最終更新日時 2011年03月04日 (金) 23時09分51秒
代数的整数論 #003 (351-410)
元スレ: http://science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1141019088/351-410
ログ元: http://2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science4.2ch.net_math_1141019088/351-410
ログ元: http://2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science4.2ch.net_math_1141019088/351-410
351 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/06/30(金) 11:12:01
>>347 の仮定と記号をそのまま使う。 H(X) ∈ Z[X] で H(ζ) = 0 とする。 H(X) = (1 + X + ... + X^(λ-1))Q(X) となる Q(X) ∈ Z[X] がる。 ω は 1 + X + ... + X^(λ-1) の根だから H(ω) = 0 である。 よって、Z[ζ] から F(ω) への環としての準同型写像 Φ で Φ(ζ) = ω となるものが(ただ1つ)ある。
η_0, ..., η_(e-1) を f 項周期(>>268) とする。
>>350 より Φ(η_0) = ω + ω^r^e + ω^(r^e^2) + ... + ω^(r^e^(f-1)) = ω + ω^p + ω^(p^2) + ... + ω^(p^(f-1)) である。 >>348 より ω^p, ω^p^2, ..., ω^p^(f-1) は g_0(X) の根である。 よって ω + ω^p + ω^(p^2) + ... + ω^(p^(f-1)) は g_0(X) の X^(f-1) の係数と符号を除いて一致する。 よって、Φ(η_0) ∈ F である。
同様に 1 ≦ i ≦ e - 1 のとき Φ(η_i) は g_i(X) の X^(f-1) の係数と符号を除いて一致する。 よって、Φ(η_i) ∈ F である。
352 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/06/30(金) 13:14:08
>>351 の主張、つまり f 項周期 η_i、0 ≦ i ≦ e - 1 に対して Φ(η_i) ∈ F であるというのは、以下のように しても分かる。
G = Aut(Z[ζ]) を Z[ζ] の自己同型群とする。 r を mod λ の原始根とし、e = (λ- 1)/f とおく。 σ(ζ) = ζ^r により Z[ζ] の自己同型 σ を定義する。 G は σ で生成される巡回群であり、その位数は λ- 1 である。 σ^e の位数は f である。
一方、τ(ζ) = ζ^p により の自己同型 τ を定義する。 τ の位数も f である。 よって、σ^e とは G の同じ部分群を生成する。 よって、τ = (σ^e)^k となる有理整数 k がある。
g(ζ) を f 項周期から構成される円分整数(>>269)とする。 定義から σ^e(g(ζ)) = g(ζ) である。 よって、τ(g(ζ)) = g(ζ) である。 つまり、g(ζ^p) = g(ζ) である。
よって、Φ(g(ζ)) = Φ(g(ζ^p)) = g(ω^p) = g(ω)^p である。 Φ(g(ζ)) = g(ω) だから g(ω) = g(ω)^p である。 よって、g(ω) は F の元である。 つまり、Φ(g(ζ)) ∈ F である。特に、Φ(η_i) ∈ F である。
353 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/06/30(金) 14:52:03
>>347 の仮定と記号をそのまま使う。
1 + X + ... + X^(λ-1) の Ω における根の全体を S とおく。
S = {ω, ω^2, ..., ω^(λ-1)} である。
F(ω)/F の自己同型群を G' とする。 >>322 より F(ω) の元 x に対して u(x) = x^p とおくと、u は G' の元であり、G' は u で生成される巡回群である。
u(ω) ∈ S だから G' は S に作用する。 v ∈ G' で v(ω) = ω なら v = 1 である。 よって、S を G' の作用で類別し、その類を C_0, C_1, ..., C_k と すれば、各 C_i の元の個数は G' の位数と一致、すなわち f である。 よって k = e - 1 である。
>>347 の g_i(X) ∈ F[X] は既約であり、その根全体は上記の類の 1つと一致する。g_0(X) の根の1つは ω だから g_0(X) の根全体は C_0 である。 i > 0 のとき、g_i(X) の根全体は C_i と仮定する。
ω, ω^r, ..., ω^r^(e-1) は互いに異なる類に属す。 よって、0 ≦ i ≦ e - 1 のとき、ω^r^i は g_i(X) の根と仮定する (もし、そうなってなければ g_i(X) の番号を付け替えればよい)。
354 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/06/30(金) 17:04:38
>>351 の Φ を Φ_0 と書くことにする。 >>351 より 0 ≦ i ≦ e - 1 のとき Φ_0(η_i) ∈ F である。 Φ_0(η_i) = v_i とおく。
>>353 より 1 ≦ i ≦ e - 1 のとき、ω^r^i は g_i(X) の根だから >>351 と同様に Z[ζ] から F(ω) への環としての準同型写像 Φ_i で Φ_i(ζ) = ω^r^i となるものが(ただ1つ)ある。
Φ_1(η_0) = Φ_1(ζ + ζ^r^e + ... + ζ^r^((f-1)e)) = ω^r + ω^r^(e+1) + ... + ω^r^((f-1)e + 1) = v_1
Φ_1(η_1) = v_2 . . Φ_1(η_(e-1)) = v_0
となる。 つまり Φ_1 は 列 (η_0, η_1, ..., η_(e-1)) を 列 (v_1, v_2, ..., v_0) に写す。
同様にして、 Φ_2 は 列 (η_0, η_1, ..., η_(e-1)) を 列 (v_2, v_3, ..., v_1) に写す。
以下同様にして、 Φ_(e-1) は 列 (η_0, η_1, ..., η_(e-1)) を 列 (v_(e-1), v_0, ..., v_(e-2)) に写す。
355 :132人目の素数さん:2006/07/01(土) 16:55:32
∩∩ 俺 ら が 数 学 板 を 面 白 く す る ん だ !V∩ (7ヌ) (/ / / / ∧_∧ || / / ∧_∧ ∧_∧ _(´∀` ) ∧_∧ ||∧_∧ \ \( ´∀`)―--( ´∀` ) ̄ ⌒ヽ(´∀` ) // ( ´∀`)∩ \ /⌒ ⌒ ̄ヽ、ゆんゆん/~⌒ ⌒ / / ( ) | Geek |ー、キング / ̄| //`i / / \\∧_ノ | | | / (ミ ミ) | 菅 | / \\ | | | | / \ | |/ king氏ね |(_) | | ) / /\ \| ヽ /\ \ / ノ | / ヽ ヽ、_/) (\ ) ゝ | / \ | | | | / /| / レ \`ー ' | | /
356 :KingOfUniverse ◆667la1PjK2 :2006/07/01(土) 18:25:50
talk:>>355 お前に何が分かるというのか?
