トレーディングカードゲーム(TCG)

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トレーディングカードゲーム(TCG) - (2022/02/14 (月) 19:19:08) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/06/08(金) 22:32:12
更新日:2024/04/29 Mon 17:20:47
所要時間:約 5 分で読めます




トレーディングカードゲーム(TCG)とは、一般的に収集要素やデッキ構築要素も備わっているカードゲームである。
その隆盛具合から単に「カードゲーム」「トレーディングカード(トレカ)」と呼称・表記される場合も多いが、
そもそものカードゲームは「カードを使用するゲームの総称」、つまりTCGに限らない名称であり、TCGはあくまで「カードゲームの下位分類」である。
また、トレーディングカード(トレカ)は収集物でこそあるがゲーム性も持たせてあるとは限らず、やはりTCGは「遊べるトレーディングカード」としてその下位分類に置かれる。
つまり、カードゲームだと「トランプ」「UNO」「ニムト」などといった別種ゲームが含まれ、トレーディングカード(トレカ)だとゲーム性を持たない単なるトレーディングカードが含まれてしまう。
なので、TCGを話題に挙げたりする場合は他のカードゲームやトレーディングカードとの混同・誤解を避けるため、TCG(又はトレーディングカードゲーム)や後述の『コレクティブル(カスタマイザブル)カードゲーム(CCG)』といった表記・呼称を使うのが望ましい。

なお、そのTCGの中でもアーケードゲームでもあるものは「TCAG(トレーディングカードアーケードゲーム)*1」と呼ばれる。


●目次

概要

一枚一枚が美術品や名品のように市場流通(トレード)されうるトレーディングカードを、トランプゲームUNOといった既存カードゲームのように遊べるようにもしたもので、アメリカのウィザーズ・オブ・ザ・コースト(ウィザーズ)が発売するマジック:ザ・ギャザリング(MtG)を直接の開祖としている。
その形態ゆえか公式にかはともかく「ソリティア」や「エラッタ」など、一部の用語がその他カードゲームやTRPGといった他のテーブルゲームから流用されている。

なお、TCGなど交換要素を重視した名称は日中韓(≒東アジア圏)や日本産TCGの国外名*2以外にはほとんど用いられておらず、代わりに収集性やデッキ構築要素を重視した『コレクティブル(カスタマイザブル)カードゲーム(CCG)』やそれを直訳した名称で呼ばれる事が多い。
その理由は一説によると、(杞憂に終わったが)ウィザーズによるTCGの商標化を危惧した後発のTCGメーカーが、TCGに代わる普通名称として提唱したものがそのまま定着したためとの事だが、後述するトラブルやそれへの対応を見るとこちらの方がより実情に即した名称と言えるだろう。
元のトレーディングカードもこれまた東アジア圏外では英語でのコレクティブルカード(Collectible Card)やその直訳で呼称されているが、これ以上は割愛する。

歴史

MtG登場

そんなTCGだが、当初はカードの収集がそれなりの経済力を必要とすることもあって、決して子ども向きの遊びではなかった。
また、実質唯一のタイトルであったMtGのルールも、当時から単純でこそあるが膨大で子ども向けとは言い難く、少年誌であるコロコロコミック題材としたストーリーを連載したり、紹介記事も時折組まれたが、市場拡大にはあまり貢献できなかった。

1999〜2000年代遊戯王登場

そんな中、1999年頃に登場したのが、今や日本でのTCGの代名詞となった、遊戯王である。
原作は週刊少年ジャンプというビッグネームの雑誌で連載していた、テーブルゲーム全般が題材の漫画であったが、MtG(とウィザーズ)をモチーフとした架空のTCG『マジック&ウィザーズ(M&W)』を独自に設定・登場させた事から元々それなりにあった人気が爆発し、そこから現在も続く路線を確立。

