最終更新日時 2011年03月09日 (水) 22時42分37秒
代数的整数論 007 (451-510)
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451 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 18:42:02
>>422 を次のように修正する。
定義 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 f : X → [0, +∞] を可測関数とする。
>>405 より、E ∈ Φ に対して、(E, Φ|E, μ|E) は測度空間になる。
>>357 より、f の E 上への制限 f|E は E において可測(>>356)である。
E ∩ S(f) の測度は σ-有限(>>448) とする。
ここで、S(f) = {x ∈ X ; f(x) ≠ 0 }
E ∈ Φ|E であるから、>>449 より ∫[E] f|E d(μ|E) が定義出来る。
∫[E] f|E d(μ|E) を ∫[E] f dμ と書き、 f の E における(μ に関する)積分と言う。
∫[E] f dμ < +∞ のとき f を E において積分可能 または可積分と言う。
E ∩ S(f) の測度が σ-有限(>>448) でないときは、 ∫[E] f dμ は定義しない。
452 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 18:45:21
>>439 を次のように修正する。
定義
(X, Φ, μ) を 測度空間(>>317) とする。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
E(Ψ) (>>377) を、R = (-∞, +∞) に値をとる
Ψ 上の単関数(>>371)全体とする。
f : X → [0, +∞] を可測で、
S(f) = {x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } の測度は σ-有限(>>448) とする。
∫[X] f dμ = sup {∫[X] s dμ | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) }
を f の X における(μ に関する)積分と言う。
∫[X] f dμ < +∞ のとき f を積分可能または可積分と言う。
S(f) の測度が σ-有限(>>448) でないときは ∫[X] f dμ は定義しない。
453 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 18:56:40
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 A ∈ Φ とし、μ(A) < +∞ とする。
このとき ∫[E] 1 dμ = μ(E) である。
証明 >>433 より ∫[E] 1 dμ = ∫[X] χ_E dμ である。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
χ_E ∈ E(Ψ) (>>377) であるから
∫[X] χ_E dμ = μ(E)
証明終
454 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 18:58:27
訂正
>>453 >A ∈ Φ とし、μ(A) < +∞ とする。
E ∈ Φ とし、μ(E) < +∞ とする。
455 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 19:34:34
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 E ∈ Φ とし、E の測度は σ-有限(>>448) とする。
このとき ∫[E] 1 dμ = μ(E) である。
証明 E の測度は σ-有限だから、 Φ の集合の列 (A_n), n = 1, 2, . . . で E ⊂ ∪A_n となり、各 μ(A_n) < +∞ となるものがある。
E_1 = E ∩ A_1 E_2 = E ∩ (A_2 - A_1)
n ≧ 2 のとき、 E_n = E ∩ (A_n - (A_1 ∪ . . . ∪ A_(n-1))) とおく。
E = ∪E_n で、 n ≠ m のとき E_n と E_m は交わらない。
ψ_n = χ_(E_1) + . . . + χ_(E_n) とおく。 ψ_1 ≦ ψ_2 ≦ . . . ≦ χ_(E) である。
μ(E) = Σμ(E_n) だから n → ∞ のとき ∫[E] ψ_n dμ → μ(E) である。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
s ∈ E(Ψ) (>>377) で、0 ≦ s ≦ χ_(E) のとき
容易にわかるように s ≦ ψ_n となる n がある。
よって ∫[E] 1 dμ = μ(E) である。
証明終
456 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 19:48:05
補題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 Φ の集合の列 (A_n), n = 1, 2, . . . があり、 各 A_n の測度は σ-有限(>>448) とする。
A = ∪A_n の測度は σ-有限である。
証明 各 A_n に対して、Φ の集合の列 (B_(n, m)), m = 1, 2, . . . で A_n ⊂ ∪B_(n, m) となり、各 μ(B_(n, m)) < +∞ となるものがある。
A = ∪A_n ⊂ ∪∪B_(n, m) よって、A の測度は σ-有限である。 証明終
457 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 19:58:21
補題 (X, Φ, μ) を測度空間(>>317)とする。 (f_n), n ≧ 0 を可測関数の列で次の条件を満たすとする。
(1) 0 ≦ f_0 ≦ f_1 ≦ . . . ≦ +∞ (2) 任意の x ∈ X において n → ∞ のとき f_n(x) → f(x) (3) 各 n に対して S(f_n) の測度は σ-有限(>>448) である。
このとき、f は可測であり、S(f) の測度は σ-有限(>>448) である。
証明 f = lim sup f_n = lim inf f_n であるから、>>295 より f は 可測である。
(1) より、f_n(x) ≠ 0 なら f(x) ≠ 0 である。 よって、∪S(f_n) ⊂ S(f) である。
全ての n で f_n(x) = 0 なら (2) より、f(x) = 0 である。 よって、S(f) = ∪S(f_n) である。 (3) と >>456 より S(f) の測度は σ-有限(>>448) である。 証明終
