最終更新日時 2011年03月09日 (水) 22時47分01秒
代数的整数論 007 (611-710)
元スレ: http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1187904318/611-710
ログ元: http://2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1187904318/611-710
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611 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 08:43:40
補題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317) とし、X ∈ Φ とする。 f を X の任意の点 x で f(x) = +∞ となる関数とする。
J(f) = I(f) である。
証明 μ(X) = 0 なら規約 (+∞)0 = 0 より J(f) = 0, I(f) = 0 である。
μ(X) > 0 なら (+∞)μ(X) = +∞ だから J(f) = +∞ 任意の有限実数 α > 0 に対して αμ(X) < I(f) だから I(f) = +∞ である。 証明終
612 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 09:01:01
補題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317) とし、X ∈ Φ とする。 0 ≦ f < +∞ を可測関数とする。
J(f) = I(f) である。
証明 X = E_1 ∪ . . . ∪ E_n を X の可測集合による任意の有限分割とする。 即ち、E_i ∈ Φ で、i ≠ j なら E_i と E_j は交わらない。
a_i = inf { f(x) | x ∈ E_i }
は有限であるから
h = Σ(a_i)χ_(E_i) は E(Φ) (>>377) の元 であり、 0 ≦ h ≦ f である。
よって、I(f) の定義(>>570)より、 Σ(a_i)μ(E_i) ≦ I(f)
よって、J(f) の定義(>>603)より、 J(f) ≦ I(f)
一方、g を E(Φ) (>>377) の元で 0 ≦ g ≦ f とする。 >>607 より J(g) ≦ J(f) である。
>>606 より J(g) = I(g) である。 即ち、I(g) ≦ J(f) である。 よって、I(f) の定義(>>570)より、 I(f) ≦ J(f) 証明終
613 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 09:06:56
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317) とし、X ∈ Φ とする。 f ≧ 0 を可測関数とする。
J(f) = I(f) である。
証明 A = f^(-1)(+∞) B = X - f^(-1)(+∞) とおく。
A ∈ Φ, B ∈ Φ で A と B は交わらない。
>>608 より、 J(X, f) = J(A, f) + J(B, f)
>>610 より、 I(X, f) = I(A, f) + I(B, f) である。
>>611 より、 J(A, f) = I(A, f)
>>612 より、 J(B, f) = I(B, f)
以上から J(X, f) = I(X, f) 証明終
614 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 09:14:39
>>602 と >>613 より >>604 の問題は解決したと見ていいだろう。
測度空間 (X, Φ, μ) において、X ∈ Φ でない場合の J(X, μ, f) の定義も出来るし、それと I(X, μ, f) が一致 することも証明出来るが、それには及ばないだろう。
615 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 09:46:51
命題 (X, Φ) を可測空間(>>211)とする。 f : X → [-∞, +∞] を(必ずしも可測とは限らない)関数とする。
E = ∪E_n = E_1 ∪ E_2 ∪ . . . とする。 ここで、各 E_n ∈ Φ である。
f が各 E_n において可測なら f は E において可測である。
証明 >>252 の可測性判定条件を使う。
α を任意の有限実数とする。
各 n で、S(f) ∩ {x ∈ X ; f(x) > α} ∩ E_n ∈ Φ
よって、
S(f) ∩ {x ∈ X ; f(x) > α} ∩ E ∈ Φ
各 n で、{x ∈ X ; f(x) = -∞} ∩ E_n ∈ Φ
よって、
{x ∈ X ; f(x) = -∞} ∩ E ∈ Φ
証明終
616 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 10:11:36
命題 (X, Φ) を可測空間(>>211)とする。
E ∈ Φ とする。 f を E で定義されている E における可測関数とする。 x ∈ X - E のとき f(x) = 0 と定義することにより、 f の定義域を X に広げることが出来る。
このとき f は X で可測である。
証明 >>252 の可測性判定条件を使う。
α を任意の有限実数とする。 α ≧ 0 なら
{x ∈ X ; f(x) > α} ⊂ S(f) ⊂ E だから
