最終更新日時 2011年03月06日 (日) 21時47分17秒
代数的整数論 005 (451-535)
元スレ: http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1173998720/451-535
ログ元: http://2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1173998720/451-535
ログ元: http://2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1173998720/451-535
451 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/07(木) 22:55:14
命題 D を平方数でない(正または負の)有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 F(D)/Γ の類 C が両面類であるためには、C の任意の元 (a, b, c) に 対して (a, -b, c) が C に含まれることが必要十分である。
証明 C の任意の元 (a, b, c) に対して (a, -b, c) が C に含まれれば、 >>449 より C は両面類である。
逆に C が両面類であるとする。 τ = (1, 0)/(0, -1) とおく。 C はある両面形式 f を含むから、>>449 より fτ ∈ C である。
g を C の任意の元とする。 このとき gτ が C に含まれることを示せばよい。
f と g は C の元だから fσ = g となる σ ∈ SL_2(Z) がある。 同様に fτ と g は C の元だから fτρ= g となる ρ ∈ SL_2(Z) がある。 fσ = g より f = gσ^(-1) だから fτρ= g より gσ^(-1)τρ = g である。
よって gσ^(-1)τρτ = gτ
ここで κ = σ^(-1)τρτ とおくと gκ = gτ
det(κ) = 1 だから gκ 従って gτ は C に含まれる。 証明終
452 :132人目の素数さん:2007/06/08(金) 05:32:04 ?2BP(1000)
このすれはノートか
453 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/08(金) 09:02:21
このスレの内容についてコメントなり質問をしてください。 わからないところがあったら説明します。
内容に関係ないレスは原則として返事をしないのであしからず。
454 :132人目の素数さん:2007/06/08(金) 09:10:43
スレの目標と言うか今後のロードマップみたいなものは どこかに書き込まれてまつか。 それと使用予定の参考文献とか。
455 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/08(金) 22:07:34
>>454
基本的な方針は代数的整数論を出来る限り歴史的順序に従って述べようと いうことです。 ただし、実際の歴史と同じように述べてもあまり意味はないし、 不可能です。 そこで、適宜現代的視点を取り入れていこうと思います。 大げさに言うと、古典と現代の融合を狙っています。
この方針と関係しますが、構成的方法の重視というのもあります。 つまり計算アルゴリズムを常に意識していこうと思っています。
今後の予定としては、2元2次形式論の初等的な部分を終ったら2次体の 類数公式をやる予定です。
次に、Hilbert の Bericht の内容を現代的な方法で扱いたい。 ここで種々の相互法則が出てくるでしょう。
類体論の成立過程を高次べき剰余の相互法則とからめてやりたいというのが 基本にあります。
それから類体論の成立過程で重要な役割をしているのが虚数乗法論です。 従って、これもやりたいと思ってます。
456 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/08(金) 22:09:05
>>454 過去スレ3より 以下、今までに参考にした、またはこれから参考にする予定の本や論文を挙げる(全部ではない)。 Bourbakiの位相、代数、位相ベクトル空間、積分、可換代数 Weilの位相群上の積分とその応用 Hewitt-Rossの位相群上の調和解析 van der Weardenの代数学 秋月・鈴木の高等代数学 II Artin, et al の Rings with minimum conditon Cartan-EilenbergのHomological Algebra Zariski-Samuelの可換代数 Serre の Local Algebra Edwards の Fermat's Last Theorem Gaussの数論考究(英訳) Dirichletの整数論講義(和訳) Hilbertの Bericht(英訳) Heckeの代数的整数論講義(英訳) 高木の代数学、初等整数論、代数的整数論 高木の類体論の論文(1920)その他 Artinの一般相互法則に関する論文(1926)その他 Hasseの Bericht Hasseの類体論に関するいくつかの論文 Herbrandの代数的整数論に関する2,3の論文 Chevalleyの類体論に関する2,3の論文。 Deuringの Algebren Artinの Algebraic Numbers and Algebraic Functions Artin-Tateの Class Field Theory Serreの Local Fields 岩沢の 局所類体論 Cassels & Frohlich Weilの Basic Number Theory Langの Algebraic Number Theory Neukirchの代数的整数論
457 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/08(金) 22:13:35
>>454 参考ないし参考予定の文献は過去スレ3の673に書いてあります。 しかし、あれから半年以上たっているので新たに参考にしたものも あります。
Zagier の数論入門(岩波)
Buell の Binary quadratic forms
Cohen の A course in computational algebraic number theory
Cox の Primes of the Form x2 + ny2: Fermat, Class Field Theory, and Complex Multiplication
