最終更新日時 2011年03月05日 (土) 21時17分15秒
代数的整数論 004 (441-530)
元スレ: http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1164286624/441-530
ログ元: http://yomi.mobi/read.cgi/science6/science6_math_1164286624/441-530
ログ元: http://yomi.mobi/read.cgi/science6/science6_math_1164286624/441-530
441 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/13(土) 16:30:50 ]
命題 Rを2次体 Q(√m) の整環とし、P ≠ 0 を R の 素イデアルとする。 R_P が離散付値環(前スレ1の 645)であるためには R_P が整閉で あることが必要十分である。
証明 R_P が離散付値環なら、R_P は一意分解整域だから 前スレ3の 158 より R_P は整閉である。
逆に R_P が整閉なら >>440 と前スレ2の 555 より R_P は離散付値環 である。 証明終
442 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/13(土) 16:39:29 ]
命題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、P ≠ 0 を R の 素イデアルとする。 R_P が離散付値環であるためには P が f を含まない ことが必要十分である。
証明 Z[ω] は Z-加群 として有限生成だから R-加群としても 有限生成である。
したがって、>>436 と >>437 より R_P が整閉であるためには P が f を含まないことが必要十分である。
>>441 より、これは R_P が離散付値環であることと同値である。 証明終
443 名前:132人目の素数さん [2007/01/13(土) 17:52:12 ]
くんまー拡大!
444 名前:132人目の素数さん [2007/01/13(土) 19:31:51 ]
2次形式論卒論でやったからなつかしい。
445 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/14(日) 00:31:37 ]
定義 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。 R のイデアルを R-イデアルともいう。
446 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/14(日) 00:35:05 ]
定義 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。 I ≠ 0 を R-イデアルとする。 IZ[ω] が fZ[ω] と素のとき I を正則な R-イデアルという。
447 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/14(日) 00:54:20 ]
補題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。 P ≠ 0 を R の素イデアルとする。 このとき Z[ω] の素イデアル P ' で P = R ∩ P ' となるものが 存在する。
証明 Z[ω] は R 上整だから Cohen-Seidenberg の定理 (前スレ1の520) より補題の主張がいえる。 証明終
448 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/14(日) 01:23:58 ]
補題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。 P ≠ 0 を R の素イデアルとする。
P が正則 (>>446) であるためには P が f を含まないことが 必要十分である。
証明 P が正則でないとする。 fZ[ω] + PZ[ω] ≠ Z[ω] だから、fZ[ω] + PZ[ω] ⊂ P ' となる Z[ω] の素イデアル P ' が存在する。 >>439 より P は R の極大イデアルだから P = R ∩ P ' である。 一方、fZ[ω] ⊂ R だから fZ[ω] ⊂ P となる。
逆に fZ[ω] ⊂ P なら fZ[ω] ⊂ PZ[ω] だから P は正則でない。 証明終
449 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/14(日) 01:46:24 ]
補題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。 I ≠ 0 を R-イデアルとする。
I が正則 (>>446) であるためには I ⊂ P となる任意の R-素イデアル P が正則であることが必要十分である。
証明 I が正則であるとする。 P を I ⊂ P となる R-素イデアルとする。 P が正則でないなら >>448 より f ∈ P である。 >>447 より Z[ω] の素イデアル P ' で P = R ∩ P ' となるものが 存在する。 IZ[ω] ⊂ PZ[ω] ⊂ P ' で f ∈ P ' だから fZ[ω] + IZ[ω] ⊂ P ' となり I は正則でない。 これは仮定に反する。 よって P は正則である。
逆に、P を I ⊂ P となる R-素イデアルで正則でないとする。 fZ[ω] + PZ[ω] ≠ Z[ω] だから fZ[ω] + IZ[ω] ≠ Z[ω] となり I は正則でない。 証明終
450 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/14(日) 02:00:28 ]
補題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。 P ≠ 0 を R の素イデアルとする。
P が正則であるためには R_P が離散付値環であることが 必要十分である。
証明 >>442 と >>448 より明らかである。
451 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/14(日) 02:19:25 ]
命題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。 I と J を正則な R-イデアル (>>446) とする。
IZ[ω] = JZ[ω] なら I = J である。
証明 P を R の素イデアルとする。 S = R - P とおく。S は R の積閉部分集合である。 Z[ω]_S を Z[ω]_P と書くことにする。 >>433 より Z[ω]_P は R_P の K における整閉包である。
P が正則なら、>>450 より R_P は離散付値環だから整閉である。 よって Z[ω]_P = R_P である。 IZ[ω] = JZ[ω] より I(Z[ω]_P) = J(Z[ω]_P) であるから I(R_P) = J(R_P) である。
P が正則でないなら、>>449 より I ⊂ P ではない。 よって I(R_P) = R_P である。 同様に J(R_P) = R_P である。
