最終更新日時 2011年03月06日 (日) 21時49分35秒
代数的整数論 005 (671-750)
元スレ: http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1173998720/671-750
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671 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/10(火) 15:44:13
>>670 の続き。
D ≡ 1 (mod 4) で D > 0 の場合を考える。
>>669 より D = -aa', gcd(a, a') = 1 |a| < |a'| として、(a, a, (a + a')/4) を考える。
m = [(√D - a)/2|a|] とおく。ここで [*] は Gauss の記号である。 即ち、 m < (√D - a)/2|a| < m + 1
b = a + 2|a|m とおく。
a ≡ b (mod 2|a|) で 0 < √D - b < 2|a| である。
SL_2(Z) の元 (1, 1)/(0, 1) を S と書いた(過去スレ4の237)。 a > 0 のとき n = m a < 0 のとき n = -m とおく。 S^n = (1, n)/(0, 1) である。
過去スレ4の401より (a, a, (a + a')/4)S^n = (a, 2an + a, an^2 + an + (a + a')/4) である。
b = 2an + a だから (a, a, (a + a')/4) は (a, b, c) と同値である。 ここで、c = an^2 + an + (a + a')/4 とおいた。
672 :132人目の素数さん:2007/07/10(火) 17:22:00
665 はやくしろ
673 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/10(火) 18:08:23
>>671 の続き。
(a, b, c) は簡約2次形式(>>330)であることを示そう。 >>333 より |√D - 2|a|| < b < √D を示せばよい。
0 < √D - b < 2|a| であるから 結局、2|a| < √D + b を示せばよい。
2|a| < √D の場合。
0 < √D - b < 2|a| より、√D - 2|a| < b 0 < √D - 2|a| だから 0 < b よって 2|a| < √D + b
2|a| > √D の場合。 D = -aa', |a| < |a'| だから √D > |a| である。 よって 0 < √D - |a| < 2|a|
これと a ≡ |a| (mod 2|a|) より b = |a| である。
よって 2|a| < √D + b
674 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/10(火) 18:59:27
>>673 の続き。
逆に (a, b, c) は原始的な両面形式で簡約されているとする。 即ち、gcd(a, b, c) = 1, b ≡ 0 (mod a) で |√D - 2|a|| < b < √D とする。
b ≡ 0 (mod 2|a|) なら (a, b, c) と同値な形式 (a, 0, a') がある。 すると D ≡ 0 (mod 4) となって D ≡ 1 (mod 4) という仮定に反する。
よって b ≡ a (mod 2|a|) であり、 (a, b, c) と同値な形式 (a, a, c') がある。
2|a| - √D < b < √D より 2|a| < 2√D よって |a| < √D
0 < √D - b < 2|a| であるから (a, b, c) は (a, a, c') から >>671 の手続きで求めたものと 一致する。
以上から原始的な両面形式で簡約されているものの個数は 2^μ である。
>>439, >>440 より C(D) (>>605) の両面類には2個の 相異なる簡約両面形式が含まれている。 よって C(D) の両面類の個数は 2^(μ-1) である。
675 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/10(火) 19:30:16
>>674 の続き。
今度は D ≡ 0 (mod 4) と仮定する。
まず D = -4 の場合を考える。 >>653 より判別式 D の原始的な2次形式 (a, 0, c) は -4 = -4ac で gcd(a, c) = 1 となる a により決まる。 ac = 1 だから a = ±1 である。 よって正定値な (a, 0, c) は (1, 0, 1) のみである。
>>656 より判別式 -4 の原始的な2次形式 (2a, 2a, c) は -1 = -aa' で gcd(a, a') = 1 となる a により決まる。 よって a = ±1 である。 よって正定値な (2a, 2a, c) は (2, 2, 1) のみである。
>>433 より (1, 0, 1) → (2, 2, 1) だから (1, 0, 1) と (2, 2, 1) は同値である。 よって C(D) の両面類の個数は 1 = 2^(μ-1) である。
676 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/10(火) 19:57:34
>>669 >gcd(a, a') = 1 より なら |a| = |a'| = 1 である。
gcd(a, a') = 1 より |a| = |a'| なら |a| = |a'| = 1 である。
677 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/10(火) 20:19:22
>>675 の続き。
D ≡ 0 (mod 4) で D ≠ -4 とする。
>>653 より判別式 D の原始的な2次形式 (a, 0, c) は D/4 = -ac で gcd(a, c) = 1 となる a により決まる。 gcd(a, c) = 1 だから |a| = |c| なら |a| = |c| = 1 である。 しかし、|D/4| = |ac| だから |D/4| = 1 となって D ≠ -4 という 仮定に反する。 よって、|a| ≠ |c| である。
T = (0, -1)/(1, 0) とすれば、 >>184 より (a, 0, c)T = (c, 0, a) である。
よって |a| < |c| となる (a, 0, c) のみを考えればよい。
>>656, >>657 より判別式 D の原始的な2次形式 (2a, 2a, c) は D/4 ≡ 3 (mod 4) のとき D/4 = -aa', gcd(a, a') = 1 D/4 ≡ 0 (mod 8) のとき D/16 = -(a/2)(a'/2), gcd(a/2, a'/2) = 1 となる a により一意に決まる。
