最終更新日時 2011年03月09日 (水) 21時55分27秒
代数的整数論 007 (71-140)
元スレ: http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1187904318/71-140
ログ元: http://2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1187904318/71-140
ログ元: http://2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1187904318/71-140
71 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 15:21:12
定理 X を可算な基本近縁系をもつ一様空間とする。 Φ をこの一様構造とする。 X 上の擬距離 f が存在して f により定義される一様構造が Φ と一致する。
証明 X の可算な基本近縁系を (V_n), n ≧ 1 とする。 帰納法により、X の対称近縁の列 (U_n), n ≧ 1 を、 U_1 ⊂ V_1, (U_(n+1))^3 ⊂ U_n ∩ V_(n+1) となるように定義する。
(U_n), n ≧ 1 は X の基本近縁系である。
>>69 の写像 g : X×X → [0, +∞) に対して、 x, y を X の任意の2点としたとき、
f(x, y) = inf Σg(z_i, z_(i+1)) とおく。
右辺の下限は、z_0 = x, z_p = y を満たすすべての有限列 z_0, . . . , z_p に対して取る。
(続く)
72 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 15:22:01
>>71 の続き。
f が対称で三角不等式を満たすことは容易にわかる。 f(x, y) ≦ g(x, y) は明らかだから f(x, x) = 0 である。 よって f は擬距離である。
>>69 より f(x, y) ≧ (1/2)g(x, y) である。 即ち、(1/2)g(x, y) ≦ f(x, y) ≦ g(x, y) となる。
任意の実数 a > 0 に対して
W_a = { (x, y) ∈ X×X ; f(x, y) < a} とおく。
>>59 より W_a 全体は f による X 上の一様構造の基本近縁系になる。
任意の実数 a > 0 に対して 1/2^k < a となる整数 k > 0 をとれば (x, y) ∈ U_k なら f(x, y) ≦ g(x, y) ≦ 1/2^k < a よって、U_k ⊂ W_a
逆に、f(x, y) ≧ (1/2)g(x, y) だから、 任意の k > 0 に対して、 f(x, y) ≦ 1/2^(k+1) なら g(x, y) ≦ 1/2^k である。 よって W_(1/2^(k+1)) ⊂ U_k である。
以上から W_a は Φ の基本近縁系である。 証明終
73 :γ◇Homotopy:2007/08/25(土) 15:33:03
>>71
Kummer さま、こんにちは。
(U_n) の構成では、従属選択公理を使っていますね?
74 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 15:37:15
>>73
そうでしょうが、数学やる人はほとんど気にしてません。
75 :γ◇Homotopy:2007/08/25(土) 16:36:27
>>74
どうも失礼しました m(_ _)m
私の師が、昔、選択公理を使わずに実数論を展開することに ハマっていたので、つい。
76 :1stVirtue ◆.NHnubyYck :2007/08/25(土) 16:51:36
Reply:>>75 実数空間の構成には選択公理は要りません。どこに選択公理が現れますか?
77 :γ◇Homotopy:2007/08/25(土) 17:02:20
>>76
(1)区間 I 上の実数値関数 f が、a∈I で連続なるための条件は、 a に収束する任意の点列 (a_n) に対して、点列 (f(a_n)) が f(a) に収束することの証明。
普通にやると、可算選択公理を誰しも使うと思う。
(2)R の有界閉区間上の連続実数値関数は、一様連続であることの証明。
これも帰謬法で証明する場合、普通は可算選択公理を使う。 尤も、次の命題は、集合論 ZF 内で証明可能:
命題:コンパクトハウスドルフ空間 X から、一様空間 Y への連続写像は、 一様連続。
まあ、基礎論に興味の無い人には、どうでも良いことですが A^ ^;
78 :γ◇Homotopy:2007/08/25(土) 17:04:42
>>77
日本語がおかしいので、訂正
× a に収束する任意の点列 (a_n) に対して、点列 (f(a_n)) が f(a) に収束することの証明。
○ a に収束する任意の点列 (a_n) に対して、点列 (f(a_n)) が f(a) に収束することであることの証明。
79 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 17:08:14
>>75
可算選択を気にしないという意味です。
非可算選択を気にする数学者はわりといると思います。
80 :γ◇Homotopy:2007/08/25(土) 17:09:39
>>79
なるほど。ありがとうございます。
81 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 17:38:29
定理 X を一様空間とし、Φ をこの一様構造とする。
X 上の擬距離の族 (f_λ), λ ∈ L が存在して (f_λ) によって定義される X の一様構造が Φ と一致する。
証明 Φ の任意の近縁 V に対して、 帰納法により、X の対称近縁の列 (U_n), n ≧ 1 を、 U_1 ⊂ V, (U_(n+1))^2 ⊂ U_n となるように定義する。
(U_n) は X のある一様構造 Φ_V の基本近縁系となる。
一様構造の族 (Φ_V), V ∈ Φ の上限(過去スレ006の220)を Ψ とする。
V を Φ の任意の近縁とする。U ⊂ V となる U ∈ Φ_V がある。 よって V ∈ Ψ である。 従って、Φ ⊂ Ψ である。 Ψ ⊂ Φ は明らかだから Φ = Ψ である。