357 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/07/05(水) 14:46:56
Z[ζ] から Ω への環としての準同型写像の全体を Hom(Z[ζ], Ω) と書く。 Hom(Z[ζ], Ω) の元は多項式 1 + X + ... + X^(λ-1) の Ω における任意の根で定まる。よって、Hom(Z[ζ], Ω)の 元の個数は λ-1 個である。
φとψを Hom(Z[ζ], Ω)の元とする。 1 + X + ... + X^(λ-1) の Ω における根の1つを ω とすれば 他の根は ω のベキとなる。 よって、φ(ζ) は ω のベキとなり、逆も言える。 よって、φ(Z[ζ]) = F(ω) である。 同様に、ψ(Z[ζ]) = F(ω) である。
>>347 から F(ω) は p^f 個の元からなる有限体である。
F(ω) の自己同型は u で生成される位数 f の巡回群
G = {1, u, u^2, ..., u^(f-1)} である。
ここで u は F(ω) の元 x に対して u(x) = x^p とで定義されるもの。
G の元 u^i, 0 ≦ i ≦ f - 1 に対して (u^i)φ は Hom(Z[ζ], Ω) の 元である。(u^i)φ(ζ) = φ(ζ)^(p^i) だから 0 ≦ i, j ≦ f - 1 で i ≠ j なら (u^i)φ ≠ (u^j)φ である。 0 ≦ i ≦ f - 1 なら φ と (u^i)φ の核は一致することは 明らかだろう。この逆が成立つことを示そう。
ψを Hom(Z[ζ], Ω)の元として、Ker(φ) = Ker(ψ) とする。 x, y ∈ Z[ζ] で φ(x) = φ(y) なら x - y ∈ Ker(φ) = Ker(ψ) だから ψ(x) = ψ(y) である。よって φ(x) に対して ψ(x) は 一意に決まる。φ(x) に ψ(x) を対応させる写像を v とすれば、 v が F(ω) の自己同型であることは明らかだろう。 よって、0 ≦ i ≦ f - 1 となる i があって v = u^i となる。 vφ = ψ だから ψ = (u^i)φ である。
358 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/07/05(水) 15:01:23
>>357 の続き。
φとψを Hom(Z[ζ], Ω)の元とする。 Ker(φ) = Ker(ψ) のとき φ と ψ は同値といい、φ~ψ と書く。 これが同値関係であることは明らかだろう。 集合 Hom(Z[ζ], Ω) をこの同値関係で分類したときの各同値類の 元の個数は >>357 より f である。よって同値類の個数は e = (λ-1)/f である。
Ker(φ)を決定しよう。 φ(ζ) を根とする F 係数のモニックな多項式を g(X) とする。 φ(ζ) は 1 + X + ... + X^(λ-1) の根でもあるから、 g(X) は 1 + X + ... + X^(λ-1) を割る。 G(X) を Z 係数のモニックな多項式で、それを mod p で還元して 得られる多項式が g(X) とする。 f(X) ∈ Z[X] で φ(f(ζ)) = 0 とする。 >>340 と同様にして f(X) は mod p で G(X) で割れることが分かる。 つまり、f(X) ≡ 0 mod (p, G(X)) である。 逆に、f(X) ≡ 0 mod (p, G(X)) なら φ(f(ζ)) = 0 である。 よって、Ker(φ) は g(X) で決まることが分かる。 つまり、Hom(Z[ζ], Ω) の同値類は 1 + X + ... + X^(λ-1) の F[X] での既約因子と1対1に対応する。
359 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/07/05(水) 16:52:48
>>358 の続き。
f 項周期から構成される円分整数のなす環を A とおく。 >>329 より Z[ζ] の元は 1, ζ, ..., ζ^(f-1) の A 係数の一次結合 として表される。
有理数体 Q 上 ζ で生成される体 Q(ζ)は Z[ζ] の商体である。 A の商体を L とする。L は Q(ζ) の部分体とみなす。 >>329 で定義したσを使う。 τ = σ^e とおけば、1, τ, τ^2, ..., τ^(f-1) は 拡大 Q(ζ)/L の自己同型である。 よって、Q(ζ) の L 上の拡大次数は f 以上である。 一方、>>329 の P(X) は次数 f の A 係数のモニックな多項式で P(ζ) = 0 であるから Q(ζ) の L 上の拡大次数は f 以下、 従って f である。 よって >>329 の P(X) は A の商体 L 上 の多項式として既約である。 よって、1, ζ, ..., ζ^(f-1) は L 上、従って A 上一次独立である。
360 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/07/05(水) 17:01:06
>>359 の続き。
αを A から F への環としての準同型とする。 P(X) の係数に αを作用させて得られる F 係数の多項式を g(X) とおく。 A[X] において P(X) は 1 + X + ... + X^(λ-1) を割る。 このことは、>>338 のように、
