最終更新日時 2011年03月05日 (土) 21時34分02秒
代数的整数論 004 (661-760)
元スレ: http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1164286624/661-760
ログ元: http://yomi.mobi/read.cgi/science6/science6_math_1164286624/661-760
ログ元: http://yomi.mobi/read.cgi/science6/science6_math_1164286624/661-760
661 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 10:56:13 ]
命題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 f = (A : B) を A の導手とする。
I(f) (>>657) と RI(A) (>>572) は標準的に同型である。
証明 >>660 より明らかである。
662 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 11:26:42 ]
補題(高木:代数的整数論) A を Dedekind 環とする。 m ≠ 0 を A のイデアルとする。 xA を P(m) (>>657) の元とする。
このとき aA + m = A、bA + m = A となる A の元 a と b が存在して、xA = aA/bA となる。
証明 定義から xA = I/J で I + m = A, J + m = A となる A のイデアル I と J がある。
前スレ2の785より JL = bA で L + m = A となる b ∈ A がある。 J + m = A だから JL + m = A である(前スレ1の340)。 同様に I + m = A だから IL + m = A である。
xA = IL/JL = IL/bA
IL = xbA である。 よって a = xb とすればよい。 証明終
663 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 16:28:11 ]
補題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 f = (A : B) を A の導手とする。 I を A の正則イデアルとする。
このとき I の元 a で aA = IL となるものが存在する。 ここで L は正則イデアルである。
証明 >>552 より I を含む A の素イデアルは正則である。 よって I + f = A である。
中国式剰余定理(前スレ1の341)より a ≡ 0 (mod I) a ≡ 1 (mod f) となる a ∈ A がある。
a ∈ I だから aA ⊂ I である。 a ≡ 1 (mod f) だから b ∈ f があり a + b = 1 である。 よって aB + f = B である。 つまり aA は正則イデアルである。
I は正則だから可逆である(>>559)。 L = aA/I とおけば L は正則イデアルである。 aA = IL である。 証明終
664 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 16:45:17 ]
補題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 f = (A : B) を A の導手とする。
xA を RP(A) (>>572) の元とする。
このとき aA + f = A、bA + f = A となる A の元 a と b が存在して、xA = aA/bA となる。
証明 定義から xA = I/J となる正則なイデアル I と J がある。 >>663 より I の元 b で bA = IL となるものが存在する。 ここで L は正則イデアルである。
xA = I/J = IL/JL = IL/bA である。 IL は正則で IL = bxA だから b = ax とすれば xA = aA/bA となる。 証明終
665 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 17:00:43 ]
>>664 を以下のように訂正する。
補題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 f = (A : B) を A の導手とする。
xA を RP(A) (>>572) の元とする。
このとき aA + f = A、bA + f = A となる A の元 a と b が存在して、xA = aA/bA となる。
証明 定義から xA = I/J となる正則なイデアル I と J がある。 >>663 より J の元 b で bA = JL となるものが存在する。 ここで L は正則イデアルである。
xA = I/J = IL/JL = IL/bA である。 IL は正則で IL = bxA だから b = ax とすれば xA = aA/bA となる。 証明終
666 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/12(月) 17:51:00 ]
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667 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/12(月) 17:52:00 ]
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668 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/12(月) 17:53:00 ]
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669 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/12(月) 17:54:00 ]
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670 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/12(月) 17:55:00 ]
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671 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/12(月) 17:56:00 ]
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672 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 20:01:52 ]
定義 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 f = (A : B) を A の導手とする。
P_A(f) = {(a/b)B; a ∈ A, b ∈ A, aA と bA はともに正則}
と書く。
P_A(f) は明らかに P(f) (>>657) の部分群である。
