サンジ

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サンジ - (2023/07/16 (日) 22:22:47) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2009/10/04 Sun 22:00:31
更新日:2024/02/07 Wed 11:58:50
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いつの日かすごく面白い最期をとげそう 21歳 32 3時 Mr.プリンス ONE PIECE ONE PIECE登場人物項目 おそばマスク インフレについていったキャラ エンドレス眉毛 オービット号 クソ○○ グルグル眉毛 コック コメント欄ログ化項目 コーディネイター サンジ ジェルマ66 スケベ ステルスブラック スピンオフ主役 タズ・スカイラー タバコ ダーツ チビナス デザイナーベイビー トラウマ持ち ドスケベ ナンパ野郎 バラティエ プリンス ヘビースモーカー レイドスーツ ワンピース ヴィンスモーク・サンジ ヴィンスモーク家 三男 不運 全世界人気投票4位 初登場がクリーク編~ローグタウン編終了まで 北の海 喫煙者 四つ子 四皇最高幹部 変態という名の紳士 変態という名の騎士 変態紳士 変態騎士 外骨格 大谷育江 奇跡の星 女好き 女湯覗き 平田広明 恋はいつでもハリケーン 懸賞金10億越え 改造人間 改造人間←不完全体 料理人 料理人←家族の情景を生み出す職人 最初はナルト 武装色の覇気 残念すぎるイケメン 残念なイケメン 海賊 海賊王の両翼となる男 炎属性 煙職人 犯罪者 王子 王族 空を飛ぶ×空を跳ぶ○ 結構重い過去持ち 自己犠牲 覇気使い 賞金首 透明人間 透明化 非能力者 顎髭 顔芸 食戟のサンジ 騎士道 麦わらの一味 麦わら大船団 黒足のサンジ 鼻血


食いてェ奴には食わせてやる!!!

コックってのは、それでいいんじゃねェのか!!!



漫画『ONE PIECE』に登場する人物。

●目次


【プロフィール】

本名:ヴィンスモーク・サンジ
異名:黒足のサンジ
年齢:19歳→21歳
身長:177cm→180cm
懸賞金:7700万ベリー→1億7700万ベリー(生け捕りのみ)→3億3000万ベリー→10億3200万ベリー
肩書き:ジェルマ王国王子
所属:客船オービット号コック見習い→海上レストランバラティエ副料理長→麦わらの一味コック、麦わら大船団
所属船:オービット号→バラティエ→ゴーイングメリー号→サウザンド・サニー号
能力:月歩
覇気武装色見聞色
出身地:北の海(ノースブルー) ジェルマ王国
誕生日:3月2日(3=さん、2=じ)
血液型:S型Rh−
夢:伝説の海「オールブルー」を見つけること
好きな食べ物:辛口海鮮パスタ、紅茶に合う物
嫌いな食べ物:こんにゃく(栄養がないから)
得意料理:全般(特にシーフード)
武器:形状記憶鎧「レイドスーツ」
イメージ動物:アヒル
イメージナンバー:05、32(サンジ)、59(コック)
イメージカラー:青
イメージマーク:後ろの骨がフォークとナイフ、左上に渦巻き眉毛があるコック帽をかぶったドクロ
イメージ国:フランス
イメージ県:京都府
イメージの花:デルフィニウム
イメージ職業:美容師
家族に例えると:次男(不良)
ニオイ:タバコと海の幸のニオイ
弱点:女性に甘い、気味悪い系の虫
家族:ヴィンスモーク・ジャッジ(父)、ヴィンスモーク・ソラ(母)、ヴィンスモーク・レイジュ(姉)、ヴィンスモーク・イチジ(兄)、ヴィンスモーク・ニジ(兄)、ヴィンスモーク・ヨンジ(弟)、ゼフ(育ての父)
CV:平田広明大谷育江(幼少期)
演:タズ・スカイラー(TVドラマ版)


【外見】

金髪に顎ヒゲ、くわえタバコに端がぐるぐるしたマユゲ*1、黒スーツ(通称の由来)。
また、髪の毛で片目が隠れている。
グルグル眉毛はトレードマークで、ゾロから「ダーツ(の的)」とあだ名で呼ばれたり、ルフィ達と別行動の際ウソップ達から「ぐるわらの一味」と言われたことも。
CP7のワンゼのように単純な相手だと、グルグル眉毛には目を回させる効果があった。


外見のモデルは俳優のスティーヴ・ブシェミ。
SBSで明かされた際、原作者はブシェミの出演作として映画『レザボア・ドッグス』を挙げていたが、同作でブシェミが演じた「ミスターピンク」は服装・髪型・顎ヒゲなどの特徴がサンジに似ている。


2年後、一味に合流した際にはアゴ髭が増量し、目の露出が右側から左側に変わっており、眉毛の渦巻きの位置が左右で逆であることが判明した*2
ちなみに、インナーシャツも白から黄色に変化している。


【人物】

口調は粗暴で荒々しく、口癖は「クソ○○」。煙草を愛煙している。
男性には素っ気ない反面、非常に女好き。だが根は優しく、冷静ながら熱い性格の持ち主。
しかし、決めるときには決めるが、手配書の似顔絵や女性関係など、災難に会うことも多い二枚目半。

ウソップ 「サンジの奴、奇跡の星の下に
生まれてきたんじゃねェだろうか」

ロビン 「いつの日かすごく面白い最期をとげそうね」


◆海の一流料理人

一味での肩書きは『コック』。麦わらの一味の中で一味加入前に(あまり治安のいい店とは言えないが)真っ当な職についていたのはサンジのみ*3
料理人としての腕前はゼフに叩き込まれたこともあり一流で、彼にかかれば初見の食材だろうと、残りモノに近い食材であろうと、あっという間に美味な料理にしてしまうことができる。
新世界編では複雑かつ豪奢なウエディングケーキをレシピも無しに匂いだけで再現した事すらある。

幼少期の経験(後述)もあり、海の上における『食べ物が無い苦しみ・恐怖』を良く知っていることから、食べ物を粗末に扱うことを極端に嫌う。
バラティエで働いていた頃は客であろうと度々ボコボコにしていた。
「スープに蠅が入っている」というある種真っ当なクレームにも「取り除けば飲めただろう」と些か無茶な指摘をしていた(まぁ男性相手だったという事もあるだろうが)*4

反面、敵であろうと、金がなかろうと『食いてェ奴には食わせてやる』という信条を持ち、店を追い出され今や餓死寸前であった首領クリークの部下であるギンに飯を食わせてやる漢気を見せる。

また単なるコックというだけでなく、尋常ではないほど大食らいな一味の中にあって食糧を管理し一味を飢えから守りつつ、普段の健康と体作りをサポートする非常に重要な役割を担っている。
本人曰く「普段からナミさん(女性)に対しての献立は特に気を遣っている」「お前ら(男共)は余りモノ」とのことだが、実際は男に対しても並みのシェフよりは遥かに美味いものを作っている模様で、サンジの料理にクルーが文句をいうコトは少ない。
料理人だけあって衛生管理には気を使っており、一味の男性クルーの中では唯一毎日入浴を欠かさないらしい。

料理人だけあって食べられる・調理できるものとそうでないものの知識は身につけているようで、『ONE PIECE FILM RED』では食用に適さない有毒動植物を見た際にはさすがにすぐさま捨てていた。


◆騎士道精神

男性には厳しい反面、女性に対しては変態紳士(ナイト)
作中トップクラスのスケベであり、能力で人々の頭の中をのぞけるヴィオラからは「ふしだらな! こんなピンク一色の頭見たことが無い!!」とドン引きされるレベル。

料理の師匠である赫足のゼフに「女を蹴ってはいけない」と叩き込まれており、戦闘においてたとえ自身が死ぬことになってもそれを貫くまさに騎士。
正確には女を「蹴らない」のではなく女を「蹴れない」というものだが(ゼフは「蹴らない」)。
ただしパッと見で性別の分からない動物ならメスだろうと蹴ることがあり、その結果ミス・フライデー(ハゲワシ)が唯一サンジの蹴った女となっている。