P_0(X) = P(X) P_1 (X) = (X - σ(ζ))(X - σ^(e+1)(ζ))...(X - σ^((f-1)e + 1)(ζ)) ... P_(e-1)(X) = (X - σ^(e-1)(ζ))(X - σ^(2e-1)(ζ))...(X - σ^(fe - 1)(ζ) ) とおけば、各 P_i(X) ∈ A[X] であり、
1 + X + ... + X^(λ-1) = P_0(X)P_1(X)...P_(e-1)(X) となることから分かる。
よって、F[X] において g(X) は 1 + X + ... + X^(λ-1) を割る。 >>347 より 1 + X + ... + X^(λ-1) の既約因子の次数 は f であり、 g(X) の次数は f だから g(X) は F[X] で既約である。
361 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/07/05(水) 17:09:27
>>360 の続き。
g(X) の Ω における根の1つをωとする。 H(X) ∈ A[X] に対して その係数に αを作用させて得られる F 係数の多項式を h(X) とおく。
>>359 より P(X) は L[X] において既約だから、H(ζ) = 0 なら L[X] において H(X) は P(X) で割れる。P(X) はモニックだから H(X) は A[X] においても P(X) で割れる。 よって、h(X) は g(X) で割れる。よって、h(ω) = 0 である。
よって、H(ζ) に対して h(ω) を対応させる写像が定まる。 これを ψとかく。つまり、ψ(H(ζ)) = h(ω) である。 このψが A[ζ] = Z[ζ] から F への準同型であることは明らかだろう。 ψを A に制限したものは α である。
362 :132人目の素数さん:2006/07/05(水) 17:09:57
∩∩ 俺 ら が 数 学 板 を 面 白 く す る ん だ !V∩ (7ヌ) (/ / / / ∧_∧ || / / ∧_∧ ∧_∧ _(´∀` ) ∧_∧ ||∧_∧ \ \( ´∀`)―--( ´∀` ) ̄ ⌒ヽ(´∀` ) // ( ´∀`)∩ \ /⌒ ⌒ ̄ヽ、ゆんゆん/~⌒ ⌒ / / ( ) | Geek |ー、キング / ̄| //`i / / \\∧_ノ | | | / (ミ ミ) | 菅 | / \\ | | | | / \ | |/ king氏ね |(_) | | ) / /\ \| ヽ /\ \ / ノ | / ヽ ヽ、_/) (\ ) ゝ | / \ | | | | / /| / レ \`ー ' | | /
363 :132人目の素数さん:2006/07/05(水) 17:27:20
23 名前:132人目の素数さん[sage] 投稿日:2006/07/05(水) 15:58:21 >>18 数学者以外の職に就くに決まってんだろカス
364 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/07/05(水) 17:30:23
>>361 の続き。
φを Hom(Z[ζ], Ω)の元で、φを A に制限したものは α で あるとする。P(ζ) = 0 だから φ(P(ζ)) = g(φ(ζ)) = 0 である。 よって φ(ζ) は g(X) の Ω における根である。 よって、>>358 より φ と ψ は同値である。つまり Ker(φ) = Ker(ψ) である。
>>351 より Φ を Hom(Z[ζ], Ω) の任意の元とすると、 Φ(A) = F である。
Hom(Z[ζ], Ω) を >>358 の同値関係 ~ で類別した商集合を Hom(Z[ζ], Ω)/~ と書く。
以上から Hom(A, Ω) の元と Hom(Z[ζ], Ω)/~ の元は一対一に 対応する。
365 :132人目の素数さん:2006/07/05(水) 17:34:29
452:132人目の素数さん :2006/07/05(水) 17:28:39 23 名前:132人目の素数さん[sage] 投稿日:2006/07/05(水) 15:58:21 >>18 数学者以外の職に就くに決まってんだろカス
23 名前:132人目の素数さん[sage] 投稿日:2006/07/05(水) 15:58:21 >>18 数学者以外の職に就くに決まってんだろカス
23 名前:132人目の素数さん[sage] 投稿日:2006/07/05(水) 15:58:21 >>18 数学者以外の職に就くに決まってんだろカス
23 名前:132人目の素数さん[sage] 投稿日:2006/07/05(水) 15:58:21 >>18 数学者以外の職に就くに決まってんだろカス
23 名前:132人目の素数さん[sage] 投稿日:2006/07/05(水) 15:58:21 >>18 数学者以外の職に就くに決まってんだろカス
366 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/07/05(水) 17:47:51
>>364 の続き。
Hom(A, Ω) の任意の元を α とし、 α(η_0) = v_0 α(η_1) = v_1 . . α(η_(e-1)) = v_(e-1) とする。
>>357以降述べたことと、>>354 より Hom(A, Ω) のすべての元 は (v_0, v_1, ..., v_(e-1)) の順列から得られる。
367 :132人目の素数さん:2006/07/05(水) 22:08:47
この「整数論」、随分頑張ってる事は分かるが記法の所為で読み難い。 TEXで書いてPDFにしてWebで公開した方が良いのでは?