458 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 20:04:29
>>435 と >>445 は次の条件が必要である。
(3) 各 n に対して S(f_n) の測度は σ-有限(>>448) である。
これから >>457 より S(f) の測度は σ-有限(>>448) となり、 ∫[X] f_n dμ と ∫[X] f dμ が定義される。
459 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 20:11:36
>>447 >そうでないときは ∫[X] f dμ = +∞ とする。
結局、これと少し違う定義になりました。
460 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 21:15:43
補題
(X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
s を X から [0, +∞) に値をとる可測な単関数(>>298)とする。
∫[X] s dμ < +∞ なら s ∈ E(Ψ) (>>377) である。
証明 ∫[X] s dμ < +∞ であるから、>>452 より S(s) は σ-有限(>>448) である。
s ∈ E(Ψ) (>>377) でないとする。 0 < a < +∞ となる実数 a があり、μ(s^(-1)(a)) = +∞ となる。 E = s^(-1)(a) とおく。
a(χ_E) ≦ s である。 >>441 より ∫[X] a(χ_E) dμ ≦ ∫[X] s dμ < +∞
>>442 より ∫[X] a(χ_E) dμ = a∫[X] χ_E dμ
>>433 より a∫[X] χ_E dμ = a∫[E] 1 dμ
S(s) は σ-有限だから E も σ-有限である。 >>455 より a∫[E] 1 dμ= μ(E) である。 よって、μ(E) < +∞ これは矛盾である。 証明終
461 :132人目の素数さん:2007/09/02(日) 21:29:35
死ね
462 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 22:35:33
補題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 s と t を X から [0, +∞) に値をとる可測な単関数(>>298)で、 S(s) と S(t) がσ-有限(>>448)とする。
∫[X] (s + t) dμ = ∫[X] s dμ + ∫[X] t dμ である。
証明 S(s + t) = S(s) ∪ S(t) であるから、S(s + t) もσ-有限である。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
s と t が E(Ψ) (>>377) に属すなら >>440 から
∫[X] (s + t) dμ = ∫[X] s dμ + ∫[X] t dμ である。
s が E(Ψ) に属さないなら、>>460 より ∫[X] s dμ = +∞ である。
μ(S(s)) > +∞ だから μ(S(s + t)) > +∞ である。 よって、s + t も E(Ψ) に属さない。 >>460 より ∫[X] (s + t) dμ = +∞ である。
よって、∫[X] (s + t) dμ = ∫[X] s dμ + ∫[X] t dμ である。
t が E(Ψ) に属さない場合も同様である。 証明終
463 :132人目の素数さん:2007/09/02(日) 22:40:23
>>455
Kummer さん、こんばんは。 もうお休みになられたかもしれませんが、質問です。
下から 3行目の、 >容易にわかるように s ≦ ψ_n となる n がある。 と言う部分ですが、ここがよくわからないのです。
なぜなら、例えば、E 自身が μ(E)<∞ のときは、 s = χ_E と取ると、s ≦ ψ_n なる n は見つかりません。
μ(E) = ∞ の場合の反例も、
X = R, Φ を R 上のボレル集合体, μ をルベーグ測度とするとき、
E = R , A_n = { x ∈ R ; |x|<n }
s として、次の集合 F の特性関数を取れば得られます:
F_n = [n, n + 1/(2^n)] (n=1,2, ...)
F = ∪ { F_n ; n = 1, 2, ... }
(ただし、 [a, b] で、a と b を端点とする閉区間をあらわすものとします。
μ(F) = 2 だから、χ_F ∈ E(Ψ) となります)
F は非有界で、A_n は有界だから、χ_F ≦ ψ_n とはなりません。
464 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 22:56:31
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 f と g を可測関数で、0 ≦ f, g とし、 S(f) と S(g) が σ-有限(>>448)とする。 ∫[X] (f + g) dμ = ∫[X] f dμ + ∫[X] g dμ
証明 >>304 より、次のような可測な単関数の列 (s_n), (t_n) がある。 1) 0 ≦ s_1 ≦ s_2 ≦ . . . ≦ f 2) 全ての x ∈ X において、n → ∞ のとき s_n(x) → f(x) 3) 0 ≦ t_1 ≦ t_2 ≦ . . . ≦ g 4) 全ての x ∈ X において、n → ∞ のとき t_n(x) → g(x)
S(s_n) ⊂ S(f), S(t_n) ⊂ S(g) だから S(s_n) と S(t_n) も σ-有限である。
>>445 より、 n → ∞ のとき ∫[X] s_n dμ → ∫[X] f dμ n → ∞ のとき ∫[X] t_n dμ → ∫[X] g dμ
0 ≦ s_1 + t_1 ≦ s_2 + t_2 ≦ . . . ≦ f + g n → ∞ のとき s_n(x) + t_n(x) → f(x) + g(x) S(f + g) = S(f) ∪ S(g) であるから、S(f + g) もσ-有限である。 S(s_n + t_n) = S(s_n) ∪ S(t_n) であるから、S(s_n + t_n) も σ-有限である。 >>445 より、n → ∞ のとき ∫[X] (s_n + t_n) dμ → ∫[X] (f + g) dμ >>462 より ∫[X] (s_n + t_n) dμ = ∫[X] s_n dμ + ∫[X] t_n dμ だから よって、 n → ∞ のとき ∫[X] (s_n + t_n) dμ → ∫[X] f dμ + ∫[X] g dμ よって、∫[X] (f + g) dμ = ∫[X] f dμ + ∫[X] g dμ 証明終
