最終更新日時 2011年03月09日 (水) 21時19分02秒
代数的整数論 006 (456-540)
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456 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 15:38:33
K を可換とは限らない体とする。 φ を K の絶対値(>>414)とする。
K の任意の2元 x, y に対して φ(x + y) ≦ φ(x) + φ(y) ≦ 2sup(φ(x), φ(y))
従って、φ は K の一般絶対値(>>453)である。
457 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 16:02:54
命題 K を可換とは限らない体とする。 φ を K の一般絶対値(>>453)とする。 φ が K の絶対値であるためには、C > 0 があり 任意の有理整数 n > 0 に対して φ(n・1) ≦ Cn となることが 必要十分である。
証明 φ が K 上の絶対値なら、φ(n・1) ≦ n である。
逆に任意の有理整数 n > 0 に対して φ(n・1) ≦ Cn とする。 r に関する帰納法により、任意の有理整数 r > 0 に対して m = 2^r 個の K の元の列 x_1, . . . , x_m に対して φ(x_1 + . . . + x_m) ≦ A^r sup(x_i), 1 ≦ i ≦ m である。 この関係式は 1 ≦ m < 2^r でも成り立つことは明らかである。
任意の有理整数 n > 0 に対して 2^(r-1) < n + 1 ≦ 2^r となる 有理整数 r > 0 が存在する。 x ∈ K のとき、1 と x は K の乗法で可換だから二項定理より (1 + x)^n = 1 + nx + . . . + x^n
よって [n, i] を 2項係数とすれば、 φ(1 + x)^n ≦ A^r sup(φ([n. i]x^i)) ≦ (A^r)C sup([n. i]φ(x)^i) ≦ (A^r)C(1 + φ(x))^n
よって φ(1 + x) ≦ (A^(r/n))C^(1/n)(1 + φ(x)) n → ∞ のとき (A^(r/n))C^(1/n) → 1 だから φ(1 + x) ≦ 1 + φ(x) y ≠ 0 を K の元として x を x(1/y) で置き換えれば φ(1 + x(1/y)) ≦ 1 + φ(x(1/y)) より φ(1 + x(1/y))φ(y) ≦ φ(y) + φ(x) よって φ(x + y) ≦ φ(x) + φ(y) 証明終
458 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 16:16:38
命題 K を可換とは限らない体とする。 写像 φ : K → R+ が絶対値(>>414)であるためには
φ が以下の条件を満たすことが必要十分である。
1) φ(x) = 0 と x = 0 は同値である。
2) K の任意の2元 x, y に対して φ(xy) = φ(x)φ(y)
3) K の任意の2元 x, y に対して φ(x + y) ≦ 2sup(φ(x), φ(y))
証明 φ が絶対値なら K の任意の2元 x, y に対して φ(x + y) ≦ φ(x) + φ(y) ≦ 2sup(φ(x), φ(y))
逆に φ が 1), 2), 3) を満たすとする。 r に関する帰納法により、任意の有理整数 r > 0 に対して m = 2^r 個の K の元の列 x_1, . . . , x_m に対して φ(x_1 + . . . + x_m) ≦ 2^r sup(x_i), 1 ≦ i ≦ m である。 この関係式は 1 ≦ m < 2^r でも成り立つことは明らかである。
任意の有理整数 n > 0 に対して 2^(r-1) < n ≦ 2^r となる 有理整数 r > 0 が存在する。 上で述べたことから φ(n・1) ≦ 2^r < 2n よって >>457 より φ は K の絶対値である。 証明終
459 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 16:46:16
命題 K を可換とは限らない体とする。 写像 φ : K → R+ が一般絶対値(>>453)であるためには K の絶対値 ψ と実数 s > 0 があり、 φ = ψ^s となることが必要十分である。
証明 K の絶対値 ψ と実数 s > 0 に対して φ = ψ^s とする。 >>458 より ψ(x + y) ≦ 2 sup(ψ(x), ψ(y)) となるから ψ(x + y)^s ≦ 2^s sup(ψ^s(x), ψ^s(y)) である。 よって φ は一般絶対値である。
逆に φ が一般絶対値とする。 A > 0 があり K の任意の2元 x, y に対して φ(x + y) ≦ A sup(φ(x), φ(y)) となる。
任意の実数 t > 0 に対して φ(x + y)^t ≦ A^t sup(φ^t(x), φ^t(y)) となる。 従って φ^t も一般絶対値である。
A ≦ 2 なら φ(x + y) ≦ 2 sup(φ(x), φ(y)) となるから >>458 より φ は絶対値である。
従って A > 2 とする。
t = (log 2)/(log A) とすれば、t > 0 で 2 = A^t である。 上記から φ(x + y)^t ≦ 2 sup(φ^t(x), φ^t(y)) となり、 >>458 より ψ = φ^t は絶対値である。 s = 1/t とおけば φ = ψ^s である。 証明終
460 :132人目の素数さん:2007/08/14(火) 16:54:54
暑いな
461 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 17:33:00
補題 φ を有理数体の任意の絶対値(>>414)とする。
任意の有理整数 m > 1 と n > 1 に対して φ(m) ≦ (sup(1, φ(n)))^(log m/log n)
証明 m を n 進展開して、
m = a_0 + (a_1)n + . . . + (a_r)n^r 0 ≦ a_i < n a_r ≠ 0 とする。
