最終更新日時 2011年03月09日 (水) 22時45分04秒
代数的整数論 007 (511-610)
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511 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 23:41:54
>>510
そうです。 今、訂正しようとしてたところです(笑い)。
>>509
0 ≦ g_1 ≦ g_2 ≦ . . . ≦ g だから n → ∞ のとき g_n(x) → 0 なら、n を固定したとき g_n(x) は いくらでも小さくなるから g_n(x) = 0 よって、f_n(x)g_n(x) = 0 即ち、f_n(x)g_n(x) → 0 となる。
一方、g(x) = 0 だから、規約 0(+∞) = 0 より f(x)g(x) = 0 である。
だから >>508 の証明は正しい。
512 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 00:05:10
命題 (X, Φ) を可測空間(>>211)とし、 f を X から [-∞, +∞] への写像とする。
f が可測(>>213)なら、|f| も可測である。
証明
f^(+) = sup{f, 0}
f^(-) = sup{-f, 0}
と書いた(>>305)。
定数関数 0 は S(0) が空集合なので可測だから (c ≠ 0 のとき定数関数 c は可測とは限らないことに注意)、 >>295 より f^(+) と f^(-) は可測である。
|f| = f^(+) + f^(-) であるから、>>507 より |f| は可測である。 証明終
513 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 00:30:10
命題 (X, Φ) を可測空間(>>211)とし、 f を X から [-∞, +∞] への可測関数とする。
f が積分可能であることと、|f| が積分可能であることは同値である。
証明 f = f^(+) - f^(-) |f| = f^(+) + f^(-)
S(f) = S(|f|) = S(f^(+)) ∪ S(f^(-))
∫[X] f dψ = ∫[X] f^(+) dμ - ∫[X] f^(-) dμ
積分可能の定義(>>472)より、f が積分可能であることと、 f^(+) と f^(-) がともに積分可能であることは同値である。
>>484 より、 ∫[X] |f| dψ = ∫[X] f^(+) dμ + ∫[X] f^(-) dμ
よって、f が積分可能なら |f| も積分可能である。
0 ≦ f^(+) ≦ |f| 0 ≦ f^(-) ≦ |f|
よって、>>441 より ∫[X] f^(+) dμ ≦ ∫[X] |f| dμ ∫[X] f^(-) dμ ≦ ∫[X] |f| dμ
だから |f| が積分可能なら、f^(+) と f^(-) がともに積分可能である。 よって、f も積分可能である。 証明終
514 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 00:47:16
訂正 >>513
>>>484 より、 >∫[X] |f| dψ = ∫[X] f^(+) dμ + ∫[X] f^(-) dμ
>>464 より、 ∫[X] |f| dψ = ∫[X] f^(+) dμ + ∫[X] f^(-) dμ
515 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 01:05:56
>>494 の別証 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 f と g を X 上の積分可能(>>472)な有限な値のみをとる関数(>>493) とする。 f + g も積分可能であり、 ∫[X] (f + g) dμ = ∫[X] f dμ + ∫[X] g dμ である。
証明 |f + g| ≦ |f| + |g| だから S(|f + g|) ⊂ S(|f| + |g|) = S(|f|) ∪ S(|g|)
>>441 と >>464 より、 ∫[X] |f + g| dμ ≦ ∫[X] (|f| + |g|) dμ = ∫[X] |f| dμ + ∫[X] |g| dμ < +∞ よって、|f + g| は積分可能である。 >>513 より f + g は積分可能である。
h = f + g とおく。 h^(+) - h^(-) = f^(+) - f^(-) + g^(+) - g^(-) 移項して、h^(+) + f^(-) + g^(-) = h^(-) + f^(+) + g^(+) >>464 より ∫[X] h^(+) dμ + ∫[X] f^(-) dμ + ∫[X] g^(-) dμ = ∫[X] h^(-) dμ + ∫[X] f^(+) dμ + ∫[X] g^(+) dμ
各項は有限だから移項出来て、 ∫[X] h^(+) dμ - ∫[X] h^(-) dμ = ∫[X] f^(+) dμ - ∫[X] f^(-) dμ + ∫[X] g^(+) dμ - ∫[X] g^(-) dμ
即ち、∫[X] (f + g) dμ = ∫[X] f dμ + ∫[X] g dμ である。 証明終
516 :132人目の素数さん:2007/09/04(火) 04:40:04
a
517 :132人目の素数さん:2007/09/04(火) 04:40:36
b
518 :132人目の素数さん:2007/09/04(火) 04:41:07
c
519 :132人目の素数さん:2007/09/04(火) 04:41:38
d
520 :132人目の素数さん:2007/09/04(火) 04:42:17
e
521 :132人目の素数さん:2007/09/04(火) 04:42:48
f
522 :132人目の素数さん:2007/09/04(火) 04:43:19
g
523 :132人目の素数さん:2007/09/04(火) 04:43:49
h
524 :132人目の素数さん:2007/09/04(火) 04:44:26
i
525 :132人目の素数さん:2007/09/04(火) 04:44:57
j
526 :132人目の素数さん:2007/09/04(火) 04:45:28
k
527 :132人目の素数さん:2007/09/04(火) 04:45:59
l
528 :132人目の素数さん:2007/09/04(火) 04:46:30
m
529 :132人目の素数さん:2007/09/04(火) 04:47:04
n
530 :132人目の素数さん:2007/09/04(火) 04:47:35
o
531 :132人目の素数さん:2007/09/04(火) 04:48:06
p
