最終更新日時 2011年03月05日 (土) 21時21分28秒
代数的整数論 004 (531-595)
元スレ: http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1164286624/531-595
ログ元: http://yomi.mobi/read.cgi/science6/science6_math_1164286624/531-595
ログ元: http://yomi.mobi/read.cgi/science6/science6_math_1164286624/531-595
531 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 12:02:14 ]
補題 A を環、S を A の積閉部分集合とする。 B = A_S とおく。 p を S と交わらない A の素イデアルとする。 pB は B の素イデアルだから局所化 B_pB が意味をもつが B_pB は A_p と標準的に同型である。
証明 U = A - p とおくと S ⊂ U である。 B_pB の元は (a/s)/(u/t) の形をしている。 ここで a ∈ A, s ∈ S, u ∈ A - p, t ∈ S である。
u ∈ A - p に対して (u/1)/(1/1) は B_pB の可逆元だから a ∈ A のとき a/u に (a/1)/(u/1) を対応させて 射 φ : A_p → B_pB が定まる。
a ∈ A, s ∈ S, u ∈ A - p, t ∈ S のとき、 B_pB において (a/s)/(1/1) = (a/1)/(s/1) (u/t)/(1/1) = (u/1)/(t/1) だから (a/s)/(u/t) = (at/1)/(su/1) である。 よって φ(at/su) = (a/s)/(u/t) となって φ は全射である。
a ∈ A, u ∈ A - p のとき、φ(a/u) = 0 とする。 φ(a/u) = (a/1)/(u/1) だから v ∈ A - p, s ∈ S があって B において (v/s)(a/1) = va/s = 0 となる。 よって t ∈ S があって tva = 0 となる。 tv ∈ A - p だから A_p において a/u = 0 である。 よって φ は単射である。 証明終
532 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 12:04:15 ]
命題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 p ≠ 0 を A の素イデアルとする。
このとき K^*/(B_p)^* は Σ K^*/(B_P)^* に標準的に同型である。
ここで P は B の 0 でない素イデアルで p = A ∩ P となるもの 全体を動く。 B_p は積閉部分集合 S = A - p に関する B の局所化である。
証明 C = B_p とおく。 >>530 より C は単項イデアル整域である。 よって >>518 より K^*/C^* は Σ K^*/(C_M)^* に標準的に 同型である。ここで M は C の極大イデアル全体を動く。
C の極大イデアル M は >>530 の証明で述べたように pA_p の上にある。 よって M = PC の形である。 ここで P は B の 0 でない素イデアルで p = A ∩ P となるもの である。 よって >>531 より C_M は B_P に標準的に同型である。 証明終
533 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 12:35:50 ]
命題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
このとき B の可逆分数イデアル群 I(B) は Σ K^*/(B_p)^* に標準的に 同型である。 ここで p は A の 0 でない素イデアル全体を動く。
証明 >>528 より B は Dedekind 整域だから当然1次元のネーター整域で ある。よって >>507 と >>511 より I(B) は Σ I(B_P) と標準的に 同型である。ここで P は B の 0 でない素イデアル全体を動く。 各 B_P は局所環だから前スレ2の361より Pic(B_P) = 0 である。 よって >>472 より I(B_P) = P(B_P) である。 >>517 より P(B_P) は K^*/(B_P)^* と標準的に同型である。
以上から I(B) は Σ K^*/(B_P)^* に標準的に同型である。 ここで P は B の 0 でない素イデアル全体を動く。
>>532 より Σ K^*/(B_P)^* は Σ K^*/(B_p)^* に標準的に同型である。 証明終
534 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 12:48:50 ]
命題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 このとき次のアーベル群の完全列が存在する。
0 → K^*/A^ → Σ K^*/(A_p)^* → Pic(A) → 0
ここで Σ K^*/(A_p)^* の p は A の 0 でない素イデアル全体を動く。
証明 >>507 と >>511 より I(A) は Σ I(A_p) と標準的に 同型である。ここで p は A の 0 でない素イデアル全体を動く。 各 A_p は局所環だから前スレ2の361より Pic(A_p) = 0 である。 よって >>472 より I(A_p) = P(A_p) である。 >>517 より P(A_p) は K^*/(A_p)^* と標準的に同型である。
以上から I(A) は Σ K^*/(A_p)^* に標準的に同型である。
>>472 より P(A) は K^*/A^* と標準的に同型である。 後は>>473 に注意すればよい。 証明終
535 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 12:51:40 ]
訂正 >>534 >0 → K^*/A^ → Σ K^*/(A_p)^* → Pic(A) → 0
0 → K^*/A^* → Σ K^*/(A_p)^* → Pic(A) → 0
536 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 13:01:28 ]
命題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 このとき次のアーベル群の完全列が存在する。
0 → K^*/B^* → Σ K^*/(B_p)^* → Pic(B) → 0
ここで Σ K^*/(B_p)^* の p は A の 0 でない素イデアル全体を動く。
証明 >>533 より明らかである。
537 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 13:06:37 ]
命題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
このとき次のアーベル群の可換図式が存在する。