当時の日本で起きていたTCGブームを加速させ、そのM&W(といくつかのゲーム化作品)をベースにコナミが遊戯王OCGを製作・発売したのがこのブームの一つの頂点となる。
言ったもん勝ち混沌そのものとも言えたルールを手探りで失敗を繰り返しながら整え・拡げていき、現在の TCGの日本国内売り上げでトップに君臨する 遊戯王OCGとなっていったのは、多くの決闘者の知るところ。
アニヲタにとってもアニメ・漫画・OCG・デュエルリンクス・ラッシュデュエルのその全てがホットな話題を絶えず提供してくれる、無くてはならない存在だろう。

その他、日本産初のTCGポケモンカードゲームや、MtGを低年齢層向けに簡略化してマジックブランドを廃しオリジナル化したデュエルマスターズといったビッグタイトルを始めとする多くのTCGがこの頃生み出され、2000年代前半にはムシキング三国志大戦などでTCAGが台頭・確立。

2010年代前半再ブーム

その後は一度ブームが沈静化するも、2010年頃に再度ブームが到来。

この頃にバトルスピリッツカードファイト!!ヴァンガードフューチャーカード バディファイトなど、(発売当初は)子供も対象としたTCGが誕生しており、販促アニメと合わさって人気を獲得していった。

DCG戦国時代

2014年頃からはハースストーンを広め役として、そのフォロワーと言えるネイティブのDCGも多数誕生し、その概念を確立。
TCGとの相互参入も起きており、TCG側からはそれまでの主流だったゲーム機に留まらず、PCやスマホへ参入するものも。

しかしジャンルとしての歴史がまだ浅く、参入障壁の高さによって市場の拡張性が乏しい事もあってか、ルール不備やカードデザインのミスを抱えがち。
加えて利益を上げることと常に新規参入者を増やしたいシステム上、新弾ごとに「購入(課金)」を狙う必要があるため効果のインフレが極めて激しく、それらがカニバリゼーション(市場の共食い)と合わさった結果、多くが衰退・サービス終了に至っている。
そのため結局のところ、遊戯王デュエルリンクスなどのように元々のファン層の大きさを活かしたり、資金力を活かしたコラボで新規層を取り込み続けたりしないと、ゲームサービスを続けるのが難しいのが現状である。

2022年時点でも、TCG界隈はある種の転換期にあると言えなくもない。

TCG・DCGタイトル一覧

各TCGについて興味の出た人は、 TCG タグの検索か、みんな大好きGoogle先生に聞いてみよう。

TCGの開祖にして、今も新規カードを出し続ける伝説的TCG。アメリカ発祥だが(一般流通しているカードだけでも)英語日本語など11言語に展開している。

色とその拮抗」「種族」「ターンが進むにつれ回復しながら徐々に増える(増やせる)、カードを使用するためのリソース」「カードの状態とそれのカードの向きでの提示」といった数々の要素はこのゲームで既に誕生・確立しており、他のTCGは多かれ少なかれこのゲームの影響を受けている。

ハリポタにでも出そうな美麗ながらも硬派なイラスト、原語が(アメリカ)英語であること、パワー9を始めとする超高額カードの存在、競技性の高さ等から「難しそう」「マニア向けのTCG」と思われがち。
が、実際のルールは概ね単純な裁定の集合体であり、他より少々高めな予算の壁さえ超えられれば割合どうとでも取っつける*3


任天堂の名作ゲームシリーズ「ポケットモンスター」と並行して登場した、日本産初のTCG
旧名称『ポケットモンスターカードゲーム』。

登場するキャラクターはもちろんすべてポケモンであるが、属性の区分などがゲーム版とは異なっている。

そもそもの「ポケットモンスター」共々子供向けとあって、ルールもゲーム性も非常に簡素で分かりやすくなっているのが特徴。

1ターン内でできる行動に制約が多く、手札の枚数が増えても優位をとりにくいことが特徴で、TCG関係者には「 手札アドが弱すぎる 」ことで有名。
そのため、「『いつ』カードを使うか」を判断する計画性が他のカードゲームよりも強く求められる。