>>71 より Φ_V はある擬距離 f_V の定める一様構造と一致する。 (f_V), V ∈ Φ が求める擬距離の族である。 証明終
82 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 20:16:44
補題 (f_λ), λ ∈ L を集合 X 上の擬距離の族とする。
sup {f_λ; λ ∈ L } は X 上の擬距離である。
証明 f_λ(x, y) ≦ f_λ(x, z) + f_λ(z, y)
だから
sup f_λ(x, y) ≦ sup (f_λ(x, z) + f_λ(z, y)) ≦ sup (f_λ(x, z)) + sup (f_λ(z, y)) 証明終
83 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 20:21:05
定義 (f_λ), λ ∈ L を集合 X 上の擬距離の族とする。
H を L の有限部分集合とする。
>>82 より f_H = sup {f_λ; λ ∈ J } は擬距離である。
L の任意の有限部分集合 H に対して f_H がこの族に属すとき、 (f_λ) を擬距離の充填族と言う。
84 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 20:35:00
補題 (f_λ), λ ∈ L を集合 X 上の擬距離の族とする。
H を L の任意の有限部分集合とする。
>>82 より f_H = sup {f_λ; λ ∈ J } は擬距離である。
L の有限部分集合の全体を Φ(L) とする。
族 (f_H), H ∈ Φ(L) は充填族(>>83)であり、 (f_λ) と同値(>>63)である。
証明 f_1, . . . , f_n を (f_λ) に属す有限部分列とする。
実数 a > 0 に対して
U_a = {(x, y) ∈ X×X ; f_1(x, y) < a, . . ., f_n(x, y) < a}
とおく。
U_a の全体が (f_λ) で定義される一様構造の基本近縁系である。
f = sup{f_1, . . .,f_n} とおけば、
U_a = {(x, y) ∈ X×X ; f(x, y) < a}
である。
証明終
85 :132人目の素数さん:2007/08/25(土) 20:39:38
★思考盗聴システムは実在する!!★
【心を読み取る装置の防犯(パート26)】 http://life8.2ch.net/test/read.cgi/bouhan/1186888958/
【思考盗聴の変換解釈学に向けて】 http://society6.2ch.net/test/read.cgi/police/1177164530/
◆詳しい方意見を求む!!!
86 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 21:05:15
命題 X を一様空間ととする。
x を X の任意の点、A を X の閉集合で x を含まないとする。
連続関数 f : X → [0, 1] で f(x) = 0 A の上で f = 1 となるものが存在する。
証明 U = X - A とおく。
x ∈ U で、U は開集合である。
>>81 より X 上の擬距離の族 (f_λ), λ ∈ L が存在して X の一様構造は (f_λ) によって定義される一様構造と一致する。
>>84 より (f_λ) は充填族と仮定してよい。
ある実数 a > 0 とある λ ∈ L があり、
U_a(x) = {(x, y) ∈ X×X ; f_λ(x, y) < a} とおくと、
U_a(x) ⊂ U となる。
従って、y ∈ A のとき、f_λ(x, y) ≧ a となる。
f(z) = inf(1, (1/a)f_λ(x, z)) とおく。 f が求めるものである。 証明終
87 :γ◇Homotopy:2007/08/25(土) 21:21:00
> U_a(x) = {(x, y) ∈ X×X ; f_λ(x, y) < a}
とありますが、
U_a(x) = { y ∈ X ; f_λ(x, y) < a}
すべきでは?
88 :γ◇Homotopy:2007/08/25(土) 21:22:38
>>87 変な日本語の訂正
× すべきでは? ○ とすべきでは?
89 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 21:38:29
補題 >>55 で述べたように、 集合 X 上で定義された任意の有限実数値関数 g に対して f(x, y) = |g(x) - g(y)| と定義すると、f は X 上の擬距離である。
f により定義される一様構造は、g を一様連続にするような最も粗い 一様構造である。
証明 f により定義される一様構造は、実数体 R の一様構造の g による 逆像(過去スレ006の224)であることに注意すればよい。
90 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 21:39:33
>>87
そうでした。 有難うございます。
91 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 21:47:36
命題 X を位相空間で次の性質 (CR) を持つとする。
(CR) x を X の任意の点、A を X の閉集合で x を含まないとする。 連続関数 f : X → [0, 1] で、f(x) = 0 A の上で f = 1 となるものが存在する。
このとき、X は一様区間になりその定める位相構造が X の位相構造と 一致する。
証明
X から [0, 1] への連続写像全体を Λ とする。
f ∈ Λ のとき [0, 1] の一様構造の f による逆像(過去スレ006の224)
を Φ_f とする。
Φ = sup {Φ_f ; f ∈ Λ} とする(過去スレ006の220)。
Φ は、Λ に属するすべての写像を一様連続にするような 最も粗い一様構造である。
U を X の開集合で x ∈ U とする。 性質 (CR) より f ∈ Λ で f(x) = 0, X - U の上で f = 1 となる ものが存在する。
