最終更新日時 2011年03月04日 (金) 21時19分09秒
代数的整数論(101-200)
元スレ: http://science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1126510231/101-200
ログ元: http://2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science4.2ch.net_math_1126510231/101-200
ログ元: http://2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science4.2ch.net_math_1126510231/101-200
101 :132人目の素数さん:2005/09/22(木) 22:09:16
208 さんの書き込みは勉強になります。 ずっとこのスレだけに書き込み続けてください
102 :132人目の素数さん:2005/09/22(木) 22:20:44
>>96 そんなことだから、いつまでたっても風采が上がらんのだよ。
103 :132人目の素数さん:2005/09/22(木) 22:35:47
ところで非可換環に対してもスキームみたいなことって 研究されてるのかね
104 :132人目の素数さん:2005/09/22(木) 22:41:36
>>94
レスどうもです。Ore ring と言うんですね。 検索したらいろいろあって勉強になりました。
105 :132人目の素数さん:2005/09/23(金) 00:56:10
>>74 >日本語の圏論の入門書 殆ど無いような気がするけど、どんな本のことを言ってるの? 最近和訳されたMac Laneとか?
>>75 やらないかと、、
関係ないけど、英語のwikiは充実振りが凄いね
106 :132人目の素数さん:2005/09/23(金) 01:00:16
>>79 そうだね 数学やってるんだから露も読めないとねw 代数幾何やってるのにイタリア語を読めないとか、カスだねwww
ってたまたま語学堪能な数学者に言われたらあなたどういう気持ちがしますか? 分野によっては独語とか殆ど使わないような気がしますが、、
107 :132人目の素数さん:2005/09/23(金) 01:55:54
気のせい。
108 :132人目の素数さん:2005/09/23(金) 02:35:43
数学専攻ならロシア語くらいは読めんとな。
109 :132人目の素数さん:2005/09/23(金) 06:17:50
数学の神ラマヌジャンの祖国インドの全ての民族語も読めんとな。
110 :132人目の素数さん:2005/09/23(金) 06:35:29
数学専攻なら古代サンスクリットとマヤ語くらいは読めんとな。
111 :132人目の素数さん:2005/09/23(金) 06:58:39
古代エジプト人はリーマン予想を解いていた
112 :132人目の素数さん:2005/09/23(金) 16:11:53
リーマン予想くらいは解けんとな。
113 :132人目の素数さん:2005/09/26(月) 09:52:11
スレ違いの質問でも数学のことなら俺は答えるべきとか無視すべきではない とかと考えてるやつがいるけど(例えば、>>91, >>97)、どっからそういう とんでもない思い込みが来るんだ? 誤解のないように言うけど、スレ違いでも流れから自然に出てくるのは、 駄目とは言ってない。だから、>>91 の質問も最初のときはいいんだよ。 だけど、それに俺が答えるかどうかは、俺の勝手だろ。 その質問は俺にとっては興味がないんだよ。可換環の概念のそれぞれに対応する 非可換バージョンは何かという発想は俺には退屈なんだよ。わるいけどな。 他の人が答えるぶんにはいっこうにかまわない。
114 :132人目の素数さん:2005/09/26(月) 09:58:02
>>106 >ってたまたま語学堪能な数学者に言われたらあなたどういう気持ちがしますか? >分野によっては独語とか殆ど使わないような気がしますが、
どういう気もなにも必要ならその言語を勉強するしかないだろ。 気持ちの問題じゃないんだよ。必要かどうかの問題なの。
115 :132人目の素数さん:2005/09/26(月) 10:02:40
>>105 >殆ど無いような気がするけど、どんな本のことを言ってるの? >最近和訳されたMac Laneとか?