S(f) ∩ {x ∈ X ; f(x) > α} = {x ∈ X ; f(x) > α} ∈ Φ
α < 0 なら、
S(f) ∩ {x ∈ X ; f(x) > 0} ∈ Φ
S(f) ∩ {x ∈ X ; α < f(x) < 0} ∈ Φ
S(f) ∩ {x ∈ X ; f(x) = 0} は空集合だから可測である。
以上から
S(f) ∩ {x ∈ X ; f(x) > α} ∈ Φ
明らかに、
{x ∈ X ; f(x) = +∞ } ∈ Φ
証明終
617 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 10:39:07
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317) とする。 f ≧ 0 を積分可能な関数とする。
∫[X] f dμ = 0 なら ほんとんど至る所 f = 0 である。
証明
整数 n > 0 に対して
A_n = {x ∈ X | f(x) > 1/n}
とおく。
A_n ∈ Φ である。
∫[X] f dμ ≧ ∫[A_n] f dμ ≧ ∫[A_n] (1/n) dμ = (1/n)μ(A_n)
これについては、>>486 の証明参照
よって、μ(A_n) = 0
A = {x ∈ X | f(x) > 0} とおけば、
A = ∪A_n
よって、μ(A) = 0
証明終
618 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 11:31:16
命題 (X, Φ) を可測空間(>>211)とする。 f : X → [-∞, +∞] を(必ずしも可測とは限らない)関数とする。
E = ∪E_n = E_1 ∪ E_2 ∪ . . . とする。 ここで、各 E_n は必ずしも可測とは限らない X の部分集合とする。
f が各 E_n において可測(>>356)なら f は E において可測である。
証明 >>615 と同じである。
619 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 11:49:55
(X, Φ) を可測空間(>>211)とし、 f : X → [-∞, +∞] を可測関数とする。
E を必ずしも可測とは限らない X の部分集合とする。
f は E において必ずしも可測(>>356)とは限らない。
しかし、次の命題が成り立つ。
620 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 11:51:53
命題 (X, Φ) を可測空間(>>211)とし、 f : X → [-∞, +∞] を可測関数とする。 E ∈ Φ とする。
f は X - E において可測(>>356)である。
証明 S(f) - E ∈ Φ だから f は S(f) - E 及び S(f) ∩ E において 可測である。
S(f) = (S(f) - E) ∪ (S(f) ∩ E) だから >>615 より f は S(f) において可測である。
>>616 より f は X において可測である。 証明終
621 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 11:54:02
>>620 を次のように修正する。
命題 (X, Φ) を可測空間(>>211)とし、 f : X → [-∞, +∞] を可測関数とする。 E ∈ Φ とする。
f は X - E において可測(>>356)である。
証明 S(f) ∈ Φ だから f は S(f) において可測である。 >>616 より f は X において可測である。 証明終
622 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 11:56:12
>>621 は間違いである。
623 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 11:59:48
>>620 を次のように修正する。
命題 (X, Φ) を可測空間(>>211)とし、 f : X → [-∞, +∞] を可測関数とする。 E ∈ Φ とする。
f は X - E において可測(>>356)である。
証明 S(f) ∩ (X - E) = S(f) - E ∈ Φ よって、 f は S(f) ∩ (X - E) で可測である。 >>616 より f は X - E において可測である。 証明終
624 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 12:09:04
定義 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317) とする。 X 上で積分可能な関数 f : X → [-∞, +∞] 全体を L^1(X, Φ, μ) と書く。 L^1(X, Φ, μ) を略して、L^1(X) または L^1(μ) とも書く。
f, g ∈ L^1(X) で f ~ g 即ち f = g (a.e.) のとき、 >>492 より ∫[X] f dμ = ∫[X] g dμ である。
従って、f と g は同一視することにする。
即ち、正確には L^1(X) そのものではなく、L^1(X)/~ を考えている ことになる。
例えば、f + g は f(x) = +∞, g(x) = -∞ となる x では 定義されない。
しかし、>>486 より、A = {x ∈ X | f(x) = +∞} の測度は 0 である。
よって、X - A で f と一致し、A で 0 となる関数 f' は
>>623 より X で可測であり、f ~ f' である。
同様に g についても有限な可測関数 g' があり、 g ~ g' である。
