最終更新日時 2011年03月09日 (水) 23時42分18秒
代数的整数論 008 (1-60)
元スレ: http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1189335756/-60
ログ元: http://2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1189335756/-60
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1 :132人目の素数さん:2007/09/09(日) 20:02:36
Kummer ◆g2BU0D6YN2 が代数的整数論を語るスレです。
内容についてわからないことがあったら遠慮なく 質問してください。 その他、内容についてのご意見は歓迎します。 例えば、誤りの指摘、証明の改良、クマーのAAなど。
過去スレ #001 http://science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1126510231 #002 http://science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1132643310 #003 http://science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1141019088/ #004 http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1164286624/ #005 http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1173998720/ #006 http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1185363461/l50
#007 http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1187904318/l50
2 :数学科生 ◆TH7FFIY7jg :2007/09/09(日) 20:13:25
Kummerさん、こんにちは。いつも、Kummerさんのスレを見て感心しております。当方、数学科の2年生です。今は勉強不足ですが、出来れば、一緒に学びたいと思っております。これからよろしくお願いします。 また、これからも頑張ってください。
3 :Kummer ◆zkraGArAss :2007/09/09(日) 20:19:43
>>2 お前も頑張れよ。
4 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 20:55:07
>1
有難うございます。 クマーのAAは余計ですがw
5 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 20:56:11
>>2
有難うございます。 一緒に勉強していきましょう。
6 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 21:19:15
過去スレ007の449の積分 ∫[X] f dμ の定義において、 S(f) の測度が σ-有限でないときは ∫[X] f dμ は定義しない ことになっていた。
これは現代数学概説 II(岩波書店)の定義と同じである。
しかし、これは通常の定義とやや異なるため、他の書物を参照する場合に 不便である。 よって、次のように定義を変更する。
7 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 21:21:24
>>6 >過去スレ007の449の積分 ∫[X] f dμ の定義において、
過去スレ007の452の積分 ∫[X] f dμ の定義において、
8 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 21:23:41
過去スレ007の452の積分の定義を少し変えることにする。
定義
(X, Φ, μ) を 測度空間とする。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
E(Ψ) を、R = (-∞, +∞) に値をとる
Ψ 上の単関数全体とする。
f : X → [0, +∞] を可測関数とする。
S(f) = {x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } の測度が σ-有限のとき、
∫[X] f dμ = sup {∫[X] s dμ | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) }
S(f) の測度が σ-有限でないときは ∫[X] f dμ = +∞ とする。
∫[X] f dμ を f の X における(μ に関する)積分と言う。
∫[X] f dμ < +∞ のとき f を積分可能または可積分と言う。
9 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 21:30:28
過去スレ007の602 より >>8 の定義は通常の定義 (例えば伊藤清三のルベーグ積分入門)と (我々の場合、全空間が必ずしも可測でないことを除いて) 同じである。
10 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 21:46:08
>>8 の新しい定義により過去スレ007の結果を書き換える必要はあまり ないだろう。
何故なら、S(f) = {x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } の測度が σ-有限でないときは
∫[X] f dμ = +∞ なので、この場合は大抵の命題、
例えば、Lebesgue の単調収束定理(過去スレ007445)、はトリビアルだから
である。
したがって、過去スレ007の結果を引用する場合、 それを暗黙に新しい定義により解釈することにして、 いちいち断らない。