俺なんか学部1年目で読んだけどな。岩波の現代数学概説Iを。 あの本は、あまり良くないけど圏論について一応は書いてある。 他には岩波の河田のホモロジー代数。圏論はこっちのほうが詳しい。
116 :132人目の素数さん:2005/09/26(月) 11:07:32
>>85 >x/s = 0 とすると、ある t ∈ S があり、tx = 0 となる。
これを定義(M_S = M(x)A_S)から直接証明するのはかなり面倒。 普通は、M_S を M×S のある同値関係の同値類として定義し、 これが、M(x)A_S と同型になることを示す。
ここでは、Bourbakiに従って、面倒なほうの証明を紹介する。 そのためには、テンソル積と帰納極限が可換なことを使う。 詳しく述べると、
A を環とし、(M_i), i ∈ I をA-加群の帰納系とする。 ここで、I は有向前順序集合。 同様に、(N_j), j ∈ J をA-加群の帰納系とする。 ここで、J は有向前順序集合。 このとき、 ind.lim M_i(x)N_j = (ind.lim M_i) (x) (ind.lim N_j) となる。ここで等号は同型を表す。
117 :132人目の素数さん:2005/09/26(月) 11:47:03
集合 I が前順序集合であるとは、I に以下の条件を満たす関係≦が 定義されていることを意味する。
1) 任意の i ∈ I に対して i ≦ i 2) i ≦ j, j ≦ k なら i ≦ k
前順序集合 I が有向であるとは、任意の i, j ∈ I に対して i ≦ k, j ≦ k となる k が存在することをいう。
有向前順序集合 I を添え字集合とする A-加群の族 (M_i) が帰納系 であるというのは i ≦ j のとき A-加群の射 f_(j, i) : M_i → M_j があり、以下の条件を満たすものをいう。 1) f_(i, i) は M_i の単位射 2) i ≦ j, j ≦ k なら f_(k, j)f_(j, i) = f_(k, i)
帰納系(M_i) から A-加群 M への射を 射 f_i: M_i → M の族(f_i)で i ≦ j なら f_i = f_j f_(j, i) となるものと定義する。
帰納系(M_i) から A-加群 M への射 (f_i) があるとする。 これが次の条件を満たすとき、M を帰納系(M_i) の帰納的極限という。 1) 帰納系(M_i)から A-加群 N への射 (g_i) があるなら、 射 f: M → N が存在し、g_i = f f_i が各 i ∈ I で成立つ。 2) f は上の条件で一意に定まる。
M を ind.lim M_i と書く。ind. はinductiveの略。
118 :132人目の素数さん:2005/09/26(月) 12:02:28
有向前順序集合 I を添え字集合とする A-加群の帰納系 (M_i) には、 必ず帰納的極限が存在する。
T を M_i の直和集合とする。T に以下のように同値関係を導入する。 x_i ∈ M_i, y_j ∈ M_j が同値であるとは、i ≦ k, j ≦ k となる k があり、f_(k, i)(x_i) = f_(k, j)(y_j) となることをいう。 ここで、f_(k, i) は、帰納系 (M_i) を定義する射。 これが同値関係を満たすことの確認は各自にまかす。 T をこの同値関係で割った商集合を M とする。 M が A-加群になり、M = ind.lim M_i となることも各自にまかす。
119 :132人目の素数さん:2005/09/26(月) 12:18:46
帰納的極限 ind.lim (M_i) は次の意味で同型を除いて一意に定まる。 帰納系 (M_i) の 極限として M と N があるとする。 このとき、A-加群の同型射 f: M → N があり、 f f_i = g_i となる。ここで、f_i: M_i → M, g_i: M_i → N は それぞれの極限を定義する射。
このことは帰納的極限の定義からすぐ出る。
120 :132人目の素数さん:2005/09/26(月) 12:30:58
>>118から次のことがわかる。 M = ind.lim (M_i) とし、x ∈ M_i, y ∈ M_j に対して、 f_i(x) = f_j(y) とする。このとき、i ≦ k, j ≦ k となる k があり、 f_(k, i)(x) = f_(k, j)(y) となる。
とくに、x, y ∈ M_i で、f_i(x) = f_i(y) とすると、 i ≦ j となる j があり、f_(j, i)(x) = f_(j, i)(y) となる。
これから、f_i(x) = 0 なら f_(j, i)(x) = 0 となる j がある。
121 :132人目の素数さん:2005/09/26(月) 13:00:19
>>113 そんなに長々と理屈こねなくても、素直に知りませんと言えばすむことじゃん。
122 :132人目の素数さん:2005/09/26(月) 13:23:44
圏論を学部で教えないってのはおかしいな。 私見によれば圏論は20世紀の数学が発見したものの中で最も重要な概念だ。 19世紀の集合概念の発見に匹敵するものだろう。 パラダイムが変わったといってもいいほどのもの。
123 :132人目の素数さん:2005/09/26(月) 13:26:51
面白そうでないということくらいなら知ってる
124 :132人目の素数さん:2005/09/26(月) 13:28:24
何故知ってるかというと昔、浅野の環論をちらっと見たから たしかエライ面倒
125 :132人目の素数さん:2005/09/26(月) 13:31:09
対象よりも射によって色々なものを定義しようって発想ですな つまり人間は一人で生きるにあらずということを主張しているわけですよ 圏論というものは
126 :132人目の素数さん:2005/09/26(月) 13:36:40
>>121 スルーしたってことで終わりだろ。それをぐだぐだ言う奴がいる。 なんか勘違いしてるんだな
127 :132人目の素数さん:2005/09/26(月) 13:41:26
挑発的なレスは208?
128 :208:2005/09/26(月) 13:45:07
今日のレスで>>121,>>125,>>127以外は今のところ俺
129 :132人目の素数さん:2005/09/26(月) 14:00:57
ぐだぐだ言ってるのは208だと思います><
130 :132人目の素数さん:2005/09/26(月) 14:07:02
そのとおりだとおもいまゅ(><)
131 :132人目の素数さん:2005/09/26(月) 14:07:40
これからの数学にとって、非可換環ほど重要なものはないだろ?
132 :208:2005/09/26(月) 14:18:13
>>131
これからって、どのくらいのスパンを考えてる? 50年以上先ってのなら、そういう話は今しないでくれ。
133 :132人目の素数さん:2005/09/26(月) 14:24:59
GL(2,Z)の整数論でもやらないか?
134 :208:2005/09/26(月) 14:31:49
>>133 ヘッケ環だろ。 特殊な非可換環なら昔から整数論でやってる。 群環だって表現論では昔から重要。
135 :132人目の素数さん:2005/09/26(月) 14:41:17
例えば、M(2,Z) を2次の行列環とするとき、 Spec(M(2,Z)) はどういうものになるんですか?