n^r ≦ m だから r log n ≦ log m よって r ≦ (log m)/(log n)
φ(a_i) < n より φ(m) ≦ n(1 + (log m)/(log n))(sup(1, φ(n)))^(log m/log n)
s ≧ 1 を有理整数として m を m^s に置きかえれば、 φ(m)^s ≦ n(1 + s(log m)/(log n))(sup(1, φ(n)))^s(log m/log n)
よって φ(m) ≦ n^(1/s)(1 + s(log m)/(log n))^(1/s)(sup(1, φ(n)))^(log m/log n)
s → ∞ とすれば、φ(m) ≦ (sup(1, φ(n)))^(log m/log n) 証明終
462 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 17:53:47
命題 φ を有理数体の任意の絶対値(>>414)とする。 任意の有理整数 n > 1 に対して φ(n) > 1 なら ある実数 0 < s ≦ 1 があり、任意の有理数 x に対して φ(x) = |x|^s となる。 ここで、|x| は通常の絶対値である。
証明 >>461 より、任意の有理整数 m > 1 と n > 1 に対して φ(m) ≦ (φ(n))^(log m/log n) 対称的に φ(n) ≦ (φ(m))^(log n/log m)
よって φ(m)^(1/log m) = φ(n)^(1/log n)
log (φ(n)^(1/log n)) = s とおけば、
log φ(n) = s(log n) = log n^s よって φ(n) = n^s よって、任意の有理数 x に対して φ(x) = |x|^s となる。
1 < φ(n) ≦ n だから 0 < s ≦ 1 である。 証明終
463 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 18:52:17
命題 p を有理素数とする。 0 < c < 1 となる任意の実数を取る。
有理数 x ≠ 0 に対して x = (p^r)(s/t), s と t は p と素な有理整数 としたとき、φ_p(x) = c^r とし、φ_p(0) = 0 とする。
φ_p は有理数体の非アルキメデス絶対値である。
証明 有理数 x ≠ 0 に対して x = (p^r)(s/t), s と t は p と素な有理整数 としたとき、ν(x) = r と定義する。
以下の 1) と 2) は容易に分かる。
1) x ≠ 0, y ≠ 0 なら ν(xy) = ν(x) + ν(y) となる。
2) x ≠ 0, y ≠ 0, x + y ≠ 0 なら ν(x + y) ≧ min(ν(x), ν(y) である。
これから明らかに φ は有理数体の非アルキメデス絶対値である。 証明終
464 :132人目の素数さん:2007/08/14(火) 18:55:42
>>463 >これから明らかに 明らかではないな
465 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 19:02:28
命題 p と q を有理素数とする。 0 < c < 1 となる任意の実数を取る。
>>463 の φ_p と同様に φ_q を定義する。
φ_p は有理数体の絶対値として自明でない。 さらに、φ_p と φ_q は有理数体の絶対値として同値でない。
証明 φ_p(p) = c であるので φ_p(p) < 1 である。 従って φ_p は自明でない。
φ_q(p) = 1 であるので >>435 より φ_p と φ_q は同値でない。 証明終
466 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 19:07:38
>>464
>>463 が明らかでないなら演習問題にします。
467 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 19:36:26
命題 φ を有理数体の自明でない絶対値(>>414)とする。 ある有理整数 n > 1 に対して φ(n) ≦ 1 なら 有理素数 p と 0 < c < 1 となる実数があり、
有理数 x ≠ 0 に対して x = (p^r)(s/t), s と t は p と素な有理整数 としたとき、φ(x) = c^r となる。 即ち φ は >>463 の φ_p と一致する。
証明 >>461 より任意の有理整数 m > 1 に対して φ(m) ≦ 1 となる。 従って φ は非アルキメデス的(>>448)である。
有理整数環 Z の部分集合 I を
I = { m ∈ Z ; φ(m) < 1 } で定義する。
x, y を I の元とすると φ(x - y) ≦ sup(φ(x), φ(y)) < 1 よって x - y ∈ I
任意の a ∈ Z に対して φ(ax) = φ(a)φ(x) < 1 よって ax ∈ I
よって I は Z のイデアルである。 φ は自明でないから I ≠ 0 である。 1 は I に含まれないから I ≠ Z である。
(続く)
468 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 19:37:20
従って、ある有理整数 p > 0 があり I = Zp となる。 a > 1, b > 1 を有理整数として p = ab とする φ(p) = φ(a)φ(b) < 1 だから φ(a) < 1 または φ(b) < 1 即ち a ∈ I または b ∈ I となる。 a ∈ I なら a は p で割れるから矛盾である。 同様に b ∈ I なら b は p で割れるから矛盾である。 従って p は素数である。
有理整数 s が p で割れないときは s は I の元でないから φ(s) = 1 である。 従って、φ(p) = c とすると、0 < c < 1 であり、 任意の有理整数 n ≠ 0 に対して n = (p^r)s, s は p と素な有理整数 としたとき、φ(n) = c^r となる。 よって φ は >>463 の φ_p と一致する。 証明終
469 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 19:43:57