D ≠ -4 だから |a| ≠ |a'| である。
>>669 と同様に U = (-1, -1)/(2, 1) に対して (2a, 2a, c)U = (2a', 2a', c) よって |a| < |a'| となる (2a, 2a, c) のみを考えればよい。
678 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/10(火) 22:47:45
>>677 の続き。
D < 0 とする。 よって >>677 の (a, 0, c) と (2a, 2a, c) は正定値、 即ち a > 0 の場合のみ考えればよい。
過去スレ4の408より、 正定値かつ原始的な2次形式 (a, b, c) が簡約2次形式であるためには |b| ≦ a ≦ c であり、 |b| = a または a = c のときは b ≧ 0 となることが必要十分である。
よって >>677 の (a, 0, c) は簡約2次形式である。
>>677 の (2a, 2a, c) において、 c = (a + a')/2 よって (2a, 2a, c) が簡約2次形式であるためには、 2a ≦ (a + a')/2 即ち 3a ≦ a' が必要十分である。
3a > a' のときは (2a, 2a, (a + a')/2) の右に隣接してる(>>433)形式 ((a + a')/2, a' - a, (a + a')/2) を考える。 即ち、 (2a, 2a, (a + a')/2) → ((a + a')/2, a' - a, (a + a')/2)
3a > a' だから 0 < a' - a < (a + a')/2 よって、((a + a')/2, a' - a, (a + a')/2) は簡約されている。
これらの簡約形式が相異なることはすぐわかる。 以上から C(D) (>>605) の両面類の個数は 2^(μ-1) である。
679 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/10(火) 23:17:59
>>678 の続き。 D > 0 とする。 よって >>677 の (a, 0, c) または (2a, 2a, c) を (A, B, C) と書く。
>>671 と同様に B ≡ B' (mod 2|A|), 0 < √D - B' < 2|A| となる、B' が一意に存在する。 よって (A, B, C) と同値な (A, B', C') が存在する。
(A, B', C') は簡約2次形式(>>330)であることを示そう。 >>333 より |√D - 2|A|| < B' < √D を示せばよい。 0 < √D - B' < 2|A| であるから 結局、2|A| < √D + B' を示せばよい。
2|A| < √D の場合。 0 < √D - B' < 2|A| より、√D - 2|A| < B' 0 < √D - 2|A| だから 0 < B' よって 2|A| < √D + B'
2|A| > √D の場合。 B = 0 なら D = -4AC よって D > 4|A|^2 よって 2|A| < √D 従って、2|A| > √D の場合 B ≠ 0 である。
D = -AA', |A| < |A'| だから √D > |A| である。 よって 0 < √D - |A| < 2|A|
これと A ≡ |A| (mod 2|a|) より B' = |A| である。
よって 2|A| < √D + B'
680 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/10(火) 23:40:31
>>679 の続き。
逆に (a, b, c) は原始的な両面形式で簡約されているとする。 即ち、gcd(a, b, c) = 1, b ≡ 0 (mod a) で |√D - 2|a|| < b < √D とする。
b ≡ 0 (mod 2|a|) なら (a, b, c) と同値な形式 (a, 0, a') がある。 0 < b < √D で 2|a| は b の約数だから 2|a| < √D である。よって |a| < √D である。 0 < √D - b < 2|a| だから (a, b, c) は (a, 0, a') = (A, B, C) としたとき >>679 の (A, B', C') である。
b ≡ a (mod 2|a|) なら、 (a, b, c) と同値な形式 (a, a, c') がある。
2|a| - √D < b < √D より 2|a| < 2√D よって |a| < √D
0 < √D - b < 2|a| であるから (a, b, c) は (a, a, c') = (A, B, C) としたとき >>679 の (A, B', C') である。
以上から原始的な両面形式で簡約されているものの個数は 2^μ である。
>>439, >>440 より C(D) (>>605) の両面類には2個の 相異なる簡約両面形式が含まれている。 よって C(D) の両面類の個数は 2^(μ-1) である。
681 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/10(火) 23:55:22
定理(Gauss の主種定理 : D.A. art. 286) D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0, 1 (mod 4) とする。 >>605 で定義した Ψ : C(D) → Ker(χ)/H は >>619 よりアーベル群の準同型である。
このとき C(D)^2 = Ker(Ψ) である。 即ち、平方類全体は主種と一致する。
証明 >>670, >>674, >>675, >>678, >>680 より >>650 の |[A(D)| = 2^(μ-1) である。
よって >>650 より C(D)^2 = Ker(Ψ) である。 証明終
682 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/11(水) 08:32:58
>>652 以降の C(D) の両面類の個数の計算は 【Dirichletの整数論講義】による。
683 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/11(水) 10:31:06
Gauss の主種定理(>>681)の証明には,
>>564 で定義した χ : (Z/DZ)^* → {±1} が重要な役目をしている。
χ の定義には平方剰余の相互法則と補充法則が使われている。
しかし、平方剰余の相互法則を使わなくても、Gauss の主種定理の 主張を弱めた結果なら得られる。 そして、この結果から逆に平方剰余の相互法則と補充法則が得られる。 このことを示そう。
684 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/11(水) 10:31:49
