動物に変身する人間/人間に変身する動物

登録日:2019/12/13 Fri 00:15:00
更新日:2025/07/03 Thu 19:07:46
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動物に変身する人間、または人間に変身する動物とは、様々な作品に登場する能力である。




概要

みんなが子供の頃思ったであろう「もしも動物に変身出来たらどうなるんだろう?」、「逆に動物が人間に変身したらどうなるんだろう?」という疑問に答えたかのような能力。
読んで字のごとく、動物に変身する人間や逆に人間に変身する動物というのは古今東西の伝承にも事欠かせず、人間と人間ではない存在が結ばれる異類婚姻譚、動物が人間に恩返しをする動物報恩譚では当たり前のように見られるし近年のファンタジー系作品でも、かなりの確率で登場する。

変身できる理由としては生まれつきの体質、呪い、褒美、修行の成果など多岐にわたる。特に昔話や伝承の動物はなんの説明もなく人間に変身できてしまう。
変身する条件も自分の意志で自由自在にできるタイプもあれば、意志と関係なく特定の行動をとると変身してしまうタイプ、木の葉などの補助道具や本人専用の道具を必要とするタイプもある。
特に自分の意志で自由自在にできるタイプの場合、心身への衝撃で集中力が途切れたり、体力か気力が切れたりすると変身が解けてしまうことが多い。

服や首輪といった衣服に関しては、変身の効果が及ぶかはまちまちであり、人間時は衣服着用で動物時は衣服無しと切り替え可能なタイプから、変身効果が身体にしか及ばず衣服の管理が別途必要なタイプ、人間時も動物時も同じ格好になるタイプがある。

以下のケースはここでは取り扱わないものとする。(※コメント欄の意見を参考にしている。異論・追加歓迎。)
  • 動物のみならず他の人間や無機物にも変身できる人間
  • 他者からの魔法や呪いで強制変身させられた
  • 変身したまま戻れない
  • 意識だけ動物・人間に憑依できる
  • 動物と人間の心が入れ替わる
  • 人間・動物時代の記憶を保ったまま動物・人間に転生した
  • 対象を問わず変身させられ、なおかつ専属の所有者のいない変身アイテム
    • ドラえもんの動物変身ビスケットなど


メリットとデメリット

動物に変身する、逆に人間に変身するという能力だが、当然ながら以下のメリット・デメリットが存在することもある。

人間が動物に変身する場合

(1)動物の特性を得られる
なら鋭い嗅覚、鳥なら飛行能力といったように、変身した動物が持つ能力を得られるというもの。
ただし得られるのは長所ばかりではない。例えばハムスターに変身すれば狭い所に侵入したり人間を可愛らしさで魅了できたりするが、力は大幅に落ち人間やにあっさり捕まえられて逃げることもままならなくなってしまう。
動物の種類を問わず、運動能力が格段に上昇するタイプもある。

(2)変身した対象と同じ動物の言葉が理解でき、場合によっては会話もできるようになる
読んで字のごとく、変身対象の動物の言葉がわかるというもの。
ある意味では動物と会話できる能力のバリエーションでもあるが、言葉を理解し、会話できるのが変身対象の動物のみという制約が付くこともあり、どちらかと言えばおまけ程度。

(3)人間と会話ができなくなる
上記(2)のメリットと引き換えに得たデメリットといえるか。動物の言葉が話せる代わりに人間の言葉を話せなくなってしまい、会話ができなくなると言うもの。
人間の言葉をこちらは一方的に理解できるパターンが多いが、心まで動物化してしまい人間の言葉が通じなくなるパターンもある。
後者の場合、物語では変身者目線ではなく外側から別の人間が動物化した人物を描写する場合と、変身者が人間社会から外れて同種の動物同士との付き合いが描かれる場合がある。
一方、動物になっても人間の言葉を話せるパターンもある。この場合は見た目だけの変化で逆に変化先の動物の言葉が分からない場合も。

(4)ラッキースケベ
普段は会話すらままならない意中の相手でも、子猫に変身すれば一転、抱っこされたり頬擦りされたり、お家に連れてかれて着替えを見たり一緒にお風呂やベッド……と至れり尽くせり。
ただし可愛い小動物限定。変身先が大型動物や虫だとむしろ逃げられてしまう。
変身者がスケベキャラだとラッキーではなく意図的に覗きなどを行う。
変身効果が衣服に及ばない場合、元の姿に戻った時に全裸になってしまう逆ラッキースケベな事態も起こる。