532 :132人目の素数さん:2007/09/04(火) 04:49:04
q
533 :132人目の素数さん:2007/09/04(火) 04:49:36
r
534 :132人目の素数さん:2007/09/04(火) 04:50:09
s
535 :132人目の素数さん:2007/09/04(火) 04:50:40
t
536 :132人目の素数さん:2007/09/04(火) 04:51:25
u
537 :132人目の素数さん:2007/09/04(火) 04:51:57
v
538 :132人目の素数さん:2007/09/04(火) 04:52:35
w
539 :132人目の素数さん:2007/09/04(火) 04:53:05
x
540 :132人目の素数さん:2007/09/04(火) 04:53:41
y
541 :132人目の素数さん:2007/09/04(火) 04:54:12
z
542 :132人目の素数さん::2007/09/04(火) 08:58:06
だいすうれきせいすうろん、トノ関連ヲ、書いてくれれば、ヨイのですが…
543 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 09:25:08
>>542 過去スレ006より
490 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [] 投稿日:2007/08/15(水) 10:20:05
初めの計画では Dirichlet の類数公式の証明です。 そのために級数論の基礎を述べたんですが、ついでに数論で使われる 位相の基礎もやろうということに考えを変えました。
類数公式にはいずれ戻るので、位相の基礎にあまり興味がなかったら それまで待ってください。
このシリーズは予備知識を少なくしようとしているため 必要な基礎知識をなるべくここで述べるようにしています。 そのため、数論本体の流れが途切れる場合もありますが それはご容赦願います。
なお、基礎部分は後で必要になった時点で参照するということで いいと思います。
544 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 10:28:59
命題 (X, Φ) を可測空間(>>211)とし、 f を X から [-∞, +∞] への可測関数とする。
∫[X] f dμが定義されるなら、∫[X] |f| dμ も定義され、
|∫[X] f dμ| ≦ ∫[X] |f| dμ
証明 S(f) = S(|f|) だから ∫[X] f dμが定義されるなら、∫[X] |f| dμ も定義される。
|∫[X] f dμ| = |∫[X] f^(+) dμ - ∫[X] f^(-) dμ| ≦ ∫[X] f^(+) dμ + ∫[X] f^(-) dμ = ∫[X] (f^(+) + f^(-)) dμ = ∫[X] |f| dμ
証明終
545 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 10:31:48
訂正 >>544 >(X, Φ) を可測空間(>>211)とし、
(X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とし、
546 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 15:53:04
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 σ(Φ) を Φ の集合で σ-有限(>>448)な測度をもつもの全体とする。
σ(Φ) は σ-集合環(>>197)である。
証明 空集合は σ(Φ) に属すから σ(Φ) は空ではない。
>>456 より A_n ∈ σ(Φ), n =1 , 2, ... なら ∪A_n ∈ σ(Φ) である。
A, B ∈ σ(Φ) なら A - B ⊂ A であるから A - B ∈ σ(Φ) である。 証明終
547 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 16:41:14
命題 (X, Φ) を可測空間(>>211)とし、 f を X から [-∞, +∞] への可測関数とする。
次の条件を見たす可測で有限な単関数(>>298) f_n が存在する。 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき f_n(x) → f(x)
証明
f^(+) = sup{f, 0}
f^(-) = sup{-f, 0} と書いた(>>305)。
>>277 より -f も可測である。
定数関数 0 は S(0) が空集合なので可測だから (c ≠ 0 のとき定数関数 c は可測とは限らないことに注意)、 >>295 より f^(+) と f^(-) は可測である。
>>304 より 次の条件を見たす可測で有限な単関数(>>298) s_n が存在する。
1) 0 ≦ s_1 ≦ s_2 ≦ . . . ≦ f^(+) 2) 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき s_n(x) → f^(+)
同様に、 次の条件を見たす可測で有限な単関数 t_n が存在する。
3) 0 ≦ t_1 ≦ t_2 ≦ . . . ≦ f^(-) 4) 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき t_n(x) → f^(-)
>>307 より、s_n - t_n は可測で有限な単関数である。
n → ∞ のとき s_n(x) - t_n(x) → f^(+)(x) - f^(-)(x) = f(x) 証明終
548 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 16:46:19
命題 (X, Φ) を可測空間(>>211)とし、 f と g を X から [-∞, +∞] への写像とする。
f と g が可測(>>213)で、f + g が定義されるなら、 即ち f(x) と g(x) の一方が +∞ で他方が -∞ とならないなら f + g も可測である。
証明 >>547 より、 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき f_n(x) → f(x) となる可測で有限な単関数(>>298) f_n が存在する。
同様に、 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき g_n(x) → g(x) となる可測で有限な単関数(>>298) g_n が存在する。
任意の x ∈ X において、 n → ∞ のとき f_n(x) + g_n(x) → f(x) + g(x)
