最終更新日時 2011年03月06日 (日) 21時46分34秒
代数的整数論 005 (391-450)
元スレ: http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1173998720/391-450
ログ元: http://2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1173998720/391-450
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391 :132人目の素数さん:2007/05/24(木) 04:12:00
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393 :132人目の素数さん:2007/05/24(木) 04:14:00
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394 :132人目の素数さん:2007/05/24(木) 04:15:00
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395 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/25(金) 17:17:23
補題 β > 1 を実無理数とする。 α = (aβ + b)/(cβ + d) とする。 ここで a, b, c, d は有理整数で ad - bc = 1 であり、 c > d > 0 である。
このときある偶数 n ≧ 1 があり、 α = [k_0, . . . , k_(n-1), β] となる。 ここで、各 k_i は有理整数で i ≧ 1 のとき k_i ≧ 1 である。
証明 a/c を単純連分数(>>69)に展開して a/c = [k_0, . . . , k_(n-1)] とする。 >>107 より ad - bc = (-)^n = 1 と仮定してよい。 即ち n は偶数と仮定してよい。
あとは >>110 の証明と同じである。 証明終
396 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/25(金) 17:21:06
補題 β を簡約2次無理数とする。 α = (aβ + b)/(cβ + d) とする。 ここで a, b, c, d は有理整数で ad - bc = 1 である。
このとき、ある偶数 n ≧ 1 があり、 α = [k_0, . . . , k_(n-1), β] となる。 ここで、各 k_i は有理整数で i ≧ 1 のとき k_i ≧ 1 である。
証明 cβ + d < 0 なら -cβ - d > 0 で α = (-aβ - b)/(-cβ - d) だから cβ + d > 0 と仮定してよい。
β を 無限連分数に展開して β = [h_0, h_1, . . . ] とする。 m ≧ 1 に対して ω_m = [h_m, h_(m+1), . . . ] とおく。
>>77 より β = [h_0, . . . , h_(m-1), ω_m] である。 β は簡約2次無理数だから >>101 より純循環連分数に展開される。 よって ω_m = β、即ち β = [h_0, . . . , h_(m-1), β] となる m ≧ 1 がある。 しかも、このような m としていくらでも大きい値が取れる。
従って >>395 より >>113 と同様にして ある偶数 n ≧ 1 があり α = [k_0, . . . , k_(n-1), β] となる。 証明終
397 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/25(金) 21:09:12
>>375 の続き。
1/θ = (r + s(1/τ)/(p + q(1/τ)) であり、1/τ は簡約2次無理数 だから >>396 より、ある偶数 n ≧ 1 があり、 1/θ = [k_0, . . . , k_(n-1), 1/τ] となる。 ここで、各 k_i は有理整数で i ≧ 1 のとき k_i ≧ 1 である。 1/θ も簡約2次無理数だから 1/θ > 1 であり、k_0 ≧ 1 である。
>>368 と、n は偶数に注意して、 φ_FQ( ρ^n(f) ) = (τ, (-1)^n) = (τ, 1) である。 一方 φ_FQ(g) = (τ, 1) だから ρ^n(f) = g である。 よって f と g は同じサイクルに属す。 即ち簡約2次形式 f と g が F(D)/Γ(>>375) の同じ類に属すことと、 f と g が RF(D)/G (>>359) の同じ類に属すことは同値である。
一方、>>348 より F(D)/Γの任意の類は簡約2次形式を含む。 よって |F(D)/Γ| = |RF(D)/G| である。
398 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/25(金) 21:14:07
>>397 の結果は恐らく(不定符号)2次形式の初等的な理論の中で最初の 難関だろう。
399 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/30(水) 09:46:33
D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と する。 判別式 D の原始的(過去スレ4の279)な簡約2次形式(>>330)の集合を RF_0(D) と書く。
>>397 の |F(D)/Γ| = |RF(D)/G| より |F_0(D)/Γ| = |RF_0(D)/G| となる。
一方、>>253 より F_0(D)/Γ と Cl+(D) (>>227)は集合として同型である。 よって |Cl+(D)| = |RF_0(D)/G|
|Cl+(D)| を h+(D) と書き R の狭義の類数と呼ぶ。 ここで R は判別式 D の整環である。