(5)身の危険が迫る
町中でも山中でも動物の姿でいれば、狩り・駆除・保護の名目で人間に捕まったり襲われたりする危険性がある。また、小鳥に変身していたらカラスに襲われるといったように、人間なら脅威ではない動物に襲われる危険性もある。
小動物に変身したら意中の相手に保護される一見ご褒美展開でも、身動きが制限されるという意味では立派な脅威。さらには人間にとって食べられない物をエサとして与えられる恐れもある。
変身先と同じ動物の異性に惚れられるという、嬉しくないモテ展開(愛好家の人にはご褒美かもしれない)もあったりする。
これらは元の姿に戻れば済むことではあるが、条件が必要だったり人前で解除できない制約だったりでそうそう上手くいかないこともある。

動物が人間に変身する場合

(1)人間と会話し、接触することができる
動物の時は人間に意志を伝えることが出来ず、下手すれば無視されたり追い払われたりされかねないが、人間に変身すれば解決する。
人間に自分たちの危機を訴えたり、助言を与えたりといった真面目な使い方もあるが、人間を騙す目的で変身するパターンがやたら多い。

(2)人間と恋愛関係を築けて、場合によっては子供も成せる
異類婚姻譚の王道パターン。
人間側は動物側の正体を知らず、正体がバレると動物側は人間の元を去ってしまう……のが定番だが、正体を知った上で仲睦まじいパターンもある。
表面上は人間同士で交わるせいか、生まれた子供は人間になる。

(3)人間社会で生活できる
異類婚姻譚をリアルに考えると、こちらの要素も重要かもしれない。
他にも人間の孤児や老人の面倒を見る、人間の開発で住み処を追われ安住の地を求めてなど、やむを得ない目的から美食、ゲーム、学問などといったエンジョイ目的で人間生活を送ることが可能。
とはいえ、そこら辺で虫やカエルを捕まえて食べられない、時間や金に縛られる、正体がバレないよう気を張るなど、人間としての生活にストレスを溜めてしまう短所もある。

(4)動物だった時の長所を失ってしまう
人間に変身して言葉をしゃべり、理解できるようになる代わりに、動物だった時の優れた点が失われるというもの。
例えば猫であれば敏捷性が失われてしまう、犬であれば嗅覚が人間並みになってしまうなどがあるか。

(5)人間と動物両方と会話できる
人間の言葉を話せるようになるのは勿論、元の動物の言葉も引き続き話せるパターンが多く、双方の通訳・橋渡し役を担う事が可能になる。
作品によっては変えられるのは外面だけで、中身は動物のまま故に人間社会の知識が分からず会話が成立しないこともある。流石に中身がそのまま過ぎて人間と喋ることもできないのは少ないケースか。

(6)中身はそのままなので、特殊な技術を使うことで見破られてしまう。
人間の言葉をしゃべることができたとしても、上記と同じく中身は変わらないので、魔法等の技術を使われると正体が露見するというもの。

(7)人間は誤魔化せても動物は誤魔化せない。
ある意味、上記(6)の亜種ともいえるパターン。
動物というものは人間よりも優れた感覚があると言われることがあるが、当パターンはまさにそんなケースである。
大体見破るのは犬ということが多いか。
人間でも僧侶など神通力に秀でた相手は誤魔化せないこともある。


動物に変身する人間の例

「特定の動物にのみ変身できる」タイプが多く、「あらゆる動物に変身できる」タイプはどちらかといえば「動物にも人間にも(無機物にも)変身できる」タイプに該当することが多いか。

神話・伝承

北欧神話に登場する戦士。
厳密には変身とは少し違うかもしれないが、「戦時にはクマの毛皮を纏うことで自らがクマになったと思い込ませ、クマの如く暴れるように戦った」と伝わっており、時には相手やに噛みついたりもしたという。
ただし戦時の彼らは敵味方の区別なく暴れるため、王族は絶対に身の回りに近づけず、護衛にも雇わなかったとか。
その勇猛さから今日において日本語では「狂戦士」と訳され、英語読みである「バーサーカー」という呼び方もメジャーとなっている。

