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  • Kummer07_4

Kummer07_4

最終更新:2011年03月09日 22:08

kummer

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だれでも歓迎! 編集
最終更新日時 2011年03月09日 (水) 22時08分06秒

代数的整数論 007 (301-375)

元スレ: http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1187904318/301-375
ログ元: http://2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1187904318/301-375

301 :132人目の素数さん:2007/08/30(木) 15:09:25
   >>281

   すみません。質問、いいでしょうか?

   >U×V の形の集合の有限個の共通部分全体は Y×Z の開集合の
   >基底である。
   >従って、Y×Z の任意の開集合 W に対して h^(-1)(W) ∈ Φ である。

   とありますが、Y×Z の任意の開集合 W は、U×V の形の開集合の
   「一般には非可算個の」合併ですよね?
   だから、h^(-1)(W) も、h^(-1)(U×V) (∈ Φ )の形の集合の
   非可算個の合併である可能性がありますね?

   これが可算個の合併であれば、確かに h^(-1)(W) ∈ Φ となりますが、
   非可算個の場合は、どうやって証明するのでしょう?

   ひょっとしたら、私が何か見落としているのかもしれませんが、
   宜しくお願いします。

302 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 16:13:25
   >>301

   確かにおかしいですね。
   Y と Z はそれぞれ開集合の可算基底を持ってないと駄目ですね。
   有難うございました。

   R は開集合の可算基底を持ってるので、>>283 は成り立ちます。

303 :132人目の素数さん:2007/08/30(木) 16:15:27
   >>302

   やっぱりそうでしたか。
   ご返答、ありがとうございました。

304 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 18:29:05
   命題
   (X, Φ) を可測空間(>>211)とし、
   f : X → [0, +∞] を可測関数とする。

   次の条件を見たす可測で有限な単関数(>>298) f_n が存在する。

   1) 0 ≦ f_1 ≦ f_2 ≦ . . . ≦ f
   2) 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき f_n(x) → f(x)

   証明
   任意の整数 n > 0 に対して、
   区間 [0, n) を 1/2^n 等分する。
   即ち、
   [0, n) = ∪[k/2^n, (k+1)/2^n), k = 0, 1, ..., (2^n)n - 1

   f_n : X → [0, +∞) を次のように定義する。

   f(x) ∈ [k/2^n, (k+1)/2^n) ⊂ [0, n) のとき f_n(x) = k/2^n
   f(x) ∈ [n, +∞] のとき f_n(x) = n

   f_n は単関数であり、>>300 より可測である。

   [0, n+1) の分割は [0, n) の分割の細分になっている。
   従って、f_n ≦ f_(n+1) である。

   f(x) = +∞ のとき、任意の n で f_n(x) = +∞ だから
   n → ∞ のとき f_n(x) → +∞

   f(x) < +∞ のとき、
   f(x) < n となる限り |f(x) - f_n(x)| ≦ 1/2^n である。
   よって、n → ∞ のとき f_n(x) → f(x)
   証明終
305 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 18:51:42
   定義
   X を集合とし、f : X → [-∞, +∞] を任意の写像とする。

   f^(+) = sup{f, 0}
   f^(-) = sup{-f, 0}
   と書く。

   f = f^(+) - f^(-)
   |f| = f^(+) + f^(-)
   である。

   (X, Φ) が可測空間(>>211)で、f が可測(>>213)なら、
   >>295 より、f^(+) と f^(-) も可測である。
306 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 20:01:24
   補題
   (X, Φ) を可測空間(>>211)とする。
   f を X 上の単関数(>>298)とする。

   α ≠ 0 を(有限)実数とする。
   f が可測なら、αf も可測な単関数である。

   証明
   >>277 より αf は可測である。

   αf が単関数であることは明らかである。
   証明終

307 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 20:17:27
   命題
   (X, Φ) を可測空間(>>211)とする。
   f と g を X 上の可測で有限な単関数(>>298)とする。
   f + g も可測で有限な単関数である。

   証明
   f(X) - {0} = {a_1, . . . , a_n}
   g(X) - {0} = {b_1, . . . , b_m} とする。

   A_i = {x ; f(x) = a_i}, 1 ≦ i ≦ n
   B_j = {x ; g(x) = b_j}, 1 ≦ j ≦ m とおく。

   >>300 より、 A_i ∈ Φ, B_j ∈ Φ である。
   A = ∪A_i, B = ∪B_j とおく。

   A ∪ B = (A - B) ∪ (A ∩ B) ∪ (B - A)
   これは、A ∪ B の直和分割である。

   x ∈ X - (A ∪ B) のとき f(x) = g(x) = 0 であり、f(x) + g(x) = 0

   x ∈ A - B のとき x ∈ A_i となる i が唯一つ存在し、
   f(x) = a_i, g(x) = 0 である。よって、f(x) + g(x) = a_i

   x ∈ B - A のとき x ∈ B_j となる j が唯一つ存在し、
   f(x) = 0, g(x) = b_j である。よって、f(x) + g(x) = b_j

   x ∈ A ∩ B のとき x ∈ A_i となる i が唯一つ存在し、
   x ∈ B_j となる j が唯一つ存在する。
   f(x) = a_i, g(x) = b_j である。
   よって、f(x) + g(x) = a_i + b_j
   以上から f + g は可測で有限な単関数である。
   証明終
308 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 20:31:26
   命題
   (X, Φ) を可測空間(>>211)とし、
   f : X → [0, +∞] を可測関数とする。