f + g = lim sup(f_n + g_n) である(>>289)から >>295, >>296 より f + g は可測である。 証明終
549 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 16:51:21
>>548 の補足説明。
>>307 より、f_n + g_n は可測で有限な単関数である。
550 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 16:52:44
命題 (X, Φ) を可測空間(>>211)とし、 f と g を X から [-∞, +∞] への写像とする。
f と g が可測(>>213)なら、fg も可測である。
証明 >>547 より、 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき f_n(x) → f(x) となる可測で有限な単関数(>>298) f_n が存在する。
同様に、 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき g_n(x) → g(x) となる可測で有限な単関数(>>298) g_n が存在する。
任意の x ∈ X において、 n → ∞ のとき f_n(x)g_n(x) → f(x)g(x)
>>314 より、(f_n)(g_n) はは可測で有限な単関数である。
fg = lim sup(f_n g_n) である(>>289)から >>295, >>296 より fg は可測である。 証明終
551 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 16:56:03
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 X から [-∞, +∞] への可測関数 f で S(f) が σ-有限(>>448)なもの 全体を S(Φ) とする。 (1) f_n ∈ S(Φ), n ≧ 0 なら sup f_n ∈ S(Φ) (2) f_n ∈ S(Φ), n ≧ 0 なら inf f_n ∈ S(Φ) (3) f_n ∈ S(Φ), n ≧ 0 で lim f_n が存在すれば lim f_n ∈ S(Φ) (4) f, g ∈ S(Φ) で f + g が定義されるなら、 即ち f(x) と g(x) の一方が +∞ で他方が -∞ とならないなら f + g ∈ S(Φ) (5) f, g ∈ S(Φ) なら fg ∈ S(Φ) (6) α を有限実数とし、f ∈ S(Φ) なら αf ∈ S(Φ)
証明 (1) f_n(x) = 0 がすべての n で成り立てば、sup f_n(x) = 0 よって、S(sup f_n) ⊂ ∪S(f_n) (2) f_n(x) = 0 がすべての n で成り立てば、inf f_n(x) = 0 よって、S(inf f_n) ⊂ ∪S(f_n) (3) lim f_n が存在すれば lim f_n = lim sup f_n (>>288, >>289) だから、上記より lim f_n ∈ S(Φ) (4) >>548 より f + g は可測である。 f(x) = g(x) = 0 なら f(x) + g(x) = 0 である。 よって、S(f + g) ⊂ S(f) ∪ S(g) (5) >>550 より fg は可測である。 f(x) = g(x) = 0 なら f(x)g(x) = 0 である。 よって、S(fg) ⊂ S(f) ∪ S(g) (6) f(x) = 0 なら αf(x) = 0 である。 よって、S(αf) ⊂ S(f) 証明終
552 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 22:44:10
補題 (X, Φ, μ) を測度空間(>>317)とする。 (f_n), n ≧ 0 を可測関数の列とし、ψ ≧ 0 は積分可能で、 X の各点 x と各 n で |f_n(x)| ≦ ψ(x) とする。
このとき、f_n, lim inf f_n, lim sup f_n は積分可能であり、
∫[X] (lim inf f_n) dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ ≦ lim sup ∫[X] f_n dμ ≦ ∫[X] (lim sup f_n) dμ
証明 |f_n(x)| ≦ ψ(x) だから ψ(x) = 0 なら f_n(x) = 0 である。 よって S(f_n) ⊂ S(ψ(x)) ψ は積分可能だから |f_n| も積分可能である。 >>513 より f_n も積分可能である。
同様に、|lim inf f_n(x)| ≦ ψ(x), |lim sup f_n(x)| ≦ ψ(x) だから lim inf f_n(x), lim sup f_n(x) も積分可能である。
|f_n(x)| ≦ ψ(x) より、-ψ(x) ≦ f_n(x) ≦ ψ(x) よって ψ(x) + f_n(x) ≧ 0
Fatou の補題(>>506)より、 ∫[X] lim inf (ψ + f_n) dμ ≦ lim inf ∫[X] (ψ + f_n) dμ lim inf (ψ + f_n) = ψ + lim inf f_n だから ∫[X] ψ dμ + ∫[X] lim inf f_n dμ ≦ ∫[X] ψ dμ + lim inf ∫[X] f_n dμ
よって ∫[X] lim inf f_n dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ (続く)
553 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 22:45:10
>>552 の続き。
他方、ψ(x) - f_n(x) ≧ 0 だから Fatou の補題(>>506)より、
∫[X] lim inf (ψ - f_n) dμ ≦ lim inf ∫[X] (ψ - f_n) dμ
lim inf (ψ - f_n) = ψ - lim sup f_n だから
∫[X] ψ dμ - ∫[X] lim sup f_n dμ ≦ ∫[X] ψ dμ - lim sup ∫[X] f_n dμ
よって lim sup ∫[X] f_n dμ ≦ ∫[X] lim sup f_n dμ 証明終
554 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 23:04:58
定理(Lebesgue の項別積分定理) (X, Φ, μ) を測度空間(>>317)とする。 (f_n), n ≧ 0 を可測関数の列とし、ψ ≧ 0 は積分可能で、 X の各点 x と各 n で |f_n(x)| ≦ ψ(x) とし、 X の各点 x で lim f_n(x) が存在するとする。