  • ウールヴヘジン
こちらも北欧神話に登場する戦士。
獣の如く戦うという意味で上記のベルセルクと大本は同じだが、ベルセルクがクマの毛皮を纏うのに対してこちらはの毛皮を纏うのが最大の違い。
シグルズの父・シグムンドもウールヴヘジンだったとされている。
また諸説あるが、彼らの存在が人狼伝説のルーツの一つという説もある。

  • 吉備津彦命、温羅
古代日本の皇子と、彼に討伐された桃太郎と鬼の原型とも。
追い詰められた温羅が妖術でキジに変化して飛び去ったのを命がタカとなって追いかけ、最終的に鯉に変化して川を逃げようとした温羅を鵜に変化した命が捕らえたという。


漫画

  • バンパイヤ(バンパイヤ)
ドラマ版が水谷豊初主演作となった、手塚治虫作品に登場する種族。
いつもは人間の姿をしているが、個人ごとに異なる条件を満たすと動物に変身する特性を秘めている。なお人によっては人間形態に戻る際も変身条件を満たす必要がある個体も存在する。
その特異な属性ゆえに隠れ里や人の間に隠れ住んでいたが、種族内の過激派と人間の「悪人」で主人公のバンパイヤを利用していた間久部緑郎が出会ったことにより、人類社会へとバンパイヤからの破壊活動が始まることに……

コロッケの仲間の一人。
普段は人間だがある条件で犬に変身したり、かと思えばに変身したりと様々な動物に変化する能力を持つ。アニメでは変身先が更に増えた。
変身すると遥かに強くなるが、条件を満たせば強制的に変身してしまう不随意的な能力でもあり、本人は変身中の事は全く覚えていないばかりか自分が何かに変身できるという事すら知らない。
ちなみに彼の家族や地元の人間も皆同じ特異体質の持ち主だが、やはり変身中の記憶は残らない模様。

チャカやペルを始めとした、悪魔の実の三系統の一つである動物系の悪魔の実を食べた能力者たち。
自分の意思で特定の動物に変身でき、人とその動物の中間のような姿にもなれる。

今は無き惑星ベジータ出身の戦闘民族。
猿の様なが生えた宇宙人で、満月を見ることで「大猿」と呼ばれるゴリラとヒヒを足したような巨大な猿に変身する。
戦闘力が通常時の10倍になる一方、通常のサイヤ人はこれになると理性を失い、文字通り獣のように暴れてしまうがエリートは理性を失わずに行動することが可能。
尻尾が存在することが前提というかトリガーになっている体質?能力?らしく、悟空は作中で尻尾を失って以降は本人も大猿になれない前提でいる(実際に以降は一度もなっていない)ほか、最初から尻尾がない悟飯・悟天・現代トランクスのハーフ組も『超』以降を含めても一度も披露していない。
一方で尻尾さえ無事なら割と誰でもなれちゃうらしく、悟空の大猿形態初披露は「意図する前に勝手になってしまった」と紹介できる感じであった。
ゲーム作品まで話を広げれば、「大猿ブロリー」は超4ブロリー以上にお約束要素であるし、バーダックにも大猿モードの設定がある作品も出てきている(『ドッカンバトル』など)。

中国出身の摘一家の長男。
女性に触れるとトラに変身し、男性に触れると元に戻る体質の持ち主。
なお本人が対象を女性であることを意識して変身してしまうのではなく肉体の無意識の反応であるらしく、ロボット則巻アラレ(突詰は彼女を人間の女性と思っている)に触れても変身しない。

  • 獣人(キリングバイツ)
獣化手術という特殊な手術を受け、動物に変身する能力を得た者達の総称。陸上生物になれる者のほかに、鳥や海棲生物になれる者も存在する。
獣化手術を受けるには、「10万人に1人」程の割合しか持たないと言われる特殊な因子を遺伝子中に持っていることが条件となる。
基本的には、牙闘(キリングバイツ)と呼ばれる獣人同士の試合に参加する獣闘士(ブルート)という戦士たちが大多数だが、中にはアイドルや実況アナウンサー等も存在する。
反対に動物を人間化する「人化手術」も存在する。

大小百以上の泉それぞれに過去に色々なものが溺死しており、落ちた者には水を被るとその姿になる呪いがかかる。お湯を被れば元に戻ることができる。
尚、人間が溺れた泉もあり、代々呪泉郷で人間の姿に変えた獣と子を生していたという一族まで登場している。