補題 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0, 1 (mod 4) とする。 f = (a, b, c) を判別式 D の原始的2次形式とする。 さらに、D < 0 のときは f は正定値と仮定する。 G = (Z/DZ)^* とおく。
集合 { [m] ∈ (Z/DZ)^* ; m は D と素で f により表現される }
は G/H のある剰余類に含まれる。
証明 >>584 とほとんど同じなので省略する。
685 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/11(水) 10:33:50
補題
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0, 1 (mod 4) とする。
f = (a, b, c) を判別式 D の原始的2次形式とする。
さらに、D < 0 のときは f は正定値と仮定する。
G = (Z/DZ)^* とおく。
H = { [m] ∈ (Z/DZ)^* ; m は D と素で主形式により表現される }
とおく。
集合 S = { [m] ∈ (Z/DZ)^* ; m は D と素で f により表現される }
は G/H のある剰余類に一致する。
証明 >>585, >>586 とほとんど同じなので省略する。
686 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/11(水) 10:35:12
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
Φ : (Z/DZ)^* → {±1}^μ を >>590 で定義した準同型とする。
G = (Z/DZ)^* とおく。
H = { [m] ∈ (Z/DZ)^* ; m は D と素で判別式 D の主形式により
表現される } とおく。
[f] ∈ C(D) とする。
集合 S = { [m] ∈ (Z/DZ)^* ; m は D と素で f により表現される }
は、f の同値類 [f] で決まる。
さらに >>685 より S は G/H のある剰余類に一致する。
よって [f] に S を対応させることにより C(D) から G/H への 写像 Ψ_1 が得られる: Ψ_1 : C(D) → G/H
Φ : (Z/DZ)^* → {±1}^μ を >>590 で定義した準同型とする。
判別式 D の種の指標系(>>554)を Φ_1, . . . , Φ_μ とする。 Φ([f]) = (Φ_1([f]), . . . , Φ_μ([f])) と書いた(>>605)。
種の定義(>>555)より、 [f], [g] ∈ C(D) のとき [f] と [g] が同じ種に属すためには、 Φ([f]) = Φ([g]) が必要十分である。
>>600 より H = Ker(Φ) だから、これは Ψ_1([f]) = Ψ_1([g]) と 同値である。
>>600 の命題の証明には平方剰余の相互法則は使っていないことに 注意する。
687 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/11(水) 10:48:56
>>686 の続き。
>>616 と同様に Ψ_2 : G(D) → G/H が定義される。
>>619 と同様に Ψ_2 : G(D) → G/H はアーベル群の準同型である。
よって Ψ_1 : C(D) → G/H もアーベル群の準同型である。
>>600 より G/H は {±1}^μ と同型である。
よって G/H の単位元以外の元の位数は 2 である。
よって Ψ_1(C(D)^2) = 1 である。
即ち C(D)^2 ⊂ Ker(Ψ_1) である。
>>670, >>674, >>675, >>678, >>680 より |[A(D)| = 2^(μ-1) である。
h = |C(D)| g = [C(D) : Ker(Ψ_1)] n = |Ker(Ψ_1)| q = [C(D) : A(D)] α = |A(D)| とおく。
h は(D > 0 のとき狭義の)類数 g は種の個数 n は主種における類の個数 α は両面類の個数である。 h = ng = αq である。
>>650 より q = [C(D) : A(D)] = |C(D)^2| C(D)^2 ⊂ Ker(Ψ_1) だから q ≦ n である。ng = αq だから n/q = α/g ≧ 1 よって α ≧ g よって g ≦ 2^(μ-1)
688 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/11(水) 10:55:02
>>687 をまとめると次の命題になる。
命題 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0, 1 (mod 4) とする。 判別式 D の種の指標系(>>554)を Φ_1, . . . , Φ_μ とする。 このとき、判別式 D の種の個数は 2^(μ-1) 以下である。
689 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/11(水) 11:40:48
命題(平方剰余の第一補充法則) p を奇素数とする。 (-1/p) = (-1)^((p-1)/2) である。
証明(Dirichletの整数論講義) 過去スレ3の747で証明されているが、>>688 を使って証明する。
(-1)^((p-1)/2) = 1 とする。
p ≡ 1 (mod 4) である。
f = (-1, 0, p) の判別式は 4p である。 >>554 より 判別式 4p の種の指標系は (n/p) の一個からなる。 よって >>688 より f は主種に属す。 -1 は f により表現されるから (-1/p) = 1 である。
逆に、(-1/p) = 1 とする。 -1 ≡ b^2 (mod p) b^2 - pc = -1
-4 = (2b)^2 - 4pc
g = (p, 2b, c) は判別式 -4 の原始的な正定値2次形式である。 >>554 より 判別式 -4 の種の指標系は (-1)^((n-1)/2) の 一個からなる。 よって >>688 より g は主種に属す。 p は g により表現されるから (-1)^((p-1)/2) = 1 である。 証明終
690 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/11(水) 12:01:44
>>689 >-1 ≡ b^2 (mod p) >b^2 - pc = -1
-1 ≡ b^2 (mod p) となる b がある。 よって b^2 - pc = -1 となる c がある。
691 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/11(水) 12:18:01
命題(平方剰余の第二補充法則) p を奇素数とする。 (2/p) = (-1)^((p^2 - 1)/8) である。