{ y ∈ X ; |f(x) - f(y)| < 1/2 } ⊂ U である。
>>89 により、これは U が Φ による位相で x の近傍であることを 意味する。 x は U の任意の点だから U は Φ の開集合である。 従って X の位相は、Φ が定める位相より粗い。 他方、明らかに Φ が定める位相は X の位相より粗い。 よって両者は一致する。 証明終
92 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 21:56:15
定理 位相空間 X がその位相と両立する一様構造をもつためには 次の性質 (CR) を持つことが必要十分である。
(CR) x を X の任意の点、A を X の閉集合で x を含まないとする。 連続関数 f : X → [0, 1] で、f(x) = 0 A の上で f = 1 となるものが存在する。
証明 必要なことは >>86 で、十分なことは >>91 で証明されている。
93 :93:2007/08/25(土) 21:57:53
√9=3
94 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 22:03:28
定義 ハウスドルフ位相空間 X が >>92 の性質 (CR) を持つとき X は完全正則であると言う。
95 :132人目の素数さん:2007/08/25(土) 22:32:19
相も変わらず良スレ
96 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 06:37:35
定義 位相空間 X にある距離が定義され、その距離による位相と X の元の位相が一致するとき X は距離付け可能と言う。
97 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 06:50:21
位相空間 X が距離付け可能(>>96)なとき、X の位相と両立する距離は 無数にある。しかも、これ等は同値とは限らない。
例えば、(R+)^* を正の実数全体のなす乗法群とする。 (R+)^* には位相群としての一様構造と、R の部分空間としての 一様構造が入るが、これ等は同値ではない。
98 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 06:53:34
定義 一様空間 X にある距離 d が定義され、d による一様構造と X の元の一様構造が一致するとき X は距離付け可能と言う。
このとき、距離 d は X の一様構造と両立すると言う。
99 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 07:08:24
命題 一様空間 X が距離付け可能(>>98)であるためには、 X が分離的であり、可算基本近縁系をもつことが必要十分である。
証明 必要なことは明らかである(距離空間の基本事項は既知とする)。
十分なこと。 >>71 より X の一様構造と両立する擬距離 f が存在する。 f は有限な擬距離と仮定してよい。 これは >>71 の証明からも分かるし、>>62 からも分かる。
X は分離的だから >>64 より f は距離である。 証明終
100 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 08:11:01
補題 X を集合とする。 (A_n), n ∈ N を X の高々可算な部分集合の族とする。 ここで、N は整数 > 0 全体の集合である。
A = ∪A_n は可算である。
証明 A_n は高々可算だから、A_n から N への単射 f_n が存在する。
写像 f : A → N×N を次のように定義する。
x ∈ A のとき、x ∈ A_n となる最小の n を k とする。 f(x) = (k, f_k(x)) と定義する。
f が単射なことは明らかである。 N×N は可算だから A も可算である。 証明終
101 :132人目の素数さん:2007/08/26(日) 08:32:53
ハウスドルフ位相空間 X で、インメルマンターンを行ったとき X は完全正則であると言う。
ミンコフスキー空間へのローレンツ変換により アインシュタインの宇宙方程式は厳密解が存在しないことが明らかである。 ドイツの数学者カール・シュバルツシルトは、 1916年に、完全球体の質量mの天体が空間に静止しているとき リーマン空間がどのようになるかを調べた。 そうすると、天体は自らの重みでつぶれていき、 ある半径(シュバルツシルトの半径)になると、 重力が無限大になることが証明された。 重力崩壊による特異点の発生である。
102 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 08:44:25
補題 I を可算無限集合とし、Φ(I) を I の有限部分集合全体とする。 Φ(I) は可算である。
証明 I = N と仮定してよい。 ここで、N は整数 > 0 全体の集合である。
Φ(N) から N への写像 f を f(J) = max(J) で定義する。
n ∈ N に対して A_n = f^(-1)(n) とおく。
Φ(N) = ∪A_n である。 A_n は有限集合だから >>100 より Φ(I) は可算である。 証明終
103 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 09:09:45
命題 可算個の擬距離の族により定義された一様構造(>>63)は、 それが分離的であれば距離付け可能(>>98)である。
証明 (f_n), n ∈ N を集合 X の擬距離の族とする。 ここで、N は整数 > 0 の集合である。
H を N の任意の有限部分集合とする。
>>82 より f_H = sup {f_n; n ∈ H } は擬距離である。
N の有限部分集合の全体を Φ(N) とする。
族 (f_H), H ∈ Φ(N) は充填族(>>83)であり、 (f_n) と同値(>>63)である。
任意の整数 m > 0 と任意の H ∈ Φ(N) に対して
V_(H,m) = { (x, y) ; f_H(x, y) < 1/m } の全体は