名家である草摩家に生まれる物の怪憑き。異性に抱きつく、抱きつかれる、身体が弱ったりすると憑かれた動物(十二支+猫)に変身する体質を持つ。


アニメ

キルミンを所持し、動物に変身できる5人の小学生~中学生の子供たち。キルミンを使用する事で3頭身になり、動物を模した着ぐるみの衣装の中間形態になり、この形態を通す事で動物化できる。
リコは猫、リムはウサギ、ナギサは犬、ケンはネズミ、タマオは鳥の中間形態を持つ。
動物化すると、人間の言葉を話せなくなり、その動物特有の能力が発達する(リコは木登り・夜目が利く、リムは聴覚、ナギサは嗅覚など)。
しかし動物化の制限時間を過ぎると、人間としての記憶や心が薄れるという欠点もある。
なお、キルミン所持者が成長する事で、中間形態以外の動物にも変身できるようになった。

リコ(猫):コウモリ
リム(ウサギ):カモノハシ、カンガルー、イルカ、コウモリ
タマオ(鳥):様々な鳥類

小説

作中における、特定の動物に変身する魔法を身に着けた魔法使いのこと。*1
ネコに変身できるミネルバ・マクゴナガルがその代表格。修得は非常に困難な上、修得できても変身した姿は自動的に決まる。
変身している間も心はそのままだが、人間語を話せなくなる。
悪用を防ぐために修得者は政府への登録と公開が義務付けられているが、ある事情を抱えた友のために修得した牡鹿・イヌ・ネズミに化ける男性3や、情報収集(主に潜入・盗聴)のためにコガネムシに変身するようになった女性記者など、未登録の者も登場している。
なお、20世紀での登録者は7人しかいなかったものの、作中に登場した5人のうち4人が未登録である。

  • ビヨルン(ホビットの冒険)
物語の中盤でビルボ・バギンズら旅の一行が出会う大男。
巨大な熊に変身する能力を持ち、一行を導くガンダルフは「皮をとりかえる人(Skin Changer)」と表現している。
霧ふり山脈と闇の森の間の土地に住み、馬や犬などの動物たちと共に農場を営んで暮らしている。
山に住むゴブリンから辛くも逃げ延びた旅の仲間は彼の庇護と手厚いもてなしを受け、危険な旅の最中に一時の安息を得ることができた。
人間の状態でも充分屈強だが、変身すればその比では無いほど恐ろしい強さを発揮する。
それは作中最強クラスと言っても過言ではなく、物語終盤の合戦では、追い詰められた連合軍の前に援軍として現れるとゴブリンの大軍を軽く蹴散らし、そのまま彼らの総大将を瞬殺、たった一人で戦局を一変させた。

  • 獣人族(ゾアン・ウールズ)(魔獣戦士ルナ・ヴァルガー・魔獣戦記ネオ・ヴァルガー)
かつて世界を支配した「魔獣(ヴァルガー)」によって生み出された亜人種「従属種族(ウールズ)」の一つであり、人間体と動物体二つの姿を持つ種族。
一応先祖は人間らしく出生時も人の姿だが、長ずるにつれ動物形態に覚醒し、従属種族が苦手とする「魔獣」の力を受け無力化された際は動物形態になってしまう。
個人ごとに異なる動物に変身可能だが、困った事にどの動物に変身するかには遺伝的要素がほぼ存在しないため、海獣の兄と陸生動物の弟なんてカオスな例や、地味な動物や変な動物の形態に覚醒したせいで変身したがらない例もいる。
ちなみに異種族との交配による受胎例は滅多にないが、『魔獣戦士』ではパワーと精力双方に優れた戦士と結ばれた女性が獣人族の娘を得、
その娘が副主人公の『魔獣戦記』では、獣人族のバイセクシャル遊女(副主人公の母の親戚)が人間体を持つ使い魔「有翼猫」との間に設けた息子で、人間体を持つ珍獣「一角猫」が登場している。