136 :208:2005/09/26(月) 14:54:33
俺は知らないからスルー
137 :132人目の素数さん:2005/09/27(火) 05:47:22
現代数学概説Iはやたら一般の代数系に拘ったり 素朴集合論に70~80ページとか費やしてる割に 群、環、体はあまり深く議論してなかったり、突っ込みどころ満載かと、、
圏論について書いてないことも無いけど、あれを学部生に読ませるのは駄目だと思う あの本が参考文献で出てくること自体が、 ほとんど日本語の本が出てないこと、学部教育に圏論が必要と 考える人が少ないことをを端的に表している
138 :132人目の素数さん:2005/09/27(火) 06:45:52
>>137 まあ圏論なんて代数幾何とかやらないとなかなかありがたみがわかないと思う。 圏論だけの授業やってもあまり面白くないと思うし、しょうがないわな。
139 :208:2005/09/27(火) 08:56:16
>>137 >現代数学概説Iはやたら一般の代数系に拘ったり >素朴集合論に70~80ページとか費やしてる割に >群、環、体はあまり深く議論してなかったり、突っ込みどころ満載かと、、
そうそう。俺なんか、何も知らない1年生だったから、退屈なのを 我慢して読んだよ。束論なんかもいやに詳しくて、そのくせ あそこに書いてある束論の結果なんか俺は今もって使ったことがない。
あれはBourbakiにひどく影響されて書かれたものなんだね。 Bourbakiの集合論と代数の内容をあの一冊に収めようとしたのが そもそもの間違い。
140 :208:2005/09/27(火) 09:09:09
>>138 >圏論だけの授業やってもあまり面白くないと思うし、
何も圏論だけの授業をやれと言ってるんじゃない。 圏論は代数幾何とまで言わなくても、普通に代数に使われるよ。 位相幾何もそう。これ等をやる前にちょこっとやればいいじゃん。
141 :208:2005/09/27(火) 09:21:09
圏論使わないと教えるのに不便なんだよ。 圏論の初歩、つまり米田の補題とか随伴関手くらいまでだったら 証明を理解するのは簡単だろ。簡単すぎてあくびがでるくらい。
142 :208:2005/09/27(火) 09:38:59
>>116の命題を証明する。 命題 A を環とし、(M_i), i ∈ I をA-加群の帰納系とする。 ここで、I は有向前順序集合。 同様に、(N_j), j ∈ J をA-加群の帰納系とする。 ここで、J は有向前順序集合。このとき、 ind.lim M_i(x)N_j = (ind.lim M_i) (x) (ind.lim N_j) となる。ここで等号は同型を表す。 (M_i(x)N_j) の添え字集合は I と J の直積に、(i, j) ≦ (i', j') を、i ≦ i' かつ j ≦ j' と定義したものこれが有向前順序集合に なることは明らかだろう。
証明 M = ind.lim (M_i) N = ind.lim (N_j) T = ind.lim M_i(x)N_j とおく。
M × N から T への写像φを以下のように定義する。 (x, y) ∈ M × N とし、x = f_i(x_i), y = g_j(y_j) とする。 ここで、x_i ∈ M_i, y_j ∈ N_j で、f_i, g_j はそれぞれ (M_i), (N_j) の極限を定義する標準射。 φ(x, y) = h_(i,j)(x_i (x) y_j) とする。 ここで、h_(i,j): M_i(x)N_j → T は標準射。 これが、x_iとy_jの取り方によらないことと、双線形写像であること の確認は各自にまかす。 よって、テンソル積 M (x) N の性質から、φ(x, y) = λ(x (x) y) となる A-加群としての射 λ: M (x) N → T が存在する。 他方、 μ_(i,j) : M_i(x)N_j → M (x) N が μ_(i,j) = f_i (x) g_j と定義して得られる。射の族 (μ_(i,j)) は帰納系 (M_i(x)N_j) から M (x) N への射を定義する。よって、μ: T → M (x) N が得られる。 λとμが、互いに逆写像になっていることは容易にわかる。 証明終
143 :208:2005/09/27(火) 09:56:48
>>142の記号を使う。
x ∈ M, y ∈ N とし、x (x) y = 0 とする。 >>118より x = f_i(x_i), y = g_j(y_j) となる x_i ∈ M_i, y_j ∈ N_j がある。
(f_i (x) g_j) (x_i (x) y_j) = f_i(x_i) (x) g_j(y_j) = x (x) y = 0 となる。 >>120 より、 x_k (x) y_l = 0 となる、x_k ∈ M_k, y_l ∈N_l がある。ここで i ≦ k, j ≦ l であり、x_k = f_(k, i)(x_i), y_l = g_(l, j)(y_j)
144 :208:2005/09/27(火) 10:09:42
命題 A を環とし、M と N を A-加群とする。 x ∈ M, y ∈ N とし、x (x) y = 0 とする。 このとき、x を含む A上有限生成の M の部分加群 M' と y を含む A上有限生成の N の部分加群 N' が存在し、 M' (x) N' の元として x (x) y = 0 となる。
証明