証明(Dirichletの整数論講義) 過去スレ4の53で証明されているが、>>688 を使って証明する。
(-1)^((p^2 - 1)/8) = 1 とする。 p ≡ ±1 (mod 8) である。 p ≡ 1 (mod 8) のとき。 b = 3 として b^2 - p = 8c となる c がある。 f = (2, b, c) の判別式は p >>554 より 判別式 p の種の指標系は (n/p) の一個からなる。 よって >>688 より f は主種に属す。 2 は f により表現されるから (2/p) = 1 である。
p ≡ -1 (mod 8) なら b = 1 として b^2 + p = 8c となる c がある。 (2, b, c) の判別式は -p -p ≡ 1 (mod 8) だから上と同様に (2/p) = 1 である。
逆に、(2/p) = 1 とする。 b^2 ≡ 2 (mod p) となる b がある。 よって b^2 - 2 = pc となる c がある。 4b^2 - 4pc = 8 だから g = (p, 2b, c) の判別式は 8 である。 >>554 より 判別式 8 の種の指標系は (-1)^((n^2 - 1)/8) の 一個からなる。 よって >>688 より g は主種に属す。 p は f により表現されるから (-1)^((n^2 - 1)/8) = 1 である。 証明終
692 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/11(水) 12:55:27
命題(平方剰余の相互法則の前半) p と q を奇素数とする。 さらに p ≡ 1 (mod 4) または q ≡ 1 (mod 4) のどちらかが成り立つ とする。
このとき (p/q) = (q/p) である。
証明(Dirichletの整数論講義) p と q は対称的だから p ≡ 1 (mod 4) と仮定してよい。
(q/p) = 1 のとき。
>>689 より (-q/p) = (-1/p)(q/p) = (-1)^((p-1)/2) (q/p) = (q/p) = 1
q ≡ 1 (mod 4) のとき b^2 - pc = q となる b, c がある。 f = (p, 2b, c) の判別式は 4q >>554 より 判別式 4q の種の指標系は (n/q) の一個からなる。 よって >>688 より f は主種に属す。 p は f により表現されるから (p/q) = 1 である。
q ≡ -1 (mod 4) のとき b^2 - pc = -q となる b, c がある。 g = (p, 2b, c) の判別式は -4q 上と同様に (p/q) = 1 である。
逆に (p/q) = 1 とする。 b^2 - qc = p となる b, c がある。 (q, 2b, c) の判別式は 4p よって (q/p) = 1 である。 証明終
693 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/11(水) 13:22:07
命題(平方剰余の相互法則の後半) p と q を奇素数とする。 さらに p ≡ 3 (mod 4) かつ q ≡ 3 (mod 4) とする。
このとき (p/q) = -(q/p) である。
証明(Dirichletの整数論講義) pq ≡ 1 (mod 4) である。 従って、>>554 より 判別式 4pq の種の指標系は (n/p), (n/q) の2個からなる。
(1, 0, -pq) の判別式は 4pq である。 この形式において指標系の取る値は (1/p) = 1, (1/q) = 1
(-1, 0, pq) の判別式も 4pq である。 この形式において指標系の取る値は >>689 より (-1/p) = -1, (-1/q) = -1
よって >>688 より判別式 4pq の種の個数は2である。
f = (p, 0, -q) の判別式は 4pq である。 n を f で表現される数で D と素とすると。 上で述べたことから 2通りのケースがある。 1) (n/p) = 1, (n/q) = 1 2) (n/p) = -1, (n/q) = -1
p も -q も f により表現されるから (p/q) = 1 かつ (-q/p) = -(q/p) = 1 または (p/q) = -1 かつ (-q/p) = -(q/p) = -1 いずれにせよ (p/q) = -(q/p) である。 証明終
694 :132人目の素数さん:2007/07/11(水) 22:01:00
a
695 :132人目の素数さん:2007/07/11(水) 22:02:01
b
696 :132人目の素数さん:2007/07/11(水) 22:03:00
c
697 :132人目の素数さん:2007/07/11(水) 22:04:01
d
698 :132人目の素数さん:2007/07/11(水) 22:05:00
e
699 :132人目の素数さん:2007/07/11(水) 22:06:01
f
700 :132人目の素数さん:2007/07/11(水) 22:07:00
g
701 :132人目の素数さん:2007/07/11(水) 22:08:01
h
702 :132人目の素数さん:2007/07/11(水) 22:09:00
i
703 :132人目の素数さん:2007/07/11(水) 22:10:01
j
704 :132人目の素数さん:2007/07/11(水) 22:11:00
k
705 :132人目の素数さん:2007/07/11(水) 22:12:01
l
706 :132人目の素数さん:2007/07/11(水) 22:13:00
m
707 :132人目の素数さん:2007/07/11(水) 22:14:01
n
708 :132人目の素数さん:2007/07/11(水) 22:15:00
o
709 :132人目の素数さん:2007/07/11(水) 22:16:01
p
710 :132人目の素数さん:2007/07/11(水) 22:17:00
q
711 :132人目の素数さん:2007/07/11(水) 22:18:01
r
712 :132人目の素数さん:2007/07/11(水) 22:19:00
s
713 :132人目の素数さん:2007/07/11(水) 22:20:01
t
714 :132人目の素数さん:2007/07/11(水) 22:21:00
u
715 :132人目の素数さん:2007/07/11(水) 22:22:01
v
716 :132人目の素数さん:2007/07/11(水) 22:23:00
w
717 :132人目の素数さん:2007/07/11(水) 22:24:01
x
718 :132人目の素数さん:2007/07/11(水) 22:25:00
y
719 :132人目の素数さん:2007/07/11(水) 22:26:01
z
720 :132人目の素数さん:2007/07/11(水) 22:43:04
>>713
あわれな!