0 → K^*/A^* → Σ K^*/(A_p)^* → Pic(A) → 0 | | | v v v 0 → K^*/B^* → Σ K^*/(B_p)^* → Pic(B) → 0
上と下の水平の列はそれぞれ完全である。
ここで Σ K^*/(A_p)^* と Σ K^*/(B_p)^* の p は A の 0 でない 素イデアル全体を動く。
証明 >>534 と >>536 および各標準射の定義から明らかである。
538 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 13:09:55 ]
>>537
可換図式の垂直の矢印がおかしいが意味は分かるだろう。
539 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 13:20:55 ]
命題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 このとき次のアーベル群の完全列が存在する。
0 → B^*/A^* → Σ (B_p)^*/(A_p)^* → Pic(A) → Pic(B) → 0
ここで Σ (B_p)^*/(A_p)^* の p は A の 0 でない素イデアル全体を 動く。
証明 >>537 に蛇の補題(snake lemma)を適用すればよい。
540 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 15:44:59 ]
定義
A を整域とし、K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とする。
>>434 で定義した (A : B) = {a ∈ A; aB ⊂ A} を A の導手という。
541 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 15:46:42 ]
補題 A を整域とし、K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とする。 I = (A : B) を A の導手(>>540)とする。 B が A-加群として有限生成なら I ≠ 0 である。
証明 x_1, ..., x_n を B の A-加群としての生成元とする。 各 x_i は K の元だから、A の元 a ≠ 0 で各 i に対して a(x_i) ∈ A となるものがある。 aB ⊂ A だから a ∈ I である。 証明終
542 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 15:49:03 ]
命題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 I ≠ 0 を A のイデアルとする。 p を A の素イデアルで I ⊂ p とする。
このとき B_p/IB_p は環として Π B_P/IB_P に標準的に同型である。 ここで Π B_P/IB_P の P は B の素イデアルで p = A ∩ P となる もの全体を動く。
証明 A_p ⊂ B_p で B_p は A_p 上整だから B_p の極大イデアルは pA_p の上にある。よって、これ等は PB_p の形である。 ここで P は B の素イデアルで p = A ∩ P となる。 I ⊂ p だから I ⊂ P である。よって IB_p ⊂ PB_p である。
C = B_p おくと C は1次元のネーター整域だから >>492 より C/IC = Π C_m/IC_m である。 ここで m = PB_p は C の極大イデアル全体を動く。
>>531 より C_m は B_P に標準的に同型である。 証明終
543 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 15:59:34 ]
補題 A を1次元のネーター整域とする。 I ≠ 0 を A のイデアルとする。
(A/I)^* はアーベル群として Σ (A_p/IA_p)^* に標準的に 同型である。 ここで p は A の素イデアルで I ⊂ p となるもの全体を動く。
証明 I ≠ 0 だから I ⊂ p となる A の素イデアル p は極大イデアルであり 従って有限個である。
よって >>492 より A/I は環として Π A_p/IA_p に標準的に同型 である。 ここで p は A の素イデアルで I ⊂ p となるもの全体を動く。
よって (A/I)^* はアーベル群として Σ (A_p/IA_p)^* に標準的に 同型である。 証明終
544 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 16:11:12 ]
命題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 I = (A : B) を A の導手とする。
(B/I)^* はアーベル群として Σ (B_p/IB_p)^* に標準的に同型である。 ここで p は A の 0 でない素イデアル全体を動く。
証明 >>541 より I ≠ 0 である。 よって >>543 より (B/I)^* はアーベル群として Σ (B_P/IB_P)^* に 標準的に同型である。 ここで P は B の素イデアルで I ⊂ P となるもの全体を動く。
>>433 より A_p の K における整閉包は B_p である。 I ⊂ p でないなら >>436 より B_p = A_p である。 IA_p = A_p だから、B_p/IB_p = A_p/IA_p = 0 である。 よって Σ (B_p/IB_p)^* は I ⊂ p となる p のみの有限和である。
I ⊂ p のとき、>>542 より B_p/IB_p は環として Π B_P/IB_P に標準的に同型である。 ここで P は B の素イデアルで p = A ∩ P となるもの全体を動く。
よって (B_p/IB_p)^* はアーベル群として Σ (B_P/IB_P)^* に 標準的に同型である。
以上から Σ (B_p/IB_p)^* は Σ (B_P/IB_P)^* に標準的に 同型である。 ここで P は B の素イデアルで I ⊂ P となるもの全体を動く。 証明終
545 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 17:08:56 ]
補題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 I = (A : B) を A の導手とする。 p を I ⊂ p となる A の素イデアルとする。
φ: B_p → B_p/IB_p を標準射とする。 B_p の可逆元 x に対して φ(x) は B_p/IB_p の可逆元だから φ はアーベル群の射 ψ: (B_p)^* → (B_p/IB_p)^* を誘導する。 このとき ψ は全射である。
証明 B_p の極大イデアルは >>530 の証明で述べたように pA_p の上にある。 よって PB_p の形である。 ここで P は B の 0 でない素イデアルで p = A ∩ P となるもの である。I ⊂ p だから IB_p ⊂ PB_p である。 よって B_p/IB_p の極大イデアルと B_p の極大イデアルは1対1に 対応する。