(f_n) により定義される X の一様構造の基本近縁系である。
>>102 より Φ(N) は可算であるから、Φ(N)×N は可算である。
>>99 より X は距離付け可能である。 証明終
104 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 09:35:55
命題 距離付け可能(>>98)な一様空間の可算個の積は距離付け可能である。
証明 (X_n), n ∈ N を距離付け可能な一様空間の族とする。 ここで、N は整数 > 0 の集合である。
X = ΠX_n とおく。
p_i : X → X_i を射影とし、 g_i = (p_i)×(p_i) : X×X → (X_i)×(X_i) とおく。
H を N の任意の有限部分集合とする。 各 i ∈ H に対して V_i を X_i の可算基本近縁系に属す近縁とする。
V_H = ∩(g_i)^(-1)(V_i) とおく。
V_H の形の集合全体は X の基本近縁系である。
H を固定したとき V_H の全体は可算集合の有限個の積を 添字として持つので可算である。
>>102 より、N の任意の有限部分集合全体は可算である。 よって H を動かしたとき V_H の全体は >>100 より可算である。
X は分離だから、>>99 より X は距離付け可能である。 証明終
105 :132人目の素数さん:2007/08/26(日) 10:21:49
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | おはようKummer ーーー!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | つ / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
106 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 11:25:11
>>104 において、各 X_n に距離が与えられたとき、 X = ΠX_n の距離を具体的に定義してみよう。
107 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 11:26:36
命題 (X_n), n ∈ N を距離空間の族とする。 ここで、N は整数 > 0 の集合である。
各 X_n の距離を d_n とする。 X = ΠX_n とおく。
(x, y) ∈ X×X, x = (x_n), y = (y_n) のとき、
d(x, y) = Σ(1/2^n)d_n(x_n, y_n)/(1 + d_n(x_n, y_n))
とおけば、d は X の距離であり、X の積一様構造と両立する。
証明 関数 x/(1 + x) は [0, +∞) で単調で x → +∞ のとき 1 を極限に持つ。 従って x/(1 + x) ≦ 1 である。 よって、d_n(x_n, y_n)/(1 + d_n(x_n, y_n)) ≦ 1 である。
よって (1/2^n)d_n(x_n, y_n)/(1 + d_n(x_n, y_n)) ≦ (1/2^n)
Σ(1/2^n) = 1 だから 過去スレ006の55より、Σ(1/2^n)d_n(x_n, y_n)/(1 + d_n(x_n, y_n)) は 収束し、Σ(1/2^n)d_n(x_n, y_n)/(1 + d_n(x_n, y_n)) ≦ 1 となる。
>>62 より d_n(u, v)/(1 + d_n(u, v)) は X_n の距離で d_n と同値である。
よって D_n(u, v) = (1/2^n)d_n(u, v)/(1 + d_n(u, v)) も d_n と同値である。 (続く)
108 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 11:27:39
>>107 の続き。
X の積一様構造を Φ とし、X の距離 d による一様構造を Ψ とする。
各 n に対して D_n(x_n, y_n) ≦ d(x, y) だから 一様空間 (X, Ψ) から X_n への射影 p_n は一様連続である。 よって過去スレ006の232より、(X, Ψ) から (X, Φ) への恒等写像は 一様連続である。 即ち、Φ ⊂ Ψ である。
各 n に対して
d(x, y) ≦ ΣD_i(x_i, y_i) + 1/2^(n+1)(1 + 1/2 + 1/2^2 + . . . ) = ΣD_i(x_i, y_i) + 1/2^n
である。 ここで Σ は i = 1 から n に関する和である。
任意の ε > 0 に対して 1/2^n < ε となる整数 n > 0 を取る。
1 ≦ i ≦ n となる各 i に対して D_i(x_i, y_i) < ε/2n とする。 このような (x, y) 全体は Φ の近縁である。
d(x, y) ≦ ΣD_i(x_i, y_i) + 1/2^n < nε/2n + ε/2 = ε
よって、(X, Φ) から (X, Ψ) への恒等写像は一様連続である。 即ち、Ψ ⊂ Φ である。 証明終
109 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 11:30:03
>>107 の補足。
d(x, y) が X の距離であることは容易に分かる。
110 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 11:49:06
命題 位相群 G の左または右一様構造(過去スレ006の200)が 距離付け可能(>>98)なための必要十分条件は G が分離的で単位元の可算基本近傍系が存在することである。
証明 必要正は明らかである。
G が分離的で単位元の可算基本近傍系 (V_n) が存在するとする。
U_n = { (x, y) ∈ G×G ; x^(-1)y ∈ V_n } とおく。
(U_n) は G の左一様構造に関して可算基本近縁系である。 従って、>>99 より G の左一様構造は距離付け可能(>>98)である。
右一様構造に関しても同様である。 証明終
111 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 11:54:32