命題 有理数体の自明でない絶対値(>>414)は以下のどれかと同値である。
1) 有理数体の通常の絶対値。
2) p を任意の有理素数としたとき >>463 の φ_p
証明 >>462 と >467 より明らかである。
470 :132人目の素数さん:2007/08/14(火) 20:32:46
単に言葉の趣味の問題かもしれないが、「絶対値」よりは「付値」の方が通りがよいね。 非アルキメデス的な体に関する考察が続いているということは、この後 p-進数に進むんだろうな。
471 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 20:50:36
補題 K を可換とは限らない体とする。 φ を K の絶対値(>>414)とする。
φ は K から R+ への写像として一様連続である。
証明 x と y を K の任意の元とする。
φ(x) ≦ φ(x - y) + φ(y) より φ(x) - φ(y) ≦ φ(x - y)
φ(y) ≦ φ(y - x) + φ(x) より φ(y) - φ(x) ≦ φ(x - y)
よって |φ(x) - φ(y)| ≦ φ(x - y) これから直ちに φ の一様連続性が出る。 証明終
472 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 21:10:19
>>470
「付値」は英語の valuation に対応するが、これは通常、 体から実数の加法群または全順序アーベル群へのある種の写像として 定義されるものを意味する。
例えば離散付値(discrete valuation)は体から有理整数環の加法群への ある種の写像である。
従って、我々の「絶対値」(absolute value)を「付値」と呼ぶのは 混乱の原因となる。
「絶対値」(absolute value) という用語は Bourbaki に従った。 Frohlich-Taylor の Algebraic number theory もこの用語を使っている。
因みに Bourbaki は用語の選択には細心の注意を払っているが、 よほどのことがない限り慣用に従うと書いている。
今の場合はその「よほどのこと」に当たるのだろう。
473 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 21:44:01
命題(不等式延長の原理) X を位相空間とし、Y をその密な部分集合とする。
f と g を X から実数体への連続写像とする。 Y の全ての点 y で f(y) ≦ g(y) となるなら X の全ての点 x で f(x) ≦ g(x) となる。
証明 f(x) > g(x) となる x ∈ X があるとする。
f と g は連続だから、x の近傍 V があり、 V の任意の点 z で f(z) > g(z) となる。
Y は X で密だから V と Y は交わる。 y ∈ V ∩ Y とすれば f(y) > g(y) となり、仮定に反する。 証明終
474 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 22:32:40
命題 X を分離かつ完備な一様空間、α をその一様構造、 Y を X の密な部分空間とする。 β を X の一様構造で β ⊂ α であり、 Y において α と同じ一様構造を引き起こすなら α = β である。
証明 α と β は Y において同一の一様構造を引き起こす。 従って、β の Y における Cauchy フィルターは α の Y における Cauchy フィルターでもあるから X において 収束する。 従って >>263 より β は完備である。
φ : Y → X を標準単射とする。
φ を Y から一様空間 (X, α) への写像と見ると、φ は 一様連続である。
一様連続写像の延長定理(>>272)より φ は (X, β) から (X, α) へ の一様連続写像 ψ に一意に拡張される。
X の恒等写像は Y ⊂ X において φ を引き起こすから 等式延長の原理(>>265) より ψ と一致する。 即ち恒等写像 (X, β) → (X, α) は一様連続である。 即ち α ⊂ β である。 β ⊂ α であったから、α = β である。 証明終
475 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 22:46:16
命題 K を可換とは限らない体とする。 φ を K の絶対値(>>414)とする。 >>421 より付値体(>>415) K は位相体である。 勿論、K は分離的である。 >>369 より K の完備化環 K^ が存在する。
このとき K^ は体になる。 φ を K^ に連続延長したものは K^ の絶対値になり、 それは K^ の位相を定義する。
証明 >>382 より分離位相体 K の完備化環 K^ が位相体であるためには K^* に含まれ、0 に収束しない (K の加法群に関する) Cauchy フィルター Φ の基底 Φ_0 の写像 f(x) = 1/x による像が (K の加法群に関する) Cauchy フィルターの基底であることが 必要十分である。
Φ_0 は 0 に収束しないから δ > 0 と A ∈ Φ があり x ∈ A なら |x| ≧ δ となる。
>>393 より、任意の δ > 0 に対して、 写像 f(x) = 1/x は |x| ≧ δ において一様連続である。
Φ_1 = { B ∈ Φ_0 ; B ⊂ A } は Φ の基底である。
>>240 より φ(Φ_1) は Cauchy フィルターの基底である。
従って φ(Φ_0) も Cauchy フィルターの基底である。
これで K^ が位相体であることが証明された。
(続く)
476 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 22:47:01
>>471 より φ は一様連続であるから一様連続写像の延長定理(>>272) より K^ に連続延長される。 これを φ^ とする。
x, y を K^ の任意の2元とする。
等式延長の原理(>>265)より φ^(xy) = φ^(x)φ^(y)
不等式延長の原理(>>473)より φ^(x + y) ≦ φ^(x) + φ^(y) よって φ^ は K^ の絶対値である。