B_p の元 y に対して φ(y) が B_p/IB_p の可逆元だとする。 φ(y) は B_p/IB_p のどの極大イデアルにも含まれない。 即ち y は B_p の可逆元である。 よって ψ: (B_p)^* → (B_p/IB_p)^* は全射である。 証明終
546 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 17:12:04 ]
補題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 I = (A : B) を A の導手とする。 p を I ⊂ p となる A の素イデアルとする。
I は A に含まれる B のイデアルだから IB_p = IA_p である。 よって (A_p/IA_p)^* ⊂ (B_p/IB_p)^* である。
このとき (B_p)^*/(A_p)^* はアーベル群として (B_p/IB_p)^*/(A_p/IA_p)^* に標準的に同型である。
証明 >>545 より ψ: (B_p)^* → (B_p/IB_p)^* は全射である。
ψと標準射 (B_p/IB_p)^* → (B_p/IB_p)^*/(A_p/IA_p)^* の合成射を Ψ: (B_p)^* → (B_p/IB_p)^*/(A_p/IA_p)^* とする。
B_p の可逆元 x に対して Ψ(x) = 0 とする。 これは ψ(x) ∈ (A_p/IA_p)^* を意味する。 よって x ≡ y (mod IB_p) となる y ∈ A_p がある。 IB_p = IA_p だから x ∈ A_p である。 x は B_p の可逆元だから x ∈ A_p である。 ψ(x) ∈ (A_p/IA_p)^* だから x ∈ (A_p)^* である。
よって Ψ の核は (A_p)^* である。 証明終
547 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 17:30:04 ]
命題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 I = (A : B) を A の導手とする。 このとき次のアーベル群の完全列が存在する。
0 → B^*/A^* → (B/I)^*/(A/I)^* → Pic(A) → Pic(B) → 0
証明 以下、簡単のためにアーベル群の標準同型を等号 = で表す。
>>539 より次のアーベル群の完全列が存在する。 0 → B^*/A^* → Σ (B_p)^*/(A_p)^* → Pic(A) → Pic(B) → 0
ここで p は A の 0 でない素イデアル全体を動くが、 I ⊂ p でないときは >>436 より B_p = A_p である。 よって Σ (B_p)^*/(A_p)^* は I ⊂ p となる p のみの有限和である。
(B/I)^*/(A/I)^* = Σ (B_p)^*/(A_p)^* を言えばよい。
>>543 より (A/I)^* = Σ (A_p/IA_p)^* である。 >>544 より (B/I)^* = Σ (B_p/IB_p)^* である。
よって (B/I)^*/(A/I)^* = Σ (B_p/IB_p)^*/(A_p/IA_p)^* である。
>>546 より (B_p)^*/(A_p)^* = (B_p/IB_p)^*/(A_p/IA_p)^* である 証明終
548 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/27(土) 10:28:23 ]
命題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 さらに B が有限ノルム性(>>68)を持ち Pic(B) が有限群であるとする。 I = (A : B) を A の導手とする。
このとき、
|Pic(A)| = |Pic(B)|[(B/I)^* : (A/I)^*]/[B^* : A^*]
である。
証明 >>547 より Pic(A) → Pic(B) の核の位数は [(B/I)^* : (A/I)^*]/[B^* : A^*] である。 これより明らかである。 証明終
549 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/27(土) 10:34:48 ]
>>548 を代数体に適用すると Hilbert の Zahlbericht の定理 66 となる。Hilbert はこれを解析的に証明している。
550 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 12:42:14 ]
定義 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 I = (A : B) を A の導手とする。 J ≠ 0 を A の イデアルとする。 JB が I と素のとき J を正則なイデアルという。
551 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 12:45:22 ]
補題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 I = (A : B) を A の導手とする。 p ≠ 0 を A の素イデアルとする。
p が正則 (>>550) であるためには p が I を含まないことが 必要十分である。
証明 >>448 と同様である。
552 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 12:46:37 ]
補題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 I = (A : B) を A の導手とする。 I ≠ 0 を A のイデアルとする。
I が正則 (>>550) であるためには I ⊂ p となる A の任意の 素イデアル p が正則であることが必要十分である。
証明 >>449 と同様である。
553 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 12:47:30 ]
命題 A を1次元のネーター整域とし、p ≠ 0 を A の素イデアルとする。 A_p が離散付値環(前スレ1の 645)であるためには A_p が整閉で あることが必要十分である。
証明 A_P が離散付値環なら、A_p は一意分解整域だから 前スレ3の 158 より A_P は整閉である。
逆に A_p が整閉なら前スレ2の 555 より A_p は離散付値環である。 証明終
554 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 12:51:34 ]
命題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 I = (A : B) を A の導手とする。 p ≠ 0 を A の素イデアルとする。
p が正則であるためには A_p が離散付値環であることが 必要十分である。
証明 >>436 と >>551 より p が正則であるためには A_p が整閉であることが 必要十分である。
