特殊勝利
揃えたら勝てるエクゾ・パーツを色んな手段で揃える。
黎明期より存在し、そのころは《強欲な壺》も《天使の施し》も無制限だったため、決まり易さは現在の比ではなかった。
このころのデッキは未だに遊戯王OCG史上最強とされる。もちろん上記カードの規制後も様々なデッキタイプが考案されている。
遊戯王OCGにおいて「初手5枚で勝てるコンボ」は「その初手でエクゾディア揃えられる」と揶揄されたりもする。実際は制限カードとか諸々があるが。
デッキ破壊
サイバーポッドを太陽の書や浅すぎた墓穴などでぱたぱたさせる何度もリバースさせ、相手のデッキをすべて使い尽くさせるデッキ。
先攻1ターンでデッキが尽きて相手は死ぬ。
ビートダウン
2010年以降の遊戯王では後攻1ショットキルは出来て当たり前なため、それ以前のものを紹介。
"サイエンカタパ地獄"とも呼ばれる暗黒時代を生み出した凶悪なデッキ。
《魔導サイエンティスト》+《
カタパルト・タートル》の二枚のみでLP8000を削りきる。
1ターンキルデッキのひとつ。
レベル8で攻撃力2400の《終焉の王デミス》で相手のカードをすべて除去し、そこにレベル7で攻撃力2600の《ダーク・ダイブ・ボンバー》を召喚、両者の攻撃を叩き込んだあとに《ダーク・ダイブ・ボンバー》の効果で多量の効果ダメージを叩き込み勝利するデッキ。
初期ライフ値である8000ポイントぴったりの総ダメージを与えることから「遊戯王において最も美しい数式」と呼ばれることもある。
2400+2600+200×8+200×7=8000。ふつくしい……
バーン
墓地に存在する魔法カードの数だけダメージを与える罠カードである《
マジカル・エクスプロージョン》によるバーンデッキ。
このゲームのドローカードは軒並み魔法カードということもあるため、ドローカードを連打してコンボパーツを集める過程で勝手が貯まって火力が上がっていく。
とはいえこのカードの火力だけで相手ライフを削り切ることは流石に困難であるため、別途ライフを減らすギミックと併用することになる。
後述の【ドグマブレード】もこのデッキの派生デッキの1つ(《D-HERO ドグマガイ》でライフを半分に→マジエクで止め)。
時期によってデッキ構築は異なるが、特筆すべき点は最末期に存在した【マジエク
閃刀帝】というタイプ。
【
閃刀姫】と【
帝王】の一部カードをドローギミックとして組み込んだタイプであるのだが、
【閃刀姫】自体が少ないデッキギミックで戦えるコントロール系デッキであるためワンキルできずともこちらである程度戦える上、
サイドチェンジすることで【帝王】というこれまた非コンボ系のハイビートダウン系コントロールデッキに化けることが可能。
そのため、マッチ戦に弱いワンキルコンボデッキとしては珍しく環境でも地雷的に結果を残した。
現在は《
マジカル・エクスプロージョン》自体が禁止カードとなったため構築不能。
ジャンクデッキ(あっちのジャンクじゃないよ)とも勘違いしそうなカードリストで、レシピ見ただけでは動かすのが難しい上級者向けデッキ。
デッキ40枚全てがコンボパーツという多くのプレイヤーが「美しい」と褒めるようなデッキでもある一方で、高額なデッキパーツや規制の遅さ、挙句の果てに相性のいいカードの追加にも恵まれるなど、使い手とコナミは多大なヘイトを稼いでいた。
事実上の先攻ワンターンキルができるデッキとして高い知名度を誇るが、マッチ戦の性質上、実は公式大会では意外な程結果を残していない。
結局キーカードが規制され姿を消した。また一部カードはエラッタされたため、全盛期の姿を拝むことは不可能となっている。
ちなみに「ドグマブレードシミュレータ」なる当時のドグマブレードを回してワンキルを目指すためだけのサイトが存在している。
詳細は項目にて。
ガエルの中でも《イレカエル》を利用した1killデッキ。
時期によって二つに分けられ、その内一つは世界大会をも制した。
最低手札2枚から始まり、全盛期の成功率は8割(相手の妨害想定無しの場合)を誇った驚異の先攻1キル。
僅か1枚のカードがまるで繋がりのないカード達を結びつけてワンキルに向かうのはある意味芸術。
ノーデンが先行登場した韓国の環境で猛威を振るっており、日本でもノーデン来日前から騒がれていた。
来日後の大会でも優勝した経験がある……が、そのときの環境が魔界すぎたのと、対策も研究されていたため、日本では大きな成果は出なかった。
ロック・コントロール
相手のモンスターを強制的に生け贄にしつつ自らを押し付ける大型モンスター
《溶岩魔人ラヴァ・ゴーレム》と、
相手に奪われたモンスターを取り返すカード《洗脳解除》を組み合わせたデッキ。
本来、大型モンスターを出すためにはそれに応じた下準備や対価が必要なのが遊戯王のルールなのだが、その対価を相手に無理矢理肩代わりさせつつ肝心の大型モンスターだけ頂く、というもの。
TODを前提にしたヘイトを稼ぐために作ったとしか思えないデッキ。
ドグマブレードの派生デッキであり、安定性こそ落ちるが、
先攻1ターン目でマッチに勝利できるという最高クラスの勝利を得られる。
ここまで来ると狙う勝利がどこかずれている気がしないでもない。
ずっと俺のターン!