   可測で有限な単関数(>>298) の列 (f_n) が存在し、
   任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき f_n(x) → f(x)

   証明
   >>305 より、f = f^(+) - f^(-) である。

   f^(+) ≧ 0, f^(-) ≧ 0 だから
   >>304 より、可測で有限な単関数(>>298) の列 (g_n) と (h_n) が
   存在し、

   任意の x ∈ X において、
   n → ∞ のとき g_n(x) → f^(+)
   n → ∞ のとき h_n(x) → f^(-)
   となる。
   よって、n → ∞ のとき g_n(x) - h_n(x) → f^(+) - f^(-) である。

   >>306 より、-h_n(x) は可測で有限な単関数である。
   よって、>307 より、g_n(x) - h_n(x) も可測で有限な単関数である。

   f_n(x) = g_n(x) - h_n(x) が求めるものである。
   証明終
309 :132人目の素数さん:2007/08/30(木) 20:40:26
   >>308

   たびたびすみません。
   f : X → [0, +∞] だから、f = f^(+) ではないですか?
   おそらく、仮定は f : X → [-∞, +∞]
   ではないかと思われます。

310 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 20:45:11
   命題
   (X, Φ) を可測空間(>>211)とし、
   f と g を X から(有限)数直線 R = (-∞, +∞) への写像とする。

   f と g が可測(>>213)なら、 f + g も可測である。

   証明
   >>308 より、可測で有限な単関数(>>298) の列 (f_n) と (g_n) が
   存在し、任意の x ∈ X において、
   n → ∞ のとき f_n(x) → f(x)
   n → ∞ のとき g_n(x) → g(x)
   となる。

   よって、
   n → ∞ のとき f_n(x) + g_n(x) → f(x) + g(x) である。

   >>307 より、f_n(x) + g_n(x) は可測である。

   f + g = lim sup(f_n + g_n) である(>>289)から >>295, >>296 より
   f + g は可測である。
   証明終
311 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 20:47:06
   >>309

   その通りです。
   有難うございました。

312 :132人目の素数さん:2007/08/30(木) 20:47:55
   クンマー大好き 僕も代数がんばるぞ

313 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 20:53:29
   >>310 は >>280 の拡張である。

   しかし、証明方法はだいぶ違う(>>285 参照)。
   この方法は、現代数学概説 II によった。

   Halmos の Measure theory は >>310 を >>280 と同様の方法で
   証明しているが、私はその証明がよく理解出来ない。

314 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 21:13:52
   命題
   (X, Φ) を可測空間(>>211)とする。
   f と g を X 上の可測で有限な単関数(>>298)とする。
   fg も可測で有限な単関数である。

   証明
   f(X) - {0} = {a_1, . . . , a_n}
   g(X) - {0} = {b_1, . . . , b_m} とする。

   A_i = {x ; f(x) = a_i}, 1 ≦ i ≦ n
   B_j = {x ; g(x) = b_j}, 1 ≦ j ≦ m とおく。

   >>300 より、 A_i ∈ Φ, B_j ∈ Φ である。
   A = ∪A_i, B = ∪B_j とおく。

   A ∪ B = (A - B) ∪ (A ∩ B) ∪ (B - A)
   これは、A ∪ B の直和分割である。

   x ∈ X - (A ∪ B) のとき f(x) = g(x) = 0 であり、f(x)g(x) = 0

   x ∈ A - B のとき x ∈ A_i となる i が唯一つ存在し、
   f(x) = a_i, g(x) = 0 である。よって、f(x)g(x) = 0

   x ∈ B - A のとき x ∈ B_j となる j が唯一つ存在し、
   f(x) = 0, g(x) = b_j である。よって、f(x)g(x) = 0j

   x ∈ A ∩ B のとき x ∈ A_i となる i が唯一つ存在し、
   x ∈ B_j となる j が唯一つ存在する。
   f(x) = a_i, g(x) = b_j である。
   よって、f(x)g(x) = (a_i)(b_j)
   以上から fg は可測で有限な単関数である。
   証明終
315 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 21:17:47
   命題
   (X, Φ) を可測空間(>>211)とし、
   f と g を X から(有限)数直線 R = (-∞, +∞) への写像とする。

   f と g が可測(>>213)なら、 fg も可測である。

   証明
   >>308 より、可測で有限な単関数(>>298) の列 (f_n) と (g_n) が
   存在し、任意の x ∈ X において、
   n → ∞ のとき f_n(x) → f(x)
   n → ∞ のとき g_n(x) → g(x)
   となる。