721 :132人目の素数さん:2007/07/12(木) 02:02:04
>>720 なにが
722 :132人目の素数さん:2007/07/12(木) 19:41:56
α
723 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/12(木) 20:38:38
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0, 1 (mod 4) とする。 R を判別式 D の整環とする。 Dirichlet による R の類数公式を証明しよう。 まず有理素数 p の R における分解を調べる。
724 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/12(木) 20:42:46
次の補題は過去スレ4の19の命題の拡張である。 証明も同様である。
補題 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0, 1 (mod 4) とする。 R を判別式 D の整環とする。 θ = (D + √D)/2 とおく。 過去スレ4の585より R = [1, θ] である。
有理整数 a ≠ 0, b に対して、 N(b + θ) が a で割れれば [a, b + θ] は R のイデアルである。
証明 a と b + θ が Z 上一次独立なのは明らか。 よって [a, b + θ] がイデアルであることを示せばよい。 つまり、aθ ∈ [a, b + θ] と (b + θ)θ ∈ [a, b + θ] を示せばよい。
aθ = -ab + a(b + θ) ∈ [a, b + θ] である。
N(b + θ) = ak とする。
つまり (b + θ)(b + θ') = ak である。
θ + θ' = D である。 θ' = D - θ より (b + θ)(b + D - θ) = ak よって (b + θ)(b + D) - (b + θ)θ = ak よって (b + θ)θ = -ak + (b + θ)(b + D) ∈ [a, b + θ] 証明終
725 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/12(木) 20:43:53
補題 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0, 1 (mod 4) とする。 R を判別式 D の整環とする。 θ = (D + √D)/2 とおく。
I= [a, b + θ] がイデアルなら、N(b + θ) は a で割れる。 ここで a ≠ 0, b は有理整数である。
証明 N(b + θ) = (b + θ)(b + θ') ∈ I であることから明らか。 証明終
726 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/12(木) 20:50:03
補題 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0, 1 (mod 4) とする。 R を判別式 D の整環とする。 θ = (D + √D)/2 とおく。 過去スレ4の585より R = [1, θ] である。
p を奇素数とする。 [p, b + θ] が R のイデアルとなるためには (2b + D)^2 ≡ D (mod p) となることが必要十分である。
証明 >>724 と >>725 より [p, b + θ] が R のイデアルとなるためには N(b + ω) ≡ 0 (mod p) が必要十分である。
N(b + θ) = (b + θ)(b + θ') = b^2 + bD + (D^2 - D)/4 = ((2b + D)^2 - D)/4
p は奇素数だから、これは (2b + D)^2 ≡ D (mod p) と同値である。 証明終
727 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/12(木) 21:28:18
>>726 >N(b + ω) ≡ 0 (mod p) が必要十分である。
N(b + θ) ≡ 0 (mod p) が必要十分である。
728 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/12(木) 21:37:14
命題 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0, 1 (mod 4) とする。 R を判別式 D の整環とする。 θ = (D + √D)/2 とおく。 過去スレ4の585より R = [1, θ] である。
R の任意のイデアル I ≠ 0 は I = [a, b + cθ] と一意に書ける。 ここで a > 0, 0 ≦ b < a, c > 0 で a と b は c で割れる。