|Cl(D)| を h(D) と書き R の広義の類数と呼ぶ。
400 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/30(水) 10:05:56
D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と する。
>>399 より R の狭義の類数 h+(D) は |RF_0(D)/G| と一致する。
RF_0(D) の元、つまり判別式 D の原始的な簡約2次形式を数え上げる アルゴリズムは簡単である。
(a, b, c) ∈ RF_0(D) となる条件を求めよう。
まず >>333 より 0 < b < √D である。 即ち 1 ≦ b ≦ [√D]
>>335 より a と c の符号は反対だから D = b^2 - 4ac = b^2 + 4|ac|
これから b が決まると |ac| が決まる。
>>333 より |√D - 2|a|| < b
よって √D - b < 2|a| < √D + b
よって [√D] + 1 - b ≦ 2|a| ≦ [√D] + b
これから a が決まり D = b^2 + 4|ac| より c が決まる。
あとは gcd(a, b, c) = 1 に注意すればよい。
401 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/30(水) 10:54:46
D = 328 として h+(D) を求めてみよう。 これは高木の「初等整数論講義」の例と同じである。
328 = 4・82 = 8・41 で 82 ≡ 2 (mod 4) だから 判別式 D の整環 R は Q(√82) の主整環である。 従って 判別式 D の2次形式はすべて原始的である(過去スレ4の289)。
[√D] = 18 である。 b^2 + 4|ac| = 328 [√D] + 1 - b ≦ 2|a| ≦ [√D] + b より以下の20個が判別式 328 の原始的な簡約2次形式の全部である。
(9, 2, -9) (-9, 2, 9) (6, 8, -11) (-11, 8, 6) (11, 8, -6) (-11, 8, 6) (3, 14, -11) (-3, 14, 11) (11, 14, -3) (-11, 14, 3) (2, 16, -9) (-2, 16, 9) (9, 16, -2) (-9, 16, 2) (3, 16, -6) (-3, 16, 6) (6, 16, -3) (-6, 16, 3) (1, 18, -1) (-1, 18, 1)
402 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/30(水) 11:10:03
>>401 で求めた RF_0(328) をサイクルに分類するのは >>370 と 同様にすればよい。
(9, 2, -9) → (-9, 16, 2) → (2, 16, -9) → (-9, 2, 9) → (9, 16, -2) → (-2, 16, 9) → (9, 2, -9)
(11, 8, -6) → (-6, 16, 3) → (3, 14, -11) → (-11, 8, 6) → (6, 16, -3) → (-3, 14, 11) → (11, 8, -6)
(3, 16, -6) → (-6, 8, 11) → (11, 14, -3) → (-3, 16, 6) → (6, 8, -11) → (-11, 14, 3) → (3, 16, -6)
(1, 18, -1) → (-1, 18, 1) → (1, 18, -1)
以上から RF_0(328) は4個のサイクルからなっている。 よって h+(328) = 4 である。 即ち Q(√82) の狭義の類数は4である。
403 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/30(水) 11:37:28
>>402 において、
(9, 2, -9) と (-9, 2, 9) (11, 8, -6) と (-11, 8, 6) (3, 16, -6) と (-3, 16, 6) (1, 18, -1) と (-1, 18, 1) はそれぞれ同じサイクルに属す。
従って >>305 より Q(√82) の広義の類数も4である。
404 :132人目の素数さん:2007/05/30(水) 18:09:12
すみません、教えてください。 お願いします。
http://web2.incl.ne.jp/yaoki/wari7.htm の問題
「2n-1個の任意の自然数がある。(nは自然数) (2n-1個の内に、同じ自然数があってもかまわない) その中のあるn個の自然数の和で、nで割り切れるものが必ず存在する。 そうであるなら証明を、そうとも限らないなら反例を示してください。」
の解答http://web2.incl.ne.jp/yaoki/awari7.htmで 以下の所の意味がよく解りませんので、よろしくお願いいたします。
・・・・・・・・・・・・・・・・ Rk と Sk-1 は要素数が同じであるが、それぞれの要素数の和は法 p の下で剰余が等しくないことになる。 これは、Rk には Sk-1 にない要素が少なくとも1つはあることを意味する。 Sk = Sk-1 ∪ Rk であるから、Sk の要素数は Sk-1 よりも多くなる。 もし t = p ならば、Sk-1 には p 個の要素があり、法 p の下の剰余をすべて尽くしている。 ・・・・・・・・・・・・・・・・ ここまではわかるのですが、次からがよくわかりません。 ・・・・・・・・・・・・・・・・ こうなると Sk, Sk+1, ... は、要素数が p 個である状態が続いていく。 よって、Sk の要素は k+1 個以上あるが、p 個が上限である。 特に、Sp-1 は要素数が p 個で、法 p の下の剰余がすべて含まれる。 ・・・・・・・・・・・・・・・・ t = p でないときは?