以上から R の任意の素イデアル P ≠ 0 に対して I(R_P) = J(R_P) である。
従って、前スレ3の 587 より I = J である。 証明終
452 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/01/14(日) 09:39:00 ]
2chって来週閉鎖らしいけどだいじょうぶですか スレ汚しすみません
453 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/14(日) 10:42:03 ]
命題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。 I ≠ 0 を Z[ω] のイデアルで fZ[ω] と素とする。 I_0 = R ∩ I とおく。 このとき、I_0 は正則な R-イデアルで (I_0)Z[ω] = I となる。
証明(Hilbert の Zahlbericht の定理 64 の証明を拝借) (I_0)Z[ω] = J とおく。
I は fZ[ω] と素だから I + fZ[ω] = Z[ω] である。 よって α + fβ = 1 となる α ∈ I と β ∈ Z[ω] がある。 α = 1 - fβ ∈ R だから α ∈ I_0 ⊂ J である。 よって J + fZ[ω] = Z[ω] である。 つまり、J は fZ[ω] と素である。
一方、(fZ[ω])I ⊂ R だから (fZ[ω])I ⊂ I_0 ⊂ J である。 従って、>>175 より (fZ[ω])I = JL となる Z[ω] のイデアル L が 存在する。 J は fZ[ω] と素であるから、I ⊂ J である。 J ⊂ I であるから I = J となる。 証明終
454 名前:132人目の素数さん [2007/01/14(日) 11:05:51 ]
>>452 >2chって来週閉鎖らしいけどだいじょうぶですか
お答えします。 閉鎖の場合 → このスレも閉鎖される。 閉鎖しない場合 → このスレも閉鎖されない。
っていうか当たり前だ っていうか第3者としてはどうしょうもない
455 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2007/01/14(日) 11:22:28 ]
>>454 お答えありがとうございます。 私としては、ログの保存を念頭においておりましたが、 言葉至らず失礼いたしました。 たとえ、私が保存しても熊さんに渡せそうにないので。
456 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/14(日) 12:25:10 ]
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。 正則な R-イデアルの全体は R-イデアルの積により可換な モノイド(単位元をもつ半群)になる。 この可換モノイドを I+(R) とおく。
他方、Z[ω] のイデアルで fZ[ω] と素なもの全体もイデアルの積 により可換モノイドになる。 この可換モノイドを I+(f) とおく。
正則な R-イデアル I に IZ[ω] を対応させることにより、 写像 φ : I+(R) → I+(f) が得られる。 この φ は明らかにモノイドとしての準同型である。
>>451 より φ は単射であり、>>453 より φ は全射である。 よって φ は同型射である。
さらに φ はイデアルの包含関係を保存する。 つまり、 I ⊂ J なら φ(I) ⊂ φ(J) である。
457 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/14(日) 12:31:11 ]
命題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。 正則な R-イデアルは正則な R-素イデアルのべき積として一意に 分解される。
証明 >>456 より明らかである。
458 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/14(日) 12:35:08 ]
命題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。 I を正則な R-イデアルとする。
IZ[ω] が素イデアルであるためには I が素イデアルであることが 必要十分である。
証明 >>456 より明らかである。
459 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/14(日) 15:00:42 ]
補題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。 I を正則な R-イデアルとすると、I = R ∩ IZ[ω] である。
証明 I_0 = R ∩ IZ[ω] とおく。 >>453 より (I_0)Z[ω] = IZ[ω] となる。 よって >>451 より I_0 = I である。 証明終
460 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/14(日) 15:13:59 ]
命題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。 I を正則な R-イデアルとすると、剰余環 R/I は Z[ω]/IZ[ω] に 標準的に同型である。
証明 I は正則だから IZ[ω] + fZ[ω] = Z[ω] である。 fZ[ω] ⊂ R だから IZ[ω] + R = Z[ω] である。
従って R/(R ∩ IZ[ω]) は Z[ω]/IZ[ω] = (R + IZ[ω])/IZ[ω] に、 標準的に同型である。
>>459 より I = R ∩ IZ[ω] である。 証明終
461 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/14(日) 15:16:12 ]
命題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。 I を正則な R-イデアルとすると、N(I) = N(IZ[ω]) である。
ここで N(I) は I のノルム(>>438) を表す。
証明 >>460 より明らか。
462 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/14(日) 18:14:26 ]
命題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。 I と J を正則な R-イデアルとすると、N(IJ) = N(I)N(J) である。
証明 Z[ω] は Dedekind 整域で有限ノルム性(>>68)を持つから >>70 より N(IZ[ω]JZ[ω]) = N(IZ[ω])N(JZ[ω]) である。
よって >>461 より N(IJ) = N(I)N(J) である。 証明終
463 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/18(木) 23:01:04 ]
定義 A を整域、K をその商体とする。 K の A-部分加群 I に対して A のある元 s ≠ 0 があり sI ⊂ A となるとき I を A の分数イデアルという。