K^ の K の完備化としての一様構造を α とし、 φ^ で定義される一様構造を β とする。
φ^ は α で連続だから、任意の ε > 0 に対して、 K^ における 0 の近傍 V があり x ∈ V なら |φ^(x)| < ε となる。
よって y - x ∈ V なら φ^(x - y) < ε よって β ⊂ α である。
α と β は K で一致するから >>474 より α = β である。 証明終
477 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 22:52:00
>>475 の訂正
>>>393 より、任意の δ > 0 に対して、 >写像 f(x) = 1/x は |x| ≧ δ において一様連続である。
>>420 より、任意の δ > 0 に対して、 写像 f(x) = 1/x は |x| ≧ δ において一様連続である。
478 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 00:40:06
命題 ハウスドルフ位相群 G の離散部分群 H は G の閉集合である。
証明
G の単位元 e の近傍 V, W を (V^(-1))V ⊂ W かつ W ∩ H = {e}
となるようにとる。
x が H の閉包の元なら xV ∩ H は1個の元からなる。
何故なら、v , w を V の元として、xv ∈ xV ∩ H, xw ∈ xV ∩ H
なら ((xv)^(-1))xw = (v^(-1))w ∈ W ∩ H = {e} だから
xv = xw となる。
G はハウスドルフだから1個の元からなる集合は閉集合である。
従って xV ∩ H は xV で閉である。
x は xV において xV ∩ H の接触点だから {x} = xV ∩ H である。
即ち x ∈ H である。
よって H は閉である。
証明終
479 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 01:06:40
命題
実数体 R の加法群の離散部分群 H で単位群 {0} と異なるものは
H = Za の形である。ここで a > 0 である。
証明
>>478 より H は閉集合である。
仮定より H ≠ {0} だから H の元 h で 0 と異なるものがある。
-h ∈ H だから h > 0 と仮定してよい。
閉区間 [0, h] はコンパクトであり、H は閉集合だから
[0, h] ∩ H もコンパクトである。
[0, h] ∩ H は離散でもあるから [0, h] ∩ H は有限集合である。
h ∈ (0, h] ∩ H だから (0, h] ∩ H は空でない。
従って (0, h] ∩ H の最小元 a がある。
x ∈ H に対して ma ≦ x < (m+1)a となる m ∈ Z がある。 0 ≦ x - ma < a で x - ma ∈ H だから x = ma である。 証明終
480 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 01:23:27
命題
R を実数体とし、 (R^*)+ = { x ∈ R ; x > 0 } と書く。
R^* = R - {0} は乗法に関して位相群である。
(R^*)+ は R^* の部分群だからやはり位相群である。
指数関数 exp : R → (R^*)+ は位相群の同型である。
証明 x と y を R の任意の2元としたとき exp(x + y) = exp(x)exp(y) である。 従って exp : R → (R^*)+ は連続準同型である。
log : (R^*)+ → R も連続準同型である。
exp と log は互いに逆写像であるから exp は位相群の同型である。 証明終
481 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 01:29:02
命題
R を実数体とし、 (R^*)+ = { x ∈ R ; x > 0 } と書く。
>>480 で見たように (R^*)+ は乗法に関して位相群である。
(R^*)+ の離散部分群 H で単位群 {1} と異なるものは
ある a > 0 で生成される無限巡回群である。
即ち、H = {a^n ; n ∈ Z} である。
証明 >>479 と >>480 より明らかである。
482 :132人目の素数さん:2007/08/15(水) 01:36:32
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummerおやすみ──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
483 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 01:55:06
定義 K を可換とは限らない体とする。 φ を自明でない K の非アルキメデス的(>>448)絶対値(>>414)とする。
R を実数体とし、 (R^*)+ = { x ∈ R ; x > 0 } と書く。
φ(K^*) が (R^*)+ の離散部分群であるとき φ を離散的と言う。
このとき >>481 より φ(K^*) は無限巡回群である。
484 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 01:58:34
K を可換とは限らない体とする。 φ を K の離散的絶対値(>>483)とする。
s > 0 を任意の正の実数とすると >>452 より φ^s も絶対値である。
φ(K^*) = {a^n ; n ∈ Z} とする。
x ∈ K^* として φ(x) = a^n とする。
φ^s(x) = (a^n)^s = a^(ns) = (a^s)^n
よって φ^s(K^*) = {(a^s)^n ; n ∈ Z} となる。
即ち φ^s も離散的である。
従って φ が離散的か否かは φ の属する同値類で決まる。
485 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 08:43:29
命題 K を可換とは限らない体とする。 φ を K の非アルキメデス的(>>448)絶対値(>>414)とする。