もし、この解釈がトリビアルでない場合はそのつど説明を 入れることにする。
いづれにしても ∫[X] f dμ < +∞ の場合は、古い定義も新しい定義 も同じである。
11 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 22:04:29
>>8 の定義は表面的にはともかく、実質的には Halmos の定義と 同じである。
因みに Halmos の積分の定義はやや複雑である。 即ち、次のようである。
積分可能な単関数の列 (s_n) で L^1 Cauchy 列(過去スレ007の629)と なっているものが f (f ≧ 0 とは仮定しない)に測度収束 (これについては後で述べる)する場合に f を積分可能と言い、 lim ∫[X] s_n dμ を ∫[X] f dμ と定義している。
f ≧ 0 が積分可能でない場合、∫[X] f dμ = +∞ とする。
何故、こんなわかりにくい定義にしたのか理解に苦しむ。
12 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 22:26:29
Riesz の表現定理(過去スレ007の931)では正則な狭義の Borel 測度を 使っていた。これも Halmos の方法である。 しかし、実はこれも少数派である。 次の書物では、正則な (広義の) Borel 測度を使っている。
Hewitt-Roth の Abstract harmonic analysis I, II Bourbaki の積分論 Rudin の Real and complex analysis 壬生の位相群論概説(岩波書店) --- この積分論は Hewitt-Roth と ほとんど同じである。
従って、我々も (広義の) Borel 測度を扱うことにする。
13 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 22:35:12
X を局所コンパクト空間とする。 X の容量(過去スレ007の723) λ を一つ選び、固定する。
X の任意の開集合 U に対して
λ(U) = sup {λ(K) | K はコンパクトで K ⊂ U }
と書く。
U がコンパクトな開集合であれば、明らかに λ(U) = λ(K) であるから この定義は矛盾しない。
14 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 22:42:31
命題 >>13 の下で、
U, U_n, n = 0, 1, 2, . . . は開集合とする。
(1) 0 ≦ μ(U) ≦ +∞
(2) U が有界なら μ(U) < +∞
(3) U_1 ⊂ U_2 なら μ(U_1) ⊂ μ(U_2)
(4) μ(∪U_n) ≦ Σμ(U_n)
(5) i ≠ j なら U_i ∩ U_j = φ なら μ(∪U_n) = Σμ(U_n)
証明 過去スレ007の726とまったく同じである。
15 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 22:48:03
>>14 を次のように修正する。
命題 >>13 の下で、
U, U_n, n = 0, 1, 2, . . . は開集合とする。
(1) 0 ≦ λ(U) ≦ +∞
(2) U が有界なら λ(U) < +∞
(3) U_1 ⊂ U_2 なら λ(U_1) ⊂ λ(U_2)
(4) λ(∪U_n) ≦ Σλ(U_n)
(5) i ≠ j なら U_i ∩ U_j = φ なら λ(∪U_n) = Σλ(U_n)
証明 過去スレ007の726とまったく同じである。
16 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 22:53:12
命題 >>13 の下で、
X の任意の部分集合 A に対して
μ^*(A) = inf {λ(U) | A ⊂ U, U は開集合}
と定義する。
A, B, A_n, n = 0, 1, 2, . . . は X の部分集合とする。
(1) 0 ≦ μ^*(A) ≦ +∞
(2) μ^*(φ) = 0
(3) A ⊂ B なら μ^*(A) ⊂ μ^*(B)
(4) μ^*(∪A_n) ≦ Σμ^*(A_n)
証明 過去スレ007の761と同様である。
17 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 23:00:57
定義 X を局所コンパクト空間とする。 X の部分集合全体 を P(X) と書く。 明らかに P(X) は遺伝的 (過去スレ007の767) なσ-集合代数 (過去スレ007の198)である。
λ を X の容量(過去スレ007の723) とする。
開集合 U に対して
λ(U) = sup {λ(K) | K はコンパクトで K ⊂ U }
と書き、
A ∈ P(X) に対して
μ^*(A) = inf {λ(U) | A ⊂ U, U は開集合}
と書く。
>>16 より μ^* は P(X) で定義された外測度(過去スレ007の766)である。 μ^* を容量 λ から誘導された外測度と言う。
18 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 23:03:37
定義 X を局所コンパクト空間とする。 X の Borel 集合(過去スレ007の212)全体で定義される測度 μ は コンパクトな K に対して常に μ(K) < +∞ であるとき Borel 測度と言う。
19 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 23:21:11
定義 X を局所コンパクト空間とする。 Ψ を X の 開集合全体を含む σ-集合代数(過去スレ007の198)とする。 μ を Ψ で定義された測度(過去スレ007の316)とする。
E ∈ Ψ は
μ(E) = inf {μ(U) | E ⊂ U, 開集合 U }
となるとき、(μ に関して)外正則(outer regular)という。
μ(E) = sup {μ(K) | K ⊂ E, コンパクト集合 K }
となるとき、(μ に関して)内正則(inner regular)という。