などです。
これ等は、過去スレ4とこのスレで参考とした箇所に書いてあります。 基本的に、参考にした文献は随時書いていきます。
458 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/08(金) 22:33:46
命題 D を平方数でない(正または負の)有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 F(D)/Γ の類 C が両面類(>>450(なら、C の任意の2元 (同じであってもよい) f, g に対して fρ = g となる ρ ∈ GL_2(Z) で det(ρ) = -1 となるものが存在する。
証明 τ = (1, 0)/(0, -1) とおく。 >>449 と >>451 より gτ は C に含まれる。 よって fσ = gτ となる σ ∈ SL_2(Z) がある。 τ^2 = 1 だから fστ = g である。 ρ = στ が求めるものである。 証明終
459 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/09(土) 00:31:11
参考文献を追加します。
Serre の A course in arithmetic Ireland-Rosen の A classical introduction to modern number theory Lemmermeyer の Reciprocity laws Samuel 数の代数的理論 Marcus Number fields Frohlich-Taylor の Algebraic number theory Cassels の Local fields Hasse の Number theory Gras の Class field theory Koch の Algebraic number theory Cohen の Advanced topics in computational number theory Sliverman の The arithmetic of elliptic curves Lang の Elliptic functions Lang の Complex multiplication Weber の Algebra III Shimura の Introduction to arithmetic theory of automorphic functions
460 :454:2007/06/09(土) 11:01:32
ご丁寧にありがとうございます。 自分にはまだまだ敷居が高いのですが、 提示していただいた参考文献に何とか挑戦してみようかと思います。
横から失礼致しました。
461 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/13(水) 13:11:54
D を平方数でない(正または負の)有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
判別式 D の2次形式の集合を F(D) と書いた(>>184)。
判別式 D の原始的2次形式の集合を F_0(D) と書いた(>>220)。
D < 0 のときは、判別式 D の正定値(過去スレ293)な2次形式の集合を F+(D) と書く。 さらに、判別式 D の正定値かつ原始的な2次形式の集合を (F_0)+(D) と 書く。
F(D) を Γ = SL_2(Z) の作用(>>184)で類別した集合を F(D)/Γ と書く。 F_0(D)/Γ, F+(D)/Γ, (F_0)+(D)/Γ も同様に定義する。
462 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/13(水) 21:47:21
D < 0 のとき F(D)/Γの構造を調べる。
f = (a, b, c) と g = (k, l, m) が F(D)/Γ の同じ類に属すとする。 fσ = g となる σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) がある。
過去スレ4の280より k = ap^2 + bpr + cr^2 l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs m = aq^2 + bqs + cs^2
ak = a(ap^2 + bpr + cr^2) = (ap + (b/2)r)^2 + acr^2 - (b^2)(r^2)/4 = (ap + (b/2)r)^2 + r^2(4ac - b^2)/4 = (ap + (b/2)r)^2 + r^2|D|/4 > 0
よって a と k は同符号である。 よって F(D)/Γ の各類の元はすべて正定値またはすべて負定値 (過去スレ293)である。
463 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/13(水) 21:52:34
f = (a, b, c) が判別式 D の正定値な2次形式であれば、 -f = (-a, -b, -c) は判別式 D の負定値(過去スレの293)な 2次形式である。
g = (k, l, m) が判別式 D の次形式で f と同値なら、 即ち fσ = g となる σ ∈ SL_2(Z) があれば、 過去スレ4の280より k = ap^2 + bpr + cr^2 l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs m = aq^2 + bqs + cs^2
よって -k = -ap^2 - bpr - cr^2 -l = -2apq - b(ps + qr) - 2crs -m = -aq^2 - bqs - cs^2
よって (-a, -b, -c)σ = (-k, -l, -m) である。
逆に (-a, -b, -c) と (-k, -l, -m) が同値なら、 (a, b, c) と (k, l, m) も同値になる。
以上から、判別式 D の負定値な2次形式の集合を F-(D) と書けば、 F(D) = F+(D) ∪ F-(D) F(D)/Γ = (F+(D)/Γ) ∪ (F-(D)/Γ) であり F+(D)/Γ と F-(D)/Γ は集合として同型である。 よって |F(D)/Γ| = 2|F+(D)/Γ|
464 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/13(水) 21:57:25
