「兄さん…私を守って」
レプリロイドの軍隊「レプリフォース」のオペレーターで、
レプリフォース陸軍士官の
カーネル と同じCPUを使用し作成されたカーネルの妹。
本来は
エックス (漫画版では
ロックマン )のように強い戦闘力と平和を愛する心を併せ持った一体のレプリロイドとなる予定だったが、
不可能だったため「力と正義」を兄に「慈愛と平和」を妹に分けられた。
平和を愛する優しい性格 だが、間違いと知りながらもカーネルの理想である「レプリロイドだけの世界」に密かに共感を抱いている。
ゼロには密かに思いを寄せているが、思いを打ち明けてはいない。
なお時間軸では『ロックマンX3』と『X4』の間の話である番外作品『ロックマンX2 ソウルイレイザー』でも登場している。
この当時から見習いのオペレーターとして勤めており、エックスとゼロのサポートを行っていた。
ゼロの事を度々心配する様子から、この時から既にゼロに恋心を寄せていたと思える。
また、エックスと面識がある事もこの作品で判明している。
『X4』オープニングにて
イレギュラー に捕まって置き去りにされている所をゼロに助けられ、
イレギュラーハンター司令部に保護されていた。
兄がゼロに倒された後は
悲しみと絶望のあまり 、司令部を去り行方不明となる。
その後レプリフォースの宇宙要塞にて、回収したカーネルのデータチップを使い自らの封印を解き、
復讐のためにゼロに襲い掛かるが、最期はゼロの手によって倒され彼に看取られる形で死を迎えてしまう。
この時も「レプリロイドだけの世界で暮らしましょう」と言うアイリスにゼロは「レプリロイドだけの世界など幻だ」とはっきり否定しており、
その思想は最期までゼロと分かり合う事は無かった。
ちなみに、月刊ファミ通ブロス1997年10月号によればアイリスにカーネルのデータチップが渡ったのはシグマの策略だったとの事で、
ゼロと戦うことになるのも織り込み済みだったらしい。
なお補足しておくと、彼女以外にも『X1』の
シグマ や『ゼロ2』の
エルピス など、「レプリロイドだけの世界」を理想郷とする者は少なくない。
かのボンボン版ではかなり描写が変わっており、最後にゼロと対決する展開は変わらないが、
カーネルが破壊された影響で暴走を起こしたという感じの描写で、ヤンデレ展開とは言い難い。
また、ゼロがこの時ほとんど
愛の告白同然の台詞 でアイリスを救う闘いに臨むなど恋愛関係に関しては思いっきり強調されていた。
…しかし、ゼロのその想いも虚しく、救出されたアイリスはゼロの腕の中で機能を停止する。
原作通りとはいえ、アイリスが一体何をした。せめてもの救いは原作とは違い、最期までアイリスとゼロが分かり合っていた事だが…。
それ故にゼロの救われなさが半端なく上がっている。
彼女の最期のシーンはゼロの台詞も合間ってXシリーズ屈指の名場面と言われる。
*2
ちなみにこのシーンは
CM にも使われていたので未プレイの人も知っているかもしれない。
『ロックマンX4』発売当時、お茶の間のTVCMで流れた、ゼロの「俺は、俺は、イッタイナンノタメニタタカッテイルンダー!」のシーンはこれ。
「…ごめんなさい、ゼロ」
劇中では飛行型ライドアーマーのような姿に変身し、コアの紫色のクリスタルを攻撃しないとダメージを与える事ができない。
最初はクリスタルが体の中に入っており、何度か攻撃しないとクリスタルが外に出てこない。
攻撃は極太のレーザーで攻撃し、またアイリスを攻撃すると浮遊機雷が現れるため、
下手に攻撃しまくると機雷だらけになってしまう。この機雷は攻撃で破壊する事が可能。
クリスタルもレーザーを撃ってき、アイリスのレーザー攻撃に連動して、
ゼロの足元に潜ってレーザーを放ってくるので、上手く誘導しないとダメージを受ける。
ちなみにボンボン版では破壊されたカーネルの残骸とアイリスが合体してこの姿になった。
攻撃するとクリスタルが出現などといったゲーム中の仕様は再現されていないが、
一応クリスタル自体は登場し、ゼロを傷付けた……のだが。
なんとアイリスへの想いを自覚し、迷いを吹っ切ったゼロの裏拳一撃で粉々に。
その後ゼロは、アイリスをライドアーマー(っぽいもの)の中から引き抜いて救出している。
+
『PROJECT X ZONE』
声優さんが別キャラとしても出演している為、イベントキャラながらしっかり声付きである。
The world内で残留データとして現れ、ゼロを揺さぶる為に
VAVA に利用され、生前と同じく「レプリロイドだけの世界で暮らしましょう」とゼロに語りかけた。