f_n、lim f_n は積分可能で、
lim ∫[X] f_n dμ = ∫[X] (lim f_n) dμ
証明 X の各点 x で lim f_n(x) が存在するから、 lim f_n = lim inf f_n = lim sup f_n
>>552 より、 lim ∫[X] f_n dμ = ∫[X] (lim f_n) dμ
証明終
555 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 08:03:53
>>554 の証明には次の方法もある(得られる結果はやや強い)。 定理(Lebesgue の項別積分定理) (X, Φ, μ) を測度空間(>>317)とする。 (f_n), n ≧ 0 を可測関数の列とし、ψ ≧ 0 は積分可能で、 X の各点 x と各 n で |f_n(x)| ≦ ψ(x) とし、 X の各点 x で lim f_n(x) が存在するとする。
f_n、lim f_n は積分可能で、 lim ∫[X] |f - f_n| dμ = 0 かつ lim ∫[X] f_n dμ = ∫[X] (lim f_n) dμ
証明(Rudin) f = lim f_n とおく。 |f| ≦ ψ であるから |f - f_n| ≦ |f| + |f_n| ≦ 2ψ よって、f も f - f_n も積分可能である。 2ψ - |f - f_n| ≧ 0
Fatou の補題(>>506)より、 ∫[X] (lim inf (2ψ - |f - f_n|))dμ ≦ lim inf ∫[X] (2ψ - |f - f_n|) dμ
∫[X] 2ψ dμ - ∫[X] lim sup |f - f_n| dμ ≦ ∫[X] 2ψ dμ - lim sup ∫[X] |f - f_n| dμ lim sup ∫[X] |f - f_n| dμ ≦ ∫[X] lim sup |f - f_n| dμ lim sup |f - f_n| = lim |f - f_n| = 0 だから lim sup ∫[X] |f - f_n| dμ = lim ∫[X] |f - f_n| dμ = 0 である。
>>544 より、 |∫[X] (f - f_n) dμ| ≦ ∫[X] |f - f_n| dμであるから lim |∫[X] (f - f_n) dμ| = lim |∫[X] f dμ - ∫[X] f_n dμ| = 0 即ち、lim ∫[X] f_n dμ = ∫[X] f dμ 証明終
556 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 08:13:56
訂正
>>555 >f_n、lim f_n は積分可能で、 >lim ∫[X] |f - f_n| dμ = 0 かつ >lim ∫[X] f_n dμ = ∫[X] (lim f_n) dμ
f_n、f = lim f_n は積分可能で、 lim ∫[X] |f - f_n| dμ = 0 かつ lim ∫[X] f_n dμ = ∫[X] f dμ
557 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 08:34:08
>>555 の前に次の補題を述べたほうが良かった。
補題 (X, Φ, μ) を測度空間(>>317)とする。 (f_n), n ≧ 0 を積分可能な関数の列とし、 X の各点 x で f = lim f_n(x) が存在するとする。 さらに、f は積分可能であるとする。
lim ∫[X] |f - f_n| dμ = 0 なら lim ∫[X] f_n dμ = ∫[X] f dμ
証明 >>544 より、 |∫[X] (f - f_n) dμ| ≦ ∫[X] |f - f_n| dμであるから lim |∫[X] (f - f_n) dμ| = lim |∫[X] f dμ - ∫[X] f_n dμ| = 0 即ち、lim ∫[X] f_n dμ = ∫[X] f dμ 証明終
558 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 08:56:59
命題 (X, Φ, μ) を測度空間(>>317)で、X ∈ Φ で μ(X) < +∞ とする。 (f_n), n ≧ 0 を可測関数の列とし、 X の各点 x と各 n で |f_n(x)| ≦ M とし、 X の各点 x で f(x) = lim f_n(x) が存在するとする。
このとき、f は積分可能であり、 lim ∫[X] |f - f_n| dμ = 0 かつ lim ∫[X] f_n dμ = ∫[X] f dμ
証明 μ(X) < +∞ だから >>453 より、 ∫[X] M dμ = Mμ(X)
即ち、定数関数 M は積分可能である。
よって、Lebesgue の項別積分定理(>>555)より lim ∫[X] |f - f_n| dμ = 0 かつ lim ∫[X] f_n dμ = ∫[X] f dμ 証明終
559 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 09:06:49
命題 (X, Φ, μ) を測度空間(>>317)で、X ∈ Φ で μ(X) < +∞ とする。 (f_n), n ≧ 0 を可測関数の列とし、 X の上で f_n が一様に f に収束するとする。
このとき、f は積分可能であり、 lim ∫[X] |f - f_n| dμ = 0 かつ lim ∫[X] f_n dμ = ∫[X] f dμ
証明 m があり n ≧ m なら X の各点 x で |f_n(x) - f_m(x)| < 1 となる。
|f_n(x)| ≦ |f_m(x)| + |f_n(x) - f_m(x)| ≦ |f_m(x)| + 1
μ(X) < +∞ だから、定数関数 1 は X 上で積分可能である。 よって、|f_m(x)| + 1 も積分可能である。
関数列 (f_n), n ≧ m に Lebesgue の項別積分定理(>>555)を適用 すればよい。 証明終
560 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 09:19:42
>>449 の積分の定義は普通と少し違う。 普通は(例えば伊藤清三)、積分の定義に使う単関数 Σ(a_i)χ_(M_i) は μ(M_i) = +∞ の場合も許している。
この両者の関係について調べる。
561 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 09:22:16
>>560
>>449 ではなく >>452 だった。
562 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 11:08:22