ドラッグを常用する胡散臭い雰囲気のイケメンだが、その正体はなんと太古の時代から生き続ける正真正銘のリアルニンジャ
戦闘や追跡に優れるコヨーテ、隠密行動に優れる、飛行や情報収集に優れるフクロウへの変身能力を持つ。
ザ・ヴァーティゴ=サン曰く、作中での使用者がそこそこいる「ヘンゲヨーカイ・ジツ」とは別種の物らしい。
動物に変身した状態でも人語によるコミュニケーションは可能。
他にもフクロウの頭と翼、コヨーテの爪と毛皮、蛇の尻尾を併せ持つキメラめいた獣人への変身形態も持つ。
この形態では非常に高い戦闘能力を発揮するが、消耗も激しいらしい。


ゲーム

本作の主人公。名前はプレイヤーが自由に決められる。
サブレ王国の王子でカナヅチ。元々は普通の人間だったが、マンドラが飲ませた薬により、水に濡れるとカエルになる能力を得た。またその後ヘビに噛まれた為、ヘビの毒の副作用で温泉タマゴを食べる事でヘビにも変身できるようになる(幸せの果実を食べるなどして気絶すると、人間に戻れる)。
なお、リチャード王子やジャム、カスタード兵なども薬を飲まされカエル化しているが、ヘビの姿になれるのは主人公補正の為かサブレ王子だけである。
エンディングにて魔法の効果を解呪する「春を告げる鐘」が鳴らされたため、薬を飲んだ人達の変身能力は失われた。

本作の男女主人公二人(ケータ、フミちゃん)が妖怪化した姿。妖怪なので、「動物」と言って良いのか分からないが、一応。
フウ2は映画2作目、ミーフーは『3スキヤキ』で初登場。
原作ゲームでは、フウ2は『3 スキヤキ』のパラレルワールド(フミちゃん世界)で、ミーフーは『3 スキヤキ』の限定クエストで登場し、普段はガシャの前に滞在している。
体色と好物、種族はフウ2は水色でパンが好きなフシギ族で、ミーフーはピンクでスイーツが好きなプリチー族である。
なお、ケータとフミちゃん以外の人間キャラの妖怪化した姿は登場しない。

レネゲイドウィルスによって齎される13のシンドローム(能力の形態)のひとつであり、肉体を変異させて獣の能力を得る。
8歳児が片手で自動車を持ち上げる例が確認される程の凄まじい筋力のほか、(人間を含む)動物が持つ本能により動物を従えることも可能。
見た目的にも分かりやすいバケモノとなるため、ある意味超人と人間の葛藤を描く当作を象徴するようなシンドロームである。

北方の國カムイに住む半獣半人の部族。自分の意志で人間態と獣態を自由に行き来できる。普段は人間態で生活している模様。
作中では画的に派手かつ分かりやすくするためか変身の際は宙返りを行うが、カムイ編メインキャラのオキクルミのみ宙返りせずに変身するシーンがある。
人間態の時に顔を覆っている面は獣態の時は額に着けられている。人間態の時に面を外すことは無く、全員その素顔は不明。
獣態の時もアマテラスと同様に背中に武器を背負い、自在に振るうが戦闘シーンがあるのがオキクルミだけなので、他のオイナ族も同じ様にできるかは不明。
ちなみに筆しらべでオイナ族を対象に円を描くと変身させることができる。

  • ブラッディロア
プレイヤーキャラが戦闘中に獣化する格闘ゲーム。
獣に変身する能力を持った者は作中で「獣人」と呼ばれている。
大半は実在の動物がモチーフだが、架空の動物(フェニックスやドラゴン)も少数ながら登場している。


人間に変身する動物

神話・伝承

ここでは動物ごとに分けていく。

アジアの神話や伝承ではメジャーな動物である狐だが、古来より狐は女性的なイメージが強いことから、美しい女性に変身する事が多い。
九尾の狐のようにその美貌を利用して男を誑かす悪役としても登場することの多い彼女達だが、一方で葛の葉のように人間の味方として登場しては結ばれることもあり、時には人間との間に子を産むことすらある。

こちらは日本の伝承において化ける存在としてよく登場する動物。
後述する通り狐の七化け、狸の八化けと言ったように化け狐よりも変身が上手であり、人間に変身して化かしたという伝承にも事欠かない。

  • 貂(テン)
テンが化けるの?と疑問に思う人もいるかもしれない。
実は古来より日本においては狐の七化け、狸の八化け、貂の九化けというように、化け狐や化け狸以上に上手だと伝わっており、人間に化ける逸話もあるのだ。
近年でもライトノベル『ほうかご百物語』ではメインヒロインとして人間に化けられる貂が登場している。