M の有限生成部分加群全体の族 (M_i) を考える。 ここで添え字集合 I は M の有限生成部分加群のなす集合であり、 包含関係により順序を定義する。I は有向順序集合である。 当然、有向前順序集合でもある。 M = ind.lim (M_i) は明らかだろう。 同様に、N の有限生成部分加群全体の族 (N_j) を考える。 N = ind.lim (N_j) となる。 こもまでくれば、>>143より命題は明らかだろう。 証明終
145 :208:2005/09/27(火) 10:38:01
>>85の証明をする。
命題 A を環とし、MをA-加群とする。 SをAの積閉集合とする。 M_S = M(x)A_S と定義する。 ここで、M(x)A_S は M とA_Sの A 上のテンソル積。 M_S は A_S-加群となる。M_S を M[1/S] と書くこともある。 x ∈ M, s ∈ S のとき、x (x) (1/s) を x/s と書く。 x/s = 0 とすると、ある t ∈ S があり、tx = 0 となる。
証明
x/s = x (x) (1/s) = 0 より、x/1 = x (x) 1 = 0 となる。
>>144 より、A_S のA-加群としての有限生成部分加群 N で
1 を含み、M (x) N の元として x (x) 1 = 0 となる。
N の生成元を、a_1/t_1, ... , a_r/t_r とする。
t_1, ..., t_r の積を t とすれば、N ⊂ A(1/t) となる。
I = {a ∈ A; ある s ∈ S に対して sa = 0} と定義すると、
I は A nのイデアルである。
a ∈ A のとき、a/t = 0 となるのは、sa = 0 となる s ∈ S
があるときに限る。つまり、a ∈ I である。
A-加群としての射 f: A → A(1/t) を、f(a) = a/t で定義する。
この射の核は、I に他ならない。f は明らかに全射だから、
A(1/t) は A/I と同型である。よって、 M (x) A(1/t) は
M (x) (A/I) = M/IM に同型である。この同型により、
x (x) 1 = x (x) (t/t) は tx mod IM に移る。
x (x) 1 = 0 だから、tx ∈ IM となる。よって、tx = Σ(a_i)(m_i)
となる、有限個の a_i ∈ I と m_i ∈ M がある。
すべての a_i に対して sa_i = 0 となる s ∈ S がある。
この s により stx = 0 となる。
証明終
146 :208:2005/09/27(火) 12:17:37
A をネーター環とし、Mを A-加群とする。 p を Supp(M) の極小元とすると、p ∈ Ass(M) となる。
証明
M_p は空でないから、>>90より Ass(M_p) は空でない。
Ass(M_p) は Spec(A_p) の部分集合であり、Spec(A_p) は
{q ∈ Spec(A); q ⊂ p} と同一視される(>>81)。
pの極小性より、Ass(M_p) = {pA_p} となる。
一方、>>95より、この同一視により Ass(M_p) = Ass(M) ∩ Spec(A_p)
となる。よって、p ∈ Ass(M) となる。
証明終
147 :208:2005/09/27(火) 12:31:14
随伴素イデアル(つまり Ass(M) の元)という概念 は Bourbakiの 手柄だね。それ以前は、この概念は準素加群分解に現れる素イデアル ということでしか定義されなかった。 随伴素イデアルの重要性を示すために例として有限アーベル群の 随伴素イデアルは何かという問題を出そう。
別の例として、V を代数的閉体 K 上の有限次ベクトル 空間とし、u を Hom(V, V) = End(V) の元とする。 K[X] を K 上の1変数多項式環とし、 X に u を対応させることにより、 K-多元環としての射 K[X] → End(V) が得られる。この射により、 V は K[X]-加群となる。このK[X]-加群の随伴素イデアルは何か?
148 :132人目の素数さん:2005/09/27(火) 12:43:22
しかし、これだけ演習題を提示して 証明もあたえらるなら、本にして売ったほうがいいような気がする 「電車男」なんてインチキ本が売れるんだ、 「数」の世界にごまかしはないからぜひとも編纂願う
149 :132人目の素数さん:2005/09/27(火) 12:50:06
興味ある奴の絶対数が違いすぎる
150 :208:2005/09/27(火) 12:52:09
随伴素イデアルの理論の次はだいたい以下のように考えている。
・Artin環 ・Dedekind環の特性つけ ・Krull-秋月の定理 ・正規環の因子類群 ・ガロワ拡大におけるHilbertの分岐理論 ・Dedekindの判別定理の証明 ・付値論の初歩 ・完備付値体の理論
途中で変更の可能性もある。
151 :132人目の素数さん:2005/09/27(火) 12:56:30
興味ない奴はスルーすればいいだけとか言うくらいだったら、 自分でサイト作ってそこに文章書いて掲示板でも設置すればいいのに。
彼が2chという掲示板でやる理由は何だろうね。
152 :132人目の素数さん:2005/09/27(火) 12:57:29
わかりきった問いをするなよ
153 :132人目の素数さん:2005/09/27(火) 13:12:21
本当は大学か何かの先生だったりします?>>208
154 :132人目の素数さん:2005/09/27(火) 13:58:34
>>153 だろうね。
155 :208:2005/09/27(火) 15:27:24
そんなわけねえだろ。学部で圏論教えてるかどうか聞いてるのに。
156 :208:2005/09/27(火) 15:28:45
>>152
