最終更新日時 2011年03月05日 (土) 20時57分40秒
代数的整数論 004 (96-195)
元スレ: http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1164286624/96-195
ログ元: http://yomi.mobi/read.cgi/science6/science6_math_1164286624/96-195
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96 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/28(火) 15:18:28 ]
次の補題は周知だが後で必要になるので証明しておく。
97 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/28(火) 15:20:25 ]
補題(多項式のTaylor展開)
A を標数 0 の整域、つまり有理整数環 Z と同型な部分環をもつ 整域とする。 f(X) ∈ A[X] を次数 n ≧ 1 の A 係数の多項式とする。 a を A の任意の元とする。 このとき f(X + a) = f(a) + f'(a)X + (f''(a)/2)(X^2) + ... (f^(n)(a)/n!)(X^n)
ここで f^(k)(a) は f(X) の k 次の導多項式 f^(k)(X) の X = a での値である。 各 f^(k)(a)/k! は A の元である。つまり f^(k)(a) は k! で割れる。
証明 f(X + a) = c_0 + c_1X + c_2(X^2) + ... c_n(X^n) とおく。ここで、c_0, ..., c_n は A の適当な元。
X = 0 を代入すると、 f(a) = c_0 となる。
f'(X + a) = c_1 + 2c_2X + ... nc_n(X^(n-1)) である。 X = 0 を代入すると、 f'(a) = c_1 となる。
f''(X + a) = 2c_2 + ... n(n-1)c_n(X^(n-2)) である。 X = 0 を代入すると、 f''(a) = 2c_2 となる。 A において 2 ≠ 0 で、A は整域だから c_2 は一意に決まり、 c_2 = f''(a)/2 である。
このように順次 c_k を決めていけばよい(正式には帰納法による)。 証明終
98 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/28(火) 20:39:27 ]
補題 f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。 f'(X) をその導多項式とする。つまり f'(X) = df(X)/dx である。 p を有理素数とする。
ある有理整数 n ≧ 1 に対して合同方程式 f(X) ≡ 0 (mod p^n) が根 a を持ち、f'(a) が p で割れないなら、 f(X) ≡ 0 (mod p^(n+1)) は b ≡ a (mod p^n) となる根 b を持つ。このような b は mod p^(n+1) で一意に決まる。
証明 f(a) ≡ 0 (mod p^n) だから、f(a) は p^n で割れる。 よって f(a) = (p^n)t となる有理整数 t がある。
>>97 より x を任意の有理整数とすると、 f(a + (p^n)x) ≡ f(a) + f'(a)(p^n)x (mod p^(n+1)) である。
よって f(a + (p^n)x) = f(a) + f'(a)(p^n)x + (p^(n+1))r となる有理整数 r がある。
よって f(a + (p^n)x) = (p^n)(t + f'(a)x + pr)
仮定より f'(a) ≡ 0 (mod p) でないから x に関する一次合同方程式 t + f'(a)x ≡ 0 (mod p) は解け、その解 x は mod p で一意に決まる。 b = a + (p^n)x とおけばよい。 証明終
99 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/28(火) 20:45:39 ]
命題 f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。 f'(X) をその導多項式とする。つまり f'(X) = df(X)/dx である。 p を有理素数とする。 合同方程式 f(X) ≡ 0 (mod p) が根 a を持ち、f'(a) が p で割れないなら、
任意の有理整数 n ≧ 1 に対して合同方程式 f(X) ≡ 0 (mod p^n) が b ≡ a (mod p) となる根 b を持つ。 このような b は mod p^n で一意に決まる。
証明 >>98 を n = 1 から初めて順次適用すればよい。
100 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/28(火) 21:50:10 ]
命題 f(X) ∈ Z[X] を次数 n ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。
m > 1 を有理整数で、m = (p_1)^(k_1)...(p_r)^(k_r) を m の素因数分解とする。
明らかに f(X) ≡ 0 (mod m) の解 c は 各 i で f(X) ≡ 0 (mod (p_i)^(k_i)) の解でもある。
f(X) ≡ 0 (mod m) の解で mod m で合同なものを同一した集合を S とする。よって |S| ≦ m である。
各 i に対し f(X) ≡ 0 (mod (p_i)^(k_i)) の 解で mod (p_i)^(k_i) で合同なものを同一した集合を T_i とする。
f(X) ≡ 0 (mod m) の解 c に f(X) ≡ 0 (mod (p_i)^(k_i)) の解 c を 対応させることにより、S から T_i への写像 φ_i が定まる。 よって S から T = ΠT_i への写像 φ が定まる。 ここで、φ は φ(x) = (φ_1(x), ..., φ_r(x)) で定義される 写像である。
このとき φ は全単射である。
証明 中国式剰余定理(前スレの341)より明らか。
101 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/28(火) 21:58:42 ]
訂正
>>98 >補題 >f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。 >f'(X) をその導多項式とする。つまり f'(X) = df(X)/dx である。 >p を有理素数とする。
補題 f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。 f'(X) をその導多項式とする。つまり f'(X) = df(X)/dx である。 p を有理素数とする。 f(X) の最高次の係数は p で割れないとする。