405 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/31(木) 10:57:21
D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と する。
ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とし、 m ≠ 0 を有理整数とする。
m = ax^2 + bxy + cy^2 の固有な解(過去スレ4の701)の全てを求めるには 過去スレ4の738 より以下の問題に帰着する。
(1) 判別式 D の2次形式 (a, b, c) と (m, l, k) が与えられたとき それらが同値か否かを判定せよ。
(2) 同値なら (a, b, c)σ = (m, l, k) となる σ ∈ SL_2(Z) を全て求めよ。
(1) は既に解けている。 即ち以下のようにする。 f と g を判別式 D の2次形式とする。 f と g が同値かどうかを判定するには、 >>348 の方法により f と g をそれぞれ簡約2次形式に変形して それらが同じサイクルに含まれるかどうかを見ればよい。 同じサイクルに含まれれば、fσ = g となる σ ∈ SL_2(Z) は 少なくとも1個求まる。
よって (2) は (a, b, c)σ = (a, b, c) となる σ ∈ SL_2(Z) を 全て求めれば解ける(過去スレ4の739)。
406 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/31(木) 11:37:07
D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と する。 f = (a, b, c) を判別式 D の原始的な2次形式とする。
U(f) = {σ ∈ SL_2(Z) ; (a, b, c)σ = (a, b, c) }
とおく。
U(f) は SL_2(Z) の部分群である。 U(f) の構造を決定しよう。
σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) とし、 (a, b, c)σ = (a, b, c とする。
過去スレ4の401より a = ap^2 + bpr + cr^2 b = 2apq + b(ps + qr) + 2crs c = aq^2 + bqs + cs^2
ps - qr = 1 だから ps = qr + 1 これと b = 2apq + b(ps + qr) + 2crs より b = 2apq + b(2qr + 1) + 2crs よって 2apq + 2bqr + 2crs = 0 よって apq + bqr + crs = 0
407 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/31(木) 11:46:11
>>406 の続き。
apq + bqr + crs = 0 より、
aq = q(ap^2 + bpr + cr^2) = apqp + bpqr + cr^2q = (-bqr - crs)p + bpqr + cr^2q = -crsp + cr^2q = -cr(ps - qr) = -cr
よって r/a = -q/c
他方 c(p - s) = (aq^2 + bqs + cs^2)(p - s) = apq^2 + bpqs + cs^2p - cs = apq^2 + bpqs + cs(sp - 1) = apq^2 + bpqs + csqr = q(apq + bps + crs) = q(bps - bqr) = qb(ps - qr) = qb
ここで再び apq + bqr + crs = 0 を使った。
よって (s - p)/b = -q/c
以上から r/a = (s - p)/b = -q/c
408 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/31(木) 11:55:14
>>407 の続き。
r/a = (s - p)/b = -q/c を u とおく。
r = au s - p = bu q = -cu となる。
u = v/w とする。 ここで v, w は有理整数で gcd(v, w) = 1 である。
wr = av w(s - p) = bv wq = -cv
よって w は a, b, c の共約数である。 2次形式 f = (a, b, c) は原始的だから w = ±1 である。 よって u は有理整数である。
t = p + s とおく。
t + bu = 2s t - bu = 2p
よって p = (t - bu)/2 s = (t + bu)/2 q = -cu r = au
409 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/31(木) 14:36:11
>>408 の続き。
p = (t - bu)/2 s = (t + bu)/2 q = -cu r = au と ps - qr = 1 より
(t^2 - b^2u^2)/4 + acu^2 = (t^2 - b^2u^2 + 4acu^2)/4 = 1
よって t^2 - Du^2 = 4