   よって、
   n → ∞ のとき f_n(x)g_n(x) → f(x)g(x) である。

   >>314 より、(f_n)(g_n) は可測である。

   fg = lim sup(f_n)(g_n) である(>>289)から >>295, >>296 より
   fg は可測である。
   証明終

316 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 21:40:34
   定義
   (X, Φ) を可測空間(>>211)とする。

   Φ から [0, +∞] への関数 μ が次の条件をみたすとき、
   μ を (X, Φ) 上の測度または、Φ 上で定義された測度と言う。

   1) φ を空集合としたとき、μ(φ) = 0

   2) (A_n), n = 1, 2, ... を Φ の集合列で、 n ≠ m のとき
   常に A_n と A_m は交わらないとする。
   このとき μ(∪A_n) = Σμ(A_n)
317 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 21:54:54
   >>316 の 2) の性質を完全加法性または σ-加法性と言う。

   測度の与えられた可測空間を測度空間と言う。

   (X, Φ) を可測空間、μ をその上の測度としたとき、
   この測度空間を (X, Φ, μ) で表すことがある。
318 :Kummer ◆p5Ne5aK0Lg :2007/08/31(金) 03:58:49
       ∩_∩
      ( ・( ェ)・) < おやすみ Kummer
      ( O┬O
   ≡◎-ヽJ┴◎
   キコキコ


319 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 04:23:38
   測度の例

   後で示すように有用な測度(例えば Lebesgue 測度)を構成するのは
   やや面倒である。

   ここでは、簡単な例を挙げる。

   1) 集合 X の任意の部分集合 E に対して E が無限集合なら
   μ(E) = ∞、有限集合ならその要素の個数を μ(E) とする。

   2) 集合 X の任意の点 x_0 を固定する。 X の部分集合 E が x_0 を
   含めば μ(E) = 1, x_0 を含まなければ μ(E) = 0 とする。

320 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 04:37:01
   命題
   (X, Φ, μ) を測度空間とする。

   A_1, . . . , A_n ∈ Φ で i ≠ j のとき A_i ≠ A_j なら
   μ(A_1 ∪ . . . ∪ A_n) = μ(A_1) + . . . μ(A_n)

   証明
   >>316 の 2) において、A_(n+1) = A_(n+2) = . . . = 空集合 とすれば
   よい。
321 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 04:40:14
   命題
   (X, Φ, μ) を測度空間とする。

   A, B ∈ Φ で A ⊂ B なら μ(A) ≦ μ(B)

   証明
   B = A ∪ (B - A) で A と B - A は交わらない。
   >>320 より μ(B) = μ(A) + μ(B - A)
   μ(B - A) ≧ 0 だから μ(A) ≦ μ(B)
322 :132人目の素数さん:2007/08/31(金) 04:42:36
   >>320

   お邪魔します。

   >i ≠ j のとき A_i ≠ A_j なら

   とありますが、
   i ≠ j のとき A_i と A_j が交わらない なら
   と訂正すべきでは?

323 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 04:57:18
   命題
   (X, Φ, μ) を測度空間とする。

   (A_n), n = 1, 2, ... を Φ の集合列で、
   A_1 ⊂ A_2 ⊂ . . . なら n → ∞ のとき μ(A_n) → μ(∪A_n)

   証明
   A = ∪A_n とおく。

   A = A_1 ∪ (A_2 - A_1) ∪ (A_3 - A_2) ∪ . . . (直和分割)
   よって、μ(A) = μ(A_1) + μ(A_2 - A_1) + . . .

   一方、n ≧ 2 のとき、
   μ(A_n) = μ(A_1) + μ(A_2 - A_1) + . . . + μ(A_n - A_(n-1)
   よって、n → ∞ のとき μ(A_n) → μ(A)
   証明終
324 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 04:58:17
   >>322

   有難うございます。
   その通りです。


325 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 05:21:51
   補題
   (X, Φ, μ) を測度空間とする。

   A, B ∈ Φ で A ⊃ B とする。
   μ(A) < +∞ なら μ(A - B) = μ(A) - μ(B)

   証明
   A = B ∪ (A - B) と直和分割される。

   >>320 より μ(A) = μ(B) + μ(A - B) である。
   μ(A) < +∞ だから μ(A - B) = μ(A) - μ(B) である。
   証明終
326 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 05:26:10
   >>325 で μ(A) < +∞ の仮定は必要である。

   μ(A) = μ(B) = +∞ なら μ(A) - μ(B) は定義されない。

327 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 05:40:52
   命題
   (X, Φ, μ) を測度空間とする。

   (A_n), n = 1, 2, ... を Φ の集合列で、
   A_1 ⊃ A_2 ⊃ . . . で、μ(A_1) < +∞ とする。

   n → ∞ のとき μ(A_n) → μ(∩A_n)

   証明
   B_n = A_1 - A_n とおく。
   B_1 ⊂ B_2 ⊂ . . . である。
   >>323 より n → ∞ のとき μ(B_n) → μ(∪B_n)

