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*信長の野望 大志 【のぶながのやぼう たいし】 |ジャンル|歴史シミュレーションゲーム|CENTER:&amazon(B074G2VSY4)&br()※Switch版|CENTER:&amazon(B074G31LY4,image=https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/812VRoBrWTL._SL160_.jpg)&br()※PS4版|CENTER:&amazon(B074G1WHMK)&br()※Windows版| |対応機種|Nintendo Switch&br()プレイステーション4&br()Windows 7/8.1/10|~|~|~| |発売・開発元|コーエーテクモゲームス|~|~|~| |発売日|2017年11月30日|~|~|~| |定価|通常版 / TREASURE BOX&br()【Switch/PS4】8,800円 / 12,800円&br()【Win】9,800円 / 13,800円(各税別)|~|~|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|~|~| |~|BGCOLOR(khaki):''黒歴史''|~|~|~| |ポイント|&bold(){全ての戦国好きに捧げる、最悪の戦国体験}&br()あらゆる要素がことごとく薄く面倒くさい&br()劣悪なUI&br()謀略家&内政家涙目&br()たかり外交&br()BGM・武将数・武将の顔グラは好評|~|~|~| |>|>|>|>|CENTER:''[[信長の野望シリーズリンク>信長の野望シリーズ]]''| ----- #contents(fromhere=true) ----- **概要 信長の野望シリーズ第15作目でシリーズ35周年作品。~ 「全ての戦国好きに捧げる、最高の戦国体験」をテーマとし、「志システム」を目玉システムとし、各種新要素を取り入れた。~ 発売前には各メディアにて大々的に宣伝をし、実質的な前作「[[創造 with パワーアップキット>信長の野望 創造#id_ef1b0544]]」(以下創造PK)が好評だったため、大きな期待が持たれていたが……。 **特徴 ''志システム'' -本作は各武将に内政、軍事、外交等に対する考え方「志」を持っており、それに従い行動する。その数は50を超える。 --織田信長をはじめ、武田信玄、上杉謙信等有名武将には固有の「志」が存在する。 --志には特性(スキル)が存在し、条件を満たすと追加の特性も獲得できる。 --前作の政策を発展させたものであり、大名の志に応じた補正が得られるがデメリットも存在する((織田信長の場合、兵農分離と楽市楽座となり、足軽を安く雇えるが農兵の兵糧収入が減り、商圏の成長速度が速まるが、独占が出来ない等といった補正がかかる)) ''全体の流れ'' -「創造PK」と同様に政略フェイズと進行フェイズに分かれ、政略フェイズで決定した命令を進行フェイズにて実行する。 --前作と同様に条件を満たして惣無事令を発するか、全国を統一する事でクリアとなる。 ''評定と方策'' -季節毎に「評定」が行われ、参加した武将の提案を受け入れる事で4つの「施政力(農業、商業、軍事、論議)」を獲得し、施政力を消費する事で様々なメリットが得られる「方策」を開放していく。 --施政力を消費する事で4つのツリーからを方策を開放していく。農業の方策ならば「指出検地(兵糧収入増加)」、軍事なら「足軽重用(足軽募兵速度上昇)」等 ---方策のツリーは大名の志によって変化する為、代替わりによって大名の志が変わり、実行出来なくなった方策が出た場合は施政力に戻される。 --評定に参加する武将は選ぶことが出来ず((方策により、新参を優遇したり、古参を優遇したりする事が可能))、また、施政力の種類もランダムであるため、気に入らなければ一度だけ振りなおす事が可能。武将の能力に応じて施政力の上昇に補正がかかる((「統率」が高ければ「軍議」が、内政が高ければ「農業、商業」が、「知略」が高ければ「論議」が上がりやすくなる)) --また、特定の武将を登用する事で固有の方策を開放する事が可能となる。「佐々成政のさらさら越え」や「山県昌景の赤備え」等が該当。 ''商業'' -今作では主に支配地の「商圏」に「進出」ないし「投資」を行うことで金銭収入を得る。 --地方によっては特殊な商圏も存在する。特定の商圏は鉄砲等物資も得られる場合がある。 --親善関係(通交条約あるいは同盟関係)にある他国の商圏に進出することも可能。