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317) とする。 E(Φ) (>>377) から [0, +∞] への写像 ψ で 任意の M ∈ Φ に対して ψ(χ_M) = μ(M) となるものが 一意に存在する。
証明 f = Σ(a_i)χ_(M_i) を E(Φ) の元とする。
>>376 より、互いに交わらない N_1, . . ., N_m ∈ Φ があり、 各 M_i はいくつかの N_j の合併となる。
よって、χ_(M_i) = Σb_(i,j)χ_(N_j) と書ける。 ここで、b_(i,j) は 0 または 1 である。 よって、 Σ(a_i)χ_(M_i) = Σ(a_i)b_(i,j)χ_(N_j)
c_j = Σ(a_i)(c_(i, j)) とおけば、 Σ(a_i)χ_(M_i) = Σ(c_j)χ_(N_j) よって、x ∈ N_j のとき f(x) = c_j である。 即ち、各 c_j は f により一意に決まる。
他方、χ_(M_i) = Σb_(i,j)χ_(N_j) だから μ(M_i) = Σb_(i,j)μ(N_j)
よって Σ(a_i)μ(M_i) = Σ(a_i)b_(i,j)μ(N_j) = Σ(c_j)μ(N_j)
よって、Σ(a_i)μ(M_i) は f により一意に決まる。 ψ(f) = Σ(a_i)μ(M_i) とおけばよい。 証明終
563 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 11:12:07
>>562 を次のように修正する。
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317) とする。 E(Φ) (>>377) の元 f で f ≧ 0 となるもの全体を E(Φ)+ と書く。 E(Φ)+ から [0, +∞] への写像 ψ で 任意の M ∈ Φ に対して ψ(χ_M) = μ(M) となるものが 一意に存在する。
証明 f = Σ(a_i)χ_(M_i) を E(Φ)+ の元とする。
>>376 より、互いに交わらない N_1, . . ., N_m ∈ Φ があり、 各 M_i はいくつかの N_j の合併となる。
よって、χ_(M_i) = Σb_(i,j)χ_(N_j) と書ける。 ここで、b_(i,j) は 0 または 1 である。 よって、Σ(a_i)χ_(M_i) = Σ(a_i)b_(i,j)χ_(N_j)
c_j = Σ(a_i)(c_(i, j)) とおけば、 Σ(a_i)χ_(M_i) = Σ(c_j)χ_(N_j) よって、x ∈ N_j のとき f(x) = c_j である。 即ち、各 c_j は f により一意に決まる。
他方、χ_(M_i) = Σb_(i,j)χ_(N_j) だから μ(M_i) = Σb_(i,j)μ(N_j)
よって、Σ(a_i)μ(M_i) = Σ(a_i)b_(i,j)μ(N_j) = Σ(c_j)μ(N_j) よって、Σ(a_i)μ(M_i) は f により一意に決まる。 ψ(f) = Σ(a_i)μ(M_i) とおけばよい。 証明終
564 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 11:21:26
>>510
蛇足かもしれませんが。
>>511 >そうです。 >今、訂正しようとしてたところです(笑い)。
これは事実を述べただけで他意はありません。 お気に障ったら謝ります。
>>1 の
>その他、内容についてのご意見は歓迎します。 >例えば、誤りの指摘、証明の改良など。
は、私の本音ですし、これらのご意見に感謝しています。
565 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 11:34:36
>>563 を次のように修正する。 命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317) とする。 E(Φ) (>>377) の元 f で f ≧ 0 となるもの全体を E(Φ)+ と書く。 E(Φ)+ から [0, +∞] への写像 ψ で、 f = Σ(a_i)χ_(M_i) ∈ E(Φ)+、a_i ≧ 0, M_i ∈ Φ のとき、 ψ(f) = Σ(a_i)μ(M_i) となるものが 一意に存在する。
証明 f = Σ(a_i)χ_(M_i) を E(Φ)+ の元とする。
>>376 より、互いに交わらない N_1, . . ., N_m ∈ Φ があり、 各 M_i はいくつかの N_j の合併となる。
よって、χ_(M_i) = Σb_(i,j)χ_(N_j) と書ける。 ここで、b_(i,j) は 0 または 1 である。 よって、Σ(a_i)χ_(M_i) = Σ(a_i)b_(i,j)χ_(N_j)
c_j = Σ(a_i)(c_(i, j)) とおけば、 Σ(a_i)χ_(M_i) = Σ(c_j)χ_(N_j) よって、x ∈ N_j のとき f(x) = c_j である。 即ち、各 c_j は f により一意に決まる。
他方、χ_(M_i) = Σb_(i,j)χ_(N_j) だから μ(M_i) = Σb_(i,j)μ(N_j)
よって、Σ(a_i)μ(M_i) = Σ(a_i)b_(i,j)μ(N_j) = Σ(c_j)μ(N_j) よって、Σ(a_i)μ(M_i) は f により一意に決まる。 ψ(f) = Σ(a_i)μ(M_i) とおけばよい。 証明終
566 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 11:54:15
定義 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317) とする。 E(Φ) (>>377) の元 f で f ≧ 0 となるもの全体を E(Φ)+ と書く。
s = Σ(a_i)χ_(M_i) を E(Φ)+ の元とする。 ここで、a_i ≧ 0、M_i ∈ Φ である。
I(s) = Σ(a_i)μ(M_i) とおく。
>>565 より I(s) は s = Σ(a_i)χ_(M_i) のような表示によらない。
567 :510:2007/09/05(水) 12:23:06
>>564
いえいえ。まったく気にしておりません。 ご心配なく。 ところで、
>>559
各 f_n は、 μ 可積分と仮定したほうが良いと思います。 なぜなら、可測だけでは、条件が弱いからです:
X を開区間 (0, 1), Φ を (0, 1) 上のボレル集合体、 μ をルベーグ測度として、f_n (x) = 1/x と置けば、f_n (x) → 1/x (一様収束)ですが、 1/x は、(0, 1) 上、可測であっても可積分ではないからです。
568 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 12:35:34