K の2元 x , y に対して、φ(x) ≠ φ(y) なら φ(x + y) = sup(φ(x), φ(y)) である。
証明 φ(y) < φ(x) としてよい。 φ(x + y) ≦ φ(x) である。 φ(x + y) < φ(x) と仮定すると、 φ(x) = φ(x + y - y) ≦ sup(φ(x + y), φ(y)) < φ(x) 即ち φ(x) < φ(x) となって矛盾である。 従って φ(x + y) = φ(x) でなければならない。 証明終
486 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 08:54:46
命題(>>485 の拡張) K を可換とは限らない体とする。 φ を K の非アルキメデス的(>>448)絶対値とする。
K の元の列 x_1, . . . x_n φ(x_1 + . . . + x_n) ≦ sup(φ(x_i)), i = 1. . . . n である。
さらに、もし唯一の k があって x_k = sup(φ(x_i)) なら φ(x_1 + . . . + x_n) = sup(φ(x_i)), i = 1. . . . n である。
証明 φ(x_1 + . . . + x_n) ≦ sup(φ(x_i)) は n に関する帰納法から 出る。
唯一の k があって x_k = sup(φ(x_i)) とする。 k = 1 と仮定してよい。
y = x_2 + ,. . . + x_n z = x_1 + . . . + x_n とおく。
φ(y) < φ(x_1) φ(z) ≦ φ(x_1) である。
φ(z) < φ(x_1) と仮定すると φ(x_1) = φ(z - y) ≦ sup(φ(z), φ(y)) < φ(x_1) となって矛盾。 よって φ(z) = φ(x_1) である。 証明終
487 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 09:49:36
命題 K を可換とは限らない体とする。 φ を K の非アルキメデス的(>>448)絶対値とする。
1) φ(x) ≦ 1 となる K の元 x 全体 A は K の部分環である。
2) 任意の実数 0 < a ≦ 1 に対して
I_a = { x ∈ K ; φ(x) < a }
J_a = { x ∈ K ; φ(x) ≦ a }
とおく。
I_a と J_a は A の両側イデアルである。
3) A の任意の左または右イデアル J ≠ 0 は、ある J_a を含む。
4) m(A) = { x ∈ K ; φ(x) < 1 } は A と異なる
最大のイデアルである。
5) U(A) = A - m(A) は A の可逆元全体である。
6) A/m(A) は可換とは限らない体である。
7) 任意の x ∈ K - A に対して 1/x ∈ m(A) である。
488 :132人目の素数さん:2007/08/15(水) 09:52:32
Kummer さん、当座の目標を教えて下さい。
489 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 09:56:09
>>487 の証明
1), 2) は自明である。
3) の証明。 x ≠ 0 を左イデアル J の元とする。
φ(y) ≦ φ(x) なら φ(y(1/x)) ≦ 1 即ち y(1/x) ∈ A よって y ∈ Ax よって J_φ(x) ⊂ Ax ⊂ J である。
J が右イデアルの場合も同様である。
5) の証明。 x ∈ U(A) なら φ(x) = 1 よって φ(1/x) = 1/φ(x) = 1 よって 1/x ∈ U(A)
逆に y を A の可逆元とすると、φ(y)φ(1/y) = 1 φ(y) ≦ 1, φ(1/y) ≦ 1 だから φ(y) = 1 である。 よって y ∈ U(A) である。
4), 6) は 5) から直ちに出る。
7) は自明である。
490 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 10:20:05
>>488
初めの計画では Dirichlet の類数公式の証明です。 そのために級数論の基礎を述べたんですが、ついでに数論で使われる 位相の基礎もやろうということに考えを変えました。
類数公式にはいずれ戻るので、位相の基礎にあまり興味がなかったら それまで待ってください。
このシリーズは予備知識を少なくしようとしているため 必要な基礎知識をなるべくここで述べるようにしています。 そのため、数論本体の流れが途切れる場合もありますが それはご容赦願います。
なお、基礎部分は後で必要になった時点で参照するということで いいと思います。
491 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 10:43:31
定義 K を可換とは限らない体とする。 φ を K の離散的絶対値(>>483)とする。
φ(K^*) は無限巡回群である。
u ∈ K^* で φ(u) が φ(K^*) の生成元になっているとき u を φ の一意化元(uniformizer) または素元と言う。
492 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 11:06:17
>>491 は間違いなので削除する。
493 :132人目の素数さん:2007/08/15(水) 11:19:09
>>>492 できるものならやってみろ
494 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 11:29:52
p を有理素数とする。 >>463 の φ_p を取り上げる。
0 < c < 1 となる任意の実数 c を固定する。
有理数 x ≠ 0 に対して x = (p^r)(s/t), s と t は p と素な有理整数 としたとき、φ_p(x) = c^r である。
a = 1/c とおくと a > 1 で φ_p(x) = a^(-r) である。
log を a を底とする対数とすると、
log φ_p(x) = -r 即ち r = -log φ_p(x) よって ν(x) = -log φ_p(x) とおくと、 ν は有理数体の離散付値(過去スレ3の546)である。