>>554 より、これは A_p が離散付値環であることと同値である。 証明終
555 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 12:53:02 ]
命題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 p ≠ 0 を A の素イデアルとする。
p が正則であるためには p が可逆分数イデアル(>>466)であることが 必要十分である。
証明 p が正則なら >>554 より A_p は離散付値環である。従って pA_p は 単項イデアルである。 q ≠ 0 を p と異なる A の素イデアルとすると、q は p に含まれない から pA_q = A_q となり、これも 0 でない単項イデアルである。 よって >>500 (及び >>502) より p は可逆分数イデアルである。
逆に p が可逆分数イデアルなら >>499 より pA_p は単項イデアル である。よって前スレ3の534より A_p は離散付値環である。 よって >>554 より p は正則である。 証明終
556 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 12:54:06 ]
命題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 I と J を A の正則なイデアルとする。
IB = JB なら I = J である。
証明 >>451 と同様である。
557 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 12:55:32 ]
命題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 I = (A : B) を A の導手とする。 J ≠ 0 を B のイデアルで I と素とする。 J_0 = A ∩ J とおく。 このとき、J_0 は正則なイデアルで (J_0)B = J となる。
証明 >>453 と同様である。
558 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 12:56:22 ]
命題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
A の正則なイデアルは正則な素イデアルのべき積として一意に 分解される。
証明 >>457 と同様である。
559 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 12:58:41 ]
命題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
A の正則なイデアルは可逆分数イデアルである。
証明 >>555 と >>558 より明らかである。
560 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/01/29(月) 13:18:00 ]
9
561 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 17:24:48 ]
訂正
>>552 を以下のように修正する。
補題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 J ≠ 0 を A のイデアルとする。
J が正則 (>>550) であるためには J ⊂ p となる A の任意の 素イデアル p が正則であることが必要十分である。
証明 >>449 と同様である。
562 名前:"""""" mailto:"""""" [2007/01/29(月) 17:25:19 ]
● 若い桃尻お尻厳選?+秋山奈々??? ● http://eco.no.land.to/idol/forumdisplay.php?fid=1&filter=0&orderby=views&page=1
563 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 17:26:41 ]
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
p ≠ 0 を A の素イデアルで正則でないとする。 a を p の 0 でない元とすると aA は可逆であるが >>561 より 正則ではない。
従って >>559 の逆は成立たない。
564 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 20:17:58 ]
定義 A を Dedekind 整域とする。 M ≠ 0 と N ≠ 0 を A の分数イデアル(前スレ2の677) とする。 M の素イデアル分解に現れる素イデアルの集合と N の素イデアル分解に現れる素イデアルの集合の共通集合が空のとき M と N は互いに素であるという。
565 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 20:19:29 ]
定義 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 I = (A : B) を A の導手とする。 M ≠ 0 を A の分数イデアルとする。 MB が I と互いに素(>>564)のとき M を正則な分数イデアルという。
566 名前:132人目の素数さん [2007/01/29(月) 22:39:00 ]
>>565 の訂正
定義 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 M ≠ 0 を A の分数イデアルとする。 I と J を正則なイデアルとして M = I/J と書けるとき M を正則な分数イデアルという。 ここで I/J は I (J^(-1)) を意味する。 J は可逆(>>559)であるので J^(-1) は存在する。
567 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 22:51:59 ]
命題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 M と N を正則な分数イデアル(>>566)とする。 MB = NB なら M = N である。
証明 定義(>>566)より M = I_1/J_1, N = I_2/J_2 とする。 ここで I_1, J_1, I_2, J_2 はそれぞれ正則なイデアルである。 MB = NB より (I_1)B/(J_1)B = (I_2)B/(J_2)B となる。 よって (I_1)(J_2)B = (I_2)(J_1)B である。 >>556 より (I_1)(J_2) = (I_2)(J_1) となる。 よって M = N となる。 証明終
568 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/29(月) 23:06:46 ]
命題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 I = (A : B) を A の導手とする。 M を B の分数イデアルで I と互いに素(>>564)であるとする。 このとき A の正則な分数イデアル M_0 で (M_0)B = M となるものが 一意に存在する。