673 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/12(月) 20:11:39 ]
命題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 f = (A : B) を A の導手とする。
I(f)/P_A(f) は標準的に RI(A)/RP(A) に同型である。
証明 >>661 より I(f) と RI(A) は標準的に同型である。 この同型では I と J が A の正則なイデアルのとき I/J には IB/JB が対応する。
よって >>664 と >>672 より、この同型は P_A(f) と RP(A) の同型を 引き起こす。 証明終
674 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/14(水) 08:39:00 ]
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675 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/14(水) 08:40:00 ]
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676 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/14(水) 08:41:00 ]
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677 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/14(水) 08:42:00 ]
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678 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/14(水) 08:43:00 ]
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679 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/14(水) 08:44:00 ]
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680 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/14(水) 21:29:19 ]
補題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 f = (A : B) を A の導手とする。 I を B のイデアルで I + f = B とする。
このとき I ∩ A の元 a で aB = IL となるものが存在する。 ここで L は B のイデアルで L + f = B となる。
証明 >>660 より I ∩ A は A の正則イデアルである。 >>663 より I ∩ A の元 a で aA = (I ∩ A)J となるものが 存在する。ここで J は正則イデアルである。 aB = (I ∩ A)B(JB) であるが >>660 より (I ∩ A)B = I である。 よって aB = I(JB) である。L = JB とすればよい。 証明終
681 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/14(水) 22:39:49 ]
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 f = (A : B) を A の導手とする。
αを B の元で α + f ∈ (B/f)^* とする。 つまり、α + f は剰余環 B/f の可逆元である。 よって αγ ≡ 1 (mod f) となる γ ∈ B がある。 よって αB + f = B である。 αγ - 1 ∈ f ⊂ A だから αγ ∈ A である。
βを B の元で α ≡ β (mod f) とする。 αγ ≡ βγ (mod f) だから βγ ≡ 1 (mod f) である。 よって αγと同様に βγ ∈ A である。
(αB)(βγB) = αβγB (βB)(αγB) = αβγB よって (αB)(βγB) = (βB)(αγB) よって αB と βB は P(f)/P_A(f) の同じ剰余類に属す。 ここで P(f) は >>657 で、P_A(f) は >>672 で定義したものである。 よって、アーベル群としての射 φ: (B/f)^* → P(f)/P_A(f) が 定まる。
682 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/15(木) 18:48:00 ]
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683 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/15(木) 18:49:00 ]
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684 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/15(木) 18:50:00 ]
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685 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/15(木) 18:51:00 ]
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686 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/15(木) 18:52:00 ]
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687 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/15(木) 18:53:00 ]
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688 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/15(木) 20:20:13 ]
補題 >>681 の射 φ: (B/f)^* → P(f)/P_A(f) は全射である。
証明 P(f) の元は αB = I/J と書ける。ここで α ≠ 0 は K の元で、 I と J は B のイデアルでともに f と素である。
>>680 より J ∩ A の元 c で cB = JL となるものが存在する。 ここで L は B のイデアルで f と素である。
αB = I/J = IL/JL = IL/cB IL = αcB だから αc = β とおけば β ∈ B で βB は f と 素である。つまり βB∈ P(f) である。 αB = βB/cB だから βB と αB は P(f)/P_A(f) の同じ剰余類に属す。 φ の定義から、この剰余類は φ(β + f) である。 証明終