上の面々に比べると知名度は低いが、決まればソリティアよりえげつない事になる凶悪なロックデッキ。
《宇宙の収縮》と言う場に出せるカードの枚数を制限するカードと、《
おジャマトリオ》《心鎮壷》を使って相手のカードゾーンを不要なカードで埋め尽くし、本来使うはずだったカードを使えなくさせるデッキ。
カードを使うためのスペースを文字通り隙間なく埋めてしまう関係上、決まれば相手は全く身動きが取れなくなる。
そこから《ステルスバード》や《波動キャノン》等で
嬲り殺しにする、《終焉のカウントダウン》の時間稼ぎをすると言った戦術を取る。
その後リンク召喚の登場によりトークンを簡単に処理できるせいでまともにロックが効かなくなったとか
ロックデッキとしてはコスモロックと並ぶ強固さを誇る。上記のワールドトランスの語源だが、構築や動かし方は全く異なる。
相手の場のモンスターが三体のみの場合に相手の魔法、罠、効果モンスターを全て封殺する《サイバー・ブレイダー》と、
これまた《おジャマトリオ》や《地盤沈下》と言った相手の場を固定するカードを使い、相手の動きを完全に封じる。
本来はそこから《
現世と冥界の逆転》を使って延々とデュエルを引き延ばしTODを狙うデッキだったのだが、
ルール変更によりその戦法は不可能となった。
しかしロック機構自体は健在なので、他のロック同様《
黒魔導師クラン》や《波動キャノン》等を使って一方的にライフを削る戦法も……
上記のトランスやコスモロック等の遅延・封殺系のデッキの派生。
強固なロックで相手の身動きを封じた後、ヴィクトリー・ドラゴンを呼び出して先攻マッチキルを目指すと言う狂ったコンセプトのデッキ。
手札交換系の札の多さやロック要素が強い性質上、三原式に習ったデッキデス等にも無理無くスイッチ出来るのが強み。
「マッチキル封じに違反行為」等、リアルファイトじみた番外戦術も発生させた禁断のデッキである。
上記のトランス・コスモロック等のロック系デッキの派生その2。
敵の身動きを封じた上でラストバトル!を発動させて強制勝利を狙う反則ぎみなデッキである。
ジョウゲンで特殊召喚をメタる等、意外とラストバトル!での勝利条件を満たす事自体は簡単なので、コンボデッキとは真逆のメタビ等でもラストバトル!は採用可能だった。
コスモロックやトランスに比べると成功度は低いが、こちらも中々に凶悪。
《タイム・イーター》という、相手モンスターを戦闘破壊することによって相手のメインフェイズをスキップするモンスターと、
地縛神の一体《地縛神 Chacu Challhua》の「守備表示の時相手はバトルフェイズを行えない」と言う効果を組み合わせる事で、
相手はドロー以外実質何も出来なくなる。
だが、どんなデッキにも入る《サイクロン》や《月の書》一枚で瓦解するので、過信は禁物。
タイムイーターを抜いて【竹光】を混ぜてドローロックも狙えるになった派生デッキがある他、《虚竜魔王アモルファクターP》と《端末世界》を入れた【ドライトロン】でも似たような動きができる。
その他大量展開コンボデッキ
シンクロ召喚登場以降、遊戯王OCGはコンボによる大量展開に優れたデッキが環境・非環境問わず多数誕生しており、2020年代においてもこれが主流の1つとなっている。
そして大量展開したモンスターをエクストラデッキのモンスターを出すための素材とすることで、先攻ならば制圧、後攻であれば相手の場を除去しながらワンショットキル、というのがごくごく普通のことと認識されている。
ここではそういった大量展開デッキの中でも特徴的なものを紹介する。
手札0枚の時に使える強力な効果を持つテーマの「インフェルニティ」を主軸としたデッキ。
言うまでもなく手札が0枚というのは一度返されればワンショットキルされずともそのまま敗北必死であるのだが、
その代わりとばかりに本カテゴリの主力カードはサーチや蘇生といった強力な効果にも同名カード発動回数制限が殆ど掛かっていないため、
効果発動→各種召喚の素材にする→墓地等から再度特殊召喚→効果発動→ryで延々とループすることが可能。