命題 位相群 G が位相空間として距離付け可能(>>96)なら、 G の左または右一様構造(過去スレ006の200)も 距離付け可能(>>98)である。
証明 G が位相空間として距離付け可能なら、G は分離的で 単位元の可算基本近傍系を持つ。
よって、>>110 より G の左または右一様構造も 距離付け可能である。 証明終
112 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 11:56:40
定義 位相群 G が位相空間として距離付け可能(>>96)なとき、 G を距離付け可能な群と言う。
113 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 12:01:12
定義 群 G 上の距離 d が G の任意の元 x, y, z に対して d(zx, zy) = d(x, y) となるとき d を左不変と言う。
d(xz, yz) = d(x, y) となるとき d を右不変と言う。
114 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 12:22:11
命題 距離付け可能な群(>>112) G の左一様構造(過去スレ006の200)は、 左不変(>>113)な距離により定義される。
右一様構造(過去スレ006の200)は、右不変(>>113)な距離により 定義される。
証明
G は単位元の可算基本近傍系 (V_n) を持つ。
各 n に対して V_n は対称で、(V_n)^3 ⊂ V_n と仮定してよい。
各 n に対して、
U_n = { (x, y) ∈ G×G ; x^(-1)y ∈ V_n } とおく。
(U_n) は左一様構造の基本近縁系であり、各 n に対して U_n は対称で、(U_n)^3 ⊂ U_n である。
>>71 のようにして (U_n) から G の左一様構造と両立する距離 f を 定義する。
G の任意の元 z に対して、(x, y) ∈ U_n なら (zx)^(-1)zy = x^(-1)y ∈ V_n だから (zx, zy) ∈ U_n である。
逆に (zx, zy) ∈ U_n なら (x, y) ∈ U_n である。
従って、>>69 で定義した関数 g は、g(zx, zy) = g(x, y) を満たす。 よって、f も、f(zx, zy) = f(x, y) を満たす。 即ち f は左不変である。
右一様構造に関しても同様である。 証明終
115 :132人目の素数さん:2007/08/26(日) 12:46:42
Kummer びろーん ∩___∩ | ノ ヽ/⌒) /⌒) (゚) (゚) | .| / / ( _●_) ミ/ .( ヽ |∪| / \ ヽノ / / / | _つ / | /UJ\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
116 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 12:54:05
G を距離付け可能なアーベル群(>>112)とする。 >>114 より G の一様構造は不変距離 d により定義される。
|x| = d(0, x) と書く。
|x| = 0 なら d(0, x) = 0 だから x = 0 である。
|-x| = d(0, -x) = d(x, x - x) = d(x, 0) = |x|
|x + y| = d(0, x + y) ≦ d(0, x) + d(x, x + y) = d(0, x) + d(0, x + y - x) = d(0, x) + d(0, y) = |x| + |y|
以上から | | は次の3条件を満たす。
1) |x| = 0 と x = 0 は同値である。
2) 任意の x ∈ G に対して、|-x| = |x|
3) 任意の x, y ∈ G に対して、|x + y| ≦ |x| + |y|
117 :132人目の素数さん:2007/08/26(日) 13:01:42
Kummerびろーん びろろ~ん べろーん びろんぬ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ | ノ ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) /⌒) (゚) (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| / / ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ .( ヽ |∪| / |∪| / |∪| / |∪| / \ ヽノ / ヽノ ./ ヽノ / ヽノ / / / ./ / ./ / ./ / | _つ / | _つ / | _つ / | _つ / | /UJ\ \.| /UJ\ \| /UJ\ \.| /UJ\ \ | / ) )| / ) )| / ) )| / ) ) ∪ ( \ ( \ ( \ ( \ \_) \_) \_) \_)
118 :132人目の素数さん:2007/08/26(日) 13:15:08
中学の時、夏休みにこたつで寝てた高校生の姉ちゃんに、 つい出来心で胸を指でつついてしまった。 起きる気配がなかったので、死ぬほど緊張しながら手のひらでオッパイさわってみた。 そのまましばらくじっとしてて、安全を確認しながらそっともんでみた。 「う~ん」とかいって少し頭が動いたので、あわててはなれて、寝たふりをした。 その日の夕食の後、部屋にもどろうとした俺に、廊下で姉ちゃんが話し掛けて来た。 「お前、さっちねえちゃんのオッパイさわったろ!」 全身から一気に血の気が引いて、
119 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 13:24:09
命題 G をアーベル群とする。 G から R+ への写像 x → |x| が定義され、>>116 の条件 1), 2), 3) を 満たすとする。
d(x, y) = |x - y| は G 上の不変距離(>>113)であり、 d の定義する位相により G は位相群になる。 G の位相群としての一様構造は d により定義される一様構造と一致する。
証明 d(x, y) が G 上の不変距離であることは読者に任す。