証明 M は I と互いに素だから、M の素イデアル分解考えれば、M = J/L と書ける。 ここで J と L はそれぞれ I と互いに素な B のイデアルである。
J_0 = A ∩ J, L_0 = A ∩ L とおくと >>557 より J_0, L_0 は それぞれ A の正則なイデアルで (J_0)B = J, (L_0)B = L となる。 M_0 = (J_0)/(L_0) とおけば、(M_0)B = M となる。 >>567 より M_0 は一意に定まる。 証明終
569 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/30(火) 15:17:56 ]
命題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 M を A の可逆分数イデアルとする。 M が A の正則な分数イデアルであるためには M_p ≠ A_p となる A の素イデアル p ≠ 0 がすべて正則であることが必用十分である。
証明 M が A の正則な分数イデアルとする。 M = J/L と書ける。ここで J と L は正則なイデアルである。 p が正則でなければ J は p に含まれないから J_p = A_p である。 同様に L_p = A_p である。よって M_p = J_p/L_p = A_p である。
逆に M_p ≠ A_p となる p ≠ 0 がすべて正則であるとする。 >>511 の証明より、正則なイデアル J, L が存在しして M = J/L と書けることが分かる。 証明終
570 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/30(火) 15:18:30 ]
補題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 J と L を A の正則なイデアルとすると、JL も正則なイデアルである。
証明 p ≠ 0 を A の素イデアルで JL ⊂ p とすると、J ⊂ p または L ⊂ p となる。いずれの場合でも p は正則である。 証明終
571 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/30(火) 15:19:14 ]
命題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 M と N を A の正則な分数イデアルとすると、MN も正則な分数イデアル である。
証明 >>570 より明らかである。
572 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/30(火) 15:20:20 ]
定義 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 >>559 と >>571 より A の正則な分数イデアル全体は A の 可逆分数イデアル群(>>470) I(A) の部分群になる。 これを RI(A) と書く。 A の正則な単項分数イデアルのなす群を RP(A) と書く。 RP(A) = RI(A) ∩ P(A) である。
573 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/30(火) 15:21:15 ]
命題 A をDedekind整域とし、I ≠ 0 をそのイデアルとする。 A のイデアル類群(>>180) の各類は I と素なイデアルを 含む。
証明 C を A のイデアル類群の任意の類とする。 C^(-1) に属するイデアル J をとる。 前スレ2の785より α ∈ J で (α) = JL, I + L = A となる α とイデアル L ≠ 0 が存在する。 L ∈ C が求めるものである。 証明終
574 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/30(火) 15:46:14 ]
補題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 I = (A : B) を A の導手とする。
>>547 の標準射 Pic(A) → Pic(B) の核の各類は A ∩ βB の形の 正則なイデアルを含む。ここで β ≠ 0 は I と素、 つまり βB + I = B となる B の元である。
証明 >>547 とそこにおける射 (B/I)^*/(A/I)^* → Pic(A) の定義から 分かる。
575 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/30(火) 16:37:04 ]
命題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
>>572 の RI(A) は I(A) の部分群であり RP(A) = RI(A) ∩ P(A) であるから標準射 RI(A)/RP(A) → I(A)/P(A) が存在するが、 これは同型である。
証明 RI(A)/RP(A) → I(A)/P(A) は単射であるから、これが全射であることを 示せばよい。
J を A のイデアルで可逆としたとき C(J) で J が属す I(A)/P(A) の 類を表す。
JB は B の非零イデアルだから >>573 より I と素な B のイデアル L_1 で JB と同じイデアル類に属すものがある。 L = A ∩ L_1 とおくと >>557 より L は A の正則なイデアルであり LB = L_1 である。
C(J) と C(L) の標準射 Pic(A) → Pic(B) による像はともに JB の属す イデアル類だから一致する。 よって >>574 より C(J) = C(L) C(A ∩ βB) となる。 ここで β ≠ 0 は I と素な B の元である。
よって J と L(A ∩ βB) は I(A)/P(A) の同じ類に属す。 L と A ∩ βB はともに正則だから >>570 よりそれらの積 L(A ∩ βB) も正則である。 これは標準射 RI(A)/RP(A) → I(A)/P(A) が全射であることを 示している。 証明終
576 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/30(火) 20:38:17 ]
2次体 Q(√m) の整環の話に戻る。
命題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする(>>421, >>423)。
a > 0 と b を有理整数として、N(b + fω) が a で割れれば a, b + fω は R のあるイデアルの標準基底(>>429)である。
証明 a と b + fω が Z 上一次独立なのは明らか。 よって [a, b + fω] が R のイデアルであることを示せばよい。 つまり、afω ∈ [a, b + fω] と (b + fω)fω ∈ [a, b + fω] を示せばよい。
afω = -ab + a(b + fω) ∈ [a, b + fω] である。