>>567
有難うございます。
各 f_n が可積分でないと、>>559 の |f_m(x)| + 1 も可積分でない ことになって証明が成り立ちませんね。
569 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 13:23:29
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317) とする。 E(Φ) (>>377) の元 f で f ≧ 0 となるもの全体を E(Φ)+ と書く。
f ∈ E(Φ)+ で S(f) の測度が σ-有限(>>448) であれば、 ∫[X] f dμ = I(f) である。
ここで、I(f) は >>566 で定義したものである。
証明 f = Σ(a_i)χ_(M_i) とする。 ここで、a_i > 0、M_i ∈ Φ である。
a_i > 0 だから各 M_i の測度は σ-有限である。 よって、>>464 より、 ∫[X] f dμ = Σ(a_i)∫[X]χ_(M_i) dμ
>>467 より ∫[X]χ_(M_i) dμ = ∫[M_i] 1 dμ = μ(M_i)
よって、 ∫[X] f dμ = Σ(a_i)μ(M_i) = I(f) 証明終
570 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 13:31:17
定義 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317) とし、 f ≧ 0 を可測関数であるとする。
I(X, μ, f) = sup { I(s) | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Φ) }
と書く。
ここで、I(s) は >>566 で定義したものである。
I(X, μ, f) は略して I(X, f) または I(f) とも書く。
571 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 13:52:01
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317) とし、 f ≧ 0 を可測関数であるとする。
f が積分可能であれば、∫[X] f dμ = I(f) である。
ここで、I(f) は >>570 で定義したものである。
証明
>>570 より、
I(f) = sup { I(s) | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Φ) }
である。
f が積分可能だから、0 ≦ s ≦ f となる s ∈ E(Φ) も 積分可能である。
>>569 より ∫[X] s dμ = I(s) であるから、I(s) < +∞
即ち、>>452 の記号で s ∈ E(Ψ) である。
E(Ψ) ⊂ E(Φ) は明らかである。
従って、∫[X] f dμ = I(f) である。 証明終
572 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 14:13:37
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317) とし、 f ≧ 0 を可測関数であるとする。 I(f) を >>570 で定義したものとする。
I(f) が有限であれば、f は積分可能で、 ∫[X] f dμ = I(f) である。
証明
I(f) = sup { I(s) | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Φ) }
だから、0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Φ) に対して
I(s) ≦ I(f) である。
よって、I(f) が有限であれば、I(s) も有限である。 よって、>>452 の記号で s ∈ E(Ψ) である。
>>569 より(または定義から直接に) ∫[X] s dμ = I(s) である。
>>304 より、次の条件を見たす可測で有限な単関数(>>298) s_n が 存在する。
1) 0 ≦ s_1 ≦ s_2 ≦ . . . ≦ f 2) 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき s_n(x) → f(x)
上から、各 s_n ∈ E(Ψ) である。 よって S(s_n) の測度は有限である。 >>551 より、S(f) の測度は σ-有限である。
よって ∫[X] f dμ が定義され、∫[X] f dμ = I(f) である。 よって、f は積分可能である。 証明終
573 :132人目の素数さん:2007/09/05(水) 18:35:03
a
574 :132人目の素数さん:2007/09/05(水) 18:35:33
b
575 :132人目の素数さん:2007/09/05(水) 18:36:04
c
576 :132人目の素数さん:2007/09/05(水) 18:36:34
d
577 :132人目の素数さん:2007/09/05(水) 18:37:05
e
578 :132人目の素数さん:2007/09/05(水) 18:37:35
f
579 :132人目の素数さん:2007/09/05(水) 18:38:06
g
580 :132人目の素数さん:2007/09/05(水) 18:38:38
h
581 :132人目の素数さん:2007/09/05(水) 18:39:38
i
582 :132人目の素数さん:2007/09/05(水) 18:40:18
j
583 :132人目の素数さん:2007/09/05(水) 18:40:49
k
584 :132人目の素数さん:2007/09/05(水) 18:41:20
l
585 :132人目の素数さん:2007/09/05(水) 18:41:50
m
586 :132人目の素数さん:2007/09/05(水) 18:42:20
n
587 :132人目の素数さん:2007/09/05(水) 18:43:08
o
588 :132人目の素数さん:2007/09/05(水) 18:43:39
p
589 :132人目の素数さん:2007/09/05(水) 18:44:09
q
590 :132人目の素数さん:2007/09/05(水) 18:45:39
r
591 :132人目の素数さん:2007/09/05(水) 18:46:10
s
592 :132人目の素数さん:2007/09/05(水) 18:46:41
t
593 :132人目の素数さん:2007/09/05(水) 18:47:41
u
594 :132人目の素数さん:2007/09/05(水) 18:48:27
v
595 :132人目の素数さん:2007/09/05(水) 18:48:57