410 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/31(木) 14:37:35
>>409 の続き。
逆に (t, u) が t^2 - Du^2 = 4 の解なら p = (t - bu)/2 s = (t + bu)/2 q = -cu r = au とおくと ps - qr = 1 となって、σ = (p, q)/(r, s) は SL_2(Z) の元である。
(a, b, c)σ = (k, l, m) とする。
過去スレ4の401より k = ap^2 + bpr + cr^2 l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs m = aq^2 + bqs + cs^2
411 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/31(木) 14:39:21
>>410 の続き。
一方、 ap^2 + bpr + cr^2 = (t - bu)^2/4 + ab(t - bu)u/2 + ca^2u^2 = (a(t - bu)^2 + 2ab(t - bu)u + 4ca^2u^2)/4 = (at^2 - 2abtu + ab^2u^2 + 2abtu - 2ab^2u^2 + 4ca^2u^2)/4 = (at^2 - ab^2u^2 + 4ca^2u^2)/4 = a(t^2 - Du^2)/4 = a
よって k = a
2apq + b(ps + qr) + 2crs = -2acu(t - bu)/2 + b(t^2 - b^2u^2)/4 - abcu^2 + 2acu(t + bu)/2 = 2abcu^2 + b(t^2 - b^2u^2)/4 - abcu^2 = b(t^2 - b^2u^2)/4 + abcu^2 = b(t^2 - Du^2)/4 = b
よって l = b
D = b^2 - 4ac = l^2 - 4km だから
b^2 - 4am = D よって m = c
以上から (a, b, c)σ = (a, b, c)
412 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/31(木) 15:29:04
>>411 の続き。
t^2 - Du^2 = 4 の有理整数解 (t, u) の集合を Pell+(D) と書こう。
(t, u) ∈ Pell+(D) のとき φ(t, u) = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) と書く。 ここで p = (t - bu)/2 s = (t + bu)/2 q = -cu r = au
>>411 より φ は Pell+(D) から U(f) への写像である。 >>409 より φ は全射である。
φ が単射であることを示そう。
(t, u) と (t', u') を Pell+(D) の元で、 φ(t, u) = φ(t', u') とする。
a ≠ 0 だから(a = 0 なら D = b^2 となって D は平方数となって 仮定に反する)、 au = au' より u = u' である。
よって (t - bu)/2 = (t' - bu')/2 より t = t' である
よって (t, u) = (t', u') よって φ は単射である。
413 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/31(木) 15:45:36
>>412 の続き。
R を判別式 D の整環とする。
過去スレ4の590より
R = {(x + y√D)/2 ; x ∈ Z, y ∈ Z, x ≡ yD (mod 2) } である。
R の単数でノルムが1となるもの全体を (R^*)+ と書く
即ち (R^*)+ = { α ∈ R^* ; N(α) > 0 } である(>>281)。
α = (t + u√D)/2 が R の単数なら、 N(α) = αα' = (t + u√D)/2 (t - u√D)/2 = (t^2 - Du^2)/4 = ±1
特に N(α) = 1 なら t^2 - Du^2 = 4 である。 よって (t, u) ∈ Pell+(D) である。
逆に (t, u) ∈ Pell+(D) なら、 >>132 より α = (t + u√D)/2 は R の単数である。 明らかに、N(α) = 1 である。
以上から Pell+(D) と (R^*)+ は集合として同型である。
>>412 より Pell+(D) と U(f) は集合として同型であるから U(f) と (R^*)+ は集合として同型である。
414 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/31(木) 15:59:34
>>413 の続き。
>>139 より R の任意の単数は ±E^m, m ∈ Z と書ける。
ここで E は R の基本単数である。
よって R^* は群として Z × {±1} と同型である。
ここで Z は有理整数環の加法群である。
N(E) = 1 なら R^* = (R^*)+ である。
N(E) = -1 なら (R^*)+ の任意の元は ±(E^2)^m, m ∈ Z と書ける。