   μ(A_1) < +∞ だから >>325 より、
   μ(B_n) = μ(A_1) - μ(A_n) である。

   ∪B_n = A_1 - ∩A_n で μ(A_1) < +∞ だから >>325 より、
   μ(∪B_n) = μ(A_1) - μ(∩A_n)

   よって、
   μ(A_1) - μ(∩A_n) = lim (μ(A_1) - μ(A_n))
   = μ(A_1) - lim μ(A_n)

   よって、
   μ(∩A_n) = lim μ(A_n)
   証明終

328 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 07:02:37
   定義
   (X, Φ, μ) を測度空間(>>317)とする。

   μ(A) = 0 となるような A ∈ Φ を(μ に関する)零集合と言う。
329 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 07:41:32
   命題
   (X, Φ, μ) を測度空間とする。

   (A_n), n = 1, 2, ... を Φ の集合列とすると、

   μ(∪A_n) ≦ Σμ(A_n)

   である。

   証明
   B_1 = A_1
   B_2 = A_2 - A_1
   . . .
   B_n = A_n - (A_1 ∪ . . . ∪ A_(n-1))
   とおく。

   A = ∪A_n とおけば、
   A = ∪B_n となり、これは A の直和分割である。

   よって μ(A) = Σμ(B_n)

   B_n ⊂ A_n だから >>321 より μ(B_n) ≦ μ(A_n)
   よって μ(A) ≦ Σμ(A_n)
   証明終

330 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 07:45:51
   命題
   (X, Φ, μ) を測度空間とする。

   μに関する零集合(>>328)全体は σ-集合環(>>197)である。

   証明
   μに関する零集合全体を Ψ とする。

   空集合は Ψ に属すから Ψ は空ではない。

   A_n ∈ Ψ, n =1 , 2, ... とする。
   >>329 より、
   μ(∪A_n) ≦ Σμ(A_n) = 0
   よって、∪A_n ∈ Ψ である。

   A, B ∈ Ψ なら >>321 より μ(A - B) ≦ μ(A) = 0
   よって、A - B ∈ Ψ である。
   証明終
331 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 08:26:43
   命題
   (X, Φ, μ) を測度空間とする。

   A と B を X の(可測とは限らない)任意の集合とする。

   A△B (>>191)がμに関する零集合(>>328)に含まれるとき

   A ~ B (μ) または A ~ B と書く。
   A ~ B (μ) は同値関係である。

   証明
   1) A ~ A は明らかである。

   2) A ~ B なら B ~ A も明らかである。

   3) A ~ B かつ B ~ C とする。
   A ~ C を示せばよい。

   A△B ⊂ N
   B△C ⊂ M
   となる零集合 N と M がある。
   即ち、
   (A - B) ∪ (B - A) ⊂ N
   (B - C) ∪ (C - B) ⊂ M

   A - C ⊂ (A - B) ∪ (B - C) ⊂ N ∪ M
   C - A ⊂ (C - B) ∪ (B - A) ⊂ N ∪ M

   よって、A△C = (A - C) ∪ (C - A) ⊂ N ∪ M
   >>330 より N ∪ M は零集合である。即ち、A ~ C
   証明終
332 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 08:43:00
   命題
   (X, Φ, μ) を測度空間とする。

   X から R~ = [-∞, +∞] への(可測とは限らない)写像全体を
   F(X, R~) と書く。

   f, g ∈ F(X, R~) で、{x ; f(x) ≠ g(x) } が零集合(>>328)に
   含まれるとき、
   f ~ g (μ) または f ~ g または f = g (a.e.) と書く。

   f ~ g (μ) は同値関係である。

   証明
   1) f ~ f は明らかである。

   2) f ~ g なら g ~ f も明らかである。

   3) f ~ g かつ g ~ h とする。
   f ~ h を示せばよい。

   f(x) = g(x) かつ g(x) = h(x) なら f(x) = h(x) である。

   よって、
   {x ; f(x) ≠ h(x) } ⊂ {x ; f(x) ≠ g(x) } ∪ {x ; g(x) ≠ h(x) }

   仮定より、
   {x ; f(x) ≠ g(x) } ⊂ N
   {x ; g(x) ≠ h(x) } ⊂ M
   となる零集合 N と M がある。
   よって、{x ; f(x) ≠ h(x) } ⊂ N ∪ M
   >>330 より N ∪ M は零集合である。即ち、f ~ h
   証明終
333 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 08:47:30
   >>331

   現代数学概説 II(岩波書店) では {x ; f(x) ≠ g(x) } が零集合のとき
   f ~ g と定義しているが、これは間違いである。

   何故なら f, g ∈ F(X, R~) のとき {x ; f(x) ≠ g(x) } は
   可測とは限らないからである。

334 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 08:48:12
   >>333

   >>331 でなく >>332

335 :132人目の素数さん:2007/08/31(金) 09:49:28
   >>333

   Kummer さん、おはようございます。

   質問、と言うか、確認です。

   現代数学概説の定義:
   > {x ; f(x) ≠ g(x) } が零集合のとき
   が生きるのは、
   測度空間 (X, Φ, μ) が完備であれば、(簡単のために X ∈ Φ とする)
   よいわけですね?
   ここでは「完備性」を仮定していないため、「零集合に含まれる」
   と言う定義をするのですよね?