102 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/28(火) 22:01:19 ]
訂正
>>99 >命題 >f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。 >f'(X) をその導多項式とする。つまり f'(X) = df(X)/dx である。 >p を有理素数とする。
命題 f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。 f'(X) をその導多項式とする。つまり f'(X) = df(X)/dx である。 p を有理素数とする。 f(X) の最高次の係数は p で割れないとする。
103 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/28(火) 22:05:55 ]
訂正
>>100 >命題 >f(X) ∈ Z[X] を次数 n ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。 > >m > 1 を有理整数で、m = (p_1)^(k_1)...(p_r)^(k_r) >を m の素因数分解とする。
命題 f(X) ∈ Z[X] を次数 n ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。
m > 1 を有理整数で、m = (p_1)^(k_1)...(p_r)^(k_r) を m の素因数分解とする。 f(X) の最高次の係数は各 p_i で割れないとする。 この条件は、特に f(X) がモニックなら満たされることに注意しておく。
104 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/29(水) 20:48:31 ]
任意の有理素数 p が与えられたとき、それをノルムとするイデアルは >>47 と >>49 で与えられている。
では、任意の有理整数 a ≧ 1 が与えられたとき、それをノルムと するイデアルをすべて求めるにはどうしたらよいか? この問題を考えよう。
まずイデアル I に対してそのノルム N(I) は I に含まれることに 注意する。 これは >>25 からもわかるし、Z[ω]/I が位数 N(I) の アーベル群であることから、任意の整数 α ∈ Z[ω] に対して N(I)α ∈ I となることからも分かる。 さらに、>>71 からも分かる。
したがって、 有理整数 a ≧ 1 をノルムとするイデアル I は aZ[ω] を含むが Z[ω]/aZ[ω] は有限環だから、このような イデアルは有限個である。
a = 1 なら I = Z[ω] だから a > 1 と仮定する。
105 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/11/30(木) 12:33:15 ]
>>47 >>49 より
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。 p を素数とする。
1) p が D の約数 のとき pZ[ω] = P^2 となる。
2) D が p と素の場合。 (a) D が mod p の平方剰余、 または p = 2 で m ≡ 1 (mod 8) のとき pZ[ω] = PP' となる。 P ≠ P' である。
(b) D が mod p の平方非剰余 または p = 2 で m ≡ 5 (mod 8) のとき pZ[ω] は素イデアルである。
106 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/01(金) 17:14:17 ]
>>105 において、 1) の場合、p は Q(√m) において分岐するという。 2) (a)の場合、p は Q(√m) において完全分解するという。 2) (b)の場合、p は Q(√m) において分解しないという。
高木は、初等整数論講義において、完全分解する素数を第1種、 分解しない素数を第2種、 分岐する素数を第3種と呼んでいる。 我々はこの用語を使わないことにする。
分岐という言葉はリーマン面を複素数球面の被覆と見たときの 分岐点から来ている。 なぜリーマン面かというと、代数体と代数関数体の間に強い類似が あるから。
107 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/01(金) 17:48:14 ]
1) p が完全分解する素数で、(p) = PP' とする。
N(P) = N(P') = p である。
p^n をノルムにもつイデアルは (P^i)(P'^j) の形である。 ここで i + j = n である。
よってこのようなイデアルは n + 1 個ある。
2) p が分解しない素数とする。すなわち (p) は素イデアルである。
N((p)) = p^2 だから p^n をノルムにもつイデアルは (p)^i の形である。 ここで 2i = n である。
よって n が偶数のとき、このようなイデアルはただ 1 個である。 n が奇数のとき、このようなイデアルは存在しない。
3) p が分岐する素数で、(p) = P^2 とする。
N(P) = p だから p^n をノルムにもつイデアルは P^n の形である。 よってこのようなイデアルはただ 1 個である。
(高木の初等整数論講義)
108 名前:132人目の素数さん [2006/12/01(金) 21:43:10 ]
>106 > >>105 において、 > 2) (b)の場合、p は Q(√m) において分解しないという。 単なる茶々かもしれないが、英語では"inert"と言った筈。 (とは言っても直訳して"惰性的"、というのもセンスがないか…)
109 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/01(金) 22:56:46 ]
>>108
inert というのは Cohen の A course in computational algebraic number thery という長い題名の本で初めて知った。 これは英語でもそれほど流通していないのではないかな。
因みにこの本はいいね。今まで類書がほとんどなかったので貴重。 このスレでも参考にするつもり。 ただアルゴリズムの説明がプログラム作成 を前提としているので分かりにくい。
Neukirch の日本語訳の代数的整数論では不分解という言葉を 使っている。
110 名前:132人目の素数さん [2006/12/01(金) 23:01:17 ]
横浜のヤクザ林一家林組は、経営しているカラオケ屋バンガーローハウス中華街店で、 カラオケをしている時に機械を使い脳に電波ではいり、人をもて遊んでいる だれにもばれないとおもってやりたい放題。そして気づかれないように思考盗聴、自殺、突然死、、マインドコントロール、誰かをずっと好きにさせるなど。 痛みやいやがらせや声を聞かせることもできる。