逆に他国が自支配地域の商圏に進出してくる場合もあり、その場合は収入は折半となる。 ---他家を招き入れる事で商圏内で競争が行われる為、商圏の成長速度が速まる。また、商圏を独占する事で他家を一方的に締め出すことも可能。ただし、独占を行うと外交で悪印象を持たれる。 ---地方のすべての商圏を支配し、一定の規模まで発展させる事で商圏が合併し、「大商圏」へと成長する事が可能であるが、他家が進出していた場合は不可能であるため、大商圏を作る場合は独占は不可欠である。 ''軍事'' -今までの作品とは異なり、「兵農分離」が肝となっている。農業に従事している民は「農民」として、従事していない民は「流民」として扱われ、農民は「農兵」に、流民は「足軽」として募兵する事が可能。 --農兵は兵糧収入が減るが金がかからず、お手軽に揃える事が可能。ただし、足軽に比べると弱く、決戦が長引くと戦に不慣れであるため戦意が落ちるといった要素がある。 --足軽は金銭を多く使用する為、揃える事が難しいが、戦専門の兵であるため、農兵よりも強く決戦が長引くと戦意が上がる。 ---また、農兵と足軽にはそれぞれ強さのレベルが存在し、方策などで上昇する。織田家では足軽が強く、長宗我部家では農兵が強いといった特徴が表現されている。 ''農業'' -今作では開墾や肥料を撒く等リアルに沿ったコマンドが用意されている。 --命令できるのは3、6、9、12月の4回だけである。 --農業を行う事で兵糧収入を増やす事が可能であるが、農業に従事させることで流民が減り農民が増えるため、足軽を重視する場合は割合を考える必要がある。 ''外交'' -ベースは「創造PK」と同じで、親善行動により「心証」というポイントを貯め、心証に応じて援軍要請や同盟等が可能となる。 --本作では合戦を行うには外交で「宣戦布告」をする必要があり、交戦状態を解除するには「講和」を持ちかける必要がある。この際に相手から出される条件を飲む事で交戦状態を解除する事が可能。 ---本作では戦で消費する兵糧が増えたほか、戦が長引くと厭戦気分が漂い、住民感情が悪化するといったリスクが増えた事により、講和を持ちかける事も重要な要素となる。 ''開発'' -発売当初は存在せず、アップデートにより追加された要素。前作の箱庭内政に相当する。 --武将に命じる事によって領内に施設を設置する事が可能、施設によって収入を増やしたり人口を増やす事が可能となった。 ''合戦'' -マップ上で味方と敵がぶつかると、「決戦」に突入する。「創造PK」で言う「会戦」であり、各武将を操作して敵軍の壊滅を目指す。 -決戦の勝利条件は、「敵部隊全滅」「敵総大将の壊滅」「戦況ゲージを青一色にする」の三点 --戦の前に軍議が開かれ、武将から提案された「作戦」を決める。「本陣斬り込み((斬り込み部隊が特定の時間までに本陣を見つけると強攻状態となり能力が大きく上がる))」「囮挑発((囮部隊を作り、一定時間ごとに周囲の敵部隊を引き付ける))」「全軍突撃((一定時間一切操作不能になるが、攻撃力が大幅に上がった状態になる))」等の種類があり、作戦によって戦い方が大きく変わる。 ---「釣り野伏」や「車懸り」などの専用の作戦も存在する。 --また、戦場の規模が存在し、決戦を行った場所によっては狭所である為、''ほとんど兵がいない''状態で戦わなければならないこともある。合戦開始後に徐々に合流する形で兵が増えていくが、一歩でも動かすと兵は増えなくなる。 ---極端に狭い戦場の場合は数百人規模の部隊となり、合流速度も雀の涙であるため、ほぼ増援はないに等しく、互いに同等の兵力で戦う事を強いられる。 ---この為、ゲーム終盤などで大兵力でごり押しが非常にやりづらくなった。裏を返せば弱小勢力でも対抗することが可能になったとみるべきか。 --部隊ごとに「戦意」が存在し、状況に応じて上下する。戦意がなくなると潰走状態となり、操作できなくなるほか被害が出やすくなり、戦況ゲージの悪化にもつながる。 ---先述の通り、農兵は決戦が長引くことで戦意が下がり、足軽はその逆であるため、ふとしたことから戦況がひっくり返る事が多々ある。 ---- **問題点 -劣悪なUI --本作では明らかにスマートフォン用ゲームを意識したUIとなっており、それが逆に足枷となっている。先述した通りのアイコン問題、更に各種情報ウィンドウが大きすぎて、視認性が劣悪である。 --武将を移動させる際に一覧からソートができない。 -それまでのシリーズとは異なり、大名を選んだ後に難易度などの各種設定が表示されない為、シナリオ選択し、大名を選択するといきなりゲームが始まってしまう。 --各種設定はシナリオ選択時に''目立たない箇所にあるアイコンを選ぶ''ことで呼び出す事が可能。 --初心者が各種設定に気付かずに中級難易度でゲームを開始してしまったり、チュートリアルを切りそびれて延々と説明を受けるといった不親切な設計になっている。 -意味のない内政 --パラメータを上げたことによる効果は発展した、強くなった&bold(){ような気がする}程度の効果であり、軍備強化してさっさと攻め込んだほうがいい。故に内政値だけが高い武将が「死に」武将に。 ---規模が小さな勢力だと、金がない→内政をする→効果が雀の涙→金が貯まらない→軍備増強できない→そのうち攻め込まれるのパターンに陥り、&bold(){もれなく詰む。} -決戦を回避できない --スキップすることは可能だが、勝敗および兵力の損害の計算は単純に数字だけで判断する模様で、結果敵味方双方とも損害が大きく出てしまう。結局損害を減らすために、決戦をするはめになる。弱小勢力だと尚更。 -朝廷の存在が無意味かつ邪魔 --たまに金銭を要求してきて、その見返りに官位を貰えるが、今作の官位は外交にほとんど影響を及ぼさない。なお、断ると当然の権利のように心証が悪くなる。 -またもやカットされた調略と軍団。 --今作では引き抜きや暗殺等の調略が存在しない。忠誠度が低い武将は自ら出奔していなくなるだけであり、引き抜かれたり寝返ったりはしない。前作の無印と同様に''クリーンな戦国''となっている。 ---よって、過去作で重要な意味を持った「知略」のパラメーターがほぼ無意味なものに。(今作の「知略」は決戦時の部隊の防御力と評定時の施政力の上昇に影響するだけ) --軍団の要素もカットされてしまい、すべての合戦を自分で行う必要がある。 ---宣戦布告しては後は軍団に委任といった事は出来ない。 --そもそも前作の時点で調略や軍団をカットしたことによって非難を浴び、PKにて実装されたのだが、再びカットしてしまっては元の木阿弥である。 -操作に統一性がない(PS4版) --今作はコマンドの決定/拒否の表記が「はい/いいえ」「YES/NO」等ではなく、「○/×」のアイコンとなっている。PS4版ではなんと決定が「△ボタン」であり、「○」のアイコンを見てついつい○ボタンを押してしまいがち。さすがに拒否は×ボタンだが……。 ---これだけならまだマシなのだが、○ボタンで決定するコマンドも存在しており、操作に統一性が全くない。一応○アイコンの上に小さく△と表記されてはいるが……。 -外交 --金品を他国に要求しようとすると、なんと相手から条件として同盟締結を提示される。前作までは同盟を結ぶために金品や人質を渡したりしなければならなかったのだが……。 ---つまり同盟を結びたければ、&bold(){相手に金品を要求すればいい。} --外交可能勢力の制限 ---隣接している勢力としか外交ができない。標的の向こう隣の勢力と共同で攻め込む、つまり「挟み撃ち作戦」をすることができない。 --リアルにしすぎた外交関係 ---特に「同盟国の同盟国」の扱いが非常に厄介。攻め込もうとすると、同盟国の心証だけではなく、無関係の周辺国にも「不義理な奴」と判断され、外交関係が一気に悪化する。 -家宝入手がランダムイベントに --本作では[[家宝を自発的に購入することができず>信長の野望 覇王伝]]、家宝を入手するには献上品として家宝をくれる商人を待つしかない。 --ランダムイベントになったため、家宝のコンプリートが非常に困難となっている。 -志を体感できるのは大名まで --大名以外の武将にも志が設定されているが、イマイチ体感できない。 ---所属する大名家を滅ぼせば問答無用で所属武将を総取り出来るため、高橋紹運や山中鹿之助といった義将がホイホイ降伏するのに違和感を感じる部分がある。武将によっては絶対に降伏しないといった個性があればよりそれっぽく見えるのだが… -発売当初の惨状 --「創造」「創造戦国立志伝」と同様に発売当初は様々な要素が欠けており、アップデートによって対応されたものの大きく評判を落とす事になってしまった --決戦をスキップ不可能。どんな小さな決戦でも必ず操作する必要があり、ゲーム時間の大半が決戦で費やされる事になった --「開発」コマンドが無かったため、武将を集めた所でやる事が無く、ニートと化してしまう。能力が高い武将が居ても評定で発言しなければ宝物持ち腐れとなってしまうのも痛い所。 ---それまでのシリーズとは異なり、政治力の高い武将を奉行にして素早く領地を発展させるというものではなく、あくまで商圏や農民に指示をするだけなので、''評定と合戦と外交の使者以外に武将がいる意味はほぼなく''、せっかくのシリーズ最大数の武将数が生かされていない ---場合によってはある程度発展するまで「''商圏に一回投資してターン終了''」といった、''まるでシリーズ初期のようなシンプル過ぎる内政''を強いられることもあった。 ---開発コマンドの追加によって、従来のシリーズのように武将を奉行に命じることが出来るようになり、ようやく出番が出てきたという所か --商圏の一括進出、一括投資といったコマンドがなかったために、一つ一つの商圏を調べながら投資する必要があり、煩わしかった。 **賛否両論点 -「決戦」の仕様 --ほとんどの決戦の勝利要因が「戦況ゲージを青一色にする」ことであるため、精鋭部隊を編成するより、烏合の衆で奇襲し、一気に戦況ゲージを振り切らせたほうが早い。 -攻城戦が存在しない --「創造 戦国立志伝」では存在していたのに、今作ではオミットされている。 -武将の顔グラフィック -『[[三國志13]]』と同様に有名武将には平時と合戦時の2種類のグラフィックが用意された。さらには前作の年齢による顔CGの変化にも対応している。 --戦場では鎧を着る上杉謙信や北条氏康といった今までのシリーズでは描かれなかった点が表現されており、好評である。 --しかし、これにより、織田信長等の有名武将ですら前作の使いまわしCGが存在するようになってしまったため、無理に用意する必然性が感じられない。((信長は壮年期、武田信玄、上杉謙信は青年期が前作の使いまわしとなってしまっている。)) --また、マイナー武将に至っては相変わらず『天下創世』の使いまわしである。 -チグハグな武将とシナリオ --シリーズ最大となる2190人の武将が登場し、一条内政((一条兼定の嫡男))など本作が初登場となった武将も存在する。 --前作の「創造立志伝」からさらに増えた為、シリーズ最大数の武将が登場するが、シナリオは「1545年川越夜戦」から「1582年夢幻の如く」までとなる為、1545年以前に死亡した「信長の誕生」シナリオに登場する武将は''「群雄集結」シナリオ専用の特殊武将扱い''。 --また、本能寺の変までしかシナリオが無い為、関ヶ原や大坂の陣で活躍する武将もほとんど出番がない。 ---つまりは''武将は存在するのにシナリオが用意されていない''という、手抜きにしか見えない仕様となっている。 --後に「1534年 信長の誕生」はDLCとして配信されたが、歴史イベントは一切なし、年代的には鉄砲が伝来していないのに鉄砲を生産、購入が可能といった、''有料シナリオなのにシリーズの中でも最も手抜きな仕様''となっている((はじめて「信長の誕生」シナリオが本格的に採用された「天翔記」では、鉄砲伝来イベントによって鉄砲の入手が解禁される他、全員が鉄砲適性が最低になるといった制限がかけられていた。))。 --また、発売当初は開発コマンドがなかったために武将が活躍する場面が少なく、愛着が沸きづらくなり、むしろ無駄に人数が増えた為に病気の報告ばかりが来て煩わしさすら感じてしまうほどになる。 **評価点 -BGM --今作のBGMは引き続いて大塚正子氏が担当している。壮大なBGMは聞きごたえがある。 -決戦の作り込み --『革新』以降、合戦要素に関しては軽視される事が多かったが、本作では久しぶりに作り込まれた合戦となっており、完成度は高め。 ---昔のシリーズのように一度出兵を行えば一度決戦が行われるといった塩梅である。 ---それぞれの作戦によって戦い方が大きく変わる為、敵の作戦を見破ったり、虚を突かれたりと遊びごたえがある。 ---武将によっては専用の戦法が用意されている事もあって、かなり個性を感じることが出来る。 -新たな着眼点 --合戦のリスクが大きくなった為、おいそれと武力統一は出来ず、惣無事令を目指すようなバランスとなっており史実に則している。 ---- **総評 近年の信長の野望シリーズは「創造」「創造立志伝」とPKやアップデートなしでは散々な評価を受ける事が多かったが、残念ながら本作においても同様であり、~ 様々な要素がカットされてスカスカなものとなり、もはや''無印を発売日に定価で買うのは見えている地雷を踏みぬくようなもの''と思わせるような完成度である。~ また、スマートフォン版の発売を意識した結果、その全てが中途半端で薄い内容となってしまい、[[三國志12]]と同じ轍を踏む結果となってしまった。~ Amazonでのレビューの平均スコアは1.8と散々な結果となっている。~ 信長の野望シリーズは廉価版が発売するまで値段が下落しないことで有名だったが、PS4版に至っては発売から半年足らずで新品で3,000円前後と投げ売り同様の状態となっている。~
