初出:第147話
名前の初出:第614話
声(黒ずくめ役/ドラマCD第1弾):浜田賢二
声(ドラマCD第8弾):堀内賢雄
概説
ギーベ・ゲルラッハの一覧
- 本稿の人物
- ライゼガング系の貴族(三年間の試用期間を経て正式に任じられる予定だったが、試用期間中にグラオザムに殺害される)
家族構成
容姿
髪の色:紫
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瞳の色:灰色
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上背はそこそこあるが、腹が少しばかりたるんでいる(09年冬時点)。
12年春には、腹が締まって体つきが変わってきている。
地位
階級:中級貴族
職種:文官、子爵、
ギーベ・ゲルラッハ→アーレンスバッハ貴族
年齢と属性関連
影武者
本人の影武者が三人は存在する。
- 15年春にエーレンフェストの神殿に押し入ろうとした影武者(戦闘特化のシュミル達に切り伏せられた)
- 15年春に西門にいたギュンター班長から蹴り飛ばされローゼマインのお守りで爆散した影武者
- 15年春に北門にてヴィルフリートに捕らえられた影武者
作中での活躍
ゲオルギーネに
名捧げした、
旧ヴェローニカ派の中心にいる貴族。
アーレンスバッハから
ガブリエーレと共にエーレンフェストへやってきた上級側仕えが
マティアスの祖母であり、上級並みの力を持っていてもライゼガングに頭を押さえられていたため、色々と思うところがあった。
神殿長と交流が深く、貴族ではない彼を上位の者として扱っていた。
自分の親族やヴェローニカ派しかいないようなプライベートの場では公然と
ローゼマインの事を平民と蔑んでいた。
身食いや兵士を従属させ、使い捨てている。
ジルヴェスターの洗礼式で彼が次期領主だと
ヴェローニカが吹聴し、
先代アウブも領内のギーベ達に向かってこれを否定しなかったため、次期領主取り消しとみなされて婚約を解消された失意のゲオルギーネを、慰め、励まし、側近の一人として精神的に支えた。
その一方で彼女が補佐するに値する人物でなければジルヴェスターを次期領主として仰げないとし、ゲオルギーネがジルヴェスターに次期領主教育を施すことを提案した。
ゲオルギーネによる厳しい教育(ヴェローニカから受け、辛さに耐えながら成し遂げた教育そのものである)から逃げ出し、泣きわめき、嫌がり、「次期領主は姉上がなればいい」と言い放つジルヴェスターの姿を見て、ゲオルギーネに支えられるほどの価値がないと見切りを付けた。
ジルヴェスターを排除しゲオルギーネが次期領主になれるよう、忠実な側近を得る手段として名捧げがあることを教え、ヴェローニカをお手本に決して裏切れない味方を増やし立場を固めるため、ジルヴェスターがシュタープを手に入れるより先に名捧げ側近を確保するよう助言。
自分の名をゲオルギーネに捧げつつ、ヴェローニカ派の同世代貴族の中から、年齢(寿命)の関係でヴェローニカに名捧げすることをためらっている人物の情報を集め、ゲオルギーネが彼らを説得して名捧げ側近に取り込めるよう尽力していた。
「エーレンフェストの礎へ至る道を見つけてしまったようだ」という意のゲオルギーネからの手紙を受け、名を捧げた十名程と共に、迎え入れやすい地盤作りを画策する。
領主一族や側近の能力を試した上で今の地盤の脆さを示して中立派を取り込み、また
ヴィルフリートに汚点を付けてから救う事で、
領主を苦しめつつもヴィルフリートおよび旧ヴェローニカ派を取り込む為、白の塔事件の計画を練った。
領主の側近から聞いた
フェルディナンドの優秀さを警戒し、不在である収穫祭の時期に決行する事となり、ギーべである自分は直接ゲオルギーネの為に動けない事を悔しがった。
結局、白の塔の事件ではローゼマインが中心となってヴィルフリートを救済し中立派も流行発信などによって切り崩されたため、ヴィルフリートは旧ヴェローニカ派を敵視するようになり派閥は弱体化するなど苦境に立たされる結果となった。
ちなみに、ヴィルフリートは周囲から教えられていなかったもしくは理解していないのか、首謀者にして祖母に似ているゲオルギーネひいてはディートリンデに対して悪感情はもっていないようである。
ジョイソターク子爵に
ビンデバルト伯爵の私兵を譲渡しており、私兵は9年冬の
ローゼマイン襲撃に使われたため関与を疑われ、尋問を受ける。
(後日、ゲルラッハ領での直接対決の際、ローゼマインの騎獣を直接襲った男本人の声だとローゼマインが認識し、グラオザム自身もローゼマインの騎獣に見覚えがある発言をしている。ただし、前述の祈念式中にギーべ・ゲルラッハとして挨拶をした男とは声が違っており、そちらは影武者の1人だったと示唆されている。その場合、本人が祈念式襲撃の際にどの様に動いていたかは不明。)