ほう、教えてくれ
157 :208:2005/09/27(火) 15:45:20
A をネーター環とし、Mを A-加群とする。
N を M の部分加群とする。
Ass(M/N) が1個の素イデアルのみからなるとき、N を M の
準素(primary)部分加群という。Ass(M) が1個の素イデアルのみから
なるとき、つまり {0} が M の準素部分加群となるとき、
M を余準素(coprimary)加群という。
M の部分加群 N が真に大きい部分加群の共通部分になるとき、 つまり、N = N_1 ∩ N_2, N ≠ N_1, N ≠ N_2 となる部分加群 N_1, N_2 があるとき、N を可約部分加群という。可約でないとき 既約という。
158 :208:2005/09/27(火) 16:03:24
命題 A をネーター環とし、Mを A-加群とする。 N を M の部分加群とする。 N が準素部分加群でなければ、N は可約である。
証明
M を M/N に置き換えて N = 0 と仮定してよい。
よって、Ass(M) に属す素イデアルで互いに異なる p, q がある。
p = Ann(x), q = Ann(y) となる元 x, y ∈ M がある。
Ax は A/p に A-加群として同型だから、Ass(A/p) = {p} となる。
同様に Ass(A/q) = {q} である。
Ass(Ax ∩ Ay) ⊂ Ass(A/p) ∩ Ass(A/q) だから、Ass(Ax ∩ Ay) は
空集合である。よって、Ax ∩ Ay = 0
証明終
159 :208:2005/09/27(火) 16:25:22
補題 A をネーター環とし、Mを 有限生成 A-加群とする。 f ∈ Hom(M, M) とする。 ある整数 n > 0 に対して f^n(M) ∩ Ker(f) = 0 となる。
証明 M の部分加群の昇列 Ker(f) ⊂ Ker(f^2) ⊂ ... を考える。M はネーターだから、Ker(f^n) = Ker(f^(n+1)) となる 整数 n > 0 がある。この n が求めるものである。 証明終
160 :208:2005/09/27(火) 17:03:07
A を環、I を A のイデアルとする。
V(I) = {p ∈ Spec(A); I ⊂ p } と定義する。
V(I) の形の Spec(A) の部分集合を閉集合と定義することにより、
Spec(A) に位相が入る。この位相を Spec(A) のZariski位相という。
161 :208:2005/09/27(火) 17:04:58
補題 A を環とし、Mを 有限生成 A-加群とする。 Supp(M) = V(Ann(M)) となる。
証明は演習とする。
162 :208:2005/09/27(火) 17:17:27
A を環、f ∈ A とする。S = {f^n; n = 0, 1, 2, ...} とする。
S は積閉集合である。A_S を A[1/f] または A_f と書く。
A[1/f] が零環となるのは f がべき零のときに限る。
よって、Spec(A[1/f]) が空となるのは、f がべき零のときに限る。
Spec(A[1/f]) は、集合 D(f) = {p ∈ Spec(A); f は p に含まれない}
と同一視される(>>81)。
163 :208:2005/09/27(火) 17:20:32
命題 A を環とする。A のすべての素イデアルの共通部分は A のべき零元の 全体と一致する。
証明は>>162より明らか。
A のべき零元の全体を Nil(A) と書く。
164 :208:2005/09/27(火) 17:35:13
A を環、I を A のイデアルとする。Nil(A/I) の標準射 A → A/I による逆像を I の根基(radical)とよび、rad(I) と書く。 これは、mod I でベキ零となる A の元全体である。 >>163より、rad(I) は I を含む素イデアル全体の共通部分である。
165 :208:2005/09/27(火) 17:50:11
ネーター環 A の Nil(A) はベキ零である。
証明は演習
166 :208:2005/09/27(火) 17:58:15
A をネーター環とし、Mを A-加群とする。 Ass(M) と Supp(M) のそれぞれの極小元の集合は一致する。
証明 Ass(M) ⊂ Supp(M) (>>99) と >>146 からわかる
167 :208:2005/09/27(火) 18:02:21
命題 A をネーター環とし、Mを 有限生成 A-加群とする。 rad(Ann(M)) は p ∈ Ass(M) 全体の共通部分と一致する。
証明 >>161 と >>166 よりわかる。
168 :208:2005/09/27(火) 18:07:01
A をネーター環とし、Mを 有限生成 A-加群で余準素(>>157)とする。 このとき、定義より、Ass(M) は一個の素イデアル p よりなるから >>167より p = rad(Ann(M)) である。>>165 より、p^n ⊂ Ann(M) となる整数 n > 0 がある。よって、(p^n)M = 0 となる。
169 :208:2005/09/28(水) 09:11:33
現代数学概説Iの悪口を書いたけど、俺はあれで集合論を勉強した。 束論も意識してないけどジョルダン・ヘルダーの定理なんかで、 無意識に使ってるかもしれない。若い頃に読んだものって結構 影響力がある。因みにあのシリ-ズはいい本があるね。 岩沢の代数関数論とか。あの本はいいらしいけど超難しい。 俺も学部のころ仲間で読もうとしたけど、最初の付値論の 近似定理あたりで皆おだぶつ。