更に女性に滅法弱く、町にてナンパをしに行くことも。
普段はナミによくこき使われている。
格ゲーでは女性を相手にするとガラッと声色が変わる。
一方で女性に対しては服従するばかりという訳でもなく、時には感情的になるナミを正論で諫めるという場面も散見される。
また自分が女性を蹴る事は無いが、男性含め他の人間が女性と戦い攻撃する事までは否定・妨害していない。
あくまで「基本、女性は愛するもの」「自らは積極的に傷付けない」というだけである。

◆仲間想い

口は悪いが情に厚く、仲間を侮辱されると激しく怒りパワーアップするタイプ。
(Mr.2 ボン・クレーとの闘いでウソップが、CP9のジャブラニコ・ロビンが侮辱された際など)
だが本人の優しさが祟って仲間や恩人が危機的状況に陥ると自己犠牲的な行動をとることが多く、その行動にはルフィから怒られたりする。

一方、一味の中でもロロノア・ゾロと反りが合わず、しょっちゅうケンカばかりする。
大抵はゾロが(サンジに対する)皮肉を言って(売られたケンカは買うスタンスの)サンジがそれに買い言葉で応酬が始まる。
が、手を組んだ時のコンビネーションは抜群。まさに喧嘩するほど仲がいい(笑)。そんなことを言えばゾロもサンジも激怒するだろうが*5
サンジ自身は、ゾロの行う“筋の通し方”自体は認めており、普段は仲が悪くとも、彼の一味全体のことを考えた厳しい意見に対しては「今回ばかりは」とナミを抑えてまで真っ先に賛同している。
ちなみに出会った当初から馬の合わなさが散見していたが、こと仲が悪くなったのは、リトルガーデンでゾロの挑発がきっかけで「どちらが大きい獲物を見つけられるか」対決に発展したことと、
ドラム王国出航の際の宴でゾロがサンジに暴言を吐いたため、野郎には容赦ないサンジとは馬が合わずお互いにプライドも高いこともあって今に至っている。
…基本、皮肉屋なゾロに原因があるような…。
最初期の最初期だけはそこまで険悪でもなく、アニオリではココヤシ村での宴が終わった後は二人仲良く並んで洗い物をしている様子もあり、
しかもその際サンジはゾロを名前で呼んでいる

逆に男性陣ではウソップとは歳が近く基本ツッコミ気質で気が合うのか、偉大なる航路突入時には肩を組んで喜んだり、空島編ではナミ救出のために行動を共にするなど、意外と絡みが多い。
ウイスキーピークでは一味の中で二人だけ眠りこけていて事態を把握できず、出航後に船に乗り込んできたロビンに二人そろって武器を向けたり、
ナミが高熱に倒れた際には「(病気ってそんなにつらいのかとルフィに聞かれ)かかったことねえし」と二人そろって首を傾げたり、
デービーバックファイトではウソッププロデュースのルフィの衣装にゾロが呆れる一方でサンジは目を輝かせるなど、根っこの感性は意外と近しいのかもしれない。
W7到着時にルフィが描いたヘタクソな「5mの船大工」の想像図に対しては、
ウソップが「こんなのが居たら逃げる」と冷や汗を流していた横でサンジも青ざめた顔で「あぁ俺もだ……」と同調し、
更に「タコの血を引いてそうだから海に逃げても追って来そう」などと真面目な考察をしていた。

なおサンジ正式加入時、ウソップにはきちんと「おれも来たぜ」と挨拶している(ウソップはゾロに向けられたサンジの蹴りとそれを受け止めるゾロの拳を喰らって昏倒した直後だったのでキレていたが)。
とは言え野郎に厳しい性質は変わらないので、ウソップの気質も相まってサンジが繰り出す暴言にウソップがツッコミを入れるという漫才も少なくない。
「いいかウソップ!!! おれは…ナミさんのためならお前が死んでも構わない」
「ハリ倒すぞてめェっ!!!」


◆頭脳派

女性が絡むと我を忘れてアホな行動をとるものの、一味の中では常識人であり、冷静沈着な人物。
状況を冷静に分析し的確な行動を選択する能力に優れており、戦いの中で機転を利かせて戦況を変える策略家としての一面もある。
敵の行動を先読みし、先回りして状況を打開するため一時的に仲間と離れて単独行動を取る場面も多い。

顔バレしていないのを利用しサー・クロコダイルを出し抜いたり、
箱舟マクシムの機関部を破壊して神・エネルを足止めしたり、
ロビンが敵に囚われていることを察知し単独で海列車に乗り込んだり、
エニエス・ロビーでは戦場をこっそり抜け出して正義の門を閉じて海軍の動きを封じたりと、多くの局面で頭脳を活かし仲間を救っている。

「お前にできねェ事はおれがやる。おれにできねェ事をお前がやれ!!!」はCP9のジャブラに惨敗し落ち込むウソップに対して放った言葉である。この言葉通り、ウソップはその後ロビン解放のキーマンとして大活躍した。
持ち前の観察眼と判断力で仲間に気を配りつつ的確な指示を飛ばすサンジもまた、ルフィやゾロとは違った意味で一味のまとめ役なのである。


【戦闘スタイル】

戦闘力は高く、ルフィ・ゾロと並び、一味の主戦力。
ジンベエが加入するまではこの三人が一味のスリートップだった。

師であり、料理と料理人の心構えを教えてくれた元大海賊“赫足のゼフ”直伝の蹴り技を駆使して戦う。
全盛期のゼフの蹴りは『岩を砕き、鋼鉄に足型をつけた』とされるが、サンジもそれに勝るとも劣らない強力な蹴りを有する。

戦闘において使うのは基本的に蹴りのみ
逆立ち状態で身体を支えたりそこから飛び上がるために手を使う程度はあるが、手を直接攻撃手段に使う事は無い。
これはゼフから『料理人の命である腕を傷つけないため』言われたからだそう。
船長であるルフィが手も足も使うファイターのため尚更キツい縛りのように感じられるが、サンジ自身は逆立ちのまま平然と戦えるほどの身体能力の持ち主であり、ほとんど欠点になってない。

ただし敵が女性だと前述の信念から戦闘にならず、あっけなくやられナミやロビンと交代することが多い。
(Ex)CP9のカリファ戦や百獣海賊団飛び六胞のブラックマリア

例外として、戦場が『厨房』で相手が『食材』の場合は、腕(with包丁)を使い戦うこともある。
また、ワノ国編原作1015話では、抱えていた重傷の包帯グルグルゾロをバット代わりに敵のギフターズを殴り飛ばした

原則として単純な身体能力による格闘のみで戦っていることになるが、
エニエス・ロビー編からは足に炎を纏わせる『悪魔風脚(ディアブルジャンブ)』を使用できるようになり、破壊力を大きく増大させた。

なお、ジンベエが加入するまでの長きに渡って一味で唯一、戦闘に悪魔の実の能力も武器も使用しないクルーであった。


◇2年後

2年間の修業後は覇気を習得し、鋼鉄以上の硬度を持つパシフィスタの首を蹴りでたやすくへし折れるほど強化。
『悪魔風脚』もそれまで必要だった事前動作が不要になって幅が広がった。それまではなんかすごい摩擦熱なのだろうと思われていたが、動作が不要になってしまったため謎が深まった。

しかしヴェルゴに苦戦したりドンキホーテ・ドフラミンゴには実力を認められたものの危うくチェックメイトにされかけたり戦う相手が強敵なのもあり勝ち星に恵まれない。
百獣海賊団との戦いでも、ページワン疫災のクイーンといったタフな恐竜の能力者にはダメージを与えられず苦戦している。

単純な戦闘力自体は、パラレルだが映画『STAMPEDE』では白猟のスモーカー相手に渡り合ったことなどから平均的な海軍本部中将クラスといえ、王下七武海クラスの実力者となったルフィやゾロとは水をあけられている。
更にジンベエの加入により長らく守り続けてきた麦わらの一味三番手の座も脅かされている。

船長や戦闘員である二人と違ってサンジの場合、修行における事実上の師匠が、くまと張り合うなど王下七武海並みの強さながらさすがに海賊王の右腕世界最強の剣士よりは劣る革命軍幹部エンポリオ・イワンコフやその部下のカマバッカ拳法師範*6
2年のあいだ戦闘を磨きつつも、料理人として「仲間達に精を付けさせる」べく料理修業「ニューカマーのバイタルレシピ」も並行して行っていたため仕方がない。
そもそも料理人が、両腕を戦闘に使わずに主戦力ということ自体が色々おかしいのだが。