トラウマその物とも言える彼女の呼びかけでゼロは動けなくなってしまうものの、
最終的に迷いを振り切り復活したゼロの言葉を聞き、「レプリロイドだけの世界など幻想」と言う言葉を受け入れる。
そして、
アウラ の「存在していてはいけない」と言う言葉に従い今度こそ完全に消滅した。
──ゼロの心に、負けない愛を遺して。
結局別離は免れなかったものの、今度こそ分かり合ってちゃんと別れを告げられた事は、この二人にとっては救いになったのかもしれない。
「わかってた……。私はここにいては…… ゼロに会ってはいけなかったこと。
でも、うれしかった。ゼロ……あなたは、あなたのままでいて。決して負けない、あなたのままで。
大丈夫。ゼロは、運命に逆らえる強さを…… 持っているんだから。
さよなら、ゼロ……。伝えられて……よかった。」
+
『アニバーサリーコレクション』
二体のボスと同時に戦う「Xチャレンジ」ではステージ9-3に
ダブル とタッグを組んで登場。Vol.1の実質的な
ラスボス を務める
(Vol.2では
ゲイト と
ダイナモ が登場)。
公式の作品でエックスがアイリスと直接戦うのは本作が初だったりする。
行動パターンは原作と同じだが、先にダブルを倒した場合「兄さん、私を守って」のセリフと共に、カーネルを召喚する技(?)が追加された。
アイリスに弱点武器が無いため、先に
ダブルサイクロン でダブルを倒してからアイリスを処理しようとして驚かされたユーザーも少なくない。
また、カーネルは終始無敵のため、彼の動きと機雷に注意しながらアイリスを狙う必要がある。
「Xチャレンジ」参考動画(カーネル召喚は2:54辺り)VIDEO
この状態で倒すともう一つの追加要素として、カーネルが彼女を抱えて消滅(逃走?)する。
逆に、アイリスを先に倒した場合はカーネルは登場せず、他のボス同様に跡形も無く消滅する。
+
『ロックマンエグゼ 』シリーズ
最終作の『6』に登場する。アニメでの担当声優は
仙台エリ
女史。
主人公の光熱斗とは、引っ越し先の才葉シティにてウイルスに感染したロボット犬に襲われていた所を助けた事で出会う。
常に物憂げな表情をした少女で、不意に現れては熱斗とロックマンに協力をして、少し目を離した隙にいなくなっているという神出鬼没の存在。
プログラミングの技術に長け、獣化したロックマンを封じるなど超常的な力を持っている。
どちらかと言えば熱斗よりロックマンに似た翠色の瞳をしているが…。
+
その正体(ネタバレ注意)
彼女は人間ではなく、ネットナビである。
いなくなった先に常にコピーロイド(ネットナビを現実世界で活動させるロボット)が置いてあるのはそのため。
元は『エグゼ』のカーネルの「電子機器制御能力」と「優しさ」を司るプログラムで、カーネルの妹に当たる。
製作者はカーネルと同じく
Dr.ワイリー 。カーネルとの関係は『X』シリーズを踏襲していると言える。
軍に所属していたワイリーの意のままに軍事利用されていたが、ある時その処遇に疑問を抱いて逃走。
以降電脳世界をさまよっておりワイリーすらその所在を探れなかったが、ゲーム終盤にワイリーの罠にかかりとうとう捕えられる。
そして意志を消されてワイリーの操り人形として電脳獣の制御をさせられていたが、自分の意思を取り戻し反抗。兄とともに電脳獣と戦う。
最後は苦し紛れにロックマンの体を乗っ取った電脳獣を消滅させるために兄と合体して真の姿になり、自爆して電脳獣を道連れに完全消滅した。
光熱斗には淡い恋心を抱いていたが、自身がネットナビである事を理由に諦め、最後まで熱斗にその思いを告げる事は無かった。
「光くん わたし…」
「…ううん、いいの わたし ネットナビだから…」
+
『XDIVE』
初期段階からイラストがあったため登場する事は確実だったが、
ゲームボーイ版 のようなナビゲートのポジションか、
ストーリーモードでヴァジュリーラFFがアイリスが敵として登場する事を仄めかす発言をしていた事から彼女とも敵対する展開を危惧されていたが、
プレイアブルキャラクターとしてまさかの参戦。しかもボスの姿に変身せず、普段の姿で戦う。
ただし、
期間限定のガチャから排出される ため、入手できる機会は少ない。
本作は何者かに『X』シリーズの世界(データ)を改竄されており、
アイリスを含む
プレイア ブルキャ ラクター達 も本人ではなく再現されたデータという設定のため、
本来は戦闘力がない彼女もエックスのバスターやゼロのセイバー、果てはシグマの鎌をも装備して戦える理由付けとなっている。
広範囲の敵をマヒさせる球状のバリアと、ボス時に使用した浮遊機雷を飛ばす追尾弾という強力な固有スキルを持ち、