170 :208:2005/09/28(水) 09:29:13
今やってる随伴素イデアルとか今後やる予定の殆ど(全部ではない) はBourbakiの可換代数に書いてあるんで、それを参照してくれと 言えばお終いだけどね。その本が手元にない人も多いだろうから こっちの復習もかねてここに書いてる。
171 :208:2005/09/28(水) 09:36:20
前に数回書いてるけどBourbakiの可換代数はいいよ。なんで皆、 Ati-Macとか松村で勉強するんだろ。松村はBourbakiが書いて ないこともあるからいいけど。Bourbakiのいいところは、すべて 証明をつけてあるところ。しかもほとんどの命題の証明が比較的簡単 なんだな。だから、根気さえあれば読める。これはGrothendieck のEGAにもある程度言える。
172 :208:2005/09/28(水) 12:35:52
A を環、M を A-加群、N をその部分加群とする。 Supp(M) = Supp(N) ∪ Supp(M/N) となる。
証明 完全系列 0 → N → M → M/N → 0 より、p ∈ Spec(A) に対して 完全系列 0 → N_p → M_p → (M/N)_p → 0 が得られる。 これより明らか
173 :208:2005/09/28(水) 12:43:00
A を環、M を A-加群、(M_i), i ∈ I をその部分加群の族で M = ΣM_i とする。ここで、Σは直和ではなく単なる和をあらわす。 つまり、M は(M_i)で生成される。 S を A の積閉集合としたとき、 M_S = Σ(M_i)_S となる。
証明は演習。っていうか明らかだろう。
174 :208:2005/09/28(水) 12:46:58
A を環、M を A-加群、(M_i), i ∈ I をその部分加群の族で M = ΣM_i とする。ここで、Σは直和ではなく単なる和をあらわす。 Supp(M) = ∪Supp(M_i) となる。
証明は>>173より明らかだろう。
175 :208:2005/09/30(金) 16:01:36
定義 Aを環とし、MをA-加群とする。 Aの元 a が M に関して概べき零であるとは、各 x ∈ M に対して、 整数 n(x) > 0 が存在して、a^(n(x))x = 0 となることを言う。 n(x) が x によらないとき、つまり、ある整数 n > 0 に対して、 (a^n)M = 0 となるとき、a を M に関してべき零であるという。
176 :208:2005/09/30(金) 16:52:47
Aを環とし、I をそのイデアルとする。 Supp(A/I) = V(I) である。
証明は演習とする。
177 :208:2005/09/30(金) 17:13:43
A を環とし、Mを A-加群とする。 Supp(M) に属す全ての素イデアルの共通部分は、M に関して概べき零な 元全体と一致する。
証明
>>174より、Supp(M) = ∪{Supp(Ax); x ∈ M} である。
Ax は A/Ann(x) と同型であるから、>>176より、Supp(Ax) = V(Ann(x))
となる。>>164より、Supp(Ax) に属す素イデアルの共通部分は、
rad(Ann(x)) である。
証明終
178 :208:2005/09/30(金) 17:22:25
A をネーター環とし、Mを A-加群とする。 Ass(M) に属す全ての素イデアルの共通部分は、M に関して概べき零な 元全体と一致する。
証明 >>166と>177より。 証明終
179 :208:2005/09/30(金) 17:32:47
定義 Aを環とし、MをA-加群とする。 Aの元 a が M に関して正則であるとは、 u(x) = ax により定義される射 u: M → M が単射であることをいう。 M に関して正則であることを M-正則と言うこともある。
180 :208:2005/09/30(金) 17:35:35
A をネーター環とし、Mを A-加群とする。 Ass(M) に属す全ての素イデアルの合併部分は、M に関して非正則な元 全体と一致する。
証明 >>89と>>90より。 証明終
181 :208:2005/09/30(金) 17:50:59
A をネーター環とし、Mを A-加群とする。 次の条件は同値である。 1)Ass(M) が1個の素イデアルのみからなる。 2)A の元で M に関して非正則なものは概べき零である。
証明 >>178と>>180より。 証明終
182 :132人目の素数さん:2005/09/30(金) 18:20:07
A をネーター環とし、Mを有限生成 A-加群とする。 N を M の真部分加群 とする。 N は有限個の準素部分加群の共通集合となる。
証明 M の部分加群のなす順序集合は極大条件を満たすから、 N は有限個の既約部分加群(>>157)の共通集合となる。 既約部分加群は準素部分加群である(>>158)。 証明終
183 :132人目の素数さん:2005/10/03(月) 10:00:08
>>166は暗黙に次の命題を使用していた。
A を環、p をその素イデアルとすると、p に含まれる極少素イデアルが 存在する。
証明は、Zornの補題より簡単に得られる。
A がネーターの場合は、零イデアルの準素イデアル分解が存在すること を使えば、Zornの補題は必要ない。 因みに、ネーター環においては、素イデアルの降鎖列は有限で停留する。
184 :132人目の素数さん:2005/10/03(月) 11:23:43