  • 大貝獣物語 THE MIRACLE OF THE ZONE(1997年~2002年)
天田印刷加工(現:エンスカイ)より発売されていたタイトル。略称は「MOZ」。
ゲーム作品である「大貝獣物語」の世界観をベースにしている。
今は亡きコミックボンボンにて特集されており、漫画も連載されていた。

召喚師カードの上と左右の3か所に召喚獣カードを出し、その3枚で役を作るという他に類を見ない独特なゲームシステムが特徴。

各プレイヤーは自分のターンに1枚だけ、召喚師カードの天、右、左のいずれかの場に対応する属性の召喚獣か、戦いをサポートするHelpカードを出すことができる。

4枚のカードを出し終えたら召喚獣の合計パワーを競い、数値が上回った方が勝ちとなり、そのラウンドの勝者となり勝利ポイントを得られる。

この時召喚獣の組み合わせ次第ではコンボと呼ばれる役を作ることができ、コンボを完成させたプレイヤーは一方的に勝利できる。両者ともにコンボを完成させた場合はより強いコンボのプレイヤーが勝ちとなる。

そして、ラウンドが終了すると、召喚師を別のものと交代させ、場に出ていたカードはすべて捨て札にして新たなラウンドを開始する。

加えて、デッキのカードはすべて1枚までしか入れられないため、強力なカードをいつ使うかという駆け引きが非常に重要視される。

カードを使うためのコストはなく、基本的なゲームシステムは非常にシンプルだが、それゆえに非常に奥深いゲーム性を誇る。既に終了して久しいが、現在でも有志による対戦会が開かれるなど、根強い支持があり、復活も望む声も聞かれる。

何年か展開されてからリニューアル版である「ミラクルVマスター」に引き継がれたが、そちらも長続きせず2003年に終了を迎えた。

漫画「遊戯王」に登場したTCG「マジック&ウィザーズ」を基にしたTCG。
ごく短期間でBANDAIが撤退してしまったため、現在は流通していない。
そんな事情もあり、コレクターからは根強い人気がある。
後のKONAMI版との互換は無い。


Magic the Gatheringを元にして作られた「機動戦士ガンダム」のTCG。
ガンダムシリーズに登場する機体がそのままカードになっており、ガンダムファンを中心に根強い人気を誇った。

マジックでいう土地カードにあたるGカードを出していくことでより強力なカードを使えるようになる。
攻撃対象は対戦相手の山札であり、山札破壊が基本的な勝利方法という珍しいタイトルである。

度重なるインフレの末にリニューアルによる心機一転を図ったが、ユーザー離れを引き起こしやがて終了に至った。

上述のBANDAI版遊戯王の撤退後、代わってKONAMIが再展開したもの*5
発売開始から現在に至るまで絶大な人気を博しており、今となっては国産TCGの代名詞。

10000種類を超える膨大なカードプールを誇り、「スタン落ち」*6どころかフォーマット(レギュレーション)での住み分けを公式には一切行っておらず、デッキ構築の自由度は極めて高い。
もっとも、近年はある程度共通するテーマ(カテゴリ)で組むデザイナーズデッキやメタビートが主流となっており、

他のTCGと比較した際の大きな特徴は、マナ(MtG、デュエマ)やエネルギー(ポケカ)のような形のカードを使用するためのコストが存在しないこと*7そのためゲーム開始時から次から次へとカードを使用でき、各種カードが湯水のように召喚・発動されては捨てられていく極めてハイテンポなゲーム性がウリである。
その分、追加 ドロー ハンデスなどハンド・アドバンテージに直結する挙動には他ゲー以上に強力とあって厳しいデメリットが付いている。