N(b + fω) = ak とする。 つまり (b + fω)(b + fω') = ak である。
Tr(ω) = ω + ω' = s とおく。 s は有理整数である(実際、0 または 1)。
ω' = s - ω より (b + fω)(b + fs - fω) = ak よって (b + fω)(b + fs) - (b + fω)fω = ak よって (b + fω)fω = -ak + (b + fω)(b + fs) ∈ [a, b + fω] 証明終
577 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/01/31(水) 16:51:00 ]
14
578 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 10:40:22 ]
命題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、α ≠ 0 を R の元とする。 イデアル αR のノルム(>>438)は |N(α)| に等しい。
証明 >>80 の証明と同様である。
579 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 11:02:36 ]
補題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、 I ≠ 0 と J ≠ 0 を R のイデアルで J ⊂ I とする。 このとき N(J) は N(I) で割れる。
証明 J ⊂ I ⊂ R をアーベル群の昇列とみて |R/J| = |R/I||I/J| となる。
これとノルムの定義(>>438)より N(J) = N(I)|I/J| である。 証明終
580 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 11:06:42 ]
補題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、 I ≠ 0 を R のイデアルとする。 α ≠ 0 が I の元のとき、N(α) は N(I) で割れる。
証明 >>578 と >>579 より明らかである。
581 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 11:24:42 ]
補題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、 I ≠ 0 を R のイデアルとする。 I = [α, β] を I のある基底による表現とする。
このとき (αβ' - βα')^2 = (N(I)^2)D である。 ここで D は R の判別式(>>424)である。
証明 α = a + bfω β = c + dfω とする。 ここで a, b, c, d は有理整数である。
行列 A = (α, β)/(α', β') と B = (a, b)/(c, d) と C = (1, fω)/(1, fω') を考える (この記法に関しては >>196 を参照)。
A = BC より det(A) = det(B)det(C) となる。 det(B) = |N(I)|, det(C)^2 = D だから det(A)^2 = (N(I)^2)D となる。 証明終
582 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 11:41:00 ]
補題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、 I ≠ 0 を R のイデアルとする。 I = [α, β] を I のある基底による表現とする。
このとき αβ' + βα' は N(I) で割れる。
証明 N(α + β) = (α + β)(α' + β') = αα' + (αβ' + βα') + ββ'
よって (αβ' + βα')/N(I) = N(α + β)/N(I) - αα'/N(I) - ββ'/N(I)
>>580 よりこの右辺は有理整数である。 証明終
583 名前:132人目の素数さん [2007/02/03(土) 11:42:10 ]
正の整数mを10進法で表したときの各桁の数の2乗の和をf(m)とする。 (1)mの桁数が4以上なら、f(m)の桁数はmの桁数より小さいことを示せ。 (2)数列a(n)をa(1)=m,a(n+1)=f(a(n))と定める。数列a(n)はある項以降は同じ数の並びの繰り返しとなることを示せ。
584 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 11:53:23 ]
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、 I ≠ 0 を R のイデアルとする。 I = [α, β] を I のある基底による表現とする。
x と y を有理整数とする。 >>580 より N(xα + yβ) は N(I) で割れる。 よって f(x, y) = N(xα + yβ)/N(I) は有理整数である。
N(xα + yβ) = (xα + yβ)(xα' + yβ') = (αα')x^2 + (αβ' + βα')xy + (ββ')y^2
よって a = (αα')/N(I) b = (αβ' + βα')/N(I) c = (ββ')/N(I) とおけば、f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 である。
>>580 と >>582 より a, b, c は有理整数である。 よって f(x, y) は有理整数係数の2次形式と見なせる。
(αβ' + βα')^2 - 4αα'ββ' = (αβ' - βα')^2 だから f(x, y) の判別式は (αβ' - βα')^2/N(I)^2 である。 >>581 よりこれは R の判別式に等しい。
585 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 13:43:51 ]
補題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、 D をその判別式(>>424)とする。
R = [1, (D + √D)/2] である。
証明 2次体 Q(√m) の判別式を d とする。 D = (f^2)d である(>>425)。
(1) m ≡ 1 (mod 4) のとき
ω = (1 + √m)/2 であり、d = m である。 D = (f^2)m より (D + √D)/2 = (D + f√m)/2 = (D - f)/2 + f(1 + √m)/2 = (D - f)/2 + fω
m ≡ 1 (mod 4) だから D = (f^2)m ≡ f^2 ≡ f (mod 2) よって (D - f)/2 は有理整数である。
よって [1, fω] = [1, (D + √D)/2] である。
(2) m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき
ω = √m であり、d = 4m である。 D = 4(f^2)m より (D + √D)/2 = (4(f^2)m + 2f√m)/2 = 2(f^2)m + f√m = 2(f^2)m + fω よって [1, fω] = [1, (D + √D)/2] である。 証明終
586 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 14:44:50 ]
命題 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 D はある2次体 Q(√m) の整環 R の判別式になる。 このとき2次体 Q(√m) と R は D により一意に決まる。
証明 >>418 より D = (f^2)d と書ける。 ここで f は有理整数 f > 0 であり d はある2次体 Q(√m) の 判別式である。 R = [1, fω] は Q(√m) の整環で、その判別式は D である(>>425)。
次に一意性を証明する。 Q(√D) = Q(√m) だから2次体 Q(√m) は D により一意に決まる。 よって D = (f^2)d となる f も一意に決まる。 よって R も一意に決まる。 証明終
587 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 15:40:18 ]
命題 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 >>586 より D はある2次体 Q(√m) の整環 R の判別式である。 ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とすると、 I = [a, (-b + √D)/2] は R のイデアルである。 証明 D = b^2 - 4ac だから a ≠ 0 である。
>>585 より R = [1, (D + √D)/2] だから a(D + √D)/2 ∈ [1, (-b + √D)/2] と (-b + √D)(D + √D)/4 ∈ [1, (-b + √D)/2] を示せばよい。
a(D + √D)/2 = (aD + a√D)/2 = (aD + ab + a(-b + √D))/2 = a(D + b)/2 + a(-b + √D))/2
D ≡ b^2 (mod 2) だから D + b ≡ b^2 + b ≡ b(b + 1) ≡ 0 (mod 2) よって (D + b)/2 は有理整数である。 よって a(D + √D)/2 ∈ [1, (-b + √D)/2] である。
次に、 (-b + √D)(D + √D) = -bD - b√D + D√D + D = -bD + D + (D - b)√D = -bD + D + (D - b)b + (D - b)(-b + √D) = -bD + D + Db - b^2 + (D - b)(-b + √D) = D - b^2 + (D - b)(-b + √D)
よって (-b + √D)(D + √D)/4 = (D - b^2)/4 + (D - b)(-b + √D)/4 D ≡ b^2 (mod 4) D ≡ b^2 ≡ b (mod 2) だから (D - b^2)/4 と (D - b)/2 は有理整数である。 よって (-b + √D)(D + √D)/4 ∈ [1, (-b + √D)/2] である。 証明終
588 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 17:35:57 ]
>>584 を少し修正する(>>584 も後で使うかもしれない)。
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、 I ≠ 0 を R のイデアルとする。 I = [α, β] を I のある基底による表現とする。
x と y を有理整数とする。 >>580 より N(xα - yβ) は N(I) で割れる。 よって f(x, y) = N(xα - yβ)/N(I) は有理整数である。
N(xα - yβ) = (xα - yβ)(xα' - yβ') = (αα')x^2 - (αβ' + βα')xy + (ββ')y^2
よって a = (αα')/N(I) b = -(αβ' + βα')/N(I) c = (ββ')/N(I) とおけば、f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 である。
>>580 と >>582 より a, b, c は有理整数である。 よって f(x, y) は有理整数係数の2次形式と見なせる。
(αβ' + βα')^2 - 4αα'ββ' = (αβ' - βα')^2 だから f(x, y) の判別式は (αβ' - βα')^2/N(I)^2 である。 >>581 よりこれは R の判別式に等しい。
589 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 17:55:59 ]
命題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。 I = [a, r + fω] を R の原始イデアルの標準基底による 表示とする(>>430)。 このとき判別式 D の2次形式 ax^2 + bxy + cy^2 があり、 r + fω = (-b + √D)/2 となる。
証明 α = a β = r + fω とおく。
>>438 より N(I) = a だから a = (αα')/N(I) である。
>>588 より b = -(αβ' + βα')/N(I) = -(β' + β) c = (ββ')/N(I) = (ββ')/a とおけば、f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 の判別式は D である。
一方、a(X - β/a)(X - β'/a) = aX^2 + bX^2 + c となる。 よって β/a は aX^2 + bX^2 + c の根である。 よって β/a = (-b ± √D)/2a であるが、 √m の規約(>>273)より β/a = (-b + √D)/2a となる。 よって r + fω = (-b + √D)/2 となる。 証明終
590 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 18:56:30 ]
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
R = {(x + y√D)/2 ; x ∈ Z, y ∈ Z, x ≡ yD (mod 2) } である。
証明 >>585 より R の元 α は u と y を任意の有理整数として、 α = u + y(D + √D)/2 と書ける。 α = (2u + yD + y√D)/2 である。 よって x = 2u + yD とおけばよい。 証明終
591 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/03(土) 19:40:59 ]
命題(Cohen: A course in computational algebraic number theory)
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とすると、