証明 I = [a, b + cθ], a > 0, 0 ≦ b < a, c > 0 と一意に書ける ことは過去スレ4の14 の証明と同様である。
aθ ∈ I だから a は c で割れる。
θ は (X - θ)(X - θ') = X^2 - DX + (D^2 - D)/4 の根だから θ^2 = Dθ + (D^2 - D)/4
よって (b + cθ)θ = bθ + cθ^2 = c(D^2 - D)/4 + (b + cD)θ ∈ I
よって b + cD ≡ 0 (mod c) よって b ≡ 0 (mod c) 証明終
729 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/12(木) 21:43:01
命題 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0, 1 (mod 4) とする。 R を判別式 D の整環とする。 θ = (D + √D)/2 とおく。 過去スレ4の585より R = [1, θ] である。
R の非零素イデアル P は pR または [p, b + θ] の形である。ここで p は有理素数、b は有理整数。
証明 >>728 より P = [p, b + cω] となる。 c は p の約数だから c = 1 または c = p である。 c = p なら b は p で割れるから(>>728)、P = [p, pω] となる。 よって P = pR である。 証明終
730 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/15(日) 03:27:28
補題 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0, 1 (mod 4) とする。 R を判別式 D の整環とする。 θ = (D + √D)/2 とおく。
[2, b + θ] が R のイデアルとなるための条件を述べる。 D ≡ 0 (mod 8) なら b が偶数であることが必要十分である。 D ≡ 1 (mod 8) なら b は任意であることが必要十分である。 D ≡ 4 (mod 8) なら b は奇数であることが必要十分である。 D ≡ 5 (mod 8) なら [2, b + θ] はどんな b に対しても イデアルにならない。
証明 >>724, >>725 より [2, b + θ] が R のイデアルとなるためには、 N(b + θ) が 2 で割れることが必要十分である。 この条件を書き換えよう。
N(b + θ) = (b + θ)(b + θ') = b^2 + bD + (D^2 - D)/4 = ((2b + D)^2 - D)/4 よって ((2b + D)^2 - D)/4 ≡ 0 (mod 2) が必要十分である。 よって (2b + D)^2 - D ≡ 0 (mod 8) が必要十分である。
D ≡ 0 (mod 8) なら (2b)^2 ≡ 0 (mod 8) よって 4b^2 ≡ 0 (mod 8) b ≡ 0 (mod 2) なら 4b^2 ≡ 0 (mod 8) b ≡ 1 (mod 2) なら 4b^2 ≡ 4 (mod 8) よって b ≡ 0 (mod 2) が必要十分である。 (続く)
731 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/15(日) 03:37:32
>>730 の続き
D ≡ 1 (mod 8) なら (2b + 1)^2 ≡ 1 (mod 8) よって 2b + 1 ≡ 1, 3, 5, 7 (mod 8) 2b ≡ 0, 2, 4, 6 (mod 8) よって b ≡ 0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7 (mod 8) 即ち b は任意の有理整数である。
D ≡ 4 (mod 8) なら (2b + 4)^2 - 4 ≡ 0 (mod 8) が必要十分である。 よって 2b + 4 ≡ 2, 6 2b ≡ 2, 6 よって b ≡ 1, 3, 5, 7 即ち b は任意の奇数である。
D ≡ 5 (mod 8) なら (2b + 5)^2 - 5 ≡ 0 (mod 8) が必要十分である。 しかし平方数は mod 8 で 5 と合同にはならない。 証明終
732 :132人目の素数さん:2007/07/15(日) 03:41:08
間違ってるよ Dの所
733 :132人目の素数さん:2007/07/15(日) 03:59:49
レスを伸ばして、スレ数を稼ごうとは、愚かな…
734 :132人目の素数さん:2007/07/15(日) 04:00:32
>>732
もっと具体的に指摘してもらえませんか?
735 :132人目の素数さん:2007/07/15(日) 04:04:45
だが断るッ!