しかしながら、六式の一つ「月歩」でおそらく通常状態で飛べる唯一のクルーであり、
流石に魚人であるジンベエには及ばないが元から泳ぎも得意である為、海の中でも水を蹴って高速で移動することも可能。
そのため機動力は一味の中でも随一
仲間と女性のピンチの際に駆け付けるスピードは誰よりも速い。

またロビンからは「(ゾロと併せて)海賊王の両翼に相応しい男」と称されているなど、一味の主戦力であることは間違いない。

レイドスーツ

新世界編では、万国でのビッグ・マム海賊団との戦いの中で、任務によってルフィと自分を助けに現れたジェルマ66ヴィンスモーク・ニジから戦闘力を向上させるレイドスーツをひそかに託されていた。
その出自からジェルマ66を嫌うサンジはこれを廃棄しようとしたが、変身スーツに憧れるルフィとチョッパーの懇願によってこれを断念。

当人としてもヴェルゴ戦、ドフラミンゴ戦、ビッグ・マム海賊団戦と苦戦が続いてきたことから戦力不足を感じていたようで、ワノ国での百獣海賊団との戦いでは、仲間を守るため・勝利のために着用を決意。
通常状態の蹴りではまるで効かない“飛び六胞”ページワンを相手にレイドスーツを着用し、絵物語『海の戦士ソラ』に登場する『ステルスブラックおそばマスク』の姿に。
高速飛行能力・パワー・スピード、更に念願だった背景投射による透明化能力を獲得し、ページワンを圧倒するほどの力を得た。
防御力自体も、レイドスーツなしだったらまず死亡していた火災のキングの突進攻撃に耐えられるほど高い。ビッグ・マムも欲しがるわけだ。
しかし上記の理由からあまり着用は好まず、基本的に透明化能力による隠密のために用いている。
アニメでは初めて着用した際は割とノリノリでポーズをとっていた。

数度着用した後、サンジは百獣海賊団との決戦の最中、体に妙な変化を感じており…?

改造人間化

レイドスーツを着用したためか、百獣海賊団との戦いの最中に外骨格が発現し、異常な回復力を身につけるなど改造人間化。
着るだけで発現するとはサンジを(心まで)改造人間にならないよう命をかけた母ソラや、サンジが改造人間になれないか試行錯誤していたジャッジの苦労は一体…

その外骨格の強度は首を刎ねようとした刀がへし折れたり、サンジが覇気を纏っていない状態で銃弾が頭に命中しても「頭が痛い」程度で済むなど鉄以上
全身を砕かれても、外骨格を叩いて戻せば元の肉体に戻せる。これにより疫災のクイーンによる全身粉砕技に対してもサンジは容易く生き延びることができた。
また、「筋力」と「移動速度」も高められており、消えたように見えるほどの高速移動が可能となっている。

さらに鍛えてきた武装色の覇気を合わせることで、より強靱かつ高温の炎を帯びた『魔神風脚(イフリートジャンブ)』が使用可能に。
それまで海軍本部中将と渡り合う実力だったサンジだったが、四皇最高幹部に手痛いダメージを与えられるほどに成長した。
皮肉にもサンジにとって憎い肉親の技術力のおかげで、己の命が救われ、強敵を倒せるようにもなったのであった。

ちなみに、サンジのノーモーションで発火を行える『悪魔風脚』について、足を燃やしながら「おれだけは「人間」でやらしてもらってんだ!!!」と自負するサンジに対し、疫災のクイーンは「人が(道具も無しに)燃えるか!?バカ野郎ォ!!」と科学者らしい今更ながら至極真っ当すぎるツッコミを入れており、この時のサンジは「オレの情熱は…炎の温度を超えていく!」とあくまで否定したが、改造人間として生まれたが故の能力なのではないかという疑惑がようやく提示された。
ちなみにジェルマ66は『悪魔風脚』に対して無反応ではあったが、兵士達は驚いていた。
105巻SBSにて「レイドスーツをきっかけに「科学の力」が発現してしまった!という戦いでした。元々“炎”に異常な耐性を持つサンジ。不思議でしたよね」と解説されている。

大幅な肉体の強化だが、完全に覚醒した当初のサンジは兄弟達のように「心を無くすのではないか」と恐怖に駆られてしまった。
一度パニックに陥るが、覚悟を決めたことでクイーンとの再戦に挑んだ。この時は「もし俺の心が無くなったら殺してくれ」とゾロに本気で頼み込む姿まで見られた。
その際、改造人間化が万一にも進まないようにもするため、レイドスーツを完全に破壊している。
その結果か、心は失わずに済んだ模様。一時的に形が兄弟と同じ形に変化した眉も元のものに戻った。
鬼ヶ島の決戦では、単騎で四皇最高幹部のクイーンを撃破する大金星を挙げた。

エッグヘッド編でも改造人間化は続いており、セラフィム「S・シャーク」の正拳をノーガードで顔面から受けても多少のダメージで済んでいる。
また魔神風脚も使用可能。
だが眉の形の変化も起きており…?

◇技

基本技として“首肉(コリエ)”や“腹肉(フランシェ)”のように蹴る相手の体の部位をフランス語で表すキック技が存在する。
そこから更に強力な蹴りを叩きこむ場合は“シュート”“ショット”“ストライク”などが付く。
いくつかの部位に連続で蹴りを入れてからトドメに蹴り飛ばす連撃系の技には動物の名前が付いたりする。
その他、特殊な蹴り方をする場合には打つ部位によらず固有の技名がある。

  • 首肉(コリエ)シュート
相手の首を狙い、強烈に蹴り込んで吹っ飛ばす。
基本攻撃としてよく使われる“シュート”系の技で、その中でも最も使用頻度が高い。
原作でサンジが最初に技として披露したのもこれ。

  • 羊肉(ムートン)ショット
羊肉の部位である首肉(コリエ)肩肉(エポール)背肉(コートレット)鞍下肉(セル)胸肉(ポワトリーヌ)もも肉(ジゴー)を人体に当てはめ、各部位に素早く強烈な蹴りを叩き込む。
そして、トドメに後ろ蹴り(ソバット)で相手を吹き飛ばす。
原作で初めて披露された”ショット”系の技であり、クロオビ戦にて初登場、彼にトドメを刺した。
サンジの代名詞とも言える技の一つであるが、実は原作においては意外と使用回数が少ない。
「悪魔風脚」状態でも使用。

  • 胸肉(ポワトリーヌ)シュート
相手の胸部を狙い、強烈な前蹴りを打ち込む。

  • 受付(レセプション)
相手の後頭部などに足を引っ掛け、頭から地面に叩きつける。
上述通りサンジは「戦闘では手を使わない」ので、一部のゲームでは投げ技として扱われる。

  • 腹肉(フランシェ)シュート
相手の腹部を狙い、強烈な後ろ蹴りを打ち込む。

  • 肩肉(エポール)シュート
相手の肩を狙い、強烈な跳び蹴りを打ち込む。
作中ではルフィの『ゴムゴムの鞭』、ゾロの『三刀流 龍巻き』と同時にサンドラ大トカゲに叩き込んだ。

  • 反行儀(アンチマナー)キックコース
相手の懐に潜り込み、渾身の力で蹴り上げる。
その威力は凄まじく、バナナワニや魚巨人のビックパン、オーズなどの巨大な相手を打ち上げる程。

  • ほほ肉(ジュー)シュート
相手の頬を狙い、強烈な跳び蹴りを打ち込む。
「悪魔風脚」状態でも使用。

  • 仔牛肉(ヴォー)ショット
仔牛肉の部位である肩ロース(バース・コート)腰肉(ロンジュ)後バラ肉(タンドロン)腹肉(フランシェ)上部もも肉(カジ)尾肉(クー)もも肉(キュイソー)すね肉(ジャレ)を人体に当てはめ、各部位に素早く強烈な蹴りを叩き込む。
そして、最後の一撃を叩き込んで盛大に相手を吹き飛ばす”ショット”系の技。最後の一撃は飛び蹴りだったり後ろ蹴りだったりと一定していない。
アラバスタ編にて、Mr.2戦にて初使用。この時の締めは飛び蹴りであった。
ゲーム作品などでは基本的に”すね肉”で打ち上げた相手に追撃する形で飛び蹴りを見舞う場合が多い。