*信長の野望 大志 【のぶながのやぼう たいし】 |ジャンル|歴史シミュレーションゲーム|CENTER:&amazon(B074G2VSY4)&br()※Switch版|CENTER:&amazon(B074G31LY4,image=https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/812VRoBrWTL._SL160_.jpg)&br()※PS4版|CENTER:&amazon(B074G1WHMK)&br()※Windows版| |対応機種|Nintendo Switch&br()プレイステーション4&br()Windows 7/8.1/10|~|~|~| |発売・開発元|コーエーテクモゲームス|~|~|~| |発売日|2017年11月30日|~|~|~| |定価|通常版 / TREASURE BOX&br()【Switch/PS4】8,800円 / 12,800円&br()【Win】9,800円 / 13,800円(各税別)|~|~|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|~|~| |~|BGCOLOR(khaki):''黒歴史''|~|~|~| |ポイント|&bold(){全ての戦国好きに捧げる、最悪の戦国体験}&br()あらゆる要素がことごとく薄く面倒くさい&br()劣悪なUI&br()謀略家&内政家涙目&br()たかり外交&br()BGM・武将数・武将の顔グラは好評|~|~|~| |>|>|>|>|CENTER:''[[信長の野望シリーズリンク>信長の野望シリーズ]]''| ----- #contents(fromhere=true) ----- **概要 信長の野望シリーズ第15作目でシリーズ35周年作品。~ 「全ての戦国好きに捧げる、最高の戦国体験」をテーマとし、「志システム」を目玉システムとし、各種新要素を取り入れた。~ 発売前には各メディアにて大々的に宣伝をし、実質的な前作「[[創造 with パワーアップキット>信長の野望 創造#id_ef1b0544]]」(以下創造PK)が好評だったため、大きな期待が持たれていたが……。 **特徴 ''志システム'' -本作は各武将に内政、軍事、外交等に対する考え方「志」を持っており、それに従い行動する。その数は50を超える。 --織田信長をはじめ、武田信玄、上杉謙信等有名武将には固有の「志」が存在する。 --志には特性(スキル)が存在し、条件を満たすと追加の特性も獲得できる。 --前作の政策を発展させたものであり、大名の志に応じた補正が得られるがデメリットも存在する((織田信長の場合、兵農分離と楽市楽座となり、足軽を安く雇えるが農兵の兵糧収入が減り、商圏の成長速度が速まるが、独占が出来ない等といった補正がかかる)) ''全体の流れ'' -「創造PK」と同様に政略フェイズと進行フェイズに分かれ、政略フェイズで決定した命令を進行フェイズにて実行する。 --前作と同様に条件を満たして惣無事令を発するか、全国を統一する事でクリアとなる。 ''評定と方策'' -季節毎に「評定」が行われ、参加した武将の提案を受け入れる事で4つの「施政力(農業、商業、軍事、論議)」を獲得し、施政力を消費する事で様々なメリットが得られる「方策」を開放していく。 --施政力を消費する事で4つのツリーからを方策を開放していく。農業の方策ならば「指出検地(兵糧収入増加)」、軍事なら「足軽重用(足軽募兵速度上昇)」等 ---方策のツリーは大名の志によって変化する為、代替わりによって大名の志が変わり、実行出来なくなった方策が出た場合は施政力に戻される。 --評定に参加する武将は選ぶことが出来ず((方策により、新参を優遇したり、古参を優遇したりする事が可能))、また、施政力の種類もランダムであるため、気に入らなければ一度だけ振りなおす事が可能。武将の能力に応じて施政力の上昇に補正がかかる((「統率」が高ければ「軍議」が、内政が高ければ「農業、商業」が、「知略」が高ければ「論議」が上がりやすくなる)) --また、特定の武将を登用する事で固有の方策を開放する事が可能となる。「佐々成政のさらさら越え」や「山県昌景の赤備え」等が該当。 ''商業'' -今作では主に支配地の「商圏」に「進出」ないし「投資」を行うことで金銭収入を得る。 --地方によっては特殊な商圏も存在する。特定の商圏は鉄砲等物資も得られる場合がある。 --親善関係(通交条約あるいは同盟関係)にある他国の商圏に進出することも可能。逆に他国が自支配地域の商圏に進出してくる場合もあり、その場合は収入は折半となる。 ---他家を招き入れる事で商圏内で競争が行われる為、商圏の成長速度が速まる。また、商圏を独占する事で他家を一方的に締め出すことも可能。