464 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/18(木) 23:07:04 ]
命題 A を整域 K をその商体とする。 K の A-部分加群 I が有限生成なら I は分数イデアルである。
証明 明らかである。
465 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/18(木) 23:09:03 ]
命題 A をネーター整域、K をその商体とする。 K の A-部分加群 I が分数イデアルであるためには I が A-加群として 有限生成であることが必要十分である。
証明 K の A-部分加群 I が分数イデアルとすると、A の元 s ≠ 0 があり I ⊂ (1/s)A となる。 A はネーター環だから I は (1/s)A の A-部分加群として 有限生成である。
逆は >>464 である。 証明終
466 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/18(木) 23:10:18 ]
定義
A を整域 K をその商体とする。
K の A-部分加群 I に対して K の A-部分加群 J で IJ = A となる
ものがあるとき I を可逆分数イデアルという。
ここで IJ は集合 {xy; x ∈ I, y ∈ J} で生成される K の
A-部分加群である。
467 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/18(木) 23:24:11 ]
命題 A を整域、K をその商体とする。 A の可逆分数イデアル(>>466)は A-加群として有限生成である。
証明 前スレ2の 504 で証明済みである。
468 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/18(木) 23:28:58 ]
命題 A を整域とする。 A の可逆分数イデアル(>>466)は A の分数イデアル(>>463)である。
証明 >>467 と >>464 より明らかである。
469 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/19(金) 21:32:16 ]
定義 A を整域 K をその商体とする。 A の分数イデアル I に対して x ∈ K があり I = xA となるとき I を単項分数イデアルまたは主分数イデアルという。
470 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/19(金) 21:39:25 ]
定義 A を整域 K をその商体とする。 A の0でない分数イデアル全体は乗法により群となる。 この群を A の可逆分数イデアル群と呼び、I(A) と書く (前スレ2の521)。
471 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/19(金) 21:41:28 ]
定義 A を整域とする。 A の0でない単項分数イデアル全体は乗法により群となる。 この群を A の単項分数イデアル群と呼び、P(A) と書く (前スレ2の539)。
472 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/19(金) 22:17:47 ]
命題 A を整域とする。 A の単項分数イデアル群 P(A) は、A の可逆分数イデアル群 I(A) の 部分群である。剰余類群 I(A)/P(A) は A の Picard 群 Pic(A) (前スレ2の360)と標準的に同型である。
証明 K を A の商体とする。K は局所環であるから前スレ2の361より Pic(K) = 0 である。 よって前スレ2の540より I(A)/P(A) は Pic(A) と同型になる。 証明終
473 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/19(金) 22:23:06 ]
定義 A を整域とする。 >>472 より I(A)/P(A) は Pic(A) と同一視される。 よって I(A)/P(A) を A の Picard 群と呼び Pic(A) と書く。
474 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/20(土) 08:01:31 ]
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。 Pic(R) と Pic(Z[ω]) の関係を調べたい。
議論の本質を浮き彫りにするため問題を次のように一般化する。
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とする。 B が A-加群として有限生成のとき Pic(A) と Pic(B) の関係はどうなるか?
475 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/20(土) 08:09:49 ]
以下 >>474 の問題の解法に関しては Neukirch の「代数的整数論」を 参考にした。
476 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/20(土) 08:36:21 ]
定義 A を環、I ≠ A を A のイデアルとする。 A/I のすべての零因子がベキ零のとき I を準素イデアルという。
前スレ1の 157 と 181 から、この定義は A がネーター環のときの 拡張になっている。
477 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/20(土) 08:38:00 ]
補題 A を環、M を A-加群とする。 M-正則(前スレ1の 179)な A の元全体は A の乗法に関して閉じている。
証明 M-正則の定義(前スレ1の 179)から明らかである。
478 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/20(土) 08:39:18 ]
命題 A を環、I を A の準素イデアルとする。 I の根基 rad(I) (前スレ1の 164) は素イデアルである。
証明 I は準素イデアルだから A/I を A-加群とみて (A/I)-正則な元の 集合は A - rad(I) である。 >>477 より A - rad(I) は乗法に関して閉じている. ゆえに rad(I) は素イデアルである。 証明終
479 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/20(土) 08:40:11 ]
定義 A を環、I を A の準素イデアルとし、p = rad(I) とする。 p を I の素因子と呼び、I は p に属する準素イデアルという。
480 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/20(土) 08:41:19 ]
命題 A を環、p を A の素イデアルとする。 J を A_p の準素イデアルで pA_p に属するとする。 I を J の標準射 A → A_p による逆像とする。
このとき I は p に属する準素イデアルである。
証明 φ: A → A_p を標準射とする。