この場合も (R^*)+ は群として Z × {±1} と同型である。
415 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/31(木) 16:10:27
>>408 >よって w は a, b, c の共約数である。
よって w は a, b, c の公約数である。
416 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/31(木) 17:25:26
>>414 の続き。
R の基本単数は >>138 と >>139 の方法で求まる。
例として >>401 で取り上げた D = 328 のときに基本単数を 求めてみよう。
>>401 より (-1, 18, 1) は簡約2次形式だから θ = 2|a|/(-b + √D) = (b + √D)/2|c| = (18 + √D)/2 は 簡約された2次無理数である(>>330, >>339)。
[θ] = 18
θ - 18 = (-18 + √D)/2
1/(θ - 18) = 2(-18 - √D)/(18^2 - 328) = 2(18 + √D)/4 = (18 + √D)/2 = θ
よって θ = [18, 0, θ]
よって θ = 18 + 1/θ = (18θ + 1)/θ
>>138 より θ = (18 + √D)/2 は R の、従って Q(√82) の 基本単数である。
N(θ) = (18 + √D)/2 (18 - √D)/2 = (18^2 - 328)/4 = -4/4 = -1 よって
(R^*)+ = { ±θ^(2n) ; n ∈ Z }
= { ±((326 + 18√D)/2)^n) ; n ∈ Z }
417 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/05/31(木) 21:00:24
>>416 の補足。
θ = (18 + √D)/2 = 9 + √82
θ^2 = (9 + √82)^2 = 81 + 18√82 + 82 = 163 + 18√82
よって
(R^*)+ = { ±θ^(2n) ; n ∈ Z } = { ±(163 + 18√82)^n) ; n ∈ Z }
418 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/01(金) 06:41:05
訂正
>>416 >よって >θ = [18, 0, θ]
よって θ = [18, θ]
419 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/01(金) 10:59:10
>>401 の (3, 14, -11) も簡約2次形式である。 これからも R の基本単数を計算して見よう。
θ = 2|a|/(-b + √D) = (b + √D)/2|c| = (14 + √D)/22 = (7 + √82)/11
これは簡約された2次無理数である(>>330, >>339)。
θ を連分数に展開する。
[(7 + √82)/11] = 1 (7 + √82)/11 - 1 = (-4 + √82)/11 11/(-4 + √82) = 11(4 + √82)/66 = (4 + √82)/6
[(4 + √82)/6] = 2 (4 + √82)/6 - 2 = (-8 + √82)/6 6/(-8 + √82) = 6(8 + √82)/18 = (8 + √82)/3
[(8 + √82)/3] = 5 (8 + √82)/3 - 5 = (-7 + √82)/3 3/(-7 + √82) = 3(7 + √82)/33 = (7 + √82)/11 = θ
よって θ = [1, 2, 5, θ] よって θ = (16θ + 3)/(11θ + 2)
よって 11θ + 2 = 9 + √82 が基本単数である。 これは勿論 >>416 の結果と一致している。
420 :132人目の素数さん:2007/06/02(土) 04:10:00
43
421 :132人目の素数さん:2007/06/02(土) 04:11:00
42
422 :132人目の素数さん:2007/06/02(土) 04:12:00
41
423 :132人目の素数さん:2007/06/02(土) 04:13:00
40
424 :132人目の素数さん:2007/06/02(土) 04:14:00
39
425 :132人目の素数さん:2007/06/02(土) 04:15:00
38
426 :132人目の素数さん:2007/06/05(火) 04:10:00
37
427 :132人目の素数さん:2007/06/05(火) 04:11:01
36
428 :132人目の素数さん:2007/06/05(火) 04:12:00
35
429 :132人目の素数さん:2007/06/05(火) 04:13:00
34
430 :132人目の素数さん:2007/06/05(火) 04:14:00
33
431 :132人目の素数さん:2007/06/05(火) 04:15:00
34
432 :132人目の素数さん:2007/06/05(火) 05:43:14
荒らすな (゚Д゚)≡゚д゚)、カァー ペッ!!
