名前の初出(書籍版):第二部Ⅲ プロローグ
初出:第253話
声(ドラマCD第1弾):中根久美子
声(ドラマCD第8弾):渡辺明乃
家族構成
容姿
髪の色:金色
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瞳の色:緑色
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年を取ったディートリンデのような女
地位
階級:上級貴族→領主一族
職種:文官→領主の第一夫人→領主の母
年齢関連
作中での活躍
母親の
ガブリエーレは三人目の子を為した後、産後の肥立ちが悪くて亡くなってしまう。
弟が
神殿入りした数年後、跡継ぎ候補だった同腹の兄が早くに亡くなったため、実家を第二夫人の異母弟が継いだ。
肩身が狭い少女時代を過ごし(「ライゼガング系にチクチクと嫌味を言われ、実父はガブリエーレの死後すぐに第二夫人を昇格させ、同母の兄は亡くし、弟は神殿に入れられ、ヴェローニカ目線で考えると陰謀に囲まれ冷遇されていたと言える」)、神殿に入れられた同腹の弟に依存する。異母兄弟という存在が嫌い。
アーレンスバッハをなにかと優先し、自身のやることこそが全て正しいと信じている。
両親の血統の良さから、下位領地のエーレンフェスト内では魔力が高いことと、ガブリエーレに下位領地の領主夫人が務まらない為、
ガブリエーレの夫を次期領主から
ギーベに降ろすということを
アウブ・アーレンスバッハと協議した際に、ガブリエーレの子供をエーレンフェストで教育して領主または領主夫人にする旨の契約が交わされたことから、領主夫人となるべく育てられた。
ヴェローニカが初めて領主の第一夫人として
領主会議に出席した際に、当時のアウブ・アーレンスバッハが、言祝ぎと後ろ盾宣言と、
ライゼガング系貴族がガブリエーレを不幸にした元凶であるとの決めつけと睨みをしたことを契機に、横暴な振る舞いをし始めた。
母と兄を失い弟を神殿送りにされたことが引き金となって自分を守るための毒の知識を得るようになり、領主と確実に星を結ばれようとしたことが切っ掛けで毒殺を始めるようになった。
カルステッドを次期領主にさせないために、洗礼前の幼いゲオルギーネに「絶対カルステッドに負けてはならない」と言い聞かせて厳しい教育をしたり、ジルヴェルター(男子)の誕生を得てアーレンスバッハに連絡を取り、ジルヴェスターを次期領主にする為の後押しを頼んだり、カルステッドに嫌がらせをしたりした。
カルステッドを領主候補生から降ろせたことは、嫌がらせや根回しによって敵を排除できた成功例となり、それまで以上に増長するようになった。
このようにヴェローニカの権力は、アーレンスバッハとの繋がりに由来するものが大きいが、年月と共に関係が薄れていったことから、ゲオルギーネを
アウブ・アーレンスバッハの第三夫人にしたり、ジルヴェスターの嫁にアーレンスバッハの娘を宛がおうとしたりした。
母が築いた勢力を引き継ぎ、
ヴェローニカ派を作り上げ、アーレンスバッハの後ろ盾を背景に、ライゼガング系をあからさまに冷遇したり、
イルムヒルデの派閥を散らしたりすることを通じて、上級貴族を抑え込めるほどになった。
領主夫人として、そして夫が亡くなった後はますます権勢を振るい、ライゼガング系の上級貴族たちを排斥し、憎まれた。
子の教育
ライゼガングの血を引くカルステッドを次期領主にしない為に、洗礼式前の幼いゲオルギーネをかなり厳しく教育した。
該当教育の中には、
名捧げも含まれている。
その一方で、待望の男子であったことと、次期領主は男の方が、と周囲に言われたこともあって、ジルヴェスターを可愛がった。