D を平方数でない(正または負の)有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 f = (a, b, c) を判別式 D の2次形式とする。 gcd(a, b, c) を記号の濫用だが gcd(f) とも書くことにする。
g = (k, l, m) が判別式 D の2次形式で f と同値なら、 過去スレの282より gcd(f) = gcd(g) である。
よって C が F(D)/Γ の類のとき C の各元の gcd は同じである。 これを gcd(C) と書くことにする。 よって F(D)/Γ の各類は同じ gcd を持つものをひとつのグループと することにより、いくつかのにグループに分類出来る。 各グループを判別式 D のオーダー(order)と呼ぶ(Gauss D.A. art. 226)。 定義から各オーダーに属す類の gcd は同じである。 これをそのオーダーの gcd と呼ぶ。 定義から gcd が1のオーダーは F_0(D)/Γである。
因みにオーダーという用語は生物分類学における「目(もく)」(order)から 来たものと思われる。
F(D)/Γ の各類は英語で class というが、これは生物分類学における 「網(こう)」にあたる。
465 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/13(水) 22:05:27
D を平方数でない(正または負の)有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 判別式 D の整環(過去スレ4の418,421,424)を O(D) と書く。 O(D) の導手(過去スレ4の423)を f(D) と書く。
2次体 Q(√D) の判別式を d とする。O(d) は Q(√D) の主整環である。 1, ω を O(d) の標準基とすると、O(D) = [1, f(D)ω] である。 D = (f(D))^2 d である(過去スレ4の425)。
(a, b, c) を判別式 D の2次形式とする。 g = gcd(a, b, c) とする。
a = ga' b = gb' c = gc'
とすれば (a', b', c') は原始的(過去スレ4の279)な2次形式である。 その判別式を D' とすれば D = (g^2)((b')^2 - 4a'c') = (g^2)D'
D' = (f(D'))^2 d だから (f(D))^2 d = (g^2)(f(D'))^2 d よって (f(D))^2 = (g^2)(f(D'))^2 よって f(D) = gf(D')
よって O(D) = [1, f(D)ω] ⊂ O(D') = [1, f(D')ω] ⊂ O(d) = [1, ω] よって [O(D') : O(D)] = g である。 ここで [O(D') : O(D)] はアーベル群 O(D')/O(D) の位数を表す。
466 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/13(水) 22:19:16
D を平方数でない(正または負の)有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 f = (a, b, c) と g = (k, l, m) を判別式 D の2次形式とする。 e = gcd(a, b, c) = gcd(k, l, m) とする。
a = ea' b = eb' c = ec'
k = ek' l = el' m = em'
とすれば (a', b', c') と (k', l', m') は原始的な2次形式である。
f = (a, b, c) と g = (k, l, m) が F(D)/Γ の同じ類に属すとする。 fσ = g となる σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) がある。
過去スレ4の280より k = ap^2 + bpr + cr^2 l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs m = aq^2 + bqs + cs^2
これから (a', b', c')σ = (k', l', m') となる。
467 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/13(水) 22:32:12
逆に2次形式 (a', b', c') と (k', l', m') が同値なら、 任意の有理整数 e ≠ 0 に対して a = ea' b = eb' c = ec'
k = ek' l = el' m = em'
とおくと、(a, b, c) と (k, l, m) は同値である。 よって >>465 と >>466 より gcd が e の F(D)/Γ の類と F_0(D')/Γ の類は1対1に対応する。 ここで D' = D/e^2 である。
すなわち判別式 D の gcd が e のオーダー(>>464)と F_0(D')/Γ は 集合として同型である。
468 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/13(水) 22:57:24
D を平方数でない(正または負の)有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 判別式 D の整環を O(D) と書き、O(D) の導手を f(D) と書いた(>>465)。 2次体 Q(√D) の判別式を d とすると D = (f(D))^2 d である。 f(D) の任意の約数 e > 0 に対して D' = (f(D)/e)^2 d とおくと、 D' は導手 f(D)/e の整環 O(D') の判別式である。
従って、>>465 と >>467 より
|F(D)/Γ| = Σ |F_0(D')/Γ|
ここで D' = (f(D)/e)^2 d であり、e は f(D) の約数 e > 0 全体を 動く。
469 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/13(水) 23:12:18
>>468 より D のオーダー(>>464)と O(D) ⊂ O(D') となる 2次体 Q(√D) の整環 O(D') とは1対1に対応する。
これが整環を英語で order (ドイツ語で ordnung)と呼ぶ理由である。 Grauert によると Cartan が解析的連接層を O と書いたのは これに遠因があるらしい。
470 :132人目の素数さん:2007/06/17(日) 04:10:00