  • 粗砕(コンカッセ)
体を縦に高速回転させ、その勢いを利用して踵を相手に叩き付ける。
その一撃は六式の一つである“鉄塊”でも完全にはダメージを殺しきれないほど重い。
基本は空中から繰り出されるが、地上で手を軸に回転して同等の威力を放つことも可能。
「悪魔風脚」状態でも使用。

  • 三級挽き肉(トロワジェムアッシ)
ドロップキックに近い形で両足の連続蹴りを相手の一点に叩き込む。
威力が上がるほどにランクアップし、名称が三級挽き肉(トロワジェムアッシ)二級挽き肉(ドゥジェムアッシ)一級挽き肉(プルミエールアッシ)最上級挽き肉(エクストラアッシ)となる。
このうち、「一級挽き肉」は「悪魔風脚」状態でのみ、「最上級挽き肉」は「悪魔風脚」でも使用。
なお、「悪魔風脚 一級挽き肉」の初使用時はシャブラ戦であるが、この時は回避され不発となっている。

  • 木犀型斬(ブクティエール)シュート
相手の懐に体を丸めながら潜り込み、逆立ちになる勢いを乗せて敵の顎を蹴り飛ばす。

  • 切肉(スライス)シュート
相手が持っている武器など狙って遠くへと蹴り飛ばす。
サンジとしては珍しく、直接的なダメージを狙わない補助技。

  • パーティーテーブルキックコース
逆立ちなどの状態で開脚し、そのまま回転して多数の相手を蹴り払う。
フランキー一家との戦いで初披露したが、アニメのOPなどではこれを思わせる技を使っていた。

  • 串焼き(ブロシェット)
ドリルキックのごとく、相手を踏み潰すような蹴りを捻じ込ませる。
足先一点による技のため破壊力は高い。

  • 首肉(コリエ)フリット
相手の首を狙い、上段蹴りを叩き込んで天井に叩き込む。

  • 揚げ物盛り合わせ(フリットアソルティ)
蹴り上げの連撃で複数の相手を天井に叩き込む技。
天井の質によるが、そのまま突き刺さり動けなくさせる。
「悪魔風脚」状態でも使用しており、この場合は三連続の蹴り上げを叩き込む。

  • 薄切り肉のソテー(エスカロップ)
相手の頭部を狙って跳び回し蹴りを叩き込む。
劇中ではワンゼを相手に繰り出したが不発に終わっている。

  • 整形(パラージュ)ショット
(ウイユ)()(ジュー)(ブーシュ)(ダン)あご(マントン)と、相手の顔面の各部位に素早く強烈な蹴りを叩き込む。
そして、トドメに顔面全体に蹴りのラッシュを浴びせて吹き飛ばし、キラキラ系美男子風の顔に整形する。
作中ではワンゼ、更に後にデュバルに使用した。
こんなネタ全振りの技が再登場するとは、誰が予想しただろうか。
ただしサンジ曰く「心の骨格は変えられない」とのこと。

  • 三点切分(さんてんデクパージュ)
凄まじい速さで敵の首元・胸部・腹部にほぼ同時に蹴りを叩き込む。
あまりの速さに足が一瞬三本に増えたかのように見える。

  • 猪鍋(ししなべ)シュート
天井などに向けて蹴りを放ち、そのままの勢いで上階へと突破する。

  • もも肉(キュイソー)シュート
相手の太腿部を狙い、強烈な前蹴りを打ち込む。

  • 海歩行(ブルーウォーク)
水を蹴り、魚人族に負けず劣らずのスピードで水中を移動する技。
クラーケンとの戦いで、後述の「空中歩行」より先に披露。

  • 空中歩行(スカイウォーク)
宙を蹴り、空中を自在に飛ぶ移動技。
カマバッカ王国でオカマ達から振り切る為に習得。
「六式」の一つである“月歩”と同一の技。
これにより三次元的な機動力を獲得、空中からの追撃や飛べる相手への交戦が可能になった。

  • 空軍(アルメ・ド・レール)○○シュート
味方を足に乗せて蹴り飛ばす事で上空に放り投げる連携技。
乗せた人によって○○の部分が変化し、ルフィでは「空軍ゴムシュート」、ゾロでは「空軍パワーシュート」となる。「ゴリラシュート」や「マリモシュート」でないのが意外
アニメオリジナルでは「パイレーツドッキング3」を蹴り上げる「空軍ロボシュート」も登場した。
またチョッパーを飛ばし、その勢いを乗せた強化版刻蹄桜を放つ連携技「空軍刻蹄桜シュート」も存在する。

  • ジェンガ砲
ゾロとの即興コンビ技。
ゾロが斬った大きな塔をだるま落としのごとく敵に向けて連続で蹴り飛ばす。
魔人オーズとの戦いで使用。

  • 温度(オンド)レアァストライク
エッグヘッド編でナミを襲撃したS-シャークに奇襲を喰らわせた際のドロップキック。
イワンコフがツッコミに多用していた両足蹴りのサンジバージョンで、ネーミングもニューカマー寄り。


庖丁捌き

  • 皮剥作業(エプリュシャージュ)
手を使った唯一の技、というより調理法。「食材」の皮の部分を包丁で綺麗に剥き取る。
戦闘では麺ズ正装スーツを纏ったワンゼに使用。ワンゼの体には傷をつけずキレイに鎧で食材でもある麺ズ正装スーツのみを解体した。
この時のサンジの庖丁捌きはまるで剣のように使いこなしており、その技は剣豪であるゾロにも劣らないと思われる。
ワンゼを直接攻撃することもできたはずだが、「庖丁は剣じゃない」とそれをしなかったあたりさすが料理人である。


悪魔風脚(ディアブルジャンブ)による技

  • 悪魔風脚(ディアブルジャンブ)
その場で独楽のように回転し、足に高熱を帯びさせる技。
この状態独自の技もいくつか存在するが、既存の技を純粋に強化する時にも使われる。
サンジ曰く「破壊力は悪魔の如し」で、この技を受けた相手の身体は焼き焦がれた傷ができる。
新世界編ではほぼノーモーションで発火できるようになり、海中だろうと恒常的にこの技を使っている。
「悪魔風」とは、唐辛子などの香辛料をふんだんに使った料理の種類。

  • 画竜点睛(フランバージュ)ショット
右足に体重を乗せた回転蹴りを叩き込み、地面へと勢いよく叩き落とす。
蹴り飛ばす瞬間には「大」の字に炎が広がるエフェクトが入る。
劇中ではこの技でジャブラに文字通りトドメを刺した。
フランバージュの由来はおそらく「フランベルジュ」。
「炎のように輝く」という意味のフランス語「フランボワイヤン」に由来する刀剣の名前。

  • 熟焼(ビアン・キュイ) グリル=ショット
相手に網で焼いたような焦げ傷を与える蹴り技。
クラーケン戦で使用。

  • 焼鉄鍋(ポアル・ア・フリール)スペクトル
高熱を帯びた両足で下方の相手に目に見えないほどの連続蹴りを叩き込む。

  • 地獄の思い出(ヘル・メモリーズ)
「焼け焦げろ あんな思い出!」
オカマしか居ないカマバッカ王国での二年間に及ぶ苦しい日々を想い返し、その怒りで全身に炎を纏い、相手を蹴り飛ばすと同時に炎上させる。
なぜ料理関係ないんだ。たぶん、ボン・クレーのオカマ拳法「あの夏の日の回想録(メモワール)」や「あの冬の空の回想録(メモワール)」にちなんでいる。
この他に「リメンバーマイドリーム」や劇場版では「恋のメテオストライク」という同じような技がある。
余談だがサンジは二年前には、怒りの炎を全身に纏う描写があった。

  • 首肉(コリエ)ストライク
「首肉シュート」の強化版で、相手の首筋を勢いよく蹴り飛ばす。

  • 腹肉(フランシェ)ストライク
「腹肉シュート」の強化版で、相手の腹部を勢いよく蹴り飛ばす。

  • 牛すね肉(クロッス)ストライク
高熱を帯びた足で跳び蹴りを放ち、相手の攻撃を押し返す。

  • 回転焼(ロティサリー)ストライク
相手の頭部を蹴り飛ばして回転させる。
作中では獣型のクイーンに対して使用し、ペロスペローが放った「終末の雨」を防ぐ盾として使用した。