任意の実数 a > 0 に対して V_a = { x ∈ G ; |x| < a } とおく。
V_a 全体を Φ_0 とおく。
Φ_0 は明らかにフィルター基底(過去スレ006の77)である。 >>116 の条件 2) より -V_a = V_a >>116 の条件 3) より V_a + V_a ⊂ V_2a
Φ_0 が生成するフィルターを Φ とすれば Φ は 過去スレ006の590の条件 1), 2), 3) を満たす。 従って、過去スレ006の590より Φ が G の単位元 0 の近傍全体と一致するような G の位相が 唯一つ存在し、その位相により G は位相アーベル群となる。
x, y ∈ G のとき x - y ∈ V_a は d(x, y) < a と同値である。 従って、G の位相群としての一様構造は d により定義される一様構造と 一致する。 これから d の定義する位相と G の位相アーベル群としての位相は 一致する。 証明終
120 :132人目の素数さん:2007/08/26(日) 13:54:57
| ̄| ! ̄|┌┘└‐P│└PPi ノ ,r┐ |ヽ、__,ノ/| ! r、 ヽ |_|丿 ! 厂| hヾ l ┌─‐!∠ 、ー' ,! __ノ | .! | ) } ∠__ノ/___j___,!l、_).!、_ ̄ ̄| ∠__ノ |____ノ | '‐' _ノ
121 :132人目の素数さん:2007/08/26(日) 14:32:43
_ノ~ \,r‐'' ̄~`ーく \ _/ ̄~7 > ヽ、 ヽ ,.-‐' l /~ _,.-イ `ヾ ー-、`''  ̄ヽ / 人fニ"~ __/ | ̄ ゙ー-、 ヾ. ) | ,.r'"~ ̄`tn.jー‐r―――‐' ヽ / ヽ/ ( /ノ 「ヾ' ∧ \ く / ヾ. /U `i ノ \ ヽ ,ィハ く / | .|' ゙i 、 i .f'゙=' \ / _|/ | ト、 \ トハ ,! `ー-、__/ー'Tフ~| l! \ヽヽ. \ トヾ,ハ. .」 r'"' !l |,_,_,,,_,__.. \゙、\:、、ゞヽ,,;゙ ト i| ( i'~ゝ、! ,イノ''''''''''''''''` ヽゝ ,ィ‐r=ッ レ'リ ) ( ヽi r'j ! " _,;;rr=ェッ、 '~`゙'゙`` :| i' ( ( ) ゙i ヽり, '~´`´´` ::. r' ヽヽ ノ \ 从 | ) )) ゙ー'ヘ _. _. | (,, ( ヽ _,,...-''___|_____) おまいら、代数的整数論くらいで騒ぐなよ ,ハ. / :;;;;;;;;;;;( ((;;). ノ \ `゙ー  ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄ ̄ ̄ / `ァ:.._ ノ / / | ヽ ノ \:.ヾ‐-:::...-‐'" / | | \
122 :132人目の素数さん:2007/08/26(日) 15:53:10
年内か、1年以内にはブレイクするであろう、絶滅危惧種テクノアイドルユニット そこまで顔が可愛い部類ではないが、何故か惹かれてしまう。 流行先取りしてみないか?騙されたと思って見てくれ。暇つぶしだと思って。 サマーソニック(大阪)にも出演しました! 最近ではクラブでもアレンジされて 一部楽曲が流れてます(テクノ系ね。稀にハウス系でも流れる謎w) 広島アクターズスクール出身でMCも広島弁全開。 5年の下積み生活はダテじゃないw踊りのキレもいいwww
【Perfume - パーフェクトスター・パーフェクトスタイル Live】 http://www.nicovideo.jp/watch/sm298834 http://www.nicovideo.jp/watch/sm685457 【Perfume - Twinkle Snow Powdery Snow Live】 http://www.nicovideo.jp/watch/sm167094 【Perfume - エレクトロ・ワールド Live】 http://www.nicovideo.jp/watch/sm767003 【Perfume - チョコレイト・ディスコ】 http://www.nicovideo.jp/watch/sm533757 【Perfume - ポリリズム PV】 http://www.nicovideo.jp/watch/sm912438 【Perfume - スーパージェットシューズ Live】 http://www.nicovideo.jp/watch/sm234336 【たたみ2畳でも踊りきるプロ根性。叩き上げの5年の下積みは伊達じゃない】 http://www.nicovideo.jp/watch/sm585102
123 :132人目の素数さん:2007/08/26(日) 16:06:20
重複の為 糸冬了
/::::::::::/ノ::::::::ノ::::::::ヽ:人::::::::::ヽ:::::::::::::::) (::::::::::/ ):::ノ::::ノ ) ソ ヾ::::::::::::丶::::ヽ (:::::::::/ 彡 ノ ノ :: 彡:/)) ::::::::::) (::::::::::/彡彡彡彡彡 ミミミミミミミ :::::::::::) ( ::::::://■■■■ヽ===/■■■■ヽ |:::::::::) | =ロ ■■■■■∥ ∥■■■■■ロ===| |:/ ∥■■■■ /ノ ヽ \■■■■ ヽ|ヽ |/ ヽ`======/ .⌒ ` ========ノ. ..| | .( 。 ・:・ヤ。c .(● ●) ;モ・u。*@・:、ヤ)ノ ( 。;・0モ*・o; / :::::l l::: ::: \ :。・;%:・。o ) (; 8@ ・。:/ / ̄ ̄ ̄ ̄\:\.モ・:。;・ユ0.) .\。・:%,: ):::|.  ̄ ̄ ̄ ̄ | ::::(: :o`*:c/ \ ::: o :::::::::\____/ :::::::::: / (ヽ ヽ:::: _- ::::: ⌒:: :::::::: -_ ノ \丶\_::_:::::_:::: :::::_/::::::: / | \_::::::::::: :::::::::: ::: :::::___/|
124 :132人目の素数さん:2007/08/26(日) 16:22:32
>>123 痴呆か?