111 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/02(土) 00:48:00 ]
今度は素数べき p^n をノルムにもつ原始イデアルを求めよう。
1) p が完全分解する素数で、(p) = PP' とする。
PP' = (p) は原始イデアルではないから、 (P^i)(P'^j) の形のイデアルで原始イデアルであるのは i = 0 または j = 0 の場合のみである。
よって、p^n、n ≧ 1 をノルムにもつイデアルは P^n か P'^n である。 よってこのようなイデアルは2個ある。
2) p が分解しない素数とする。
p^n、n ≧ 1 をノルムにもつイデアルは 2i = n として (p)^i であるが、 これは原始イデアルではない。
3) p が分岐する素数で、(p) = P^2 とする。
p^n をノルムにもつイデアルは P^n の形であるが、 n ≧ 2 のときは P^n ⊂ P^2 ⊂ (p) となり、 P^n は原始イデアルではない。
n = 1 の場合は原始イデアルである。
112 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/02(土) 01:02:45 ]
有理整数 k ≧ 1 に対してそれをノルムとするイデアルの個数を Φ(k)と書こう。
有理整数 a > 1 を素因数分解して a = Πp^n とする。 ここで p は a の相異なる素因子 を動く。 このときΦ(a) = ΠΦ(p^n) となることは明らかだろう。
>>107 により各 Φ(p^n) は求まっているから、Φ(a) も求まる。
>>107 より p が分解しない素数の場合、 p の指数 n が奇数なら、Φ(p^n) = 0 である。 よって Φ(a) = 0 であことに注意しておく。
a をノルムとする各イデアルを素イデアルの積と表す方法も 明らかだろう。
113 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/02(土) 02:25:45 ]
>>111 の 1) 即ち p が完全分解する素数で、(p) = PP' のとき 任意の有理整数 n ≧ 1 に対して P^n が原始イデアルであることを 示そう。
P^n が原始イデアルでないとすると 、P^n ⊂ (q) となる素数 q がある。 よって N(P^n) = p^n は q で割れる。よって p = q である。 よって P^n ⊂ (p) = PP' となり、P^n ⊂ P' である。 P' は素イデアルだから P ⊂ P' したがって P = P' となり、 P ≠ P' に矛盾する。
114 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/02(土) 09:42:57 ]
補題 2次体 Q(√m) において P と L が素イデアルで P^r と L^s が 原始イデアルとする。ここで r, s ≧ 1 である。 N(P) と N(L) が素なら (P^r)(L^s) も原始イデアルである。
証明 (P^r)(L^s) が原始イデアルでないとすると 、(P^r)(L^s) ⊂ (q) となる 素数 q がある。 N(P) と N(L) が素だから (q) の素イデアル分解を考えることにより P^r ⊂ (q) または L^s ⊂ (q) となることがわかる。 これは矛盾である。 証明終
115 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/02(土) 10:05:42 ]
有理整数 k ≧ 1 に対してそれをノルムとする原始イデアルの個数を Ψ(k)と書こう。
有理整数 a > 1 を素因数分解して a = Πp^n とする。 ここで p は a の相異なる素因子 を動く。 このとき >>111 と >>114 より Ψ(a) = ΠΨ(p^n) となる。
>>111(>>113 も参照) により各 Ψ(p^n) は求まっているから Ψ(a) も求まる。
a をノルムとする各原始イデアルを素イデアルの積と表す方法も 明らかだろう。
116 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/02(土) 10:40:10 ]
>>112 により与えられた有理整数 a > 1 をノルムとする各イデアルを 素イデアルの積という形で求めることが出来た。 このイデアルの標準基底を求めることを考えよう。
任意のイデアルは有理整数と原始イデアルの積である(>>18)。 a = N(I) として、 I = cJ とする。ここで c は有理整数 c ≧ 1 で J は原始イデアルである。 このとき a = (c^2)N(J) となる。
従って a をノルムとするイデアルの標準基底を求めるには、 a を任意の平方数 c^2 で割り、a = (c^2)k としたとき、 k をノルムとする原始イデアルの標準基底を求めればよい。
よって、問題は原始イデアルの場合に帰着する。
さらに、この問題は >>111 と >>114 より以下の二つの問題に帰着する。
1) I と J が原始イデアルで、N(I) と N(J) が素とする。 それぞれその標準基底から IJ の標準基底を求めよ。
2) p が完全分解する素数(>>106)で p = PP' とする。 n を任意の有理整数としたとき、P の標準基底から P^n の標準基底を求めよ。
117 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/02(土) 11:03:16 ]
訂正
>>116 >2) p が完全分解する素数(>>106)で p = PP' とする。 >n を任意の有理整数としたとき、P の標準基底から >P^n の標準基底を求めよ。
2) p が完全分解する素数(>>106)で p = PP' とする。 n ≧ 1 を任意の有理整数としたとき、P の標準基底から P^n の標準基底を求めよ。
118 名前:132人目の素数さん [2006/12/02(土) 12:04:29 ]
>109 > inert というのは(中略) > 英語でもそれほど流通していないのではないかな。 そうでもない。例えば "Algebraic Number Theory" Frohlich、Taylor "Algebraic Numbers and Algebraic Functions" P. M. Cohn "An Introductions to Rings and Modules" Berrick, Keating ま、名前より内容の方が大事なんだけどね。
> Cohen の A course in computational algebraic number thery > (中略)はいいね。 確か、続編もあった筈。 似たような本としてPohst, Zassenhausというのがあったような。
119 名前:132人目の素数さん [2006/12/02(土) 12:36:02 ]
恐れ入りました