w
596 :132人目の素数さん:2007/09/05(水) 18:49:27
x
597 :132人目の素数さん:2007/09/05(水) 18:49:58
y
598 :132人目の素数さん:2007/09/05(水) 18:50:30
z
599 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 20:45:02
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317) とし、 f を E(Φ) (>>377) の元で f ≧ 0 とする。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
S(f) の測度が σ-有限なら、 次の条件を見たす E(Ψ) (>>377) の元 s_n が存在する。
1) 0 ≦ s_1 ≦ s_2 ≦ . . . ≦ f 2) 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき s_n(x) → f(x)
証明 S(f) の測度は σ-有限だから、>>467 の証明より、 Φ の集合の列 (E_n), n = 1, 2, . . . で S(f) = ∪E_n で、 n ≠ m のとき E_n と E_m は交わらず、 各 μ(E_n) < +∞ となるものがある。
A_n = E_1 . . . ∪ E_n とおく。 A_1 ⊂ A_2 ⊂ . . . A_n ⊂ A_(n+1) ⊂ . . S(f) = ∪A_n である。
s_n = (χ_(A_n))f とおく。
f = Σ(a_i)χ_(M_i) とする。 ここで、a_i > 0、M_i ∈ Φ である。
s_n = Σ(a_i)(χ_(A_n))χ_(M_i) = Σ(a_i)χ_(A_n ∩ M_i) だから s_n ∈ E(Ψ) である。
(続く)
600 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 20:50:26
>>599 の続き。
x ∈ A_n なら x ∈ A_(n+1) だから χ_(A_n)(x) = χ_(A_(n+1))(x) = 1 よって、s_n(x) = s_(n+1)(x) = f(x)
x ∈ X - A_n なら χ_(A_n)(x) = 0 だから s_n(x) = 0 よって、s_n(x) ≦ s_(n+1)(x)
よって、s_n ≦ s_(n+1)
x ∈ X - S(f) なら任意の n に対して s_n(x) = 0 だから s_n(x) = f(x)
x ∈ S(f) なら x ∈ A_m となる m がある。 n ≧ m なら x ∈ A_n だから χ_(A_n)(x) = 1 となり、 s_n(x) = f(x)
以上から lim s_n = f である。 証明終
601 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 21:25:30
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317) とする。 f ≧ 0 を可測関数で S(f) の測度が σ-有限(>>448)であるとする。
∫[X] f dμ = I(f) である。
ここで、I(f) は >>566 で定義したものである。
証明 任意の有限実数 ε > 0 に対して I(f) - ε < I(g) ≦ I(f) となる E(Φ) (>>377) の元 g で 0 ≦ g ≦ f となるものがある。 S(g) ⊂ S(f) だから S(g) の測度は σ-有限である。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
>>599 より、次の条件を見たす E(Ψ) (>>377) の元 s_n が存在する。
1) 0 ≦ s_1 ≦ s_2 ≦ . . . ≦ g 2) 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき s_n(x) → g(x)
Lebesgue の単調収束定理(>>445)より、 n → ∞ のとき ∫[X] s_n dμ → ∫[X] g dμ
>>569 より ∫[X] g dμ= I(g) である。
よって、 I(f) - ε < ∫[X] s_n dμ ≦ I(g) ≦ I(f) となる n がある。
よって
I(f) = sup {∫[X] s dμ | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) }
即ち、∫[X] f dμ = I(f) である。
証明終
602 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 21:35:40
(X, Φ, μ) を 測度空間(>>317) とし、 f ≧ 0 を可測関数とする。
S(f) の測度が σ-有限(>>448)なら、>>601 より ∫[X] f dμ = I(f) である。
S(f) の測度が σ-有限でないなら、>>572 より I(f) = +∞ である。 この場合、∫[X] f dμ は定義されない。
>>560 の問題はこれで解決したと見ていいだろう。
603 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 22:24:40
定義 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317) とし、X ∈ Φ とする。 f ≧ 0 を可測関数であるとする。
X = E_1 ∪ . . . ∪ E_n とする。
ここで、各 E_i ∈ Φ で i ≠ j なら E_i と E_j は交わらない。
a_i = inf { f(x) | x ∈ E_i } とおく。
J(X, μ, f) = sup Σ(a_i)μ(E_i) と書く。
ここで sup は X の X = E_1 ∪ . . . ∪ E_n のような分割すべてに 関するものである。
J(X, μ, f) を略して J(X, f) または J(f) と書く場合がある。
604 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 22:29:13
高木の解析概論では >>603 の J(X, μ, f) を f の積分の定義と している。
今度は、これと我々の積分 ∫[X] f dμ の関係を調べる。
605 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 22:45:22
訂正
>>601 >ここで、I(f) は >>566 で定義したものである。
ここで、I(f) は >>570 で定義したものである。