689 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/15(木) 21:00:39 ]
補題 A と B は >>681 と同じものとする。
p : B → B/f π: (B/f)^* → (B/f)^*/(A/f)^* を、それぞれ標準写像とする。
α ∈ B^* なら p(α) ∈ (B/f)^* だから α に πp(α) を 対応させて、射 B^* → (B/f)^*/(A/f)^* が得られる。 この核は A^* である。
証明 α ∈ B^* で p(α) ∈ (A/f)^* なら p(α) = p(a) となる a ∈ A がある。 α - a ∈ f ⊂ A だから α ∈ A である。 よって、射 B^* → (B/f)^*/(A/f)^* の核は A^* である。 証明終
690 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/15(木) 21:13:10 ]
命題 >>681 の射 φ: (B/f)^* → P(f)/P_A(f) の定義より φ((A/f)^*) ⊂ P_A(f) である。 よって φ は射 φ~: (B/f)^*/(A/f)^* → P(f)/P_A(f) を引き起こす。 このとき、次の完全系列が成り立つ。
0 → B^*/A^* → (B/f)^*/(A/f)^* → P(f)/P_A(f) → 0
証明 p : B → B/f π: (B/f)^* → (B/f)^*/(A/f)^* を、それぞれ標準写像とする。
>>688 より φ: (B/f)^* → P(f)/P_A(f) は全射である。 よって φ~: (B/f)^*/(A/f)^* → P(f)/P_A(f) も全射である。
>>689 より 0 → B^*/A^* → (B/f)^*/(A/f)^* は完全である。
残るは φ~ : (B/f)^*/(A/f)^* → P(f)/P_A(f) の核が B^*/A^* の像と一致することである。
α ∈ B で αB + f = B とする。 つまり p(α) ∈ (B/f)^* である。 さらに αB ∈ P_A(f) とする。 P_A(f) の定義(>>672)から αB = aB/bB となる。 ここで、a ∈ A, b ∈ A で aA と bA はともに正則である。 αbB = aB より αb = aε となる ε ∈ B^* がある。 p(αb) = p(aε) だから p(α)p(b) = p(a)p(ε) p(b) ∈ (A/f)^*、p(a) ∈ (A/f)^* だから πp(α) = πp(ε) 証明終
691 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/15(木) 21:32:35 ]
>>690 の系
次の完全系列が成り立つ。
0 → B^*/A^* → (B/I)^*/(A/I)^* → I(f)/P_A(f) → I(f)/P(f) → 0
証明 >>690 より明らかである。
692 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/15(木) 21:39:26 ]
>>690 の系
次の完全系列が成り立つ。
0 → B^*/A^* → (B/I)^*/(A/I)^* → RI(A)/RP(A) → Pic(B) → 0
証明 >>673 より I(f)/P_A(f) は標準的に RI(A)/RP(A) に同型である。
>>658 より I(f)/P(f) は Pic(B) = I(B)/P(B) に標準的に同型である。
よって >>691 より明らかである。 証明終
693 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/15(木) 23:11:18 ]
>>575 から RI(A)/RP(A) は I(A)/P(A) と標準的に同型である。 よって >>691 から >>547 の別証が得られる。
A が2次体 Q(√m) の整環で B が Q(√m) の主整環の場合には >>654 からも RI(A)/RP(A) と I(A)/P(A) が標準的に同型であることが 分かる。
>>654 の証明は、2次形式の初等的な結果 >>648 を元にしており、 >>575 の証明より古典的である。
694 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/16(金) 21:05:09 ]
>>693 >>>575 から RI(A)/RP(A) は I(A)/P(A) と標準的に同型である。 >よって >>691 から >>547 の別証が得られる。
>>575 は >>547 から証明しているので、これは正確には別証とは 言えない。>>575 を >>547 とは関係なく証明したいところだが、 今のところ(2次体は別にして)思いつかない。 誰か分かるひといますか?
695 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/17(土) 10:11:00 ]
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696 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/17(土) 10:12:00 ]
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697 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/17(土) 10:13:00 ]
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698 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/17(土) 10:14:00 ]
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699 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/17(土) 10:15:00 ]
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700 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/17(土) 10:16:00 ]
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701 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 11:21:03 ]
2次形式による有理整数の表現の問題を考える。 この問題は歴史的には初等整数論の中心的位置を占めていた。 この問題を解く努力から Gauss の2次形式論が生み出された。
ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とする。 D は平方数でないとする。
m を有理整数として不定方程
m = ax^2 + bxy + cy^2
を考える。
この不定方程式に有理整数解があるとき m は2次形式 ax^2 + bxy + cy^2 で表現されるという。