120 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/02(土) 13:24:29 ]
>>118 >確か、続編もあった筈。 >似たような本としてPohst, Zassenhausというのがあったような。
続編も持ってる。 これは相対代数体を扱ってる。 類体の構成もやってるんで面白そう。 まだ読んでないが。
しかしCohenは円分体の類数計算を扱ってないのが不思議。
Pohst, ZassenhausはCohenの前に出たもの。 Cohenと重なる部分が多そうなんで持ってない。
121 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/02(土) 14:41:27 ]
命題(高木の初等整数論講義) I = [a, r + ω] と J = [b, s + ω] を原始イデアルの標準基底での 表示とする。 a と b が素なら IJ = [ab, t + ω] である。
ここで t は連立合同方程式 t ≡ r (mod a) t ≡ s (mod b) の解である。
証明 >>34 より I = [a, t + ω] J = [b, t + ω]
N(t + ω) ∈ I だから N(t + ω) は a で割れる。 N(t + ω) ∈ J だから N(t + ω) は b で割れる。
a と b は素だから N(t + ω) は ab で割れる。
よって >>19 より [ab, t + ω] はイデアルである。 >>81 より [ab, t + ω] = [a, t + ω][b, t + ω] である。 証明終
122 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/12/02(土) 14:44:01 ]
1
123 名前:132人目の素数さん [2006/12/02(土) 15:36:22 ]
さすが高木というかこのあたりを書いた本は非常に少ないのでは ないかな。こちらもそんなに多く読んだわけではないので はっきりは分からないが。
一般的に、構成的な方法で代数的整数論を展開するのは現代では まれだよね。近現代ではと言ったほうがいいかな。 最近では構成的な方法はコンピュータや暗号との関係で見直されている。 歴史は繰り返すってやつだね。 昔の数学は構成的なのが多かった。 例えば、消去法なんてのもそうだし。 前に触れた不変式論もそう。 これ等は最近(といっても20、30年ほど前からだが) 見直されてきている。
124 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/03(日) 10:40:03 ]
補題 2次体 Q(√m) において p が完全分解(>>106)する奇素数で p = PP' とする。 P = [p, b + ω] とする。
n ≧ 1 を任意の有理整数としたとき、 P^n = [p^n, r + ω] となる。
ここで r ≡ b (mod p) であり、さらに
m ≡ 1 (mod 4) なら (2r + 1)^2 ≡ m (mod p^n)
m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら r^2 ≡ m (mod p^n)
証明 >>113 より P^n は原始イデアルである。 N(P^n) = p^n だから 適当な r により P^n = [p^n, r + ω] と書ける。
r + ω ∈ [p, b + ω] だから r - b = r + ω - (b + ω) ∈ [p, b + ω] となり、 r ≡ b (mod p) である。
残りは >>37 の証明と同様である。 証明終
125 名前:132人目の素数さん [2006/12/03(日) 13:04:04 ]
補題 2次体 Q(√m) において 2 が完全分解(>>106)し 2 = PP' とする。 このとき m ≡ 1 (mod 8) である(>>49)。
P = [2, b + ω] とする。ここで b = 0 または 1 である。
n ≧ 1 を任意の有理整数としたとき、 P^n = [2^n, r + ω] となる。
ここで r ≡ b (mod 2) であり、さらに (2r + 1)^2 ≡ m (mod 2^(n+2)) である。
証明 >>113 より P^n は原始イデアルである。 N(P^n) = 2^n だから 適当な r により P^n = [2^n, r + ω] と書ける。
r + ω ∈ [2, b + ω] だから r - b = r + ω - (b + ω) ∈ [2, b + ω] となり、 r ≡ b (mod 2) である。
m ≡ 1 (mod 8) だから N(r + ω) = N(r + (1 + √m))/2) = N((2r + 1 + √m)/2) = ((2r + 1)^2 - m)/4 よって ((2r + 1)^2 - m)/4 ≡ 0 (mod 2^n) よって (2r + 1)^2 ≡ m (mod 2^(n + 2) となる。 証明終
126 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/03(日) 13:09:00 ]
>>124 の r は >>98 を n = 1 から初めて順次適用すれば求まる。
127 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/03(日) 13:33:44 ]
補題 a を有理整数で a ≡ 1 (mod 8) とする。 n ≧ 3 とし x^2 ≡ a (mod 2^n) の根の一つを b とする。
このとき b + 2^n または b + 2^(n-1) のどちらか一方は x^2 ≡ 1 (mod 2^(n+1) の根である。
証明 b^2 = a + (2^n)t とする。
(b + 2^n)^2 = b^2 + 2^(n+1)b + 2^(2n) = a + (2^n)t + 2^(n+1)b + 2^(2n) ≡ a + (2^n)t (mod 2^(n+1))
よって t が偶数なら b + 2^n が x^2 ≡ 1 (mod 2^(n+1)) の根である。
次に t が奇数の場合を考える。 n ≧ 3 だから 2n - 2 ≧ n + 1 である。 さらに b は奇数である。
よって (b + 2^(n-1))^2 = b^2 + (2^n)b + 2^(2n-2) ≡ a + (2^n)t + (2^n) (mod 2^(n+1)) ≡ a + (2^n)(t + 1) (mod 2^(n+1))
よって t が奇数なら b + 2^(n-1) が x^2 ≡ 1 (mod 2^(n+1)) の根である。 証明終
128 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/03(日) 13:36:53 ]
>>125 の r は >>127 を順次適用すれば求まる。
129 名前:132人目の素数さん [2006/12/03(日) 14:17:54 ]
くんまー拡大!