基本的なルールは比較的簡単であり、カジュアルに遊ぶのであれば気楽に楽しめる。
一方で、細かいルールが非常に難解なことで知られており、基本的なルールにもカードのテキストから読み取れないものが多い
更にカードプールの増加、プレイヤー層の高年齢化による競技志向化もあり、初心者にとって敷居が高いとしばしば評される。

かつては複雑なルールや曖昧なテキストが問題視されていたが、流石にコナミもマズいと思ったのか2014年を境にテキストから処理を判別できるように改められ、バトルフェイズにおけるダメージステップのルールも簡略化が図られるなど、徐々にではあるが改善されつつある。
同時に公式データベースの設置やアプリの配信、ルールブックの発売など、敷居を下げ遊びやすくする為の工夫も行われている。


  • ガンガンヴァーサス(2000年~2002年)
『月刊少年ガンガン』作品が題材のTCG。
系列作品の『月刊ガンガンWING』や『月刊Gファンタジー』、『ステンシル』等も扱っている。
性能のインフレとルールの複雑化で一度リセットされ、後述のガンガンヴァーサスNEOへと移行した。

ざっくり言えば『子供向けにアレンジしたMagic: the Gathering』なTCG。
「クリーチャー」「呪文」「マナ」「タップ/アンタップ」など、多くの用語がMtGから流用されている。

当初はMtGの雰囲気を強く受け継いでいたが、低年齢層に人気のあるドラゴンやフェニックスを積極的にフィーチャーしたり、MtGには見られないようなコミカルなキャラクターを登場させたりと、段々と独自の路線を開拓していった。

多くのTCGで見られるライフ(LP)が存在せず、ゲーム開始時に山札から5枚のカードを裏向きに並べて「シールド」とし、クリーチャーの攻撃などでシールドが0枚となった相手に直接攻撃できたら勝ちというルールが特徴。

攻撃によってブレイクされたシールドは持ち主の手札となり、それがS・トリガーを持つカードならばコストなしで使用できる。下手に攻撃するだけでは相手を有利にするというゲーム展開を生み出すことから、子供向けを謳いながらも非常に奥深い戦略性を有する。

コロコロコミックで連載されている同名の漫画が原作であり、主人公が変わりながらも今なお継続中の人気シリーズである。2021年で20周年を迎え、それまでに数多くの花形カードや名シーンが生み出されてきた。国内TCG市場でも遊戯王OCGに迫る人気を誇るビッグタイトルである。

MtGにとっては新メカニズムの実験台弟分であり、デュエマの側もMtGを兄貴分と慕い、コラボしたこともある。

パロディネタのきわどさも有名であり、日本ならではの危ないネタを、それも普通のカードにぶち込むことも。

  • ガンガンヴァーサスNEO(2002年~200?年)
ガンガンヴァーサスを仕切り直した新作。旧作との互換性はない。

  • ドラゴン☆オールスターズ(2003年~2006年)
富士見書房発売のライトノベルを主体としたTCGで、アニメ化してない作品のカード化も多かった。
キャラ同士による戦いが主ではなくすごろく形式でのレースゲームになっている。

  • ライブバトルカード ライブオン(2008年~2010年)

BANDAIのTCG。広義のMtGフォロワー、か?
後述のヴァイスとは別方向にコラボが豊富。カード名参照でとんでもない組み合わせが成立することも……

ブシロード製TCGの代表格。ゲーム性は単純。
専用に書き下ろしたキャラクターをカードにするのが当たり前のTCG業界において、
多数の版権タイトル(特にアニメ)のキャラクターをそのままカードとして登場させている異色のTCG。
逆にヴァイスオリジナルのカードはほぼ存在せず、その点でも異色。
アニメ等ではCMもよく流れており、プレイはした事が無くてもCMを見たことはあるという人は多いのではなかろうか?