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471 :132人目の素数さん:2007/06/17(日) 04:11:00
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472 :132人目の素数さん:2007/06/17(日) 04:12:00
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473 :132人目の素数さん:2007/06/17(日) 04:13:00
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474 :132人目の素数さん:2007/06/17(日) 04:14:00
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475 :132人目の素数さん:2007/06/17(日) 04:15:00
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476 :132人目の素数さん:2007/06/18(月) 04:10:00
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477 :132人目の素数さん:2007/06/18(月) 04:11:01
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478 :132人目の素数さん:2007/06/18(月) 04:12:00
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479 :132人目の素数さん:2007/06/18(月) 04:13:00
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480 :132人目の素数さん:2007/06/18(月) 04:14:00
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481 :132人目の素数さん:2007/06/18(月) 04:15:00
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482 :132人目の素数さん:2007/06/19(火) 04:10:00
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483 :132人目の素数さん:2007/06/19(火) 04:11:00
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484 :132人目の素数さん:2007/06/19(火) 04:12:00
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485 :132人目の素数さん:2007/06/19(火) 04:13:00
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486 :132人目の素数さん:2007/06/19(火) 04:14:00
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487 :132人目の素数さん:2007/06/19(火) 04:15:00
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488 :132人目の素数さん:2007/06/21(木) 04:10:00
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489 :132人目の素数さん:2007/06/21(木) 04:11:00
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490 :132人目の素数さん:2007/06/21(木) 04:12:00
31
491 :132人目の素数さん:2007/06/21(木) 04:13:00
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492 :132人目の素数さん:2007/06/21(木) 04:14:00
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493 :132人目の素数さん:2007/06/21(木) 04:15:00
28
494 :132人目の素数さん:2007/06/23(土) 04:09:59
27
495 :132人目の素数さん:2007/06/23(土) 04:11:03
26
496 :132人目の素数さん:2007/06/23(土) 04:12:00
25
497 :132人目の素数さん:2007/06/23(土) 04:13:00
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498 :132人目の素数さん:2007/06/23(土) 04:14:00
25
499 :132人目の素数さん:2007/06/23(土) 04:15:00
24
500 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/24(日) 15:52:55
D を平方数でない(正または負の)有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とする。 m を ax^2 + bxy + cy^2 で表現される有理整数とする (過去スレ4の701)。
即ち不定方程 m = ax^2 + bxy + cy^2 に有理整数解 (u, v) があるとする。
α= au + (b + √D)v/2 とおく。
N(α) = (au + (b + √D)v/2)(au + (b - √D)v/2) = a^2u^2 + au(b - √D)v/2 + au(b + √D)v/2) + (4acv^2)/4 = a^2u^2 + aub + acv^2 = am
一方 α = au + (b + √D)v/2 = au + (b - D + D + √D)v/2 = au + (b - D)/2 + (D + √D)v/2
判別式 D の整環を R とすると、 R = [1, (D + √D)/2] である(過去スレ4の585)。