465 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 23:19:50
>>463
そうですね、勘違いしてました。 有難うございます。
>>455 は Lebesgue の単調収束定理を使うんでしょうね。 初めそのつもりだったんですが大定理を使うまでもないと 思い直したのが間違いでした。
466 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 23:43:42
>>465
Lebesgue の単調収束定理は使わなくても出来そうです。
467 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 23:46:12
>>455 を次のように修正する。
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 E ∈ Φ とし、E の測度は σ-有限(>>448) とする。 このとき ∫[E] 1 dμ = μ(E) である。
証明 μ(E) < +∞ のときは >>453 で証明済みである。 よって、μ(E) = +∞ のとき ∫[E] 1 dμ = +∞ を示せばよい。
E の測度は σ-有限だから、 Φ の集合の列 (A_n), n = 1, 2, . . . で E ⊂ ∪A_n となり、各 μ(A_n) < +∞ となるものがある。
E_1 = E ∩ A_1 E_2 = E ∩ (A_2 - A_1) n ≧ 2 のとき、 E_n = E ∩ (A_n - (A_1 ∪ . . . ∪ A_(n-1))) とおく。 E = ∪E_n で、 n ≠ m のとき E_n と E_m は交わらない。
ψ_n = χ_(E_1) + . . . + χ_(E_n) とおく。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
ψ_n ∈ E(Ψ) (>>377) で、0 ≦ ψ_n ≦ χ_(E)
従って、∫[E] ψ_n dμ ≦ ∫[E] χ_(E) dμ ∫[E] ψ_n dμ = μ(E_1) + . . . + μ(E_n) だから、 μ(E_1) + . . . + μ(E_n) ≦ ∫[E] χ_(E) dμ n → ∞ として、μ(E) = +∞ ≦ ∫[E] χ_(E) dμ よって、∫[E] 1 dμ = ∫[E] χ_(E) dμ = +∞ 証明終
468 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 00:07:12
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
f : X → [0, +∞] を可測関数とする。
f が積分可能(>>452)なら、E(Ψ) (>>377) に属す単関数の列 (s_n) で 次のようなものが存在する。
1) 0 ≦ s_1 ≦ s_2 ≦ . . . ≦ f 2) 全ての x ∈ X において、n → ∞ のとき s_n(x) → f(x)
証明 >>304 より、次のような可測な単関数の列 (s_n) がある。 1) 0 ≦ s_1 ≦ s_2 ≦ . . . ≦ f 2) 全ての x ∈ X において、n → ∞ のとき s_n(x) → f(x)
>>441 より、∫[X] s_n dμ ≦ ∫[X] f dμ < +∞ >>460 より、s_n ∈ E(Ψ) (>>377) である。 証明終
469 :132人目の素数さん:2007/09/03(月) 00:18:45
>>465-477
ご回答、有難うございます。 非常に参考になりました。
470 :132人目の素数さん:2007/09/03(月) 00:20:09
>>469
すみません。アンカーミスです。
× >>465-477 ○ >>465-467
471 :132人目の素数さん:2007/09/03(月) 01:15:54
ぼくはくま Kummer Kummer Kummer けんかはやだよ Kummer Kummer Kummer ∩___∩ ∩___∩ |ノ ヽ |ノ ヽ / (゚) (゚) | / (゚) (゚) | | ( _●_) ミ | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、` ̄ ̄ヽ /彡、 |∪| ミ / __ ヽノ Y ̄) | ( (/ ヽノ_ | (___) Y_ノ ヽ/ (___ノ \ | | / | /\ \ / /\ | | / ) ) ( ( ヽ | ∪ ( \ / ) ∪ \_) (_/
∩___∩ (ヽ | ノ ヽ /) (((i ) / (゜) (゜) | ( i))) ライバルは /∠彡 ( _●_) |_ゝ \ ( ___、 |∪| ,__ ) | ヽノ /´ | /
,.、,、,..,、、.,、,、、..,_ /i ;'`;、、:、. .:、:, :,.: ::`゙:.:゙:`''':,'.´ -‐i '、;: ...: ,:. :.、.:',.: .:: _;.;;..; :..‐'
472 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 01:26:39
定義 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 f : X → [-∞, +∞] を可測関数とする。 S(f) の測度はσ-有限(>>448)とする。
f^(+) = sup{f, 0}
f^(-) = sup{-f, 0}
と書く。
>>295 より、f^(+) と f^(-) も可測である。
f = f^(+) - f^(-) である。
∫[X] f^(+) dμ と ∫[X] f^(-) dμ の少なくともどちらか一方が 有限、即ち積分可能なとき、f の積分を
∫[X] f dμ = ∫[X] f^(+) dμ - ∫[X] f^(-) dμ
で定義する。
このとき、f の積分が定義されると言う。
∫[X] f dμ が有限のとき f は積分可能または可積分と言う。
f ≧ 0 のときは、f^(+) = f, f^(-) = 0 だから ∫[X] f dμ は >>452 の定義と同じである。
E ∈ Φ のとき ∫[E] f dμ = ∫[E] f^(+) dμ - ∫[E] f^(-) dμ も同様に定義する。
473 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 02:16:11
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 f と g を積分可能(>>472)な関数で、f ≦ g とする。
∫[X] f dμ ≦ ∫[X] g dμ
証明 f^(+) ≦ g^(+) g^(-) ≦ f^(-) だから
>>441 より、
∫[X] f^(+) dμ ≦ ∫[X] g^(+) dμ ∫[X] g^(-) dμ ≦ ∫[X] f^(-) dμ