130 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/03(日) 14:25:51 ]
>>104 で提出した問題、 任意の有理整数 a ≧ 1 が与えられたとき、それをノルムと するイデアルをすべて求めるにはどうしたらよいか?
は以上で解決したとみていいだろう。
131 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/03(日) 18:11:51 ]
問題 Q(√(-5)) において、ノルムが10以下のイデアルの標準基底と その素イデアル分解を求めよ。素イデアル分解に現れる素イデアルも 標準基底で表すこと。 答えだけでいい。 だれか?
例 ノルム4のイデアル [2, 2√(-5)] = [2, 1 + √(-5)]^2
132 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/04(月) 13:52:03 ]
>>131 へのヒントもこめて、以下に今までのまとめを述べる。
有理整数 a > 1 を素因数分解して a = Πp^n とする。 a をノルムとするイデアルを素イデアルの積と表す方法 は >>107 と >>112 による。 >>107 において 1) p が完全分解する素数で、(p) = PP' とする。 p^n をノルムにもつイデアルは (P^i)(P'^j) の形である。 ここで i + j = n である。
この場合 P^i と (P')^j を標準基底で表す方法は >>124, >>126, >>125, >>127 による。
P^i と (P')^j はともに原始イデアルである。
2) p が分解しない素数とする。 p^n、n ≧ 1 をノルムにもつイデアルは n が偶数なら 2i = n として (p)^i である。
n が奇数なら p^n をノルムにもつイデアルはない。
3) p が分岐する素数で、(p) = P^2 とする。 p^n をノルムにもつイデアルは P^n の形である。 n = 2k + r とする。ここで r = 0 または 1 である。 P^n = (p^k)P^r となる。
r = 0 のときは P^n = P^(2k) = (p)^k である。 r = 1 のとき、P^n = (p^k)P であるが、P の標準基底 [p, b + ω] は >>47 と >>49 で求まっている。 (続く)
133 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/12/04(月) 17:25:36 ]
2
134 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/12/04(月) 17:26:37 ]
1
135 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/04(月) 20:03:40 ]
>>132 の 1) の補足
1) p が完全分解する素数で、(p) = PP' とする。 p^n をノルムにもつイデアルは (P^i)(P')^j の形である。 ここで i + j = n である。
i ≦ j のとき (P^i)(P')^j = (P^i)(P')^i(P')^(j-i) = (p^i)(P')^(j-i) である。
同様に、 j ≦ i のとき (P^i)(P')^j = (P^j)(P')^j(P)^(i-j) = (p^j)(P)^(i-j) である。
いずれにしても (p^k) の形のイデアルと原始イデアルの積になる。
136 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/04(月) 20:20:49 ]
>>132 と >>135 より a = Πp^n をノルムとするイデアル I は (n)ΠI_p の形になる。
ここで n はある有理整数であり、 I_p は原始イデアルで、 そのノルムは p のべきである。
>>121 より ΠI_p は原始イデアルあり、その標準基底も求まる。
ΠI_p = [s, r + ω] とすれば I = (n)[s, r + ω] = [ns, nr + nω] となる。 これが a をノルムとするイデアル I の標準基底による表示である。
137 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/04(月) 20:25:07 ]
>>136
ΠI_p は Π(I_p) と書いたほうが見やすかった。
138 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/04(月) 20:40:52 ]
>>132, >>135, >>136 より >>131 の問題は機械的に解けるはず。 誰か?
139 名前:132人目の素数さん [2006/12/05(火) 12:26:44 ]
>>131 は難しいのかな?
140 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/05(火) 17:28:07 ]
わかるところだけでいいけど 誰か?