一方 D = b^2 -4ac だから b^2 ≡ D (mod 4) よって b が偶数のときは 0 ≡ D (mod 4) となって D も偶数であり、 b が奇数のときは 1 ≡ D (mod 4) となって D も奇数である。 よって (b - D)/2 は有理整数である。
よって α = au + (b - D)/2 + (D + √D)v/2 は R の元である。
501 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/24(日) 16:36:35
>>500 はこれから説明しようとすることと直接関係がなかった。 従って、ひとまず忘れてください。 ただし、後で参照するかもしれない。
502 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/24(日) 16:49:36
D を平方数でない(正または負の)有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とする。 k を ax^2 + bxy + cy^2 で表現される有理整数とする (過去スレ4の701)。
即ち不定方程 m = ax^2 + bxy + cy^2 に有理整数解 (p, r) があるとする。
m' を ax^2 + bxy + cy^2 で表現される有理整数とする 即ち不定方程 m' = ax^2 + bxy + cy^2 に有理整数解 (q, s) があるとする。
ax^2 + bxy + cy^2 に 一次変換 x = pu + qv y = ru + sv を施すと
過去スレ4の280より k = ap^2 + bpr + cr^2 l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs m = aq^2 + bqs + cs^2 となる。 ただし、過去スレ4の280では ps - qr = ±1 と仮定したが この仮定がなくてもこの関係式が成り立つことは明らかである。
過去スレ4の281より l^2 - 4km = D(ps- qr)^2 よって 4km = l^2 - D(ps- qr)^2
503 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/24(日) 16:51:36
>>502 は没。
504 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/24(日) 16:52:34
D を平方数でない(正または負の)有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とする。 k を ax^2 + bxy + cy^2 で表現される有理整数とする (過去スレ4の701)。
即ち不定方程 k = ax^2 + bxy + cy^2 に有理整数解 (p, r) があるとする。
m を ax^2 + bxy + cy^2 で表現される有理整数とする 即ち不定方程 m = ax^2 + bxy + cy^2 に有理整数解 (q, s) があるとする。
ax^2 + bxy + cy^2 に 一次変換 x = pu + qv y = ru + sv を施すと
過去スレ4の280より k = ap^2 + bpr + cr^2 l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs m = aq^2 + bqs + cs^2 となる。 ただし、過去スレ4の280では ps - qr = ±1 と仮定したが この仮定がなくてもこの関係式が成り立つことは明らかである。
過去スレ4の281より l^2 - 4km = D(ps- qr)^2 よって 4km = l^2 - D(ps- qr)^2
505 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/25(月) 21:30:56
命題(Gauss D.A. art. 229) D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 p を D を割る奇素数とし、 f = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とする。
m を f で表現される有理整数で p と素となるものとすると、 (m/p) は f と p だけで定まり, m の取り方によらない。 ここで (m/p) は Legendre の記号(過去スレ3の746)である。
証明 k と m を f で表現される有理整数で p と素とする。 >>504 より 4km = s^2 - Dt^2 となる有理整数 s, t がある。 よって 4km ≡ s^2 (mod p) となる。 よって (4km/p) = (km/p) = 1 である。 よって (k/p) = (m/p) である。 証明終
506 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/26(火) 20:49:41
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 (mod 4) とする。 D' = D/4 とおく。
f = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とする。 k と m を f で表現される有理整数でともに奇数とする。 >>504 より 4km = s^2 - Dt^2 となる有理整数 s, t がある。
s^2 ≡ 4km + Dt^2 ≡ 0 (mod 4) だから、 s^2 = 4u^2 となる有理整数 u がある。
よって 4km =s^2 - Dt^2 = 4u^2 - 4D't^2 より km = u^2 - D't^2 となる。
507 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/26(火) 20:58:34
>>506 の続き。
---------------------------------------------- D' ≡ 0 (mod 8) のとき km = u^2 - D't^2 より km ≡ u^2 (mod 8) となる。
u^2 ≡ 0, 1, 4, 1, 0, 1, 4, 1 (mod 8) だから km が奇数に注意して
km ≡ 1 (mod 8) となる。
---------------------------------------------- D' ≡ 1 (mod 8) のとき km = u^2 - D't^2 より km ≡ u^2 - t^2 (mod 8) となる。