その結果ひたすらループコンボでデッキをぶん回して強力なモンスターを多数並べ、相手に返される前にワンショットキルで削り切るor返すことが不可能なほどに制圧するというのが基本戦術。
そのループコンボは実践的なものから非実用的な文字通りの無限ループコンボまで多数存在し、
極まったものになると相手の手札・デッキ・墓地をすべて除外するだの
宣言したカード名1つをプレイ不能にするカードを使いまわして自分の使うカード以外全てを宣言して相手を何もできなくするといったものまで存在する。
どちらもループにかかる時間が長すぎるため実用性は全く無いのが幸い。
そのあまりに異質なデッキコンセプトから「インフェルニティ」に魅せられたデュエリストも多数存在し、彼らは満足民と呼ばれて今日も満足を追い求めている。
上記のようなループコンボの発展は言うまでもなく満足民の飽くなき研究の結果であるのだが、極まった結果として
「新規カード発表後十数分で無限ループを絡めた先攻1ターン特殊勝利コンボを発見」
「ミラーマッチではお互いの初手手札を見せるだけで勝敗が決まった」
という、デッキ本体に負けず劣らない尖ったエピソードも豊富。
なんだったら先述の全除外コンボも新規発表後1時間と経たずに考案されたコンボである。
環境での活躍時期も異なるデッキだが、いずれも連続して
シンクロ召喚を行うデッキ。
シンクロ召喚に成功する度に1ドローできる《
TG ハイパー・ライブラリアン》を絡めることで、手札を減らすことなく次々とシンクロモンスターを呼び出していく。
殆どの大量展開デッキがサーチでリソースを補充することが多い中で、このデッキはドローによってリソースを補給する、チェイン・コンボ型の展開デッキという珍しい存在。
そのため、ドロー内容(および《調律》といったカードのランダム墓地肥やし結果)によって展開を変えていくアドリブ力を強く要求される。
よって安定性は皆無なのだが、ぶん回った際には高攻撃力・高い制圧力を持つシンクロモンスターを複数並べて制圧、
氷結界の龍 トリシューラ+
PSYフレームロード・Ω×3による
先攻4ハンデスといった強烈な爆発力を魅せる。
天敵は特殊召喚を連打するため相手に大量ドローを許してしまう
増殖するG。
本デッキの場合はあまりに特殊召喚を連打することから、気づいたら相手がデッキの半分以上引いていたということも珍しくない。
ただし、大量展開の過程でこちらもドローを繰り返すため、《手札抹殺》を無理矢理掘り当てて
相手をライブラリーアウトも不可能ではない
……というか
公式の全国大会でこれが発生した。
次回の制限改定で地雷デッキにも関わらず大規模制限喰らった原因とも。
2018年頃に活躍したリンクモンスターを切り札とするコンボデッキ。
少ない手札消費で様々なリンクモンスターを並べて先攻では制圧、後攻ならワンショットキルする様は圧巻の一言。
他のTCGからすれば「グッドスタッフなのにコンボデッキ」という不思議なデッキだが、こういったデッキが環境レベルで主流となっていたのがこの時期の遊戯王の特徴。
カードプールの変化によって、出張ギミックを多数組み合わせたり、汎用カードだけでも単なるシナジーを超えたコンボが可能となっていたのである。
後に数々のカードが規制されることとなったが、その中でも《
水晶機巧-ハリファイバー》、《
ファイアウォール・ドラゴン》といったカードは、
緩い素材から出しつつもさらなる展開に繋げられるカードとして(規制が後手に回り続けたこともあって)後年まで猛威を振るった。
なお、グッドスタッフということでデッキの派生も多い(後述)が、派生デッキの中には
サブプランとして先攻ワンキルができるという更に異質なデッキも存在した。
【
イグナイト】をベースしたデッキだが、その実は《
ファイアウォール・ドラゴン》、《
氷結界の虎王ドゥローレン》、《
地霊神グランソイル》といった同名カードの発動制限のないバウンス効果持ちモンスターを展開し相互にバウンスし無限ループを発生させ、そこにバーン効果を絡めたデッキ。
……と、これだけ書くと上記【グッドスタッフリンク】派生の「バーンもできる先攻ワンキルデッキ」の1つに過ぎないが、