606 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 23:15:38
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317) とし、X ∈ Φ とする。 f ≧ 0 を E(Φ) (>>377) の元とする。
J(f) = I(f) である。
ここで J(f) は >>603 で定義したものであり、 I(f) は >>566 で定義したものである。
証明 f = Σ(e_i)χ_(E_i) とする。 ここで、0 ≦ e_i < +∞、E_i ∈ Φ で X = E_1 ∪ . . . ∪ E_n とする。 i ≠ j なら E_i と E_j は交わらない。
X ∈ Φ だから f がこのように書けることは明らかである。
I(f) = Σ(e_i)μ(E_i) である。
e_i = inf { f(x) | x ∈ E_i } であるから
I(f) ≦ J(f) である。
X = A_1 ∪ . . . ∪ A_m を X の可測集合による任意の有限分割とする。 即ち、A_i ∈ Φ で、i ≠ j なら A_i と A_j は交わらない。
A_p ∩ E_q が空でないなら
a_p = inf {f(x) | x ∈ A_p} ≦ inf {f(x) | x ∈ A_p ∩ E_q} = e_q
Σ(a_p)μ(A_p) = ΣΣ(a_p)μ(A_p ∩ E_q) ≦ ΣΣ(e_q)μ(A_p ∩ E_q) = Σ(e_q)μ(E_q) = I(f)
よって、J(f) ≦ I(f) 証明終
607 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 23:36:02
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317) とし、X ∈ Φ とする。 f と g を可測な関数で、0 ≦ g ≦ f とする。
J(g) ≦ J(f) である。
証明 X = E_1 ∪ . . . ∪ E_n を X の可測集合による任意の有限分割とする。 即ち、E_i ∈ Φ で、i ≠ j なら E_i と E_j は交わらない。
b_i = inf { g(x) | x ∈ E_i }
a_i = inf { f(x) | x ∈ E_i }
とすれば、b_i ≦ a_i であるから
Σ(b_i)μ(E_i) ≦ Σ(a_i)μ(E_i)
Σ(a_i)μ(E_i) ≦ J(f) だから Σ(b_i)μ(E_i) ≦ J(f) である。
よって、 J(g) ≦ J(f) である。 証明終
608 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 00:42:05
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317) とし、X ∈ Φ とする。 f ≧ 0 を可測関数とする。
X = A ∪ B とする。 A ∈ Φ, B ∈ Φ で A と B は交わらない。
このとき J(X, f) = J(A, f) + J(B, f)
ここで、J(X, f), J(A, f), J(B, f) は >>603 で定義したもの。
証明 A = A_1 ∪ . . . ∪ A_n を可測集合による任意の有限分割とする。 即ち、A_i ∈ Φ で、i ≠ j なら A_i と A_j は交わらない。
B = B_1 ∪ . . . ∪ B_m を可測集合による任意の有限分割とする。 即ち、B_i ∈ Φ で、i ≠ j なら B_i と B_j は交わらない。
a_i = inf { f(x) | x ∈ A_i }
b_j = inf { f(x) | x ∈ B_j }
とおく。
E = A_1 ∪ . . . ∪ A_n ∪ B_1 ∪ . . . ∪ B_m は E の有限分割であるから、 Σ(a_i)μ(A_i) + Σ(b_j)μ(B_j) ≦ J(X, f) である。
左辺の sup をとれば、 J(A, f) + J(B, f) ≦ J(X, f) (続く)
609 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 00:43:08
>>608 の続き。
E = E_1 ∪ . . . ∪ E_r を可測集合による任意の有限分割とする。 即ち、E_i ∈ Φ で、i ≠ j なら E_i と E_j は交わらない。
A_k = A ∩ E_k B_k = B ∩ E_k とおく。
A = A_1 ∪ . . . ∪ A_r B = B_1 ∪ . . . ∪ B_r
a_k = inf { f(x) | x ∈ A_k }
b_k = inf { f(x) | x ∈ B_k }
c_k = inf { f(x) | x ∈ E_k }
とおく。
c_k ≦ a_k c_k ≦ b_k
E_k = A_k ∪ B_k だから μ(E_k) = μ(A_k) + μ(B_k)
Σ(c_k)μ(E_k) = Σ(c_k)μ(A_k) + Σ(c_k)μ(B_k) ≦ Σ(a_k)μ(A_k) + Σ(b_k)μ(B_k)
よって、 Σ(c_k)μ(E_k) ≦ J(A, f) + J(B, f) よって、 J(X, f) ≦ J(A, f) + J(B, f) 証明終
610 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 01:31:42
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317) とし、X ∈ Φ とする。 f ≧ 0 を可測関数とする。
X = A ∪ B, A ∈ Φ, B ∈ Φ で A と B は交わらない。 とする。
I(X, f) = I(A, f) + I(B, f) である。 ここで、I(X, f), I(A, f), I(B, f) は >>570 で定義したものである。
証明 A ∩ S(f) と B ∩ S(f) の測度が σ-有限なら、>>601 より ∫[A] f dμ = I(A, f) である。 ∫[B] f dμ = I(B, f) である。
>>479 と >>483 より ∫[X] f dμ = ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ である。
即ち、I(X, f) = I(A, f) + I(B, f)
A ∩ S(f) または B ∩ S(f) の測度が σ-有限でないなら、 S(f) の測度もσ-有限でない。
よって、>>601 より I(X, f) = +∞
I(A, f) = +∞ または I(B, f) = +∞ だから I(A, f) + I(B, f) = +∞
よって、 I(X, f) = I(A, f) + I(B, f) 証明終