A をネーター環、M を A-加群、(M_i) を M の部分加群の族で、 M = ∪M_i とする。このとき、 Ass(M) = ∪Ass(M_i) となる。
証明 明らか。
185 :208:2005/10/03(月) 11:32:46
A をネーター環、M を A-加群、N をその部分加群とする。 Ass(M) ⊂ Ass(N) ∪ Ass(M/N) となる。
証明 p ∈ Ass(M) とする。M の部分加群 L で A/p と同型になるものが ある。 L ∩ N が空でなければ、p ∈ Ass(L ∩ N) ⊂ Ass(N) となる。L ∩ N が空なら、L は (L + N)/N ⊂ M/N と同型。 よって、p ∈ Ass(M/N) となる。 証明終
186 :208:2005/10/03(月) 11:38:28
A をネーター環、M を A-加群、(M_i) を M の部分加群の族で、 M = ΣM_i (直和)とする。このとき、 Ass(M) = ∪Ass(M_i) となる。
証明 >>184より(M_i)は有限個の族、特に2個の場合を証明すればよい。 M = M_1 + M_2 (直和)とする。 >>185 より、Ass(M) ⊂ Ass(M_1) ∪ Ass(M_2) となる。 逆の包含関係は明らか。 証明終
187 :208:2005/10/03(月) 11:46:19
A をネーター環とし、Mを A-加群とする。
N を M の部分加群 とする。
N = Q_1 ∩ Q_2 とする。ここで、Q_1, Q_2 は準素部分加群であり、
{p} = Ass(M/Q_1) = Ass(M/Q_2) とする。
このとき、N は準素であり、{p} = Ass(M/N) となる。
証明 M/N は M/Q_1 + M/Q_2 (直和)の部分加群に同型である。 よって>>186より、 Ass(M/N) ⊂ Ass(M/Q_1) ∪ Ass(M/Q_2) 証明終
188 :208:2005/10/03(月) 11:59:08
定義
A をネーター環とし、Mを A-加群とする。
M の部分加群 N が有限個の準素部分加群の共通集合となっている
とする。N = Q_1 ∩ Q_2 ... ∩ Q_n
各 i に対して N ≠ ∩{Q_j; j ≠ i} となっているとき、
これを N の無駄のない準素分解と言う。
さらに、{p_i} = Ass(M/Q_i} としたとき、各 p_i が互いに異なって
いるとき、これを、N の最短準素分解と言う。
189 :208:2005/10/03(月) 12:04:07
ところで、かなりかったるいな。随伴素イデアルとか準素分解が こんなに長くなるとは思ってなかった。早くDedekind環に行きたい んだけど。まあ、もう少しで終わるから辛抱して。
190 :208:2005/10/03(月) 14:21:29
A をネーター環とし、Mを A-加群とする。
M の部分加群 N の最短準素分解
N = Q_1 ∩ Q_2 ... ∩ Q_n があるとする。
各i に対して {p_i} = Ass(M/Q_i) とすると、
Ass(M/N) = {p_1, p_2, ... , p_n} となる。
証明
M/N は Σ(M/Q_i) (直和)の部分加群に同型だから、
>>186 より、Ass(M) ⊂ {p_1, p_2, ... , p_n} となる。
各i に対して P_i = ∩{Q_j; j ≠ i} とおく。
N = Q_1 ∩ Q_2 ... ∩ Q_n は無駄がないから、
P_i/N ≠ 0 である。P_i/N は (P_i + Q_i)/Q_i に同型であり、
(P_i + Q_i)/Q_i は M/Q_i の部分加群だから、
Ass(P_i/N) = {p_i} となる。P_i/N は M/N の部分加群だから
p_i ∈ Ass(M/N) となる。
証明終
191 :208:2005/10/03(月) 14:34:30
>>175 Mが有限生成なら、A の元が M に関して概べき零であることと、 べき零であることは同値である。
192 :208:2005/10/03(月) 14:51:49
Mが有限生成の場合に、>>158の別証を述べる。 この証明はネーター自身の証明と本質的には同じである。
命題 A をネーター環とし、Mを有限生成 A-加群とする。 N を M の部分加群とする。 N が準素部分加群でなければ、N は可約である。
証明 M を M/N に置き換えることにより、 N = 0 と仮定してよい。 0 が準素でないとする。>>181より、A の元 a で M に関して非正則かつ (M に関して)べき零でないものがある。A-加群 としての自己準同型 f を f(x) = ax により定義する。仮定より、f は単射でもべき零でもない。 >>159 より、0 は可約になる。 証明終
193 :208:2005/10/03(月) 15:04:02
次の命題はしばしば使われる。
命題 A をネーター環とし、Mを有限生成 A-加群とする。 M の部分群の列 0 = M_0 ⊂ M_1 ⊂ ... ⊂ M_n = M で 各 M_i/M_(i-1) が A/p_i と同型になるものが存在する。p_i は素イデアル。
証明 p_1 ∈ Ass(M) とすると、A/p_1 と同型な M の部分群 M_1 がある。 M/M_1 ≠ 0 なら、p_2 ∈ Ass(M/M_1) をとり同様にする。 M はネーターなのでこの操作は有限回で終わる。 証明終
194 :208:2005/10/03(月) 16:45:49
A を環、Mを A-加群、 N, L を M の部分加群とする。 S を A の積閉集合とする。 M_S の部分加群として、(N ∩ L)_S = N_S ∩ L_S となる。