グラオザム夫婦が共にゲオルギーネに名捧げしていることもあって、マティアスの兄二人は13年夏にゲオルギーネに心酔して名捧げを行った。
その際、ゲオルギーネがエーレンフェストの礎を手に入れ、アウブとして必ず戻ってくると宣言した為、感極まって言葉を詰まらせ、珍しく喜びに満ちた姿を見せた。
一方で、マティアスには期待せず目をかけていなかったためか、マティアスは心酔はしておらず自身の判断のもと名捧げを逃れた。
ちなみに、マティアス自身は家族の事を名捧げにより翻弄された者の一例と考えている。
疑わしくても証拠がないため処分できずにいたが、13年秋の聖典盗難事件の
エグモントの記憶や同冬にマティアスよりもたらされた密会の証言により証拠が揃い、粛清が決まった。
しかし、捕縛するために踏み込んだ
ボニファティウスに気が付いたところで自爆し、証拠になりそうなものは腕しか残さなかった。
死亡を疑う
ボニファティウスの発言により、
メダルを使った処刑が行われたため、
シュタープを失う。
アーレンスバッハへと逃れ、アーレンスバッハ貴族として登録され、再びゲオルギーネに直接仕える事となった。
15年春の
エーレンフェストの礎争奪戦では、影武者を各地の陽動のため配置する。
ギーベの館に設置されている、緊急時に騎士団を移動させるための転移陣の存在を知らなかったため、陽動の第一弾としてイルクナーへの進行、1日か2日ほど空けてゲルラッハに第二弾の騒動を引き起こせばボニファティウスを城から誘き出せ、騎士団が騎獣で移動する時間を考慮すればゲオルギーネのために十分な時間が稼げると判断していた。
グラオザム本人はボニファティウスに対抗するため己の体の半分以上を魔術具にして、自身の後釜のギーベ・ゲルラッハを殺害し、ゲルラッハの館の礎を奪って籠城した。
ゲルラッハ周辺で戦っていた騎士達へ即死毒を放ち、ゲオルギーネに与していた旧ベルケシュトックの騎士ごと
ゲルラッハ騎士団長らを殺害する。
ゲルラッハの館でボニファティウスを迎え撃つ事を想定していたが、現れたのは暗殺したはずの
フェルディナンドに加え、
ローゼマインや
ハンネローレとそれに連なる者たちだった。
自分の命を犠牲にした魔術具により敵の魔力を利用して圧倒するが、ローゼマインから祝福を与えられた
マティアスに徐々に押されていく。この時漸くローゼマインの力を脅威と感じるようになり、自身に残るすべての魔力を使ってマティアスを退け、ローゼマインの騎獣から魔力を奪い始めるが、領主一族として扱われる程度の魔力でしかないと見誤り規格外の魔力によって魔力飽和を起こして、体の魔術具が金粉化してしまう。
最終的にローゼマインの護衛騎士達から黒の武器の攻撃を受けて戦死した。
後述のように自身に不都合な現状を無視して都合の良い面しか見ていないためか、白の塔の事件はローゼマインの救済がなくとも、ヴィルフリートは処刑や神殿入りの可能性が高く、当時の状況では斜陽気味かつ自派閥唯一にして旗頭の領主候補生ヴィルフリートを欠いた旧ヴェローニカ派の援護が本当に処罰を覆せるほどの力となれるのか、援護が成功してもヴィルフリートが嵌めた元凶に対して恩にきてくれるのかといった疑問が残る見通しであり、実際はフェルディナンドはジルヴェスターへの嫌がらせが目的だと断定する程利益が乏しい企みであった模様。
身食いを影武者や私兵として利用しローゼマインやその騎獣を蔑んでいたが、それらに魔術具や罠などが無効化された挙句、おそらくはグラオザムが用意したゲオルギーネの影武者が逆効果となって主であるゲオルギーネも討たれた。
心酔したゲオルギーネに魔力を捧げることはあってもこれといって報われたことは無かったらしく、マティアスにそれを指摘されると激昂し、「何故ここまで(命を懸けて尽くすのか)……」と問われるとマティアスの視線を避けるなどゲオルギーネへの忠誠に煩悶する様子も見られた。
一応、アーレンスバッハの貴族として登録されてはいたが、貴族の資格であるシュタープを失ったことから実質的には貴族として扱われるのはまず不可能であり、命を犠牲にした魔術具の使用もそうした背景もあっての事だと考えられる。
ローゼマインのことをある程度の魔力しかなくヴィルフリートの第一夫人として迎えるなどしてライゼガング派の不満を抑えるためのジルヴェスターやフェルディナンドの傀儡と見ていた模様。魔石の指輪で神々の祝福を与える・ローゼマイン式魔力圧縮方法の開発等ローゼマインの規格外といえる能力に関する情報を得ていたにも関わらず、土壇場となるまでローゼマインの実力を認めようとはせずただ下に見るだけであった。前述のゲオルギーネからの扱い同様平民が貴族を超える能力を持つといった自身に不都合な現実からは目を背ける傾向がみられ、ローゼマインの能力に対しての認識不足が敗因となった。