E は外正則かつ内正則なとき正則(regular)であると言う。
全ての E ∈ Ψ が外正則なとき μ を外正則と言う。 全ての E ∈ Ψ が内正則なとき μ を内正則と言う。 全ての E ∈ Ψ が正則なとき μ を正則と言う。
20 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 23:25:32
命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とし、 μ^* を λ から誘導された外測度(>>17)とする。
任意の開集合 U に対して μ^*(U) = λ(U) である。
証明
定義 μ^*(U) = inf {λ(V) | U ⊂ V, V は開集合}
より明らかである。
21 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 23:30:55
>>12 >次の書物では、正則な (広義の) Borel 測度を使っている。
この「正則」は >>19 の「正則」とは少し違う。
22 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 00:40:49
命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とし、 μ^* を λ から誘導された外測度(>>17)とする。
X の部分集合 E が (μ^*)-可測(過去スレ007の768)であるためには 任意の開集合 U に対して
μ^*(U) ≧ μ^*(U ∩ E) + μ^*(U ∩ E^c)
となることが必要十分である。
証明 過去スレ007の847と同様である。
23 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 01:06:17
命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とし、 μ^* を λ から誘導された外測度(>>17)とする。
X の部分集合 E が (μ^*)-可測(過去スレ007の768)であるためには 任意の開集合 μ^*(U) < +∞ に対して
μ^*(U) ≧ μ^*(U ∩ E) + μ^*(U ∩ E^c)
となることが必要十分である。
証明 必要性は明らかである。
A を X の任意の部分集合とする。 μ^*(A) = +∞ なら μ^*(A) ≧ μ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c) である。
μ^*(A) < +∞ なら
A ⊂ U で μ^*(U) < +∞ となる任意の開集合 U に対して、 μ^*(U) ≧ μ^*(U ∩ E) + μ^*(U ∩ E^c) ≧ μ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c)
>>20 より μ^*(U) = λ(U) だから λ(U) ≧ μ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c)
μ^*(A) = inf λ(U) だから μ^*(A) ≧ μ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c) 証明終
24 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 01:46:35
命題
X を局所コンパクト空間とし、λ を X の容量(過去スレ007の723) とし、
μ^* を λ から誘導された外測度(>>17)とする。
任意の開集合 U に対して
μ^*(U) = sup {λ(V) | V は開集合で V~ はコンパクトで V~ ⊂ U }
ここで、V~ は V の閉包である。
証明
>>20 から μ^*(U) = λ(U) である。
V は開集合で V~ はコンパクトなら過去スレ007の849より
λ(V) ≦ λ(V~) である。
よって、
μ^*(U) ≧ sup {λ(V) | V は開集合で V~ はコンパクトで V~ ⊂ U }
定義から λ(U) = sup {λ(K) | K はコンパクトで K ⊂ U } である。
λ(U) = +∞ なら、任意の M > 0 に対して
λ(K) > M となるコンパクトな K ⊂ U がある。
過去スレ007の704より
K ⊂ V ⊂ V~ ⊂ U となる開集合 V で V~ がコンパクトとなるものが
存在する。
λ(V) ≧ λ(K) > M で M > 0 は任意だから、
sup {λ(V) | V は開集合で V~ はコンパクトで V~ ⊂ U } = +∞
よって、この場合は命題が成り立つ。
λ(U) < +∞ なら、任意の ε > 0 に対して λ(U) - ε < λ(K) となるコンパクトな K ⊂ U がある。 過去スレ007の704より K ⊂ V ⊂ V~ ⊂ U となる開集合 V で V~ がコンパクトとなるものが 存在する。 λ(U) - ε < λ(K) ≦ λ(V) だから、この場合も命題が成り立つ。 証明終
25 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 09:28:18
命題 X を局所コンパクト空間とし、 λ を X の容量(過去スレ007の723) とする。 μ^* を λ から誘導された外測度(>>17)とする。
X の任意の開集合は (μ^*)-可測(過去スレ007の768)である。
証明(Hewitt-Roth) V を開集合とし、U を開集合で μ^*(U) < +∞ とする。
μ^*(U ∩ V^c) の定義から、 任意の ε > 0 に対して、U ∩ V^c ⊂ H となる開集合があり、 μ^*(H) < μ^*(U ∩ V^c) + ε
>>24 から W~ ⊂ U ∩ V となる開集合があり、 μ^*(W) > μ^*(U ∩ V) - ε
W_0 = U ∩ H ∩ (W~)^c とおく。 U ∩ V^c ⊂ W_0 ⊂ H より |μ^*(W_0) - μ^*(U ∩ V^c)| < ε |μ^*(W) - μ^*(U ∩ V^c)| < ε であるから |μ^*(W) + μ^*(W_0) - μ^*(U ∩ V) - μ^*(U ∩ V^c)| < 2ε