125 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 18:47:44
補題 X を位相空間、 F を位相アーベル群とする。
f と g を X から F への連続写像とする。
写像 h : X → F を h(x) = f(x) + g(x) で定義する。
h は連続である。
証明 X から F×F への写像 u を u(x) = (f(x), g(x)) で定義する。 F×F の位相は直積位相だから u は連続である。
μ : F×F → F を μ(x, y) = x + y で定義する。 F は位相アーベル群だから μ は連続である。
h = μu だから h は連続である。 証明終
126 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 19:01:17
補題 A を可換とは限らない位相環(過去スレ006の189)とする。
X を位相空間、 F を 左 A-位相加群(過去スレ006の372) とする。
λ を A の任意の元、f を X から F への連続写像とする。
写像 h : X → F を h(x) = λf(x) で定義する。
h は連続である。
証明 μ : A×F → F を μ(λ, x) = λx で定義する。 F は 左 A-位相加群だから μ は連続である。
よって、λ を固定したとき、写像 g_λ : x → λx は連続である。
h = (g_λ)f だから h は連続である。 証明終
127 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 19:14:29
>>125 を位相群の場合へ拡張する。
補題 X を位相空間、 G を位相群とする。
f と g を X から G への連続写像とする。
写像 h : X → G を h(x) = f(x)(g(x))^(-1) で定義する。
h は連続である。
証明 X から G×G への写像 u を u(x) = (f(x), g(x)) で定義する。 G×G の位相は直積位相だから u は連続である。
γ : G×G → G を γ (x, y) = xy^(-1) で定義する。 G は位相群だから γ は連続である。
h = γu だから h は連続である。 証明終
128 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 19:23:51
X を位相空間、 G を位相群とする。
X から G への連続写像全体を C(X, G) と書く。
f, g ∈ C(X, G) に対して f と g の積写像 fg : X → G を fg(x) = f(x)g(x) で定義する。
単位写像 1 : X → G を 1(x) = 1 で定義する。
g ∈ C(X, G) に対して 1g^(-1) = g^(-1) を対応させる写像は、 >>127 より連続である。
よって >>127 より f, g ∈ C(X, G) に対して fg = f(g^(-1))^(-1) を 対応させる写像も連続である。
以上から C(X, G) は群になる。
129 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 19:29:11
>>128 は位相群が位相空間の圏において群対象(group object) で あることから圏論からも形式的に導ける。
130 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 19:34:01
A を可換とは限らない位相環(過去スレ006の189)とする。
X を位相空間、 F を左 A-位相加群(過去スレ006の372) とする。
X から F への連続写像全体を C(X, F) と書く。
>>126 と >>128 より、 C(X, F) は自明な仕方で左 A-加群となる。
131 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 19:52:04
命題
K を実数体または複素数体とする。
E と F を K 上のノルム空間(>>561)とする。
L(E, F) を E から F への連続な線形写像全体とする。
f ∈ L(E, F) のとき |f| を f のノルム(過去スレ006の690)とする。
即ち、|f| = sup{|f(x)| ; x ∈ E, |x| ≦ 1 }
L(E, F) は | | で K 上のノルム空間になる。
証明 Hom(E, F) を E から F への(必ずしも連続とは限らない)線形写像全体 とする。 C(E, F) を E から F への連続写像全体とする。 >>130 より C(E, F) は K 上の線形空間である。
L(E, F) ⊂ C(E, F) であり、 λ, μ ∈ K, f, g ∈ L(E, F) のとき λf + μg ∈ C(E, F) ∩ Hom(E, F) = L(E, F) よって、L(E, F) は C(E, F) の線形部分空間である。
過去スレ006の692より、任意の f ∈ E と x ∈ E に対して |f(x)| ≦ |f||x| これから、|f| = 0 なら f = 0 となる。 任意の f, g ∈ E に対して |(f + g)(x)| = |f(x) + g(x)| ≦ |f(x)| + |g(x)| ≦ (|f| + |g|)|x| よって、|f + g| ≦ |f| + |g|
任意の λ ∈ K と任意の f ∈ L(E, F) に対して
|λf| = sup{|λf(x)| ; x ∈ E, |x| ≦ 1 }
= |λ|sup{|f(x)| ; x ∈ E, |x| ≦ 1 }
= |λ||f|
証明終
132 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 23:22:24
補題 K を可換とは限らない体とする。 |x| を K の自明でない絶対値(>>414)とする。 E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間とし、 f: ΠE_i → F を K-多重線形写像とする。
f が連続なら実数 a > 0 が存在して 任意の x_i ∈ E_i (1 ≦ i ≦ n) に対して、 |f(x_1, . . . , x_n)| ≦ a|x_1|. . . |x_n| となる。
証明 f は (, . . . , 0) で連続だから、実数 δ > 0 が存在して |x_i| ≦ δ (1 ≦ i ≦ n) なら |f(x_1, . . . , x_n)| ≦ 1 となる。
K 上の絶対値は自明でないから 0 < |λ| < 1 となる λ ∈ K がある。 まず、すべての i について x_i ≠ 0 とする。 k_i を (|λ|^n)|x_i| ≦ δ となる整数 n の中で最小のものとする。
(|λ|^(k_i))|x_i| ≦ |λ|δ なら (|λ|^(k_i - 1))|x_i| ≦ δ となって k_i の最小性に反するから |λ|δ < (|λ|^(k_i))|x_i| である。
|λ^(k_i)x_i| ≦ δ だから λ^(k_1 + . . . + k_n)|f(x_1, . . . , x_n)| ≦ 1
一方、|λ|δ < (|λ|^(k_i))|x_i| だから 1/|λ|^(k_i) < |x_i|/(|λ|δ)
よって、a = 1/(|λ|δ)^n とおけば、 |f(x_1, . . . , x_n)| ≦ a|x_1|. . . |x_n| これは、x_i = 0 となる i があるときにも成り立つ。 証明終
133 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 23:56:15
補題 K を可換とは限らない体とし、 |x| を K の自明でない絶対値(>>414)とする。 E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間とし、 f: ΠE_i → F を K-多重線形写像とする。 実数 a > 0 が存在して、任意の x_i ∈ E_i (1 ≦ i ≦ n) に対して、 |f(x_1, . . . , x_n)| ≦ a|x_1|. . . |x_n| となるとする。 このとき f は連続である。