ただし、独占を行うと外交で悪印象を持たれる。 ---地方のすべての商圏を支配し、一定の規模まで発展させる事で商圏が合併し、「大商圏」へと成長する事が可能であるが、他家が進出していた場合は不可能であるため、大商圏を作る場合は独占は不可欠である。 ''軍事'' -今までの作品とは異なり、「兵農分離」が肝となっている。農業に従事している民は「農民」として、従事していない民は「流民」として扱われ、農民は「農兵」に、流民は「足軽」として募兵する事が可能。 --農兵は兵糧収入が減るが金がかからず、お手軽に揃える事が可能。ただし、足軽に比べると弱く、決戦が長引くと戦に不慣れであるため戦意が落ちるといった要素がある。 --足軽は金銭を多く使用する為、揃える事が難しいが、戦専門の兵であるため、農兵よりも強く決戦が長引くと戦意が上がる。 ---また、農兵と足軽にはそれぞれ強さのレベルが存在し、方策などで上昇する。織田家では足軽が強く、長宗我部家では農兵が強いといった特徴が表現されている。 ''農業'' -今作では開墾や肥料を撒く等リアルに沿ったコマンドが用意されている。 --命令できるのは3、6、9、12月の4回だけである。 --農業を行う事で兵糧収入を増やす事が可能であるが、農業に従事させることで流民が減り農民が増えるため、足軽を重視する場合は割合を考える必要がある。 ''外交'' -ベースは「創造PK」と同じで、親善行動により「心証」というポイントを貯め、心証に応じて援軍要請や同盟等が可能となる。 --本作では合戦を行うには外交で「宣戦布告」をする必要があり、交戦状態を解除するには「講和」を持ちかける必要がある。この際に相手から出される条件を飲む事で交戦状態を解除する事が可能。 ---本作では戦で消費する兵糧が増えたほか、戦が長引くと厭戦気分が漂い、住民感情が悪化するといったリスクが増えた事により、講和を持ちかける事も重要な要素となる。 ''開発'' -発売当初は存在せず、アップデートにより追加された要素。前作の箱庭内政に相当する。 --武将に命じる事によって領内に施設を設置する事が可能、施設によって収入を増やしたり人口を増やす事が可能となった。 ''合戦'' -マップ上で味方と敵がぶつかると、「決戦」に突入する。「創造PK」で言う「会戦」であり、各武将を操作して敵軍の壊滅を目指す。 -決戦の勝利条件は、「敵部隊全滅」「敵総大将の壊滅」「戦況ゲージを青一色にする」の三点 --戦の前に軍議が開かれ、武将から提案された「作戦」を決める。「本陣斬り込み((斬り込み部隊が特定の時間までに本陣を見つけると強攻状態となり能力が大きく上がる))」「囮挑発((囮部隊を作り、一定時間ごとに周囲の敵部隊を引き付ける))」「全軍突撃((一定時間一切操作不能になるが、攻撃力が大幅に上がった状態になる))」等の種類があり、作戦によって戦い方が大きく変わる。 ---「釣り野伏」や「車懸り」などの専用の作戦も存在する。 --また、戦場の規模が存在し、決戦を行った場所によっては狭所である為、''ほとんど兵がいない''状態で戦わなければならないこともある。合戦開始後に徐々に合流する形で兵が増えていくが、一歩でも動かすと兵は増えなくなる。 ---極端に狭い戦場の場合は数百人規模の部隊となり、合流速度も雀の涙であるため、ほぼ増援はないに等しく、互いに同等の兵力で戦う事を強いられる。 ---この為、ゲーム終盤などで大兵力でごり押しが非常にやりづらくなった。裏を返せば弱小勢力でも対抗することが可能になったとみるべきか。 --部隊ごとに「戦意」が存在し、状況に応じて上下する。戦意がなくなると潰走状態となり、操作できなくなるほか被害が出やすくなり、戦況ゲージの悪化にもつながる。 ---先述の通り、農兵は決戦が長引くことで戦意が下がり、足軽はその逆であるため、ふとしたことから戦況がひっくり返る事が多々ある。 ---- **問題点 -劣悪なUI --本作では明らかにスマートフォン用ゲームを意識したUIとなっており、それが逆に足枷となっている。先述した通りのアイコン問題、更に各種情報ウィンドウが大きすぎて、視認性が劣悪である。 --武将を移動させる際に一覧からソートができない。 -それまでのシリーズとは異なり、大名を選んだ後に難易度などの各種設定が表示されない為、シナリオ選択し、大名を選択するといきなりゲームが始まってしまう。 --大名選択は&bold(){格闘ゲームを意識しすぎた}UIとなっている。顔グラフィックを見て選択するので、コアなファン以外はどれが目当ての大名かわからない。一応、地図から選択する形式に切替は可能ではあるが・・・。 --各種設定はシナリオ選択時に''目立たない箇所にあるアイコンを選ぶ''ことで呼び出す事が可能。 --初心者が各種設定に気付かずに中級難易度でゲームを開始してしまったり、チュートリアルを切りそびれて延々と説明を受けるといった不親切な設計になっている。 -意味のない内政 --パラメータを上げたことによる効果は発展した、強くなった&bold(){ような気がする}程度の効果であり、軍備強化してさっさと攻め込んだほうがいい。故に内政値だけが高い武将が「死に」武将に。 ---規模が小さな勢力だと、金がない→内政をする→効果が雀の涙→金が貯まらない→軍備増強できない→そのうち攻め込まれるのパターンに陥り、&bold(){もれなく詰む。} -決戦を回避できない --スキップすることは可能だが、勝敗および兵力の損害の計算は単純に数字だけで判断する模様で、結果敵味方双方とも損害が大きく出てしまう。結局損害を減らすために、決戦をするはめになる。弱小勢力だと尚更。 -朝廷の存在が無意味かつ邪魔 --たまに金銭を要求してきて、その見返りに官位を貰えるが、今作の官位は外交にほとんど影響を及ぼさない。なお、断ると当然の権利のように心証が悪くなる。 -またもやカットされた調略と軍団。 --今作では引き抜きや暗殺等の調略が存在しない。忠誠度が低い武将は自ら出奔していなくなるだけであり、引き抜かれたり寝返ったりはしない。前作の無印と同様に''クリーンな戦国''となっている。 ---よって、過去作で重要な意味を持った「知略」のパラメーターがほぼ無意味なものに。(今作の「知略」は決戦時の部隊の防御力と評定時の施政力の上昇に影響するだけ) --軍団の要素もカットされてしまい、すべての合戦を自分で行う必要がある。 ---宣戦布告しては後は軍団に委任といった事は出来ない。 --そもそも前作の時点で調略や軍団をカットしたことによって非難を浴び、PKにて実装されたのだが、再びカットしてしまっては元の木阿弥である。 -操作に統一性がない(PS4版) --今作はコマンドの決定/拒否の表記が「はい/いいえ」「YES/NO」等ではなく、「○/×」のアイコンとなっている。PS4版ではなんと決定が「△ボタン」であり、「○」のアイコンを見てついつい○ボタンを押してしまいがち。さすがに拒否は×ボタンだが……。 ---これだけならまだマシなのだが、○ボタンで決定するコマンドも存在しており、操作に統一性が全くない。一応○アイコンの上に小さく△と表記されてはいるが……。 -外交 --金品を他国に要求しようとすると、なんと相手から条件として同盟締結を提示される。前作までは同盟を結ぶために金品や人質を渡したりしなければならなかったのだが……。 ---つまり同盟を結びたければ、&bold(){相手に金品を要求すればいい。} --外交可能勢力の制限 ---隣接している勢力としか外交ができない。標的の向こう隣の勢力と共同で攻め込む、つまり「挟み撃ち作戦」をすることができない。 --リアルにしすぎた外交関係 ---特に「同盟国の同盟国」の扱いが非常に厄介。攻め込もうとすると、同盟国の心証だけではなく、無関係の周辺国にも「不義理な奴」と判断され、外交関係が一気に悪化する。 -家宝入手がランダムイベントに --本作では[[家宝を自発的に購入することができず>信長の野望 覇王伝]]、家宝を入手するには献上品として家宝をくれる商人を待つしかない。 --ランダムイベントになったため、家宝のコンプリートが非常に困難となっている。 -志を体感できるのは大名まで --大名以外の武将にも志が設定されているが、イマイチ体感できない。 ---所属する大名家を滅ぼせば問答無用で所属武将を総取り出来るため、高橋紹運や山中鹿之助といった義将がホイホイ降伏するのに違和感を感じる部分がある。武将によっては絶対に降伏しないといった個性があればよりそれっぽく見えるのだが… -発売当初の惨状 --「創造」「創造戦国立志伝」と同様に発売当初は様々な要素が欠けており、アップデートによって対応されたものの大きく評判を落とす事になってしまった --決戦をスキップ不可能。どんな小さな決戦でも必ず操作する必要があり、ゲーム時間の大半が決戦で費やされる事になった --「開発」コマンドが無かったため、武将を集めた所でやる事が無く、ニートと化してしまう。能力が高い武将が居ても評定で発言しなければ宝物持ち腐れとなってしまうのも痛い所。 ---それまでのシリーズとは異なり、政治力の高い武将を奉行にして素早く領地を発展させるというものではなく、あくまで商圏や農民に指示をするだけなので、''評定と合戦と外交の使者以外に武将がいる意味はほぼなく''、せっかくのシリーズ最大数の武将数が生かされていない ---場合によってはある程度発展するまで「''商圏に一回投資してターン終了''」といった、''まるでシリーズ初期のようなシンプル過ぎる内政''を強いられることもあった。 ---開発コマンドの追加によって、従来のシリーズのように武将を奉行に命じることが出来るようになり、ようやく出番が出てきたという所か --商圏の一括進出、一括投資といったコマンドがなかったために、一つ一つの商圏を調べながら投資する必要があり、煩わしかった。 **賛否両論点 -「決戦」の仕様 --ほとんどの決戦の勝利要因が「戦況ゲージを青一色にする」ことであるため、精鋭部隊を編成するより、烏合の衆で奇襲し、一気に戦況ゲージを振り切らせたほうが早い。 -攻城戦が存在しない --「創造 戦国立志伝」では存在していたのに、今作ではオミットされている。 -武将の顔グラフィック -『[[三國志13]]』と同様に有名武将には平時と合戦時の2種類のグラフィックが用意された。さらには前作の年齢による顔CGの変化にも対応している。 --戦場では鎧を着る上杉謙信や北条氏康といった今までのシリーズでは描かれなかった点が表現されており、好評である。 --しかし、これにより、織田信長等の有名武将ですら前作の使いまわしCGが存在するようになってしまったため、無理に用意する必然性が感じられない。((信長は壮年期、武田信玄、上杉謙信は青年期が前作の使いまわしとなってしまっている。)) --また、マイナー武将に至っては相変わらず『天下創世』の使いまわしである。 -チグハグな武将とシナリオ --シリーズ最大となる2190人の武将が登場し、一条内政((一条兼定の嫡男))など本作が初登場となった武将も存在する。 --前作の「創造立志伝」からさらに増えた為、シリーズ最大数の武将が登場するが、シナリオは「1545年川越夜戦」から「1582年夢幻の如く」までとなる為、1545年以前に死亡した「信長の誕生」シナリオに登場する武将は''「群雄集結」シナリオ専用の特殊武将扱い''。 --また、本能寺の変までしかシナリオが無い為、関ヶ原や大坂の陣で活躍する武将もほとんど出番がない。 ---つまりは''武将は存在するのにシナリオが用意されていない''という、手抜きにしか見えない仕様となっている。 --後に「1534年 信長の誕生」はDLCとして配信されたが、歴史イベントは一切なし、年代的には鉄砲が伝来していないのに鉄砲を生産、購入が可能といった、''有料シナリオなのにシリーズの中でも最も手抜きな仕様''となっている((はじめて「信長の誕生」シナリオが本格的に採用された「天翔記」では、鉄砲伝来イベントによって鉄砲の入手が解禁される他、全員が鉄砲適性が最低になるといった制限がかけられていた。))。 --また、発売当初は開発コマンドがなかったために武将が活躍する場面が少なく、愛着が沸きづらくなり、むしろ無駄に人数が増えた為に病気の報告ばかりが来て煩わしさすら感じてしまうほどになる。 **評価点 -BGM --今作のBGMは引き続いて大塚正子氏が担当している。壮大なBGMは聞きごたえがある。 -決戦の作り込み --『革新』以降、合戦要素に関しては軽視される事が多かったが、本作では久しぶりに作り込まれた合戦となっており、完成度は高め。 ---昔のシリーズのように一度出兵を行えば一度決戦が行われるといった塩梅である。 ---それぞれの作戦によって戦い方が大きく変わる為、敵の作戦を見破ったり、虚を突かれたりと遊びごたえがある。 ---武将によっては専用の戦法が用意されている事もあって、かなり個性を感じることが出来る。 -新たな着眼点 --合戦のリスクが大きくなった為、おいそれと武力統一は出来ず、惣無事令を目指すようなバランスとなっており史実に則している。 ---- **総評 近年の信長の野望シリーズは「創造」「創造立志伝」とPKやアップデートなしでは散々な評価を受ける事が多かったが、残念ながら本作においても同様であり、~ 様々な要素がカットされてスカスカなものとなり、もはや''無印を発売日に定価で買うのは見えている地雷を踏みぬくようなもの''と思わせるような完成度である。~ また、スマートフォン版の発売を意識した結果、その全てが中途半端で薄い内容となってしまい、[[三國志12]]と同じ轍を踏む結果となってしまった。~ Amazonでのレビューの平均スコアは1.8と散々な結果となっている。~ 信長の野望シリーズは廉価版が発売するまで値段が下落しないことで有名だったが、PS4版に至っては発売から半年足らずで新品で3,000円前後と投げ売り同様の状態となっている。~

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