解 (s, t) で gcd(s, t) = 1 となるものがあるとき m は ax^2 + bxy + cy^2 で固有に表現される (properly represented)という。
702 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 12:07:26 ]
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を2次形式として m = f(p, r) を有理整数 m の固有表現(>>701)とする。
gcd(p, r) = 1 だから ps - rq = 1 となる s と q がある。
>>401 より f(pu + qv, ru + sv) = mu^2 + luv + kv^2 である。
ここで m = ap^2 + bpr + cr^2 l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs k = aq^2 + bqs + cs^2
つまり m の固有表現 m = f(p, r) から f(x, y) と同値な2次形式 mu^2 + luv + kv^2 が得られる。
703 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 12:15:50 ]
命題 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を2次形式とする。 m = f(p, r) を有理整数 m の固有表現(>>701)とする。 このとき m ≠ 0 である。
証明 D を f(x, y) の判別式とする。 >>702 において D = l^2 - 4mk (>>281) で D は平方数でないと仮定してるから m ≠ 0 である。 証明終
704 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 12:25:51 ]
今後、特に断らない限り2次形式の判別式は平方数でないとする。
705 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 12:32:19 ]
補題 ax^2 + bxy + cy^2 を判別式が D の2次形式とする。
このとき ac ≠ 0 で
D ≡ 0 または 1 (mod 4) かつ D ≡ b (mod 2) である。
証明 D = b^2 - 4ac で D は平方数でないから(>>704) ac ≠ 0 である。
D = b^2 - 4ac より D ≡ b^2 (mod 4) よって D ≡ 0 または 1 (mod 4) である。 D が偶数なら b^2 ≡ 0 (mod 4) より b も偶数である。 D が奇数なら b^2 ≡ 1 (mod 4) より b も奇数である。 即ち D ≡ b (mod 2) である。 証明終
706 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 12:43:16 ]
命題 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を2次形式とする。 f(x, y) = 0 の有理整数解は (0, 0) のみである。
証明 x = 0 が f(x, y) = 0 の解とすると cy^2 = 0 である。 >>705 より c ≠ 0 であるから y = 0 である。 同様に y = 0 が f(x, y) = 0 の解なら x = 0 である。
従って、f(x, y) = 0 に (0, 0) 以外の解 (x, y) があれば xy ≠ 0 である。従って、d = gcd(x, y), x = dx', y = dy' と おけば 0 = f(x', y') は 0 の固有表現である。 しかし、これは >>703 よりあり得ない。 証明終
707 名前:132人目の素数さん [2007/02/17(土) 12:54:38 ]
u^Au=0 u^S^RSu=0 rija^ijaji=0
708 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 14:07:11 ]
命題 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を2次形式とする。
有理整数 m に対して
S(f, m) = {(x, y) ∈ Z^2; m = f(x, y), (x , y) ≠ (0, 0)}
P(f, m) = {(x, y) ∈ Z^2; m = f(x, y), gcd(x, y) = 1}
とおく。
このとき、全単射 φ: S(f, m) → ∪P(f, m/(d^2)) が存在する。 ここで ∪P(f, m/(d^2)) の d は d^2 が m の約数となるような d ≧ 1 を動く。
証明 (x, y) ∈ S(f, m) とする。 (x , y) ≠ (0, 0) だから d = gcd(x, y) は 0 でない。 x = dx', y = dy' とすれば m = f(x, y) = (d^2)f(x',y') である。 gcd(x', y') = 1 だから (x', y') ∈ P(f, m/(d^2)) である。 φ(x, y) = (x', y') と定義すればよい。 証明終
709 名前:132人目の素数さん [2007/02/17(土) 14:12:19 ]
くんまさん 今までの全部まとめた本出す予定ありますか?
710 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 14:17:29 ]
m = ax^2 + bxy + cy^2 において x = 0 のときは m = cy^2 となり これは簡単に解ける。y = 0 の場合も同様である。
よって不定方程式 m = ax^2 + bxy + cy^2 は (x , y) ≠ (0, 0) の場合が解ければよい。
よって >>708 により有理整数の2次形式による表現の問題は固有な表現の 問題に帰着する。
711 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 14:23:53 ]
>>709
今はその予定はありません。 全部書き終わったら、そのとき考えます。 しかし、今まで書いた部分は全体の1割くらいなんで、まだまだ先は長いです。
712 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 18:23:00 ]
2次形式 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 と g(u, v) = mu^2 + luv + kv^2 があり、 変換 x = pu + qv y = ru + sv により g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv) とする。 ここで p, q, r, s は ps - qr = 1 となる有理整数である。
>>401 より m = ap^2 + bpr + cr^2 l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs k = aq^2 + bqs + cs^2 である。