よって μ^*(W) + μ^*(W_0) - μ^*(U ∩ V) - μ^*(U ∩ V^c) > -2ε
W ∩ W_0 = φ だから >>15 の (5) より μ^*(U) ≧ μ^*(W ∪ W_0) = μ^*(W) + μ^*(W_0) ≧ μ^*(U ∩ V) + μ^*(U ∩ V^c) - 2ε ε は任意だから μ^*(U) ≧ μ^*(U ∩ V) + μ^*(U ∩ V^c) >>23 より V は (μ^*)-可測である。 証明終
26 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 09:35:49
命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とする。 μ^* を λ から誘導された外測度(>>17)とする。
U を開集合 U でその閉包 U~ がコンパクトなものとする。 このとき、 μ^*(U) ≦ λ(U~)
証明 K ⊂ U となる任意のコンパクト集合 K をとる。 λ(K) ≦ λ(U~) である。
λ(K) の sup をとると、 μ^*(U) ≦ λ(U~) 証明終
27 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 09:37:19
命題 X を局所コンパクト空間とし、 λ を X の容量(過去スレ007の723) とする。 μ^* を λ から誘導された外測度(>>17)とする。
任意のコンパクト集合 K に対して、 μ^*(K) < +∞ である。
証明 過去スレ007の704 より、 K ⊂ U ⊂ U~ となる開集合 U でその閉包 U~ がコンパクトな ものがある。
>>26 より λ(K) ≦ μ^*(U) ≦ λ(U~) < +∞ 証明終
28 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 09:43:46
X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とする。 μ^* を λ から誘導された外測度(>>17)とする。
過去スレ007の778 より、 (μ^*)-可測(過去スレ007の768)な集合全体 Φ は σ-集合環であり、 μ^* を Φ に制限したものは Φ における測度である。 >>25 より Φ は Borel 集合(過去スレ007の212)全体を含む。
>>27 より、μ^* を Borel 集合(過去スレ007の212)全体に制限したものは Borel 測度(>>18)である。
29 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 10:27:51
命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とする。 μ^* を λ から誘導された外測度(>>17)とする。
任意のコンパクト集合 K に対して λ(K) ≦ μ^*(K)
証明
μ^*(K) = inf {λ(U) | K ⊂ U, U は開集合}
である。
K ⊂ U となる開集合 U に対して λ(K) ≦ λ(U)
λ(U) の inf をとって λ(K) ≦ μ^*(K) 証明終
30 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 11:13:31
命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とする。 μ^* を λ から誘導された外測度(>>17)とする。
E を (μ^*)-可測(過去スレ007の768)な集合で μ^*(E) < +∞ とする。
E は内正則(>>19)である。
即ち、μ^*(E) = sup {μ^*(K) | K ⊂ E, コンパクト集合 K }
証明 任意の ε > 0 に対して、E ⊂ U となる開集合 U で μ^*(U) < μ^*(E) + ε となるものがある。
F ⊂ U となるコンパクト集合 F で λ(F) > μ^*(U) - ε となるものがある。
>>29 より μ^*(F) ≧ λ(F) よって μ^*(F) > μ^*(U) - ε
μ^*(U - E) < ε だから U ⊃ V ⊃ U - E となる開集合 V で μ^*(V) < ε となるものがある。
K = F ∩ V^c とおく。 K はコンパクトで K ⊂ E
μ^*(E) - μ^*(K) = μ^*(E - K) = μ^*((E ∩ F^c) ∪ (E ∩ V)) ≦ μ^*(U ∩ F^c) + μ^*(V) < 2ε よって、μ^*(K) > μ^*(E) - 2ε 証明終
31 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 12:05:38
命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とする。 μ^* を λ から誘導された外測度(>>17)とする。
E を (μ^*)-可測(過去スレ007の768)な集合で σ-有限(過去スレ007の448)な測度をもつとする。
このとき E は内正則(>>19)である。
即ち、μ^*(E) = sup {μ^*(K) | K ⊂ E, コンパクト集合 K }
証明 E ⊂ ∪A_n となり、各 μ^*(A_n) < +∞ となる (μ^*)-可測な A_n がある。
E_1 = E ∩ A_1 n ≧ 2 のとき E_n = E ∩ (A_n - (A_1 ∪ . . . A_(n-1))) とおけば E = ∪E_n で、i ≠ j のとき E_i ∩ E_j = φ となり 各 μ^*(E_n) < +∞ である。
>>30 より各 E_n は内正則であるから、 任意の ε > 0 に対して K_n ⊂ E_n μ^*(E_n) < μ^*(K_n) + ε/2^n となるコンパクトな K_n がある。 よって μ^*(E) = Σμ^*(E_n) ≦ Σμ^*(K_n) + ε である。 μ^*(E) = +∞ なら Σμ^*(K_n) = +∞ だから E は内正則である。