化け狐や化け狸の次に化ける動物としては有名。
日本においては長生きした猫は化け猫や猫又になると言われ、美男や美女に変身しては人間の男女を誑かし、精気を吸う恐ろしい妖怪であったという。
一方でヨーロッパには人間の男性に恋した猫が女神に頼んで人間にしてもらい、結婚するという話も存在する。

日本において所謂“化ける動物”以外で人間に化ける逸話を持つ代表的な動物。
かの有名な「鶴の恩返し」では女性に化けて助けた男の元で秘密裏に機を織るのだが、折角人間に化けられるにもかかわらず鶴の姿で機を織るというかなり器用な事をしている。

  • 川獺(カワウソ)
こちらも人間に化ける伝承が存在する。
主に中国や日本といったアジア地域で確認されており、アイヌの伝承では男性に化けた川獺が美女のいる家に現れては殺して魂を奪い取り、妻にしようとする…という話がある。
また、美女に化けて男を誑かす話も存在する。
このへんの理由から『ゲゲゲの鬼太郎』だと妖怪横丁のモブ役に「かわうそ(二足歩行する川獺)」がいることも。『モンスター娘TD』でも妖怪扱いで採用されている。

上記の狐や狸ほどではないが、蛇も人間に化ける伝承が存在する。
中でも有名なのが中国の伝承である「白蛇伝」に登場するヒロイン、白娘子だろうか。
彼女は一見美しい人間の女性だがその正体は蛇で、許仙という名の男性と恋に落ちて子を産むも僧侶によって正体を見破られてしまい……

日本各地で人間に化ける伝承が存在する。だいたい蛇から食われる所を救われた礼に……というきっかけがお約束。
人間の女性に化けて助けた男の女房になる定番パターンもあるが、人間に化けた蛇と結婚したせいで体が弱った人間のために、僧に化けた蛙が労せず蛇を退治する助言を与える異色の伝承もある。

  • カワイルカ
アマゾン川流域の原住民に伝わる昔話によれば、カワイルカが人間の男性に変身して女性との間に子供を作るという伝承が存在している。


特撮

  • ウルトラ怪獣の一部
怪獣の中には高い知能を持ち、人間に変身して暗躍するものもいる。
例としてはバキシムやコオクス、アンタレスなど。
たいがいは人間体でもなんらかの特殊能力を持っている。
円谷公式における「ウルトラ怪獣」の定義に沿えば「宇宙人」「地球外の知的生命体」に相当するキャラクターも該当するが、このへんになってくるとここで紹介する妥当性以前に、むしろ複数回出てきていれば(M78星雲人としての光の国系ウルトラヒーロー同様)ほぼデフォルトで地球人に変身可能。


漫画

  • ウェコ(バンパイヤ)
未完の第2部に登場した動物で、平たく言うと「吸血化け猫」。人狼系のバンパイヤよりよっぽどヴァンパイアらしい種族である
いつもは大型の猫風だが人間等に擬態する変身能力を持ち、時間を掛ければ人語や人の振舞いをも学習することが可能。
主食は生き血だが、別に種別は問わないので動物のでもOK。

  • 烏丸、鳩井(カラスのいとし京都めし)
烏丸は長命のカラスで、人間や人間の食事に興味を抱いたことで人間の若い男に化け、人間として暮らし京都の美味い食べ物に舌鼓を打っている。家賃などを稼ぐために居酒屋でバイトをしている。
鳩井も鳩が人間の男に化けてバイト生活をしている。
両者とも酒(奈良漬けなども含む)で酔うと元の姿に戻ってしまう。

作中に登場する動物の一部は人語を話す他にもいくつかの特殊能力を有しており、その内の一つに人型に変身するというものがある。
変身時は動物時に受けていたダメージが完治し、身体能力も約5倍にも上昇する。


小説

  • 有翼猫(ウィングキャット)(魔獣戦士ルナ・ヴァルガー、魔獣戦記ネオ・ヴァルガー)
魔導師によって人為的に作られた使い魔の一種で、本来の姿はその名の通り翼を持つ猫だが、人間体に変身する事が可能。ちなみに大事な所は毛皮が服替わりになるため、見た目は軽装または水着姿となる。
ただ、元々四足歩行する生き物が無理やり二足歩行するため、長期の人間変身は身体に負担がかかる模様。
ちなみに人間の姿なら人間との交配も可能らしく、『魔獣戦記ネオ・ヴァルガー』では権力者の部下兼愛人になった亜種「蝙蝠猫(バットキャット)」のメスが人間の息子を産んでいる。


