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AGW-G32
旅行をしましょう、と妻がパンフレットを広げる。「鹿や猪が生きている時代に行ってみたいわ」と言う妻に、僕は「刺激的な終末戦争の時代も、楽しそうだね」と返す。僕らは身を寄せ合い時間旅行の計画を立て始めた。
僕らが選んだ旅先は幾億年も前の地球。まだ人間のいない、静かな時代だ。味気ないわ、と妻が口を尖らせる。彼女はもっと華やかな年代に行きたかったらしい。でも僕は、誰にも邪魔されずに彼女の声が聞けるこの退屈な時代を、何よりも気に入っている。
僕と妻が太古の世界を歩いてると突然、獰猛なドラゴンが現れた。僕は彼女の手を引いて一目散に逃げ出す。非常事態だっていうのにケラケラと笑う妻がおかしくて、僕も笑ってしまう。僕らは走って走って、なんとか無事に帰りの“時間船”へと逃げ込んだ。
数日ぶりに戻った自宅は、陰鬱な空気で満ちていた。窓の外で降り続く灰の雨に、気が滅入ってしまう。突然、ぐっと腹の虫が鳴いた。それで僕は「朝食は何にする?」と妻に尋ねようとして、我に返る。妻は去年亡くなった。彼女とはもう、時間旅行でしか会えないのだ。
武器種 | 格闘 | レアリティ | ★★★ |
属性 | 風 | シリーズ | 時間操作 |
追加日 | 2022年3月31日 | ||
EN | AGW-G32 |
AGW-E14
市民用宇宙エレベータの裏にあるドラゴン像には、決して近寄ってはならない――政府はいつだって口を酸っぱくして言っている。もしも近づこうものなら、たちまち魂を奪われてしまうらしい。しかし私は好奇心を抑えきれなくなり、つい像に近づいてしまった。
私がドラゴンの像に近づいた瞬間、周囲の景色がカードを捲るように次々と変わりだした。春、夏、秋、冬。まるで私だけが時の流れに置いていかれているよう。そして私は像であるはずのドラゴンが翼をはためかせるのを見た。ドラゴンは、本物だったのだ。
太古の時代、体内に時空間歪曲装置を埋め込まれたドラゴンの周囲は時の流れが遅くなった。ゆえに遠くからドラゴンを見ると像の様に止まって見えるのだ――孤独なドラゴンはそう語ると、私に懇願した。「どうか私の傍で、この長い時を共に生きてくれないか」と。
怯えてドラゴンの傍から逃げ出した私が見たものは、荒廃し人影の消えた都市であった。すでに千年以上の月日が過ぎていたのである。孤独に耐えかねた私が再びドラゴンの元へ近づくと、ドラゴンは私を迎え入れて微笑んだ。その大きな爪を、私の頭上に振り下ろして。
武器種 | 杖 | レアリティ | ★★★ |
属性 | 風 | シリーズ | |
追加日 | 2022年1月31日 | ||
EN | AGW-E14 |