アニメ題材のTCGの一つ。
いわゆる萌え系の女性キャラ主体作品が多く、きらら系の作品はPMで扱われやすい。
初期はアニメ等でCMもよく流れていたが他のTCGの勢いに押されCMも流れなくなり縮小化。
……したのだが、10年を超過して続く長寿TCGになっている。


  • ガンダムウォーネグザ(2011年~2017年)
旧GUNDAM WARの後継作品。ルールにクルセイドを元にした大幅な改変が行われている。
初期は旧ガンダムウォーとの混在も可能だったが、しばらく後に互換性は切り捨てられた。







  • Lycee Overture (2017年~)
展開が終了していたLycee(旧リセ)のシステムを流用したリメイク。
カード面で旧リセとの互換性は無くなっており、公認大会で混ぜて遊ぶことはできない。






  • ファイアーエムブレム0(2015年~2020年)



  • デジモンカードゲーム(2020年~)
かつてカードダスで展開、現在は主にプレミアムバンダイで販売されている「デジタルモンスターカードゲーム」とはカードサイズも含めて別物。オマージュしたカードは多い。
リソースを使い切るごとにターンが移行する独特なシステムが売り。





遊戯王OCG及び同デュエルリンクスと並行して展開しているタイトル。
立ち位置はMtGから見たデュエマ(要は弟分)のようなものであり、全くの別物として住み分けがなされている*8

本家である遊戯王OCGと比較すると複雑なテキストのカードはほとんど見られず、相手ターン中に取れる行動もかなり限定されているのが特徴。

その代わりに通常召喚の回数に制限がなく、各プレイヤーはターンの開始時に手札が5枚になるまでドローするという非常に豪快なシステムとなっている。何もせずともに手札が何枚も補充され、それらを次々に繰り出してタイトル通りのラッシュを決められるという訳である。

直感的に理解しやすいカードやルールを売りにしており、遊戯王世代ではない低年齢層が主なターゲット*9
分かりやすくも奥深いゲーム性を有しており、カードプールが膨大化し、競技志向の強い現OCGはハードルが高いというプレイヤーからも好評を得ている。


  • DCG
    • Hearthstone(2014年~)
      DCGの広め役。おかげで後発の新規DCGの大体はこれのフォロワー扱いから評価が入りがち。

    • Shadowverse(2016年~)
      日本でDCGというと大体これ。だってハースは日本受けしづらいし
      初期こそイラストや大味そうな基本ルールなどから忌避されがちだったが、硬派なイラストの増加や独特ながら味わい深いカードとそのバランス、魅力的な世界観とコラボ相手などからその国内人気は高い。

    • WAR OF BRAINS(2016年~2018年)

    • 遊戯王デュエルリンクス(2016年~)
      前述した遊戯王OCG……、を元にしたDCG。
      OCGとはカードプールだけでなくルールの細部も異なるため、実質的な住み分けがされている。

    • ゼノンザード(2019年~2021年)

    • ヴァンガード ZERO(2019年~)


→これらは、デジタルカードゲーム(DCG)の項を参照。






関連用語




コミュニケーション

TCGの想定された楽しみ方としては、コレクションゲームプレイの二つ。
どちらも対人コミュニケーションが最大の肝である。

コレクションにおいては、自分が持つ市場の情報とカードプールを照らし合わせ、いかに経済的に効率良く目的のカードを手に入れられるか、相手を説得・納得させられる交渉能力が重要となる。
ただし、明らかに価値の釣り合わない不当なトレード(シャークトレード)は モラルに反する行為 であり、場合によっては詐欺罪に問われる可能性もあるので絶対にやってはいけない。

また、高額カードを狙った恐喝や窃盗、そしてカード資産の格差によるいじめといった問題も少なからずあり、
不用意にコレクションを不特定多数の人物に見せびらかしたり、持ち歩くことにも危険が伴う。