μ^*(E) < +∞ なら Σμ^*(K_n) < +∞ である。 Σμ^*(K_n) - μ^*(K_1 ∪. . . ∪ K_m) < ε となる m がある。 このとき、μ^*(E) < μ^*(K_1 ∪. . . ∪ K_m) + 2ε 証明終
32 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 12:44:01
命題 X を局所コンパクト空間とする。 μ を X の Borel 測度(>>18)とする。 X の任意のコンパクト集合が μ に関して外正則(>>19)とする。
任意のコンパクト集合 K に対して
μ(K) = inf {μ(L) | K ⊂ int(L) ⊂ L, L はコンパクト}
である。
ここで int(L) は L の内部を表す。
証明
K は外正則だから、
μ(K) = inf {μ(U) | K ⊂ U, U 開集合 U }
よって、任意の ε > 0 に対して K ⊂ U μ(U) < μ(K) + ε となる開集合 U がある。
過去スレ007の703 より、 K ⊂ V ⊂ V~ ⊂ U となる開集合 V で V~ がコンパクトとなるものが 存在する。
μ(V~) ≦ μ(U) < μ(K) + ε 証明終
33 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 13:00:36
命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とする。 μ^* を λ から誘導された外測度(>>17)とする。
任意のコンパクト集合 K に対して λ(K) = μ^*(K) であるためには、 λ が正則(過去スレ007の915)なことが必要十分である。
証明 >>28 より、μ^* を Borel 集合全体に制限したものは Borel 測度である。 よって、条件が必要なことは >>32 で証明されている。
λ が正則であるとする。
任意の ε > 0 に対して K ⊂ U ⊂ U~ となる開集合 U で U~ がコンパクトとなるものがあり、 λ(U~) < λ(K) + ε となる。
>>28 より μ^*(U) ≦ λ(U~) < λ(K) + ε μ^*(K) ≦ μ^*(U) だから μ^*(K) < λ(K) + ε ε > 0 は任意だから μ^*(K) ≦ λ(K)
逆向きの不等式は >>29 で証明されている。 証明終
34 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 13:09:51
定義 X を局所コンパクト空間とする。 L を M+(X) (過去スレ007の715) の任意の元とする。 λ を L から誘導された容量(過去スレ007の920)とし、 μ^* を λ から誘導された外測度(>>17)とする。
μ^* を L から誘導された外測度と言う。
>>28 より、μ^* を Borel 集合全体に制限したものは Borel 測度である。
これを、L から誘導された Borel 測度と言う。
35 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 13:16:51
命題 X を局所コンパクト空間とする。 L を M+(X) (>>715) の任意の元とする。 λ を L から誘導された容量(過去スレ007の920)とし、 μ^* を λ から誘導された外測度(>>17)とする。
U を有界(過去スレ007の724)な開集合とし、f を K+(X) (過去スレ007の713) の元で χ_U ≦ f とする。
このとき、 μ^*(U) ≦ L(f) である。
証明 K を K ⊂ U となるコンパクト集合とする。 χ_K ≦ f だから λ(K) ≦ L(f) である。 λ(K) の sup をとると μ^*(U) ≦ L(f) である。 証明終
36 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 13:26:04
定義 X を局所コンパクト空間とする。 L を M+(X) (過去スレ007の715) の任意の元とする。 λ を L から誘導された容量(過去スレ007の920)とし、 μ^* を λ から誘導された外測度(>>17)とする。
μ^* を L から誘導された外測度と言う。
(μ^*)-可測(過去スレ007の768)な集合全体を Φ(L) と書く。
>>25 より、Φ(L) は Borel 集合全体を含む。
μ^* を Φ(L) に制限したものを、L から誘導された測度と言う。
37 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 13:44:23
定義 X を局所コンパクト空間とする。 Ψ を X の 開集合全体を含む σ-集合代数(過去スレ007の198)とする。 μ を Ψ で定義された測度(過去スレ007の316)とする。
X の任意の開集合が内正則(>>19)で、X の任意の集合が外正則(>>19)と なるとき μ を準正則と言う。
38 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 13:47:30
>>37 の準正則という言葉は私が勝手に名付けたもので、 一般に使われてるわけではない。
Hewitt-Roth は準正則のことを正則と言っている。
39 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 14:20:02
命題 X を局所コンパクト空間とする。 Ψ を X の 開集合全体を含む σ-集合代数(過去スレ007の198)とする。 μ を Ψ で定義された測度(過去スレ007の316)とする。 さらに、X の任意のコンパクト集合 K は外正則(>>19)であり、 μ(K) < +∞ とする。
このとき、X の任意のコンパクト集合 K に対して
μ(K) = inf { ∫[X] f dμ | f ≧ χ_K, f ∈ K+(X) } である。
ここで、K+(X) は過去スレ007の713で定義したものである。