141 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/05(火) 17:32:40 ]
このスレで分からないところがあったらどんどん質問してください。
142 名前:聴講生 mailto:sage [2006/12/05(火) 18:18:22 ]
今見ました。今からバイトなのでもうちょっと待って頂けると嬉しいかも。
143 名前:聴講生 mailto:sage [2006/12/06(水) 01:00:11 ]
>>131 ノルムが1→[1, √(-5)] ノルムが2→P_2 = [2, 1 + √(-5)] ノルムが3→P_3 = [3, 1 + √(-5)],P'_3 = [3, -1 + √(-5)] ノルムが4は例の通り ノルムが5→P_5 = [5, √(-5)] ノルムが6→[6, 1 + √(-5)] = (P_2)(P_3),[6, -1 + √(-5)] = (P_2)(P'_3) ノルムが7→[7, 3 + √(-5)],[7, -3 + √(-5)] ノルムが8→[4, 2 + 2√(-5)] = (P_2)^3 ノルムが9→[9, -2 + √(-5)] = (P_3)^2,[9, 2 + √(-5)] = (P'_3)^2, [3, 3√(-5)] = (P_3)(P'_3) ノルムが10→「10, 5 + √(-5)] = (P_2)(P_5)
144 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/06(水) 12:04:59 ]
>>143
有難うございます。 正解です。
145 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/06(水) 12:50:26 ]
問題 Q(√(-5)) において、イデアル [2, 1 + √(-5)] は単項イデアル ないことを証明せよ。
146 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/06(水) 12:54:08 ]
訂正
>>145
Q(√(-5)) において、イデアル [2, 1 + √(-5)] は単項イデアルで ないことを証明せよ。
147 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/06(水) 17:37:59 ]
問題 Dedekind 整域が一意分解整域であれば単項イデアル整域である。 これを証明せよ。
148 名前:聴講生 mailto:sage [2006/12/07(木) 00:21:38 ]
>>146 [2, 1 + √(-5)] のノルムは 2 なので、 これが a + b√(-5) ∈ Z[√(-5)] で生成される 単項イデアルであるとすると、 a^2 + 5b^2 = 2 しかし此れを充たす整数 a, b は存在しないので [2, 1 + √(-5)] は単項イデアルでない。
>>147 任意の素イデアルが単項イデアルであることを示せば充分。 ある素イデアルの生成元の一つを x とし、 x = (x_1)・・・(x_n), x_i は素元 を x の素元分解とすると、x_1~x_n の少なくとも一つは その素イデアルに含まれるので、素イデアルは素元で生成される。 素元の生成するイデアルは素イデアルであるので、 もとの素イデアルは単項イデアルとなる。
149 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/07(木) 09:18:50 ]
>>148
有難うございます。 正解です。
他の人のために補足します。
>[2, 1 + √(-5)] のノルムは 2 なので、 >これが a + b√(-5) ∈ Z[√(-5)] で生成される >単項イデアルであるとすると、 a^2 + 5b^2 = 2
これは N(a + b√(-5)) = a^2 + 5b^2 と >>75 を使っています。
>素元の生成するイデアルは素イデアルであるので、 >もとの素イデアルは単項イデアルとなる。
ここでは、Dedekind 整域では 0 でない素イデアルは極大なので これ等の素イデアルの間には真の包含関係がないことを使っています。
さらに、Dedekind 整域では任意の 0 でないイデアルは素イデアルの 積となるので、単項イデアルの積としてやはり単項イデアルとなります。
150 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 11:18:40 ]
>>146 と >>147 より Q(√(-5)) は一意分解整域でないことがわかる。
Q(√(-5)) は一意分解整域でない整域のもっとも身近な例として 有名であり、ほとんどの代数学の教科書に書いてある。 しかし、その証明はここに述べたものよりやや天下り的なものが多い。
151 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 12:04:56 ]
>>146 より Q(√(-5)) の素イデアルは必ずしも単項ではない。 では、どのような素イデアルが単項なのか? この問題は自然だし興味がもてるだろう。
素イデアル P のノルムは p または p^2 である。 ここで p は有理素数。
N(P) = p^2 のときは P = (p) であり、P は単項である。 よって N(P) = p となる場合のみ考えればよい。 この場合、P が単項であるためには >>148 と同様にして p = a^2 + 5(b^2) となる有理整数 a, b が存在することが 必要十分であることがわかる。
まず p が分岐する素数、つまり p = 2 または p = 5 の場合を考える。 p = 2 のときは >>148 より N(P) = 2 となる素イデアルは 存在しない。 p = 5 のときは、5 = a^2 + 5(b^2) を満たすのは a = 0, b = ±1 のとき だけである。よって N(P) = 5 となる素イデアルは (√(-5)) のみである。
残るのは p が完全分解する素数の場合だけである。
152 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 13:50:05 ]
問題 p = a^2 + 5(b^2) となる有理整数 a, b が存在するような素数 p で 100 以下のものを全て求めよ。
153 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/12/09(土) 14:11:35 ]
>>152 (a,b) p (0,1) 5, (2,3) 29, (1,6)41, (3,4) 61, (4,3) 89 ただ計算しました。
154 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 14:31:13 ]
>>153
正解です。 計算方法を書いておきます。
a^2 + 5(b^2) ≦ 100 より 5(b^2) ≦ 100 となり b^2 ≦ 20 よって b ≦ 4 となる。 b = 0 のとき a^2 は素数でないから b = 0 は除外する。 すると、a^2 + 5 ≦ 100 より a^2 ≦ 95 よって a ≦ 9
0 ≦ a ≦ 9 1 ≦ b ≦ 4 のとき (a, b) = a^2 + 5(b^2)の値を計算した結果を以下に書く。 数字の横に * が付いてるのはそれが素数であることを示している。
155 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 14:32:09 ]
(0, 1) = 5* (0, 2) = 20 (0, 3) = 45 (0, 4) = 80 (1, 1) = 6 (1, 2) = 21 (1, 3) = 46 (1, 4) = 81 (2, 1) = 9 (2, 2) = 24 (2, 3) = 49 (2, 4) = 84 (3, 1) = 14 (3, 2) = 29* (3, 3) = 54 (3, 4) = 89*
続く
156 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 14:33:10 ]