368 :132人目の素数さん:2006/07/06(木) 08:33:41
>>367
前にも理由を書いたけど、面倒なのが最大の理由。 つまり、TEX を知らない(分かってるって、あんたらが言いそうなことは) んでそれを覚えるのが面倒だし、書くのも面倒だと想像してる。 それから、ここだとレスポンスが早いんじゃないかと思ったんだが、 全然レスポンスがないんでそれに関しては外れた。 それから、ノート代わりに書いてるってのもあるw それが目的の全てでは勿論ないが。
369 :132人目の素数さん:2006/07/06(木) 08:39:35
細かいことに拘らずに、ただ数式を文書にするだけなら、 意外と簡単ですよ
これは美しくない、とかこういうフォントにしたい、とか言い出すと大変ですけど
370 :132人目の素数さん:2006/07/06(木) 08:42:23
>>368 レスポンスしたら怒られそうなんですけど・・
371 :132人目の素数さん:2006/07/06(木) 08:44:48
>>369
WebにPDFでアップロ-ドするってのはある程度完成して、校正も すましてからっていう場合がほとんどでしょう。 私の場合は現在進行形なんですよ。 ここは気楽に書けるってことが気に言ってるんです。
372 :132人目の素数さん:2006/07/06(木) 08:48:08
>>370
そんなことはない。本題に関係することなら歓迎。
373 :132人目の素数さん:2006/07/06(木) 08:49:48
>>372 ありがとうございます。
374 :132人目の素数さん:2006/07/06(木) 14:05:36
>368 :132人目の素数さん :2006/07/06(木) 08:33:41 367だが。
> 前にも理由を書いたけど、面倒なのが最大の理由。
分かるけどさ。(小生もTEXのソースを持っているが学習しようという気にはならないから・・・) でも、折角書くんだったら読みやすいほうが良いと思うよ。
> それから、ここだとレスポンスが早いんじゃないかと思ったんだが、全然レスポンスがないんでそれに関しては外れた。
レスポンスがないのは、多分 1.真面目に(代数的)整数論に関心を持つ奴が2チャンネルには殆どいない、 2.内容が面白そうなので読もうと思うが、表記法の所為で読む気を失くす。
のどちらかだと思う。(因みに、。小生は2.)
「表記法なんて本質的じゃない」と若い貴兄は思うかも知れんが、そうでもないよ。 (分野は異なるが、Milnorの Exotic Sphereの論文(1956、Ann. of Math.)を「解説」する試みをアメリカのマスターの学生が2-3人やっているけど、あれだって読む奴は読んでる。)
結論から言うと、内容は悪くないのだから是非体裁にも気を配って欲しい。 もし、貴兄の仕事が「整数論の代表的な教科書」になるとしたら悪くないだろ。 (小生の言う事に頷けないなら、AshやMilneがオンラインで公開している代数的整数論のテキストを見て欲しい。)
375 :132人目の素数さん:2006/07/06(木) 14:28:48
>>374
完成したらPDFにすることを考えます。
376 :132人目の素数さん:2006/07/06(木) 16:45:41
>1.真面目に(代数的)整数論に関心を持つ奴が2チャンネルには殆どいない、 >2.内容が面白そうなので読もうと思うが、表記法の所為で読む気を失くす。
これ以外の人はいないの? 例えば、読んではいるがよく理解出来ないとか、 読んで大体理解出来るがレスする気はないとか。 部分的に読んでるだけとか。
377 :132人目の素数さん:2006/07/06(木) 17:21:56
>376 >これ以外の人はいないの?
居るかも知れない。が(何れにせよ2.を含め)少数のような気が・・・ ま、何れにせよ此れが発展して好いテキストになる事を希望する。
378 :132人目の素数さん:2006/07/06(木) 17:23:20
>>376
幾何学分野であれば、イメージの解説、定理の有用性を論じ易い。
整数論なら他分野への応用、枠組みの復習、角度を変えた理解の仕方など、 多少の重複を絡めて追随し易くする工夫もあろう。
この講義を役立てたいレベルの者には、整理された一本道のばく進だけでは、つらかろう。
クダラナイ煽りが入らないのは、他分野の者には部分的理解も出来ない所為かも知れん。
379 :132人目の素数さん:2006/07/06(木) 23:20:06
レスしようにもやりにくいんだよねー 代数的整数論と銘打ってる割には、最初にカナーリ一般的に 可換環論を扱っていたけど、あとでちゃんと関係するの?