433 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/05(火) 21:47:41
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と する。 (a, b, c) を判別式 D の2次形式とする。
n を有理整数としたとき σ(n) = (0, 1)/(-1, n) とおく。 σ(n) ∈ SL_2(Z) である。
(a, b, c)σ(n) = (c, -b - 2cn, a + bn + cn^2) となる。
2次形式 (c, -b - 2cn, a + bn + cn^2) を (c, b', a') と書くと、 b + b' ≡ 0 (mod 2c) である。
一般に、(a, b, c) と (c, b', a') を判別式 D の2次形式としたとき、 b + b' ≡ 0 (mod 2c) となるとき、 (c, b', a') は (a, b, c) の右に隣接しているといい、 (a, b, c) は (c, b', a') の左に隣接しているという。
この関係を (a, b, c) → (c, b', a') と表す。
b + b' = -2cn とすると (a, b, c)σ(n) = (c, b', a') である。
434 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/05(火) 22:38:13
D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と する。
>>348 の ρ(a, b, c) は (a, b, c) の右に隣接している。
逆に、(a, b, c) と (c, b', a') を判別式 D > 0 の簡約2次形式 (>>330)とし、(c, b', a') が (a, b, c) の右に隣接しているとする。
b + b' ≡ 0 (mod 2c) だから b' = -b + 2|c|n と書ける。 (c, b', a') は簡約されているから
√D - 2|c| < -b + 2|c|n < √D
よって 2|c|n < b + √D < 2|c|n + 2|c|
即ち n < (b + √D)/2|c| < n + 1
よって n = [(b + √D)/2|c|]
>>348 より ρ(a, b, c) = (c, b', a') である。
以上をまとめると、簡約2次形式 (a, b, c) の右に隣接している 簡約2次形式はただ一つ存在し、それは ρ(a, b, c) である。
435 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/05(火) 22:56:44
D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と する。
(a, b, c) を判別式 D > 0 の簡約2次形式(>>330)とする。 μ(a, b, c) = (c, b, a) と書いた(>>355)。
>>356 より (μρ)(μρ) = 1 だから μρμρ(a, b, c) = (a, b, c) である。 両辺に μ を掛けて ρμρ(a, b, c) = μ(a, b, c)
一方、(a, b, c) と (c, b', a') を判別式 D > 0 の簡約2次形式 とし、(c, b', a') が (a, b, c) の右に隣接しているとする。 即ち、(a, b, c) → (c, b', a') とする。 このとき、明らかに (a', b', c) → (c, b, a) である。 即ち、μ(c, b', a') → μ(a, b, c)
436 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/05(火) 23:04:30
D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と する。
(a, b, c) と (c, b', a') を判別式 D > 0 の簡約2次形式 とし、(c, b', a') が (a, b, c) の右に隣接しているとする。 即ち、(a, b, c) → (c, b', a') とする。 >>434 より ρ(a, b, c) = (c, b', a') である。 ρ^(-1) を両辺に掛けて (a, b, c) = ρ^(-1)(c, b', a') となる。
即ち、簡約2次形式 (c, b', a') の左に隣接している 簡約2次形式はただ一つ存在し、それは ρ^(-1)(c, b', a') である。
437 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/06(水) 20:38:53
D > 0 を平方数でない正の有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と する。
f と g を判別式 D > 0 の簡約2次形式 とし、g が f の右に隣接しているとする(>>433)。 即ち、f → g とする。 >>435 より μ(g) → μ(f) である。
さらに h を判別式 D > 0 の簡約2次形式で g → h とすれば、 μ(h) → μ(g) → μ(f) となる。
>>434 より f → g なら f と g は同じサイクル(>>359)に属す。 上から、一般に f と g が同じサイクルに属せば μ(f) と μ(g) も 同じサイクルに属すことが分かる。
よって μ: RF(D) → RF(D) は RF(D)/G (>>359) の集合としての 自己同型を引き起こす。この自己同型を同じくμで表そう。
μ: RF(D)/G → RF(D)/G
438 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/06(水) 20:42:57
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) と する。 (a, b, c) を判別式 D の2次形式とする。
(c, b, a) → (a, b, c) となるとき、 即ち b ≡ 0 (mod a) のとき (a, b, c) を両面形式(ambiguous form) と呼ぶ(Gauss D.A. art. 163)。