幼少時から問題児であったジルヴェスターに対し、側近らが縛り付けてでも勉強をさせようとするのを止めることはなかったが、ゲオルギーネに対して行ったような厳しい教育を施すことはせず、ジルヴェスターのために側近達から成果を奪うこともあった。
その一方で、ゲオルギーネによるジルヴェスターへの虐めを感知した
リヒャルダに対し、そういった事への対処を身につけるのも必要と口出しを禁じたりもした。
ゲオルギーネを次期領主から外し、ジルヴェスターを次期領主に据えた上で、ゲオルギーネに対して、ジルヴェスターの補佐をして共にエーレンフェストを支えていくことを望んだが、ゲオルギーネが領主の地位に固執してジルヴェスターとどう考えてもうまくやっていけないと判断した為、アーレンスバッハに第三夫人として嫁がせた。
ヴェローニカとしては、ゲオルギーネへの教育は厳しかったものの性別的に不利なゲオルギーネが次期領主になるためには必要不可欠な教育であり、性別の差で有利なジルヴェスターを恨み毒まで盛ったせいで領地に残せなくなった娘のため上位領地と縁談の交渉までしており、母親として愛情一杯に娘を育てたつもりである。
ヴェローニカにとって
フェルディナンドは、第二夫人を娶らないことを受け入れてくれたはずの夫がどこからともなく連れてきた優秀な男児で、ゲオルギーネをアーレンスバッハに出してでも次期アウブに据えようと思った可愛い末っ子長男のジルヴェスターを脅かす存在だった。
洗礼式までにフェルディナンドを消そうと試みており、その後もフェルディナンドを徹底的に嫌い、役立たずは必要ないといった言動で追い詰める。幼い頃からフェルディナンドと2人での会食時には毒入りの食事にする、気に入ったものや成果を取り上げるなど様々な虐待を行っていた。優秀な成績を上げれば後ろ盾もないのに実行不可能な領主の座を奪われると思い、命を狙うなど様々な理不尽な仕打ちを与え続けた。
ユストクス曰く、ヴェローニカのこうした所業が皮肉にもフェルディナンドの能力を鍛え上げる結果となった。人間関係の構築に影響を及ぼしてもいる。
孫の教育
ジルヴェスターにはアーレンスバッハから嫁を宛てがおうと考えていたが、息子本人がその意に反して
フレーベルタークから
フロレンツィアを娶ってしまった。
そのためフロレンツィアを疎ましく思い、
ヴィルフリートを一方的に取り上げ、自身の住まう東の離れに囲った。
ジルヴェスターによく似た初孫であるヴィルフリートを殊の外可愛がり甘やかす。
ローゼマイン曰く(ジルヴェスターを含めて)情は深いが駄目な甘やかしをする人とのこと。
実際には、ジルヴェスターが自分に反抗してフロレンツィアを娶ったことから、「今度こそ」という意識を元に、おとなしく自分に服従することを主軸に教育しており、具体的には自分の言う通りにしなかった場合だけ叱り、必要な教育から逃げても放置するという代物だった。その為、目のある者には自分の意のままになる人形のようなアウブにしたかったのだろうと見抜かれている。
ジルヴェスターの認識不足と放置も合わさった結果、ヴィルフリートは最低限の教養もない状態となっていたことから、ライゼガング系貴族はヴィルフリートの教育失敗を理由にヴェローニカを追い落とす計画を立てていた。
なおこの計画が成功して廃嫡されていた場合は、ヴィルフリートは神殿に入ることになり、仮に教育状況を把握した場合はヴェローニカはヴィルフリートに対して、ある程度の時期から手のひらを返したように厳しくなり、「ジルヴェスターができていたことができないなんて、やはり母親の血が悪いのかしら?」と言うなど、自分の失敗を他人に責任転嫁するだけで何らかの対応やフォローする気もないらしく、廃嫡を回避できるのかも不明。
その一方で、フロレンツィアに面差しの似た
シャルロッテには、祖母としての愛情を全く注がなかった。
派閥の長として
長年に渡り旗頭として権力のトップに立って派閥争いを続け、前述のフェルディナンドやフロレンツィアを始め、