380 :132人目の素数さん:2006/07/07(金) 09:05:32
>>379
ほとんど関係するが、直接関係ないとこもあるかもしれない。 それは後でわかる。あれは準備段階だから後から必要になったら 参照すればいい。ただし、代数的整数論を本格的にやろうと 思ったらあの程度の可換代数の知識は必要だと思う。
今やってるとこ(Kummerの理論)は全部、代数的整数論に関係ある というかそのもの。
381 :132人目の素数さん:2006/07/07(金) 10:04:24
試行錯誤しながらだから、煩雑になるのはやむを得ないとは思うけど、 最初に抽象論をやっておきながら、急に具体的な計算をシコシコ始めたりするので 統一性が取れてないように感じるし、なんか方向性がよくみえないんだよねー いまやってるような計算を後で抽象論から練り直すとかならおもしろそうだけど。 代数的整数論って、類体論的な方向と、岩澤理論的な方向とがあると思うけど どういう方向性でやるんですか~?
382 :132人目の素数さん:2006/07/07(金) 10:04:56
>378 名前:132人目の素数さん :2006/07/06(木) 17:23:20 > この講義を役立てたいレベルの者には、整理された一本道のばく進だけでは、つらかろう。
だからそれは皆で、「此処はこう書いたらどうか?」とか「こういう例を入れたらどうか?」といった提言をすれば良いんだよ。
383 :132人目の素数さん:2006/07/07(金) 10:17:55
>>381 >最初に抽象論をやっておきながら、急に具体的な計算をシコシコ始めたりするので
これは、平行してやってると考えてほしい。両者は一応別物。 だからIDも変えた。前のIDでいずれ戻る。 Kummer 理論は先にやったほうが良かったかもしれない。 これは代数的整数論がどのようにして生まれたものかを示している。 これによって動機付けを行ったところで現代的なやり方で展開するわけ。
>代数的整数論って、類体論的な方向と、岩澤理論的な方向とがあると思うけど >どういう方向性でやるんですか~?
岩澤理論はよく知らないもんで(苦笑)。 類体論はやる予定。
384 :KingOfUniverse ◆667la1PjK2 :2006/07/07(金) 13:02:03
talk:>>362 お前に何が分かるというのか?
人の脳を読む能力を悪用する奴を潰せ。
385 :132人目の素数さん:2006/07/07(金) 15:55:17
わらわせるね
386 :132人目の素数さん:2006/07/07(金) 16:01:58
読んでますよ ヒマを見つけてレスもしたいと思います がんばってください
387 :132人目の素数さん:2006/07/07(金) 21:19:34
IDってのはトリップのことかね
388 :132人目の素数さん:2006/07/08(土) 15:42:22
岩澤理論ってクンマーの理想数の概念を厳密化したやつとか見た気がする
389 :132人目の素数さん:2006/07/08(土) 15:48:38
>379 名前:132人目の素数さん :2006/07/06(木) 23:20:06 > 最初にカナーリ一般的に可換環論を扱っていたけど、あとでちゃんと関係するの?
主催者ではないが、横合いからごめん・・・ 整数論や代数幾何をやらなくても(Atiyah-McDonald程度の)可換代数を知っとくのは悪くないと思うが?
390 :132人目の素数さん:2006/07/08(土) 18:06:55
>>388 岩澤主予想?ならクンマーが見つけた円分体の類数とゼータ値との関係の精密化。 >>389 スレタイが代数的整数論になってたから聞いただけだよ。
391 :132人目の素数さん:2006/07/08(土) 21:57:43
>390 :132人目の素数さん :2006/07/08(土) 18:06:55 > >>389 > スレタイが代数的整数論になってたから聞いただけだよ。
そうか。 ま、その辺りは主催者が後で整理する事を期待しようよ。
392 :132人目の素数さん:2006/07/08(土) 23:20:56
観客はゼロでなかった様だ、クンマーゆっくり頑張れ。
393 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/07/10(月) 08:51:56
次の本は薄いが面白い。
ガウスの遺産と継承者たち 高瀬 正仁 著 海鳴社
それによるとガウスの整数論考究の主題は平方剰余の相互律と その高次冪への拡張を目指したものという。 2次形式の理論もそれとの関連が動機であるという。 そして、最後の円分体の理論も勿論そう。 そこにガウスはレムニスケートの等分においても似たような理論が 得られると書いてある。これは虚数乗法と相互律の関連を示唆 していると思われる。そして歴史は、ガウスの予想した 通りになった。つまり、現代の代数的整数論の淵源はすべて ガウスから出ていると言っていいだろう。
ガウスが平方剰余の相互法則に7個もの証明をつけたのは それによって高次冪剰余の相互法則に関してヒントが得られるの ではないかと思ったためである。そして事実、それは成功して 四次剰余の相互法則の証明を得た。
ガウスは、高次冪剰余の相互法則が生息する自然な舞台は 有理数体ではなく1の冪根を含む数体であると書いてある。 Kummer は、この言葉に忠実に従い、円分体の整数論を 研究しλが正則な素数のときに Kummer 体におけるλ冪剰余の 相互法則を得た。これは Kummer の最大の業績であると Hilbert と Weil は言っている。