439 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/06(水) 20:49:45
>>437 の続き。
RF(D)/G の元、即ちサイクル C で μ(C) = C となるものを考える。 C の元の一つを f とする。
C の元の個数を n とすると (ρ^n)(f) = f だから >>358 より n は 偶数である。n = 2d とする。
i を任意の有理整数としたとき f_i = (ρ^i)(f) と書く。
C = { f_0, f_1, . . . , f_(n-1) } である。
μ(C) = C だから μ(f) は C の元である。 μ(f) = f_r とする。ここで 0 ≦ r < n である。
f = (a, b, c) とすると μ(f) = (c, b, a) である。 >>335 より a と c の符号は反対だから r は奇数である。 r = 2m - 1 とする。ここで 1 ≦ m ≦ d である。
μ(f) = f_r の両辺に μ を作用させると、f_0 = μ(f_r) f_(r-1) → f_r だから >>435 より f_0 → μ(f_(r-1))
一方 f_0 → f_1 だから μ(f_(r-1)) = f_1 一般に h を任意の有理整数としたとき μ(f_(r-h)) = f_h 特に h = m とすると μ(f_(m-1)) = f_m よって f_m は両面形式である(>>438)。
440 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/06(水) 20:54:15
f_(m-1) = f_(m - 1 + 2d) だから μ(f_(m - 1 + 2d)) = f_m よって左辺の添字から d を引き、右辺の添字に d を加えれば、 μ(f_(m + d - 1)) = f_(m + d) よって f_(m + d) は両面形式である。
m ≡ m + d (mod 2d) ではないから f_m ≠ f_(m + d) である。
f_s が両面形式だとする。 μ(f_(s - 1)) = f_s よって μ(f_s) = f_(s - 1) 左辺の添字から s を引き、右辺の添字に s を加えれば、 μ(f_0) = f_(2s - 1)
μ(f_0) = f_(2m - 1) だったから f_(2s - 1) = f_(2m - 1)
よって 2s ≡ 2m (mod 2d) s ≡ m (mod d)
s = m + dk とする。 k が偶数なら s ≡ m (mod 2d) k が奇数なら s ≡ m + d (mod 2d)
以上から C には相異なる両面形式 f_m と f_(m + d) の2個があり、 C に含まれる両面形式はこれ以外にない。
441 :132人目の素数さん:2007/06/06(水) 21:19:07
クンメル氏乙
442 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/06(水) 21:24:45
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 (a, b, c) を判別式 D の両面形式(>>438)とする。
b ≡ 0 (mod a) だから b = an となる有理整数 n がある。
σ = (1, n)/(0 -1) は GL_2(Z) の元で det(σ) = -1 である。
(a, b, c)σ = (k, l, m) とする。
σ = (1, n)/(0 -1) = (p, q)/(r, s) とおく。
p = 1 q = n r = 0 s = -1 である。
過去スレ4の280より k = ap^2 + bpr + cr^2 = a l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs = 2an - b = b m = aq^2 + bqs + cs^2 = an^2 - bn + c = c
即ち (a, b, c)σ = (a, b, c) である。
443 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/06(水) 21:44:36
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 (a, b, c) を判別式 D の2次形式とする。 σ = (p, q)/(r, s) ∈ GL_2(Z) で det(σ) = ps - qr = -1 とし、 (a, b, c)σ = (a, b, c) とする。 このとき p + s = 0 となることを証明しよう。 過去スレ4の280より a = ap^2 + bpr + cr^2 b = 2apq + b(ps + qr) + 2crs c = aq^2 + bqs + cs^2
qr = ps + 1 を b = 2apq + b(ps + qr) + 2crs に代入すると b = 2apq + b(2ps + 1) + 2crs よって 2apq + 2bps + 2crs = 0 apq + bps + crs = 0 apq + (bp + cr)s = 0 両辺に r を掛けて apqr + (bp + cr)rs = 0
一方 a = ap^2 + bpr + cr^2 より a = ap^2 + (bp + cr)r 両辺に s を掛けて as = asp^2 + (bp + cr)rs これに、上の 0 = apqr + (bp + cr)rs を辺々引いて as = asp^2 - apqr 両辺を a で割って s = sp^2 - pqr s = p(sp - qr) s = -p 証明終
444 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/06(水) 21:53:40
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 (a, b, c) を判別式 D の2次形式とする。 ここで σ = (p, q)/(r, s) ∈ GL_2(Z) で det(σ) = ps - qr = -1 とし、(a, b, c)σ = (a, b, c) とする。