   些細な点で恐縮ですが m(_ _)m
336 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 09:52:50
   命題
   (X, Φ, μ) を測度空間とする。
   X から R~ = [-∞, +∞] への(可測とは限らない)写像全体を
   F(X, R~) と書く。

   f, g ∈ F(X, R~) のとき、f ~ g である(>>332)ためには、
   [-∞, +∞] の任意の部分集合 S に対して
   f^(-1)(S) ~ g^(-1)(S) となる(>>331)ことが必要十分である。

   証明
   必要性。
   f ~ g とする。
   [-∞, +∞] の部分集合 S に対して
   x ∈ f^(-1)(S)△g^(-1)(S) なら、 f(x) ≠ g(x) である。
   よって、f^(-1)(S)△g^(-1)(S) ⊂ {x ; f(x) ≠ g(x) }
   よって、f^(-1)(S) ~ g^(-1)(S)

   (続く)

337 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 09:53:57
   >>336 の続き。

   十分性。
   [-∞, +∞] の任意の部分集合 S に対して
   f^(-1)(S) ~ g^(-1)(S) とする。

   r が全ての有理数を動くとき、
   {x ; f(x) < g(x) } = ∪ {{x ; f(x) < r } ∩ {x ; r ≦ g(x) }
   = ∪ ({{x ; f(x) < r } - {x ; g(x) < r })
   ⊂ ∪ ({{x ; f(x) < r } △ {x ; g(x) < r })

   仮定から、
   {{x ; f(x) < r } △ {x ; g(x) < r } ⊂ N_r となる零集合がある。

   よって、
   {x ; f(x) < g(x) } ⊂ ∪ N_r
   >>330 より ∪ N_r は零集合である。

   同様にして、{x ; f(x) > g(x) } も零集合に含まれる。
   よって、
   {x ; f(x) ≠ g(x) } = {x ; f(x) < g(x) } ∪ {x ; f(x) > g(x) }
   も零集合に含まれる。
   即ち、f ~ g である。
   証明終。

338 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 09:59:08
   >>335

   (X, Φ, μ) が完備でも、 {x ; f(x) ≠ g(x) } は
   可測とは限らないんで、f ~ g を、
   {x ; f(x) ≠ g(x) } が零集合と定義するのはまずいんじゃないですかね?

339 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 10:02:36
   >>335

   あ、いいですね。

   (X, Φ, μ) が完備なら、{x ; f(x) ≠ g(x) } が零集合に含まれる
   のと、{x ; f(x) ≠ g(x) } が零集合であることは同値ですから。


340 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 10:10:34
   >>335

   もう分かってると思いますが、私は積分論には詳しくないんですいよ。
   というか解析は詳しくないです。
   だからと言って代数とか幾何に詳しいというわけでもないですが。

   Haar 測度をこのスレで使うんで勉強を兼ねてやってるわけです。

341 :132人目の素数さん:2007/08/31(金) 10:14:05
   >>339 , >>338

   有難うございます。


342 :132人目の素数さん:2007/08/31(金) 10:18:05
   >>340

   そうでしたか。
   すると、ここでの積分論は、Haar 測度を経由して、
   本来の代数方面につながるわけですか?

   Kummer さんが代数に詳しくない、と言うのは、
   私などから見れば謙遜に思えますよ。

343 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 10:33:33
   >>342
   >すると、ここでの積分論は、Haar 測度を経由して、
   >本来の代数方面につながるわけですか?

   そうです。
   p-進体 Q_p は過去スレ006の554から局所コンパクトなので Haar 測度が
   入ります。

344 :132人目の素数さん:2007/08/31(金) 10:41:02
   >>343

   なるほど。ありがとうございます。



345 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 10:45:06
   現代数学概説 II(岩波書店) では
   f ~ g で f が可測なら g も可測であるということを定理に
   掲げているが、これも (X, Φ, μ) が完備でないと成り立たない
   ように思う。

346 :132人目の素数さん:2007/08/31(金) 10:51:28
   >>345

   はい。おっしゃるとおりです。

   f, g が、X の部分集合の特性関数である場合を考えれば、
   >f ~ g で f が可測なら g も可測である
   と言う条件は、 (X, Φ, μ) が完備であることと同値です。



347 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 10:53:35
   >>345

   (X, Φ, μ) が完備とは、任意の零集合のすべての部分集合が
   零集合となることを言う。

   測度空間の完備性については後で詳しくやる予定。

348 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 10:55:52
   >>346

   有難うございます。

349 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 12:13:39
   命題
   (X, Φ, μ) を測度空間とし、
   X から R~ = [-∞, +∞] への(可測とは限らない)写像全体を
   F(X, R~) と書く。