(4, 1) = 21 (4, 2) = 36 (4, 3) = 61* (4, 4) = 96 (5, 1) = 30 (5, 2) = 45 (5, 3) = 70 (5, 4) = 105 (6, 1) = 41* (6, 2) = 56 (6, 3) = 81 (6, 4) = 116 (7, 1) = 54 (7, 2) = 69 (7, 3) = 94 (7, 4) = 129 (8, 1) = 69 (8, 2) = 84 (8, 3) = 109* (9, 1) = 86
157 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 14:43:39 ]
>>153
今、いま気付いたけど、a と b が一部反対になっています。
158 名前:132人目の素数さん [2006/12/09(土) 14:59:44 ]
p=(a+1)^2+5a^2,a^2+5(a+1)^2
159 名前:132人目の素数さん [2006/12/09(土) 15:00:44 ]
p=5b^2 mod a =a^2 mod b
160 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/12/09(土) 15:11:24 ]
何か高校数学で出てきそうな問題ですね。 敢えて難しい定理を用いて解けという出題意図なのかと思った。
161 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 15:18:02 ]
p を Q(√(-5)) で完全分解(>>106)する素数とする。 p ≠ 5 である。
p = a^2 + 5(b^2) が有理整数解 (a, b) をもつための条件を求める。
まず a^2 ≡ p (mod 5) つまり Legendre の記号(前スレ3の746)を使えば (p/5) = 1 である。
1^2 ≡ 1 (mod 5) 2^2 ≡ 4 (mod 5) 3^2 ≡ 4 (mod 5) 4^2 ≡ 1 (mod 5) だから
p ≡ 1 (mod 5) または p ≡ 4 (mod 5) である。
162 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 15:28:53 ]
一方 p は Q(√(-5)) で完全分解(>>106)するから、 >>105 より (-5/p) = 1 である。
(-5/p) = (-1/p)(5/p) であり、 平方剰余の相互法則(前スレ3の751)より (5/p)(p/5) = 1 である。
>>161 より (p/5) = 1 だったから (5/p) = 1 よって (-1/p) = 1 である。
(-1/p) = (-1)^((p-1)/2) だから (p-1)/2 は偶数である。 よって p ≡ 1 (mod 4) となる。
>>161 の p ≡ 1 (mod 5) または p ≡ 4 (mod 5) と組み合わせて
p ≡ 1 (mod 20) または p ≡ 9 (mod 20) である。
163 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 15:33:32 ]
>>162 >(-1/p) = (-1)^((p-1)/2) だから
これは平方剰余の第一補充法則と呼ばれている。
前スレ3の747の
4) (a/p) ≡ a^{(p - 1)/2} (mod p)
から直ちにでる。
164 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 15:38:37 ]
>>160
簡単な計算ですが、こういう計算が初等整数論では重要な場合あります。
165 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 15:41:33 ]
>>161 >p ≠ 5 である。
p ≠ 2 でもあることに注意しておく。
166 名前:132人目の素数さん [2006/12/09(土) 15:49:04 ]
p=a^2+b^2 mod 4 =a^2-b^2 mod 6
167 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 15:50:48 ]
>>162 の結果
p ≡ 1 (mod 20) または p ≡ 9 (mod 20)
を満たす 100 以下の素数を求めてみよう。
100以下の整数 ≧ 1 で 20k + 1 の形のものは
21, 41, 61, 81
20k + 9 の形のものは
29, 49, 69, 89
これ等のなかで素数なのは 29, 41, 61, 89
これは >>153 と 5 を除いて一致する。
168 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 16:57:51 ]
>>167 から次の予想をするには支持データ数が足りないだろう。 しかし、この予想は正しいことを後で証明する。
予想 p を 5 以外の有理素数とする。 p = a^2 + 5(b^2) となる有理整数 a, b が存在するためには、
p ≡ 1 (mod 20) または p ≡ 9 (mod 20)
が必要十分である。
169 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:02:14 ]
命題
A を Dedekind 整域、K をその商体とする。
I, J を A の分数イデアル(前スレ2の677) とし、
IJ = A とする。ここで IJ は集合 { xy; x ∈ I, y ∈ J } で生成される
K の A-部分加群である。
このとき J = { x ∈ K; xI ⊂ A } である。
証明
L = { x ∈ K; xI ⊂ A } とおく。
IJ = A だから J ⊂ L である。 よって IJ ⊂ IL である。
L の定義より IL ⊂ A だから IJ ⊂ IL ⊂ A となる。
IJ = A より IL = A となる。
IL = A の両辺に J を掛けて JIL = J JIL = (IJ)L = L だから L = J 証明終
170 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:09:57 ]
証明からわかるように >>169 の命題の仮定で A は Dedekind 整域で ある必要はなかった。
171 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:17:11 ]
問題 A を Dedekind 整域とする。 P ≠ 0 を A の素イデアルで a ≠ 0 を P の元とする。 このとき (a) = PI となるイデアル I がある。
172 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:24:57 ]
問題
A を Dedekind 整域、K をその商体とする。
P ≠ 0 を A の素イデアルとし、P^(-1) = { x ∈ K; xP ⊂ A }
とおく。
P^(-1) は A の分数イデアルで PP^(-1) = A である。
173 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:26:53 ]
問題
A を Dedekind 整域、K をその商体とする。
I ≠ 0 を A のイデアルとし、I^(-1) = { x ∈ K; xP ⊂ A }
とおく。
I^(-1) は A の分数イデアルで II^(-1) = A である。
174 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:31:31 ]
問題 >>173 において I は A の分数イデアルとしてもよい。
175 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:32:01 ]
問題 A を Dedekind 整域とする。 I ≠ 0 と J ≠ 0 を A のイデアルとし、I ⊂ J とする。 このとき I = JL となるイデアル L がある。