ここで、行列 (p, q)/(r, s) (この記法に関しては>>196を参照)が (1, q)/(0, 1) の場合を考える。 つまり、p = 1, r = 0, s = 1 である。 このとき m = a l = 2aq + b k = aq^2 + bq + c である。
よって2次形式 (a, b, c) (この記法に関しては>>328を参照) は行列 (1, q)/(0, 1) ∈ SL_2(Z) により (a, l, k) に変換される。 ここで l ≡ b (mod 2a) である。 さらに >>281 より (a, b, c) と (a, l, k) の判別式は同じである。
713 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 18:24:13 ]
>>712 の続き
逆に、2次形式 (a, b, c) と (a, l, k) が同じ判別式 D を持ち、 l ≡ b (mod 2a) とする。 l = b + 2aq となる有理整数 q がある。
D = l^2 - 4ak = b^2 - 4ac だから
4ak = l^2 - b^2 + 4ac = (b + 2aq)^2 - b^2 + 4ac = 4aqb + 4a^2q^2 + 4ac
よって k = aq^2 + bq + c
よって (a, b, c) は (1, q)/(0, 1) により (a, l, k) に変換される。
714 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 19:03:18 ]
2次形式 (a, b, c) と (a, l, k) が同じ判別式 D を持ち、 l ≡ b (mod 2a) のとき (a, b, c) と (a, l, k) は互いに平行な形式という(Dirichlet)。
>>237 で SL_2(Z) の元 S を S = (1, 1)/(0, 1) で定義した。 z を複素上半平面(>>199)の点とすると S(z) = z + 1 であった (>>237)。
>>712 と >>713 より2次形式 (a, b, c) と (m, l, k) が互いに 平行な形式であるためには (a, b, c)S^n = (m, l, k) となる 有理整数 n が存在することが必要十分である。 ここで、(a, b, c)S^n の記法に関しては>>401を参照のこと。
715 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 19:46:36 ]
2次形式 (a, b, c) に T = (0, -1)/(1, 0) (>>237) を作用させると >>401 より (c, -b , a) となる。
(a, b, c) と (c, -b , a) は互いに相補的な形式という(Dirichlet)。
716 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 21:30:40 ]
命題 m が 2次形式 (a, b, c) により固有に表現される(>>701)ためには ある有理整数 l, k があり (a, b, c) と (m, l, k) が同値(>>302) であることが必要十分である。
証明 m が (a, b, c) により固有に表現されれば、>>702 より ある有理整数 l, k があり (a, b, c) と (m, l, k) が同値になる。
逆に、(a, b, c) と (m, l, k) が同値とする。 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 とおく。
(p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) があり、 f(pu + qv, ru + sv) = mu^2 + luv + kv^2 である。
u = 1, v = 0 とすれば、 f(p, r) = m である。
ps - qr = 1 だから gcd(p, r) = 1 である。 よって m は (a, b, c) により固有に表現される。 証明終
717 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/17(土) 21:53:37 ]
命題(Gauss: Disquisitiones, art.154) (a, b, c) を判別式 D の2次形式とし、m ≠ 0 を有理整数とする。 m が (a, b, c) により固有に表現される(>>701)なら、 D ≡ l^2 (mod 4m) となる有理整数 l が存在する。
証明 m が (a, b, c) により固有に表現されれば、>>716 より ある有理整数 l, k があり (a, b, c) と (m, l, k) が同値になる。 D = l^2 - 4mk (>>281) だから D ≡ l^2 (mod 4m) である。 証明終
718 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/18(日) 12:20:51 ]
2次形式 (a, b, c) が σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) により (m, l, k) に変換されるとする。
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 とおく。 f(pu + qv, ru + sv) = mu^2 + luv + kv^2 である。
>>401 より m = ap^2 + bpr + cr^2 l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs k = aq^2 + bqs + cs^2 である。
よって m = f(p, r) である。 つまり、(a, b, c)σ = (m, l, k) となる σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) に対して、 不定方程式 m = ax^2 + bxy + cy^2 の固有な解 (p, r) が得られる。
(a, b, c) をある (m, l', k') に移し、解 (p, r) を与える変換は 無数にある。このとき l', k' の取り得る値は任意ではありえない。 l', k' がどの程度の自由度をもつかを調べよう。
言い換えると、(a, b, c) が (p, q')/(r, s') ∈ SL_2(Z) により (m, l', k') に変換されるとき、l', k' と l, k の関係を調べよう。
719 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/18(日) 13:34:22 ]
>>718の続き
ps - rq = 1 ps' - rq' = 1 だから p(s'- s) - r(q'- q) = 0 よって p(s' - s) = r(q' - q) p と r は素だから q' - q = pt となる有理整数 t がある。 p(s' - s) = rpt より s' - s = rt である。
l = (2ap + br)q + (bp + 2cr)s l' = (2ap + br)q' + (bp + 2cr)s' だから l' - l = (2ap + br)pt + (bp + 2cr)rt = 2a(p^2)t + 2brpt + 2c(r^2)t = 2mt である。