よって、 ∫[X] f^(+) dμ-∫[X] f^(-) dμ≦∫[X] g^(+) dμ-∫[X] g^(-) dμ
即ち ∫[X] f dμ ≦ ∫[X] g dμ 証明終
474 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 10:19:55
>>442 に対応する命題
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 f を積分可能(>>472)な関数とする。
c ≠ 0 を有限実数とすると、 ∫[X] cf dμ = c∫[X] f dμ
証明 c > 0 のとき、 (cf)^(+) = cf^(+) (cf)^(-) = cf^(-)
>>442 より、 ∫[X] cf dμ = ∫[X] (cf)^(+) dμ - ∫[X] (cf)^(-) dμ = c∫[X] f^(+) dμ - c∫[X] f^(-) dμ = c∫[X] f dμ
c < 0 のとき、 (cf)^(+) = -cf^(-) (cf)^(-) = -cf^(+)
∫[X] cf dμ = ∫[X] (cf)^(+) dμ - ∫[X] (cf)^(-) dμ = -c∫[X] f^(-) dμ + c∫[X] f^(+) dμ = c(∫[X] f^(+) dμ - ∫[X] f^(-) dμ) = c∫[X] f dμ 証明終
475 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 10:52:50
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 f : X → [0, +∞] を可測関数とする。
E ∈ Φ に対して、 ∫[E] f dμ = ∫[X] (χ_E)f dμ
証明 >>433 とほとんど同じだが一応述べる。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) (>>377)に対して、
0 ≦ (χ_E)s ≦ (χ_E)f だから
>>441 より、 ∫[X] (χ_E)s dμ ≦ ∫[X] (χ_E)f dμ
明らかに ∫[X] (χ_E)s dμ = ∫[E] s dμ だから、 ∫[E] f dμ ≦ ∫[X] (χ_E)f dμ
逆に、0 ≦ s ≦ (χ_E)f となる s ∈ E(Ψ) (>>377) に対して、 0 ≦ s ≦ f だから、 ∫[E] s dμ ≦ ∫[E] f dμ よって、 ∫[X] (χ_E)f dμ ≦ ∫[E] f dμ 証明終
476 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 11:17:14
>>475 では 0(+∞) = 0 を暗黙に使ってますね。
何故なら、その規約がないと E の外で f(x) = +∞ となる x で (χ_E)f が定義出来ないからです。
どうやら積分論では、0(+∞) = 0, 0(-∞) = 0 の規約を 取り入れたほうがよさそうです。
積分論では、ほとんど至る所同じ関数は同じと見なせるので、 この規約がなくてもやろうと思えばやれますが。
しかし、今後、この規約を使うことにします。
477 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 11:23:03
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 f : X → [0, +∞] を可測関数とする。
∫[X] f dμ = ∫[S(f)] f dμ
ここで、S(f) = {x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } である。
証明 >>215 より S(f) ∈ Φ だから、>>475 より、
∫[S(f)] f dμ = ∫[X] (χ_S(f)) f dμ
(χ_S(f)) f = f であるから、 ∫[S(f)] f dμ = ∫[X] f dμ 証明終
478 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 11:29:02
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 f を積分可能(>>472)な関数とする。
∫[X] f dμ = ∫[S(f)] f dμ
ここで、S(f) = {x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } である。
証明 積分の定義(>>472)と >>477 より、
∫[X] f dμ = ∫[X] f^(+) dμ - ∫[X] f^(-) dμ = ∫[S(f)] f^(+) dμ - ∫[S(f)] f^(-) dμ = ∫[S(f)] f dμ 証明終
479 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 11:54:41
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 f : X → [0, +∞] を可測関数とする。
A と B を可測集合で交わらないとする。 E = A ∪ B とおく。
∫[E] f dμ = ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ
証明
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
>>428 より、0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) (>>377)に対して、
∫[E] s dμ = ∫[A] s dμ + ∫[B] s dμ
よって、 ∫[E] s dμ ≦ ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ
左辺の sup を取って、 ∫[E] f dμ ≦ ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ
一方、 ∫[A] s dμ + ∫[B] s dμ = ∫[E] s dμ ≦ ∫[E] f dμ
左辺の sup を取って、 ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ ≦ ∫[E] f dμ
以上から ∫[E] f dμ = ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ 証明終
480 :132人目の素数さん:2007/09/03(月) 12:15:36
19 名前:サッフォー ◆RWbI2.Pg1I 投稿日:2007/09/02(日) 14:03:04 king久しぶり
21 名前:1stVirtue ◆.NHnubyYck 投稿日:2007/09/02(日) 18:35:52 Reply:>>19 旅行でも行くか?