よって f + g の代わりに f' + g' を使えばよい。
625 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 12:28:08
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 L^1(X) (>>624) は実数体上の線形空間である。
証明 f, g ∈ L^1(X) とする。 >>624 より f と g は有限な値のみをとる関数としてよい。 >>494 より f + g ∈ L^1(X) である。
α を有限実数とすると、>>497 より αf ∈ L^1(X) である。
h ∈ L^1(X) とする。 結合法則 (f + g) + h = f + (g + h) と β を有限実数としたとき、α(βf) = (αβ)f 1f = f となることは明らかである。 証明終
626 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 12:42:09
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。
L^1(X) (>>624) は、φ(f) = ∫[X] |f| dμ により 実数体上のノルム空間(過去スレ006の561)になる。
証明 f, g ∈ L^1(X) とする。 |f + g| ≦ |f| + |g| だから
∫[X] |f + g| dμ ≦ ∫[X] (|f| + |g|) dμ = ∫[X] |f| dμ + ∫[X] |g| dμ
即ち、φ(f + g) ≦ φ(f) + φ(g)
α を有限実数とする。
|αf| = |α||f| だから
∫[X] |αf| dμ = ∫[X] |α||f| dμ = |α|∫[X] |f| dμ
即ち、φ(αf) = |α|φ(f)
∫[X] |f| dμ = 0 なら >>617 より f = 0 (a.e.) である。 即ち、φ(f) = 0 なら f は 0 と同一視される。 証明終
627 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 13:15:27
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 (f_n), n ≧ 0 を L^1(X) (>>624) の関数列とする。
Σ∫[X] |f_n| dμ < +∞ なら
f(x) = Σf_n(x) は X 上で a.e. に絶対収束する。
証明 g_n(x) = |f_0(x)| + . . . + |f_n(x)| とおく。
g(x) = Σ|f_n(x)| とおく。 0 ≦ g_0 ≦ g_1 ≦ . . . ≦ g で、 g = lim g_n である。
よって、Lebesgue の単調収束定理(>>445) より、 n → ∞ のとき ∫[X] g_n dμ → ∫[X] g dμ
∫[X] g_n dμ = ∫[X] |f_0| dμ + . . . + ∫[X] |f_n| dμ ≦ Σ∫[X] |f_n| dμ < +∞
よって、 ∫[X] g dμ < +∞ >>486 より a.e. に g < +∞ である。
よって、f(x) = Σf_n(x) は X 上で a.e. に絶対収束する。 証明終
628 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 13:34:07
定義 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 (f_n), n ≧ 0 を L^1(X) (>>624) の関数列とする。
(f_n) が L^1(X) の関数 f に L^1(X) のノルム(>>626) に関して収束するとき、 即ち n → ∞ のとき ∫[X] |f - f_n| dμ→ 0 のとき、 (f_n) は f に L^1 収束すると言う。
629 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 13:35:48
定義 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 (f_n), n ≧ 0 を L^1(X) (>>624) の関数列とする。
(f_n) がノルム空間(>>626) L^1(X) の Cauchy 列のとき、 (f_n) を L^1 Cauchy 列と言う。
630 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 14:00:37
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 (f_n), n ≧ 0 を L^1 Cauchy 列(>>629)とする。
f(x) = lim f_n(x) が X 上で a.e. に存在するなら、 f ∈ L^1(X) であり、 (f_n) は f に L^1 収束する(>>628)。
証明 任意の有限実数 ε > 0 に対して、整数 N ≧ 0 があり、 n, m ≧ N なら ∫[X] |f_n - f_m| dμ < ε となる。
m ≧ N となる m を固定する。
Fatou の補題(>>506)より、 ∫[X] (lim inf |f_n - f_m|) dμ ≦ lim inf ∫[X] |f_n - f_m| dμ ≦ ε
lim inf |f_n - f_m| = lim |f_n - f_m| = |f - f_m| (a.e.) だから ∫[X] |f - f_m| dμ ≦ ε
よって、f - f_m ∈ L^1(X) である。 よって、f = f_m + f - f_m ∈ L^1(X) である。