現代の代数的整数論の教科書を見ると高次相互律に関しては あまり書かれていない。高木の本でさえも。
394 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/07/10(月) 11:10:39
>>358, >>364 より以下の3個の集合には1対1の標準的な 対応が存在することがわかった。
1) 1 + X + ... + X^(λ-1) の F[X] でのモニックな既約因子の集合 2) Hom(A, Ω) 3) Hom(Z[ζ], Ω)/~
これらのどの要素も、p を割る素因子を定めるが、我々はまだ 素因子を定義していない。素因子というからには円分整数がそれで 割れるときに、それの何乗で割れるか、つまり重複度が定義される べきだろう。 次に Kummer による素因子の重複度の定義を述べよう。
395 :132人目の素数さん:2006/07/11(火) 07:22:41
> 現代の代数的整数論の教科書を見ると高次相互律に関しては > あまり書かれていない。高木の本でさえも。
類体論が完成して以来、相互法則はその系であるという捉え方が主流ですからねー。 これに不満を抱いていた久保田富雄は、類体論に依らない高次の相互法則の 幾何学的証明を得ている。 逆にこのようにして得た相互法則から類体論を証明することも考えているようだけど、 こちらはまだうまくいっていないみたいだね。
参考:久保田富雄「数論論説」牧野書店
396 :132人目の素数さん:2006/07/11(火) 08:47:24
>類体論が完成して以来、相互法則はその系であるという捉え方が主流ですからねー。
類体論が相互律を吸収したというようなイメージを持ってるんでしょうね。 だけど、教科書で相互律を取り上げないのは初学者には不親切だと思う。
Gauss にしろ Kummer にしろ相互律の究明が最大の関心事であって、 2次形式論とか円分体の因子論などはそれを究明する手段に過ぎない。 Hilbertの報文でさえも、主題は相互律であることは目次からもわかる。
397 :KingOfUniverse ◆667et8HPK2 :2006/07/11(火) 08:58:01
人の脳を読む能力を悪用する奴を潰せ。
398 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/07/11(火) 15:37:43
訂正:
>>394 >2) Hom(A, Ω)
これは 2) Hom(A, F) の間違い。
>>351 より Φ を Hom(Z[ζ], Ω) の任意の元とすると、 Φ(A) = F であるから。
399 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/07/11(火) 15:59:44
訂正:
>>366 >(v_0, v_1, ..., v_(e-1)) の順列から得られる。
(v_0, v_1, ..., v_(e-1)) の巡回順列から得られる。
巡回順列の意味は明らかだろう。 例えば、(3, 1, 0, 3) を最初の順列とすると、 (1, 0, 3, 3) (0, 3, 3, 1) (3, 3, 1, 0) が残りの巡回順列である。
400 :132人目の素数さん:2006/07/11(火) 16:15:34
良いスレはできれば、sage進行でお願いします。
401 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/07/11(火) 16:21:48
>>394, >>398, >>399 の続き。
Hom(Z[ζ], Ω)/~ の各類から代表元 Φ_0, ..., Φ_(e-1) を とる。 Φ_0(η_0) = v_0 Φ_0(η_1) = v_1 . . Φ_0(η_(e-1)) = v_(e-1) とおく。>>351 より各 v_i は F の元である。 >>366, >>399 より他のΦ_i の A への制限は (v_0, v_1, ..., v_(e-1)) の巡回順列から得られる。
円分整数 f(ζ) に対して Φ_i(f(ζ)) = 0 となるとき、 f(ζ) は Φ_i で定まる素因子で割れると言う。 未だ素因子の定義をしてないが、便宜上 Φ_i(f(ζ)) = 0 となることをこう言う。
1 + X + ... + X^(λ-1) を mod p で既約多項式に分解し、 1 + X + ... + X^(λ-1) ≡ G_0(X)G_1(X)...G_(e-1)(X) (mod p) とする。各 G_i(X) は mod p で既約でモニックな多項式である。 >>394 より 各Φ_i に G_i(X) が対応すると仮定してよい。 Φ_i(f(ζ)) = 0 となるためには、 >>358 より f(X) ≡ 0 mod (p, G_i(X)) となることが必要十分である。
よって、各 i, 0 ≦ i ≦ e-1 で Φ_i(f(ζ)) = 0 となれば >>345 と同様にして f(ζ) は p で割れることが分かる。 逆にf(ζ) が p で割れれば 各 i で Φ_i(f(ζ)) = 0 となることは 明らかである。
つまり、f(ζ) が p で割れるための必要十分条件は 各 i で f(ζ) がΦ_i で定まる素因子で割れることである。
402 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/07/11(火) 16:58:28