エルヴィーラや
ギーベ・ハルデンツェルなど数多くを攻撃対象としていた。
領主一族に近い立場のカルステッドには第二夫人として自派閥の
トルデリーデを押し付け、その息子の
ニコラウスを跡継ぎに推す事で家督に介入しようとしたり、その息子夫婦である
エックハルトと
ハイデマリーはフェルディナンドについたためその毒殺に関与するなど、間接的な方法から犯罪行為まで手段は問わない。
時には、罪を作っては連座をちらつかせてライゼガング系の貴族を追い詰めたりもしていた。
中でも特筆すべきは
ダールドルフ子爵の跡継ぎを十分な魔力持ちで自身の派閥に属してもいる
イェレミアスではなく、神殿に預けられるほど跡継ぎとしては魔力が不十分な
シキコーザにすえようという、自身に名捧げした子爵の意向を無視してゲオルギーネに名捧げしている
グローリエの我侭の後援を約束するという行動であり、このことからも自分勝手あるいは自分の感情だけで方針を決めていたと考えられる。
しかし、ジルヴェスターの支持勢力基盤にして領地内で一番の派閥の長というその立場の強さや、ジルヴェスターやアーデルベルトが身内に甘い事もあって何年ものあいだ誰もが決定的な糾弾には至らなかった。後述の公文書偽造行為における杜撰さと事の重大さや状況を理解していない言動から犯罪行為などは基本名捧げをした信頼している部下任せで、自身で動くことはなかった模様。
ちなみに、公文書偽造の罪は
リヒャルダや
ヤンリックも「(それほどの罪ならばこの処罰も)仕方ない」と納得するほどの重罪だった。
07年秋にシキコーザが命令違反の罪を問われた際にはグローリエの嘆願を聞き入れ、貴族達に根回しをした上で処罰内容を考え直すようジルヴェスターに働きかけていた。ただしジルヴェスターが判断を翻さなかったためシキコーザは処刑されている。
幽閉へ
そんな中、カルステッドが呆れるほどの内容・量で行われた弟(前神殿長、すなわちベーゼヴァンス)の悪事も庇い続けていたが、自身が公文書を偽造したのが決定打となり、息子のジルヴェスターに裁かれ
白の塔に幽閉され、魔力を搾り取られるだけの存在となる。
後に白の塔へ訪れたヴィルフリートやゲオルギーネには、幽閉されたのはローゼマインやフェルディナンドの陰謀だと語る。だが幽閉を決断し実行したジルヴェスターのことは庇い、己が行った罪については伝えなかったことから、状況を理解しているのか疑問が残る状態だった。
ヴェローニカ派には、公文書偽造などの罪もローゼマインやフェルディナンドが仕組んだ冤罪でジルヴェスターをだましていると主張している者もいる。
14年の礎争奪戦の時も幽閉中であり、捕縛された当初からヴェローニカの中では時間が止まっており、14年時点でも政変で負け組となったフレーベルタークとの繋がりのせいでエーレンフェストが苦しい立場にいると思い込んでいた。フロレンツィアに、フェルディナンドは大領地アーレンスバッハを治めるに相応しい者として次期領主の配偶者に王命で選ばれ、その礎の魔術はローゼマインが手にしていると知らされ、拠り所にしてきたアーレンスバッハの血筋に価値がないと言われ愕然とした。
子供を傀儡化するヴェローニカの教育方法は、そこに注がれる愛情の有無は別としても、やり方としてはそのまま娘のゲオルギーネに受け継がれている。
敵と見做した者への苛烈な攻撃性もそのままゲオルギーネに受け継がれ、自身は可愛がっていたジルヴェスターへの虐めへと繋がる歪な家族関係を生み出した。
また、義務よりも私欲を優先し、犯罪など事の善悪もわからず自分のやること全てが正しいとする自己中心的な性格は、孫であるディートリンデまで脈々と受け継がれたと言える。
そしてこれらの自分が一番という資質は後に、娘や孫娘たちによる国への叛逆という大きな犯罪行為へと繋がっていき、自身のアイデンティティーであるアーレンスバッハも取りつぶされることとなった。