736 :132人目の素数さん:2007/07/15(日) 12:04:08
>>734
>>732 は形からして、明らかに妨害書き込み、荒らしだろう。
737 :132人目の素数さん:2007/07/15(日) 12:18:38
あらしでいいよ
738 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/15(日) 12:22:42
補題 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 R を判別式 D の整環とする。 過去スレの418より、D = (f^2)d と書ける。 ここで f は有理整数 f > 0 であり d はある2次体 Q(√m) の 判別式である。 τ = (d + √d)/2 とおく。 R = [1, fτ] である。
証明 θ = (D + √D)/2 とおく。 過去スレ4の585より R = [1, θ] である。
θ = (D + √D)/2 = ((f^2)d + f√d)/2 θ - fτ = ((f^2)d - fd)/2 = (f(f - 1)/2)d よって θ = (f(f - 1)/2)d + fτ
f(f - 1)/2 は有理整数である。
よって R = [1, θ] = [1, fτ] 証明終
739 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/15(日) 12:52:42
補題 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 過去スレの418より、D = (f^2)d と書ける。 ここで f は有理整数 f > 0 であり d はある2次体 Q(√m) の 判別式である。 p を奇素数で D の約数であり f の約数でないとき gcd(p, k) = 1 である。 ここで、k = (D^2 - D)/4p
証明 (D^2 - D)/4 = D(D - 1)/4 = (f^2)d((f^2)d - 1)/4
D ≡ 0 (mod 4) のとき。 (f^2)d = 4pr と書ける。 よって k = r((f^2)d - 1) である。 p は奇素数だから d は p の2乗で割れない。 p は f を割らないから r を割らない。 (f^2)d ≡ 0 (mod p) だから (f^2)d - 1 は p で割れない。 よって gcd(p, k) = 1 である。
D ≡ 1 (mod 4) のとき。 (f^2)d - 1 = 4s と書ける。 よって k = s(f^2)d/p である。 (f^2)d ≡ 0 (mod p) だから 4s = (f^2)d - 1 は p で割れない。 よって gcd(p, s) = 1 である。 p は奇素数だから d は p の2乗で割れない。 よって gcd(p, d/p) = 1 である。 よって gcd(p, k) = 1 である。 証明終
740 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/15(日) 13:12:55
命題 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0, 1 (mod 4) とする。 過去スレの418より、D = (f^2)d と書ける。 ここで f は有理整数 f > 0 であり d はある2次体 Q(√m) の 判別式である。
R を判別式 D の整環とする。 θ = (D + √D)/2 とおく。 p を奇素数とする。 p が D の約数で f の約数でないとき pR = P^2 となる。 ここで、P = [p, θ] で P は素イデアルである。
証明 >>726 より [p, b + θ] が R のイデアルとなるためには (2b + D)^2 ≡ D (mod p) が必要十分である。
D ≡ 0 (mod p) だから (2b)^2 ≡ 0 (mod p) p は奇素数だから b ≡ 0 (mod p) よって P = [p, θ] はイデアルである。 k = (D^2 - D)/4p とおく。 >>739 より gcd(p, k) = 1 である。
よって P^2 = <p^2, pθ, θ^2> = <p^2, pθ, Dθ - (D^2 - D)/4> = p<p, θ, (D/p)θ - k> = p<p, θ, k> = p[1, θ] = pR 証明終
741 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/15(日) 13:36:34
命題 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0, 1 (mod 4) とする。 過去スレの418より、D = (f^2)d と書ける。 ここで f は有理整数 f > 0 であり d はある2次体 Q(√m) の 判別式である。
R を判別式 D の整環とする。 θ = (D + √D)/2 とおく。 p を奇素数とする。
D が p と素で mod p の平方剰余のとき pR = PP' となる。 ここで、P = [p, b + θ] で P は素イデアルである。 b は (2x + D)^2 ≡ D (mod p) の解である。
証明 >>726 より [p, b + θ] が R のイデアルとなるためには (2b + D)^2 ≡ D (mod p) が必要十分である。 D が mod p の平方剰余なら、このような b は存在する。
このとき、P = [p, b + θ] の剰余環 R/P の位数は p だから P は素イデアルである。
PP' = [p, b + θ][p, b + θ'] = <p^2, p(b + θ), p(b + θ'), N(b + θ)> = p<p, b + θ, b + θ', N(b + θ)/p> = p<p, 2b + θ + θ', b + θ, b + θ', N(b + θ)/p> = p<p, 2b + D, b + θ, b + θ', N(b + θ)/p> = p<1, b + θ, b + θ', N(b + θ)/p> = pR 証明終
742 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/15(日) 13:55:40
命題 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0, 1 (mod 4) とする。 過去スレの418より、D = (f^2)d と書ける。 ここで f は有理整数 f > 0 であり d はある2次体 Q(√m) の 判別式である。
R を判別式 D の整環とする。 θ = (D + √D)/2 とおく。 p を奇素数とする。
D が p と素で mod p の平方非剰余のとき pR は素イデアルである。
証明 >>726 より [p, b + θ] が R のイデアルとなるためには (2b + D)^2 ≡ D (mod p) が必要十分である。 D が mod p の平方非剰余なら、このような b は存在しない。 >>729 より pR は素イデアルである。 証明終
743 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/16(月) 08:26:50
命題 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 1 (mod 8) とする。 R を判別式 D の整環とする。 θ = (D + √D)/2 とおく。
P = [2, θ] は R の素イデアルであり、 P ≠ P' で PP' = 2R である。
さらに P' = [2, 1 + θ] である。
証明 >>730 より P = [2, θ] は R の素イデアルである。 P' = [2, θ'] も R の素イデアルである。