  • 野獣肉(ヴネゾン)シュート
劇場版で使ったオリジナル技。
空中で回転しながら何度も蹴りを叩き込み、強烈な踵落としで締める。
ヴネゾン(Venaison)は「鹿肉」と訳される事もあるが正確には猪肉やウサギ肉等も含める、所謂ジビエ肉を指す。

魔神風脚(イフリートジャンブ)による技

  • 魔神風脚(イフリートジャンブ)
改造人間として覚醒したことで得た「外骨格」「筋力」「移動速度」を利用した悪魔風脚(ディアブルジャンブ)』の発展技。
外骨格に今まで鍛え上げた武装色を上乗せすることでより強靭かつ高温の青白い炎を足に纏わせ、強化された筋力と移動速度で加速と蹴りの重みを更に高めるもの。
これまで頑なに否定し続けた自分の家族がもたらした力を肯定した結果体得している。

なお、映画『ONE PIECE FILM RED』ではテレビアニメ本編より先駆けて先行登場。
その際の発動方法は、シャーロット・オーブンがネツネツの能力による熱気を悪魔風脚に上乗せすることで炎が青色に変化して発動し、魔王トットムジカの左腕を破壊した。

  • 牛肉(ブフ)バースト
牛肉の部位である首肉(コリエ)肩ロース(バース・コート)肩肉(パルロン)肩バラ肉(ジュモ・ア・ビフテク)バラ肉(タンドロン)腹肉(フランシェ)尾肉(クー)もも肉(ポワール)すね肉(ジャレ)を人体に当てはめ、各部位に素早く強烈な蹴りを叩き込む。
そして、トドメに後ろ蹴り(ソバット)で相手を吹き飛ばす。
かなり久々(リアル経過時間にして実に約13年振り)に登場したコンボ技であり、クイーンにトドメを刺した。


おそばマスク

  • 流星おそばキック
浮遊装置で遥か上空へ飛び上がり、そこから加速装置を使用して隕石のように相手に強力な蹴りを浴びせる。


【来歴】

◇生まれ

サンジは北の海(ノースブルー)にある国土を持たない国家『ジェルマ王国』の王子として生まれた。

ジェルマ王国は、300年前の先祖がかつて北の海を征服しながらも、わずか66日でその天下は終わり、国土を追われ領土を失った軍事国家であった。
現在は電伝虫を巨大化させたような生物の上に住居を作り、その生物を制御することで海やレッドラインの壁をも自由に行き来できる海洋国家となっている。

彼の父ヴィンスモーク・ジャッジは、先祖達の無念を晴らすために北の海を再びジェルマ王国が完全征服することだけを考え、その人生の全てを捧げてきた男だった。
若かりし頃、ベガパンクシーザー・クラウンと研究していた彼はベガパンクによる「血統因子」の発見に立ち会う。
その研究チームは海軍によって解散させられたが、その捕縛から逃れた彼はジェルマ王国に帰って血統因子などの研究を進め、
感情を操作した忠実にして屈強なクローン兵士、形状記憶合金を利用した強力な装備を誕生させることに成功する。

強力な軍隊を築き上げ戦争に勝つことで、子供と共にジェルマ復活を果たしたかった彼は、子供たちにもその血統因子の研究の成果を施すことを考えた。
妻ヴィンスモーク・ソラとの間の長女レイジュは、その操作により強力な身体能力(や毒能力)、親への忠誠心を持って誕生する。

ソラとの間の次の子供に対しても、操作を加えようとするジャッジだったが、さらに強い兵士を望んだ彼は、
感情も操作することで「敵に情けをかけない」「死を恐れることもない」子供にすることを考えた。
しかし、妻ソラは「感情まで大幅に操作してしまえば人間ではない」と猛反対。
大喧嘩の末に手術は強行されたが、ソラはその改造を止めようと劇薬を飲んでしまい、ジャッジは妻の命をかけた抵抗に驚愕。
イチジ、ニジ、サンジ、ヨンジは生まれてくるが、ソラの必死の抵抗の甲斐もなく、イチジ、ニジ、ヨンジには感情操作や強化人間としての能力が発現していた。
そしてソラは劇薬を飲んだ後遺症によりどんどん衰弱していく。

妻への愛情はあったジャッジはソラを入院させるが、ソラの病状は回復しない。
更に、サンジのみ、ソラの抵抗の証であるかのように、感情もそのまま・強化人間ですらない「普通の子供」であると発覚する。

やがてソラは亡くなってしまい、サンジは「無邪気な子供としての笑顔=ソラの笑顔」「サンジの優しさ=ソラの優しさ」「強化人間ですらない=ソラの抵抗と死」と、
サンジの存在そのものがジャッジにとって、亡き妻の存在・自分が原因による妻の死を想起させるものとなってしまい、祖先からの悲願とその悲願ゆえ妻を死なせた自分の間で自己矛盾に陥ったジャッジはサンジに対して常に冷淡な態度を取り、ネグレクトをするようになった。
ジャッジのサンジに対する愛情は彼を殺さない程度であり、直接的な暴力を振るうことはなかったもののサンジを忌避し、最終的には彼の死を偽装し、彼の笑顔を見ることすら拒むように鉄仮面をつけさせたうえで一室に軟禁。

イチジ、ニジ、ヨンジと違い、料理を作ることに興味を持っていたぐらいのただの子供だったサンジは、“優しさを持たない”兄弟からもいじめ(虐待)を受けていく。
姉であるレイジュはサンジの身を案じてくれたが父ジャッジには逆らえず、孤独な幼少期であった。
客人用の食事こそ出されていたものの、軟禁されていたサンジは、亡くなった母ソラからはかつてサンジが作りながらもグチャグチャになった弁当を食べてもらえたことから、より料理に対する興味を強くしていき、許可されて差し入れられた料理の本を読む日々を送った。

そんな中、国土を持たないがゆえに、勢力拡大もかねて傭兵のように依頼を受けて戦争を仕掛けたり反乱を鎮圧する家業を行っていたジェルマ王国(ジェルマ66)は、
依頼を受けて東の海(イーストブルー)の一国に侵攻することとなる。
電伝虫のような生物で壁を登ることでレッドラインを乗り越えたジェルマ66だったが、料理人になりたかったサンジはレイジュの助けを借りて脱走を決意。
それを見かけたジャッジは、サンジに対し「誰にも知られたくない汚点だから」と言い放って「自分の出自を明かさないこと」「ヴィンスモーク家の人間だと名乗らないこと」ことを約束させ、最後まで父親に拒まれ続けたサンジは号泣しつつも脱走。

ジェルマ王国を離れた少年サンジはオービット号に拾われコック見習いをすることになる。
アニメ版では、逃げてきた直後「ここで働かせてください!」と頼み込む描写があった。

◇ゼフとの過去

客船『オービット号』でサンジは、コック仲間から世界中の海鮮が集まる海『オールブルー』に関する話を聞き、それを探し出すのを目標とするようになる。
食事は客人用のいい物ばかり食べていた過去もあり、この頃は客の食べ残しを食べる先輩コック達に呆れていた。

しかしサンジが10歳であったある日、オービット号が偉大なる航路から帰ってきた海賊“赫足のゼフ”に襲撃される。

サンジはオールブルーへの夢を口にしながらゼフ達に抵抗するも海に落ちてしまう。
ゼフはそんなサンジを追ってなぜか彼を助けようと海に飛び込み、大嵐でオービット号もゼフの海賊船も沈没してしまった。
サンジとゼフは生きながらえるものの遭難し、絶海の岩場に打ち上げられた。
大きな袋を携えたゼフから少しばかりの食料を与えられたサンジは共に仕方なく船の救助を待ち続けられることにする。

やがて数十日が経過し、ゼフによって与えられた食糧が尽きたサンジは『ゼフを殺して彼の袋の中の大量の食料を奪おう』と考える。

が、ゼフの傍らにあった袋の中身は、食糧ではなく財宝だった。
ゼフは初めから全ての食糧をサンジに与えており、自身は足を切り落としそれを食べることで飢えをしのいでいたのだ*7
ゼフもまたオールブルーを夢見ており、自身と夢を同じくするサンジを見捨てられなかったのである。