証明 X の任意のコンパクト集合 K に対して μ(K) < +∞ だから 任意の ε > 0 に対して、K ⊂ U となる開集合 U で μ(U) < μ(K) + ε となるものがある。
過去スレ007の706 より、 f ∈ K+(X) で 0 ≦ f ≦ 1 かつ K の上で 1、X - U で 0 となるものが 存在する。
χ_K ≦ f ≦ χ_U だから
∫[X] f dμ ≦ ∫[X] χ_U dμ = μ(U) < μ(K) + ε 証明終
40 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 14:36:54
>>37 を次のように修正する。
定義 X を局所コンパクト空間とする。 Ψ を X の 開集合全体を含む σ-集合代数(過去スレ007の198)とする。 μ を Ψ で定義された測度(過去スレ007の316)とする。
X の任意の開集合が内正則(>>19)で、Ψ の任意の集合が外正則(>>19)と なるとき μ を準正則と言う。
41 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 14:55:42
命題 X を局所コンパクト空間とする。 Ψ を X の 開集合全体を含む σ-集合代数(過去スレ007の198)とする。 μ を Ψ で定義された測度(過去スレ007の316)とする。
E ∈ Ψ を μ(E) < +∞ かつ内正則(>>19)な集合とする。
このとき、E に含まれるコンパクト集合の列 K_n があり F = ∪K_n とおくと μ(E - F) = 0 となる。
証明 任意の整数 n > 0 に対して、 K_n ⊂ E μ(E) < μ(K_n) + 1/2^n となるコンパクト集合 K_n がある。
F = ∪K_n とおく。
任意の n に対して、 E - F ⊂ E - K_n であるから、 μ(E - F) ≦ μ(E) - μ(K_n) < 1/2^n
よって μ(E - F) = 0 証明終
42 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 15:55:43
命題 X を局所コンパクト空間とする。 μ と ν をそれぞれ X の 開集合全体を含む σ-集合代数 Ψ(μ) と Ψ(ν) で定義された準正則(>>40)な測度とする。
さらに、X の任意のコンパクト集合 K に対して μ(K) < +∞ ν(K) < +∞ とする。
任意の f ∈ K+(X) (>>713) に対して ∫[X] f dμ = ∫[X] f dν となるなら Ψ(μ) ∩ Ψ(ν) において μ = ν である。
証明 K を X の任意のコンパクト集合とする。 >>39 より μ(K) = ν(K) である。
U を X の任意の開集合とする。
U は μ と ν の両方で内正則(>>19)だから、
μ(U) = sup {μ(K) | K ⊂ E, コンパクト集合 K }
ν(U) = sup {ν(K) | K ⊂ E, コンパクト集合 K }
よって μ(U) = ν(U)
E ∈ Ψ(μ) ∩ Ψ(ν) に対して E は μ と ν の両方で外正則(>>19)だから、
μ(E) = inf {μ(U) | E ⊂ U, 開集合 U }
ν(E) = inf {ν(U) | E ⊂ U, 開集合 U }
よって μ(E) = ν(E)
証明終
43 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 17:18:23
定義 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723)とする。 λ^* を λ から誘導された外測度(>>17)とする。 (λ^*)-可測(過去スレ007の768)な集合全体を Φ(λ) と書く。
44 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 17:29:46
命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723)とする。 μ^* を λ から誘導された外測度(>>17)とする。
λ が正則(過去スレ007の915)なら、μ^* は Φ(λ) (>>43) において 準正則(>>40)である。
証明 >>33 より 任意のコンパクト集合 K に対して λ(K) = μ^*(K) である。
>>17 より
開集合 U に対して
λ(U) = sup {λ(K) | K はコンパクトで K ⊂ U }
>>20 より μ^*(U) = λ(U) である。
よって
μ^*(U) = sup {μ^*(K) | K はコンパクトで K ⊂ U }
すなわち、U は内正則(>>19)である。
A ∈ Φ(λ) に対して
μ^*(A) = inf {λ(U) | A ⊂ U, U は開集合} である。
μ^*(U) = λ(U) だから A は外正則(>>19)である。
以上から μ^* は Φ(λ) において準正則である。 証明終
45 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 17:51:12
>>42 の前に次の命題を置けばよかった。
命題 X を局所コンパクト空間とする。 μ と ν をそれぞれ X の 開集合全体を含む σ-集合代数 Ψ(μ) と Ψ(ν) で定義された準正則(>>40)な測度とする。
任意のコンパクト集合 K に対して μ(K) = ν(K) なら Ψ(μ) ∩ Ψ(ν) において μ = ν である。
証明
U を X の任意の開集合とする。
U は μ と ν の両方で内正則(>>19)だから、
μ(U) = sup {μ(K) | K ⊂ E, コンパクト集合 K }
ν(U) = sup {ν(K) | K ⊂ E, コンパクト集合 K }
よって μ(U) = ν(U)
E ∈ Ψ(μ) ∩ Ψ(ν) に対して E は μ と ν の両方で外正則(>>19)だから、
μ(E) = inf {μ(U) | E ⊂ U, 開集合 U }
ν(E) = inf {ν(U) | E ⊂ U, 開集合 U }
よって μ(E) = ν(E)
証明終
46 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 18:06:17