a ∈ A、x ∈ A - I で ax ∈ I とする。 φ(ax) ∈ J で φ(x) ∈ A_p - J だから φ(a^n) ∈ J となる n > 0 がある。 a^n ∈ I だから I は準素イデアルである。
次に p = rad(I) を示す。 a ∈ rad(I) なら a^n ∈ I となる n > 0 がある。 φ(a^n) ∈ J だから φ(a) ∈ pA_p である。 よって a ∈ p である。
逆に a ∈ p なら φ(a) ∈ pA_p だから φ(a^n) ∈ J となる n > 0 がある。a^n ∈ I だから a ∈ rad(I) である。 証明終
481 名前:132人目の素数さん [2007/01/20(土) 08:45:15 ]
>>上の人
おはよう。
482 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/20(土) 09:01:40 ]
補題 A を環、I を A のイデアルとする。 A の極大イデアル m があり、m ^n ⊂ I ⊂ m とする。 ここで n > 0 である。
このとき I は m に属する準素イデアルである。
証明 I ⊂ p となる A の素イデアルがあるとする。 m^n ⊂ p だから p = m である。 よって A/I は局所環である。 よって a ∈ A - m なら a (mod I) は A/I の可逆元である。 従って、b を A の元で ab ∈ I とすれば、b ∈ I である。 m の元は mod I でべき零なことに注意すれば I は準素イデアルである。 証明終
483 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/20(土) 09:13:45 ]
補題 A をネーター環、p を A の素イデアル、I を p に属する準素イデアル であるとする。 このとき p^n ⊂ I となる n > 0 がある。
証明 p = rad(I) で p は有限生成だから、これは明らかである。
484 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/20(土) 09:20:40 ]
補題
A をネーター環、I を A のイデアルで
V(I) = {m} とする。
ここで V(I) = { p ∈ Spec(A); I ⊂ p } である(前スレ1の 160)。
このとき I は極大イデアル m に属する準素イデアルである。
証明 前スレ1の163より m = rad(I) である。 >>483 より m^n ⊂ I となる n > 0 がある。 よって >>482 より I は極大イデアル m に属する準素イデアルである。 証明終
485 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/20(土) 09:24:27 ]
>>484 の別証
Supp(A/I) = V(I) であり、
Ass(A/I) ⊂ Supp(A/I) だから(前スレ1の99)、
Ass(A/I) = {m} である。
従って I は m に属する準素イデアルである。
証明終
486 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/20(土) 09:26:18 ]
補題
A をネーター環、I を A のイデアルとする。
p を V(I) の極小元とする。
ここで V(I) = { p ∈ Spec(A); I ⊂ p } である(前スレ1の 160)。
I(p) を IA_p の標準射 A → A_p による逆像とする。
このとき I(p) は p に属する準素イデアルである。
証明
q を A の素イデアルで q ⊂ p とする。
さらに IA_p ⊂ qA_p とする。
I(p) ⊂ q となり I ⊂ I(p) だから I ⊂ q である。
p は V(I) の極小元だから q = p である。
以上から V(IA_p) = {pA_p} である。
>>484 よりIA_p は pA_p に属する準素イデアルである。
>>480 より I(p) は p に属する準素イデアルである。 証明終
487 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/20(土) 09:41:22 ]
補題
A を環、I を A のイデアルとする。
p が A の素イデアルのとき
I(p) = { a ∈ A; sa ∈ I となる s ∈ A - p が存在する }
とおく。
容易にわかるように I(p) は IA_p の標準射 A → A_p による
逆像である。
このとき I = ∩I(m) となる。 ここで m は A のすべての極大イデアルを動く。
証明 I ⊂ ∩I(m) は明らかだから逆の包含関係を示せばよい。
a ∈ ∩I(m) とする。
(I : a) = { x ∈ A; xa ∈ I } と書く。
(I : a) を含む極大イデアル m があるとすると、
a ∈ I(m) だから、s ∈ A - m があって s ∈ (I : a) ⊂ m となって
矛盾である。よって (I : a) = A である。
これは a ∈ I を意味する。
したがって ∩I(m) ⊂ I である。
証明終
488 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/20(土) 09:45:42 ]
>>487の I = ∩I(m) において、 I ⊂ m でないとき I(m) = A だから m は I ⊂ m となるすべての極大イデアルに制限してもよい。
489 名前:132人目の素数さん [2007/01/20(土) 10:01:54 ]
熊先生いつも乙です. 全然わかりませんがログ保存してます.
490 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/20(土) 10:16:42 ]
補題 A をネーター環、I を A のイデアル、m を A の極大イデアルとし、 m は V(I) の極小元とする。 I(m) を IA_m の標準射 A → A_m による逆像とする。
このとき A/I(m) は A_m/IA_m に標準的に同型である。
証明
>>486 より I(m) は m に属する準素イデアルである。
>>483 より m^n ⊂ I(m) となる n > 0 がある。
よって V(I(m)) = {m} である。
よって A/I(m) は局所環である。
従って s ∈ A - m なら s は mod I(m) で A/I(m) の可逆元である。
a ∈ A、 s ∈ A - m で a/s ∈ A_m とする。 s は mod I(m) で A/I(m) の可逆元だから、a ≡ sb (mod I(m)) となる b ∈ A がある。
φ: A → A_m を標準射とする。 a/s - φ(b) = a/s - b/1 = (a - sb)/s = φ(a - sb)/φ(s) ∈ IA_m よって φ: A → A_m と標準射 A_m → A_m/IA_m の合成をψとすると ψは全射である。 ψの核は I(m) だから A/I(m) は A_m/IA_m に同型である。 証明終
491 名前:132人目の素数さん [2007/01/20(土) 10:18:20 ]
わからなかったら質問してよ。