こうした事もあって遭難から85日後、運よく餓死寸前の所を辛うじて救出される。


そしてそれからは足を犠牲にしてまで助けてくれたゼフへの恩返しとして、

『海にレストラン(後のバラティエ)を造る』

という今回の遭難から思い立ったゼフの新しい夢を叶えるための手伝いをする。

この頃からゼフには『チビナス』と呼ばれており、サンジは“大人になった”と誇示するためにタバコを吸い始める(当然ながらゼフは『舌が狂うから止めろ』と注意している)。
この頃の餓死寸前の経験から、食事を粗末にすることは彼にとっての逆鱗となった。

◇東の海篇

ルフィ達と出会った時も、当初はゼフに恩返しをするため、ルフィの度重なる海賊団勧誘を断り続けていた。

首領クリークの一味がバラティエを襲撃した際には、『死んでも恩を返す(バラティエを守る)』と言ったが、
過去に赤髪のシャンクスから同じような恩を受けているルフィから『死ぬことは恩返しではない』と否定された。

夢のために命をかけるゾロやルフィの戦いを目の当たりにして、自身の『オールブルーを探し出す』と言う夢が再燃。
最終的にルフィ達と共にバラティエを出る決心をする。

◇偉大なる航路篇

その後Mr.2ボン・クレーやCP9ジャブラとの戦いで確実に実力を伸ばしている。

エニエス・ロビー壊滅事件後にかけられた懸賞金額は、一味の主力としてエニエスロビーで暴れまわったためか初めてながら7700万ベリーの高額*8をかけられた。
……ところがカメラマンが写真を取り損ねたためにすさまじく不細工な似顔絵を手配書に掲載されるハメに。
なお、この手配書がサンジと全く関係ない一人の男の人生を狂わせることなど、当然知る由もない。

奮闘しつつシャボンディ諸島まで進むが、そこで王下七武海バーソロミュー・くまによって、エンポリオ・イワンコフの故国である『カマバッカ王国』に飛ばされた。
一時はオカマに覚醒しかけたが間一髪で我を取り戻した。

似ていない手配書のせいでイワンコフに『麦わらの一味』だと信用して貰えず、
それどころか、海賊らしく力で船を奪おうとするもイワさんに敗北する。
ルフィのメッセージを受け取った後、カマバッカ王国の料理を食べ、そのニューカマーらしく生きる生命力が溢れて来る料理に驚いた彼は、その料理「99のバイタルレシピ」を学ぼうと決心。
イワさんからは「99のバイタルレシピはカマバッカ拳法の一つである故、学びたいなら心まで乙女となりカマバッカ拳法を学べ」と拒否されるも、
「自分はレディのお友達ではなく、レディを愛する男である」というサンジの意志の強さを前にイワさんも譲歩、
サンジにはレシピを持つカマバッカ拳法師範99人に挑み力ずくで奪うように、師範らには四六時中サンジを襲撃するよう命じ、
オカマ達に追いかけられる日々を送りながら、生命力(バイタリティ)あふれる彼ら(彼女ら)に翻弄されながらもレシピの習得と共に(食戟ではない)戦闘力を磨いていく。


◇新世界篇

魚人島

オカマの王国にいた影響で女性に対する免疫がなくなり、しばらくの間は美女の露出度の高い姿を見ただけで鼻血を吹き出す程に悪化。
鼻血による出血多量で魚人島で瀕死になりかけるも海賊(オカマ)からの輸血で一命をとりとめた。
こんなになりながらも「夢を叶えず生き長らえるくらいなら人魚達をエロい目で見ながら死にたい」と語るなど相変わらずである。
この出来事は魚人から人間への輸血への抵抗が魚人たちの間にあることを教えるきっかけになった。

リュウグウ王国崩壊を目論む新魚人海賊団との対決では、一味随一の機動力による空中戦でしらほし姫を守ったり、
巨大化したワダツミを撃破するなど、面目躍如の活躍をした。


◆パンクハザード編

船に待機したが、シーザー・クラウンの部下たちの睡眠ガスで眠らされ、シーザーの部下に誘拐される(ブルックは白骨死体として放置された)。
独房にてトラファルガー・ローの能力でバラバラになり顔だけにされた錦えもんと遭遇し、部屋から脱出する際共に連れ出すも研究所の入口にて海軍本部G-5支部白猟のスモーカーの部隊と戦っていたローの能力で精神を入れ替えられ、ナミの身体に入ってしまう。
これにはサンジは歓喜し、裸を見ようとしたり胸を触っていたりとセクハラ行為をしまくった。
最後には、諸事情があったとはいえコートを脱いだことによりナミから鉄拳制裁を喰らう。
なおナミの身体でもタバコを吸っているが、これは一度はナミの健康に気遣い控えようとしたもののナミが許可した事を受けての喫煙である。

その後は錦えもんの胴体捜索にゾロとブルックと向かい、無事に見つけ、シノクニから逃げながら研究所に突入してルフィらと再合流してローの手で元の身体に戻る。
研究所内でヴェルゴと交戦するが彼の武装色の覇気の攻撃を防ぎきれず足を負傷。
その後はヴェルゴから彼らを守った縁や共にたしぎLOVEということもあり、海軍G-5の不良海兵どもの指揮をとったりしていた。

別れ際にはバイタルレシピから学んだ料理を海軍G-5支部含む皆に振る舞い喜ばれていた。

◆ドレスローザ編

工場破壊チームとしてドレスローザ国内に入るが、ドンキホーテファミリーヴァイオレットが仕掛けた罠で捕まってしまう。
しかし彼女の隠された真意を見抜いたことで、ヴァイオレットはファミリーを裏切り、サンジに協力する。
その後はサニー号に引き返しドンキホーテ・ドフラミンゴと交戦。

ナミ達と共にシーザー・クラウンを連れてドレスローザから離れるが、ビッグ・マム海賊団の海賊団に襲われ、一足先に「ゾウ」へと向かう。
ドレスローザ編の終盤で久々に登場し、ゾウを荒らし回ったジャックの配下のシープスヘッド達を撃退する。

ここで他の一味共々手配書が更新され、ようやくマトモな写真に……と言うには大変情けない顔*9のものになった。
また、特別活躍はしていないにもかかわらず他より大きな増額が行われた上、なぜか「ONLY ALIVE(生け捕り限定)」に変更。

◆ゾウ編

ルフィらもバルトロメオの協力でゾウに到着するが、
ナミの話でサンジは“四皇ビッグ・マムの三十三女・シャーロット・プリンの結婚式の新郎として出て行ったと告げられる。
更に、人殺しの一族と呼ばれる国土を持たない国の王族・ヴィンスモーク家の三男である事とそれに伴いフルネームが判明した。

◆ホールケーキアイランド編

かくして、一行より先にビッグ・マムの支配するホールケーキアイランドに辿り着いたサンジ。
最初こそプリンの美貌にメロメロになったサンジであったが、仲間との冒険の旅を諦める気は起きず、結婚を拒否する旨を告げる。

サンジを追ってホールケーキアイランドに来たルフィ達は、プリンからその話を聞いて、
あのサンジが女をフったことを知り、仰天するが、サンジが夢を諦めていないことを知ると安堵し涙を流すのであった。

しかし、仲間のもとに戻るつもりであったサンジだが、いざジェルマ王国に帰ると、島から出ようとすると手が吹き飛ぶ手錠を付けられたうえ、
麦わらの一味やレッドラインすらたやすく超えられるその機動力でいつでも恩人であるゼフの命を取りに行けると脅されてしまい、戻ることが大変厳しい状況になってしまった。

そのために、ルフィたちがサンジのもとにたどり着いてもあえてひどい言葉*10をぶつけ、「追い払う。」とまで言ってしまう。

それは、今までデレデレでどんな時にも優しかったナミに対してさえサンジは睨み付けたほどである。

ルフィと決別して城に戻ってからプリンにこれまでの事情を話し、「君が救いだ」とプロポーズをし、彼女と結婚する決意をした。
しかし、そのあとプリンにお弁当と花束を届けに行こうと彼女の部屋まで来て、笑い声が聞こえるので窓から覗くとなんとそこには、足から血を流して拘束されているレイジュと三つ目のプリンの姿があった。
そして、これまでの彼女とは打って変わって冷徹な態度になっており、「サンジのような落ちこぼれの王子と結婚するわけないでしょ!明日にヴィンスモーク家は皆殺しにするんだから!」という場面を聞いてしまい、驚愕&絶望の淵に立ってしまう。