このようなトラブル防止の為、そしてシングルカード取扱店舗の増加もあり「TCGのトレード行為禁止*10」という対応を取る店舗・イベントが激増、今やそれが一般化している。おい、トレードさせろよ
「trading」という語に「貿易」、「取引」の意味もあるので、店舗を経由して不特定多数とトレードしていると見ればまだTCGと名乗れそうではあるが……。
TCGの意義を軽視した不合理な対応にも捉えられるが、実際にトラブルや事件が多数起きているのもまた事実である為、
このような対応も一概に不合理とは呼べなくなってしまっている。
同じ厚さの1万円札より高価なデッキを持ち寄って、警備員が配備された中で対戦するイベントもあるのだから尚更である。
概要で述べたCCGという呼称を実状にそぐうと評したのは、上述したトラブルから交換要素の強調が難しいためである。
長年TCGを嗜んでいるがトレードをした事がない人も多いのではないだろうか?

こうした事情もあり、 TCGの入手方法はパックや構築済みデッキなどから入手するか、カードショップやフリマアプリを使ったシングル販売を頼るかの2種が一般的となっている
インターネットの普及が進んで、カードの相場が概ね決まるようになった結果、現金で取引してしまった方が手っ取り早いという面もあるのだろう。
フリマアプリなどでは値下げ交渉が出来るものの、「交渉能力を活かして相場より安く……」といった事は事実上不可能*11
トレードが気兼ねなく行えるのは、気心の知れた家族や友人同士に限られるだろう。

デッキ構築要素に重きを置いてブースターパックなどを用いない(≒固定封入でのみ販売する)タイトルも登場しつつあり、ファンタジーフライトゲームズのリビングカードゲーム(LCG)に分類されるカードゲームはその代表格と言える。
改めて、TCGは長い転換期の只中に置かれていると言えるのである。

昨今のTCG全体の競技性の高まり*12やトレードの禁止、シングルカード市場の広がり等により、
『大会での活躍・再録・再販中止等の理由により相場が乱高下する事があるシングルカード市場に一喜一憂する』というプレイヤーやコレクターも多く、カードを株券、カードの売買を株取引に例えられる事もある。

また、子供の頃にTCGを嗜んだプレイヤーが社会人となって、経済力を付けてきた影響もあり、プロモカードや古いレアカードの高騰っぷりが年々と激しさを増している。
古いレアカードを持ってる人は大切にしてほしい。

対戦においても人とのコミュニケーション、特に他者に対する理解力が問われる場合が多い。
対戦が強い人とはすなわち、プレイングもデッキ構築も上手い人である。
プレイングが上手い人というのは単純に自分のデッキを回せるだけでなく、戦局に合った動きができる人である。
当然の事ながら戦局というのは自分(や味方)と対戦相手の二者(以上)によって生み出される。
すなわち、いかに相手の考えを読めるか→理解できるか。そう言い換える事もできる。
デッキ構築においても同様で、環境に対するメタゲームは結局の所、いかに他者が使うであろう=使いたいと思うデッキを予測し、それへの対抗策を適切に講じられるか、と言える。

その性質上、一方的な展開になりやすいソリティア系列のデッキはTCGの根幹を否定するものとして賛否両論あり、またそのようなデッキのキーカードは規制対象にされやすい。

最後に

TCGは対人コミュニケーションの要素が強い為か、トラブルも起こりやすい。
人と人の関わりなので、トラブルが起こらない方がおかしいのかもしれない。
しかし、楽しむためのゲームで不快感を覚えるようでは本末転倒も甚だしい。

特にトラブルの原因となりやすいのが、価値観の相違である。
多様かつ広大なカードプールを持つべきと推奨されているTCGでは、特にそれが表れやすい。
誇りとする点も、妥協する点も、人それぞれ異なる。
大事な事はそれらを頭ごなしに否定したりも、逆に盲信したりもせず、お互いを尊重し合うことである。


――たかがTCG、されどTCG。
TCGで一つの事に囚われ周りが見えなくなった時や、逆に何かを発見し勉強になった時には是非、この言葉を思い出してもらいたい。









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