よって (m, l, k) と (m, l', k') は互いに平行な形式(>>714)である。
(m, l', k') の判別式は (a, b, c) の判別式 D と同じだから(>>281) D = (l')^2 - 4mk' より k' は (a, b, c) と l' により決まる。
720 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/19(月) 20:09:00 ]
33
721 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/19(月) 20:10:00 ]
34
722 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/19(月) 20:11:00 ]
33
723 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/19(月) 20:12:00 ]
32
724 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/19(月) 20:13:00 ]
31
725 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/19(月) 20:14:00 ]
30
726 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/23(金) 09:19:00 ]
29
727 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/23(金) 09:20:00 ]
28
728 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/23(金) 09:21:00 ]
27
729 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/23(金) 09:22:00 ]
26
730 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/23(金) 09:23:00 ]
25
731 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/23(金) 09:24:00 ]
24
732 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/24(土) 14:10:01 ]
補題 (a, b, c) を判別式 D の2次形式とし、2次形式 (a, b, c) が σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) により (m, l, k) に 変換されるとする。
さらに τ = (p, q')/(r, s') ∈ SL_2(Z) で (a, b, c)τ = (m, l, k) とする。
このとき σ = τ である。
証明 >>719 において l' - l = 2mt だが l= l' だから t = 0 である。 よって q = q', s = s' である。 つまり σ = τ である。 証明終
733 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/24(土) 14:23:54 ]
ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とし、 m ≠ 0 を有理整数とする。
m = ax^2 + bxy + cy^2 の固有な解(>>701)の全てを求めるには 以下のようにする。
(1) 合同方程式 x^2 ≡ D (mod 4m) に解があるかないかを調べる。 解が無ければ、m は判別式 D のどんな2次形式に よっても固有に表現されない(>>717)。
(2) x^2 ≡ D (mod 4m) の解の集合を、mod 2m で類別した集合を S とする。 S の各類から代表 l をとる。l^2 ≡ D (mod 4m) だから l^2 - D = 4mk となる有理整数 k がある。 2次形式 (m, l, k) の判別式は D である。
(a, b, c) と (m, l, k) が SL_2(Z) の作用(>>403)で同値かどうかを 調べる。
同値でないなら l の属す S の類に対応する m = ax^2 + bxy + cy^2 の 固有な解は無い(>>716, >>718, >>719)。
同値なら (a, b, c)σ = (m, l, k) となる σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) を全て求める。 このとき (p, r) が m = ax^2 + bxy + cy^2 の固有な解である。 >>732 より、このようなσで相異なるものは相異なる解を与える。
734 名前:132人目の素数さん [2007/02/24(土) 15:25:57 ]
質問です。
3以上の偶数は素数ではありません。 でも2で割ると素数になる偶数はたくさん存在すると思います。 たとえば6、10、14、・・などがその例です。
2で割ると素数になるような偶数は無限個存在するのですか? プログラムを組んでみたところ、無限個存在しそうな予感がしているのですが・・。
735 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/24(土) 15:45:38 ]
>>734
かなり寒い質問だな。数学を知らないと見える。
素数が無限個あるならば、その一つ一つを二倍した数の全体は無限個だ。
736 名前:132人目の素数さん [2007/02/24(土) 15:49:26 ]
>>735 レスありがとうございます。 一応数学科のものです・・。
その論法だと穴があると思います。 定義域が無限集合でも、値域が有限になる例はいくらでもあります。
737 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/24(土) 15:58:58 ]
>>736
ものを神秘化し過ぎている。
単に一つ一つを検証すれば良いのだ。
数学的に表現するなら、「任意の素数の二倍が求める物で、異なる物の二倍は異なる」と言えば良い。
738 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/24(土) 18:31:52 ]
>>733 において、合同方程式 x^2 ≡ D (mod 4m) を解くのは比較的簡単 であるから、問題となるのは以下の2点である。
(1) 判別式 D の2次形式 (a, b, c) と (m, l, k) が与えられたとき それらが同値か否かを判定せよ。
(2) 同値なら (a, b, c)σ = (m, l, k) となる σ ∈ SL_2(Z) を全て求めよ。
739 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/24(土) 18:39:00 ]
>>738 において (a, b, c)σ = (m, l, k) (a, b, c)τ = (m, l, k) となる σ, τ ∈ SL_2(Z) があれば (a, b, c)σ = (a, b, c)τ より (a, b, c)τσ^(-1) = (a, b, c)