492 名前:132人目の素数さん [2007/01/20(土) 10:51:30 ]
命題 A をネーター環、I を A のイデアルで I を含む素イデアルはすべて 極大イデアルであるとする。このとき I を含む極大イデアルは有限個 であり、A/I は環の直積 ΠA_m/IA_m と標準的に同型である。 ここで m は I ⊂ m となる極大イデアルを動く。
証明 仮定より I を含む極大イデアルは V(I) の極小元である。 前スレ1の224よりこれ等は有限個である。
m_1 と m_2 を V(I) の異なる2元とする。 >>486 より I(m_1) は m_1 に属する準素イデアルである。 よって I(m_1) を含む素イデアルは m_1 だけである。 同様に I(m_2) を含む素イデアルは m_2 だけである。 したがって I(m_1) と I(m_2) をともに含む素イデアルはない。 よって I(m_1) + I(m_2) = A である。
一方、>>487 と >>488 より I = ∩I(m) となる。
よって中国式剰余定理(前スレ1の341)より A/I は環の直積 ΠA/I(m) と標準的に同型である。
>>490 より A/I(m) は A_m/IA_m に標準的に同型であるから A/I は ΠA_m/IA_m と標準的に同型である。 証明終
493 名前:132人目の素数さん [2007/01/20(土) 11:01:11 ]
青木さやかも絶賛!!アンダーグラウンド ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/i.cgi/news/2092/
494 名前:ykr [2007/01/20(土) 12:56:56 ]
G={(x,y)∈X;y≦g(x)}、H={(x,y)∈X;y≧h(x)}とおき、
G,Hがそれぞれ凸集合で、y=g(x)とy=h(x)が2点で交わっているとき、
G∩Hである部分は1つしか存在しないということを証明したいです。
495 名前:132人目の素数さん [2007/01/20(土) 15:21:40 ]
念のために言うと、わからなかったら質問してよという意味は、 このスレまたは過去スレで私が書いたこと(雑談等は除く)に関して 分からなかったら質問してという意味です。
496 名前:ykr氏へ mailto:sage [2007/01/21(日) 16:03:53 ]
>494 > G,Hがそれぞれ凸集合で、y=g(x)とy=h(x)が2点で交わっているとき、 > G∩Hである部分は1つしか存在しない Kummerさん: ノイズかも知れんが、回答しておきやす。
G,Hがそれぞれ凸ならG∩Hも凸(何故かは自分で考えてね)。 で一般に空でない凸集合は(弧状)連結である(何故かは自分で考えてね)。 y=g(x)とy=h(x)が2点で交わっているなら、G∩Hは空でなく従って(弧状)連結であるよ。
497 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/23(火) 22:04:28 ]
>>492 の証明において I = ∩I(m) となり、各 I(m) は m に属する 準素イデアルであることを示したが、これは以下のようにしても分かる。
A をネーター環、I を A のイデアルで I を含む素イデアルはすべて 極大イデアルであるとする。
I = Q_1 ∩ Q_2 ... ∩ Q_n を I の最短準素分解(前スレ1の188) とする。 m_i = rad(Q_i)、i = 1, ..., n とおく。 仮定より各 m_i は極大イデアルである。
I(m_i) を IA_(m_i) の標準射 A → A_(m_i) による逆像とする。
前スレ1の198より Q_i = I(m_i) である。 よって I = ∩I(m_i) となり、各 I(m) は m に属する準素イデアル である。
498 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/23(火) 22:34:06 ]
>>475
Neukirch の「代数的整数論」(日本語訳)の命題(12.6) の証明(p. 79) がどうも分からない。
a ≡ c (mod p) かつ a ∈ c(a_q/a_p)O_q となる a ∈ O が取れるのは いいとして、これから ε = a/c が O_p の単数であることが何故言える のか分からない。c が p に含まれないならそうなるが、そうとは 限らないのではないか?
この命題(12.6)は >>474 の問題の解法において重要であるので、 1週間ほど考えたあげく、今日ようやく証明することが出来た。 この証明は Neukirch の証明(?)よりわかりやすいと思う。 それをこれから述べる。
499 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/24(水) 21:50:44 ]
命題 A を整域、K をその商体とする。 M を A の可逆分数イデアル(>>466)とする。 p を A の素イデアルとすると M_p は A_p の単項分数イデアル(>>469) である。
証明 前スレ2の509より M_p は階数1の射影加群である。 A_p は局所環だから、前スレ2の191より M_p は階数1の自由加群 である。M_p は (A_p)-加群として K の部分加群とみなせるから A_p の単項分数イデアルである。 証明終
500 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/24(水) 22:20:42 ]
命題 A を整域、K をその商体とする。 M を K の A-部分加群で有限表示(前スレ2の176)を持つとする。 A の各極大イデアル m に対して M_m が A_m の単項分数イデアルなら M は可逆分数イデアルである。
証明 前スレ2の235より M は射影的である。 よって、前スレ2の511より M は可逆分数イデアルである。 証明終
501 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/24(水) 23:13:49 ]
訂正
>>499 >命題 >A を整域、K をその商体とする。 >M を A の可逆分数イデアル(>>466)とする。 >p を A の素イデアルとすると M_p は A_p の単項分数イデアル(>>469) >である。
命題 A を整域、K をその商体とする。 M を A の可逆分数イデアル(>>466)とする。 p を A の素イデアルとすると M_p は A_p の 0 でない単項分数イデアル (>>469)である。
502 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/24(水) 23:17:27 ]
訂正
>命題 >A を整域、K をその商体とする。 >M を K の A-部分加群で有限表示(前スレ2の176)を持つとする。 >A の各極大イデアル m に対して M_m が A_m の単項分数イデアルなら >M は可逆分数イデアルである。
命題 A を整域、K をその商体とする。 M ≠ 0 を K の A-部分加群で有限表示(前スレ2の176)を持つとする。 A の各極大イデアル m に対して M_m が A_m の 0 でない単項分数 イデアルなら M は可逆分数イデアルである。
503 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/24(水) 23:19:07 ]