>>401 の続き。
A の元、つまり f 項周期から構成される円分整数 Ψ(η) で 以下の条件を満たすものを考える。 ここで、η は f 項周期の組 η_0, ..., η_(e-1) を略したもので、 Ψ(η) は η_0, ..., η_(e-1) の多項式表現である(>>333)。 このように書くのは Ψ(η) が f 項周期から構成される円分整数 であることを明示するためである。
1) Ψ(η) は Φ_0 で定まる素因子で割れない。 2) i ≠ 0 のとき、Ψ(η) は Φ_i で定まる素因子で割れる。
このような Ψ(η) が存在することは後で示す。 ここでは、Ψ(η) の存在を認めることにする。 円分整数 f(ζ) に対して Ψ(η)f(ζ) ≡ 0 (mod p) とする。
Φ_0(p) = 0 だから p は Φ_0 で定まる素因子で割れる。 よって、Ψ(η)f(ζ) もΦ_0 で定まる素因子で割れる。 条件 1) より Ψ(η) は Φ_0 で定まる素因子で割れない。 よって f(ζ) はΦ_0 で定まる素因子で割れる。 このことは、Φ_0(Ψ(η)f(ζ)) = Φ_0(Ψ(η))Φ_0(f(ζ)) = 0 と、 Φ_0(Ψ(η)) ≠ 0 より分かる。
逆に、f(ζ) は Φ_0 で定まる素因子で割れると仮定する。 明らかに Ψ(η)f(ζ) もΦ_0 で定まる素因子で割れる 一方、条件 2) より i ≠ 0 のとき、Ψ(η)f(ζ) は Φ_i で定まる 素因子でも割れる。よって、>>401 の最後より Ψ(η)f(ζ) は p で割れる。
以上から Ψ(η)f(ζ) ≡ 0 (mod p) であるためには、 f(ζ) が Φ_0 で定まる素因子で割れることが必要十分である。
403 :132人目の素数さん:2006/07/11(火) 17:47:40
>>402 の続き。
円分整数 f(ζ) に対して ある有理整数 k ≧ 1 があり (Ψ(η)^k) f(ζ) ≡ 0 (mod p^k) とする。
このとき f(ζ) は Φ_0 で定まる素因子で k 回割れるという。
f(ζ) が Φ_0 で定まる素因子で k 回割れるが、k + 1 回では 割れないとき、f(ζ) は Φ_0 で定まる素因子できっかり k 回割れるという。
この定義が >>402 の条件 1), 2) を満たす Ψ(η) の取り方に よらないことは後に示す。
f(ζ) が Φ_0 で定まる素因子できっかり k 回割れるとき、 この k を(一時的に) ord(f(ζ)) と書こう。 f(ζ) が Φ_0 で定まる素因子で割れないときは、ord(f(ζ)) = 0 と する。
このとき以下の命題が成立つ。
1) 円分整数 f(ζ) が 0 でなければ ord(f(ζ)) は有限値として 必ず定まる。
2) f(ζ) ≠ 0, g(ζ) ≠ 0 なら ord(f(ζ)g(ζ)) = ord(f(ζ)) + ord(g(ζ)) となる。
3) f(ζ) ≠ 0, g(ζ) ≠ 0 で、f(ζ) + g(ζ) ≠ 0 なら ord(f(ζ) + g(ζ)) ≧ min(ord(f(ζ), ord(g(ζ)) である。
4) ord(p) = 1 である。
404 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/07/12(水) 10:24:49
まず >>403 の命題 4) を証明する。
4) ord(p) = 1 である。
証明 Ψ(η)p ≡ 0 (mod p) は明らかである。
(Ψ(η)^2) p ≡ 0 (mod p^2) とする。 Ψ(η)^2 ≡ 0 (mod p) となる。 p は Φ_0 で定まる素因子で割れるから、Ψ(η)^2 は Φ_0 で定まる 素因子で割れる。よって、Ψ(η) も Φ_0 で定まる素因子で割れる。 これは Ψ(η) の仮定である >>402 の条件 1) に反する。 よって、ord(p) = 1 である。 証明終
405 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/07/12(水) 11:13:57
>>403 の残りの命題を証明する前に補題を用意する。
補題 f(ζ) ≠ 0 を円分整数とし、f(ζ) が Φ_0 で定まる素因子で k 回割れるとする。 (Ψ(η)^k) f(ζ) ≡ 0 (mod p^k) だから、 (Ψ(η)^k) f(ζ) / p^k は 円分整数である。 これを h(ζ) とする。 f(ζ) が Φ_0 で定まる素因子できっかり k 回割れるためには、 h(ζ) が Φ_0 で定まる素因子で割れないことが必要十分である。
証明 (Ψ(η)^k) f(ζ) = (p^k) h(ζ) である。 >>402 の最後より h(ζ) が Φ_0 で定まる素因子で割れるためには Ψ(η)h(ζ) ≡ 0 (mod p) が必要十分である。 このことから命題の主張は明らかである。 証明終
406 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/07/12(水) 11:36:43
補題 f(ζ) ≠ 0, g(ζ) ≠ 0 を円分整数とし、 f(ζ) が Φ_0 で定まる素因子できっかり k 回割れ g(ζ) が Φ_0 で定まる素因子できっかり l 回割れるとする。 このとき、f(ζ)g(ζ) は Φ_0 で定まる素因子できっかり k + l 回割れる。