命題 X を局所コンパクト空間とする。 μ を X の 開集合全体を含む σ-集合代数 Ψ(μ) で定義された準正則な測度とする。 さらに、X の任意のコンパクト集合 K に対して μ(K) < +∞ とする。
f ∈ K+(X) に対して L(f) = ∫[X] f dμ とおけば、 L ∈ M+(X) (過去スレ007の715) である。
ν^* を L から誘導された外測度とし、 (ν^*)-可測(過去スレ007の768)な集合全体を Φ(L) と書く
Ψ(μ) ∩ Φ(L) において μ = ν^* である。
証明 L から誘導された容量を λ とする。 >>36 より ν^* は λ から誘導された外測度である。
過去スレ007の921より λ は正則(過去スレ007の915)である。 >>44 より ν^* は Φ(L) = Φ(λ) (>>43) において 準正則(>>40)である。
>>39 より、X の任意のコンパクト集合 K に対して
μ(K) = inf { ∫[X] f dμ | f ≧ χ_K, f ∈ K+(X) } である。
よって μ(K) = λ(K) である。
>>33 より λ(K) = ν^*(K) である。 よって μ(K) = ν^*(K) である。
>>45 より Ψ(μ) ∩ Φ(L) において μ = ν^* である。 証明終
47 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 18:18:57
補題 X を局所コンパクト空間とし、 L を M+(X) (過去スレ007の715) の任意の元とする。 ν を L から誘導された測度(>>36)ととする。
f を K+(X) (過去スレ007の713) の元で 0 ≦ f < 1 とする。 L(f) ≧ ∫[X] f dν である。
証明 過去スレ007の927とまったく同じである。
48 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 18:21:47
補題 X を局所コンパクト空間とする。 L を M+(X) (過去スレ007の715) の任意の元とする。 ν を L から誘導された測度(>>36)とする。
f を K+(X) (過去スレ007の713) の任意の元とする。 L(f) ≧ ∫[X] f dν である。
証明 過去スレ007の928とまったく同じである。
49 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 18:24:35
補題 X を局所コンパクト空間とする。 L を M+(X) (>>715) の任意の元とする。 ν を L から誘導された測度(>>36)とする。
K を X のコンパクト集合とする。 任意の ε > 0 に対して f ∈ K+(X) (過去スレ007の713) かつ 0 ≦ f ≦ 1 で χ_K ≦ f となり L(f) < ∫[X] f dν + ε となるものがある。
証明 過去スレ007の929とまったく同じである。
50 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 18:28:58
定理(Riesz の表現定理) X を局所コンパクト空間とする。 L を M+(X) (過去スレ007の715) の任意の元とする。 μ を L から誘導された測度(>>36)とする。
任意の f ∈ K(X) (過去スレ007の708) に対して L(f) = ∫[X] f dμ となる。
証明 f を K(X) の元とし、K = Supp(f) (過去スレ007の671) とする。 >>49 より、任意の ε > 0 に対して g ∈ K+(X) (過去スレ007の713) かつ 0 ≦ g ≦ 1 で χ_K ≦ g となり L(g) < ∫[X] g dμ + ε となるものがある。
M = sup{ f(x) | x ∈ X } とする。
f + M ≧ 0 だから (f + M)g ∈ K+(X) である。
>>48 より fg = f に注意して
L(f) + ML(g) = L((f + M)g) ≧ ∫[X] (f + M)g dμ
= ∫[X] fg dμ + ∫[X] Mg dμ = ∫[X] f dμ + M∫[X] g dμ
よって、
L(f) ≧ ∫[X] f dμ + M(∫[X] g dμ - L(g)) ≧ ∫[X] f dμ - Mε
ε は任意だから L(f) ≧ ∫[X] f dμ f を -f に置き換えると -L(f) ≧ -∫[X] f dμ よって L(f) ≦ ∫[X] f dμ よって L(f) = ∫[X] f dμ 証明終
51 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 20:23:26
定義 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とし、 μ を λ から誘導された外測度(>>17)とする。 μ-可測(過去スレ007の768)な集合全体を Φ(λ) と書いた(>>43)。 >>25 より、Φ(λ) は Borel 集合全体を含む。 μ を Φ(λ) に制限したものを、λ から誘導された測度と言う。
52 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 20:31:35
命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とし、 μ^* を λ から誘導された外測度(>>17)とする。
A を X の部分集合で μ^*(E) = 0 とする。 E は (μ^*)-可測である。
証明 >>22 より
任意の開集合 U に対して μ^*(U) ≧ μ^*(U ∩ E) + μ^*(U ∩ E^c) を示せばよい。
μ^*(U ∩ E) = 0 であるから、これは明らかである。 証明終
53 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 20:32:34
>>52 を次のように修正する。