27 名前:サッフォー ◆RWbI2.Pg1I 投稿日:2007/09/02(日) 20:23:46 >>21 いつ?どこに行くの?楽しみ~
29 名前:1stVirtue ◆.NHnubyYck 投稿日:2007/09/02(日) 21:48:08 Reply:>>25 お前は誰に何を吹き込まれた? Reply:>>26 形而上の概念をどう説明するのか? Reply:>>27 温泉。
31 名前:サッフォー ◆RWbI2.Pg1I 投稿日:2007/09/02(日) 23:42:50 >>29 ナントカ温泉春奈に行くの? またking車出してよ 笑
33 名前:1stVirtue ◆.NHnubyYck 投稿日:2007/09/03(月) 00:25:40 Reply:>>31 あいにく、車を作る技術は持っていない。火おこしならできそうだ。
481 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 12:17:05
訂正
>>475 >f : X → [0, +∞] を可測関数とする。
f : X → [0, +∞] を可測関数で S(f) が σ-有限であるとする。
482 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 12:17:46
訂正
>>477 >f : X → [0, +∞] を可測関数とする。
f : X → [0, +∞] を可測関数で S(f) が σ-有限であるとする。
483 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 12:21:32
訂正
>>479 >∫[E] f dμ = ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ
∫[A] f dμ と ∫[B] f dμ がそれぞれ定義されるなら、 即ち、A ∩ S(f) と B ∩ S(f) がそれぞれ σ-有限なら、 E ∩ S(f) も σ-有限になり、
∫[E] f dμ = ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ となる。
484 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 12:32:54
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 f を積分可能(>>472)な関数とする。
A と B を交わらない可測集合とする。
f が A と B のそれぞれで積分可能なら f は E = A ∪ B でも積分可能であり、
∫[E] f dμ = ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ
証明 積分の定義(>>472)と >>479 より、
∫[E] f dμ = ∫[E] f^(+) dμ - ∫[E] f^(-) dμ = ∫[A] f^(+) dμ + ∫[B] f^(+) dμ - ∫[A] f^(-) dμ - ∫[B] f^(-) dμ = ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ
証明終
485 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 13:07:35
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 f を積分可能(>>472)な関数とする。
f は任意の E ∈ Φ で積分可能である。
証明 >>444 より、f^(+) と f^(-) はそれぞれ任意の E ∈ Φ で 積分可能である。
よって、f は任意の E ∈ Φ で積分可能である。 証明終
486 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 13:24:12
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。
f を積分可能(>>472)な関数とする。
A = {x ∈ X | f(x) = +∞ } とおく。
A ∈ Φ であり、μ(A) = 0 である。
証明
>>236 より A ∈ Φ である。
g = f^(+) = sup(f, 0) とおく。
E = {x ∈ X | g(x) ≠ 0 } とおく。
>>215 より E ∈ Φ である。
g は積分可能だから E は σ-有限(>>448) である。
E = (E - A) ∪ A である。 >>485 より g は E - A ∈ Φ と A で積分可能である。
よって、>>484 より、 ∫[E] g dμ = ∫[A] g dμ + ∫[B] g dμ ≧ ∫[A] g dμ
任意の有限実数 α > 0 に対して、A 上で g > α である。 >>473 より、∫[A] g dμ ≧ ∫[A] α dμ
>>474 より、∫[A] α dμ = α∫[A] 1 dμ
>>467 より、α∫[A] 1 dμ = αμ(A) である。
以上から、 ∫[E] g dμ ≧ αμ(A)
∫[E] g dμ は有限だから μ(A) = 0 でなければならない。 証明終
487 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 13:27:52
>>486 の証明は意外に面倒である。
というより、積分の基本的性質の証明はかなり面倒である。
488 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 13:29:43
訂正
>>486 >∫[E] g dμ = ∫[A] g dμ + ∫[B] g dμ ≧ ∫[A] g dμ
∫[E] g dμ = ∫[A] g dμ + ∫[E - A] g dμ ≧ ∫[A] g dμ
489 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 13:32:20
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。
f を積分可能(>>472)な関数とする。
B = {x ∈ X | f(x) = -∞ } とおく。