証明 (Ψ(η)^k) f(ζ) ≡ 0 (mod p^k) だから、 (Ψ(η)^k) f(ζ) = (p^k) h(ζ) となる円分整数 h(ζ) がある。 同様に、 (Ψ(η)^l) g(ζ) = (p^l) r(ζ) となる円分整数 r(ζ) がる。 >>405 より h(ζ) と r(ζ) は Φ_0 で定まる素因子で割れない。
(Ψ(η)^(k+l)) f(ζ)g(ζ) = p^(k+l) h(ζ)r(ζ) であるが、h(ζ)r(ζ) は Φ_0 で定まる素因子で割れない。 よって、>>405 より f(ζ)g(ζ) はきっかり k + l 回割れる。 証明終
407 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/07/12(水) 15:05:07
>>403 の命題 1) を証明する。
1) 円分整数 f(ζ) が 0 でなければ ord(f(ζ)) は有限値として 必ず定まる。
証明 f(ζ) のノルム Nf(ζ) = (p^s)m とする。ここで m は p と素な 有理整数である。s = 0 の場合は ord(f(ζ)) = 0 だから s ≧ 1 と仮定する。 >>404 と >>406 より、Nf(ζ) は Φ_0 で定まる素因子で きっかり s 回割れる。
f(ζ) が Φ_0 で定まる素因子で k 回割れるとする。 (Ψ(η)^k) f(ζ) = (p^k) h(ζ) となる円分整数 h(ζ) がある。 Nf(ζ)/f(ζ) は円分整数だからこれを g(ζ) と書く。 つまり Nf(ζ) = f(ζ)g(ζ) である。 よって (Ψ(η)^k) Nf(ζ) = (p^k) h(ζ)g(ζ) となる。 よって、Nf(ζ) はΦ_0 で定まる素因子で k 回割れる。 よって、s ≧ k である。よってこのような k は上に有界である。 よって、ord(f(ζ)) はこのような k の最大値として定まる。 証明終
408 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/07/12(水) 15:37:58
>>403 の命題 2) は 命題 1) と >>406 の補題からただちに得られる。 >>403 の命題 3) は 定義(>>403) から明らかである。
以上で >>403 の命題はすべて証明された。
次に >>403 で定義した ord(f(ζ)) が、>>402 の条件 1), 2) を 満たす Ψ(η) の取り方によらないことを示す。
Φ(η) が >>402 の条件 1), 2) を満たすとする。 Φ(η) で定義される ord(f(ζ)) に対応するものを ord_2(f(ζ)) と書こう。
ord(f(ζ)) = k とする。 k = 0 なら明らかだから k ≧ 1 とする。 >>405 より (Ψ(η)^k) f(ζ) = (p^k) h(ζ) となる円分整数 h(ζ) で Φ_0 で定まる素因子で割れないものがある。
ord_2 に >>403 の命題を適用すると、 ord_2((Ψ(η)^k) f(ζ)) = ord_2(f(ζ)) ord_2((p^k) h(ζ)) = k となる。 よって、 ord_2(f(ζ)) = k である。 これが証明すべきことであった。
409 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/07/12(水) 16:13:24
>>402 の条件 1), 2) を満たす Ψ(η) が存在することを示す。 >>401 で Φ_0(η_0) = v_0 . . Φ_0(η_(e-1)) = v_(e-1) とおいた。 各 v_i は F つまり標数 p の素体 Z/pZ の元である。 各 i に対して v_i の Z における代表元 u_i で 0 ≦ u_i < p と なるものを取る。
f 項周期から構成される円分整数 η_i - j の列を考える。 ここで i は 0 ≦ j < e を動き、 j は有理整数で 0 ≦ j < p 動く。 この列は ep 項からなる。 この列 から e 個の η_i - u_i を除いたものの積を Ψ(η) とおく。Ψ(η) は ep - e 個の η_i - j の積である。
Φ_0(Ψ(η)) とすると、Φ_0(η_i - j) = 0 となる i がある。 つまり Φ_0(η_i) = j~ となる。ここで、j~ は j の mod p の 剰余類を表す。よって、j = u_i となるが、これは仮定に反する。 よって、Ψ(η) は >>402 の条件 1) を満たす。
s ≠ 0 のとき Φ_s ≠ Φ_0 だから Φ_s(η_i) ≠ v_i となる i がある。よって Φ_s(η_i) の代表元を j とすれば、 Φ_s(η_i - j) = 0 で j ≠ u_i である。 よって Ψ(η) は η_i - j を因子にもつから Φ_s(Ψ(η)) = 0 である。よって、Ψ(η) は >>402 の条件 2) を満たす。
410 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/07/12(水) 16:43:11
>>409 の証明からわかるように s ≠ 0 のとき Φ_s(η_i) ≠ v_i となるような i をとり、Φ_s(η_i) の代表元を j として、s を動かした ときの η_i - j の積をΨ(η) としてもよい。 この場合 Ψ(η) は e - 1 個の η_i - j の積である。 むしろこの方が簡単だろう。