対人戦では
フォルテ と
ブルース (どちらも『EXE』版)に並ぶ強キャラぶりを発揮していたが、
キャラクターのインフレが激化している現在では完封されてしまう事もしばしば。
夏に開催されたイベントでは水着姿の「愛夏のアイリス」が実装された。
帽子のせいもあって、セレナ に見える
夏限定という事もあり、通常版以上に入手できる機会が限られている。
性能面は守りに長けていた通常版とは逆に、攻撃的なスキル構成となっている。
スキル1は「兄さん、私を守って」の台詞とともにクリスタルを出してビームを発射。
原作と違ってクリスタルが青く、ビームは前に発射される。
スキル2はビーチボールのバウンド弾をスマッシュ。ボールには色違いやゼロの顔が描かれた差分がある。
ちなみに画集『ロックマンX DiVEイラスト集』などで拡大してよく見ると、レプリロイドらしくボディの分割ラインも確認できる。
これはシエルなどの人間キャラクターやAIキャラクターの水着絵では確認できず、女性レプリロイドキャラ共通の特徴でもあるので、
どうやら普段の姿はそういう形状のボディというわけではなく、素肌の上に着用する外装・スーツという事のようだ。
まあロールちゃんには分割ラインないけど
更に、バレンタインイベントではメイド風の衣装に身を包んだ「スイートアイリス」が実装。
スキル1で義理チョコのバリアを展開、一定時間経過するか一定回数攻撃を受けて解除されるまでは無敵という高性能。
スキル2は地形を貫通するビームを一直線に発射。育成次第では火力が5%上がったり、射程距離が短くなる代わりに更なる火力の向上も可能。
また、通常のアイリスと違って
服が布製なので、動き によっては白い布が… 。
+
カーネルに粛清される覚悟のある紳士のみクリック
そして、その翌年の正月イベントでは
巫女装束 に身を包んだ「御神子のアイリス」が実装。
スキル1は目標に命中すると『
X8 』の「サンダーダンサー」の如く他の的にも伝導する「荒魂之祓矢」
スキル2は暁の光を頭上に展開して範囲内の敵を攻撃しつつ体力を回復する「和魂の暁」
『
モンスターハンター 』とのコラボではジンオウガの能力を得た「ジンオウアイリス」が参戦。
3Dモデルをよく見ると尻尾が動いている事から、装備ではなく融合に近いらしく、帯電状態になると髪が青白く光る。
地形を貫通する落雷とチャージする事でより強力な電撃を放つスキルを持つ。
ちなみに、時系列はゼロとカーネルの衝突を止めるべく向かっている途中でバグに巻き込まれた模様。
また、『XDIVE』には2つに分かれる事なく計画通りに完成した「渾然たるアイリス」も登場する。
名前こそアイリスではあるが、欧米版では「アイリス・アナザー」となっていて、言動や四肢の造形から「女版カーネル」といったキャラ付けになっている。
本人曰くこの女性形ボディは不本意なようで「動きづらい」と零す一方、
プレイヤーに敗北した事で興味を持ち、「早く解析(プレイアブル化)しろ」とナビキャラに要求してくる。
そしてナビキャラが超頑張って 登場一週間後のDiVEフェス限定キャラとして実装されるという、驚きの速度でプレイアブル化した。
こちらのアイリスもやはりゼロに対しての感情は変わらないのか、切なげに彼の名を呼ぶボイスがある。
漫画版アイリスは「単独で完成していたらゼロへの想いも芽生えなかった」と言っていたが、彼女の愛は多少の運命の違いでも負けないようだ。
恐らく「レプリロイドだけの社会」を目指しているのは変わらないだろうが、兄カーネルがいない分、もしかしたら分かり合える道もあるのかもしれない。
+
『白猫プロジェクト』
ディープログ内で発生したバグに巻き込まれる形でエックス、ゼロと共に参戦
(残念ながら台湾版のみで日本版では『Xdive』コラボは開催されていない)。
奇しくもクラスは『白猫』のメインヒロインのアイリスと同じ「魔法使い」だが、属性は「闇」となっている。
スキル1は小型のメカを召喚して敵に叩き付ける技、スキル2は移動しながら前方に巨大なビームを照射する技となっている。
後者は日本版で開催された『Spy x Family』コラボのアーニャ・フォージャーの「アーニャビーム」として流用された
(本作のオリジナル技で、原作ではビームどころかアーニャ自身が戦闘する場面が無い)。
+
ボイス 集
『X4』VIDEO
『PROJECT X ZONE』(1:19~)
Michelle Gazepis氏と未使用音声 VIDEO
『XDIVE』(3:39~)
+
∑5(シグマウィルス末期症状)感染注意!