>>502 は >>500 の訂正
504 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/24(水) 23:32:10 ]
命題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 M ≠ 0 を A の分数イデアルとする。 M_p ≠ A_p となる A の素イデアル p ≠ 0 は有限個しかない。
証明 分数イデアルの定義(>>463)より A の元 a ≠ 0 があり aM ⊂ A となる。aM = I は A の非零イデアルである。
A は1次元だから I ⊂ p となる素イデアル p は Supp(A/I) の 極小元である。よって前スレ1の224よりこれ等は有限個である。 IA_p ≠ A_p は I ⊂ p と同値だから IA_p ≠ A_p となる p は 有限個である。
同様に aA_p ≠ A_p となる p も有限個である。
一方、M = (1/a)I だから M_p = (1/a)IA_p となる。 (1/a)IA_p ≠ A_p なら (1/a)A_p ≠ A_p または IA_p ≠ A_p である。 よって M_p ≠ A_p となる A の素イデアル p ≠ 0 は有限個しかない。 証明終
505 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 12:20:56 ]
A を1次元のネーター整域とする。 p ≠ 0 を A の素イデアルとする。
M を A の可逆分数イデアルとしたとき、M_p は A_p の 可逆分数イデアルである。 よって、M に M_p を対応させることにより A の可逆分数イデアル群 I(A) から A_p の可逆分数イデアル群 I(A_p) への写像 Φ_p : I(A) → I(A_p) が得られる。 Φ_p は明らかに群としての準同型である。
Σ I(A_p) を I(A_p) の直和とする。ここで p は A のすべての 0 でない素イデアルを動く。
>>504 より、アーベル群の射 Φ : I(A) → Σ I(A_p) が得られる。
506 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 12:56:54 ]
補題 A を整域とし、K をその商体とする。 A = ∩ A_m である。 ここで m は A のすべての極大イデアルを動く。 A_m は K の部分環とみなしている。
証明 A ⊂ ∩ A_m は明らかである。
x ∈ ∩ A_m とする。
I = {a ∈ A; ax ∈ A} とおく。
I は A のイデアルである。
I ≠ A と仮定する。 I ⊂ m となる極大イデアル m がある。 x ∈ A_m だから s ∈ A - m があり sx ∈ A となる。 よって s ∈ I となるが、これは I ⊂ m に矛盾する。 よって I = A となり x ∈ A である。 証明終
507 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 13:02:52 ]
命題 A を1次元のネーター整域とする。 >>505 で定義した 射 Φ : I(A) → Σ I(A_p) は単射である。
証明 M を A の可逆分数イデアルとし、Φ(M) = 0 とする。 これは、すべての p ≠ 0 で M_p = A_p を意味する。 よって M ⊂ ∩ A_p である。
A は1次元だから A の 0 でない素イデアルと A の極大イデアルは 同じものである。 よって >>506 より ∩ A_p = A である。 よって M ⊂ A である。
M ≠ A とすると M ⊂ p となる極大イデアル p がある。 M_p ⊂ pA_p だから M_p ≠ A_p となって仮定に反する。 よって M = A である。 証明終
508 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 15:07:52 ]
補題 A を環、S を A の積閉部分集合とする。 I を A_S のイデアルとし、J を I の標準射 A → A_S による逆像と する。このとき I = JA_S である。
証明 a/s ∈ I とする。ここで a ∈ I, s ∈ S である。
a/1 = (s/1)(a/s) ∈ I だから a ∈ J である。 よって a/s ∈ JA_S である。 よって I ⊂ JA_S である。
逆の包含関係は明らかである。 証明終
509 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 15:10:45 ]
補題 A をネーター環、p と q を A の素イデアルで q は p に含まれない とする。 I を q に属する準素イデアルとすると IA_p = A_p である。
証明 >>483 より q^n ⊂ I となる n > 0 がある。
q は p に含まれないから qA_p = A_p である。 よって (q^n)A_p = A_p である。 よって IA_p = A_p である。 証明終
510 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 15:14:21 ]
補題 A をネーター環とし、m_1, ..., m_n を A の相異なる極大イデアル とする。
各 i に対して q_i を A_(m_i) の (m_i)A_(m_i) に属する準素イデアル とし、Q_i を q_i の標準射 A → A_(m_i) による逆像とする。
I = Q_1 ∩ Q_2 ... ∩ Q_n とおく。 各 i に対して IA_(m_i) = q_i である。
証明 前スレ3の585より IA_(m_i) = (Q_1)A_(m_i) ∩ ... ∩ (Q_1)A_(m_i) である。
>>480 より、各 Q_i は m_i に属する準素イデアルである。 >>509 より、i ≠ j なら (Q_j)A_(m_i) = A_(m_i) である。 よって IA_(m_i) = (Q_i)A_(m_i) である。 >>508 より、(Q_i)A_(m_i) = q_i である。 証明終
511 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 15:23:45 ]
命題 A を1次元のネーター整域とする。 >>505 で定義した 射 Φ : I(A) → Σ I(A_p) は全射である。
証明 ξ = (ξ_p) を Σ I(A_p) の任意の元とする。
A_p は局所環だから、前スレ2の361より Pic(A_p) = 0 である。 よって >>472 より I(A_p) = P(A_p) である。
よって、各 ξ_p は (a_p/b_p)A_p と書ける。 ここで a_p と b_p は A の 0 でない元である。 (a_p/b_p)A_p ≠ A_p となる p は有限個である。 (a_p/b_p)A_p = A_p のときは a_p = b_p = 1 と仮定してよい。
各 p に対して I(p) = A ∩ a_pA_p とおく。 >>484 より a_pA_p ≠ A_p なら a_pA_p は pA_p に属する 準素イデアルである。