P = P' とする。 P = [2, θ] = [2, θ'] だから P = <2, θ, θ'> = <2, θ + θ', θ, θ'> = <2, D, θ, θ'> = R である(gcd(2, D) = 1 だから <2, D> = R)。 これは矛盾だから P ≠ P' である。
PP' = <4, 2θ, 2θ', D(D - 1)/4> = 2<2, θ, θ', D(D - 1)/8> = 2<2, θ + θ', θ, θ', D(D - 1)/8> = 2<2, D, θ, θ', D(D - 1)/8> = 2R である(gcd(2, D) = 1 だから <2, D> = R)。
最後に P' = [2, 1 + θ] 即ち [2, θ'] = [2, 1 + θ] を証明する。 1 + θ + θ' = 1 + D ≡ 2 (mod 8) よって 1 + θ + θ' = n は偶数である。 1 + θ = n - θ' だから [2, θ'] = [2, n - θ'] = [2, 1 + θ] 証明終
744 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/16(月) 08:29:06
命題 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 (mod 8) とする。 過去スレの418より、D = (f^2)d と書ける。 ここで f は有理整数 f > 0 であり d はある2次体 Q(√m) の 判別式である。 R を判別式 D の整環とする。 θ = (D + √D)/2 とおく。 P = [2, θ] は R の素イデアルであり、 P = P' である。
さらに f が奇数なら P^2 = 2R である。
証明 >>730 より P = [2, θ] は R の素イデアルである。
θ + θ' = D だから θ' = D - θ D は偶数だから P = [2, θ] = [2, D - θ] = [2, θ'] よって P = P' である。
f が奇数とする。 D ≡ 0 (mod 8) かつ D = (f^2)d で f は奇数だから d ≡ 0 (mod 8) である。 d は2次体 Q(√m) の判別式だから d/8 は奇数である。 よって D/8 も奇数である。 よって D(D - 1)/8 も奇数である。
P^2 = PP' = <4, 2θ, 2θ', D(D - 1)/4> = 2<2, θ, θ', D(D - 1)/8> = 2<2, θ, θ', D(D - 1)/8> = 2R 証明終
745 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/16(月) 08:39:39
命題 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 4 (mod 8) とする。 R を判別式 D の整環とする。 θ = (D + √D)/2 とおく。
P = [2, 1 + θ] は R の素イデアルであり、P = P' である。 さらに D/4 ≡ 3 (mod 4) なら P^2 = 2R である。
証明 >>730 より P = [2, 1 + θ] は R の素イデアルである。 P' = [2, 1 + θ'] = [2, 1 + D - θ] = [2, -1 - D + θ] = [2, -1 + θ] = [2, 1 + θ] よって P = P' である。
D/4 ≡ 3 (mod 4) とする。 D/4 = m とおく。 m = 3 + 4n = 1 + 2(2n + 1) となる有理整数 n がある。
1 + D + D(D - 1)/4 = 1 + D + m(D - 1) = 1 + D + mD - m = 1 - m + (1 + m)D = -2(2n + 1) + 2(2n + 2)D = 2(-2n - 1 + (2n + 2)D)
k = -2n - 1 + (2n + 2)D とおく。 k は奇数である。
PP' = [2, 1 + θ][2, 1 + θ'] = <4, 2(1 + θ), 2(1 + θ'), 1 + D + D(D - 1)/4> = 2<2, (1 + θ), (1 + θ'), k> = 2R 証明終
746 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/16(月) 08:43:52
命題 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 5 (mod 8) とする。 R を判別式 D の整環とする。
2R は R の素イデアルである。
証明 >>729 と >>730 より明らかである。
747 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/16(月) 08:55:54
χ: (Z/DZ)^* → {±1} を >>564 の準同型とする。
n を有理整数とする。
gcd(n, D) = 1 のとき、χ(n) = χ([n])
gcd(n, D) ≠ 1 のとき、χ(n) = 0
と定義することにより χ を写像
χ: Z → {±1} に拡張する。
748 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/16(月) 09:22:03
補題(>>741 の補足) D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0, 1 (mod 4) とする。 R を判別式 D の整環とする。 θ = (D + √D)/2 とおく。 p を奇素数とする。
>>741 より D が p と素で mod p の平方剰余のとき pR = PP' となる。 ここで、P = [p, b + θ] で P は素イデアルである。 b は (2x + D)^2 ≡ D (mod p) の解である。
このとき P' = [p, -b - D + θ] であり、P ≠ P' である。
証明 P = P' と仮定する。
[p, b + θ] = [p, b + θ'] より、 P = <p, b + θ, b + θ'> = <p, 2b + D, b + θ, b + θ'> = R となって矛盾である。
P' = [p, b + θ'] = [p, b + D - θ] = [p, -b - D + θ] 証明終
749 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/16(月) 09:51:30
補題(>>744 の補足) D を平方数でない有理整数で、D ≡ 4 (mod 8) とする。
過去スレの418より、D = (f^2)d と書ける。 ここで f は有理整数 f > 0 であり d はある2次体 Q(√m) の 判別式である。
f が奇数なら D/4 ≡ 3 (mod 4) である。
証明 D ≡ 4 (mod 8) だから D = 4 + 8n となる有理整数 n がある。 D = 4(2n + 1)
f は奇数だから 2n + 1 = (f^2)k と書ける。 k は奇数である。
(f^2)d = 4(f^2)k より d = 4k である。
d は2次体 Q(√m) の判別式だから k = m で m ≡ 2, 3 (mod 4) であるが m は奇数だから m ≡ 3 (mod 4) である。
f は奇数だから f^2 ≡ 1 (mod 4) よって D/4 = (f^2)m ≡ 3 (mod 4) 証明終
750 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/16(月) 09:54:28
>>749 >補題(>>744 の補足)
補題(>>745 の補足)