   (f_n) と (g_n), n ≧ 0 を F(X, R~) に属す関数列とする。

   各 n に対して f_n ~ g_n (>>332) なら sup(f_n) ~ sup(g_n) である。

   証明
   f = sup(f_n)
   g = sup(g_n)
   とおく。

   {x; f(x) ≠ g(x)} ⊂ ∪{x; f_n(x) ≠ g_n(x)}
   である。

   各 {x; f_n(x) ≠ g_n(x)} は零集合に含まれるから >>330 より
   {x; f(x) ≠ g(x)} も零集合に含まれる。
   即ち、f ~ g である。
   証明終

350 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 12:35:10
   定義
   測度空間 (X, Φ, μ) において X の部分集合 A と、
   A の点に関するある命題 P が与えられたとする。

   ある零集合 N ⊂ A があり、 A - N の各点 x で P が成り立つとき、
   P は、ほとんど至る所(almost everywhere) A で成り立つという。

   「ほとんど至る所」を a.e. と略す場合がある。
351 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 12:52:30
   定義
   (X, Φ, μ) を測度空間とし、
   X から R~ = [-∞, +∞] への(可測とは限らない)写像全体を
   F(X, R~) と書く。

   (f_n), n ≧ 0 を F(X, R~) に属す関数列とする。

   (f_n) がほとんど至る所(>>350)収束するとき、(f_n) の極限関数
   f = lim (f_n) を次のように定義する。

   (f_n) が収束する点 x では f(x) = lim f_n(x) とし、
   (f_n) が収束する点 x では f(x) = 0 とする。
352 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 13:15:48
   命題
   (X, Φ, μ) を測度空間とし、
   X から R~ = [-∞, +∞] への(可測とは限らない)写像全体を
   F(X, R~) と書く。
   (f_n) と (g_n), n ≧ 0 を F(X, R~) に属す関数列とする。

   各 n に対して f_n ~ g_n (>>332) で、
   (f_n) がほとんど至る所(>>350)で収束するなら、
   (g_n) もほとんど至る所で収束し、lim (f_n) ~ lim (g_n) となる。

   証明
   F = lim sup(f_n)
   G = lim sup(g_n)
   f = lim inf(f_n)
   g = lim inf(g_n)
   とおく。

   >>349(及び同じように証明される inf に関する同様の命題) より
   F ~ G、f ~ g
   となる。

   (f_n) は、ほとんど至る所で収束するから、
   ほとんど至る所で F = f である。
   即ち、F ~ f である。

   >>332 より ~ は同値関係であるから、
   G ~ g である。
   即ち、(g_n) はほとんど至る所で収束する。

   lim (f_n) ~ F で、lim (g_n) ~ G だから
   lim (f_n) ~ lim (g_n) である。
   証明終

353 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 14:41:51
   現代数学概説 II(岩波書店) では

   (f_n), n ≧ 0 が可測関数列で、ほとんど至る所で収束するなら
   lim f_n (>>351)も可測であると書いてある(演習問題になっている)。

   これはどうなんですかね?
   これも無条件では成り立たない様に思えるんですけど。
   反例があるのかどうか分からないですが。

   (X, Φ, μ) が完備なら、成り立つことは次のように分かります。

   (f_n) が収束しない点の集合を N として、
   N の各点で 0、N の外で f_n と一致する関数を g_n とすれば、
   f_n ~ g_n なので、g_n は可測になる。
   >>352 より lim (f_n) ~ lim (g_n) となる。
   (g_n) は X の各点で収束するから可測である。
   従って、lim (f_n) も可測になる。
354 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 14:45:30
   訂正

   >>353
   >(g_n) は X の各点で収束するから可測である。

   (g_n) は X の各点で収束するから、lim (g_n) も可測である。

355 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 15:04:30
   命題
   (X, Φ, μ) を測度空間とし、
   X から有限数直線 R = (-∞, +∞) への(可測とは限らない)写像全体を
   F(X, R) と書く。

   f_1, f_2, g_1, g_2 を F(X, R) の元とし、
   f_1 ~ g_1, f_2 ~ g_2 とする。

   このとき、

   f_1 + f_2 ~ g_1 + g_2
   (f_1)(f_2) ~ (g_1)(g_2)

   である。

   証明
   零集合 N の外で f_1 = g_1 とし、
   零集合 M の外で f_2 = g_2 とする。

   零集合 N ∪ M の外で
   f_1 = g_1 かつ f_2 = g_2 である。

   従って、N ∪ M の外で、
   f_1 + f_2 = g_1 + g_2
   (f_1)(f_2) = (g_1)(g_2)
   である。

   よって、
   f_1 + f_2 ~ g_1 + g_2
   (f_1)(f_2) ~ (g_1)(g_2)
   である。
   証明終

356 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 19:06:03
   定義
   (X, Φ) を可測空間とする。

   E を X の(必ずしも可測でない)部分集合とする。
   >>260 より Φ|E = { A ⊂ E; A ∈ Φ} は σ-集合環(>>197)である。
   従って (E, Φ|E) は可測空間となる。

   f を E を含むある集合 F から [-∞, +∞] への
   (必ずしも可測でない)写像とする。
   f の定義域を E に制限した関数 f|E が (E, Φ|E) で可測であるとき、
   f は E において可測であると言う。
357 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 19:15:10
   命題
   (X, Φ) を可測空間とする。
   f を X から [-∞, +∞] への可測写像とする。