m は m ≧ N となる任意の整数だから、 (f_n) は f に L^1 収束する(>>628)。 証明終
631 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 14:05:14
定義 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 (f_n), n ≧ 0 を L^1(X) (>>624) の関数列とする。
(f_n) が f に L^1 収束する(>>628)とき、
n → ∞ のとき f_n → f (L^1) または f = lim f_n (L^1) と書く。
632 :132人目の素数さん:2007/09/06(木) 15:25:23
a
633 :132人目の素数さん:2007/09/06(木) 15:25:53
b
634 :132人目の素数さん:2007/09/06(木) 15:26:23
c
635 :132人目の素数さん:2007/09/06(木) 15:26:53
d
636 :132人目の素数さん:2007/09/06(木) 15:27:23
e
637 :132人目の素数さん:2007/09/06(木) 15:27:53
f
638 :132人目の素数さん:2007/09/06(木) 15:28:25
g
639 :132人目の素数さん:2007/09/06(木) 15:28:55
h
640 :132人目の素数さん:2007/09/06(木) 15:29:25
i
641 :132人目の素数さん:2007/09/06(木) 15:29:55
j
642 :132人目の素数さん:2007/09/06(木) 15:30:25
k
643 :132人目の素数さん:2007/09/06(木) 15:30:56
l
644 :132人目の素数さん:2007/09/06(木) 15:31:26
m
645 :132人目の素数さん:2007/09/06(木) 15:31:58
n
646 :132人目の素数さん:2007/09/06(木) 15:32:28
o
647 :132人目の素数さん:2007/09/06(木) 15:32:58
p
648 :132人目の素数さん:2007/09/06(木) 15:33:28
q
649 :132人目の素数さん:2007/09/06(木) 15:33:58
r
650 :132人目の素数さん:2007/09/06(木) 15:34:28
s
651 :132人目の素数さん:2007/09/06(木) 15:34:58
t
652 :132人目の素数さん:2007/09/06(木) 15:35:28
u
653 :132人目の素数さん:2007/09/06(木) 15:35:58
v
654 :132人目の素数さん:2007/09/06(木) 15:36:28
w
655 :132人目の素数さん:2007/09/06(木) 15:36:58
x
656 :132人目の素数さん:2007/09/06(木) 15:37:29
y
657 :132人目の素数さん:2007/09/06(木) 15:37:59
z
658 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 15:47:48
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。
L^1(X) (>>624) の関数 f に ∫[X] f dμ を対応させる写像は 連続である。
証明 >>626 より L^1(X) はノルム空間である。
f ∈ L^1(X) のとき、>>544 より、|∫[X] f dμ| ≦ ∫[X] |f| dμ
過去スレ006の581より(または直接に)、f → ∫[X] f dμ は 連続である。 証明終
659 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 16:53:45
>>627 を次のように修正する。
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 (f_n), n ≧ 0 を L^1(X) (>>624) の関数列とする。 Σ∫[X] |f_n| dμ < +∞ なら f(x) = Σf_n(x) は X 上で a.e. に絶対収束し、 f ∈ L^1(X) である。
証明 g_n(x) = |f_0(x)| + . . . + |f_n(x)| とおく。
g(x) = Σ|f_n(x)| とおく。 0 ≦ g_0 ≦ g_1 ≦ . . . ≦ g で、 g = lim g_n である。
よって、Lebesgue の単調収束定理(>>445) より、 n → ∞ のとき ∫[X] g_n dμ → ∫[X] g dμ
∫[X] g_n dμ = ∫[X] |f_0| dμ + . . . + ∫[X] |f_n| dμ ≦ Σ∫[X] |f_n| dμ < +∞
よって、∫[X] g dμ < +∞ >>486 より a.e. に g < +∞ である。 よって、f(x) = Σf_n(x) は X 上で a.e. に絶対収束する。
h_n(x) = f_0(x) + . . . + f_n(x) とおく。 |h_n(x)| ≦ g_n(x) ≦ g(x) ∫[X] g dμ < +∞ だから Lebesgue の項別積分定理(>>555)より f = lim h_n は L^1(X) に含まれる。 証明終
660 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 16:55:26
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 (f_n), n ≧ 0 を L^1 Cauchy 列(>>629)とする。