>>443 より s = -p である。 よって p^2 + qr = 1 である。
r = 0 の場合を考える。 p^2 = 1 である。
過去スレ4の280より b = 2apq + b(ps + qr) + 2crs = 2apq - bp^2 = 2apq - b よって 2b = 2apq よって b = apq
よって (a, b, c) は両面形式(>>438)である。
445 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/06(水) 22:28:02
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 (a, b, c) を判別式 D の2次形式とする。 ここで σ = (p, q)/(r, s) ∈ GL_2(Z) で det(σ) = ps - qr = -1 とし、(a, b, c)σ = (a, b, c) とする。
>>443 より s = -p である。 よって p^2 + qr = 1 である。
今度は r ≠ 0 の場合を考える。
τ = (u, v)/(w, z) ∈ SL_2(Z) を適当にとると
(a, b, c)τρ = (a, b, c)τ τρτ^(-1) = σ
となる ρ ∈ GL_2(Z) で det(ρ) = -1 で ρ = (α、β)/(0, -α) の形となることを 証明しよう。
τρτ^(-1) = σ より ρ = τ^(-1)στ
τ^(-1) = (z, -v)/(-w, u) σ = (p, q)/(r, -p) だから τ^(-1)σ = (zp - vr, zq + vp)/(-wp + ur, -wq - up)
これと ρ = τ^(-1)στ の (2, 1)-成分が 0 より -uwp + u^2 r - w^2q - uwp = u^2 r - 2uwp - w^2q = 0
446 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/07(木) 09:04:21
>>445 の u^2 r - 2uwp - w^2q = 0 の両辺に r を掛けて u^2 r^2 - 2uwpr - w^2qr = 0
p^2 + qr = 1 だから
u^2 r^2 - 2uwpr - w^2(1 - p^2) = 0
よって u^2 r^2 - 2uwpr + w^2p^2 - w^2 = 0
よって (ur - wp)^2 - w^2 = 0
両辺を w^2 で割って ((u/w)r - p)^2 - 1 = 0
よって (u/w)r - p = ±1
よって u/w = (p ± 1)/r
u/w = (p ± 1)/r を満たす u, w で gcd(u, w) = 1 となるものをとる。 gcd(u, w) = 1 だから uz - vw = 1 となる z, v が存在する。 τ = (u, v)/(w, z) が求めるものである。
447 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/07(木) 10:33:44
>>445 により、 (a, b, c)σ = (a, b, c) となる σ ∈ GL_2(Z) で det(σ) = -1 となるものがあれば、(a, b, c) は両面形式と同値になる。
448 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/07(木) 11:11:28
>>447 を補足する。
(a, b, c)σ = (a, b, c) となる σ ∈ GL_2(Z) で det(σ) = -1 となるものがあれば、 >>445 により、τ = (u, v)/(w, z) ∈ SL_2(Z) を適当にとると (a, b, c)τρ = (a, b, c)τ となる。 ここで ρ = (α、β)/(0, δ) ∈ GL_2(Z) で det(ρ) = -1 である。
>>444 より (a, b, c)τ は両面形式である。
449 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/07(木) 22:17:39
D を平方数でない(正または負の)有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 判別式 D の2次形式の集合を F(D) と書いた(>>184)。
F(D) を Γ = SL_2(Z) の作用(>>184)で類別した集合を F(D)/Γ と書く。
f = (a, b, c) ∈ F(D) として f の属す F(D)/Γ の類を C とする。
τ = (1, 0)/(0, -1) とおく。 det(τ) = -1 である。 (a, b. c)τ = (a, -b, c) である(>>296)。
τ^2 = 1 だから τ^(-1) = τ である。
(a, -b, c) が C に属すとする。 これは fσ = fτ となる σ ∈ SL_2(Z) が存在することを意味する。 よって fστ = f である。 det(στ) = -1 だから >>447, >>448 より f は両面形式 g と 同値になる。即ち C は両面形式 g を含む。
逆に F(D)/Γ の類 E がある両面形式 (k, l, m) を含むとする。 l ≡ 0 (mod k) だから l = kn となる有理整数 n がある。
S = (1, 1)/(0, 1) とおけば、S^n = (1, n)/(0, 1) τS^n = (1, n)/(0, -1)
従って、>>442 より (k, l, m)τS^n = (k, l, m) である。 よって (k, l, m)τ = (k, l, m)S^(-n) となる。 det(S^(-n)) = 1 だから (k, l, m)S^(-n) 従って (k, l, m)τ は E に含まれる。
450 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/07(木) 22:19:49
D を平方数でない(正または負の)有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
F(D)/Γ の類 C が両面形式を含むとき C を両面類という。