ε = τσ^(-1) とおけば (a, b, c)ε = (a, b, c) で τ = εσ である。
従って、>>738 の (2) は次の二つの問題に分解される。
(a) (a, b, c)σ = (m, l, k) となる σ ∈ SL_2(Z) を一つ求めよ。
(b) (a, b, c)ε = (a, b, c) となる ε ∈ SL_2(Z) を全て求めよ。
740 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/24(土) 20:29:22 ]
補題 (a, b, c) と (m, l, k) を判別式 D の2次形式とする。
(a, b, c) と (m, l, k) が同値であるためには、 gcd(a, b, c) = gcd(m, l, k) で (a', b', c') と (m', l', k') が同値であることが必要十分である。 ここで a' = a/gcd(a, b, c), b' = b/gcd(a, b, c), c' = c/gcd(a, b, c) m' = m/gcd(m, l, k), l' = l/gcd(m, l, k), k' = k/gcd(m, l, k) である。
証明 (a, b, c) と (m, l, k) が同値であるとする。 (a, b, c)σ = (m, l, k) とする。 ここで σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) である。 >>282 より gcd(a, b, c) = gcd(m, l, k) である。 d = gcd(a, b, c) とする。
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 g(x, y) = mx^2 + lxy + ky^2 f '(x, y) = a 'x^2 + b 'xy + c 'y^2 g '(x, y) = m 'x^2 + l 'xy + n 'y^2 とおく。 f(x, y) = df '(x, y), g(x, y) = dg '(x, y) である。 f(px + qy, rx + sy) = g(x, y) だから df '(px + qy, rx + sy) = dg '(x, y) よって f '(px + qy, rx + sy) = g '(x, y) 従って、(a', b', c') と (m', l', k') は同値である。
逆の証明も同様である。 証明終
741 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/24(土) 20:55:25 ]
>>240 より>>738 の問題は原始的(>>279)な2次形式に限ってよい。
>>738 の問題は、判別式 D が負の場合のほうが正の場合より簡単 なので、まず D が負の場合を考えることにする。
(a, b, c) と (m, l, k) が同値なら (-a, -b, -c) と (-m, -l, -k) も同値であるから、 a > 0 となる (a, b, c), つまり正定値(>>293)の2次形式のみ 扱えばよい。
つまり、D が負の場合は >>738 の問題を正定値(>>293)の原始的 な2次形式に限ってよい。 しかし、この場合は次に説明するように >>738 の問題は既に 解けている。
742 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/24(土) 20:57:15 ]
訂正
>>741 >>>240 より>>738 の問題は原始的(>>279)な2次形式に限ってよい。
>>740 より>>738 の問題は原始的(>>279)な2次形式に限ってよい。
743 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/24(土) 21:21:06 ]
>>738 の問題を正定値で原始的2次形式の場合に解くことを考える。
問題 (1) 判別式 D < 0 の正定値で原始的な2次形式 (a, b, c) と (m, l, k) が与えられたとき、それらが同値か否かを判定せよ。 さらに、同値なら (a, b, c) を (m, l, k) に変換する1次変換 を求めよ。
解答 (a, b, c) を簡約2次形式(>>407, >>408)に変形する。 これには、まず >>335 のアルゴリズムを使って、 広義簡約2次形式(>>409, >>410)に変形する。 次に、>>337 のアルゴリズムを使って、これを簡約2次形式に 変形する。 これを (a', b', c') とする。 (a, b, c) を (a', b', c') に変形する1次変換 σ はこの アルゴリズムにより容易にわかる。
同様に、(m, l, k) を簡約2次形式 (a', b', c') に変形する。 (m, l, k) を (m', l', k') に変形する1次変換を τ とする。
(a', b', c') ≠ (m', l', k') なら (a, b, c) と (m, l, k) は 同値でない。
(a', b', c') = (m', l', k') なら (a, b, c) と (m, l, k) は 同値であり (a, b, c)σ = (m, l, k)τ だから (a, b, c)στ^(-1) = (m, l, k) である。
744 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/24(土) 21:55:02 ]
>709 > くんまさん 今までの全部まとめた本出す予定ありますか? >711 > 今はその予定はありません。全部書き終わったら、そのとき考えます。 > しかし、今まで書いた部分は全体の1割くらいなんで、まだまだ先は長いです。
Kummerさん: 「1割」でもかなりな量ですなあ。今のペースだと2-3年かかりまっせ。 この本↓みたいな精神で今までのを纏めると皆の役に立つんじゃないでしょうかね。 http://www.amazon.com/Algebraic-Number-Theory-Fermats-Theorem/dp/1568811195 御一考をお願いします。
745 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/24(土) 22:31:01 ]
>>744
本にするヒマがあったらこれを書き続けたいですね。 大体、今まで書いたことなんて本にするようなもんじゃないですよ。 重要なことが抜けてるんで。 まだ、2次体論の佳境に入ってないんです。
746 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/25(日) 00:40:30 ]
>>744 サンキュー その本は何かとアマゾン込むへ飛んだ そして別の欲しかった本をマーケットプレイスで 見つけて即注文 今までアマゾンjpになければ諦めていた そうかcomもチェックする必要があることに気付いた
747 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/25(日) 00:53:07 ]
>そうかcomもチェックする必要があることに気付いた
俺は最初に amazon.com でチェックする。 amazon.jp って配達がとんでもなく遅い場合がある。 com もそういう場合があるが頻度は少ないように思う。