(f_n), n ≧ 0 の部分列 (f_(n_k)), k ≧ 0 と f ∈ L^1(X) が存在し、 (f_(n_k)) は a.e. に f に単純収束(>>154)する。
証明 (f_n), n ≧ 0 は L^1 Cauchy 列だから、 (f_n), n ≧ 0 の部分列 (f_(n_k)), k ≧ 0 で、 ∫[X] |f_(n_(k+1)) - f_(n_k)| dμ < 1/2^k となるものがある。
Σ∫[X] |f_(n_(k+1)) - f_(n_k)| dμ ≦ Σ1/2^k = 2
f_(n_1) - f_(n_0) + f_(n_2) - f_(n_1) + ... + f_(n_(k+1)) - f_(n_k) = f_(n_(k+1)) - f_(n_0)
>>659 より、f_(n_(k+1))(x) - f_(n_0)(x) は X 上で a.e. に収束する。 よって、f_(n_(k+1))(x) は X 上で a.e. に収束する。 この極限を f(x) とすればよい。 証明終
661 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 17:13:02
定理 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 L^1(X) は L^1 ノルム(>>626)に関して完備である。
証明 (f_n), n ≧ 0 を L^1 Cauchy 列(>>629)とする。 >>660 より、(f_n), n ≧ 0 の部分列 (f_(n_k)), k ≧ 0 と f ∈ L^1(X) が存在し、(f_(n_k)) は a.e. に f に単純収束(>>154)する。
>>630 より f ∈ L^1(X) であり、(f_(n_k)) は f に L^1 収束する。
過去スレ006の248より、一様空間 の Cauchy フィルターの基底の 接触点は極限点である。
f は (f_n) で定まる Cauchy フィルターの接触点であるから、 (f_n) も f に L^1 収束する。 証明終
662 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 17:32:30
積分の一般論はひとまず休んで、局所コンパクト空間上の測度の構成に 取り掛かることにする。
区間 I = [0, 1] 上の実数値連続関数の全体を C(I) とする。 f ∈ C(I) にリーマン積分 ∫[I] f dx を対応させる写像は C(I) から R への線形写像である。 しかも、この写像は正値すなわち f ≧ 0 なら ∫[I] f dx ≧ 0 である。
一般に正値線形写像 ψ : C(I) → R が与えられたとき、 I の Borel 集合(>>212) を含む σ-集合環(>>197) Φ と Φ 上の測度 μ が存在して ψ(f) = ∫[I] f dμ となる。 ψ がリーマン積分 ∫[I] f dx の場合は μ は Lebesgue 測度である。
この事実を一般の局所コンパクト空間に対して証明するのが当面の 目標である。
663 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 19:17:20
定義 ハウスドルフ位相空間 X は次の条件 (N) を満たすとき正規であるという。
(N) A と B を閉集合で A ∩ B = φ とすると、 A ⊂ U, B ⊂ V となる開集合 U, V で U ∩ V = φ となるものがある。
664 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 19:32:36
命題 コンパクト空間 X は正規(>>663)である。
証明 A と B を X の閉集合で A ∩ B = φ とする。
過去スレ006の406より X は正則(過去スレ006の210)であるから A の各点 x に対して、x ∈ U_x, B ⊂ V_x となる開集合 U_x, V_x で U_x ∩ V_x = φ となるものがある。
A はコンパクトだから A ⊂ U_(x_1) ∪ . . . ∪ U_(x_n) となる A の点 x_1, . . ., x_n がある。
U = U_(x_1) ∪ . . . ∪ U_(x_n) V = V_(x_1) ∩ . . . ∩ V_(x_n) とおけばよい。 証明終
665 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 20:46:20
補題 X を正規空間とする。 A と B を X の閉集合で A ∩ B = φ とする。
整数 n > 0 に対して
K_n = {m/2^n | m = 0, 1, . . . , 2^n} とおく。
K = ∪K_n, n = 1, 2, . . . とおく。
K の各元 r に対して開集合 U(r) を対応させ、 U(1) = X - B A ⊂ U(0) ⊂ U(0)~ ⊂ U(1) r < s なら U(r)~ ⊂ U(s) となるように出来る。
ここで、U(r)~ は U(r) の閉包である。
666 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 20:47:07
>>665 の証明
例えば、
K_1 = {0, 1/2, 1}
K_2 = {0, 1/4, 2/4, 3/4, 1}
K_3 = {0, 1/8, 2/8, 3/8, 4/8, 5/8, 6/8, 7/8. 1}
などとなる。