u^2 ≡ 0, 1, 4, 1, 0, 1, 4, 1 (mod 8) t^2 ≡ 0, 1, 4, 1, 0, 1, 4, 1 (mod 8) だから
km ≡ 1, 3, 5, 7 (mod 8) となる。
--------------------- D' ≡ 2 (mod 8) のとき km ≡ u^2 - 2t^2 (mod 8)
u^2 = 0, 1, 4, 1, 0, 1, 4, 1 2t^2 ≡ 0. 2, 0, 2, 0, 2, 0, 2 だから
km ≡ 1, 7 (mod 8) となる。
508 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/26(火) 21:01:29
>>507 の続き。
---------------------------------------------- D' ≡ 3 (mod 8) のとき km ≡ u^2 - 3t^2 (mod 8)
u^2 = 0, 1, 4, 1, 0, 1, 4, 1 3t^2 ≡ 0. 3, 4, 3, 0, 3, 4, 3 だから
km ≡ 1, 5 (mod 8) となる。 ---------------------------------------------- D' ≡ 4 (mod 8) のとき km ≡ u^2 - 4t^2 (mod 8)
u^2 = 0, 1, 4, 1, 0, 1, 4, 1 4t^2 ≡ 0. 4, 0, 4, 0, 4, 0, 4 だから
km ≡ 1, 5 (mod 8) となる。 ---------------------------------------------- D' ≡ 5 (mod 8) のとき km ≡ u^2 - 5t^2 (mod 8)
u^2 = 0, 1, 4, 1, 0, 1, 4, 1 5t^2 ≡ 0. 5, 4, 5, 0, 5, 4, 5 だから
km ≡ 1, 3, 5, 7 (mod 8) となる。
509 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/26(火) 21:04:02
>>508 の続き。
---------------------------------------------- D' ≡ 6 (mod 8) のとき km ≡ u^2 - 6t^2 (mod 8)
u^2 = 0, 1, 4, 1, 0, 1, 4, 1 6t^2 ≡ 0. 6, 0, 6, 0, 6, 0, 6 だから
km ≡ 1, 3 (mod 8) となる。
---------------------------------------------- D' ≡ 7 (mod 8) のとき km ≡ u^2 - 7t^2 (mod 8)
u^2 = 0, 1, 4, 1, 0, 1, 4, 1 7t^2 ≡ 0. 7, 4, 7, 0, 7, 4, 7 だから
km ≡ 1, 5 (mod 8) となる。
510 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/26(火) 21:24:49
>>507 と >>508 より D' ≡ 1 (mod 8) と D' ≡ 5 (mod 8) のときは km ≡ 1, 3, 5, 7 (mod 8) だから、これは km が奇数であるという 事実の他に何の情報も与えない。 よって、この場合は除外して考えてよい。
よって以下の4パターンに分けられる。
1) D' ≡ 0 (mod 8) のとき km ≡ 1 (mod 8) 2) D' ≡ 2 (mod 8) のとき km ≡ 1, 7 (mod 8) 3) D' ≡ 3, 4, 7 (mod 8) のとき km ≡ 1, 5 (mod 8) 4) D' ≡ 6 (mod 8) のとき km ≡ 1, 3 (mod 8)
511 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/27(水) 06:38:25
有理整数の集合 Z から {±1} への写像ψ_1, ψ_2 を
r が偶数のとき ψ_1(r) = 0, ψ_2(r) = 0
r が奇数のとき
ψ_1(r) = (-1)^(r-1)/2
ψ_2(r) = (-1)^(r^2 - 1)/8
で定義する。
r ≡ s (mod 4) なら ψ_1(r) ≡ ψ_1(s) (mod 4) r ≡ s (mod 8) なら ψ_2(r) ≡ ψ_2(s) (mod 8) である。
過去スレ4の893より a, b を奇数とすれば (ab - 1)/2 ≡ (a - 1)/2 + (b - 1)/2 (mod 2) よって ψ_1(ab) = ψ_1(a)ψ_1(b)
過去スレ4の894より a, b を奇数とすれば (a^2b^2 - 1)/8 ≡ (a^2 - 1)/8 + (b^2 - 1)/8 (mod 2) よって ψ_2(ab) = ψ_2(a)ψ_2(b)
512 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/27(水) 06:41:32
>>510 の続き。
>>511 より
ψ_1(1) = 1 ψ_1(3) = -1 ψ_1(5) = 1 ψ_1(7) = -1
ψ_2(1) = 1 ψ_2(3) = -1 ψ_2(5) = -1 ψ_2(7) = 1
よって
1) km ≡ 1 (mod 8) ⇔ ψ_1(km) = ψ_2(km) 2) km ≡ 1, 7 (mod 8) ⇔ ψ_2(km) = 1 3) km ≡ 1, 5 (mod 8) ⇔ ψ_1(km) = 1 4) km ≡ 1, 3 (mod 8) ⇔ ψ_1(km)ψ_2(km) = 1
513 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/27(水) 20:59:48
>>512 を以下のように訂正する。
>>510 の続き。
>>511 より
ψ_1(1) = 1 ψ_1(3) = -1 ψ_1(5) = 1 ψ_1(7) = -1
ψ_2(1) = 1 ψ_2(3) = -1 ψ_2(5) = -1 ψ_2(7) = 1
よって
1) km ≡ 1 (mod 8) ⇔ ψ_1(km) = ψ_2(km) = 1 2) km ≡ 1, 7 (mod 8) ⇔ ψ_2(km) = 1 3) km ≡ 1, 5 (mod 8) ⇔ ψ_1(km) = 1 4) km ≡ 1, 3 (mod 8) ⇔ ψ_1(km)ψ_2(km) = 1
514 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/27(水) 21:01:21