証明 完全列 0 → N ∩ L → M → M/N + M/L(直和) より、完全列 0 → (N ∩ L)_S → M_S → M_S/N_S + M_S/L_S(直和) が得られる(>>86)。 証明終
195 :208:2005/10/03(月) 17:13:36
A をネーター環とし、Mを A-加群、
Q を M の準素部分加群、Ass(M/Q) = {p} とする。
S を A の積閉集合とする。p ∩ S が空なら、Q_S は M_S の
準素部分加群であり、Ass(M_S/Q_S) = {pA_S} となる。
さらに、φ^(-1)(Q_S) = Q となる。ここで、φ: A → A_S は
標準射。
p ∩ S が空でないなら Q_S = M_S となる。
証明
p ∩ S が空とする。
>>95より、
Ass(M_S/Q_S) = Ass(M/Q) ∩ Spec(A_S) となる。
よって、Ass(M_S/Q_S) = {pA_S} となる。
s ∈ S、x ∈ M、 sx ∈ Q とする。>>180より s は
M/Q に関して正則元だから x ∈ Q となる。
これは、φ^(-1)(Q_S) = Q を意味する。
次に、p ∩ S が空でないとする。 Ass(M_S/Q_S) = Ass(M/Q) ∩ Spec(A_S) は空となるから、 M_S/Q_S = 0 である。 証明終
196 :208:2005/10/03(月) 17:31:40
A をネーター環とし、Mを A-加群、
N = Q_1 ∩ Q_2 ... ∩ Q_n を M の部分加群 N の最短準素分解
各i に対して {p_i} = Ass(M/Q_i)、
S を A の積閉集合とする。
0 < r < n, i = 1, ... , r に対して
p_i ∩ S は空、j = r+1, ... , n に対して p_j ∩ S は空でない
とする。このとき、N_S = (Q_1)_S ∩ (Q_2)_S ... ∩ (Q_r)_S
となり、これは N_S の M_S における最短準素分解である。
証明 >>194と>>195より。 証明終
197 :208:2005/10/03(月) 17:44:20
>>195 >ここで、φ: A → A_S は標準射。
ここで、φ: M → M_S は標準射。
198 :208:2005/10/03(月) 17:45:20
A をネーター環とし、Mを A-加群、
N = Q_1 ∩ Q_2 ... ∩ Q_n を M の部分加群 N の最短準素分解
各i に対して {p_i} = Ass(M/Q_i) とする。
ある i に対して p_i が極小素イデアルとすると、
Q_i = φ^(-1)(N_p_i) となる。よって、 Q_i は、N と p_i により
一意に決まる。
ここで、N_p_i は、いつものように積閉集合 S = A - p_i による局所化。
φ: M → M_p_i は標準射。
証明
>>196より。
証明終
199 :208:2005/10/04(火) 11:25:15
ネーター加群における準素加群分解(>>182)は、既約部分加群が 準素であるという事実(>>158または>>192)に基づいていた。 しかし、準素部分加群は既約とは限らない。既約とは限らない 準素部分加群による分解は次の結果から得られる。
命題
A をネーター環とし、Mを有限生成 A-加群とする。
p ∈ Ass(M) とすると、M の部分加群 N で、
Ass(M/N) = {p}, Ass(N) = Ass(M) - {p} となるものが存在する。
証明
Ass(M) = {p} なら命題は自明なので、Ass(M) ≠ {p} と仮定する。
M の部分加群 N で、Ass(N) に p を含まないものの中で極大なもの
とする。このようなものが存在することは、M がネーター加群である
ことからわかる。Ass(M) ⊂ Ass(N) ∪ Ass(M/N) だから、
p ∈ Ass(M/N) となる。q ∈ Ass(M/N) で p ≠ q となるものがある
とする。N ⊂ L で L/N が A/q と同型になるような部分加群 L が
存在する。Ass(L/N) = {q} で Ass(L) ⊂ Ass(N) ∪ Ass(L/N) だから
Ass(L) は p を含まない。これは N の極大性に反する。
よって、Ass(M/N) = {p} である。Ass(N) = Ass(M) - {p} は、これと
Ass(N) ⊂ Ass(M) および、Ass(M) ⊂ Ass(N) ∪ Ass(M/N) からわかる。
証明終
200 :208:2005/10/04(火) 12:23:14
A をネーター環とし、Mを有限生成 A-加群とする。
各 p ∈ Ass(M) に対して、M の部分加群 Q(p) で、
Ass(M/Q(p)) = {p}, Ass(Q(p)) = Ass(M) - {p} となる
とする(>>199)。
このとき、0 = ∩{Q(p); p ∈ Ass(M)} となり、
これは、0 の最短準素分解である。
証明
N = ∩{Q(p); p ∈ Ass(M)} とおく。Ass(N) ⊂ Ass(Q(p))
だから、Ass(N) は空である。よって N = 0 である(>>90)。
0 = ∩{Q(p); p ∈ Ass(M)} は最短準素分解である。
何故なら、もしあるp ∈ Ass(M) に対して
0 = ∩{Q(q); q ∈ Ass(M), q ≠ p} とすると、
M は、直和 ΣM/Q(q) に埋め込まれて、
Ass(M) ⊂ ∪Ass(M/Q(q)) となり矛盾する。
証明終