   E ∈ Φ のとき f|E は、E において可測(>>356)である。

   証明
   f は可測(>>213)だから、[-∞, +∞] の任意の開集合 U に対して、
   S(f) ∩ f^(-1)(U) ∈ Φ である
   >>273 より、E ∩ S(f) ∩ f^(-1)(U) ∈ Φ である
   よって、f|E は、E において可測である。
   証明

358 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 19:35:47
   命題
   (X, Φ) を可測空間とする。
   E を X の(必ずしも可測でない)部分集合とする。

   f を E から [-∞, +∞] への写像とする。

   g を X から [-∞, +∞] への写像で、E において f と一致し、
   E の外で 0 となるものとする。

   f が E において可測(>>356)であることと、
   g が X において可測であることは同値である。

   証明
   S(g) ∩ g^(-1)(U) ⊂ S(g) ⊂ E
   S(f) = S(g) であるから、
   S(g) ∩ g^(-1)(U) = S(f) ∩ f^(-1)(U) である。

   よって、本命題の主張が得られる。
   証明終

359 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 19:39:31
   >>358 から E 上で可測な関数は常に X 上で可測な関数の制限と
   なっていることが分かる。

   しかし、E が可測でない限り、この逆は言えない。

360 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 19:48:03
   (X, Φ) を可測空間とする。
   E を X の可測な部分集合とする。

   E 上で可測な関数 f の積分 ∫[E] f dμをこれから定義する。

   積分 ∫[E] f dμ は、∫f dμ とも ∫[E] f(x) dμ(x) とも
   ∫f(x) dμ(x) とも書く。

361 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 19:49:27
   訂正

   >>360
   >(X, Φ) を可測空間とする。

   (X, Φ, μ) を測度空間とする。

362 :132人目の素数さん:2007/08/31(金) 19:52:42
   >>353

   Kummer さん、こんばんは。
   さて、貴兄の疑問ですが、少々注意を要します。

   >(f_n), n ≧ 0 が可測関数列で、ほとんど至る所で収束するなら
   >lim f_n (>>351)も可測であると書いてある(演習問題になっている)。

   とありますが、この主張の条件のもとでは、lim f_n (x) は、
   すべての x ∈ X に対して存在するわけではないのです。
   つまり、零集合 N ∈ Φ が存在して、x ∈ X - N に対してのみ、
   lim f_n (x) が存在すると仮定されているのです。
   一方で、x ∈ N に対しては、極限 lim f_n (x) の存在は、
   保証されていないのです。

   ですから、この記述の意味するところは、関数 g : X → R~ を、
   g(x) = lim f_n (x) ; if x ∈ X - N
   g(x) = 0 ; if x ∈ N
   とおいたとき、g が可測になる、と言う意味だと思われます。
   (完備性は、仮定しなくても良いです。
    この g は、>>353 の lim g_n と同値です)

363 :132人目の素数さん:2007/08/31(金) 20:16:17
   >>362

   すみません。>>351 の定義を失念していました。
   たしかに、 f_n (x) が収束しない点の全体を M とおくと、
   M は可測でないかもしれません。
   しかし、X ∈ Φ であれば、結論は肯定的です。

   F(x) = limsup f_n (x),
   H(x) = liminf f_n (x)
   とおくと、f_n が可測だから、F, H も可測になります(>>296)。
   したがって、M = { x ∈ X | F(x)>H(x) }
   も可測になり、lim f_n (x) も可測になります(>>275)。
   ここで完備性は使っていません。
364 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 20:23:02
   >>362

   御回答、有難うございます。
   しばらくこの件について考えさせてください。

365 :132人目の素数さん:2007/08/31(金) 20:23:59
   >>363

   たびたびスミマセン。補足です。
   >>363 の M は、X ∈ Φ を仮定しなくても、可測になります。
   なぜなら、S(f_n) = {x ∈ X | f_n (x) ≠ 0},
   S = ∪ S(f_n) (合併は、n についてとる)
   とおくと、S ∈ Φ で、M = M ∩ S となり、
   >>275 より、M ∩ S ∈ Φ です。

   非常に微妙ですね。

366 :132人目の素数さん:2007/08/31(金) 21:30:19
   念のため、混乱防止柵を設けて起きます。

   (f_n) を、X から R~ への写像族とします。

   f_n (x) がほとんどいたるところの x について収束する
   というとき、ある零集合 N ∈ Φ の外側の x ∈ X については、
   f_n (x) が収束する。
   x ∈ N については、 f_n (x) は収束するかもしれないし、
   収束しないかもしれない。

   一方、f_n (x) が収束しない x の全体を M とおくと、
   M ⊆ N だが、f_n についての可測性の仮定の無い状態では、
   M ≠ N かもしれない。