B ∈ Φ であり、μ(B) = 0 である。
証明 >>486 の証明において、g = f^(+) のかわりに h = f^(-) を使えば よい。
490 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 13:44:45
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 f を積分可能(>>472)な関数とする。
E ∈ Φ で μ(E) = 0 なら、 ∫[E] f dμ = 0
証明 >>432 より、 ∫[E] f dμ = ∫[E] f^(+) dμ - ∫[E] f^(-) dμ = 0
証明終
491 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 13:59:13
>>490 を次のように拡張する。
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 f を可測な関数とする。
E ∈ Φ で μ(E) = 0 なら、f は E で積分可能で、 ∫[E] f dμ = 0
証明 E ∩ S(f) は測度有限だから当然 σ-有限である。 従って、∫[E] f^(+) dμ と ∫[E] f^(-) dμ が定義され、
>>432 より、 ∫[E] f dμ = ∫[E] f^(+) dμ - ∫[E] f^(-) dμ = 0
証明終
492 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 14:06:32
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 f と g を可測関数でほとんど至る所(>>350) f = g とする。 f が積分可能(>>472)なら g も積分可能であり、 ∫[X] f dμ = ∫[X] g dμ である。
証明 N ∈ Φ で μ(N) = 0 となるものがあり、N の外で f = g である。 E = S(f) ∪ S(g) とおく。 (χ_E)f = f だから >>475 より ∫[X] f dμ = ∫[X] (χ_E)f dμ = ∫[E] f dμ
>485 と >>484 より、 ∫[E] f dμ = ∫[E - N] f dμ + ∫[N] f dμ
>>490 より ∫[N] f dμ = 0
よって、∫[E] f dμ = ∫[E - N] f dμ = ∫[E - N] g dμ >>491 より、∫[N] g dμ = 0 である。
よって >>484 より g は E で積分可能で ∫[E] g dμ = ∫[E - N] g dμ + ∫[N] g dμ = ∫[E - N] g dμ
よって、 ∫[E] f dμ = ∫[E] g dμ
(χ_E)g = g だから >>475 より ∫[X] g dμ = ∫[X] (χ_E)g dμ = ∫[E] g dμ
よって ∫[X] f dμ = ∫[X] g dμ 証明終
493 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 14:12:07
>>486 と >>489 と >>492 より、積分可能な関数は、 (その積分を考える限り) 有限な値のみをとると仮定してよい。
494 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 15:10:39
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 f と g を X 上の積分可能(>>472)な有限な値のみをとる関数(>>493) とする。
f + g も積分可能であり、 ∫[X] (f + g) dμ = ∫[X] f dμ + ∫[X] g dμ である。
証明 S(f + g) ⊂ S(f) ∪ S(g) である。 E = S(f) ∪ S(g) とおく。
∫[X] f dμ = ∫[E] f dμ である。 ∫[X] g dμ = ∫[E] g dμ である。
f + g が積分可能なら、 ∫[X] (f + g) dμ = ∫[E] (f + g) dμ である。 よって、 ∫[E] (f + g) dμ = ∫[E] f dμ + ∫[E] g dμ を証明すればよい。
E を f, g, f + g の正負によって6個の集合に分割する。
即ち、
A = { x ∈ E | f(x) ≧ 0, g(x) ≧ 0, f(x) + g(x) ≧ 0 }
B = { x ∈ E | f(x) ≧ 0, g(x) < 0, f(x) + g(x) ≧ 0 }
C = { x ∈ E | f(x) ≧ 0, g(x) < 0, f(x) + g(x) < 0 }
D = { x ∈ E | f(x) < 0, g(x) ≧ 0, f(x) + g(x) ≧ 0 }
E = { x ∈ E | f(x) < 0, g(x) ≧ 0, f(x) + g(x) < 0 }
F = { x ∈ E | f(x) < 0, g(x) < 0, f(x) + g(x) < 0 }
E = A ∪ . . . ∪ F である。
(続く)
495 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 15:11:32
>>494 の続き。
>>484, >>485 より ∫[E] f dμ = ∫[A] f dμ + . . . + ∫[F] f dμ ∫[E] g dμ = ∫[A] g dμ + . . . + ∫[F] g dμ
よって、 A, B , . . , F の各部分で ∫ (f + g) dμ = ∫ f dμ + ∫ g dμ を証明すればよい。
>>464 より A と F では明らかである。
B では、f ≧ 0, -g ≧ 0, f + g ≧ 0 である。 f = (f + g) + (-g) だから
∫[B] f dμ = ∫[B] (f + g) dμ - ∫[B] g dμ よって ∫[B] (f + g) dμ = ∫[B] f dμ + ∫[B] g dμ
他の部分でも同様である。 証明終
496 :1stVirtue ◆.NHnubyYck :2007/09/03(月) 17:09:35
Reply:>>480 お前は何をたくらんでいる?