176 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:35:15 ]
命題 A を Dedekind 整域とする。 A の分数イデアル全体は乗法に関して群になる。
証明 >>174 より明らか。
177 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:40:01 ]
定義 A を Dedekind 整域とする。 A の分数イデアル全体は乗法に関して群になる(>>176)。 この群を A のイデアル群と呼び I(A) と書く。
178 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:43:57 ]
定義 A を Dedekind 整域、K をその商体とする。 K の元 x ≠ 0 に対して xA は分数イデアルである。 この形の分数イデアルを単項分数イデアルまたは主分数イデアルと 呼ぶ。
179 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:46:12 ]
定義 A を Dedekind 整域とする。 A の主分数イデアル(>>178)全体は乗法に関して群になる。 この群を A の主イデアル群と呼び P(A) と書く。
180 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:49:51 ]
定義 A を Dedekind 整域とする。 A のイデアル群 I(A) を主イデアル群 P(A) で割った剰余群 I(A)/P(A) をA のイデアル類群と呼び Cl(A) と書く。
181 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:57:13 ]
A を Dedekind 整域とする。 前スレ2の 541 よりイデアル類群 Cl(A) は標準的に A の Picard 群 Pic(A) に同型であることを注意しておく。
182 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 22:27:17 ]
問題 A を Dedekind 整域とする。 A の任意の分数イデアルは I/J の形に書ける。ここで I, J は A のイデアルで I/J は I(J^(-1)) を表す。
183 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 22:32:29 ]
問題 A を Dedekind 整域とする。 A の分数イデアル M に対して M = I/J とする。 ここで I, J は A のイデアルである。 このとき N(I)/N(M) は、M = I/J となる I, J の取り方によらない。
184 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 22:35:12 ]
訂正
>>183 >このとき N(I)/N(M) は、M = I/J となる I, J の取り方によらない。
このとき N(I)/N(J) は、M = I/J となる I, J の取り方によらない。
185 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 22:39:49 ]
定義 A を Dedekind 整域とする。 A の分数イデアル M に対して M = I/J とする。 ここで I, J は A のイデアルである。 >>182 よりこのようなイデアルは存在する。 >>183 より N(I)/N(J) は M = I/J となる I, J の取り方によらない。 N(I)/N(J) を M のノルムと呼び N(M) と書く。
明らかに、この定義は M がイデアルのときのノルムの拡張になっている。
186 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 22:48:05 ]
A を Dedekind 整域とする。 A のイデアルのことを A の分数イデアルと区別して整イデアル ともいう。 しかし、このスレでは通常、単にイデアルと呼ぶことにする。
定義(前スレ2の677)からイデアルは、分数イデアルでもある。
187 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 22:52:57 ]
2次体 Q(√m) においては、誤解のない限り、Q(√m) の整数環 Z[ω] の 分数イデアルのことを Q(√m) の分数イデアルとも言う。
188 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23:09:53 ]
問題 2次体 Q(√m) のイデアル I ≠ 0 に対して、I^(-1) = [r, s + tω] と 書ける。ここで r, s, t は適当な有理数である。 I を標準基底 [a, b + cω] で表したとき、r, s, t を a, b, c から 求めよ。
189 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23:13:47 ]
問題 2次体 Q(√m) の任意の分数イデアル M は M = [r, s + tω] と 書ける。ここで r, s, t は適当な有理数である。
190 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23:17:13 ]
問題 2次体 Q(√m) の分数イデアル M を M = [r, s + tω] と 表したとき、N(M) = rt であることを証明せよ。 ここで r, s, t は適当な有理数である。
191 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23:20:17 ]
問題 2次体 Q(√m) の分数イデアル L, M に対して、 N(LM) = N(L)N(M) となることを証明せよ。
192 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23:22:02 ]
訂正
>>186 >定義(前スレ2の677)からイデアルは、分数イデアルでもある。
定義(前スレ2の677)から0でないイデアルは、分数イデアルでもある。
193 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23:44:30 ]
定義 A を Dedekind 整域とする。 A のイデアル類群(>>180) Cl(A) = I(A)/P(A) の各剰余類を A の イデアル類と呼ぶ。
A が2次体 Q(√m) の整数環のとき、誤解の恐れがない限り A のイデアル類を Q(√m) のイデアル類と呼ぶ。
194 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23:51:58 ]
問題(高木の初等整数論)
2次体 Q(√m) の原始イデアル I = [a, b + ω] と J = [k, l + ω] が 同じイデアル類に属すとする。すなわち I = ρJ となる ρ ∈ Q(√m) があるとする。 このとき θ = (b + ω)/a、ψ = (l + ω)/k とおくと、 θ = (pψ + q)/(rψ + s) となる。 ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。
195 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23:58:11 ]
問題(高木の初等整数論) 以下のように >>194 の逆が成り立つ。
2次体 Q(√m) の原始イデアル I = [a, b + ω] と J = [k, l + ω] に 対して、θ = (b + ω)/a、ψ = (l + ω)/k とおく。
θ = (pψ + q)/(rψ + s) となるとする。 ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。
このとき ρ = rψ' + s とおくと I = ρJ となる。 さらに N(ρ) = ±(a/k) である。