>>513 の続き。
有理整数の集合 Z から {±1} への写像 χ_2 を
1) D' ≡ 0 (mod 8) のとき χ_2 = ψ_1 2) D' ≡ 2 (mod 8) のとき χ_2 = ψ_2 3) D' ≡ 3, 4, 7 (mod 8) のとき χ_2 = ψ_1 4) D' ≡ 6 (mod 8) のとき χ_2 = ψ_1ψ_2
で定義する。
χ_2 は D により一意に決まる。
515 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/27(水) 21:10:28
命題 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 (mod 4) とする。 f = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とする。
m を f で表現される奇数とすると、χ_2(m) は f だけで定まり、 m の取り方によらない。 ここで χ_2 は >>514 で定義した写像である。
証明 >>513 と >>514 より明らかである。
516 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/27(水) 21:11:27
命題 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 f = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の原始的な2次形式とする。 任意の素数 p に対して f により固有(過去スレ4の701)に表現される数 で p と素であるものが存在する。
証明 a が p で割れないとする。 x として p で割れず、y として p で割れ gcd(x, y) = 1 となるものをとれば、 ax^2 + bxy + cy^2 ≡ ax^2 (mod p) だから ax^2 + bxy + cy^2 は p で割れない。
c が p で割れないとする。 x として p で割れ、y として p で割れず、 gcd(x, y) = 1 となるものをとれば、 ax^2 + bxy + cy^2 ≡ cy^2 (mod p) だから ax^2 + bxy + cy^2 は p で割れない。
a と c が p で割れれば、f は原始的だから b は p で割れない。 x として p で割れず、y として p で割れず、 gcd(x, y) = 1 となるものをとれば、 ax^2 + bxy + cy^2 ≡ bxy (mod p) だから ax^2 + bxy + cy^2 は p で割れない。 証明終
517 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/27(水) 22:36:38
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
p が D を割る奇素数のとき、有理整数の集合 Z から {±1} への
写像χ_p を χ_p(m) = (m/p) により定義する。
ここで (m/p) は Legendre の記号(過去スレ3の746)である。
D ≡ 0 (mod 4) で p = 2 のときは χ_p は >>514 で定義されたもの とする。
518 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/27(水) 22:39:41
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 p を D の素因数の一つとする。
f = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の原始的2次形式とする。 >>516 より、f で表現される有理整数 m で p と素となるものが 存在する。 >>505 と>>515 より χ_p(m) は f と p だけで定まり, m の取り方に よらない。 この値を χ_p(f) と書く。
f の属す F(D)/Γ (>>461) の類を [f] と書く。 g ∈ [f] なら g で表現される有理整数の集合は f で表現される 有理整数の集合と一致する。 よって χ_p(f) = χ_p(g) である。 よって χ_p(f) は f の属す類 [f] のみで定まる。 よってこの値を χ_p([f]) と書く。
519 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/27(水) 22:43:42
>>518 を以下のように訂正する。
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
p が D を割る奇素数のとき、有理整数の集合 Z から {±1} への
写像χ_p を χ_p(m) = (m/p) により定義する。
ここで (m/p) は Legendre の記号(過去スレ3の746)である。
D ≡ 0 (mod 4) で p = 2 のときは χ_p は >>514 で定義されたもの
とする。
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 p を D の素因数の一つとする。
f = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の原始的2次形式とする。 >>516 より、f で表現される有理整数 m で p と素となるものが 存在する。 >>505 と>>515 より χ_p(m) は f と p だけで定まり, m の取り方に よらない。 この値を χ_p(f) と書く。
f の属す F_0(D)/Γ (>>461) の類を [f] と書く。 g ∈ [f] なら g で表現される有理整数の集合は f で表現される 有理整数の集合と一致する。 よって χ_p(f) = χ_p(g) である。 よって χ_p(f) は f の属す類 [f] のみで定まる。 よってこの値を χ_p([f]) と書く。
520 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/27(水) 22:51:00
>>519 において D < 0 のときは F_0(D)/Γ の代わりに (F_0)+(D)/Γ (>>461) を考えることにする。
f が判別式 D の正定値かつ原始的な2次形式のとき χ_p([f]) が >>519 と同様に定義される。