ゲーム

ご存知ラティオスと対をなすポケモンにしてみんなの嫁。
アニメや漫画では人間の女の子に変身する能力を持っており、初登場である映画『水の都の護神 ラティアスとラティオス』ではヒロインの一人であるカノンに化けたものの、言葉を喋ることはできなかった。この映画のラストシーンに2通りの解釈があるのも、当該シーンのカノンにセリフが一切ないのが最大の理由。
一方で漫画『ポケットモンスターSPECIAL』においては、テレパシーで会話が出来るようになっている。
ただしこちらの人間体は厳密に言えば変身した訳ではなく、羽毛で光を屈折させ人間に見えるようにしているだけである。そのためか様々な衣装に着替えていた。

元々は犬だったが、野球仙人の力で人間になった。言動と行動が犬っぽいが、本人は否定している。
全国大会で優勝しないと死んでしまうという条件を課されており、主人公は優勝しようとするが…

…というのが表サクセス。「人になれる」ではなく「人にされた」というほうが正しい。

裏サクセスである秘密結社編で登場した際はライカンという種族であり、狼と人間の姿の両方になることができる。
メモリーの場合、犬にしか見えない。


アニメ

狸たちが「化け学」という技術を使って人間などに変身することができる。
ただし練習が必要で、どれだけ修行を積んでも変身出来ない狸も存在する。また、変身には体力を使うようで、イモリの黒焼きや栄養ドリンクを適宜摂取する必要がある。
人間以外にも様々なものへ変身でき、劇中後半では豪華絢爛な乱舞を見せた。
ただしそれはすでに死んだ狸たちの霊による幻とも言われており、思わせぶりな演出による幕切れとなって真偽は謎。

元々は普通の犬だった犬飼こむぎがワンダフルパクトの力で、同様に普通の猫だった猫屋敷ユキがシャイニーキャッツパクトの力(と味方側の総責任者としてのニコ様の追認)でそれぞれ人型に変身、そこからさらにプリキュアに変身できるようになった。
後にプリキュアを支援するメンバーである悟の飼いウサギの大福も、「プリキュアには変身できない」という制限付きで人間には変身できるようになる。
人型になれるようになってからは犬や猫の姿でも人語を喋ることができるほか、人間の姿なら*2グミやチョコといった食べ物も食べることも出来る(現実では人間用のお菓子は基本的に成分が濃すぎるためアウトで、チョコレートに至っては犬にとって猛毒)。
その反面「犬の姿・猫の姿で人語をしゃべると関係者以外にも聞こえる」、「人前で相互に変身した場合当然疑われる」、さらには「こむぎに関しては性格が変わらないため『外見年齢に対して不自然に幼い』『異常なほど身体能力が高いが、それを隠さない*3』という点も不審がられる可能性がある*4」など、女児アニメの設定としてはまあまあシビアめな設定がなされている。
このためか、自宅でも人の姿でいて問題なくなって以降のこむぎも含め、普通に犬・猫として過ごしている時間は長め。大福に至っては基本的に説得や作戦会議に参加する必要があるとき限定だった。
最終回において、プリキュアとしての責務が無事終わったことを理由に、各パクトをニコ様に返却したことで会話能力と共に喪失。これもハッピーエンドに終わったキッズアニメでは珍しいか。
ただしエピローグでは改めて会話能力が身についている。鏡石の力であることが暗示されているため、プリキュアとして頑張ってきたことに対するニコ様からのご褒美だったのだろう。



追記・修正は動物に変身できる方、もしくは動物から人間に変身した方にお願いします。

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最終更新:2025年07月03日 19:07

*1 動物(animal)と魔法使い(magus)をくっつけた造語と思われる。

*2 こむぎの飼い主でもあるいろはが何回も「人間の姿になってから(ならOK)」と発言しているため、会話能力と違って元々の姿ではアウトと思われる。

*3 「走る」「ジャンプする」などもだが、そもそも犬は動体視力も人間とは比べ物にならないほど高い。

*4 たださすがに「いろはの飼い犬が変身している」を説明なしで見抜いた人物は出なかった。