命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とし、 μ^* を λ から誘導された外測度(>>17)とする。
E を X の部分集合で μ^*(E) = 0 とする。 E は (μ^*)-可測である。
証明 >>22 より
任意の開集合 U に対して μ^*(U) ≧ μ^*(U ∩ E) + μ^*(U ∩ E^c) を示せばよい。
μ^*(U ∩ E) = 0 であるから、これは明らかである。 証明終
54 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 20:41:42
命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とし、 μ^* を λ から誘導された外測度(>>17)とする。
E を X の部分集合とする。 μ^*(U) < +∞ である任意の開集合 U に対して E ∩ U が (μ^*)-可測なら E は (μ^*)-可測である。
証明 >>22 より μ^*(U) < +∞ である任意の開集合 U に対して
μ^*(U) ≧ μ^*(U ∩ E) + μ^*(U ∩ E^c)
を示せばよい。
U ∩ E^c = U - (U ∩ E) であるから (μ^*)-可測である。
よって μ^*(U) = μ^*(U ∩ E) + μ^*(U ∩ E^c) 証明終
55 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 20:43:38
>>54 を次のように修正する。
命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とし、 μ^* を λ から誘導された外測度(>>17)とする。
E を X の部分集合とする。 μ^*(U) < +∞ である任意の開集合 U に対して E ∩ U が (μ^*)-可測なら E は (μ^*)-可測である。
証明 >>23 より μ^*(U) < +∞ である任意の開集合 U に対して
μ^*(U) ≧ μ^*(U ∩ E) + μ^*(U ∩ E^c)
を示せばよい。
U ∩ E^c = U - (U ∩ E) であるから (μ^*)-可測である。
よって μ^*(U) = μ^*(U ∩ E) + μ^*(U ∩ E^c) 証明終
56 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 21:14:05
命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とし、 μ を λ から誘導された測度(>>51)とする。
μ は準正則(>>37)である。
証明 μ が外正則(>>19)であることは λ から誘導された外測度の定義(>>17) から明らかである。
よって、
任意の開集合 U に対して
μ(U) = sup {μ(K) | K はコンパクトで K ⊂ U }
を示せばよい。
定義(>>17)から
μ(U) = sup {λ(K) | K はコンパクトで K ⊂ U }
である。
>>29 から任意のコンパクト集合 K ⊂ U に対して λ(K) ≦ μ(K) ≦ μ(U) である。
よって
μ(U) = sup {μ(K) | K はコンパクトで K ⊂ U }
証明終
57 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 21:24:52
命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とし、 μ^* を λ から誘導された外測度(>>17)とする。
E を X の部分集合とする。 任意のコンパクト集合 K に対して E ∩ K が (μ^*)-可測なら E は (μ^*)-可測である。
証明 >>55 より μ^*(U) < +∞ である任意の開集合 U に対して E ∩ U が (μ^*)-可測であることを示せばよい。
>>56 より U は内正則であるから、 >>41 より U に含まれるコンパクト集合の列 K_n があり F = ∪K_n とおくと μ(U - F) = 0 となる。
U - F = N とおく。
U = (∪K_n) ∪ N である。
U ∩ E = (∪(E ∩ K_n)) ∪ (E ∩ N)
仮定より ∪(E ∩ K_n) は可測である。 μ(N) = 0 だから >>53 より E ∩ N も可測である。 証明終
58 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 21:29:08
定義 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とし、 μ^* を λ から誘導された外測度(>>17)とする。
E を X の部分集合とする。
μ^*(E) = 0 のとき E を (μ^*)-零集合または略して零集合と言う。
任意のコンパクト集合 K に対して E ∩ K が (μ^*)-零集合になるとき E を (μ^*)-局所零集合または略して局所零集合と言う。
59 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 21:33:38
命題 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723) とし、 μ^* を λ から誘導された外測度(>>17)とする。
(μ^*)-局所零集合(>>58)は (μ^*)-可測である。
証明 E を 局所零集合とする。 任意のコンパクト集合 K に対して E ∩ K は零集合である。
>>52 より E ∩ K は可測だから >>57 より E は可測である。 証明終
60 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/10(月) 22:12:33
定義 X を局所コンパクト空間とする。 λ を X の容量(過去スレ007の723)とする。 μ^* を λ から誘導された外測度(>>17)とする。
E を X の任意の部分集合とする。
sup {μ^*(K) | K ⊂ E, コンパクト集合 K } を E の内測度と言う。