>>587 より I = [a, (-b + √D)/2] は R のイデアルである。
このとき、(R : I) = [1, (b + √D)/2a] である。
ここで (R : I) = { z ∈ Q(√m) ; zI ⊂ R } である(前スレ2の441)。
証明 z ∈ (R : I) とする。 za ∈ R と >>590 より z = (x + y√D)/2a となる。 ここで x と y は有理整数で x ≡ yD (mod 2) である。
z(-b + √D)/2 ∈ R より (x + y√D)(-b + √D)/4a = (-bx + x√D - by√D + yD)/4a = (-bx + yD + (x - by)√D)/4a ∈ R である。 よって >>590 より以下の3個の関係式が成り立つ。 (1) bx ≡ yD (mod 2a) (2) x ≡ by (mod 2a) (3) (-bx + yD)/2a ≡ (x - by)D/2a (mod 2)
(2) より x = by + 2at と書ける。 z = (x + y√D)/2a = (2at + y(b + √D))/2a = t + y(b + √D)/2a よって z ∈ [1, (b + √D)/2a] である。 よって (R : I) ⊂ [1, (b + √D)/2a] である。
逆の包含関係は γ = (b + √D)/2a とおいたとき、 γ ∈ (R : I) が言えればよい。 γa = (b + √D)/2 において D ≡ b^2 ≡ b (mod 2) だから >>590 より γa ∈ R である。 γ(-b + √D)/2 = (b + √D)(-b + √D)/4a = (D - b^2)/4a = c ∈ R である。 よって γI ⊂ R となるから γ ∈ (R : I) である。 証明終
592 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/04(日) 04:16:41 ]
命題(Cohen: A course in computational algebraic number theory) R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とすると、 >>587 より I = [a, (-b + √D)/2] は R のイデアルである。 このとき、I が可逆であるためには f(x, y) が原始的(>>279)で あることが必要十分である。
証明 前スレ2の503より I が可逆であるためには I(R : I) = R が 必要十分である。
>>591 より (R : I) = [1, (b + √D)/2a] である。
I(R : I) = <a, (b + √D)/2, (-b + √D)/2, (D - b^2)/4a> = <a, (b + √D)/2, (-b + √D)/2, c> = <a, (b + √D)/2 - (-b + √D)/2, (-b + √D)/2, c> = <a, b, c, (-b + √D)/2> = [gcd(a, b, c), (-b + √D)/2]
注1:上の記号 <...> については >>9 を参照。
よって I(R : I) = R なら gcd(a, b, c) = 1 である。
逆に gcd(a, b, c) = 1 なら I(R : I) = [gcd(a, b, c), (-b + √D)/2] = [1, (-b + √D)/2] = [1, (-b - D)/2 + (D + √D)/2] = [1, (D + √D)/2] = R
注2: D ≡ b^2 ≡ -b (mod 2) だから (-b - D)/2 は有理整数 である。 証明終
593 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/04(日) 05:59:41 ]
補題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。 I = [a, b + fω] と J = [k, l + fω] を R の原始イデアルの 標準基底による表示とする。 I = αJ となる α ∈ Q(√m) があるとする。
このとき θ = (b + fω)/a、ψ = (l + fω)/k とおくと、 θ = (pψ + q)/(rψ + s) となる。 ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。
証明 I = ρJ より [a, b + fω] = α[k, l + fω] = [αk, αl + αfω]
よって b + fω = p(αl + αfω) + qαk = α(p(l + fω) + qk) a = r(αl + αfω) + sαk = α(r(l + fω) + sk) となる。 ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。
よって θ = (p(l + fω) + qk)/(r(l + fω) + sk) = (pψ + q)/(rψ + s)
証明終
594 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/04(日) 06:51:33 ]
補題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。 I = [a, b + fω] と J = [k, l + fω] を R の原始イデアルの 標準基底による表示とする。 θ = (b + fω)/a、ψ = (l + fω)/k とおく。 θ = (pψ + q)/(rψ + s) となるとする。 ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。
このとき α = rψ' + s とおくと I = αJ となる。 さらに N(α) = ±(a/k) である。
証明 α = a/k(rψ + s)とおく。 a = αk(rψ + s) aθ = αk(pψ + q) である。よって [a, aθ] = α[k, kψ] となって I = αJ となる。
P = (p, q)/(r, s) とおく(この記法に関しては>>196を参照)。 (aθ, a)^t = P(αkψ, αk)^t ここで ^t は行ベクトルの転置(transpose)を表す。
A = (aθ, aθ')/(a, a) B = (αkψ, α'kψ')/(αk, α'k) とおく。 A = PB である。 det(A) = det(P)det(B) det(A) = a^2(θ - θ') = af(ω - ω') det(B) = αα'k^2(ψ - ψ') = αα'kf(ω - ω')
af(ω - ω') = ±αα'kf(ω - ω') より αα' = ±a/k a = αk(rψ + s) だったから α' = rψ + s よって α = rψ' + s 証明終
595 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/02/04(日) 07:22:04 ]
>>593と>>594はそれぞれ>>194と>>195の解答にもなっている。