497 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 17:11:11
命題 (X, Φ, μ) を 測度空間(>>317)とする。 f を積分可能(>>472)な関数とする。
c を有限実数とすると、 ∫[X] cf dμ = c∫[X] f dμ
証明 c ≠ 0 の場合は、>>474 で証明されている。
c = 0 のときは >>476 の規約 0(+∞) = 0, 0(-∞) = 0 より cf = 0 よって、>>431 より ∫[X] cf dμ = 0
勿論、c∫[X] f dμ = 0 であるから、 ∫[X] cf dμ = c∫[X] f dμ 証明終
498 :132人目の素数さん:2007/09/03(月) 17:16:39
>>480 どこのスレよ
499 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 17:37:34
命題 (X, Φ, μ) を測度空間(>>317)とする。 (f_n), n ≧ 0 を可測関数の列で次の条件を満たすとする。
(1) 各 n に対して、 f_n ≧ 0 (2) 各 n に対して、 S(f_n) の測度は σ-有限(>>448) である。
f(x) = Σf_n(x) とおく。
このとき、S(f) の測度は σ-有限(>>448)であり、
∫[X] f dμ = Σ∫[X] f_n dμ
証明 g_n = f_0 + . . . + f_n とおく。
0 ≦ g_0 ≦ g_1 ≦ . . . ≦ +∞ 任意の x ∈ X において n → ∞ のとき g_n(x) → f(x)
>>456 より S(g_n) の測度は σ-有限であり、 >>457 より S(f) の測度は σ-有限(>>448) である。
よって、Lebesgue の単調収束定理(>>445) より、 n → ∞ のとき ∫[X] g_n dμ → ∫[X] f dμ
>>464 より、 Σ∫[X] g_n dμ = ∫[X] f_0 dμ + . . . + ∫[X] f_n dμ
よって、 ∫[X] f dμ = Σ∫[X] f_n dμ 証明終
500 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 18:39:13
命題(Fatou の補題) (X, Φ, μ) を測度空間(>>317)とする。 (f_n), n ≧ 0 を可測関数の列で次の条件を満たすとする。 (1) 各 n に対して、 f_n ≧ 0 (2) 各 n に対して、 S(f_n) の測度は σ-有限(>>448)である。
f = lim inf f_n とおく(>>289)。 >>295 と >>296 より f は可測である。
このとき、S(f) の測度は σ-有限であり、 ∫[X] f dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ 即ち、∫[X] (lim inf f_n) dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ
証明
g_n = inf{f_0, . . . , f_n} とおく。
0 ≦ g_0 ≦ g_1 ≦ . . . ≦ +∞
任意の x ∈ X において n → ∞ のとき g_n(x) → f(x)
f_0(x) = 0 なら、g_n(x) = 0 である。 よって、S(g_n) ⊂ S(f_0) よって、S(g_n) の測度は σ-有限である。 >>457 より S(f) の測度は σ-有限である。
よって、Lebesgue の単調収束定理(>>445) より、 n → ∞ のとき ∫[X] g_n dμ → ∫[X] f dμ
一方、各 n に対して、g_n ≦ f_n だから >>441 より、 ∫[X] g_n dμ ≦ ∫[X] f_n dμ 両辺の lim inf をとれば、 lim ∫[X] g_n dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ よって、∫[X] f dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ 証明終
501 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 19:08:15
命題 (X, Φ, μ) を測度空間(>>317)とする。 f : X → [0, +∞] を可測関数で、 S(f) の測度は σ-有限(>>448)とする。
E に ∫[E] f dμ を対応させる写像 ψ: Φ → [0, +∞] は 可測空間 (X, Φ) における測度である。
証明 E_0, E_1, . . . を互いに交わらない Φ の集合の列とする。 E = ∪E_n とおく。
f_n = χ_(E_n)f とし、 g_n = f_0 + . . . + f_n とする。
0 ≦ g_0 ≦ g_1 ≦ . . . ≦ +∞ 任意の x ∈ X において、十分大きな n に対して g_n(x) = f(x)
よって Lebesgue の単調収束定理(>>445) より、 n → ∞ のとき ∫[E] g_n dμ → ∫[E] f dμ
>>464 より、 Σ∫[E] g_n dμ = ∫[E] f_0 dμ + . . . + ∫[E] f_n dμ = ∫[E_0] f dμ + . . . + ∫[E_n] f dμ
よって、 ∫[E] f dμ = Σ∫[E_n] f dμ 即ち、ψ(E) = Σψ(E_n)
E が空集合のときは、μ(E) = 0 だから >>491 より ψ(E) = 0 以上から ψ は測度である。 証明終
502 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 20:40:27
命題 (X, Φ, μ) を測度空間(>>317)とする。 f と g を X から [0, +∞] への積分可能な関数とする。
>>501 より、E に ∫[E] f dμ を対応させる写像 ψ: Φ → [0, +∞] は 可測空間 (X, Φ) における測度である。
このとき、S(g) の測度は ψ に関して σ-有限であり、 S(gf) の測度は μ に関して σ-有限であり、
∫[X] g dψ = ∫[X] gf dμ である。
証明
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
E ∈ Ψ なら χ_E ∈ E(Ψ) (>>377) である。
∫[X] χ_E dψ = ∫[E] f dμ = ∫[X] (χ_E)f dμ < +∞ である(>>485)。
h = Σ(a_i)χ_(M_i) ∈ E(Ψ) とする。 ここで、a_i ≧ 0 は有限実数、M_i ∈ Φ で Σ(a_i)χ_(M_i) は有限和である。
∫[X] h dψ = Σ(a_i)∫[X] χ_(M_i) dψ = Σ(a_i)∫[M_i] f dμ = Σ(a_i)∫[X] (χ_(M_i))f dμ = ∫[X] Σ(a_i)(χ_(M_i))f dμ = ∫[X] hf dμ < +∞
(続く)
503 :132人目の素数さん:2007/09/03(月) 20:43:15
>>500
Kummer さん、こんばんは。 さて、ちょっとしたミスの指摘です:
>g_n = inf{f_0, . . . , f_n} とおく。
とありますが、lim g_n = liminf f_n
とする以上、g_n = inf { f_m ; m ≧ n }
ではありませんか?