U(1) = X - B とおく。 X は正規だから、 A ⊂ U, B ⊂ V となる開集合 U, V で U ∩ V = φ となるものがある。 U ⊂ X - V ⊂ U(1) X - V は閉集合だから U~ ⊂ X - V である。 よって、 U~ ⊂ U(1) である。 U(0) = U とおく。 A ⊂ U(0) ⊂ U(0)~ ⊂ U(1) である。
同様に、 U(0)~ ⊂ U(1/2) ⊂ U(1/2)~ ⊂ U(1) となる開集合 U(1/2) がある。
同様に、 U(0)~ ⊂ U(1/4) ⊂ U(1/4)~ ⊂ U(1/2) ⊂ U(3/4) ⊂ U(3/4)~ ⊂ U(1) となる開集合 U(1/4), U(3/4) がある。
このようにして、任意の r ∈ K に対して開集合 U(r) を選び、 r < s なら U(r)~ ⊂ U(s) となるように出来る。
厳密には数学的帰納法による。 証明終
667 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 22:11:18
補題 X を正規空間とする。 A と B を X の閉集合で A ∩ B = φ とする。
>>665 の記号を使う。 関数 f : X → [0, 1] を次のように定義する。
x ∈ B のとき f(x) = 1
x ∈ X - B のとき f(x) = inf {r∈ K | x ∈ U(r) } とする。
(1) x ∈ U(r) なら f(x) ≦ r (2) x ∈ X - U(r) なら f(x) ≧ r (3) x ∈ U(r)~ なら f(x) ≦ r (4) x ∈ X - U(r)~ なら f(x) ≧ r
証明 (1) は明らかである。
(2) f(x) < r なら x ∈ U(s) となる s < r がある。 よって x ∈ U(r) である。 即ち、x ∈ X - U(r) なら f(x) ≧ r である。
(3)
x ∈ U(r)~ なら x ∈ ∩{U(s) | r < s}
よって r < s なら f(x) ≦ s
よって、f(x) ≦ r である。
(4) x ∈ X - U(r)~ なら x ∈ X - U(r) だから (2) より f(x) ≧ r 証明終
668 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 22:25:05
命題(Urysohnの補題) X を正規空間とする。 A と B を X の閉集合で A ∩ B = φ とする。
連続関数 f : X → [0, 1] で A の上で 0、B の上で 1 となるものが存在する。
証明 >>665 の記号を使う。 関数 f : X → [0, 1] を次のように定義する。
x ∈ B のとき f(x) = 1
x ∈ X - B のとき f(x) = inf {r∈ K | x ∈ U(r) } とする
f は A の上で 0、B の上で 1 である。 f が連続であることを証明すればよい。
0 < f(x) < 1 とする。 任意の ε > 0 に対して f(x) - ε < r < f(x) < s < f(x) + ε となる r, s ∈ K がある。 U = U(s) - U(r)~ とおく。 >>667 の (2) より x ∈ X - U(s) なら f(x) ≧ s となって矛盾である。 よって、x ∈ U(s)
>>667 の (3) より x ∈ U(r)~ なら f(x) ≦ r となって矛盾である。 よって、x ∈ X - U(r)~ 以上から x ∈ U である。 y ∈ U なら y ∈ U(s) だから f(y) ≦ s である。 y ∈ X - U(r)~ であるから >>667 の (4) より f(y) ≧ r である。 よって r ≦ f(y) ≦ s である。 以上から f は x で連続である。 (続く)
669 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 22:26:02
>>668 の続き。
f(x) = 0 のときは 0 < s < ε となる s ∈ K がある。 f(x) < s だから >>667 の (2) より x ∈ U(s) である。 y ∈ U(s) なら f(y) ≦ s である。 よって f は x で連続である。
f(x) = 1 のときは 1 - ε < r < 1 となる r ∈ K がある。 f(x) > r だから >>667 の (3) より x ∈ X - U(r)~ である。 y ∈ X - U(r)~ なら >>667 の (4) より f(y) ≧ r である。 よって f は x で連続である。 証明終
670 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 22:31:15
Urysohnの補題(>>668)は局所コンパクト空間における積分論にとって 重要である。
671 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 23:54:10
定義
X を位相空間とし、E を実数体 R 上の線形空間とする。
f : X → E を写像とする。
{ x ∈ X | f(x) ≠ 0 } の閉包を f の台と言い Supp(f) と書く。
672 :熊谷 ◆rDGuVmz79Q :2007/09/07(金) 01:24:26
supだろ
673 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 02:58:51
sup は上限。suppは台。全くの別物。
674 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 03:20:47
a