I = ∩ I(p) とおく。ここで p は A の 0 でない素イデアル全体を 動く。I(p) は有限個を除いて A_p に等しい。
>>510 より、各 p に対して IA_p = a_pA_p となる。
同様に 各 p に対して J(p) = A ∩ b_pA_p とおき、 J = ∩ J(p) とおく。
M = I(J^(-1)) とおけば 各 p に対して M_p = (a_p/b_p)A_p である。 即ち Φ(M) = ξ である。 証明終
512 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 15:38:14 ]
>>511 の命題が >>498 で書いた Neukirch の「代数的整数論」の 命題(12.6) である。
証明が出来てしまえば簡単だが Neukirch の証明に拘っていたので 証明に手間どった。
なお、あとで気付いたが EGA IV-4 の命題 (21.9.4) p. 285 が スキーム論での >>511 (及び >>507) に対応する命題である。
513 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 15:59:40 ]
>>511 の証明の補足説明。
I = ∩ I(p) が A の可逆分数イデアルであることは、 各 p に対して IA_p = a_pA_p であることから >>500(と>>502) より分かる。
J = ∩ J(p) も同様に A の可逆分数イデアルである。
514 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 16:23:48 ]
補題 A を環、M を A-加群、N をその部分加群とする。 A のすべての極大イデアル m にたいして M_m = N_m なら M = N である。
証明 m を A の任意の極大イデアルとする。
完全列 0 → N → M → M/N → 0 より 完全列 0 → N_m → M_m → (M/N)_m → 0 が得られる。
仮定より M_m = N_m だから (M/N)_m = 0 である。 前スレ2の224より M/N = 0 である。 即ち M = N である。 証明終
515 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 16:32:25 ]
>>511 の証明において M = ∩ (a_p/b_p)A_p である。 ここで p は A の 0 でない素イデアル全体を動く。
証明 N = ∩ (a_p/b_p)A_p とおく。
各 p 対して M_p = (a_p/b_p)A_p だから M ⊂ (a_p/b_p)A_p である。 よって M ⊂ N である。
N ⊂ (a_p/b_p)A_p だから N_p ⊂ (a_p/b_p)A_p である。 M_p ⊂ N_p だから M_p = N_p = (a_p/b_p)A_p である。
よって >>514 より M = N である。 証明終
516 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 17:08:11 ]
前スレ2の524の定義を再度書く。
定義 A を環とする。A の可逆元全体は乗法によりアーベル群となる。 この群を U(A) または A^* と書く。
517 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 17:09:05 ]
補題 A を整域とし、K をその商体とする。 A の単項分数イデアル群 P(A) は K^*/A^* と標準的に同型である。
証明 K^* の元 x に xA を対応させることにより アーベル群の射 f : K^* → P(A) が得られる。
f は全射であり、その核は A^* である。 よって f は同型 K^*/A^* → P(A) を誘導する。 証明終
518 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 17:17:22 ]
命題 A を単項イデアル整域(前スレ1の644)とし、K をその商体とする。 K^*/A^* は Σ K^*/(A_p)^* に標準的に同型である。 ここで p は A の 0 でない素イデアル全体を動く。
証明 >>507 と >>511 より I(A) は Σ I(A_p) と標準的に同型である。 A は単項イデアル整域だから I(A) = P(A) である。
A_pは局所環だから、前スレ2の361より Pic(A_p) = 0 である。 よって >>472 より I(A_p) = P(A_p) である (このことは A_p が離散付値環であることからも分かる)。
以上から P(A) は Σ P(A_p) と標準的に同型である。
一方、>>517 より P(A) は K^*/A^* と標準的に同型であり、 P(A_p) は K^*/A^* と標準的に同型である。 よって K^*/A^* は Σ K^*/(A_p)^* に標準的に同型である。 証明終
519 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 21:11:08 ]
定義 G をアーベル群で同時に関係 ≧ により順序集合であるとする。 x ≧ y のとき x + z ≧ y + z が G の任意の元 z で成り立つとき G をアーベル順序群という。
520 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 21:12:13 ]
定義
G をアーベル順序群(>>519)とする。
G+ = {x ∈ G; x ≧ 0} と書く。
521 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 21:13:08 ]
命題 集合 I を添字集合とするアーベル順序群の列 (G_i) があるとする。 G = Σ G_i を (G_i) の直和アーベル群とする。
G の元 x = (x_i) と y = (y_i) に対して x_i ≧ y_i がすべての i ∈ I に対して成り立つとき x ≧ y と定義することにより G はアーベル順序群になる。
証明 自明である。
522 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 21:15:03 ]
補題 集合 I を添字集合とするアーベル順序群の列 (G_i) があるとする。 各 i に対して G_i の任意の元 a は a = b - c, b ∈ (G_i)+, c ∈ (G_i)+ と書けるとする。
G = Σ G_i を (G_i) の直和アーベル群とする。 >>521 より G はアーベル順序群である。
G の任意の元 x は x = y - z, y ∈ G+, z ∈ G+ と書ける。
証明 G の任意の元 x = (x_i) に対して y = (y_i) ∈ G+ と z = (z_i) ∈ G+ を以下のように定義する。
x_i = 0 のときは y_i = z_i = 0 とする。
仮定より x_i ≠ 0 のときは x_i = b - c となる (G_i)+ の元 b と c がある。y_i = b, z_i = c とおく。
y = (y_i), z = (z_i) とおけばよい。 証明終
523 名前:132人目の素数さん [2007/01/25(木) 21:16:50 ]
オナニースレ?