プリンの悪魔の実の能力によって記憶の改ざんをされて医療室へと連れていかれたレイジュに対し、ヴィンスモーク家皆殺し計画の一部始終を話した。
レイジュからは自分は母親が命がけで守ったおかげで優しい感情をきちんと持った子として生まれることが出来たと伝えられた。
また、手錠も彼女がすり替えておいたので島から出ても爆発はしないということであった。

そして、レイジュはサンジにルフィ達と逃げるように叱咤をしたのである。
しかし、その後医療室から出てからルフィにこれまでしたことや、血のつながった家族を見捨てて逃げることはできないという思いから最初は動かずにいた。
……が、ボビンによって本来プリンのために用意したお弁当に手を出されたのを見て、
“お前のじゃねぇよ!”と蹴りあげ、自分は何をしているのかと気づき、ルフィの約束の地へと向かうことになる。
そして、彼を見つけてお弁当を食べさせた後に、初めは、上記のことから帰るように促したがルフィから鉄拳&「本心を言えよ!!!」と叱咤激励され…



「……ルフィ おれァ…!! サニー号に…帰り“たい”……!!!」


と、ようやく本音を打ち明けたのである。
クズでも家族のジャッジ達を救いたいと言うサンジに、ルフィはお茶会をぶっ壊すと話し、他の仲間たちもルフィの案に賛成した。
ジンベエの仲介でシャーロット・リンリンの暗殺を目論んでいたカポネ・ベッジと組んで、ジャッジ達を救出することを決意する。

地獄のお茶会
茶会当日はルフィの作戦で大混乱になり、暗殺寸前のヴィンスモーク家の一族を救出に成功するも、ビッグ・マム暗殺が失敗した上に逃走も失敗してしまい、シャーロット・カタクリをはじめとした実力者たちに包囲されてしまう。
ベッジの巨大な城に避難するが正気を取り戻したビッグ・マムの攻撃でベッジが重傷を受けてしまう。
そんな状況下でジャッジが「なぜ助けた」と問うとサンジは「父親が、悲しむ…」と返す。

「血の分けた実の家族の死をあざ笑う程度の
小せェ男になったのかと呆れてしまう」

「あの人に顔向けできねェような生き方はしない!」

大恩あるゼフに呆れられたくない思いからジャッジを救ったと語り、ジャッジに対して完全に絶縁を宣言する。
その言葉にジャッジは改めて苦しそうな表情をしつつも二度とサンジと東の海には近づかないと約束し、囮役としてビッグ・マム海賊団と対決。
…が、サンジとルフィはジャッジ達を見捨てることができず、ビッグ・マム海賊団と戦うも相手の戦力差に完敗し処刑される身となるも、
誰も予想だにしなかった爆弾入りの玉手箱で無事に脱出。

脱出後はビッグ・マムたちの追撃にあうものの、シャーロット・プリンとシフォン姉妹の頼みからウェディングケーキの複製を作るべく一時的に一味と別れ、ケーキ作りに励む。
本業である料理人としての腕前も香りでケーキの設計図を再現するもはや超人的といえる技能も身に着けていたことが判明する。
各種妨害はあったもののケーキは完成。その後はプリンの手引きによりカカオ島に到着(この際プリンとキスしたが記憶を抜き取られた)。
ジャッジからの任務を受けたイチジらジェルマ66や、ジンベエの仲間であるタイヨウの海賊団の援護もありルフィの救出・ビッグ・マムの縄張りから脱出に成功。
結果的に見ればホールケーキ城の破壊やポーネグリフの写しの入手などに成功し、大勝利を収めたことを世界経済新聞によって報じられた。

脱出後、ニジからサンジ用のレイドスーツをこっそりと持たされていた事が判明したが、彼としてはレイドスーツに頼る事に否定的であり、海に捨てようとしている。
しかしその「カッコよさ」からルフィとチョッパーからは猛反対されており、処遇は保留となる。

また、懸賞金額が3億3000万ベリーにアップし、初めてゾロの懸賞金を上回った事に一瞬大喜びしたが、手配書の名義が『ヴィンスモーク・サンジ』表記となり「ヴィンスモーク家の一員」として扱われている事に気づく。
万国でビッグ・マム海賊団と交戦こそすれどルフィのような誰かを倒すといった表立った活躍をしていないにも関わらずのここまで急激な増額は、悪の軍隊『ジェルマ66(ヴィンスモーク)』の子息という悪名が大きく影響した*11と推測される。

更に“わざわざ絶縁してきたのに、逆にこれから出会う敵達にはおろかレディにすら『ヴィンスモーク・サンジ』と認識されるだろう”という、絶望を通り越えてもはやギャグのような事態にサンジは憤慨・落胆するのだった。
「いつの日かすごく面白い最期を遂げそうね」
そして海賊に傘下入りしようとしたジェルマ王国の世界政府加盟国資格剥奪に伴い、「ONLY ALIVE」は再び「DEAD OR ALIVE(生死問わず)」に戻された。
なお、手配書の写真は未だに情けない顔のままである。

ワノ国

おそばマスク参上
お蕎麦屋として諜報活動。その最中、食べ物を粗末にした百獣海賊団&黒炭オロチ配下の狂死郎一家のゴロツキを倒してしまい、狂死郎の手配で百獣海賊団に狙われる身に。

無関係な蕎麦屋も見せしめとして破壊する百獣海賊団真打ちの精鋭“飛び六胞”ページワンに攻撃を仕掛けるも、不意打ちながらほとんどダメージを与えられず。
これからの戦いのために敵戦力を減らしておく決意をしたサンジは、プライドを捨ててレイドスーツを着用し、『おそばマスク』に。
絵物語『海の戦士ソラ』の正当な読者にしてその姿を見たトラファルガー・ローは、その姿を『ステルスブラック』と呼び、憤慨していた。
格段に向上した身体能力と透明化能力で、油断していたページワンを圧倒した*12

そして女湯、念願だった女湯透明化能力を手に入れたサンジは女湯へ…。
ナミの全裸も拝んだものの、バジル・ホーキンスらの襲撃があったため、ナミやロビンやしのぶを連れて逃れた。脱出後ナミのナミナミならぬ裸を拝んだことに対ししっかりボコボコにされた。

ドレスローザで別行動となっていたゾロとも久々に再会。
上述の経緯がありながらも、懸賞金がゾロを上回ったことをしっかりゾロに自慢・挑発しており、ゾロからは新しい刀「閻魔」で斬りかかられる逆襲を受けた。

金色神楽
ワノ国鬼ヶ島の金色神楽にて、カイドウに処刑されそうになっていたモモの助を、レイドスーツの透明化能力で火災のキング疫災のクイーンを出し抜いて救助する活躍を見せた。
その後はカイドウ戦に臨むルフィの体力を温存させるため援護をしつつジンベエと共にギフターズを蹴散らしつつ進んでいった。

途中、女の助けを呼ぶ声を聞き、飛び六胞ブラックマリアの罠にはめられ拘束され、古代文字を読めるニコ・ロビンを拡声器を介して呼ぶよう要求される。
“エニエス・ロビーでカリファに手も足も出せず惨敗した時と違い”、お茶会でルフィやナミ達に助けられた経験から、サンジは一人で抱え込まずに全力でロビンに助けを求め、ロビンとブルックに助けられた。

その後、ライブフロアに移動し、疫災のクイーンらと交戦。
戦いの中で違和感を覚えると、レイドスーツを何度か着たためか改造人間としての外骨格が発現していることに気づく。
兄弟達のように「優しさといった心までも失うのではないか」という恐怖に駆られ、パニックになって逃走する最中、
「気が付いたら自分の目の前で遊女のお(そめ)が突然重傷を負っていた」という場面に遭遇してしまう。
彼女を無意識に傷つけたのではないかと自責の念に苛まれたサンジは心中で「敵が女なら手も足も出ない様な頼りない“生身の自分”」と「冷酷で無感情だがどんな強者でも倒し、命令されれば誰の首でも取って来る“科学の戦士”」の、どちらが海賊王にとって真に有益かと葛藤する。
この時、眉毛の向きが兄弟達と同じ方向になり始めていた。