675 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 03:21:22
b
676 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 03:21:52
c
677 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 03:22:23
d
678 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 03:22:53
e
679 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 03:23:25
f
680 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 03:23:55
g
681 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 03:24:26
h
682 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 03:24:58
i
683 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 03:25:41
j
684 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 03:26:12
k
685 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 03:26:42
l
686 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 03:27:13
m
687 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 03:27:44
n
688 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 03:28:14
o
689 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 03:28:47
p
690 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 03:29:35
q
691 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 03:30:08
r
692 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 03:30:38
s
693 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 03:31:09
t
694 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 03:31:40
u
695 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 03:32:10
v
696 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 03:32:41
w
697 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 03:33:11
x
698 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 03:33:43
y
699 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 03:34:13
z
700 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 03:36:35
>>672 皿仕上げ
701 :132人目の素数さん:2007/09/07(金) 05:22:48
carrierからcar(f)って書く流儀もあるが、 最近はsupp(f)で固まってきてるのかな。 おれもsupp派だけど。
702 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 10:37:41
命題 局所コンパクト空間は正則(過去スレ006の210)である。
証明 X を局所コンパクト空間とする。 X の点 x と x ∈ U となる開集合 U をとる。
X は局所コンパクトだから、x ∈ V となる開集合 V で その閉包 V~ がコンパクトとなるものがある。
x ∈ V~ ∩ U ⊂ V~ であり、>>664 より V~ は正規、従って正則であり、 V~ ∩ U は部分空間 V~ において開集合だから、
x ∈ V~ ∩ W ⊂ (V~ ∩ W)~ ⊂ V~ ∩ U となる X の開集合 W がある。
(V~ ∩ W)~ は V~ における閉包であるが、V~ は閉集合だから X における閉包でもある。
よって、(V ∩ W)~ を V ∩ W の X における閉包とすれば、 x ∈ V ∩ W ⊂ (V ∩ W)~ ⊂ (V~ ∩ W)~ ⊂ V~ ∩ U ⊂ U
即ち、 x ∈ V ∩ W ⊂ (V ∩ W)~ ⊂ U
即ち、x の閉近傍全体は x の基本近傍系になる。 証明終
703 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 10:48:22
命題 局所コンパクト空間 X の任意の点のコンパクト近傍全体は その点の基本近傍系になる。