524 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 21:20:16 ]
補題 集合 I を添字集合とするアーベル順序群の列 (H_i) があるとする。 各 i に対して H_i の任意の元 a は a = b - c, b ∈ (H_i)+, c ∈ (H_i)+ と書けるとする。
H = Σ H_i を (H_i) の直和アーベル群とする。 >>521 より H はアーベル順序群である。
G をアーベル群でアーベル群の射 Φ : G → H があり、 任意の y ∈ H+ に対して Φ(x) = y となる x ∈ G があるとする。
このとき Φ は全射である。
証明 >>522 より H の任意の元 x は x = y - z, y ∈ H+, z ∈ H+ と書ける。 これより本命題の主張は明らかである。 証明終
525 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 21:22:59 ]
命題 A を整域とし、K をその商体とする。 A の単項分数イデアル群 P(A) は x ⊂ y のとき x ≧ y と 定義することによりアーベル順序群になる。
このとき P(A)+ は A の 0 でない単項イデアル全体と一致する。
証明 自明である。
526 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 21:50:17 ]
補題 A を1次元のネーター整域とする。 >>505 で定義した 射 Φ : I(A) → Σ I(A_p) を考える。 H = Σ I(A_p) とおく。
I(A_p) = P(A_p) だから >>525 より I(A_p) はアーベル順序群になる。 よって >>521 より H もアーベル順序群である。
このとき、任意の y ∈ H+ に対して Φ(x) = y となる x ∈ I(A) がある。
証明 各 p に対して A_p は1次元の局所ネーター環である。 従って、y = (y_p) ∈ H+ に対して y_p ≠ A_p なら >>484 より y_p は pA_p に属する準素イデアルである。
I = ∩ (A ∩ y_p) とおく。ここで p は y_p ≠ A_p となる p を 動く。
>>510 より y_p ≠ A_p のとき IA_p = y_p である。 容易にわかるように I を含む素イデアル p は y_p ≠ A_p となるもの に限る。 従って y_p = A_p なら I は p に含まれないから IA_p = A_p である。
以上から各 p に対して IA_p = A_p である。 >>500 より I は可逆分数イデアルである。 よって x = I とおけば x ∈ I(A) で Φ(x) = y である。 証明終
527 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 21:59:58 ]
>>524 と >>526 より >>511 の別証が得られることは明らかだろう。 別証といっても本質的にはあまり違わないが、こちらの方がすっきり しているだろう。
528 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/25(木) 22:45:02 ]
命題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とする。 B が A-加群として有限生成のとき B は Dedekind 整域である。
証明 A はネーター環だから B のイデアルは有限生成 A-加群の部分加群 として有限個の生成元をもつ。 これらの生成元はイデアルとしての生成元でもあるから B はネーター環である。
B は A-加群として有限生成だから前スレ1の505から B は A 上整である。 よって前スレ1の637より B は1次元である。
以上から B は1次元のネーター整閉整域だから前スレ2の601の 定義より Dedekind 整域である。 証明終
529 名前:132人目の素数さん [2007/01/26(金) 05:15:19 ]
Kummer= kokorono itami.....
530 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2007/01/26(金) 12:00:09 ]
命題 A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。 A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。 p ≠ 0 を A の素イデアルとしたとき B_p は単項イデアル整域であり、 その極大イデアルは有限個である。 ここで B_p は積閉部分集合 S = A - p に関する B の局所化である。
証明 前スレ2の787より B_p は Dedekind 整域である。
A_p ⊂ B_p であり A_p は pA_p を極大イデアルとする局所環である。 前スレ1の514より B_p は A_p の上に整だから B_p の極大イデアルは pA_p の上にある(前スレ1の518)。 よって B_p の極大イデアルは pB_p を含む。 よってこれ等は有限個である。 前スレ2の767より B_p は単項イデアル整域である。 証明終