495 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 11:47:30
K を可換とは限らない体とする。 φ を K の非アルキメデス的(>>448)絶対値とする。
>>494 に示唆を受けて ν(x) = -log φ(x) とする。 ここで log は任意固定の実数 > 1 を底とする対数である。
ν(x) は体 K から R ∪ {∞} への写像 ν で以下の条件を満たす。
1) ν(x) = ∞ となるのは x = 0 のときだけである。
2) x ≠ 0, y ≠ 0 なら ν(xy) = ν(x) + ν(y)
3) ν(x + y) ≧ inf(ν(x), ν(y))
496 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 12:17:19
定義
K を可換とは限らない体とする。
体 K から R ∪ {∞} への写像 ν で以下の条件を満たすものを
K の実付置または誤解の恐れがなければ単に付値と言う。
1) ν(x) = ∞ となるのは x = 0 のときだけである。
2) x ≠ 0, y ≠ 0 なら ν(xy) = ν(x) + ν(y)
3) ν(x + y) ≧ inf(ν(x), ν(y))
497 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 12:45:30
K を可換とは限らない体とする。 ν を K の実付値(>>496)とする。
ν(K^*) は R の部分群である。 これを ν の値群と言う。
ν(K^*) が 0 でない離散群のとき ν を離散付値と言う。
ν(K^*) = {0} のとき ν を自明な実付値と言う。
α > 0 を任意の正の実数としたとき μ(x) = αν(x) とおけば μ も実付値である。
二つの実付値 ν, μ がこのような関係にあるとき ν, μ は 同値であると言い、ν ~ μ と書く。
498 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 12:46:10
命題 K を可換とは限らない体とする。 ν を K の実付値(>>496)とする。
1) ν(x) ≧ 0 となる K の元 x 全体 A は K の部分環である。
2) 任意の実数 a ≧ 0 に対して
I_a = { x ∈ K ; ν(x) > a }
J_a = { x ∈ K ; ν(x) ≧ a }
とおく。
I_a と J_a は A の両側イデアルである。
3) A の任意の左または右イデアル J ≠ 0 は、ある J_a を含む。
4) m(A) = { x ∈ K ; ν(x) > 0 } は A と異なる
最大のイデアルである。
5) U(A) = A - m(A) は A の可逆元全体である。
6) A/m(A) は可換とは限らない体である。
7) 任意の x ∈ K - A に対して 1/x ∈ m(A) である。
証明は >>487 と本質的に同じである。
499 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 13:10:56
>>498 の A, m(A), A/m(A) をそれぞれ ν の付値環、極大イデアル、 剰余体と言う。
U(A) を ν の単数群と言う。
500 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 13:50:02
命題 K を可換とは限らない体とする。 ν と μ を K の実付値(>>496)とする。
ν と μ が同値(>>497)であるためにはそれぞれの付値環が 一致することが必要十分である。
証明 必要性は明らかである。
ν と μ のそれぞれの付値環が一致するとする。
それを A とする。
A の極大イデアル m(A) は >>498 より
{ x ∈ K ; ν(x) > 0 } = { x ∈ K ; μ(x) > 0 } である。
ν が自明なら A = K であり m(A) = 0 である。
従って、U(A) = K - {0} である。
即ち x ∈ K - {0} のとき μ(x) = 0 である。
よって μ も自明である。
よって ν = μ である。
ν は自明でないとする。
φ(x) = exp(-ν(x)) と書くと、φ は K の絶対値である。
φ は自明でない。
同様に ψ(x) = exp(-μ(x)) も K の絶対値である。
A の極大イデアル m(A) は
{ x ∈ K ; φ(x) < 1 } = { x ∈ K ; ψ(x) < 1 }
だから >>430 よりある実数 α > 0 があり、φ(x) = ψ(x)^α が
全ての x ∈ K で成り立つ。
従って、ν(x) = -log φ(x) = -αlog ψ(x) = αμ(x)
証明終
501 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 14:14:39
定義 K を可換とは限らない体とする。 ν を K の離散付値(>>497)とする。 >>479 より ν(K^*) は無限巡回群である。
ν(K^*) = Z のとき ν は正規付値と言う。 明らかに任意の離散付値は正規付値と同値である。
ν が離散付値のとき ν(K^*) には最小の正数 a がある。 従って、ν(π) = a となる π ∈ K がある。 このような π を ν の一意化元または素元と言う。
502 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 15:17:44
命題 K を可換とは限らない体とし、ν を K の離散付値(>>497)とする。 π を ν の素元(>>501)とし、A を ν の付値環(>>499) とする。 A の 0 でないイデアルは両側イデアルで A(π^n), n ≧ 0 の形である。
証明 ν は正規付値(>>501)と仮定してよい。
K^* の任意の元 x に対して ν(x) = n となる n ∈ Z が 定まる。ν(x(1/π^n)) = 0 だから z = x(1/π^n) は A の可逆元である。 x = z(π^n) である。 同様に x = (π^n)y となる A の可逆元 y がある。