経歴
(年代はマインの誕生を0年とする)
前43年夏 誕生
前36年夏 洗礼式
前33年冬 貴族院入学
前28年冬 貴族院卒業
前27~前26年頃春 領主会議で星結びをし領主夫人になる
前24年冬 ゲオルギーネを出産
前23or前22年 コンスタンツェを出産
前18年春 ジルヴェスターを出産
前06年春頃 フェルディナンドの母親になるのを拒絶
01年秋 春に生まれた初孫であるヴィルフリートを息子夫婦から取り上げ、自分の離れに囲い込む
03年春 夫の死亡に伴い、息子のジルヴェスターがアウブに就任する(=領主会議での承認)
次期アウブである孫を手中に収めている事からも、ますます領内を恣にする
06年頃 魔力供給以外の政務から引退する
07年冬 ヴィルフリートの
洗礼式を取り仕切る
08年春 領主印の無断使用による公文書偽造と他領貴族を引きいれた罪で森の白の塔に幽閉される
15年春 フロレンツィアからアーレンスバッハの現状を中途半端に知らされる
作者コメント
【
2016年 06月09日 活動報告返答】
ヴェローニカは本当にフェルディナンドが嫌いでした。
第二夫人を娶らないことを受け入れてくれたはずの夫がどこからともなく連れてきた優秀な男児で、ゲオルギーネをアーレンスバッハに出してでも次期アウブに据えようと思った可愛い末っ子長男のジルヴェスターを脅かす存在ですから。
【
2017年06月08日 書籍感想受付 6月21日コメント返し】
(7歳までヴェローニカはなにを教えてたんだろって疑問に思っちゃいました。)
貴族らしく振る舞い、おとなしく自分に服従することでしょうか。ジルヴェスターが反抗してフロレンツィアを娶ったので、「今度こそ」という意識が強かったですね。
【
2018年 02月21日 Twitter】
>キャラ設定
読者様には意外かもしれないが、ヴェローニカやトラオクヴァールは多い方。
【
本好きの下剋上 設定等まとめ ふぁんぶっく3 はみ出たQ&Aコピーシテペッタン】
(アウブ・エーレンフェストに対し)ライゼガングは協力的でした。ヴェローニカが権力を持ったのは、アーレンスバッハの横槍が入ったからです。
【
本好きの下剋上 設定等まとめ ふぁんぶっく4 はみ出たQ&Aコピーシテペッタン】
ゲオルギーネを第三夫人としたのにヴェローニカが期待していたような繋がりになっていなかったため、年月と共に薄れていくアーレンスバッハとの関係を強化するためにジルヴェスターの嫁も(アーレンスバッハの領主候補生から娶ることを)求めました。
【
2020年 03月10日 活動報告 2020年 04月10日 感想返し】
自分に忠実な臣下を得るために母親から名捧げについて教えられたヴェローニカは、カルステッドを退けてゲオルギーネを次期領主にするために教えました。ですが、当然のことながらゲオルギーネに名捧げをした者はゲオルギーネに使えます。自分の臣下を娘に奪われていき、自分の勢力が削られていくわけです。
そのため、ゲオルギーネがアーレンスバッハへ移動した後、ジルヴェスターには教えませんでした。
【
2022年 03月06日 Twitter、
Twitterその2】
ヴェローニカが第二夫人を受け入れられる女性だったら、アーデルベルトではなくボニファティウスに嫁いでいました。
その場合はアーデルベルトが領主にならず、フェルディナンドがエーレンフェストに引き取られません。
ゲオルギーネやジルヴェスターも生まれないので、領主一族が大きく変わります。
『本好きの下剋上』が成り立たないので困りますね。
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最終更新:2024年12月07日 21:43