経歴
前7年以前
ゲオルギーネに
名捧げする。
08年春
祈念式で自領に訪れた青色巫女見習いの
マインと
フェルディナンドから挨拶を受け、小聖杯の受け渡しを行う
マインを誘拐する為、
ビンデバルト伯爵から借り受けた
身食い兵を使い、
ライゼガングの夏の館で襲うも失敗する。
関連し、
ベーゼヴァンスを招き、ビンデバルト伯爵、
ザイツェン子爵、
ダールドルフ子爵夫人らと、
グラーツ男爵の
夏の館で密談する。
09年夏 ゲオルギーネから手紙を受け取り、自身の夏の館にダールドルフ子爵夫人ら十名程を集め、収穫祭の時期に合わせた白の塔事件の計画を練る。
09年冬
ジョイソターク子爵にビンデバルト伯爵の身食い兵を譲渡する。
冬の洗礼式にて、ローゼマインを襲い
薬を飲ませ、連れ去ろうとするが失敗する。
襲撃に関して
ジルヴェスター夫妻、
カルステッド、
ボニファティウス、
フェルディナンドらから尋問を受ける
13年夏 自身の夏の館で、ゲオルギーネとゲオルギーネに名を捧げた者達とで密談する。
13年秋
ダールドルフ子爵夫人より、エーレンフェストの聖典の鍵を受け取り、
ベティーナへと送る。
13年冬 捕縛され証拠となることを避けるため、自爆を偽装して逃亡。
エーレンフェストのメダルは廃棄されシュタープを失うが、アーレンスバッハ貴族として登録される。
14年春 左手に義手の魔術具をした側近としてゲオルギーネに仕える。
15年春 ゲオルギーネのエーレンフェスト礎争奪に参加する。
陽動作戦か土地勘のあるゲルラッハ領に旧ベルケシュトック騎士団・ギーベ軍とともに侵攻し土地の魔力を奪う。
ギーベ・ゲルラッハの夏の館の制圧に成功し、混戦する戦場に向けて毒を散布した。
ローゼマインの護衛騎士達によって討たれた。
影武者の一人がエーレンフェスト神殿に押し入ろうとしたが、戦闘特化型シュミルに切り伏せられた。
影武者の一人が西門から入ろうとしたが、兵士達から汚物攻撃を受け
ギュンターから蹴り飛ばされ
ローゼマインのお守りで爆散した。
影武者の一人が北門から入ろうとしたが、
ヴィルフリートに捕らえられた。
作者コメント
【
2017年 06月08日 活動報告 2017/06/21 感想返し】
グラオザムは優秀ですよ。
この時(09年夏、白の塔事件計画の会合時)はトルークを使っていません。この後、計画を聞いたゲオルギーネから送られてきます。
最初の餌食は第三部Ⅴで馬鹿なことをする貴族です。(※
ジョイソターク子爵だと思われる)
>かつてのゲオルギーネのジルへの嫌がらせに加担していたのか
そうですね。ゲオルギーネと一緒に計画する方でした。
>策略はグラオザムでゲオルギーネ本人の能力は並レベル?
優秀さを出したところでアーレンスバッハの第一夫人がアウブ・エーレンフェストにはなれませんし、策略を立てるのは別にゲオルギーネの仕事ではありませんからね。
この時のゲオルギーネにとって大事なのは、言質を取らせずに自分の望む結果を得ることなのです。
描写上の不整合
(
コメントの議論よりまとめ)
ゲルラッハの礎を奪った際に「館の防衛機能を最高まで上げ」「血族、上位管理者である領主一族しか入れなく」したが(616話「ゲルラッハの戦い その2」)、マティアスが入れた以上(617話「ゲルラッハの戦い その3」)、血族であるグラオザム本人でなければならない。しかしこのグラオザムは「右手で
シュタープを振るった」(617話「ゲルラッハの戦い その3」)と書いてあった。後から設定が追加され、「メダルを破壊されたため本物のグラオザムはシュタープを使えませんでした」(640話「アルステーデの話」あとがき)とされたので、これは影武者となり、どうあっても矛盾となった。これを整合させるため、617話でグラオザムの右手はシュタープを持ってない描写に改稿された。それでも617話でグラオザムは光の網を使って
コルネリウスから「見覚えがある」と反応されたままなので、やはりシュタープ無しなのは無理がある。またグラオザムが617話で示した「オルドナンツ避け」も、シュタープが使用できないなら「銀色の衣装をまとい
オルドナンツが届かないように」する必要も無かったことになり(「シュタープを持っていない相手にオルドナンツは使えない」と325話「わたしが帰る場所」に明記)、筋が通らない。そもそもグラオザムがゲルラッハの礎を奪取した時にシュタープ抜きだったら、魔力の染め替えに時間・経済的コストが掛かりすぎて、侵略戦術上の妨げとなるはず(礎からの魔力の抜き取りは魔術具で可能にしろ、抜きすぎる前に魔力注がねば
夏の館である
白い建物は崩壊する)。
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