748 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/25(日) 01:30:55 ]
ということは、仏語の本は アマゾンのfrか? あしたから検索しよっと
749 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/25(日) 01:49:41 ]
問題 (2) 判別式 D < 0 の正定値で原始的な2次形式 (a, b, c) と (m, l, k) が同値なら (a, b, c)σ = (m, l, k) となる σ ∈ SL_2(Z) を全て求めよ。
解答 >>743 より (a, b, c)σ = (m, l, k) となる一つの σ ∈ SL_2(Z) が 求まる。 >>739 より (a, b, c)ε = (a, b, c) となる ε ∈ SL_2(Z) を すべて求めればよい。
I((a, b, c)) = { ε ∈ SL_2(Z) ; (a, b, c)ε = (a, b, c) }
とおく。
>>405 より写像 φ : PF(D) → HQ(D) は左 SL_2(Z)-集合としての同型射(>>399)である。 φ((a, b, c)) = (-b + √D)/2a である。
>>267 より
(-b + √D)/2a が √(-1) と同値つまり、
(a, b, c) が (1, 0, 1) と同値のとき
I((a, b, c)) = {±1, ±T} である。
ここで T = (0, -1)/(1, 0)
(-b + √D)/2a が (-1 + √(-3))/2 と同値つまり、
(a, b, c) が (1, 1, 1) と同値のとき
I((a, b, c)) = {±1, ±TS, ±(TS)^2}
ここで S = (1, 1)/(0, 1) したがって TS = (0, -1)/(1, 1)
(a, b, c) が (1, 0, 1) とも (1, 1, 1) とも同値でないとき
I((a, b, c)) = {±1}
750 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/25(日) 07:51:00 ]
29
751 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/25(日) 07:52:00 ]
30
752 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/25(日) 07:53:00 ]
29
753 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/25(日) 07:54:00 ]
28
754 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/25(日) 07:55:00 ]
27
755 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/02/25(日) 07:56:00 ]
26
756 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/25(日) 10:06:22 ]
>>733, >>741, >>742, >>743, >>749 により判別式 D が負の場合の m = ax^2 + bxy + cy^2 の固有な解の全てを求める問題は原理的には 解けたことになる。 さらに >>710 により固有でない解も求まる。
757 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/25(日) 10:37:28 ]
以上の結果の簡単な応用の一例として、p を奇素数としたとき p = x^2 + y^2 を解くことを考えてみよう。
2次形式 (1, 0, 1) = x^2 + y^2 の判別式 D は -4 だから、 判別式が -4 の簡約2次形式(>>407, >>408)を求める。
>>408 より判別式 -4 の (a, b, c) が簡約2次形式であるためには |b| ≦ a ≦ c であり、 |b| = a または a = c のときは b ≧ 0 となることが必要十分である。
>>341 と同様にして a ≦ √(|D|/3) D = -1 だから a ≦ 1 である。 a ≠ 0 だから a = 1 である。 よって |b| ≦ 1 である。
4ac = b^2 + |D| = b^2 + 4 よって 4c = b^2 + 4 よって b^2 = 1 ではありえない。 よって b = 0 である。 よって c = 1 である。
以上から判別式が -4 の簡約2次形式は (1, 0, 1) のみである。
(続く)
758 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/25(日) 11:00:23 ]
>>757 の続き
p = x^2 + y^2 に解があればそれは固有である。 よって >>717 より l^2 ≡ -4 (mod 4p) となる有理整数 l が存在する。 l^2 ≡ 0 (mod 4) だから l は偶数である。 l = 2t とすると t^2 ≡ -1 (mod p) である。 よって (-1/p) = 1 である。
ここで (-1/p) は Legendre の記号(前スレ3の746)である。
逆に (-1/p) = 1 なら l^2 ≡ -4 (mod 4p) となる有理整数 l が存在する。 l^2 + 4 = 4pk とする。
p は奇素数だから l とは互いに素である。 よって2次形式 (p, l, k) は正定値かつ原始的で判別式は -4 である。 >>757 より、これは (1, 0, 1) と同値である。
よって (1, 0, 1)σ = (p, l, k) となる σ ∈ SL_2(Z) がある。 σ = (u, q)/(r, s) とする。
>>749 より (1, 0, 1)ε = (1, 0, 1) となる ε ∈ SL_2(Z) は
{±1, ±T} である。ここで T = (0, -1)/(1, 0) である。
よって (1, 0, 1)τ = (p, l, k) となる τ は
σ, -σ, Tσ, -Tσ の四個である。
即ち
(u, q)/(r, s), (-u, -q)/(-r, -s), (-r, -s)/(u, q), (r, s)/(-u, -q)
である。
よって p = x^2 + y^2 の解は (u, r), (-u, -r), (-r, u), (r, -u)
の4個である。
759 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/25(日) 11:11:49 ]
訂正
>>757 >>>341 と同様にして >a ≦ √(|D|/3) >D = -1 だから >a ≦ 1 である。
>>341 と同様にして a ≦ √(|D|/3) D = -4 だから a ≦ 1 である。
760 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/25(日) 16:03:42 ]
>>758 >よって p = x^2 + y^2 の解は (u, r), (-u, -r), (-r, u), (r, -u) >の4個である。
これは明らかに間違いである。 修正は後でする(今検討中w)。