言い換えると、X の点 x と x ∈ U となる開集合 U に対して 開集合 V でその閉包 V~ がコンパクトであり、 x ∈ V ⊂ V~ ⊂ U となるものが存在する。
証明 >>702 の証明において、 x ∈ V ∩ W ⊂ (V ∩ W)~ ⊂ U
(V ∩ W)~ はコンパクト集合 V~ に含まれる閉集合だから コンパクトである。 証明終
704 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 10:58:34
命題 X を局所コンパクト空間とする。 K を X のコンパクト部分集合とする。
K ⊂ U となる任意の開集合 U に対して K ⊂ V ⊂ V~ ⊂ U となる開集合 V で V~ がコンパクトとなるものが 存在する。
証明 >>703 より、K の各点 x に対して開集合 V_x で その閉包 (V_x)~ はコンパクトであり、 x ∈ V_x ⊂ (V_x)~ ⊂ U となるものが存在する。
K はコンパクトだから K ⊂ V_(x_1) ∪ . . . ∪ V_(x_n) となる K の点 x_1, . . ., x_n がある。
V = V_(x_1) ∪ . . . ∪ V_(x_n) とおけばよい。 証明終
705 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 11:16:11
補題 X と Y を位相空間とする。 A と B を X の閉集合で、X = A ∪ B とする。
f : X → Y を写像で、f|A と f|B は連続であるとする。 ここで、f|A と f|B はそれぞれ f の A と B への制限である。
このとき f は連続である。
証明 仮定から、Y の任意の閉集合 F に対して f^(-1)(F) ∩ A と f^(-1)(F) ∩ B は X の閉集合である。 よって f^(-1)(F) = (f^(-1)(F) ∩ A) ∪ (f^(-1)(F) ∩ B) も閉集合である。 よって、 f は連続である。 証明終
706 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 11:19:13
命題 X を局所コンパクト空間とする。 K を X のコンパクト部分集合とする。
>>703 より、 K ⊂ U となる任意の開集合 U に対して K ⊂ V ⊂ V~ ⊂ U となる開集合 V で V~ がコンパクトとなるものが 存在する。
このとき、連続関数 f : X → [0, 1] で K の上で 1、X - V~ で 0 となるものが存在する。
証明 V~ はコンパクトだから >>664 より V~ は正規である。 Urysohnの補題(>>668)より、 連続関数 g : V~ → [0, 1] で K の上で 1、V~ - V で 0 となるものが存在する。
f を V~ で g に一致し、X - V~ では 0 になる関数とする。
A = X - V とする。 X = A ∪ V~ である。
f は A においては定数 0 であり、V~ においては g と一致するから V~ で連続である。 よって、>>705 より f は連続である。 証明終
707 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 11:28:09
命題 局所コンパクト空間は完全正則(>>94)である。
証明 X を局所コンパクト空間とする。
X が >>92 の性質 (CR) を満たすことを証明すればよい。
x を X の任意の点、A を X の閉集合で x を含まないとする。
{x} はコンパクトであるから、>>706 より
連続関数 g : X → [0, 1] で、g(x) = 1
A の上で g = 0 となるものが存在する。
f = 1 - g とおけば f は連続関数 f : X → [0, 1] で、f(x) = 0 A の上で f = 1 である。 証明終
708 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 11:57:14
定義 X を局所コンパクト空間とする。 X から実数体 R への連続関数でコンパクトな台(>>671)をもつもの全体を K(X, R) と書く。
K(X, R) は誤解の恐れのない場合には略して K(X) と書く場合が多い。
709 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 12:13:49
補題 X を位相空間とし、E を実数体 R 上の線形空間とする。 f, g : X → E をそれぞれ任意の写像とし、α を任意の実数とする。
このとき、 Supp(f + g) ⊂ Supp(f) ∪ Supp(g) Supp(αf) ⊂ Supp(f) となる。
ここで、記号 Supp については >>671 を参照。
証明
f(x) = 0, g(x) = 0 なら f(x) + g(x) = 0 である。
よって、
{x ∈ X | f(x) + g(x) ≠ 0}
⊂ {x ∈ X | f(x) ≠ 0} ∪ {x ∈ X | g(x) ≠ 0 }
よって、 Supp(f + g) ⊂ Supp(f) ∪ Supp(g)
α を任意の実数とする。
f(x) = 0 なら αf(x) = 0 である。
よって、
{x ∈ X | αf(x) ≠ 0} ⊂ {x ∈ X | f(x) ≠ 0}
よって、
Supp(αf) ⊂ Supp(f)
証明終
710 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 12:14:58
命題 X を局所コンパクト空間とする。 K(X, R) (>>708) は R 上の線形空間である。
証明 >>709 より明らかである。