証明 (a_1, a_2, . . . , a_n) を ΠE_i の任意の点とする。 f は多重線形だから f(x_1, x_2, . . . ,x_n) - f(a_1, a_2, . . . , a_n) = f(x_1 - a_1, x_2, . . . ,x_n) + f(a_1, x_2 - a_2, x_3, . . . , x_n) . . . + f(a_1, . . . , a_(n-1), x_n - a_n) となる。
|x_i - a_i| ≦ r (1 ≦ i ≦ n) なら、
|x_i| ≦ |a_i| + r (1 ≦ i ≦ n)
|f(a_1, . . . , a_(i-1), x_i - a_i, x_(i+1), . . . , x_n)|
≦ arΠ(|a_k| + r)
ここで、積の k は k ≠ i, 1 ≦ k ≦ n となる k を動く。
c = max{|a_i|; 1 ≦ i ≦ n} とおくと、
|f(x_1, x_2, . . . ,x_n) - f(a_1, a_2, . . . , a_n)|
≦ nar(c + r)^(n-1)
r → 0 のとき nar(c + r)^(n-1) → 0 だから
f は、(a_1, a_2, . . . , a_n) で連続である。
証明終
134 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 23:59:04
>>132 と >>133 をまとめて次の命題が得られる。
命題 K を可換とは限らない体とし、 |x| を K の自明でない絶対値(>>414)とする。 E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間とし、 f: ΠE_i → F を K-多重線形写像とする。
f が連続であるためには、f が次の条件を満たすことが 必要十分である。
実数 a > 0 が存在して、任意の x_i ∈ E_i (1 ≦ i ≦ n) に対して、 |f(x_1, . . . , x_n)| ≦ a|x_1|. . . |x_n| となる。
135 :132人目の素数さん:2007/08/27(月) 00:03:58
Kummerおやすみー びろろ~ん べろーん びろんぬ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ | ノ ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) /⌒) (゚) (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| / / ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ .( ヽ |∪| / |∪| / |∪| / |∪| / \ ヽノ / ヽノ ./ ヽノ / ヽノ / / / ./ / ./ / ./ / | _つ / | _つ / | _つ / | _つ / | /UJ\ \.| /UJ\ \| /UJ\ \.| /UJ\ \ | / ) )| / ) )| / ) )| / ) ) ∪ ( \ ( \ ( \ ( \ \_) \_) \_) \_)
136 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 07:48:01
定義
K を可換とは限らない体とする。 |x| を K の自明でない絶対値(>>414)とする。 E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間とする。
ΠE_i から F への連続な K-多重線形写像の全体を L(E_1, . . . , E_n; F) または略して L((E_i); F) で表す。
>>130 より L((E_i); F) は K 上の線形空間である。
137 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 07:49:55
定義 K を可換とは限らない体とする。 |x| を K の自明でない絶対値(>>414)とする。 E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間とする。
f ∈ L((E_i); F) に対して f のノルム |f| を次のように定義する。
任意の x_i ∈ E_i (1 ≦ i ≦ n) に対して |f(x_1, . . . , x_n)| ≦ a|x_1|. . . |x_n| となるような a ≧ 0 の下限を |f| とする。
138 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 08:02:32
命題 K を可換とは限らない体とする。 |x| を K の自明でない絶対値(>>414)とする。 E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間とする。
任意の f ∈ L((E_i); F) に対して
|f| = sup |f(x_1, . . . , x_n)|/|x_1|. . . |x_n| である。 ここで、x_i ∈ E_i (1 ≦ i ≦ n) は、各 x_i ≠ 0 となる元を動く。
証明 s = sup |f(x_1, . . . , x_n)|/|x_1|. . . |x_n| とおく。
従って、x_i ≠ 0 (1 ≦ i ≦ n) のとき、 |f(x_1, . . . , x_n)| ≦ s|x_1|. . . |x_n| となる。 この不等式は x_i = 0 となる i があっても成り立つ。 従って、|f| ≦ s である。
他方、|f| の定義から 任意の x_i ∈ E_i (1 ≦ i ≦ n) に対して |f(x_1, . . . , x_n)| ≦ |f||x_1|. . . |x_n| となる。
従って、x_i ≠ 0 (1 ≦ i ≦ n) のとき、 |f(x_1, . . . , x_n)|/|x_1|. . . |x_n| ≦ |f| となる。
よって、s ≦ |f| である。 証明終
139 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 08:12:42
命題 K を可換とは限らない体とする。 |x| を K の自明でない絶対値(>>414)とする。 E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間とする。
L((E_i); F) は | | によりノルム空間となる。
証明 任意の x_i ∈ E_i (1 ≦ i ≦ n) に対して
|(f + g)(x_1, . . . , x_n)| ≦ |f(x_1, . . . , x_n)| + |g(x_1, . . . , x_n)| ≦ |f||x_1|. . . |x_n| + |g||x_1|. . . |x_n| = (|f| + |g|)|x_1|. . . |x_n|
よって、|f + g| ≦ |f| + |g| である。
任意の x_i ∈ E_i, x_i ≠ 0 (1 ≦ i ≦ n) と、 任意の λ ∈ K に対して、
>>138 より、 |λf| = sup |λf(x_1, . . . , x_n)|/|x_1|. . . |x_n| = |λ| sup |f(x_1, . . . , x_n)|/|x_1|. . . |x_n| = |λ||f|
|f| = 0 なら f = 0 は明らかである。
以上から、L((E_i); F) は | | によりノルム空間となる。 証明終
140 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 08:19:05
>>134 より >>137 の |f| は有限値である。