   しかし、各 f_n が可測のとき、>>363, >>365 で見たように、
   M 自身が零集合になる。

367 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 00:44:18
   >>366

   有難うございます。
   大変、勉強になりました。

   なお、蛇足かもしれませんが次の補題を書いておきます。
   g_n を M で 0, X - M で f_n と一致する関数とすれば、
   g_n は、この補題により可測になります。
   lim f_n を >>351 のように定義すれば、
   lim g_n = lim f_n となり、lim f_n は可測になります。

   補題
   (X, Φ) を可測空間とし、f : X → [-∞, +∞] を可測関数とする。
   A ∈ Φ とし、写像 g : X → [-∞, +∞] を次のように定義する。

   x ∈ A のとき g(x) = 0
   x ∈ X - A のとき g(x) = f(x)

   このとき g は可測である。

   証明
   S(g) ⊂ X - A だから、S(g) = S(f) - A ∈ Φ

   U を [-∞, +∞] の開集合とする。
   S(g) 上では f = g だから、
   S(g) ∩ {x ; g^(-1)(U) } = S(g) ∩ {x ; f^(-1)(U)}

   >>273 より、この右辺は可測である。
   よって、>>213 より g は可測である。
   証明終

368 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 00:49:37
   訂正

   >>367
   >S(g) ∩ {x ; g^(-1)(U) } = S(g) ∩ {x ; f^(-1)(U)}

   S(g) ∩ g^(-1)(U) = S(g) ∩ f^(-1)(U)

369 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 10:18:49
   定義
   X を集合、A をその部分集合とする。
   A の特性関数を χ_A と書く。
   即ち、
   x ∈ A のとき χ_A(x) = 1
   x ∈ X - A のとき χ_A(x) = 1

370 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 10:24:08
   補題
   X を集合とする。

   M と N を部分集合、a, b を有限実数とする。

   このとき、次の等式が成り立つ。

   aχ_M + bχ_N = aχ_(M - N) + (a + b)χ_(M ∩ N) + bχ_(N - M)

   (aχ_M)(bχ_N) = abχ_(M ∩ N)

   証明
   自明である。

371 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 10:37:43
   定義
   X を集合とし、Φ をその上の集合環(>>189)とする。
   Σ(a_i)χ_(M_i) の形の関数を R = (-∞, +∞) に値をとる
   Φ上の単関数または Φ-単関数 と言う。

   ここで、a_i は有限実数、M_i ∈ Φ で
   Σ(a_i)χ_(M_i) は有限和である。
372 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 10:52:44
   命題
   X を集合とし、Φ をその上の集合環(>>189)とする。
   R = (-∞, +∞) に値をとる Φ上の単関数(>>371)全体 E(Φ) は
   和と積とスカラー倍に関して閉じている。
   即ち、R 上の(必ずしも単位元もつとは限らない)代数である。

   証明
   明らかに、E(Φ) は和とスカラー倍に関して閉じている。

   Σ(a_i)χ_(M_i) ∈ E(Φ)
   Σ(b_j)χ_(N_j) ∈ E(Φ)
   とする。

   >>370 より

   (Σ(a_i)χ_(M_i))(Σ(b_j)χ_(N_j)) = Σ(a_i)(b_j)χ_(M_i)χ_(N_j)
   = Σ(a_i)(b_j)χ_(M_i ∩ N_j) ∈ E(Φ)

   証明終

373 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 11:23:34
   補題
   X を集合とし、Φ をその上の集合環(>>189)とする。
   R = (-∞, +∞) に値をとる Φ上の任意の単関数(>>371) は
   M_1, . . . , M_n を互いに交わらない Φ に属す集合とし、
   Σ(a_i)χ_(M_i) と書ける。

   証明
   >>370 より、M と N を部分集合、a, b を有限実数とすると、
   aχ_M + bχ_N = aχ_(M - N) + (a + b)χ_(M ∩ N) + bχ_(N - M)

   これから明らかである。
374 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 11:39:51
   命題
   X を集合とし、Φ をその上の集合環(>>189)とする。
   R = (-∞, +∞) に値をとる Φ上の任意の単関数(>>371) f は
   M_1, . . . , M_n を互いに交わらない Φ に属す集合とし、
   f = Σ(a_i)χ_(M_i) (1 ≦ i ≦ n) と一意に書ける。
   ここで、a_i ≠ 0 で、i ≠ j なら a_i ≠ a_j である。

   証明
   M と N を Φ の集合で交わらないなら
   χ_(M ∪ N) = χ_M + χ_N
   である。

   よって、任意の a ∈ R に対して、
   aχ_M + aχ_N = aχ_(M ∪ N) となり、M ∪ N ∈ Φ である。

   よって、命題のように、f = Σ(a_i)χ_(M_i) と書けることは、
   >>373 より明らかである。

   f(X) - {0} = {a_1, . . . , a_n} で
   M_i = f^(-1)(a_i) であるから一意性も明らかである。
   証明終

375 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 11:45:11
   (X, Φ) を可測空間(>>211)とする。
   f を X 上の有限な単関数(>>298)とする。

   >>300 と >>374 より、f が可測であることと、
   f が R = (-∞, +∞) に値をとる Φ上の単関数(>>371)であることは
   同値である。


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