このデッキ最大の特徴は
文字通り全ての初期手札から100%先攻ワンキルできるという、先攻ワンキルのコンボデッキとしてあってはならない領域に突っ込んだデッキであること。
現代の遊戯王が手札誘発による妨害前提のゲームであるため実戦での成功率はさておくとしても、相手がそういった妨害を引けなければ
文字通り先攻後攻のコイントスだけで勝負が決するため、存在することそのものが不健全というレベル。
この事態には流石にKONAMIも看過することができず、新規カードの発表により
このデッキが成立して1週間程度で《地霊神グランソイル》に同名カードの発動回数制限をかけるエラッタが発表、未曾有の先攻1キルデッキは早々に消滅した。
《ファイアウォール・ドラゴン》をこのときエラッタしなかったことが、後年大量の禁止カードを出すことに繋がるのだが。
上記【グッドスタッフリンク】の派生デッキで、リンクモンスター展開ギミックを植物族に寄せたもの。
中でも、場に《
トポロジック・ボマー・ドラゴン》+墓地に《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》という布陣を作ると、
最終的に墓地に落ちた植物族の数だけ800バーンするループが発生するため、
展開過程でアマリリス以外に植物族を墓地に10体溜め込めば
バーンによる先攻ワンキルが可能なのが特徴。
もちろん【グッドスタッフリンク】の派生であるため先攻なら制圧、後攻ならワンショットキルできる器用さもあるので、
先攻ワンキルが狙えない場合は制圧する、後攻であればある程度殴った上でアマリリスのループで削り切る【ビートバーン】じみた戦術もとれる。
最終的に《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》が禁止カードとなったことで、先攻ワンキルデッキとしての【植物リンク】は消滅した。
上記【グッドスタッフリンク】の派生デッキで、リンクモンスター展開ギミックをドラゴン族に寄せたもの。
ドラゴン「リンク」とあるが、ハリファイバー等の関係からシンクロ召喚も組み込まれている。
当初は
守護竜を中心としたモンスターで展開しながら《アークロード・パラディオン》を自身の効果で攻撃力8000まで上昇させた後、
破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与える
《破滅竜ガンドラX》で破壊して先攻ワンキルするデッキだったが、
ガンドラX禁止後はその展開力を先攻制圧・後攻ワンショットに回すタイプに以降して環境を席巻した。
最終的には守護竜を始めとするメインパーツが軒並み規制され環境からは退く形となったが、一方でドラゴン族自体が遊戯王OCGでも人気が高くテーマカードも豊富なカテゴリということもあり、
規制後も後年登場したドラゴン族カテゴリのカードを取り込むことで往年とは違う形ながらデッキとして成立している。
融合・シンクロ・エクシーズ・リンクと様々なカテゴリのドラゴン族エースモンスターが次々と呼び出されるのは圧巻。
上記【グッドスタッフリンク】の派生デッキで、元々お手軽に制圧モンスターを出せる
【ABC】をベースにリンクモンスター展開ギミックを追加したもの。
制圧orワンショットキルデッキはもちろんだが、サブプランとして《
ファイアウォール・ドラゴン》+《アサルト・コア》+《
キャノン・ソルジャー]》等の射出モンスターの3枚で
バーン効果の無限ループによる先攻ワンキルを狙えるのが特徴。
最終的には射出系モンスターが軒並み禁止となるという遊戯王OCG史上稀に見る大規模規制を招くことに。
……この時も無限ループの原因である《
ファイアウォール・ドラゴン》が放置されたので、結局何の解決にもならなかったのだが。
圧倒的な制圧力を持つ融合モンスター《
超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》を出すことに特化したソリティアデッキ。
緩い条件で出せる《
捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》が
デッキ融合をデッキからコピーする効果を持つため、
【グッドスタッフリンク】のエンジンを用いることで様々な手札からこのモンスターを安定して出せるのだが、
研究が極まった結果
相手は一切の特殊召喚ができない状態でドラグーンを突破しなければならないという布陣を
手札1枚(+手札コスト)から成立させる【リリーサードラグーン】というギミックが確立。
残りの手札を使うことで更に盤石な制圧布陣を組めるということもあって早々に規制が入り、最終的にはドラグーン本体が禁止になりデッキとしても消滅した。
なお、《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》は何故か禁止を免れたため、後年の別のデッキで再び猛威を振るうことになる。
緩い条件から強烈な制圧布陣を敷けるということもあって当然環境を席巻した……と言いたいところだが、
このデッキが成立したのは2019年冬ごろ……新型コロナウイルス感染拡大の影響で大会そのものが開催されない時期であったため、
大会で殆ど結果を出してないのに大規模規制されたデッキという他に類を見ない経歴を持っていたりする。
「墓地に送られると墓地のカードをデッキに戻して融合召喚」を基本戦術とする【
ティアラメンツ】をベースに、
お互いのデッキを墓地に送る効果を持つ「イシズ」こと【
現世と冥界の逆転】関連のカードを混合したデッキ
。
【ティアラメンツ】側の効果で【現世と冥界の逆転】カードを手札から墓地に送る
→後者の効果でデッキから墓地にカードが落ちる
→デッキから落ちたカード効果の効果が発動、【ティアラメンツ】なら融合、【現世と冥界の逆転】なら追加の墓地肥やし
……といった感じに、一度効果が起動すると連鎖的に墓地効果が発動してものすごい勢いでデッキが墓地に落ちながら融合モンスターが並ぶ。
本来は安定しないはずのランダム墓地肥やしを圧倒的な墓地肥やし回数の暴力でねじ伏せており、開発されるや否や一気に環境トップへ上り詰めた。
その異常なまでの墓地効果の連鎖は
遊戯王でパチンコやってると揶揄されるほど。
一方、大量のランダム墓地肥やしという都合上、プレイヤー側にも高いアドリブ能力を要求される上、
【現世と冥界の逆転】自体の本来のデッキコンセプトであるライブラリーアウトも狙えるため、戦術をスイッチする判断力も要求される。
なおこのデッキ、コンボデッキの宿命である「先攻取られたら致命的なメタカードを先に出されると詰む」……なんてことは一切無い。
どういうことかというと、このデッキは「相手ターンに手札のカードを捨てて発動する効果を持つモンスター」
「相手ターンに【現世と冥界の逆転】関連カードと一緒に手札から墓地に捨てて相手の効果をカウンター」といったギミックが仕込まれており、
その結果「先攻1ターン目の相手の動きに反応して捨てたカードが墓地に送られる→墓地肥やし効果が起動→墓地に落ちたカードの効果が起動」という流れが発生する。
すなわち、相手の先攻1ターン目でも平然とコンボしながら展開してくるのである。まさかの後攻0ターン目の概念が蘇ってしまった。
この後攻0ターン目でのコンボ展開こそが本デッキの最も特徴的な点言えるだろう。
……その結果、先攻だろうが後攻だろうがアドリブ展開が多数発生するため、大会での時間管理が非常に難しいデッキでもある。
流石に後攻0ターンで大量展開するのは許されるはずもなく、その後2度の制限改定にて関連カードが大規模に規制を受けた。
特に2度目の制限は【ティアラメンツ】側のメインカードが軒並み禁止・制限という類を見ないほど厳しい規制だったのだが、
【ティアラメンツ】側に新規カードが実装されたのもあってその後も環境トップを引き続き席巻した。
ちなみに禁止制限解除というカジュアルルールだと歴代の数多の凶悪デッキを差し置いて一強に君臨するらしく、禁止制限解除なのにイシズティアラメンツは禁止という本末転倒なバランス調整が行われることもあるという。