめる。
総評
良くも悪くも『スーパーマリオカート』の影響を強く受けている本作。
そもそも『スーパーマリオカート』が、カートレースを題材としたゲームのパイオニアであり、後にカートレースを題材にした類似ゲームが多数登場することを考慮すれば、真似たこと自体は大したことではないように見えるが、それでも当時はマリオカートとの比較がされやすかった。
一つのレースゲームとしては致命的な破綻は存在しないものの、『スーパーマリオカート』ほどの面白さを有しているわけでもなく、劣化マリオカートの印象がどうしても拭えない。総合的には凡作の域を出ない一作である。
余談
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レーサーの一人にアタリが過去にリリースしたアーケードゲーム、『Crystal Castles』から「Bentley Bear」がゲスト出演している。
最終更新:2025年07月27日 05:03