I ≠ 0 を A の(例えば)左イデアルとする。 x ≠ 0 が I の元なら ν(x) ≧ 0 である。 x ≠ 0 を I の元全体に動かしたときの ν(x) の最小値を n とする。 b を I の元で ν(b) = n とする。 b = u(π^n) と書ける。ここで u ∈ U(A) である。
x ≠ 0 を I の元とし、ν(x) = m とする。 x = v(π^m), v ∈ U(A) と書ける。 x = v(π^(m-n))(π^n) = v(π^(m-n))(1/u)u(π^n) ∈ Ab 従って I = Ab である。
y を A の任意の元とする。 y = w(π^k), w ∈ U(A) と書ける。 上で見たように、(π^n)w = w'(π^n) となる w' ∈ U(A) がある。 by = u(π^n)w(π^k) = uw'(π^n)(π^k) = uw'(π^k)(π^n) = uw'(π^k)(1/u)u(π^n) ∈ Ab よって I = Aa は両側イデアルである。 証明終
503 :Kummer ◆p5Ne5aK0Lg :2007/08/16(木) 08:23:40
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer おはよう──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
504 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/16(木) 08:45:58
命題 G を無限巡回群とし、g をその生成元とする。 G の生成元となり得る元は g と g^(-1) だけである。
証明 h を G の生成元とする。 g = h^n h = g^m となる有理整数 n, m がある。
g = h^n = (g^m)^n = g^(nm) よって nm = 1 よって m = ±1 即ち h = g^(±1) 証明終
505 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/16(木) 08:50:29
>>491 を以下のように訂正する。
定義 K を可換とは限らない体とする。 φ を K の離散的絶対値(>>483)とする。
φ(K^*) は無限巡回群である。
>>504 より φ(K^*) の生成元 a で a < 1 となるものが 唯一つ存在する。
u ∈ K^* で φ(u) = a となっているとき u を φ の一意化元(uniformizer) または素元と言う。
506 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/16(木) 09:09:15
K を可換とは限らない体とする。 a > 1 を任意の実数とする。 K の非アルキメデス(>>448)絶対値 φ と K の実付値(>>496) ν は
ν(x) = -log φ(x), log の底は a φ(x) = a^(-ν(x)) により1対1に対応する。
s > 0 のとき sν(x) = -log φ^s(x) だから同値な非アルキメデス絶対値には同値な実付値が対応する。
従って、非アルキメデス絶対値と実付値は本質的には同じものの 別表現と考えることが出来る。
507 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/16(木) 14:46:51
H をハミルトンの4元数体とする。 即ち、H は実数体上の多元環で 1, i, j, k を基底に持つ。 これ等の元は以下の関係を持つ。
1^2 = 1, 1i = i1 = i, 1j = j1 = j, 1k= k1= k i^2 = j^2 = k^2 = -1 ij = -ji = k, jk = -kj = i, ki = -ik = j
実数体 R は R1 と同一視され、 複素数体 C は R1 + Ri と同一視される。
q = a + bi + cj + dk のとき z = a + bi w = c + di とおくと、 q = z + wj である。
wj = jw~ である。ここで w~ は w の共役を表す。
q = a + bi + cj + dk のとき q~ = a - bi - cj - dk と書き、 q の共役と言う。
N(q) = qq~ を q のノルムと言う。
q~ = z~ - wj だから N(q) = (z + wj)(z~ - wj) = |z|^2 - zwj + wjz~ - wjwj = |z|^2 - zwj + wzj - ww~jj = |z|^2 +|w|^2 = a^2 + b^2 + c^2 + d^2
508 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/16(木) 15:24:34
>>507 の続き。
q~q = (z~ - wj)(z + wj) = |z|^2 - z~wj - wz~j - ww~jj = |z|^2 +|w|^2 = N(q)
よって q と q~ は可換である。
従って、q ≠ 0 のとき q' = q~/N(q) とおくと qq' = q'q = 1 即ち q' は q の逆元である。 よって H は体である。
ij ≠ ji だから H は非可換体である。
|q| = √(N(q)) と書き、q の絶対値と言う。
509 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/16(木) 15:33:44
命題 H をハミルトンの4元数体とする。 x, y を H の2元としたとき
(xy)~ = y~x~
証明 >>507 より z, w, u, v を適当な複素数として x = z + wj y = u + vj と書ける。
xy = (z + wj)(u + vj) = zu + zvj + wu~j - wv~ = zu - wv~ + (zv + wu~)j
よって (xy)~ = z~u~ - w~v - (zv + wu~)j
一方 x~ = z~ - wj y~ = u~ - vj だから y~x~ = (u~ - vj)(z~ - wj) = u~z~ - u~wj - vzj - vw~ = (xy)~ 証明終