少なくともそうでないと、g_0 ≦ g_1 ≦ g_2 ≦・・・
は一般には成り立ちませんが・・。
あとは、S(g_n) ⊆ S(f_n), g_n ≦ f_n から、証明は、そのまま通用します。
504 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 20:45:04
>>502 の続き。
∫[X] g dμ < +∞ だから、>>468 より、 E(Ψ) に属す単関数の列 (s_n) で次のようなものが存在する。
1) 0 ≦ s_1 ≦ s_2 ≦ . . . ≦ g 2) 全ての x ∈ X において、n → ∞ のとき s_n(x) → g(x)
>>502 の最後より、∫[X] s_n dψ < +∞ に注意する。
Lebesgue の単調収束定理(>>445)より、 n → ∞ のとき、∫[X] s_n dψ → ∫[X] g dψ
>>502 の最後より、∫[X] s_n dψ = ∫[X] (s_n)f dμ だから n → ∞ のとき、∫[X] (s_n)f dμ → ∫[X] g dψ
一方、 0 ≦ (s_0)f ≦ (s_1)f ≦ . . . ≦ +∞ 任意の x ∈ X において n → ∞ のとき s_n(x)f(x) → g(x)f(x)
S((s_n)f) の測度は μ に関して有限である。 よって、Lebesgue の単調収束定理(>>445)より、 n → ∞ のとき、∫[X] (s_n)f dμ → ∫[X] gf dμ
即ち、∫[X] g dψ = ∫[X] gf dμ 証明終
505 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 20:54:09
>>503
そうですね(汗)。 有難うございます。
506 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 20:57:52
>>500 の修正。 命題(Fatou の補題) (X, Φ, μ) を測度空間(>>317)とする。 (f_n), n ≧ 0 を可測関数の列で次の条件を満たすとする。 (1) 各 n に対して、 f_n ≧ 0 (2) 各 n に対して、 S(f_n) の測度は σ-有限(>>448)である。
f = lim inf f_n とおく(>>289)。 >>295 と >>296 より f は可測である。
このとき、S(f) の測度は σ-有限であり、 ∫[X] f dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ 即ち、∫[X] (lim inf f_n) dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ
証明
g_n = inf{f_n, f_(n+1), . . .} とおく。
0 ≦ g_0 ≦ g_1 ≦ . . . ≦ +∞
任意の x ∈ X において n → ∞ のとき g_n(x) → f(x)
各 n に対して、0 ≦ g_n ≦ f_n だから f_n(x) = 0 なら、g_n(x) = 0 である。 よって、S(g_n) ⊂ S(f_n) よって、S(g_n) の測度は σ-有限である。 >>457 より S(f) の測度は σ-有限である。 よって、Lebesgue の単調収束定理(>>445) より、 n → ∞ のとき ∫[X] g_n dμ → ∫[X] f dμ
一方、各 n に対して、g_n ≦ f_n だから >>441 より、 ∫[X] g_n dμ ≦ ∫[X] f_n dμ 両辺の lim inf をとれば、 lim ∫[X] g_n dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ よって、∫[X] f dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ 証明終
507 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 23:05:37
次の命題はまだ証明していなかった(>>310 の関数は値域が有限である)。
命題 (X, Φ) を可測空間(>>211)とし、 f と g を X から [0, +∞] への写像とする。
f と g が可測(>>213)なら、f + g も可測である。
証明 >>304 より、次の条件を見たす可測で有限な単関数(>>298) f_n と g_n が存在する。
1) 0 ≦ f_1 ≦ f_2 ≦ . . . ≦ f 2) 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき f_n(x) → f(x)
3) 0 ≦ g_1 ≦ g_2 ≦ . . . ≦ g 4) 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき g_n(x) → g(x)
よって、n → ∞ のとき f_n(x) + g_n(x) → f(x) + g(x) である。 >>307 より、f_n(x) + g_n(x) は可測である。
f + g = lim sup(f_n + g_n) である(>>289)から >>295, >>296 より f + g は可測である。 証明終
508 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 23:09:54
次の命題もまだ証明していなかった(>>315 の関数は値域が有限である)。
命題 (X, Φ) を可測空間(>>211)とし、 f と g を X から [0, +∞] への写像とする。
f と g が可測(>>213)なら、 fg も可測である。
証明 >>304 より、次の条件を見たす可測で有限な単関数(>>298) f_n と g_n が存在する。
1) 0 ≦ f_1 ≦ f_2 ≦ . . . ≦ f 2) 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき f_n(x) → f(x)
3) 0 ≦ g_1 ≦ g_2 ≦ . . . ≦ g 4) 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき g_n(x) → g(x)
よって、 n → ∞ のとき f_n(x)g_n(x) → f(x)g(x) である。
>>314 より、(f_n)(g_n) は可測である。
fg = lim sup(f_n)(g_n) である(>>289)から >>295, >>296 より fg は可測である。 証明終
509 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 23:22:38
>>508 の証明は間違っているので没。
n → ∞ のとき f_n(x) → +∞ n → ∞ のとき g_n(x) → 0 の場合、f_n(x)g_n(x) → 0 となるとは限らない。
510 :132人目の素数さん:2007/09/03(月) 23:30:34
>>509
おじゃましまーす。
>>508 , 大丈夫じゃないですか? なぜなら、規約 0・(+∞) = 0 を使えば、 g_n(x) → 0 とは、g_n(x) の単調性より 0 ≦ g_1(x) = g_2(x) = ... = g_n(x) = 0, かつ g(x) = 0 を意味しているのだから、 常に f_n(x) g_n(x) = 0 , 且つ f(x) g(x) = 0 ですよね?