この他、中の人ネタで
夢の国 のネズミになったりヤンデレ化してカーネルやゼ
ero ロを刺していたが、
前者は遠藤女史が引き継ぎになって以降は減っている。
そして、
∑5(シグマウィルス末期症状)に感染、悪化した 柊・竹・梅氏が、この動画を
ステージ として製作。
アップローダーで公開されていたが、アップローダーが消滅後はJ.J氏のサイトで代理公開中。
MUGENにおけるアイリス
国内で3体のアイリスが確認されている。
+
漆黒氏製作
2019年のYahoo!ジオシティーズ終了によりサイトが消滅し、残念ながら現在は正規入手不可。
同氏製作の『X4』仕様のゼロとの
特殊イントロ として戦闘開始前のイベントが搭載されている他、
攻撃を与えた時の機雷の出現や、クリスタルに攻撃しないとダメージを与えられないなど原作性能もしっかりと再現している。
なお、
AI 戦においてはこれらの仕様が恐ろしく
AI殺し として働くため、並のキャラでは体力を削る事すらできず狂キャラとされている。
ただし常に
全画面攻撃 を行っているような
神キャラ 相手ではあっさりと倒されてしまうため、大会動画に出すには微妙な立ち位置である。
まあ本来そういう楽しみ方をするキャラではないので、ちゃんと自分操作で攻略してみよう。
また、同氏によって『X4』でのアイリス戦を再現した専用
ステージ (
BGM 同梱)も作られていた。
+
Hirst氏(ヒルスト氏)製作
前述の戦闘形態ではなく、自身の姿のままで戦うアイリス。
ビームサーベルを使った接近戦の他、バスターやスピニング・ホイールによる遠距離攻撃も得意としている。
fxfreitas氏の
スプライト を使用しており、『
UMVC3 』のゼロをベースとした仕様で製作されているようだ。
AIは搭載されていないが、製作は自由との事。
ただし、スプライトの改変・追加においては条件あり。詳細はreadmeを参照。
+
名無しのぽろろ氏製作
2022年に公開されたヒルスト氏のアイリスの改変。
スプライトはヒルスト氏のものと同様にfxfreitas氏のものが使用されているが、
キャラのサイズが一般的な格ゲーキャラと同程度に大きくなっている。
製作者の作った紹介動画によると「レプリフォースがイレギュラーにならなかった世界線」とのことで、
ゼロとカーネルが
ストライカー やゲージ技の演出で登場・共闘する。
必殺技は改変元から一新されており、『X DiVE』でアイリスが使用したスキルが再現されている。ボイスも遠藤綾氏のもの。
性能は原作アクションゲームを意識して作られているようで、
本体に押し出し判定が無い、空中で自由に左右に移動できる、被ダメージ時に一定時間無敵状態になる、等の特徴がある。
AIはデフォルトで搭載されており、被ダメージ時の無敵状態も相まって狂ランクの強さ。
カラーを上げることで更に強化される他、オプションで強さをある程度調整可能。
出場大会
出演ストーリー
「でも信じたかった…。レプリロイドだけの
世界であなたと…。」
*1
名前の由来となったアイリスの花は花言葉が幾つか有り、その中には「愛」「消息を断つ」「復讐」など、アイリス自身に関わる花言葉が多い。
*2
ゼロ編では上記の名場面以外にも「カーネルとの交戦中にアイリスが止めに入る(エックス編ではアイリス自体が登場しない)」や、
対シグマ戦直前に「
シグマ が自分とゼロが初めて出会った頃の昔話を語り出す」など専用のムービーが多く、更に上記の名シーンも含めてゼロばかりが目立った。
そしてこの圧倒的な扱いの違いに、エックスが『X4』以降「
主人公(笑) 」扱いされるようになった。
尤も、『X4』と『X5』は
「ゼロの誕生秘話」がテーマの、ある意味「ロックマンゼロ 」な作品 なので、
エックスの影が薄れるのは
仕方が無い のかもしれない。
最終更新:2025年04月06日 00:00