521 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/28(木) 04:25:40
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 p_1, p_2, . . . , p_r を D の素因子のすべてとする。
D > 0 のときは F_0(D)/Γ(>>461)、D < 0 のときは (F_0)+(D)/Γ (>>461)の類 C に対して、 列 χ_(p_1)(C), . . . , χ_(p_r)(C) が定まる(>>519)。
二つの類はこの列が一致するとき同じ種(genus)に属すという。 これは同値関係であり、この同値類を判別式 D の種と呼ぶ。
522 :132人目の素数さん:2007/06/28(木) 04:37:33
いつになったらhypertex化するの?? 非常に見づらいのだが。
523 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/28(木) 04:56:01
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
D ≡ 0 (mod 4) のとき (1, 0 -D/4) は判別式 D の原始的2次形式 である。
D ≡ 1 (mod 4) のとき (1, 1, (1 - D)/4) は判別式 D の 原始的2次形式である。
(1, 0 -D/4) または (1, 1, (1 - D)/4) を判別式 D の主形式と呼ぶ。 主形式の属す類を主類と呼ぶ。
>>242 より主類には Cl(D) または Cl+(D) の単位類が対応する。
524 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/28(木) 05:14:13
主類の属す種を主種と呼ぶ。
判別式 D の主形式(>>523) は (x, y) = (1, 0) とおけば 1 を表現する。 p が D の素因子のとき χ_p(1) = 1 である。
よって類 C が主種に属すためには χ_(p_1)(C) = χ_(p_2)(C) = . . . = χ_(p_r)(C) = 1 が必要十分である。
525 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/28(木) 05:38:55
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 p を D の素因子の一つとする。
判別式 D の原始的2次形式 f = ax^2 + bxy + cy^2 が与えられたとき、 χ_p(f) は以下のようにして求まる(Gauss D.A. art. 230)。
(x, y) = (1, 0) のとき f は a を表現し、 (x, y) = (0, 1) のとき f は c を表現することに注意する。
a と c がともに p で割れれば、D = b^2 - 4ac より b^2 も p で割れ、したがって b が p で割れる。 これは f が原始的という仮定に反する。
よって a または c のどちらか一方は p で割れない。 a が p で割れないときは、χ_p(f) = χ_p(a) であり、 c が p で割れないときは、χ_p(f) = χ_p(c) である。
526 :132人目の素数さん:2007/06/30(土) 01:48:47
Takayama Yoshihiro.
527 :132人目の素数さん:2007/06/30(土) 04:10:00
30
528 :132人目の素数さん:2007/06/30(土) 04:11:00
29
529 :132人目の素数さん:2007/06/30(土) 04:12:00
28
530 :132人目の素数さん:2007/06/30(土) 04:13:00
27
531 :132人目の素数さん:2007/06/30(土) 04:14:00
26
532 :132人目の素数さん:2007/06/30(土) 04:15:00
25
533 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/30(土) 15:31:36
次の命題は >>516 の命題の拡張である。
534 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/30(土) 15:32:25
命題 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 f = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の原始的な2次形式とする。 m ≠ 0 を任意の有理整数とする。 f により固有(過去スレ4の701)に表現される数で m と素であるもの が存在する。
証明(Buell の Binary quadratic forms より) P = a と c と m を割る素数の積。 Q = a と m を割るが c を割らない素数の積。 R = c と m を割るが a を割らない素数の積。 S = m を割るが a も c も割らない素数の積。 とおく。
n = aQ^2 + bQRS + c(RS)^2 とおく。 gcd(Q, RS) = 1 だから n は f により固有に表現される。
p を m の任意の素因子とする。
p が Q を割れば n ≡ c(RS)^2 (mod p) だから n は p で割れない。 p が R を割れば n ≡ aQ^2 (mod p) だから n は p で割れない。 p が S を割れば n ≡ aQ^2 (mod p) だから n は p で割れない。
p が P を割れば n ≡ bQRS (mod p) であるが b は p で割れない(割れるなら f は原始的でい)から n は p で割れない。
以上から n は m と素である。 証明終
535 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/06/30(土) 16:48:21
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 f = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の原始的2次形式とする。
平方剰余の相互法則を使うと Πχ_p(f) = 1 となることがわかる。 ここで p は D を割る素数全体を動く。 χ_p(f) は >>519 で定義したものである。
このことを証明しよう。