510 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/16(木) 15:37:18
命題 H をハミルトンの4元数体とする。 H の元 x の絶対値(>>508)は H の >>414 の意味の絶対値である。
証明 x, y を H の2元としたとき |xy| = |x||y| となることのみ証明すればよい。
これは N(xy) = N(x)N(y) と同値である。
>>509 より (xy)~ = y~x~ だから
N(xy) = (xy)(xy)~ = (xy)(y~x~) = xN(y)x~ = xx~N(y) = N(x)N(y) 証明終
511 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/16(木) 16:07:15
p を有理素数とする。 0 < c < 1 となる任意の実数を取る。 有理数 x ≠ 0 に対して x = (p^r)(s/t), s と t は p と素な有理整数 としたとき、φ_p(x) = c^r とし、φ_p(0) = 0 とする。
>>463 より φ_p は有理数体の非アルキメデス絶対値である。
c として 1/p を取る場合が多い。 この場合、以下のようにHasse の積公式が成り立つ。
x ≠ 0 を有理数とし、x = ±Πp^r を素因数分解とする。
|x| = Π(1/φ_p(x)) よって |x|Πφ_p(x) = 1
ここで右辺の積は全ての素数に渡る。 有限個を除いた全ての素数 p に対して φ_p(n) = 1 だから この積は意味がある。
512 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/16(木) 16:12:26
定義 p を有理素数とする。 >>463 の c として 1/p を選んだときの φ_p を p-進絶対値という。
513 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07:12:09
a
514 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07:12:40
b
515 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07:13:11
c
516 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07:13:42
d
517 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07:14:14
e
518 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07:14:45
f
519 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07:15:16
g
520 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07:16:05
h
521 :Kummer ◆p5Ne5aK0Lg :2007/08/17(金) 07:16:17
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer おはよう──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
522 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07:16:36
i
523 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07:17:07
j
524 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07:17:38
k
525 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07:18:09
l
526 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07:18:40
m
527 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07:19:11
n
528 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07:20:09
o
529 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07:20:41
p
530 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07:21:11
q
531 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07:21:42
r
532 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07:22:13
s
533 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07:22:44
t
534 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07:23:15
u
535 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07:24:09
v
536 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07:24:40
w
537 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07:25:11
x
538 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07:25:42
y
539 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07:26:13
z
540 :132人目の素数さん:2007/08/17(金) 07:43:01
>>539 気が済んだかね?