「コレを着たせいでおれの身体に元々あった科学が目覚めたんだろう……!!」

「それはもう仕方ねェ!!!!」

だが苦悶の末覚悟を決めたサンジはレイドスーツのカプセルを取り出すと、全力で踏み付けて破壊。
それを以てジェルマと女湯覗きへの決別を示すと、ゾロに電伝虫「決着後におれが正気じゃなかったらおれを殺せ」と伝える。
ゾロからは戸惑いと共に了承されると同時に「それまで死ぬな」と相変わらずの皮肉交じりの激励を受けて再起。
そして再びクイーンとの交戦にて、お染を傷つけたのは実はクイーンだったと知ると完全に吹っ切れ、外骨格で大幅に強化された肉体を用いてクイーンに猛攻を加えて勝利した。
アニメではこの葛藤シーンが「幼少期の時に被された鉄のマスクの自身」「ジャッジの像」という形で描写され、忌まわしき力を受け入れると決めた時には上の存在は消失し、恩師のゼフと麦わらの一味が迎え入れるという彼にとって安息の存在がいるという結末になった。

ワノ国天上決戦後、サンジもついに懸賞金が10億の大台に乗ったが、ルフィは勿論ゾロとジンベエがサンジより高額の懸賞金を叩き出してしまう。ゾロにはワノ国でのお返しとばかりに「4位」と煽られ、相変わらずの喧嘩となった。



【余談】

  • ゲームでは
ゲーム版では、「女性と戦えない」ではゲームとして成立しないため、何かしらの理由を付けつつ自衛的に戦う羽目になる流れが多い。
格ゲーではセリフが変わるぐらいで普通に戦えるが、RPG作品では「女性相手だと攻撃力半減」や「そもそも出撃できない」のような制約が課されることも。
ただし、「JUMP SUPER STARS」のような他作品も含めたお祭り作品だと、いちいち特殊な扱いをしていられる余裕がないためか、普通に殴り合うことが多い。

  • 初期構想
当初、パティシエになる予定だったがなんやかんやあって現在のコックに。名前のサンジは3時のオヤツからきておりその名残。
それを受けて、「サンジだから三男で、兄のイチジやニジが存在するのでは」というのは昔から読者間では言われがちな鉄板ネタでもあった。
なお、当初はグルグル眉毛にちなんで「ナルト」になるところだったが、ONE PIECEの連載開始に少し遅れて『NARUTO‐ナルト‐』の連載が始まり、あちらの主人公と被るために変更になったとのこと。

  • なにかあった未来
98巻SBSに記載の、サンジが成長した未来をイメージしたif。
まっとうに進めば、60歳になる頃にはゼフに似た長い顎髭を蓄えた男になり、「オールブルーに釣りに行ってくる!」というらしい。
なにかあった未来では、料理へのこだわりを捨て、やがてはジャッジそっくりな武人になり「海に毒を流せ!」というように…。
父ジャッジも幼少期なにかあった過去だったのだろうか。


  • バラティエ(薔薇亭)
バラティエは、作者が高校の時にバイトしていたレストラン『薔薇(ばら)(てい)』をもじってつけられている。
少年ジャンプ+α掲載コミックエッセイ『すすめ!ジャンプへっぽこ探検隊!』 6話「伝説のレストランバラティエは実在した!!! ~尾田栄一郎の"偉大なる航路"を追え!!~」では、そのモデルとなった薔薇亭を取材している。

薔薇亭はステーキと鉄板焼きのお店。
尾田栄一郎氏は、高校時代、その薔薇亭の支店にてアルバイトしていた(現在、その支店は閉鎖し本店のみ)。
当時を知る料理人タサキ氏によると、当時の尾田氏は言ってしまえば「リアルルフィ」とのこと。
すごくおとなしい感じでバイト内容は皿洗いやサラダづくりや掃除といった雑用だったが、「割れにくいはずの皿を何枚も割る」「よくつまみ食いする」挙句に「前日から仕込んでいたスープを間違って捨てたことがある*13」などしており、尾田氏はめちゃめちゃ怒られたとのこと。当たり前だ。

尾田氏が支店から本店に向かう車の助手席に乗っていて事故にあい、鼻の骨が折れるなど大けがを負いながらも、締め切り三日前ということもあり根性で読切「WANTED!」を書き上げ手塚賞準入選を果たしたという。
タサキ氏が尾田氏の夢が漫画家と知ったのは彼がバイトを辞める時で、漫画をよく知らないこともあってタサキ氏は「あの尾田が…」と気さくに呼び捨てで呼べる数少ない人である。
薔薇亭での料理人の言い合いがバラティエでの血気盛んな料理人になったり、料理人の手を大事にする姿が戦闘に足しか使わないサンジのキャラクターの原型になったものと思われる。


◇サンジの出自の伏線

81巻においてようやく出自が明かされたが、
  • 空島編導入の時点で、サンジが自分は北の海出身だと明かしており、ウソップが「お前も東(の海出身)だと思ってた」と驚くシーンがある(のちにブルックが語ったところによると北の海から東の海への直接の移動は、レッドラインを超える必要があるため、かなり危険を伴うとのこと)。
  • 『オービット号』のコック見習いをしていた頃の回想で、残飯を食べる同僚に嫌そうな顔をしたり味の悪そうな食材を捨てたりしている(幼くして働いている割には貧しい育ちに見えない)。
  • アラバスタ編で名乗った「Mr.プリンス」
  • 一般人なら読むこともできないはずの「悪魔の実図鑑」を読んだ経験があった
などの伏線が張られていた。


◇サンジの靴について

映画「ONE PIECE ねじまき島の冒険」の冒頭にて麦わらの一味はゴーイングメリー号を盗まれてしまい、
バカンス中だったため普段の服や装備も船に積んだままであり、一味は普段とは違う戦いを余儀なくされる。
敵の島に乗り込んだ際にトラップの転がる岩を自慢の脚力で蹴り砕くものの、普段の靴ではなくサンダルで実質裸足だったこともあり足を負傷、
さらに敵の幹部の投げた球を蹴り返そうとするも、それは棘が飛び出すものであり、負傷を重ねてしまう。
物語終盤で靴を取り戻した後は、お返しと言わんばかりに棘をもろともせず蹴りのラッシュで沈め、リベンジを果たす。
このことから、サンジにとって靴はただの服装ではなく武器の一つであると思われる。
地味にサンジの脚力に耐えられる靴が何で出来ているのか気になるところ。

ただ、原作では『アーロンパーク編』の時点で既に裸足で岩を、それも水中で難なく蹴り砕く描写があり(さらに言えばクロオビとの戦闘で負傷した直後の状況)、
ワノ国編では基本草履着用だが、武装色の覇気を用いて草履による蹴りも難なくこなしているなど、
「普段の靴」でなければ本調子で戦えないというのは『ねじまき島』のオリジナル設定と考えられる。

◇おそばマスクのネーミング

ワノ国編でレイドスーツを着用して本来の通り名である『ステルスブラック』を差し置いて咄嗟に名乗った『おそばマスク』というネーミングはウソップとフランキーには不評でネーミング権をくれと騒いでいたが、94巻のSBSで「もし麦わらの一味が名前を付けたらどんな名前になったか」という質問が届いた事があり、以下それぞれ記述する。

  • ルフィ「黒/マスク/たてがみ」サニー号を名付ける時と同じ単語の羅列。
  • ゾロ「アホ」ただの悪口。2人の仲が悪いから当然か。
  • ナミ「まんと」アラバスタ編でマツゲを名付けた時と同じノリ。
  • ウソップ「イナズマスカイザー」ネーミング権を求めていただけに他のメンバーよりはマシだが少しニジ(デンゲキブルー)と被り気味か。
  • チョッパー「それゆけサンジ」某パン戦士のタイトルか。
  • ロビン「不吉仮面」何かと不吉な想像をする彼女らしいネーミング。
  • フランキー「ブラックローリングデストロイヤー」サニー号への命名とほぼ同じ調子。ウソップと同じく他よりマシだが少し長いか。
  • ブルック「うらやまC女湯男」サンジが女湯を覗く前だったらまだマシなネーミングだったかもしれない。

ジンベエについてはワノクニに合流し晴れて仲間入りする前なので記述はないが、ジンベエのも聞いてみたい気がする。





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